JPH0726132A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂組成物Info
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- JPH0726132A JPH0726132A JP17387793A JP17387793A JPH0726132A JP H0726132 A JPH0726132 A JP H0726132A JP 17387793 A JP17387793 A JP 17387793A JP 17387793 A JP17387793 A JP 17387793A JP H0726132 A JPH0726132 A JP H0726132A
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Abstract
ト樹脂組成物を開発すること。 【構成】 (A)主鎖が、(a)一般式(I) 【化1】 で表されるカーボネート構造単位I及び(b)一般式(I
I) 【化2】 で表されるカーボネート構造単位IIからなり、かつカー
ボネート構造単位IIの割合が特定されたポリカーボネー
ト共重合体と、(B)一般式(III) 【化3】 〔式中の記号は明細書に記載の通りである。〕で表され
るカーボネート構造単位III を有するポリカーボネート
重合体とからなり、かつカーボネート構造単位IIの割合
が特定されたポリカーボネート樹脂組成物である。
Description
成物に関する。さらに詳しくは、耐熱性及び耐衝撃性に
優れ、機械部品,電気・電子部品,自動車部品あるいは
光学部品などに好適に用いられるポリカーボネート樹脂
組成物に関するものである。
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを含むポ
リカーボネート共重合体は、高い耐熱性を有することが
知られている(米国特許第3546165号明細書)。
しかし、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレンを含むポリカーボネートは、耐衝撃性が低く、そ
の改良が強く望まれている。この耐衝撃性を改良する方
法としては、例えば、シロキサンとのブロック共重合な
どの方法が知られている(J.Appl.Polym.Sci.Vol.20,P-
3275,1976 年)。しかるに、この方法によって得られる
シロキサンとのポリカーボネート共重合体は、高価であ
り、工業的には余り有用なものでなく、また、その改良
効果も余り大きなものではない。
上記の点に鑑み、従来の上記問題を解決し、耐熱性およ
び耐衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を得る
べく鋭意研究を重ねた。その結果、主鎖が、ビスフェノ
ール類からのカーボネート構造単位I及びフルオレン類
に由来するカーボネート構造単位IIからなり、カーボネ
ート構造単位IIの割合を特定の範囲に調節したポリカー
ボネート共重合体とポリカーボネート重合体とからなる
ポリカーボネート樹脂組成物が、目的とする特性を有す
ることを見い出した。本発明はかかる知見に基づいて完
成したものである。すなわち、本発明は、(A)主鎖
が、(a)一般式(I)
子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、それぞれ同じ
ものであっても、異なるものであってもよい。〕で表さ
れるカーボネート構造単位I及び(b)一般式(II)
8の有機基を示し、Xが複数ある場合、それぞれのXは
同じものであっても、異なるものであってもよい。m及
びnは、それぞれ0〜4の整数である。〕で表されるカ
ーボネート構造単位IIからなり、かつカーボネート構造
単位IIの割合が、カーボネート構造単位I及びカーボネ
ート構造単位IIの全量に対して、15〜100モル%で
あるポリカーボネート共重合体と、(B)一般式(III)
のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基を示し、
Yが複数ある場合、それぞれのYは同じものであって
も、異なるものであってもよい。pおよびqは、それぞ
れ0〜4の整数である。Aは、単結合,−O−,−S
−,−SO2 −,炭素数1〜8のアルキレン基,炭素数
2〜8のアルキリデン基,炭素数5〜15のシクロアク
キレン基,炭素数5〜15のシクロアクキリデン基,炭
素数6〜15のアリーレン基又は炭素数7〜15のアリ
ールアルキレン基を示す。〕で表されるカーボネート構
造単位III を有するポリカーボネート重合体とからな
り、かつ(A)成分及び(B)成分の合計量に対して、
一般式(II)で表されるカーボネート構造単位IIが、2〜
15モル%であることを特徴とするポリカーボネート樹
脂組成物を提供するものである。
物を構成する(A)成分のポリカーボネート共重合体
(PC共重合体)は、主鎖が、(a)成分である一般式
(I)で表されるカーボネート構造単位Iと(b)成分
である一般式(II)で表されるカーボネート構造単位IIと
からなるものである。ここで、一般式(I)で表される
カーボネート構造単位I中のR1 及びR2 は、それぞれ
水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基(メチル基,エ
チル基,プロピル基,ブチル基)を示し、それぞれ同じ
ものであっても、異なるものであってもよい。また、一
般式(II)で表されるカーボネート構造単位II中のXは、
ハロゲン原子(例えば、塩素,臭素,フッ素,沃素)又
は炭素数1〜8の有機基(例えば、メチル基,エチル
基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,
ヘプチル基,オクチル基などのアルキル基、メトキシ
基,エトキシ基,プロピルオキシ基,ブチルオキシ基,
ペンチルオキシ基,ヘキシルオキシ基,ヘプチルオキシ
基,オクチルオキシ基などのアルコキシ基など)を示
し、Xが複数ある場合、それぞれのXは同じものであっ
ても、異なるものであってもよく、m及びnは、それぞ
れ0〜4の整数である。
重合体は、次のビスフェノール類を原料として製造され
る。すなわち、PC共重合体の主鎖を構成する(a)成
分のカーボネート構造単位Iに対応するビスフェノール
(i)としては、一般式(IV)
る。〕で表される化合物が用いられる。また、PC共重
合体の主鎖を構成する(b)成分のカーボネート構造単
位IIに対応するビスフェノール (ii)としては、一般式
(V)
る。〕で表される化合物が用いられる。ここで、前記一
般式(IV)で表されるビスフェノール(i)としては、様
々なもものがある。具体的には、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔通称ビスフェノールA〕;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ペンタン;3,3−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ペンタン;2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)オクタン;2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサン;3,3−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ヘキサン等が挙げられる。これらのビス
フェノール(i)の中では、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン〔通称ビスフェノールA〕が好
ましく用いられる。これらのビスフェノールは、単独で
用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
ェノール(ii)としては、様々なものがある。具体的に
は、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)フルオレンなどが挙げられる。これらのビス
フェノール(ii)の中では、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレンが好ましく用いられる。これら
のビスフェノールは、単独で用いてもよく、また二種以
上を組み合わせて用いてもよい。
通常のポリカーボネートの製造において慣用されている
方法、例えば、ホスゲンまたはホスゲン誘導体を使用す
る界面重縮合法あるいはエステル交換法(溶融法)など
を用いて製造することができる。これらの中では、界面
重縮合法によって製造するのが好ましい。ホスゲンまた
はホスゲン誘導体を用いる界面重縮合法としては、例え
ば、ビスフェノール(i)もしくは(ii)とホスゲン又は
ホスゲン誘導体とから、予め、ビスフェノール(i)の
ポリカーボネートオリゴマー(PCオリゴマーI)又は
ビスフェノール(ii)のポリカーボネートオリゴマー(P
CオリゴマーII)を合成しておき、これらのオリゴマー
の不活性有機溶剤溶液と、ビスフェノール(i)と(ii)
とを所定の割合で含有するアルカリ水溶液とを反応させ
る方法、あるいはビスフェノール(i)と(ii)とを所定
の割合で含有するアルカリ水溶液と不活性有機溶剤との
混合液に、ホスゲン又はホスゲン誘導体を導入して反応
させる方法などが挙げられる。これらの中では、前者の
オリゴマー法が好適である。上記ホスゲン又はホスゲン
誘導体としては、ホスゲンをはじめトリホスゲン,ブロ
モホスゲン,ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)
カーボネート,ビス(2,4−ジクロロフェニル)カー
ボネート,ビス(2−シアノフェニル)カーボネート,
クロロギ酸トリクロロメチルなどが挙げられる。
共重合体をオリゴマー法によって製造する方法について
説明する。先ず、アルカリ金属水酸化物の水溶液に該ビ
スフェノール(i)又はビスフェノール(ii)を溶解さ
せ、ビスフェノールのアルカリ水溶液を調製する。次い
で、このアルカリ水溶液と不活性有機溶剤との混合液に
ホスゲン又はホスゲン誘導体を導入して、PCオリゴマ
ーI又はPCオリゴマーIIを合成する。この際、該アル
カリ水溶液のアルカリ濃度は1〜15重量%の範囲が好
ましく、また、有機相と水相との容積比は、5:1〜
1:7、好ましくは2:1〜1:4の範囲にあるのが望
ましい。反応温度は水浴冷却し、通常0〜50℃、好ま
しくは5〜40℃の範囲で選ばれ、反応時間は15分な
いし4時間、好ましくは30分ないし2時間程度であ
る。このようにして得られたPCオリゴマーの重合度
は、通常20以下、好ましくは2〜10程度である。
リゴマーを含む有機相に、所望により不活性有機溶剤を
加え、これとビスフェノール(i)と(ii)とを所定の割
合で含むアルカリ水溶液とを接触させて、通常0〜50
℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温度において、10
分ないし6時間程度界面重縮合させる。 この際、該ア
ルカリ水溶液のアルカリ濃度は1〜15重量%が好まし
く、また有機相と水相との容積比は7:1〜1:2、好
ましくは4:1〜1:1の範囲にあるのが望ましい。そ
して、ビスフェノールと該PCオリゴマーとの割合は、
ビスフェノール/PCオリゴマーのクロロホーメート基
モル比が、通常0.4〜0.55、好ましくは0.45〜0.5
になるように選ばれる。また、アルカリ金属水酸化物と
オリゴマーとの割合は、アルカリ金属水酸化物/オリゴ
マーのクロロホーメート基モル比が、通常1.0〜2.0、
好ましくは1.2〜1.7になるように選ばれる。さらに、
この反応において、所望に応じ末端停止剤や触媒を用い
ることができる。末端停止剤の使用量は、末端停止剤/
オリゴマーのクロロホーメート基モル比が、通常0.02
〜0.20、好ましくは0.04〜0.17になるように選ば
れる。また、触媒の使用量は、触媒/オリゴマーのクロ
ロホーメート基モル比が、通常、1.0×10-3〜10.0
×10-3、好ましくは1.0×10-3〜5.0×10-3にな
るように選ばれる。
るアルカリ金属の水酸化物としては、例えば、水酸化ナ
トリウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム,水酸化セ
シウムなどが挙げられる。これらの中では、水酸化ナト
リウムと水酸化カリウムが好適である。特に、ビスフェ
ノール(ii) のフルオレンの場合には、水酸化カリウム
が最適である。また、不活性有機溶剤としては、各種の
ものがある。例えば、ジクロロメタン(塩化メチレ
ン);クロロホルム;1,1−ジクロロエタン;1,2
−ジクロロエタン;1,1,1−トリクロロエタン;
1,1,2−トリクロロエタン;1,1,1,2−テト
ラクロロエタン;1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン;ペンタクロロエタン,クロロベンゼンなどの塩素化
炭化水素や、アセトフェノンなどが挙げられる。これら
の有機溶剤は、単独で用いてもよく、また二種以上を組
み合わせて用いてもよい。これらの中では、特に塩化メ
チレンが好適である。
を用いることができる。具体的には一価フェノールとし
ては、例えば、フェノール,p−クレゾール,p−t−
ブチルフェノール,p−クミルフェノール,トリブロモ
フェノール,ノニルフェノール,p−t−オクチルフェ
ノールなどが挙げられる。また、触媒についても、各種
のものを用いることができる。具体的には、四級アンモ
ニウム塩,四級ホスホニウム塩あるいは三級アミンなど
で、例えば、四級アンモニウム塩としては、トリメチル
ベンジルアンモニウムクロライド,トリエチルベンジル
アンモニウムクロライド,トリブチルベンジルアンモニ
ウムクロライド,トリオクチルメチルアンモニウムクロ
ライド,テトラブチルアンモニウムクロライド,テトラ
ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。ま
た、四級ホスホニウム塩としては、例えば、テトラブチ
ルホスホニウムクロライド,テトラブチルホスホニウム
ブロマイドなどが、そして、三級アミンとしては、例え
ば、トリエチルアミン,トリブチルアミン,N,N−ジ
メチルシクロヘキシルアミン,ピリジン,ジメチルアニ
リンなどが挙げられる。
の方法に従って回収操作を行うことにより、本発明にお
けるPC共重合体を得ることができる。このPC共重合
体は、前記一般式(I)で表されるカーボネート構造単
位I及び前記一般式(II)で表されるカーボネート構造単
位IIを主鎖とするポリカーボネート共重合体である。こ
のPC共重合体において、前記一般式(II)で表されるカ
ーボネート構造単位IIの割合は、カーボネート構造単位
I及びカーボネート構造単位IIの全量に対して、15〜
100モル%である。そして、このPC共重合体は、粘
度平均分子量が10,000〜50,000、好ましくは1
2,000〜40,000であり、耐熱性及び耐衝撃性に優
れたものである。
物を構成する(B)成分のポリカーボネート重合体(P
C)は、前記一般式(III) で表されるカーボネート構造
単位III を有し、様々なものがある。このPCの製造に
は、ビスフェノールとして、一般式(VI)
上記一般式(VI)中、Yは、ハロゲン原子(例えば、塩
素,臭素,フッ素,沃素)又は炭素数1〜8のアルキル
基(例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル
基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基
など)又は炭素数6〜15のアリール基(例えば、フェ
ニル基,ヒドロキシフェニル基,メチルフェニル基,ナ
フチル基など)を示し、Yが複数ある場合、それぞれの
Yは同じであっても、異なるものであってもよい。ま
た、p及びqは、それぞれ0〜4の整数である。そし
て、Aは、単結合,炭素数1〜8のアルキレン基又は炭
素数2〜8のアルキリデン基(例えば、メチレン基,エ
チレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,
ヘキシレン基,エチリデン基,イソプロピリデン基な
ど),炭素数5〜15のシクロアルキレン基又は炭素数
5〜15のシクロアルキリデン基(例えば、シクロペン
チレン基,シクロヘキシレン基,シクロペンチリデン
基,シクロヘキシリデン基など),炭素数6〜15のア
リーレン基又は炭素数7〜15のアリールアルキレン基
(例えば、フェニレン基,ナフチレン基,キシリレン
基,フェニルエチリデン基など),又は−S−,−SO
−,−SO 2 −,−O−,−CO−結合もしくは一般式
(VII)
(B)成分のPCは、通常のPCの製造において慣用さ
れている界面重縮合法あるいはエステル交換法によっ
て、一般式(VI)で表わされるビスフェノールとホスゲン
又は炭酸ジエステル化合物とを反応させることによって
容易に製造することができる。すなわち、例えば、界面
重縮合法では、塩化メチレンなどの溶媒中において、公
知の酸受容体や末端停止剤の存在下、一般式(VI)で表さ
れるビスフェノールと前記のホスゲンまたはホスゲン誘
導体のようなカーボネート前駆体との反応により、ある
いはエステル交換法では、該ビスフェノールとジフェニ
ルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステ
ル交換反応などによって製造される。
ェノールとしては、様々なものがある。具体的には、例
えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェ
ノールA);2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オク
タン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニ
ルメタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチル
フェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−
t−ブチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン;2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパンなど
のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン;1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシア
リール)シクロアルカン類、4,4−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリール
エーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジ
フェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスル
フィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキ
シド;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジ
フェニルスルホキシドなどのジヒドロキシアリールスル
ホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフ
ェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン
類などが挙げられる。これらの中では、特に、ビスフェ
ノールAが好適である。これらのビスフェノールは、そ
れぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用い
てもよい。
は、前記一般式(VI)で表されるビスフェノールに、三個
以上の官能基を有する化合物(分岐剤)を含めて用いる
ことができる。ここで、三個以上の官能基を有する化合
物としては、水酸基,カルボキシル基,アミノ基,イミ
ノ基,ホルミル基,酸ハライド基,ハロホーメート基な
どの官能基を一化合物中に、三個以上有するものであ
る。例えば、フロログルシン,メリト酸,トリメリト
酸,トリメリト酸クロリド,無水トリメリト酸,没食子
酸,没食子酸n−プロピル,プロトカテク酸,ピロメリ
ト酸,ピロメリト酸第二無水物,α−レゾルシン酸,β
−レゾルシン酸,レゾルシンアルデヒド,トリメチルク
ロリド,トリメチルトリ4−クロロホルミルフタル酸無
水物,ベンゾフェノンテトラカルボン酸;4,6−ジメ
チル−2,4,6−トリ(4’−ヒドロキシフェニル)
−ヘプテン−2;4,6−ジメチル−2,4,6−トリ
(4’−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン−2;1,
3,5−トリ(4’−ヒドロキシフェニル)−ベンゼ
ン;1,1,1−トリ−(4’−ヒドロキシフェニル)
−エタン;2,2−ビス−〔4,4−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキシル〕−プロパン;2,6
−ビス−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)
−4−メチルフェノール;2,6−ビス−(2’−ヒド
ロキシ−5’−イソプロピルベンジル)−4−イソプロ
ピルフェノール;ビス−〔2−ヒドロキシ−3−(2’
−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−5−メチルフ
ェニル〕メタン;テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)
メタン;トリ−(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメ
タン;トリス(4’−ヒドロキシアリール)−アミル−
s−トリアジン;α,α’,α”−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼ
ン;1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニ
ル)エチル−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキ
シフェニル)エチル〕ベンゼン;1−〔α−メチル−α
−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−3−
〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチ
ル〕ベンゼン等が挙げられる。これらの中では、1,
1,1−トリ−(4’−ヒドロキシフェニル)−エタン
が好ましい。
を用いることができる。通常、ポリカーボネートの重合
に用いられるものであり、一価フェノールが用いられ
る。例えば、フェノール,p−クレゾール,p−tert−
ブチルフェノール,p−tert−オクチルフェノール,p
−クミルフェノール,p−ブロモフェノール,トリブロ
モフェノール,ノニルフェノール等が挙げられる。この
ようにして得られるPCの粘度平均分子量は、10,00
0〜50,000、好ましくは12,000〜40,000で
ある。粘度平均分子量が10,000未満では、耐衝撃性
などの機械的強度が低下する。また、50,000を超え
ると、流動性が低下し、成形性が悪くなり好ましくな
い。なお、(B)成分のPCとしては、市販のものを用
いることもできる。
PC共重合体及び(B)成分のPCからなり、かつ、成
分(A)及び成分(B)は、(A)成分と(B)成分の
合計量に対して、前記の一般式(II)で表されるカーボネ
ート構造単位IIが、2〜15モル%、好ましくは5〜1
5モル%になるように配合される。樹脂組成物中の前記
一般式(II)で表されるカーボネート構造単位IIが2モル
%未満では、耐熱性が低下する。また、15モル%を超
えると、機械的強度が低下し好ましくない。
じて、本発明の目的を阻害しない範囲で、(C)成分と
して、各種の添加剤を配合することができる。例えば、
各種の添加剤としては、ヒンダードフェノール系,亜リ
ン酸エステル系,リン酸エステル系等の酸化防止剤、ベ
ンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等の紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系などの光安定剤、脂肪族カルボ
ン酸エステルやパラフィン,シリコーンオイル,ポリエ
チレンワックス等の内部滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電
防止剤、着色剤等が挙げられる。
及び成分(B)と、必要に応じて(C)成分を配合し、
混練することによって得ることができる。そして、該配
合及び混練には、通常用いられている方法、例えば、リ
ボンブレンダー,ヘンシェルミキサー,バンバリーミキ
サー,ドラムタンブラー,単軸スクリュー押出機,2軸
スクリュー押出機,コニーダ,多軸スクリュー押出機等
を用いて行うことができる。なお、混練に際しての加熱
温度は、通常250〜300℃の範囲で選ばれる。かく
して得られたポリカーボネート樹脂組成物は、既知の種
々の成形方法、例えば、射出成形,中空成形,押出成
形,圧縮成形,カレンダー成形,回転成形等を適用する
ことができ、各種成形品を製造するのに供することがで
きる。
により、詳しく説明する。 合成例1 〔PCオリゴマーIの合成〕400リットルの5重量%
水酸化ナトリウム水溶液にビスフェノールAを60kg
溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を
調製した。次いで、室温に保持したこのビスフェノール
Aの水酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時間の
流量で、また、塩化メチレンを69リットル/時間の流
量で、内径10mm,管長10mの管型反応器にオリフ
ィス板を通して導入し、これにホスゲンを並流して10.
7kg/時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反応さ
せた。ここで用いた管型反応器は二重管となっており、
ジャケット部分には、冷却水を通して反応液の排出温度
を25℃に保った。また、排出液のpHは、10〜11
を示すように調整した。このようにして得られた反応液
を静置することにより、水相を分離除去し、塩化メチレ
ン相220リットルを採取して、これにさらに塩化メチ
レン170リットルを加え、十分に撹拌したものをポリ
カーボネートオリゴマーI(濃度317g/リットル)
とした。ここで得られたPCオリゴマーIの重合度は3
〜4であった。
ム水溶液を9重量%水酸化カリウム水溶液に変え、ビス
フェノールAに代えて9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレンを55kgとした以外は、合成例1
と同様にして実施した。ここで得られたPCオリゴマー
IIの重合度も3〜4であった。
トル及びp−ターシャリーブチルフェノール(PTB
P)64.4g(0.43モル)を加えてA液を調製した。 B液の調製 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン7
82g(2.24モル)をKOH水溶液(KOH448g
を水9リットルに溶解した。)に溶解してB液を調製し
た。A液にトリエチルアミン3ミリリットルを加え、攪
拌しながらB液を素早く添加し、60分間攪拌した。6
0分攪拌後、塩化メチレン7リットルを加え、希釈した
後、遠心分離し、塩化メチレン相を0.03NKOH水溶
液,0.1N塩酸および水の順で洗浄した。洗浄した塩化
メチレン相を激しく攪拌されたメタノール中に徐々に加
え、ポリマー粉末を得た。次いで、ポリマー粉末は、1
20℃,12時間N2 気流下で乾燥させ、さらに、12
0℃で48時間真空乾燥を行い、フレーク状のポリマー
を得た。
レン7.5リットル及びp−ターシャリーブチルフェノー
ル(PTBP)43.6g(0.29モル)を加えてA液を
調製した。 B液の調製 ビスフェノールA510g(2.24モル) をNaOH水
溶液(NaOH320gを水4.7リットルに溶解し
た。)に溶解してB液を調製した。以下、製造例1と同
様にして、フレーク状のポリマーを得た。
及びPC共重合体A2 については、モノマーの組成分析
及び粘度平均分子量を測定した。分析及び測定結果を第
1表に示す。なお、分析および測定方法は、以下の通り
である。 1)モノマーの組成分析 高分解能核磁気共鳴装置(NMR)を用い、分析した。 2)粘度平均分子量(Mv) ウベローデ粘度管を用い、塩化メチレン中20℃で極限
粘度〔η〕を測定し、次の関係式により分子量を求め
た。 〔η〕=1.23×10-5・Mv0.83
合体A2 と市販のポリカーボネートB1 〜B3 を第2表
に示す配合割合でドライブレンドし、さらに酸化防止剤
としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト〔チバガイギー社製,イルガフォス168〕を
800ppm加え、押出機を用いて混練し、ペレット化
した。得られたペレットは、各々120℃で8時間乾燥
した後、射出成形し試験片を作製した。得られた試験片
については、品質評価として、耐衝撃性及び耐熱性を測
定した。また、一部について、難燃性や溶融張力を測定
した。測定結果を第3表に示す。なお、品質評価の測定
方法は、以下の通りである。 1)耐衝撃性 Izod衝撃強度試験(JIS K−7110に準拠)
時の破壊挙動(厚さ1/8インチ,ノッチ付き) 延性破壊本数/試験本数 2)耐熱性 高荷重熱変形温度(JIS K−7207 荷重撓み温
度試験法A法に準拠) 3)難燃性 難燃性試験UL−94 1/16インチ(厚さ) アンダーライターズラボラトリー・サブジェクト94に
従って、垂直燃焼性試験を行った。 4)溶融張力 300℃,引取速度60rpm オリフィス L/D=8/2.1で生じる張力(g) なお、市販のポリカーボネートは、次の通りである。 B1 :タフロンA−2200〔出光石油化学(株)製,
カーボネート構造単位が、ビスフェノールAから誘導さ
れたポリカーボネート〕 B2 :タフロンNB−2500〔出光石油化学(株)
製,カーボネート構造単位が、ビスフェノールA及びテ
トラブロモビスフェノールAから誘導されたポリカーボ
ネート〕 B3 :タフロンIB−2500〔出光石油化学(株)
製,カーボネート構造単位が、ビスフェノールAから誘
導された分岐ポリカーボネート〕
成物は、耐熱性及び耐衝撃性に優れ、したがって、本発
明のポリカーボネート樹脂組成物は、機械部品,電機・
電子部品,自動車部品,光学部品などに好適に用いるこ
とができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)主鎖が、(a)一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ水素原子又は炭素数
1〜4のアルキル基を示し、それぞれ同じものであって
も、異なるものであってもよい。〕で表されるカーボネ
ート構造単位I及び(b)一般式(II) 【化2】 〔式中、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜8の有機基を
示し、Xが複数ある場合、それぞれのXは同じものであ
っても、異なるものであってもよい。m及びnは、それ
ぞれ0〜4の整数である。〕で表されるカーボネート構
造単位IIからなり、かつカーボネート構造単位IIの割合
が、カーボネート構造単位I及びカーボネート構造単位
IIの全量に対して、15〜100モル%であるポリカー
ボネート共重合体と、(B)一般式(III) 【化3】 〔式中、Yはハロゲン原子,炭素数1〜8のアルキル基
又は炭素数6〜15のアリール基を示し、Yが複数ある
場合、それぞれのYは同じものであっても、異なるもの
であってもよい。p及びqは、それぞれ0〜4の整数で
ある。Aは、単結合,−O−,−S−,−SO2 −,炭
素数1〜8のアルキレン基,炭素数2〜8のアルキリデ
ン基,炭素数5〜15のシクロアルキレン基,炭素数5
〜15のシクロアルキリデン基,炭素数6〜15のアリ
ーレン基又は炭素数7〜15のアリールアルキレン基を
示す。〕で表されるカーボネート構造単位III を有する
ポリカーボネート重合体とからなり、かつ(A)成分及
び(B)成分の合計量に対して、一般式(II)で表される
カーボネート構造単位IIが、2〜15モル%であること
を特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項2】 一般式(II)で表されるカーボネート構造
単位IIが、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ルオレンから誘導されたものである請求項1記載のポリ
カーボネート樹脂組成物。
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