JPH0726028A - 湿気収縮性樹脂成形物 - Google Patents

湿気収縮性樹脂成形物

Info

Publication number
JPH0726028A
JPH0726028A JP19273193A JP19273193A JPH0726028A JP H0726028 A JPH0726028 A JP H0726028A JP 19273193 A JP19273193 A JP 19273193A JP 19273193 A JP19273193 A JP 19273193A JP H0726028 A JPH0726028 A JP H0726028A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
partial
molded product
resin
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19273193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2660796B2 (ja
Inventor
Manabu Yamamoto
学 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP19273193A priority Critical patent/JP2660796B2/ja
Publication of JPH0726028A publication Critical patent/JPH0726028A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2660796B2 publication Critical patent/JP2660796B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 80℃以上の融解温度と1〜80kJ/kgの範囲の融
解熱を有し、且つ湿分に接触することによりガラス転移
温度が低下する樹脂からなり、湿気により10%以上収縮
する、フィルム状などの延伸成形物。 【効果】 保存安定性の点で特に優れており、50℃の温
度条件下でも、従来のものに比べて長期保存が可能であ
る。また、0〜50℃の温度範囲でも湿気により10%以上と
いう高い収縮率を示し、熱に弱いものの包装等に特に有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湿気のような微量の水分
により収縮する機能を有する樹脂成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水分に接触することにより収縮す
る樹脂成形物としては、フィルムや繊維の形状のものが
知られている。
【0003】これらのうちフィルムとしては、ケン化度
98モル%以上のポリビニルアルコールのフィルム(特開
昭57-160615号公報)や、湿気で収縮するデンプングラ
フト系フィルム(米国特許第4,839,450号明細書に記載
されているデンプン類と熱可塑性樹脂とのグラフト共重
合体を延伸したもの)などが提案されている。また、繊
維としては、ケン化度77モル%以上のポリビニルアルコー
ルやその変性物を原料にしたPVA系繊維(特開昭60-2
709号公報、特開昭62-215011号公報、特開平1-298207号
公報、特開平3-163910号公報等)などが提案されてい
る。
【0004】しかしながら、上記PVAフィルムやPV
A系繊維は、例えば魚釣り用疑似餌のように水中に浸漬
しなければ機能が発現しない用途に制約されることや、
原料のPVAが熱溶融出来ないため製造工程や装置に制
約があるという問題点があった。一方、上記デンプング
ラフト系フィルムは、透明性が低く(全光線透過率20%
以下)、湿気を吸収して収縮した後の引張り強度が収縮
前に比べて著しく低下する等の問題点を有しており、実
用性に乏しいものであった。
【0005】本出願人は、これらの欠点を改善するもの
として、先に親水性合成樹脂と熱可塑性樹脂のグラフ
ト共重合体またはブロック共重合体から成る湿気収縮性
樹脂成形物(特開平3-37233号公報、特開平3-39331号公
報、特開平4-213332号公報、特開平4-239035号公報
等)、親水性樹脂と熱可塑性樹脂のブレンド物からな
る湿気収縮性樹脂成形物(特開平3-37232号公報、特開
平4-239032号公報等)および天然系多糖類と熱可塑性
樹脂のグラフト重合体からなる湿気収縮性樹脂成形物
(特開平3-177431号公報等)を提案している。また、最
近ではポリエチレンオキサイドの架橋シート(特開平5-
42600号公報等)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のものは、フィルム成形性がよく、湿気のような微量の
水分の存在下でも高い収縮性を有し、フィルムにした場
合の透明性が高く、且つ吸湿して収縮した後も形状にか
かわらず高い強度を示すが、一方で30〜80℃程度の温度
に感応して熱収縮する機能を併せ持つものがあり、30℃
以上の温度下では湿分を吸収しなくても成形物が収縮す
るため、安定に保存ができないという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の値以上の融解温
度と特定範囲の融解熱量を有し、且つ湿分に接触するこ
とによりガラス転移温度が低下して収縮する湿気収縮性
樹脂成形物が、保存安定性の点で特に優れており、実用
性が極めて高いことを見い出し、本発明に到達した。す
なわち本発明は、湿分を吸収することによりガラス転移
温度が低下する樹脂(A)の延伸成形物であって、0〜5
0℃の温度で湿気により長さ方向に10%以上収縮し、且
つ、融解温度が80℃以上および融解熱が1〜80がkJ/kgで
あることを特徴とする湿気収縮性樹脂成形物である。
尚、上記における「湿分」とは湿気から液状の水に至る
までのあらゆる形態の水分を指すものである。
【0008】本発明において用いられる樹脂(A)とし
ては、例えば下記(1)〜(5)の組成からなり、融解
温度が80℃以上で融解熱量が1〜80kJ/kg、且つ湿分によ
りガラス転移温度が低下するものが挙げられる。 (1)親水性樹脂と熱可塑性樹脂のグラフトおよび/ま
たはブロック共重合体;親水性合成樹脂と熱可塑性樹脂
のグラフト共重合体(例えば特開平3-37233号公報明細
書に記載のもの)、親水性合成樹脂と熱可塑性樹脂のブ
ロック共重合体(例えば特開平3-39331号公報明細書に
記載のもの)のうち上記物性を満たすもの。 (2)親水性合成樹脂と熱可塑性樹脂の混合物;例えば
特開平3-37232号公報明細書に記載のもののうち上記物
性を満たすもの。 (3)ビニルエステル(共)重合体の加水分解物;結晶
性を有するビニルエステルの単一重合体の部分加水分解
物〔ポリビニルエステルの部分加水分解物(加水分解率
0.1〜75モル%)からの延伸フィルム等〕、結晶性を有する
ビニルエステル共重合体の部分加水分解物等〕。 (4)ビニルエステルおよび/またはアルキル(メタ)
アクリレートを構成単位に含むランダム共重合体;ビニ
ルエステル化合物および/またはアルキル(メタ)アク
リレートから選ばれる重合性単量体(X1)単位と、下
記a〜eから選ばれる重合性単量体(X2)単位とから
構成されるランダム共重合体。 a.ビニルカルボン酸、その無水物もしくはその一価塩 b.ビニルスルホン酸、もしくはその一価塩 c.ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート d.アリルアルコール e.多価アルコールモノアリルエーテル f.ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート (5)オレフィンと親水性基を有する重合性単量体との
共重合体および/またはその変性物〔(部分)加水分解
物、(部分)エーテル化物、(部分)エステル化物、
(部分)ウレタン化物、(部分)アルコキシ化物、(部
分)アセタール化物、(部分)アミノ化物、(部分)ア
ミド化物、高分子反応物等〕;オレフィン(エチレン、
プロピレン、ブタジエン等)と下記g〜mとの共重合体
および/またはその変性物。 g.ビニルエステル類および/またはその加水分解物 ビニル脂肪族有機酸エステル単量体(ギ酸ビニル、酢酸
ビニル、n-プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、バーサ
チック酸ビニル、ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシ酪
酸ビニル等)および/またはビニル芳香族有機酸エステ
ル単量体(安息香酸ビニル、p-メチル安息香酸ビニル
等)の1種以上からなる(共)重合物および/またはそ
の加水分解物。 h.ビニルカルボン酸、その無水物もしくはその一価塩 (メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、無水マレイン酸、またはこれらの一価
塩〔アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)塩、アン
モニウム塩、アミン(モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン)塩
等〕。 i.ビニルスルホン酸、もしくはその一価塩〔アルカリ
金属(ナトリウム、カリウム等)塩、アンモニウム塩、
アミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチ
ルアミン、トリエタノールアミン)塩等〕。 j.ヒドロキシアルキルアクリレート ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブ
チルアクリレート等。 k.アリルアルコール。 l.多価アルコールモノアリルエーテル エチレングリコールモノアリルエーテル、グリセリンモ
ノアリルエーテル等。 m.ハロゲン化ビニル 塩化ビニル、塩化ビニリデン等。
【0009】これらのうち好ましいものは(1)、
(2)および(5)の組成を有しているものであり、特
に好ましいものは(5)の組成を有するものである。
【0010】本発明の該湿気収縮性樹脂成形物を構成す
るこれらの樹脂(A)は、性能に悪影響を及ぼさない範
囲で該樹脂中の官能基が、適度に変性〔(部分)加水分
解、(部分)エーテル化、(部分)エステル化、(部
分)ウレタン化、(部分)アルコキシ化、(部分)アセ
タール化、(部分)アミノ化、(部分)アミド化等〕さ
れていてもよい。
【0011】本発明の成形物中には、必要により可塑
剤、充填剤、発泡剤、離型剤、滑剤、ブロッキング防止
剤、界面活性剤、易分解性添加剤、帯電防止剤、着色
剤、フィラー、無機物(シリカ、ゼオライト、活性炭、
遠赤外線放射セラミックスなど)、鮮度保持剤、吸水性
樹脂、乾燥剤、防曇剤、脱臭剤、芳香剤、脱酸素剤、エ
チレン吸着剤、薬効成分、防菌剤、防カビ剤、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を含有していてもよ
い。
【0012】本発明における該延伸成形物は、湿分に接
触することによりガラス転移温度(Tg)が低下する。
その低下の度合は、通常1〜300℃、好ましくは5〜200℃
である。Tgの低下の度合が1℃未満では収縮性が低下
し、300℃を超えると成形物の性状が急激に大きく変化
する為、成形性や成形後の取扱いに支障をきたす。
【0013】本発明における該成形物の融解温度は通常
80℃以上である。融解温度が80℃未満では、保存性が低
下するため好ましくない。この融解温度は、重合性単
量体の種類や量を調整する方法;樹脂中の官能基を化
学処理や物理処理で適度に変性する方法;等により必要
に応じて適宜調整することが出来る。
【0014】また、本発明における該成形物の融解熱
は、通常1〜80kJ/kg、好ましくは3〜50kJ/kgである。融
解熱が1kJ/kg未満では、保存安定性および/または延伸
成形性が低下する(すなわち、湿分を遮断して保管して
おいても、30〜80℃程度の温度下に曝されると温度だけ
に感応して収縮してしまい使用時にその用を足さなくな
る)場合があり好ましくない。一方、融解熱量が80kJ/k
gを超えると、溶融成形時に樹脂の分解が発生したり湿
気収縮性能が劣る場合があり好ましくない。
【0015】尚、本発明において、融解温度、ガラス転
移温度および融解熱とは、それぞれJIS−K7121
およびJIS−K7122の試験法に準拠して測定され
た結晶融解に伴う融解温度、ガラス転移温度、および一
次転移熱をいうものとする。
【0016】本発明の該湿気収縮性樹脂成形物の成形方
法としては、公知の方法例えばフィルム成形と延伸を
同時に実施する方法(押出し延伸成形法、インフレーシ
ョン法、カレンダー法等)およびキャステイング法な
どで未延伸フィルムを得た後、テンター法で延伸する方
法が挙げられる。
【0017】押し出し延伸成形法やインフレーション法
等の溶融混練法で成形する場合には、(A)が250℃以
下の温度で熱溶融する組成であるものが好ましい。ま
た、その延伸倍率には特に制限はなく、成形方法によっ
て種々異なるが、例えばインフレーション法でフィルム
状の成形物を製造する場合には、MD方向、TD方向と
も通常2〜50倍である。尚、この場合のMD方向の延伸
倍率は引き取り速度とダイからの押し出し速度の比であ
り、TD方向の延伸倍率はフィルムのTD方向の長さと
ダイリップ径の比である。
【0018】本発明の該湿気収縮性樹脂成形物の形状に
ついては、延伸出来る形状である限り特に制限はない
が、好ましい形状としてはフィルム状、シート状、チュ
ーブ状、繊維状、棒状等の形状が挙げられ、特に好まし
い形状はフィルム状およびチューブ状である。
【0019】本発明の該湿気収縮性樹脂成形物は、フィ
ルム状成形物の場合、共押し出し成形、ヒートシール等
により、他のプラスチックフィルムと二層ないし多層構
造でフィルムを成形することもできる。
【0020】本発明の該湿気収縮性樹脂成形物は、水中
のような多量の湿分存在下ばかりでなく、湿気のような
微量の湿分の存在下でも良好な収縮性を示し、例えば温
度0〜50℃、相対湿度70%以上の雰囲気下で通常10%以上
の良好な収縮性を示す。特に大きな収縮性を必要とする
場合には、長さ方向に20%以上の収縮するものがより好
ましい。
【0021】本発明の該湿気収縮性樹脂成形物を収縮さ
せる方法としては、0〜50℃の温度下で、該成形物を
高湿度雰囲気下に置く方法、該成形物に高湿気エアー
を吹きかける方法、被包装物から発散される湿気ある
いは蒸気を利用する方法、霧吹き等で水を噴霧する方
法、水中に浸漬する方法等が挙げられる。これらの方
法のうち好ましいのはおよびの方法である。
【0022】本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、湿分が
極微量の雰囲気下(相対湿度70RH%未満)では、温度が5
0℃を越えない限り収縮することはない。従って、湿分
を遮断すれば50℃未満の温度下で長期にわたって安定に
保存することが出来、保存後の収縮性能も極めて良好で
ある。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施
例中の部は重量部である。また、延伸倍率、収縮率およ
び保存安定性は各々下記の方法で測定した。 延伸倍率 :キャステイングフィルム(各々の方向の延
伸前後の長さの比)インフレーションフィルム(MD方
向;引き取り速度とダイからの押し出し速度の比、
TD方向;フ
ィルムのTD方向の
長さとダイリップ径の
比)収縮
率 :各々の試験フィルムを相対湿度90RH%下に35℃
で1分間放置し、吸湿前と吸湿30分後のMD方向、TD
方向の各々における長さの比から算出した。 保存安定性:温度50℃、相対湿度20%RH以下で7日間保存
した場合の寸法変化率(保存開始時の寸法に対する保存
開始時と保存後の寸法の差の率)で表した。
【0024】実施例1〔エチレン/ビニルアルコール共
重合体の無水酢酸変性物からなる成形物〕 市販のエチレンビニルアルコール共重合体(エチレン共
重合比率32モル%、(株)クラレ製;商品名「エバールE
PF−101」、融解温度183℃)をジメチルスルフォ
キシドに溶解した後無水酢酸を反応させて変性し、該溶
液をアセトンに加えて析出させた後、水洗、乾燥し、融
解温度151℃、融解熱16.5kJ/kgで、且つ、ガラス転移温
度が吸水により30℃以上低下する樹脂組成物を得た。次
いでこの共重合体の乾燥粉砕物をジメチルスルフォキシ
ドに再度溶解した後、キャステイング法でフィルム化
し、次いでMD方向に3倍に一軸延伸して、厚さが40μm
のフィルム状の本発明の湿気収縮性樹脂成形物[1]を
得た。このものの性能測定結果を表1に示す。
【0025】実施例2〔エチレン/ビニルアルコール共
重合体の無水酢酸変性物からなる成形物〕 市販のエチレンビニルアルコール共重合体(エチレン共
重合比率47モル%、(株)クラレ製;商品名「エバールE
PG−110」、融解温度161℃)を用いる以外は実施
例1と同様にして、融解温度128℃、融解熱20kJ/kgで、
且つ、ガラス転移温度が吸水により15℃以上低下する樹
脂組成物を得た。この樹脂組成物をインフレーション成
形して厚さ40μmのフィルム状の本発明の湿気収縮性樹
脂成形物[2](延伸倍率;MD方向30倍、TD方向3
倍)を得た。このものの性能測定結果を表1に示す。
【0026】実施例3〔エチレン/ビニルアルコール共
重合体の尿素反応物からなる成形物〕 「エバールEPF−101」に押し出し機中で尿素を反
応させて融解温度126℃、融解熱6kJ/kgで、且つガラス
転移温度が吸水により率で10℃以上低下する樹脂組成物
を得た。この樹脂組成物をインフレーション成形して厚
さ40μmのフィルム状の本発明の湿気収縮性樹脂成形物
[3](延伸倍率;MD方向30倍、TD方向3倍)を得
た。このものの性能測定結果を表1に示す。
【0027】実施例4〔ポリビニルアルコールとアクリ
ル酸ブチル及びアクリロニトリルとのグラフト共重合物
からなる成形物〕 ポリビニルアルコール(重合度1700、ケン化度98.5%)2
00部を水4000部に溶解させた後、窒素雰囲気下で液温を
50℃とした。この溶液に、アクリル酸ブチル230部とア
クリロニトリル70部を加えた後、セリウム硝酸アンモニ
ウム8部および1N硝酸100部を添加してグラフト重合さ
せ、融解温度214℃、融解熱量23kJ/kgで、且つガラス転
移点が吸水により10℃以上低下する樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を実施例1と同様にしてフィルム状に
し、本発明の湿気収縮性樹脂成形物[4]を得た。この
ものの性能測定結果を表1に示す。
【0028】実施例5〔ポリビニルアルコールとポリア
クリル酸メチルとの混合物からなる成形物〕 ポリビニルアルコール(重合度1750,ケン化度98.5%)22
0部を水4000部に溶解させた後、窒素雰囲気下で液温を5
0℃とした。この溶液に、アクリル酸メチル280部を加え
た後、過硫酸アンモニウム8部および亜硫酸水素ナトリ
ウム4部を添加して50℃で2時間重合させた後、ハイド
ロキノン水溶液を加えて重合を停止させた。ついで反応
混合物を過剰のメタノール中に投入して、ポリマーを析
出させた。この沈澱物を乾燥した後粉砕した。この粉砕
物は、融解温度212℃、融解熱19kJ/kgで、ガラス転移点
が吸水により5℃以上低下するものであった。この粉砕
物を実施例1と同様にしてフィルム状にし、厚さ40μm
の本発明の湿気収縮性樹脂成形物[5]を得た。このも
のの性能測定結果を表1に示す。
【0029】実施例6〔アクリル酸エチルとメタクリル
酸のランダム共重合体からなる成形物〕 アクリル酸エチル300部とメタクリル酸200部を常法によ
り乳化重合し、この反応液をイソプロピルアルコール中
に投入してポリマーを析出させ、この沈澱物を乾燥した
後粉砕した。この粉砕物は、融解温度200℃以上、融解
熱10kJ/kg以上で、ガラス転移点が吸水により5℃以上低
下するものであった。この粉砕物をアセトンに溶解した
後、実施例1と同様にしてフィルム状にし、厚さ20μm
の本発明の湿気収縮性樹脂成形物[6]を得た。このも
のの性能測定結果を表1に示す。
【0030】比較例1〔ビニルエステルの単一重合体の
部分加水分解物からなる成形物〕 市販のポリ酢酸ビニルの部分加水分解物(信越化学(株)
製;商品名「SMR30L」、重合度580、加水分解率3
8%、融解温度認められず、ガラス転移温度が吸水により
10℃以上低下する)を環状ダイ付き押出機にて溶融押出
した後インフレーション延伸(MD方向20倍、TD方向
3倍)して、厚さ 20μmのフィルム状の樹脂成形物
[7]を得た。このものの性能測定結果を表1に併記す
る。
【0031】比較例2〔ポリビニルアルコールからなる
成形物〕 ケン化度98.5モル%、重合度1700のポリビニルアルコール
(融解温度221℃、融解熱約61kJ/kg、ガラス転移温度が
吸水により20℃以上低下する)を用い、特開昭57-16061
5号公報明細書の実施例1に基づいて未延伸フィルムの
作成し、次いでこのものの同時二軸延伸を行い、MD方
向の延伸倍率3倍、TD方向の延伸倍率3倍、厚さ40μm
のフィルム状の樹脂成形物[8]を得た。このものの性
能測定結果を表1に併記する。
【0032】比較例3〔エチレンビニルアルコール共重
合体からなる成形物〕 市販のエチレンビニルアルコール共重合体(エチレン共
重合比率32モル% (株)クラレ製;商品名「エバールEP
G110 」、融解温度161℃、融解熱82kJ/kg)をイン
フレーション成形し、厚さ20μmの延伸フィルム[9]
(延伸倍率;MD方向30倍、TD方向3倍)を得た。こ
のものの性能測定結果を表1に併記する。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、次の
ような効果を有する。 (1)常温付近の温度で収縮するにも関わらず保存安定
性に優れる。 (2)従来のものに比較して延伸成形性に優れる。 (3)湿気のような微量の湿分を吸収することにより、
室温付近の温度で短時間に収縮するので、生鮮食品や生
体等の熱に弱いものの包装もしくは被覆等に特に適して
いる。 (4)従来の熱収縮性樹脂成形物が必要とした加熱設備
を省略でき、熱エネルギーコストを低減できるので、経
済的である。 以上の効果を奏することから本発明の湿気収縮性樹脂成
形物は、果実その他食品、ガラス製品、精密部品、科学
装置などの包装用資材、農業用資材、医療材料、オムツ
のギャザー、湿度センサー、エネルギー変換装置、水分
検出機、漏れ感知機、生体部位の被覆、手袋などの各種
用途に適用することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿分を吸収することによりガラス転移温
    度が低下する樹脂(A)の延伸成形物であって、0〜50
    ℃の温度で湿気により長さ方向に10%以上収縮し、且
    つ、融解温度が80℃以上および融解熱が1〜80kJ/kgであ
    ることを特徴とする湿気収縮性樹脂成形物。
  2. 【請求項2】 (A)が、250℃以下の温度で熱溶融可
    能な樹脂である請求項1記載の湿気収縮性樹脂成形物。
  3. 【請求項3】 (A)が、オレフィンと親水性基を有す
    る重合性単量体との共重合体および/またはその変性物
    からなる請求項1または2記載の湿気収縮性樹脂成形
    物。
  4. 【請求項4】 延伸成形物の形状がフィルム状および/
    またはチューブ状である請求項1〜3のいずれか記載の
    湿気収縮性樹脂成形物。
  5. 【請求項5】 インフレーション法で延伸成形した場合
    の延伸倍率がMD方向、TD方向とも2〜50倍である請
    求項1〜4いずれか記載の湿気収縮性樹脂成形物。
JP19273193A 1993-07-06 1993-07-06 湿気収縮性樹脂成形物 Expired - Fee Related JP2660796B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19273193A JP2660796B2 (ja) 1993-07-06 1993-07-06 湿気収縮性樹脂成形物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19273193A JP2660796B2 (ja) 1993-07-06 1993-07-06 湿気収縮性樹脂成形物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0726028A true JPH0726028A (ja) 1995-01-27
JP2660796B2 JP2660796B2 (ja) 1997-10-08

Family

ID=16296133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19273193A Expired - Fee Related JP2660796B2 (ja) 1993-07-06 1993-07-06 湿気収縮性樹脂成形物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2660796B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996017890A1 (fr) * 1994-12-09 1996-06-13 Daikin Industries, Ltd. Composition de caoutchouc a faible deformation permanente a la compression
EP2947114A1 (en) * 2012-08-02 2015-11-25 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Surface modification method and surface-modified elastic body

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996017890A1 (fr) * 1994-12-09 1996-06-13 Daikin Industries, Ltd. Composition de caoutchouc a faible deformation permanente a la compression
EP2947114A1 (en) * 2012-08-02 2015-11-25 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Surface modification method and surface-modified elastic body

Also Published As

Publication number Publication date
JP2660796B2 (ja) 1997-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0901506B1 (en) Biodegradable polyester and natural polymer compositions and films therefrom
EP0513692A1 (en) Water soluble multilayer film for packaging alkaline materials
JPH0725944B2 (ja) 変性澱粉を含有する、ポリマーをベースとするブレンド組成物
US3144430A (en) Polypropylene film and method of making
JP4046245B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法
JP2660796B2 (ja) 湿気収縮性樹脂成形物
JP2002240207A (ja) ガスバリア性フィルム
JPH11152307A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の連続処理法
JPS6410018B2 (ja)
JP2000128998A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット
JP4302260B2 (ja) ガスバリア性フィルム
JP4601735B2 (ja) ポリビニルアルコールフィルム
JPH10180867A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物延伸フィルムの製造法
JPH11116701A (ja) ポリビニルアルコール系フィルム
JP4772176B2 (ja) ビニルアルコール系重合体からなる溶融成形品
JP2000351811A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物およびその積層体
JPH05177708A (ja) 湿気収縮性樹脂成形物
JPH06102363B2 (ja) 湿気収縮性樹脂成形物
JPH11293077A (ja) 樹脂組成物の製造法
JPH04159344A (ja) 軟質重合体組成物
JP3828218B2 (ja) エチレン−ビニルアルコール共重合体
JP3361840B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂組成物
JP2000351883A (ja) 樹脂組成物
JP3841942B2 (ja) 樹脂組成物の製造法
JP3406009B2 (ja) 表面に親水性を付与した樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080613

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees