JPH05177708A - 湿気収縮性樹脂成形物 - Google Patents

湿気収縮性樹脂成形物

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JPH05177708A
JPH05177708A JP35882191A JP35882191A JPH05177708A JP H05177708 A JPH05177708 A JP H05177708A JP 35882191 A JP35882191 A JP 35882191A JP 35882191 A JP35882191 A JP 35882191A JP H05177708 A JPH05177708 A JP H05177708A
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molded product
moisture
film
polymerizable monomer
humidity
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Manabu Yamamoto
学 山本
Ikuko Morita
育子 森田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビニルエステル化合物および/またはアルキ
ル(メタ)アクリレ−トから選ばれる重合性単量体(X
1)単位と特定の親水性基を含む重合性単量体(X2)
単位とから構成されるランダム共重合体からなり、延伸
されており、且つ相対湿度70%以上の気相雰囲気下で収
縮する湿気収縮性フィルムなどの成形物。 【効果】 上記フィルムなどの成形物は、0〜50℃の気
相雰囲気下でも湿気により良好な速度で収縮し、15%以
上という高い収縮率を示す。また、吸湿による強度も小
さい。従って、熱に弱いものの包装材料などに有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湿気のような微量の水分
により収縮する機能を有する樹脂成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水分に接触することにより収縮す
る樹脂成形物としては、フィルムや繊維の形状のものが
知られている。
【0003】これらのうちフィルムとしては、ケン化度98
モル%以上のポリビニルアルコ−ルのフィルム(特開昭57-
160615号公報)や、湿気で収縮するデンプングラフト系
フィルム(米国特許第4,839,450号明細書に記載されて
いるデンプン類と熱可塑性樹脂とのグラフト共重合体を
延伸したもの)などが提案されている。
【0004】一方、繊維としては、ケン化度77モル%以上の
ポリビニルアルコ−ルやその変性物を原料にしたPVA
系繊維(特開昭60-2709号公報,特開昭62-215011公報,特
開平01-298207公報,特開平03-163910公報等)などが提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記P
VAフィルムやPVA系繊維は、水中に浸漬しても支障
がない用途に制約されることや、原料のPVAが熱溶融
出来ないため製造工程や装置に制約があるという問題点
があった。一方、上記デンプングラフト系フィルムは、
透明性が低く(全光線透過率20%以下)、湿気を吸収し
て収縮した後の引張り強度が収縮前に比べて著しく低下
する等の問題点を有しており、実用性に乏しいものであ
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、湿気のような微量の
水分の存在下で高い収縮性を有し、フィルムにした場合
の透明性が高く、且つ吸湿して収縮した後も形状にかか
わらず高い強度を示す樹脂成形物を見い出し、本発明に
到達した。すなわち本発明は、ビニルエステル化合物お
よび/またはアルキル(メタ)アクリレ−トから選ばれ
る重合性単量体(X1)単位と、下記a〜eから選ばれ
る重合性単量体(X2)単位とから構成されるランダム
共重合体からなり、延伸されていることを特徴とする湿
気収縮性樹脂成形物である。 a.ビニルカルボン酸,その無水物もしくはその一価塩 b.ビニルスルホン酸,もしくはその一価塩 c.ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−ト d.アリルアルコ−ル e.多価アルコ−ルモノアリルエ−テル
【0007】本出願人は、すでに特開平03-37233号公
報,特開平03-39331号公報などにて親水性合成樹脂と熱
可塑性樹脂のグラフト共重合体またはブロック共重合体
から成る湿気収縮性樹脂成形物、特開平03-37232号公報
などにて親水性合成樹脂と熱可塑性樹脂のブレンド物か
らなる湿気収縮性樹脂成形物、特開平03-177431号公報
にて天然系多糖類と熱可塑性樹脂のグラフト重合体から
なる湿気収縮性樹脂成形物、の各出願を行っている。
【0008】これらの出願が親水性樹脂と熱可塑性樹脂
をいわゆるポリマ−ブレンドした樹脂を原料に使用する
のに対し、本発明は、単一系の特定の樹脂を原料に使用
しても、湿気のような微量の水分存在下で良好な収縮性
能(収縮率,収縮速度)を示し、且つ吸湿して収縮した
後の強度、フィルムにした場合の透明性、フィルム形成
性等にも特に優れた性能のものが得られること、製造方
法が簡単で実用性がより高いことを見い出したものであ
る。
【0009】本発明において、該重合性単量体(X1)
は、ビニルエステル化合物(ギ酸ビニル,酢酸ビニル,
n-プロピオン酸ビニル,n-酪酸ビニル,バ−サチック酸
ビニル等)および/またはアルキル基の炭素数が通常1
〜6のアルキル(メタ)アクリレ−ト〔メチル(メタ)
アクリレ−ト,エチル(メタ)アクリレ−ト,n-ブチル
(メタ)アクリレ−ト,sec-ブチル(メタ)アクリレ−
ト等〕から選ばれる一種以上から構成されるが、これら
のうち好ましいものは、酢酸ビニル,アクリル酸メチル
およびアクリル酸n-ブチルから選ばれる一種以上であ
り、特に好ましいものは、酢酸ビニルである。
【0010】本発明において該重合性単量体(X2)
は、下記に各々例示するa〜eから選ばれる一種以上で
ある。 a.ビニルカルボン酸,その無水物もしくはその一価
塩;(メタ)アクリル酸,クロトン酸,イタコン酸,マ
レイン酸,フマル酸,無水マレイン酸,またはこれらの
一価塩〔アルカリ金属(ナトリウム,カリウム等)塩,
アンモニウム塩,アミン(モノメチルアミン,ジメチル
アミン,トリメチルアミン,トリエタノ−ルアミン)塩
等〕。 b.ビニルスルホン酸,もしくはその一価塩;〔アルカ
リ金属(ナトリウム,カリウム等)塩,アンモニウム
塩,アミン(モノメチルアミン,ジメチルアミン,トリ
メチルアミン,トリエタノ−ルアミン)塩等〕。 c.ヒドロキシアルキルアクリレ−ト;ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチルアクリレ−
ト等。 d.アリルアルコ−ル。 e.多価アルコ−ルモノアリルエ−テル;エチレングリ
コ−ルモノアリルエ−テル,グリセリンモノアリルエ−
テル等。 これらのうち好ましいものはアクリル酸およびヒドロキ
シエチルアクリレ−トである。
【0011】本発明において、該ランダム共重合体は、
重合性単量体(X1)と(X2)を共重合することで得
られるが、ランダム共重合体に占める(X2)の比率は
通常0.1〜75モル%、好ましくは1.0〜70モル%である。特に、
耐水性が要求される用途には0.1〜50モル%が好ましい。0.
1モル%未満では、湿気収縮性が低下し、75モル%越える場合
には耐水性や成形性が低下する為好ましくない。
【0012】該ランダム共重合体の重合度は通常20〜2
0,000であり、好ましくは50〜2,500である。20,000を越
えると成形性が低下し、20未満では成形品の強度が劣
る。
【0013】該重合性単量体(X1)と(X2)から該
ランダム共重合体を製造する方法については、従来から
知られている重合方法を用いればよく、特に制限はない
が、例えば放射線、電子線、紫外線などを照射してラ
ンダム共重合させる方法;無機過酸化物(過酸化水
素,過硫酸アンモニウム,過硫酸カリウム,過硫酸ナト
リウム等),有機過酸化物〔過酸化ベンゾイル,ジ-tー
ブチルパーオキサイド,クメンヒドロパーオキサイド,
コハク酸パーオキサイド,ジ(2-エトキシエチル)パ−
オキシジカ−ボネ−ト等〕,レドックス触媒(アルカリ
金属の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩,亜硫酸アンモニウ
ム,重亜硫酸アンモニウム,およびアスコルビン酸等の
還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化物などの酸化剤の組合せよりなるもの等),
アゾ化合物〔アゾビスイソブチロニトリル,アゾビスシ
アノ吉草酸,2,2′-アゾビス(2-アミジノプロパン)ハ
イドロクロライド等)等のラジカルを発生する重合触媒
等を用いてランダム共重合させる方法;等が挙げられ
る。
【0014】ランダム共重合体のうち一価塩を構成単位
とするものは、通常重合性単量体(X1)と、上記aお
よびbの項で例示した一価塩を含む重合性単量体(X
2)をランダム共重合することで得られるが、aおよび
bの項で例示した酸もしくはその無水物を含む(X2)
と(X1)をランダム共重合した後、アルカリ金属の水
酸化物,アンンモニア,またはアミン類を反応させて一
価塩にしてもよい。また、その中和度についても特に制
限はなく、任意の中和度を選択することが出来る。
【0015】本発明において、該ランダム共重合体は、
特に成形が容易なものが要求される場合には、250℃以
下の温度で熱溶融可能なものが好ましい。
【0016】本発明の湿気収縮性樹脂成形物中には必要
により該ランダム共重合体とともに増量材、添加材とし
て、可塑剤、充填剤、発泡剤、離型剤、滑剤、ブロッキ
ング防止剤、界面活性剤、易分解性添加剤、帯電防止
剤、着色剤、フィラー、無機物(シリカ、ゼオライト、
活性炭、遠赤外線放射セラミックスなど)、鮮度保持
剤、吸水性樹脂、乾燥剤、防曇剤、脱臭剤、芳香剤、脱
酸素剤、エチレン吸着剤、薬効成分、防菌剤、防カビ
剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を含有して
いてもよい。
【0017】本発明の湿気収縮性樹脂成形物の形状につ
いては延伸出来る形状である限り特に制限はなく、フィ
ルム状、シート状、繊維状、棒状等の任意の形状に成形
され、延伸されたものである。これらのうち好ましいの
はフィルム状である。
【0018】本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、従来公
知の方法で得られる。代表例としてフィルム状の成形物
の製法を例示すると、該ビニル有機酸エステル(共)重
合体の部分加水分解物を用いて、フィルム成形と延伸
を同時に実施する方法(押出し延伸成形法、インフレー
ション法、カレンダー法等)、キャステイング法など
で未延伸フィルムを得た後、テンター法等で延伸する方
法等によりフィルム状の成形物を得ることが出来る。
【0019】本発明の湿気収縮性樹脂成形物の延伸倍率
は、成形方法によって異なるが、例えばインフレ−ショ
ン法ででフィルム状の成形物を製造する場合には、通常
MD方向,TD方向とも通常2〜50倍である。尚、この
場合のMD方向の延伸倍率は引き取り速度とダイからの
押し出し速度の比であり、TD方向の延伸倍率はフィル
ムのTD方向の長さとダイリップ径の比である。
【0020】本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、フィル
ム状成形物の場合、共押し出し成形、ヒートシール等に
より、他のプラスチックフィルムと二層ないし多層構造
でフィルムを成形することもできる。
【0021】本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、温度0
〜50℃,相対湿度70%以上の雰囲気下で良好な収縮性を
示す。例えば、インフレ−ションフィルム(延伸倍率を
MD方向20倍,TD方向3倍)を温度35℃相対湿度が100
%の雰囲気中で吸湿させた場合で例示すると、吸湿開始
後1分後の収縮率が、通常、20%以上の高い値を示す。
【0022】また、本発明の湿気収縮性樹脂成形物が吸
湿して収縮した後の引張り強度は、温度35℃,相対湿度
が100%の雰囲気中で吸湿させた場合、通常、3.0kgf/mm2
以上であり、吸湿後も比較的高い値を示す。包装に用い
られるポリエチレンフィルムのうち極薄用・強化用とし
て用いられるタイプには3.0kgf/mm2以上の引張り強度が
要求されることから、本発明の成形物は、上記のような
タイプにも有用である。
【0023】更に、本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、
湿気を吸収し収縮する際のフィルム強度の低下率が、ポ
リビニルアルコールのフィルムやデンプン系のフィルム
に比べて極めて小さい。このことは、従来の技術から
は、予測出来ないものであり、特定の構造を持つ該ラン
ダム共重合体の特性であると考えられる。
【0024】また、本発明の成形物が、フィルム状態で
用いられる場合、全光線透過率が70%以上の透明性に優
れたものが得られる。
【0025】本発明の湿気収縮性樹脂成形物を収縮させ
る方法としては、例えば、0〜50℃の温度で、該成形
物を高湿度雰囲気下に置く方法、該成形物に高湿気エ
アーを吹きかける方法、被包装物から発散される湿気
あるいは蒸気を利用する方法が挙げられる。これらはい
ずれも好ましい方法であるが、大きな収縮速度と収縮率
を得る為に成形物近傍を、通常、相対湿度70%以上、好
ましくは80%以上の雰囲気に調節することが重要であ
る。また、本発明の湿気収縮性樹脂成形物が、水中に浸
漬する用途にも使用できるのは勿論の事である。
【0026】一方、収縮温度については特に制限はない
が、通常、外気温0〜50℃の範囲で良好な収縮性を示
す。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施
例中の部は重量単位である。実施例1〜8および比較例
1のフィルムのMD方向の延伸倍率は引き取り速度とダ
イからの押し出し速度の比であり、TD方向の延伸倍率
はフィルムのTD方向の長さとダイリップ径の比であ
る。また、比較例2〜3のフィルムの延伸倍率はMD方
向,TD方向とも延伸後の長さと延伸前の長さの比であ
る。一方、実施例中の相対湿度100%における収縮率は次
の操作により測定した。即ち各々の試験フィルムを相対
湿度100%下に35℃で30分間放置し、吸湿前と吸湿10分
後,30分後のMD方向,TD方向の長さから各々の時間
における収縮率を算出した。透明性は、JIS-K7105に準
拠して全光線透過率を測定した。引張り強度は、各々の
フィルムについて、温度20℃相対湿度30%の雰囲気下
で、インストロン式試験機を用い、縦方向に50mm/分の
速度で収縮前の引張り強度を測定した。次いで、これら
のフィルムを35℃相対湿度100%の雰囲気下で24時間放置
した後、収縮したフィルムについて同様に引張り強度を
測定した。
【0028】実施例1〔(酢酸ビニル/ヒドロキシエチ
ルアクリレ−ト)共重合体からなる本発明の成形物〕 酢酸ビニル14モルとヒドロキシエチルアクリレ−ト6モルを
常法にて共重合し、重合度1,500のランダム共重合体を
得た。その乾燥粉砕物を環状ダイ付き押出機にて溶融押
出した後インフレーション延伸(MD方向20倍,TD方
向3倍)して、厚さ 40μのフィルム状の本発明の湿気収
縮性樹脂成形物を得た。このものの性能測定結果を表1
に併記する。
【0029】実施例2〔(酢酸ビニル/ヒドロキシエチ
ルアクリレ−ト)共重合体からなる本発明の成形物〕 酢酸ビニル19モルとヒドロキシエチルアクリレ−ト1モルを
使用する以外は実施例1と同様にしてMD方向の延伸倍
率20倍,TD方向の延伸倍率3倍,厚さ40μの本発明の
フィルム状の湿気収縮性樹脂成形物を得た。(但し、ラ
ンダム共重合体の重合度は、1,700であった。)このも
のの性能測定結果を表1に併記する。
【0030】実施例3〔(アクリル酸メチル/4-ヒドロ
キシブチルメタクリレ−ト)共重合体からなる本発明の
成形物〕 アクリル酸メチル10モルと4-ヒドロキシブチルメタクリレ
−ト10モルを常法にて共重合し、重合度500のランダム共
重合体を得た。その乾燥粉砕物を実施例1と同様にして
成形し、MD方向の延伸倍率15倍,TD方向の延伸倍率
3倍,厚さ50μのフィルム状の本発明の成形物を得た。
このものの性能測定結果を表1に併記する。
【0031】実施例4〔(酢酸ビニル/アクリル酸)共
重合体からなる本発明の成形物〕 酢酸ビニル18モルとアクリル酸2モルを常法にて共重合し、
重合度500のランダム共重合体を得た。その乾燥粉砕物
を実施例1と同様にして成形し、MD方向の延伸倍率10
倍,TD方向の延伸倍率3倍,厚さ40μのフィルム状の
本発明の成形物を得た。このものの性能測定結果を表1
に併記する。
【0032】実施例5〔(酢酸ビニル/ビニルスルホン
酸ナトリウム)共重合体からなる本発明の成形物〕 酢酸ビニル19モルとビニルスルホン酸ナトリウム1モルを常
法にて共重合し、重合度700のランダム共重合体を得
た。その乾燥粉砕物を実施例1と同様にしてMD方向の
延伸倍率10倍,TD方向の延伸倍率3倍,厚さ40μのフ
ィルム状の本発明の湿気収縮性樹脂成形物を得た。この
ものの性能測定結果を表1に併記する。
【0033】実施例6〔(酢酸ビニル/アリルアルコ−
ル)共重合体からなる本発明の成形物〕 酢酸ビニル18モルとアリルアルコ−ル2モルを常法にて共重
合し、重合度1,000のランダム共重合体を得た。その乾
燥粉砕物を実施例1と同様にしてインフレ−ション成形
し、MD方向の延伸倍率15倍,TD方向の延伸倍率3
倍、厚さ40μのフィルム状の本発明の湿気収縮性樹脂成
形物を得た。このものの性能測定結果を表1に併記す
る。
【0034】実施例7〔(酢酸ビニル/エチレングリコ
−ルモノアリルエ−テル)共重合体からなる本発明の成
形物〕 酢酸ビニル18モルとエチレングリコ−ルモノアリルエ−テ
ル2モルを常法にて共重合し、重合度1,000のランダム共重
合体を得た。その乾燥粉砕物を実施例1と同様にしてイ
ンフレ−ション成形し、MD方向の延伸倍率15倍,TD
方向の延伸倍率3倍、厚さ40μのフィルム状の本発明の
湿気収縮性樹脂成形物を得た。このものの性能測定結果
を表1に併記する。
【0035】実施例8〔(酢酸ビニル−アクリル酸メチ
ル/アクリル酸)共重合体からなる本発明の成形物〕 酢酸ビニル16モル,アクリル酸メチル2モル,アクリル酸2モル
を常法にて共重合し、重合度1,700のランダム共重合体
を得た。その乾燥粉砕物を実施例1と同様にしてインフ
レ−ション成形し、MD方向の延伸倍率20倍,TD方向
の延伸倍率3倍,厚さ40μの本発明の湿気収縮性樹脂成
形物を得た。このものの性能測定結果を表1に併記す
る。
【0036】比較例1(デンプン系グラフト共重合体か
らなる成形物) 米国特許4839450号の実施例1に基づいてデンプンとア
クリル酸メチルのグラフト共重合体を得た。ついで該実
施例2の方法でMD方向の延伸倍率3倍,TD方向の延
伸倍率2倍,厚さ50μのフィルム状の成形物を得た。こ
のものの性能測定結果を表1に併記する。なお、本比較
例においては、ダイ出口から押し出されてきた水を含む
混練物の強度が弱く、MD方向の延伸倍率が3倍を越え
るものは作成出来なかった。
【0037】比較例2(ポリビニルアルコールのフィル
ム) ケン化度99.5モル%,重合度1680のポリビニルアルコール
を用い、特開昭57-160615号の実施例1に基づいて、未
延伸フィルムの作成とこのものの同時二軸延伸を行い、
MD方向の延伸倍率3倍,TD方向の延伸倍率3倍,厚さ
50μのフィルム状の成形物を得た。このものの性能測定
結果を表1に併記する。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、次の
ような効果を奏する。 (1)本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、従来の技術に
比べ製造が容易である。 (2)本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、相対湿度70%
以上の湿度雰囲気下で極めて良好な収縮速度と収縮率を
示す為、水中に浸漬する必要がなく且つ特別な収縮装置
も必要としない為、ポリビニルアルコールのフィルムに
比べて手軽に使用出来、実用性が極めて高い。 (3)本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、吸湿して収縮
した後も良好な強度を有し、吸湿前後における強度の低
下度合が少ない。従って、フィルム状で使用した場合、
破れ等の心配が無い。 (4)本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、透明性がよい
為包装材料等の用途に適する。例えば、包装材料等に使
用した際、内容物の状態がよく判り商品のイメージアッ
プにつながる。 (5)本発明の湿気収縮性樹脂成形物は、湿気を吸収す
ることにより、低温でも短時間に収縮する。例えばフィ
ルム状成形物を用いる場合、不定型の物体を包み込み、
室温で高湿度下に放置するだけで収縮が生じ、物体の形
に適合して包装することができる。 (6)従来の熱収縮性樹脂成形物では使用できなかった
熱に弱い物に対しても使用できる。例えば従来の熱収縮
フィルムでは、生鮮食品や熱に弱い精密機械の包装には
使用できなかった。本発明の湿気収縮性樹脂成形物をフ
ィルム状にして用いれば、このような熱に弱い物の包装
等にも使用できる。 (7)従来の熱収縮性樹脂成形物が必要とした加熱設備
を省略でき、熱エネルギーコストを低減できる為、経済
的である。 以上の効果を奏することから本発明の湿気収縮性樹脂成
形物は、果実その他食品、ガラス製品、精密部品、科学
装置などの包装用資材、農業用資材、医療材料、オムツ
のギャザー、湿度センサー、エネルギー変換装置、水分
検出機、漏れ感知機などに適用することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルエステル化合物および/またはア
    ルキル(メタ)アクリレ−トから選ばれる重合性単量体
    (X1)単位と、下記a〜eから選ばれる重合性単量体
    (X2)単位とから構成されるランダム共重合体からな
    り、延伸されていることを特徴とする湿気収縮性樹脂成
    形物。 a.ビニルカルボン酸,その無水物もしくはその一価塩 b.ビニルスルホン酸,もしくはその一価塩 c.ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−ト d.アリルアルコ−ル e.多価アルコ−ルモノアリルエ−テル
  2. 【請求項2】 0〜50℃の温度で湿気により10%以上収縮
    する請求項1記載の成形物。
  3. 【請求項3】 温度35℃、相対湿度が100%の雰囲気下に
    おいて、吸湿して一分後の収縮率が20%以上である請求
    項1または2記載の成形物。
  4. 【請求項4】 該ランダム共重合体が、250℃以下の温
    度で熱溶融可能である請求項1〜3のいずれか記載の成形
    物。
  5. 【請求項5】 形状がフィルム状である請求項1〜4のい
    ずれか記載の成形物。
  6. 【請求項6】 インフレ−ション法で延伸成形した場合
    の延伸倍率がMD方向,TD方向とも2〜50倍である請
    求項5記載の成形物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6592995B2 (en) * 2001-07-24 2003-07-15 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Humidity activated materials having shape-memory
US6627673B2 (en) * 2001-07-24 2003-09-30 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Methods of making humidity activated materials having shape-memory

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