JPH07260096A - 高圧ガス容器弁 - Google Patents
高圧ガス容器弁Info
- Publication number
- JPH07260096A JPH07260096A JP7424894A JP7424894A JPH07260096A JP H07260096 A JPH07260096 A JP H07260096A JP 7424894 A JP7424894 A JP 7424894A JP 7424894 A JP7424894 A JP 7424894A JP H07260096 A JPH07260096 A JP H07260096A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- container valve
- cylinder
- hastelloy
- cylinder portion
- plug
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 塩化水素を充填する高圧ガス容器に使用され
る容器弁について、長い使用寿命を得ること。 【構成】 ガス流路に連通するシリンダ部21内にてプ
ラグ3を螺合しつつ回動させてガス流路を開閉すると共
に、シリンダ部21とボンネット4との間をガスケット
によりシールするパックタイプの容器弁において、少な
くとも容器弁本体2とプラグ3とをハステロイにより構
成して、水分の侵入による酸化性ガス雰囲気下において
これらの互いのネジのかじり現象を防止する。またシリ
ンダ部内にて、コイルバネに組み合わされた開閉子を、
ダイヤフラムと呼ばれる板バネにより押圧してガス流路
を開閉するタイプの容器弁については、少なくとも板バ
ネと容器弁本体をハステロイにより構成する。
る容器弁について、長い使用寿命を得ること。 【構成】 ガス流路に連通するシリンダ部21内にてプ
ラグ3を螺合しつつ回動させてガス流路を開閉すると共
に、シリンダ部21とボンネット4との間をガスケット
によりシールするパックタイプの容器弁において、少な
くとも容器弁本体2とプラグ3とをハステロイにより構
成して、水分の侵入による酸化性ガス雰囲気下において
これらの互いのネジのかじり現象を防止する。またシリ
ンダ部内にて、コイルバネに組み合わされた開閉子を、
ダイヤフラムと呼ばれる板バネにより押圧してガス流路
を開閉するタイプの容器弁については、少なくとも板バ
ネと容器弁本体をハステロイにより構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧ガス容器に装着さ
れる高圧ガス容器弁に関する。
れる高圧ガス容器弁に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の高圧ガス容器弁1の一例で
ある、パックタイプなどと呼ばれるものを示す断面図で
ある。このタイプの容器弁1は、高圧ガス容器Gの開口
部に装着されており、例えばSUS316よりなる容器
弁本体2の上部側はシリンダ部21を構成している。こ
のシリンダ部21内には、例えばSUS304よりなる
プラグ3が螺合して設けられており、このプラグ3の昇
降により、L字状のガス流路22が開閉される。このガ
ス流路22の両端は、夫々容器Gの開口部及び図示しな
い配管の接続口に連通する。23はアウトレットキャッ
プである。
ある、パックタイプなどと呼ばれるものを示す断面図で
ある。このタイプの容器弁1は、高圧ガス容器Gの開口
部に装着されており、例えばSUS316よりなる容器
弁本体2の上部側はシリンダ部21を構成している。こ
のシリンダ部21内には、例えばSUS304よりなる
プラグ3が螺合して設けられており、このプラグ3の昇
降により、L字状のガス流路22が開閉される。このガ
ス流路22の両端は、夫々容器Gの開口部及び図示しな
い配管の接続口に連通する。23はアウトレットキャッ
プである。
【0003】前記シリンダ部21の上端部にはこれを外
側から覆うようにボンネット4が螺合されており、ボン
ネット4の中央にはシリンダ部21内に連通する貫通孔
41がシリンダ部21の長さ方向に形成されている。ボ
ンネット4はシリンダ部21の管壁の上端面20及び外
周面に接合するように構成されており、前記管壁の上端
面20に接合される接合面51の内方側には、前記貫通
孔41を囲むように凹部5が形成されると共に、この凹
部5の外縁(接合面51の内縁)は前記管壁の上端面2
0のほぼ中央に位置している。
側から覆うようにボンネット4が螺合されており、ボン
ネット4の中央にはシリンダ部21内に連通する貫通孔
41がシリンダ部21の長さ方向に形成されている。ボ
ンネット4はシリンダ部21の管壁の上端面20及び外
周面に接合するように構成されており、前記管壁の上端
面20に接合される接合面51の内方側には、前記貫通
孔41を囲むように凹部5が形成されると共に、この凹
部5の外縁(接合面51の内縁)は前記管壁の上端面2
0のほぼ中央に位置している。
【0004】前記ボンネット4の貫通孔41内には、上
部にハンドル60が係合されたスピンドル6がシリンダ
部21内に突入されるように気密に嵌入されており、ス
ピンドル6の下端部は、プラグ3を回動させかつプラグ
3に対して相対的に上下動できるようにプラグ3の上端
部に係合している。例えばプラグ3側には横断面四角形
の係合孔が形成され、スピンドル6の下端部がこの係合
孔に適合する形状に作られている。また図4にも示すよ
うにプラグ3の外周面にはネジ部31が形成される一
方、シリンダ部21内にも、前記ネジ部31に螺合する
ネジ部が形成されており、プラグ3はシリンダ部21に
対して螺合しつつ回動することになる。図3中32は螺
合部分、33は樹脂よりなるシートディスクである。
部にハンドル60が係合されたスピンドル6がシリンダ
部21内に突入されるように気密に嵌入されており、ス
ピンドル6の下端部は、プラグ3を回動させかつプラグ
3に対して相対的に上下動できるようにプラグ3の上端
部に係合している。例えばプラグ3側には横断面四角形
の係合孔が形成され、スピンドル6の下端部がこの係合
孔に適合する形状に作られている。また図4にも示すよ
うにプラグ3の外周面にはネジ部31が形成される一
方、シリンダ部21内にも、前記ネジ部31に螺合する
ネジ部が形成されており、プラグ3はシリンダ部21に
対して螺合しつつ回動することになる。図3中32は螺
合部分、33は樹脂よりなるシートディスクである。
【0005】前記ボンネット4の凹部5には、リング状
のガスケット50がスピンドル6に外嵌された状態で接
合されている。一方前記スピンドル6には、フランジ部
61が形成されているが、ハンドル60とスピンドル6
との間に組み込まれたバネ62によってスピンドル6が
常時上方側に付勢されているためフランジ部61はガス
ケット50を介してボンネット4側に押し付けられてい
る。このような構成の容器弁1では、ハンドル60を操
作してスピンドル6を回動することによりプラグ3が回
動しながらシリンダ部21内を上下動し、これにより開
閉動作が行われる。
のガスケット50がスピンドル6に外嵌された状態で接
合されている。一方前記スピンドル6には、フランジ部
61が形成されているが、ハンドル60とスピンドル6
との間に組み込まれたバネ62によってスピンドル6が
常時上方側に付勢されているためフランジ部61はガス
ケット50を介してボンネット4側に押し付けられてい
る。このような構成の容器弁1では、ハンドル60を操
作してスピンドル6を回動することによりプラグ3が回
動しながらシリンダ部21内を上下動し、これにより開
閉動作が行われる。
【0006】次に従来の高圧ガス容器弁の他の例につい
て述べると、図5はダイヤフラムタイプなどと呼ばれる
ものである。例えばSUS304よりなる容器弁本体7
の上部側はシリンダ部71を構成している。このシリン
ダ部71内には、後述のダイヤフラムにより下方側に押
圧され、僅かなクリアランスを上下することによりL字
状のガス流路72を開閉する開閉子73が設けられてい
る。この開閉子73は、コイルバネ74(図6参照)に
よって、ガス流路72を開くように上限位置に維持され
ている。70はアウトレットキャップである。シリンダ
部71の上端開口部は、円形状のダイヤフラムと呼ばれ
る板バネ8によって気密に塞がれており、この板バネ8
は、容器弁本体7に螺合されているボンネット81によ
り、周縁部がシリンダ部71の上端に続く段部に押し付
けられている。前記開閉子73、コイルバネ74及び板
バネ8はSUS304により構成されている。ボンネッ
ト81内には、操作部であるハンドル82により回動さ
れるスピンドル83が螺合挿入されている。このスピン
ドル83により板バネ8の中央部が下方に押圧され、こ
れにより開閉子73がコイルバネ74の弾性力に抗して
押圧されてガス流路72が閉じられる。
て述べると、図5はダイヤフラムタイプなどと呼ばれる
ものである。例えばSUS304よりなる容器弁本体7
の上部側はシリンダ部71を構成している。このシリン
ダ部71内には、後述のダイヤフラムにより下方側に押
圧され、僅かなクリアランスを上下することによりL字
状のガス流路72を開閉する開閉子73が設けられてい
る。この開閉子73は、コイルバネ74(図6参照)に
よって、ガス流路72を開くように上限位置に維持され
ている。70はアウトレットキャップである。シリンダ
部71の上端開口部は、円形状のダイヤフラムと呼ばれ
る板バネ8によって気密に塞がれており、この板バネ8
は、容器弁本体7に螺合されているボンネット81によ
り、周縁部がシリンダ部71の上端に続く段部に押し付
けられている。前記開閉子73、コイルバネ74及び板
バネ8はSUS304により構成されている。ボンネッ
ト81内には、操作部であるハンドル82により回動さ
れるスピンドル83が螺合挿入されている。このスピン
ドル83により板バネ8の中央部が下方に押圧され、こ
れにより開閉子73がコイルバネ74の弾性力に抗して
押圧されてガス流路72が閉じられる。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】ところで半導体製
造プロセスなどにおいて無水塩化水素が使用されるが、
塩化水素は、水分が存在すると強い酸化性がある。無水
塩化水素を高圧ガス容器に充填する場合、容器弁を開い
ておき、ガスの充填後に容器弁を閉じ、アウトレットキ
ャップによりガス流路の出口側を塞ぐようにしている。
ここで塩化水素ガスは、シリンダ部21(または7)と
プラグ3(または開閉子73)との間の狭い隙間からシ
リンダ部21の内部空間に入り込んで溜まる。一方ガス
の充填時や配管との接続時にアウトレットキャップを外
さなければならないが、このとき大気がガス流路23
(または72)を介してやはり前記内部空間に入り込む
ため、大気中の水分と塩化水素とが反応してシリンダ内
部が強い酸化性雰囲気となる。この結果次のような問題
がある。 (1)パックタイプの容器弁においては、プラグ3とシ
リンダ部21とのネジ部がステンレス製のため、ネジ山
が腐食してネジかじりなどと呼ばれる相互の食い込みが
起こりやすい。この現象はネジ幅が小さいとかなり早い
時期に起こってしまうため、ネジ幅を例えば1.814
3mmとかなり大きくとり、更に頻繁に分解して洗浄す
るようにしているが、それでもネジのかじりを避けるこ
とができない。そしてネジのかじりが一旦起こるとガス
流路の開閉ができなくなってしまい、メンテナンスもで
きなくなるため、その容器弁を破棄しなければならず、
結局使用寿命が短いという問題があった。また螺合部分
32のネジ幅を大きくとっていることから、シリンダ部
21の径及び長さが大きくなり、容器弁が大型になると
いう問題もあった。 (2)またダイヤフラムタイプの容器弁においては、シ
リンダ部71の上端の段部と板バネ8との隙間に水分を
含んだ塩化水素が入り込み、板バネの下面及びこれに対
向する前記段部の段面が腐食し、ボンネット81と容器
弁本体7との間の気密性を長期間維持できない。この場
合容器弁を破棄しなければならずやはり使用寿命が短い
という問題があった。またシリンダ部7を頻繁に洗浄し
なければならないが、このとき開閉子73及びコイルバ
ネ74についても互に分離して洗浄しなければならず、
洗浄作業が面倒である上再組立時の気密性の確保が困難
であるという問題もあった。
造プロセスなどにおいて無水塩化水素が使用されるが、
塩化水素は、水分が存在すると強い酸化性がある。無水
塩化水素を高圧ガス容器に充填する場合、容器弁を開い
ておき、ガスの充填後に容器弁を閉じ、アウトレットキ
ャップによりガス流路の出口側を塞ぐようにしている。
ここで塩化水素ガスは、シリンダ部21(または7)と
プラグ3(または開閉子73)との間の狭い隙間からシ
リンダ部21の内部空間に入り込んで溜まる。一方ガス
の充填時や配管との接続時にアウトレットキャップを外
さなければならないが、このとき大気がガス流路23
(または72)を介してやはり前記内部空間に入り込む
ため、大気中の水分と塩化水素とが反応してシリンダ内
部が強い酸化性雰囲気となる。この結果次のような問題
がある。 (1)パックタイプの容器弁においては、プラグ3とシ
リンダ部21とのネジ部がステンレス製のため、ネジ山
が腐食してネジかじりなどと呼ばれる相互の食い込みが
起こりやすい。この現象はネジ幅が小さいとかなり早い
時期に起こってしまうため、ネジ幅を例えば1.814
3mmとかなり大きくとり、更に頻繁に分解して洗浄す
るようにしているが、それでもネジのかじりを避けるこ
とができない。そしてネジのかじりが一旦起こるとガス
流路の開閉ができなくなってしまい、メンテナンスもで
きなくなるため、その容器弁を破棄しなければならず、
結局使用寿命が短いという問題があった。また螺合部分
32のネジ幅を大きくとっていることから、シリンダ部
21の径及び長さが大きくなり、容器弁が大型になると
いう問題もあった。 (2)またダイヤフラムタイプの容器弁においては、シ
リンダ部71の上端の段部と板バネ8との隙間に水分を
含んだ塩化水素が入り込み、板バネの下面及びこれに対
向する前記段部の段面が腐食し、ボンネット81と容器
弁本体7との間の気密性を長期間維持できない。この場
合容器弁を破棄しなければならずやはり使用寿命が短い
という問題があった。またシリンダ部7を頻繁に洗浄し
なければならないが、このとき開閉子73及びコイルバ
ネ74についても互に分離して洗浄しなければならず、
洗浄作業が面倒である上再組立時の気密性の確保が困難
であるという問題もあった。
【0008】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、長い使用寿命が得られる高
圧ガス容器弁を提供することにある。
たものであり、その目的は、長い使用寿命が得られる高
圧ガス容器弁を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、高圧
ガス容器に装着される容器弁であって、ガス流路及びこ
のガス流路に、連通するシリンダ部が形成された容器弁
本体と、前記シリンダ部に螺合しつつ回動し、前記ガス
流路を開閉するプラグと、を備えた高圧ガス容器弁にお
いて、少なくとも前記容器弁本体と、前記プラグとをハ
ステロイにより構成したことを特徴とする。
ガス容器に装着される容器弁であって、ガス流路及びこ
のガス流路に、連通するシリンダ部が形成された容器弁
本体と、前記シリンダ部に螺合しつつ回動し、前記ガス
流路を開閉するプラグと、を備えた高圧ガス容器弁にお
いて、少なくとも前記容器弁本体と、前記プラグとをハ
ステロイにより構成したことを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、高圧ガス容器に装着さ
れる容器弁であって、ガス流路及びこの通気路に連通す
るシリンダ部が形成された容器弁本体と、前記シリンダ
部の一端側に設けられ、当該シリンダ部を気密にシール
する板バネと、前記シリンダ部内において弾性体に組み
合わせて設けられた開閉子と、を備え、前記開閉子が前
記板バネを介して、前記弾性体の弾性力に抗して押圧さ
れ、これによりガス流路が閉じられる高圧ガス容器弁。
少なくとも前記容器弁本体と弾性体とをハステロイによ
り構成したことを特徴とする。
れる容器弁であって、ガス流路及びこの通気路に連通す
るシリンダ部が形成された容器弁本体と、前記シリンダ
部の一端側に設けられ、当該シリンダ部を気密にシール
する板バネと、前記シリンダ部内において弾性体に組み
合わせて設けられた開閉子と、を備え、前記開閉子が前
記板バネを介して、前記弾性体の弾性力に抗して押圧さ
れ、これによりガス流路が閉じられる高圧ガス容器弁。
少なくとも前記容器弁本体と弾性体とをハステロイによ
り構成したことを特徴とする。
【0011】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、弾性体と開閉子とをハステロイにより構成したこと
を特徴とする。
て、弾性体と開閉子とをハステロイにより構成したこと
を特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1の発明では、シリンダ部とプラグとの
ネジ部において、ネジ幅を小さくしても、シリンダ内部
に溜まる酸化性ガスに対する耐食性が極めて大きいの
で、いわゆるネジのかじりが抑えられ、使用寿命が長
い。しかもネジ自体を小さくできるため、シリンダ部を
小さくでき、容器弁の小型化が図られる。
ネジ部において、ネジ幅を小さくしても、シリンダ内部
に溜まる酸化性ガスに対する耐食性が極めて大きいの
で、いわゆるネジのかじりが抑えられ、使用寿命が長
い。しかもネジ自体を小さくできるため、シリンダ部を
小さくでき、容器弁の小型化が図られる。
【0013】請求項2の発明では、板バネ及びこれに圧
接される容器弁本体の部分の腐食が抑えられるので、シ
リンダ部の気密性を長期間維持でき、使用寿命が長い。
この場合請求項3の発明の如く構成すれば、開閉子及び
コイルバネなどの弾性体についての洗浄がほとんど不要
になり、頻わしいメンテナンス作業を省略できる。
接される容器弁本体の部分の腐食が抑えられるので、シ
リンダ部の気密性を長期間維持でき、使用寿命が長い。
この場合請求項3の発明の如く構成すれば、開閉子及び
コイルバネなどの弾性体についての洗浄がほとんど不要
になり、頻わしいメンテナンス作業を省略できる。
【0014】
【実施例】図1及び図2は本発明の第1実施例を示す図
である。この実施例に係る高圧ガス容器弁は、無水塩化
水素を充填する高圧ガス容器に使用されるものであっ
て、いわゆるパックタイプのものであり、機械的構造に
関しては従来技術の項の説明で用いた図3と略同一であ
る。この実施例の特徴とする点は、容器弁の金属部分を
全てハステロイ例えばハステロイC22により構成した
ことである。ハステロイC22の成分については、Cr
が22%、Moが13%、Teが5%、Wが3%、残部
がほとんどNi であり、この材質は酸化性環境において
非常に耐局部腐食性が優れている。そしてプラグ3のネ
ジ部のネジ幅(ネジ山間の距離)は、例えば1.5mm
とされ、ネジ部における外径及びネジ部の長さは、夫々
外径16mm及び有効長さ9mmとされる。
である。この実施例に係る高圧ガス容器弁は、無水塩化
水素を充填する高圧ガス容器に使用されるものであっ
て、いわゆるパックタイプのものであり、機械的構造に
関しては従来技術の項の説明で用いた図3と略同一であ
る。この実施例の特徴とする点は、容器弁の金属部分を
全てハステロイ例えばハステロイC22により構成した
ことである。ハステロイC22の成分については、Cr
が22%、Moが13%、Teが5%、Wが3%、残部
がほとんどNi であり、この材質は酸化性環境において
非常に耐局部腐食性が優れている。そしてプラグ3のネ
ジ部のネジ幅(ネジ山間の距離)は、例えば1.5mm
とされ、ネジ部における外径及びネジ部の長さは、夫々
外径16mm及び有効長さ9mmとされる。
【0015】更にこの実施例では、ボンネット4とシリ
ンダ部21との間をシールしているガスケットの装着構
造が図3の構造と異なる。即ちガスケットを2個のリン
グに分け、一方のガスケット50aをスピンドルの下端
のフランジ部61とボンネット4との間に介装すると共
に、他方のガスケット50bをシリンダ部21の上端面
とボンネット4の下面との間に、夫々の凹部42、43
の中に密入された状態で介装されている。これらガスケ
ットは例えばテフロンにより作られる。
ンダ部21との間をシールしているガスケットの装着構
造が図3の構造と異なる。即ちガスケットを2個のリン
グに分け、一方のガスケット50aをスピンドルの下端
のフランジ部61とボンネット4との間に介装すると共
に、他方のガスケット50bをシリンダ部21の上端面
とボンネット4の下面との間に、夫々の凹部42、43
の中に密入された状態で介装されている。これらガスケ
ットは例えばテフロンにより作られる。
【0016】上述の容器弁においては、シリンダ部21
内に、塩化水素ガスが溜まり、またガスの充填時や配管
接続時に大気がシリンダ部21内に侵入して、この中は
極めて強い酸化性ガス雰囲気となるが、シリンダ部21
及びプラグ3は、ハステロイで構成されているため、ネ
シ部のネジ幅を小さくしてもいわゆるネジのかじり現象
か起こりにくい。
内に、塩化水素ガスが溜まり、またガスの充填時や配管
接続時に大気がシリンダ部21内に侵入して、この中は
極めて強い酸化性ガス雰囲気となるが、シリンダ部21
及びプラグ3は、ハステロイで構成されているため、ネ
シ部のネジ幅を小さくしてもいわゆるネジのかじり現象
か起こりにくい。
【0017】従ってプラグ3を小さく作れるので容器弁
を小型化することができ、そして長い使用寿命が得られ
る。従来のようにステンレス製の場合には例えば1〜2
年でネジのかじりにより容器弁を破棄していたが、ハス
テロイ製の場合には、例えば3年以上の使用できるもの
と期待できる。また本発明では、シリンダ部21を備え
た容器弁本体2及びプラグ3以外の部分に関してはハス
テロイを用いずに例えばステンレス製としてもよいが、
全体をハステロイにより構成することが他の部位の腐食
を抑えられる点で望ましい。なおハステロイとしては、
ハステロイC22に限らず、その他のハステロイを用い
ることができる。
を小型化することができ、そして長い使用寿命が得られ
る。従来のようにステンレス製の場合には例えば1〜2
年でネジのかじりにより容器弁を破棄していたが、ハス
テロイ製の場合には、例えば3年以上の使用できるもの
と期待できる。また本発明では、シリンダ部21を備え
た容器弁本体2及びプラグ3以外の部分に関してはハス
テロイを用いずに例えばステンレス製としてもよいが、
全体をハステロイにより構成することが他の部位の腐食
を抑えられる点で望ましい。なおハステロイとしては、
ハステロイC22に限らず、その他のハステロイを用い
ることができる。
【0018】更にボンネット4とシリンダ部21との間
のガスケットをこの実施例のように分離すれば、大きな
シール効果が得られ、特にボンネット4と容器弁本体2
との間から外部へのガスの漏洩を長期に亘って確実に防
止できる。
のガスケットをこの実施例のように分離すれば、大きな
シール効果が得られ、特にボンネット4と容器弁本体2
との間から外部へのガスの漏洩を長期に亘って確実に防
止できる。
【0019】次に本発明の第2の実施例であるダイヤフ
ラムタイプの高圧ガス容器弁について述べると、機械的
構造については従来技術の項で説明に用いた図5及び図
6の構造と同じであるため、これらの図に基づいて説明
する。即ちこの実施例の容器弁は、容器弁本体の板バネ
8、開閉子73及び弾性体であるコイルバネ74、並び
にその他の金属部分が例えばハステロイC22により構
成される。このようにハステロイを用いれば、シリンダ
部71内が塩化水素と水分とを含む腐食性ガス雰囲気に
なっても板バネ8及びこれに接する容器弁本体7の段部
の段面の腐食か抑えられ、板バネ8による容器弁本体7
とボンネット81との間の気密性を長期間維持でき、長
い使用寿命が得られる。
ラムタイプの高圧ガス容器弁について述べると、機械的
構造については従来技術の項で説明に用いた図5及び図
6の構造と同じであるため、これらの図に基づいて説明
する。即ちこの実施例の容器弁は、容器弁本体の板バネ
8、開閉子73及び弾性体であるコイルバネ74、並び
にその他の金属部分が例えばハステロイC22により構
成される。このようにハステロイを用いれば、シリンダ
部71内が塩化水素と水分とを含む腐食性ガス雰囲気に
なっても板バネ8及びこれに接する容器弁本体7の段部
の段面の腐食か抑えられ、板バネ8による容器弁本体7
とボンネット81との間の気密性を長期間維持でき、長
い使用寿命が得られる。
【0020】また開閉子73及びコイルバネ74につい
てもハステロイで構成されているので、ほとんど洗浄の
必要がなく頻わしいメンナンス作業が格段に軽減され
る。なお前記その他の金属部分例えばアウトレットキャ
ップ70などについてはステンレスを用いてもよいがハ
ステロイを用いる方が望ましい、なお本発明は無水塩化
水素に限らず水分の存在下で大きな腐食性をもつガスの
供給、停止を行うものであれば大きな効果がある。
てもハステロイで構成されているので、ほとんど洗浄の
必要がなく頻わしいメンナンス作業が格段に軽減され
る。なお前記その他の金属部分例えばアウトレットキャ
ップ70などについてはステンレスを用いてもよいがハ
ステロイを用いる方が望ましい、なお本発明は無水塩化
水素に限らず水分の存在下で大きな腐食性をもつガスの
供給、停止を行うものであれば大きな効果がある。
【0021】
【発明の効果】以上のように例えば無水塩化水素を充填
する高圧ガス容器用の容器弁においては、大気中の水分
の侵入によりシリンダ部内が強い酸化性雰囲気となる
が、この雰囲気に接する部材を、酸化性環境において強
い腐食性をもつハステロイを用いることにより、ネジの
かじりや、板バネと容器弁本体との間の気密性の低下を
抑えることができ、長い使用寿命が得られる。
する高圧ガス容器用の容器弁においては、大気中の水分
の侵入によりシリンダ部内が強い酸化性雰囲気となる
が、この雰囲気に接する部材を、酸化性環境において強
い腐食性をもつハステロイを用いることにより、ネジの
かじりや、板バネと容器弁本体との間の気密性の低下を
抑えることができ、長い使用寿命が得られる。
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例の要部を示す断面図である。
【図3】従来のバックタイプの容器弁を示す断面図であ
る。
る。
【図4】プラグを示す斜視図である。
【図5】従来のダイヤフラムタイプを示す断面図であ
る。
る。
【図6】開閉子及び板バネを示す斜視図である。
2 容器弁本体 21 シリンダ部 22 ガス流路 3 プラグ 31 ネジ部 4 ボンネット 50a、50b ガスケット 7 容器弁本体 71 シリンダ部 73 開閉子 74 コイルバネ 8 板バネ 81 ボンネット
Claims (3)
- 【請求項1】 高圧ガス容器に装着される容器弁であっ
て、ガス流路及びこのガス流路に連通するシリンダ部が
形成された容器弁本体と、前記シリンダ部に螺合しつつ
回動し、前記ガス流路を開閉するプラグと、を備えた高
圧ガス容器弁において、 少なくとも前記容器弁本体と、前記プラグとをハステロ
イにより構成したことを特徴とする高圧ガス容器弁。 - 【請求項2】 高圧ガス容器に装着される容器弁であっ
て、ガス流路及びこのガス流路に連通するシリンダ部が
形成された容器弁本体と、前記シリンダ部の一端側に設
けられ、当該シリンダ部を気密にシールする板バネと、
前記シリンダ部内において弾性体に組み合わせて設けら
れた開閉子と、を備え、前記開閉子が前記板バネを介し
て、前記弾性体の弾性力に抗して押圧され、これにより
ガス流路が閉じられる高圧ガス容器弁において、 少なくとも前記容器弁本体と板バネとをハステロイによ
り構成したことを特徴とする高圧ガス容器弁。 - 【請求項3】 弾性体と開閉子とをハステロイにより構
成したことを特徴とする請求項2記載の高圧ガス容器
弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7424894A JPH07260096A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 高圧ガス容器弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7424894A JPH07260096A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 高圧ガス容器弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07260096A true JPH07260096A (ja) | 1995-10-13 |
Family
ID=13541677
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7424894A Pending JPH07260096A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 高圧ガス容器弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07260096A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE20017383U1 (de) | 2000-10-10 | 2000-12-28 | Plattner Schweißtechnik und Gase GmbH, 94550 Künzing | Chlorgasflaschenventil |
WO2004106783A3 (en) * | 2003-06-03 | 2005-01-20 | Hucons Technology Co Ltd | Container valve for lpg |
JP2006052787A (ja) * | 2004-08-11 | 2006-02-23 | Japan Air Gases Ltd | 容器バルブ |
JP2007332076A (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-27 | Sumitomo Chemical Co Ltd | アリルクロライドの製造方法。 |
JP2017054909A (ja) * | 2015-09-09 | 2017-03-16 | 株式会社Sumco | エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法、気相成長装置及びバルブ |
-
1994
- 1994-03-18 JP JP7424894A patent/JPH07260096A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE20017383U1 (de) | 2000-10-10 | 2000-12-28 | Plattner Schweißtechnik und Gase GmbH, 94550 Künzing | Chlorgasflaschenventil |
WO2004106783A3 (en) * | 2003-06-03 | 2005-01-20 | Hucons Technology Co Ltd | Container valve for lpg |
JP2006052787A (ja) * | 2004-08-11 | 2006-02-23 | Japan Air Gases Ltd | 容器バルブ |
JP4619722B2 (ja) * | 2004-08-11 | 2011-01-26 | 日本エア・リキード株式会社 | 容器バルブ |
JP2007332076A (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-27 | Sumitomo Chemical Co Ltd | アリルクロライドの製造方法。 |
JP2017054909A (ja) * | 2015-09-09 | 2017-03-16 | 株式会社Sumco | エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法、気相成長装置及びバルブ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2485383C2 (ru) | Регулирующее клапанное устройство и уплотнение | |
JP2740154B2 (ja) | 閉止弁向けのステム先端のシール構造体 | |
JPH03555B2 (ja) | ||
JPH07260096A (ja) | 高圧ガス容器弁 | |
JP5436872B2 (ja) | 開閉弁 | |
JPH0821535A (ja) | 高気密メタルシートダンパ | |
JPH10299927A (ja) | 空気弁 | |
EP0392992A2 (en) | Clean gas valve using a metal-to-metal seal | |
JP4237032B2 (ja) | 開閉弁及びこれを用いた半導体製造設備用排気装置 | |
JPH02296086A (ja) | 耐腐食性エナメル被覆弁 | |
CN205715696U (zh) | 氯碱用直流式全衬截止阀 | |
EP0043711B1 (en) | Valve | |
CN210623610U (zh) | 一种抗腐蚀气密性强的真空电动蝶阀 | |
JPH0245568Y2 (ja) | ||
JP2003004165A (ja) | 弁構造 | |
CN209743745U (zh) | 一种高温熔盐管道用阀门 | |
JP2755526B2 (ja) | 仕切弁 | |
CN212480213U (zh) | 全衬陶瓷c阀 | |
JPH06201064A (ja) | 超高純度ガス制御用耐食性バルブ | |
KR100300925B1 (ko) | 고압유체 개폐용 볼밸브 | |
JPH0126936Y2 (ja) | ||
CN217301618U (zh) | 一种阀门开闭机构 | |
JPS6218788B2 (ja) | ||
JPH08178120A (ja) | ボールバルブ | |
JPH0519645Y2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040824 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050111 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |