JPH0725957B2 - ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法

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JPH0725957B2
JPH0725957B2 JP32466787A JP32466787A JPH0725957B2 JP H0725957 B2 JPH0725957 B2 JP H0725957B2 JP 32466787 A JP32466787 A JP 32466787A JP 32466787 A JP32466787 A JP 32466787A JP H0725957 B2 JPH0725957 B2 JP H0725957B2
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polypropylene
propylene
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crystalline
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浅沼  正
淳子 武田
由子 十倉
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシラン化合物を含有するポリプロピレン樹脂組
成物の製造方法に関する。詳しくは主鎖にシラン化合物
を含有するポリプロピレンと該シラン化合物を含有しな
いポリプロピレンの混合物を特定の処理を施すことを特
徴とする高結晶性ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法
に関する。
〔従来の技術〕 ポリプロピレンをラジカル発生剤と処理し、架橋させて
物性を改良する方法は既に提案されている(例えば、特
開昭61−16944号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記方法は比較的簡単で物性の改良効果も大きいが、過
酸化物を使用するので本質的に臭気の問題、ポリプロピ
レンの分解による分子量の低下の問題、成形と架橋を同
時に行う必要があるという問題を有している。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題を解決した高結晶性ポリプロピレ
ン樹脂組成物を製造する方法について鋭意探索し、本発
明を完成した。
即ち、本発明はアルケニルシランとプロピレンを立体規
則性触媒を用いて結晶性プロピレン共重合体と結晶性ポ
リプロピレンとを溶融混合して得た組成物に放射線を照
射することを特徴とする高結晶性ポリプロピレン樹脂組
成物の製造方法である。
本発明においてアルケニルシランとプロピレンを立体規
則性触媒を用いて得た結晶性プロピレン共重合体の製造
方法としては、例えば、米国特許3,223,686号に開示さ
れており、その方法がそのまま使用できるが、アルケニ
ルシランとしては少なくとも一つのSi−H結合を有する
ものが用いられ、ビニルシラン、アリルシラン、ブテニ
ルシラン、ペンテニルシラン、該モノマーのSi−H結合
の1〜2個がアルキル基で置換された物が例示できる。
立体規則性触媒としてはその後多くの性能の改良された
触媒が開示されておりそれらを使用することができ、ま
た重合法としても不活性溶媒を使用する溶媒法の他に塊
状重合法、気相重合法も採用できる。ここで立体規則性
触媒としては遷移金属触媒と有機金属化合物からなる触
媒系が好ましく例示でき、遷移金属触媒としてはハロゲ
ン化チタンが好ましく用いられ、例えば、四塩化チタン
を金属アルミニウム、水素或いは有機アルミニウムで還
元して得た三塩化チタン又はそれら電子供与性化合物で
変性処理したものと有機アルミニウム化合物さらに必要
に応じ含酸素有機化合物などの立体規則性向上剤からな
る触媒系、ハロゲン化マグネシウム等の担体或いはそれ
らを電子供与性化合物で処理したものにハロゲン化チタ
ンを担持して得た遷移金属触媒又は塩化マグネシウムと
アルコールの反応物を炭化水素溶媒中に溶解し、ついで
四塩化チタンなどの沈澱剤で処理すること炭化水素溶媒
に不溶化し、必要に応じエステル、エーテルなどの電子
供与性の化合物で処理しついで四塩化チタンで処理して
得た遷移金属触媒と有機アルミニウム化合物、必要に応
じ含酸素有機化合物などの立体規則性向上剤からなる触
媒系が例示される(例えば、以下の文献に種々の例が記
載されている。Ziegler−Natta Catalysts and Polymer
ization by John Boor Jr(Academic Press),Journal
of Macromorecular Sience−Reviews in Macromolecula
r Chemistry and Physics,C24(3),355−385(198
4)、同C25(1)578−597(1985))。
ここで立体規則性向上剤或いは電子供与性化合物として
は通常エーテル、エステル、オルソエステル、アルコキ
シ硅素化合物などの含酸素化合物が好ましくは例示で
き、電子供与性化合物としてはさらにアルコール、アル
デヒド、水なども使用可能である。
有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミ
ニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルア
ルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハ
ライドが使用でき、アルキル基としてはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが例示さ
れ、ハライドとしては塩素、臭素、沃素が例示される。
ここでアルケニルシランとプロピレンの重合割合として
は、得られる重合体が結晶性を保っているかぎり特に制
限は無いが、通常アルケニルシランが30モル%〜0.01モ
ル%とするのが重合時の触媒活性、或いは、混合される
結晶性ポリプロピレンとの混合のため及び物性の改良効
果が充分であるために好ましい。重合体の分子量として
は特に制限はないが極めて高い分子量、例えば135℃テ
トラリン溶液で測定した極限粘度として10以上にならな
いようすべきである。
本発明において上記アルケニルシランとプロピレンを立
体規則性触媒を用いて得た結晶性プロピレン共重合体と
混合される結晶性ポリプロピレンとしては特に制限は無
く、必要に応じ種々の分子量の重合体、あるいはエチレ
ン等の他のオレフィンとのランダム或いはブロック共重
合体が利用できる。本発明の目的はこのアルケニルシラ
ンとプロピレンを立体規則性触媒を用いて得た結晶性プ
ロピレン共重合体と混合される結晶性ポリプロピレンの
物性向上にあり、その組成は問わない。
該結晶性のポリプロピレンを得るには重合に際して上記
触媒及び重合法を利用すれば良く、共重合体の製造方法
としてはすでに多くの方法が提案されており、必要に応
じ、他のオレフィンとのランダム共重合、あるいは始め
にプロピレンのみを重合し次いで他のオレフィンとプロ
ピレンを重合す所謂ブロック共重合であっても良い。
プロピレンを立体規則性触媒を用いて得た結晶性プロピ
レン共重合体と結晶性ポリプロピレンの混合割合として
は特に制限はないが、通常結晶性ポリプロピレン100に
対しアルケニルシランとプロピレンを立体規則性触媒を
用いて得た結晶性プロピレン共重合体は0.01〜10程度で
ある。0.01以下では物性の改良効果がなく、10以上添加
しても結晶性ポリプロピレンの物性改良効果は大きくな
らない。
また、重合体中のアルケニルシランの含量を極めて少な
い量、例えば、0.1wt%以下となる様に共重合すること
でアルケニルシランを含有しないポリプロピレンを混合
しないことも可能である。
本発明において利用する放射線として、γ線、電子線が
例示でき、照射量としては、数十rad〜数十Mrad程度照
射するのが一般的であり、これ以上照射しても特に効果
は無く、これ以下では、殆ど効果がない。照射時の温度
としては特に制限は無く、ポリプロピレンの耐熱温度以
下であればよいが、常温で行えば充分である。
本発明において上記各成分の混合方法については特に制
限は無く、ヘンシェルミキサーで前混合しついで押し出
し機で溶融混合し造粒するといった一般的な方法で十分
混合できる。この際公知の種々の安定剤などの添加剤を
混合することは勿論可能である。
〔実施例〕
以下に実施例を示しさらに本発明を説明する。
実施例1 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4の粉砕用ポット
を4個装備した振動ミルを用意する。各ポットに窒素雰
囲気下で塩化マグネシウム300g、テトラエトキシシラン
60ml、α,α,α−トリクロロトルエン45mlを加え40時
間粉砕した。こうして得た共粉砕物300gを5のフラス
コに入れ、四塩化チタン1.5およびトルエン1.5を加
え、100℃で30分間撹拌処理し、次いで上澄液を除いた
後、再び四塩化チタン1.5およびトルエン1.5を加
え、100℃で30分間撹拌処理し、次いで上澄液を除い
た。その後固形分をn−ヘキサンで繰り返し洗浄して遷
移金属触媒スラリーを得た。一部をサンプリングしてチ
タン分を分析したところチタン分は1.9wt%であった。
内容積200mlの耐圧ガラスオートクレーブに窒素雰囲気
下トルエン40ml、上記遷移金属触媒50mg、ジエチルアル
ミニウムクロライド0.128ml、p−トルイル酸メチル0.0
6mlおよびトリエチルアルミニウム0.20mlを入れ、つい
でビニルシラン4.0gを圧入し、次いでプロピレンを5kg/
cm2になるまで装入し、70℃で圧力一定で2時間重合し
た。その後スラリーを取り出し、濾過乾燥して43gのパ
ウダーを得た。135℃のテトラリン溶液で測定した極限
粘度(以下ηと略記する。)、示差熱分析装置を用い10
℃/minで昇温或いは降温することで融点及び結晶化温度
を最大ピーク温度として測定した所、得られたパウダー
はηが1.61であり、融点156℃、結晶化温度118℃である
結晶性のポリプロピレンであった。尚元素分析によれば
ビニルシラン単位を1.8wt%含有していた。
また別途のプロピレンを重合し、η=1.65、ソックスレ
ー抽出器で抽出した次の抽出残率(以下IIと略記する。
抽出後パウダー重量/抽出前パウダー重量を100分率で
表示する)が97.1%であるポリプロピレンを得た。
ここで得たポリプロピレンパウダー900g、上記共重合体
20g、フェノール系の安定剤10/10000重量比(対ポリプ
ロピレン)及びステアリン酸カルシウムを15/10000重量
比加え、造粒して混合物を得た。
ついでこの混合物にγ−線を5Mrad照射した。
γ−線を照射したペレットを用いたメルトフローインデ
ックス(MI、ASTM D1238(230℃))を測定し、さらに
厚さ1mmのインジェクションシートを作り、曲げ剛性度
(ASTM D747−63(20℃))を測定した。
得られた結果を表に示す。
比較例1 ビニルシランとプロピレンの共重合体を用いなかった他
は実施例1と同様にして物性を測定した。
結果を表に示す。
実施例2 ビニルシランに代えアリルシランを用いた他は実施例1
と同様にした。なお、ここで得られた共重合体はアリル
シランを2.1wt%含み、ηが1.28であり、融点が152℃で
あるものであった。
結果を表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法を実施することにより物性に優れたポリプ
ロピレン樹脂組成物を製造することが可能であり工業的
に極めて価値がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルケニルシランとプロピレンを立体規則
    性触媒を用いて得た結晶性プロピレン共重合体と結晶性
    ポリプロピレンとを溶融混合して得た組成物に放射線を
    照射することを特徴とする高結晶性ポリプロピレン樹脂
    組成物の製造方法。
JP32466787A 1987-12-22 1987-12-22 ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0725957B2 (ja)

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