JPH07258965A - 機能性不織布 - Google Patents

機能性不織布

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JPH07258965A
JPH07258965A JP6050541A JP5054194A JPH07258965A JP H07258965 A JPH07258965 A JP H07258965A JP 6050541 A JP6050541 A JP 6050541A JP 5054194 A JP5054194 A JP 5054194A JP H07258965 A JPH07258965 A JP H07258965A
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JP
Japan
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woven fabric
woven
component
sheath
long fibers
Prior art date
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Pending
Application number
JP6050541A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Matsushita
正樹 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07258965A publication Critical patent/JPH07258965A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維移動による非金属部分の露出を防止した
薄い金属層を有する機能性不織布を提供する。 【構成】 芯鞘型の太い長繊維からなる不織布等を適度
に融着せしめ、その少なくとも片面に100μm以下の
薄い金属層を設けたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不織布等の少なくとも
片面に薄い金属層を該不織布等が露出することなく設け
た機能性不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック製品に金属蒸着した
もの、例えば装飾的な土産用のおちよこに金属蒸着した
もの、フイルムに金属蒸着したものなどが開発販売され
てきた。また、織布、不織布へ金属蒸着することも行な
われている。
【0003】ところが、プラスチック製品に金属蒸着し
たものは、プラスチック製品そのものが鏡面状態である
ため金属を蒸着した後であっても鏡面状態の透明性が高
いがために金属蒸着品の品位を下げていた。他方、織
布、不織布に金属蒸着したものにあっては、構成する繊
維が移動しやすく、移動後に非蒸着部分が露出し、蒸着
部分が非連続化するなどの問題が生じた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の欠点を解消し、繊維移動による非金属部分の露出及び
金属部分の非連続化の発生を解消し、特性の非連続化の
ない金属層を有し軽量な機能性不織布を提供することを
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、次の手段をとる。すなわち、本発明は、
ポリエチレンテレフタレートを芯成分とし、接着成分を
鞘成分とする長繊維よりなる織布又は不織布と、該織布
又は不織布の片面又は両面に設けられた100μm以下
の厚さの金属層とからなり、前記織布又は不織布を構成
する長繊維の繊維径が20μm〜1000μmの範囲に
あり、構成する長繊維群のうち70〜90%の長繊維が
融着していることを特徴とする機能性不織布である。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の機能性不織布は、ポリエチレンテレフタレートを
芯成分とし、接着成分を鞘成分とする芯鞘型の長繊維か
らなる織布又は不織布と、金属層とからなる。ここで、
織布又は不織布を用いるのは、金属層をその表面に設け
た場合に得られる機能性不織布を金属層から見たときの
透明性を下げるためである。
【0007】しかしながら、単に織布又は不織布を用い
ただけでは、それらの表面に金属層を設けたときに繊維
の移動による金属層の非連続化を防止し、非金属部分の
露出を防止することができない。そのために、織布又は
不織布を構成する長繊維同士を融着させる必要がある。
そして、構成する長繊維群のうち70〜90%の長繊維
が融着していなければならない。
【0008】これは、長繊維同士の移動を少なくし、金
属層の非連続化を防止するためである。仮に、70%未
満になると融着が不充分となるために長繊維の移動が起
こりやすく、他方、90%をこえるとフイルムの状態に
近づき透明性を減少させることが困難となる。
【0009】融着するためには、カレンダー、エンボス
カレンダー、高熱流体によって行なう。
【0010】前記織布又は不織布に関しては、織布では
織り方、模様等特に制限はないものの、目付は10g/
2 〜1000g/m2 が好ましい。10g/m2 未満
になると強力が弱く、各用途で必要とされる摩耗性に耐
えられないだけでなく、蒸着、スパツタリング加工時に
金属が繊維間空隙を貫通し、加工効率が悪くなって好ま
しくなく、他方、1000g/m2 をこえると10〜9
0%が融着した織布、不織布ではシート剛性が高くロー
ル状への巻取り、巻出しが難しくなり好ましくない。ま
た、不織布では、短繊維、長繊維又は両者の混合のいず
れからなっていても良く、また、ウエブの積層方法など
制限はないものの、蒸着スパツタリングされる層は10
〜1000g/m2 であることが好ましく、金属蒸着又
はスパツタリング後の積層では特に制限はない。
【0011】次に、前記織布又は不織布を構成する長繊
維は、ポリエチレンテレフタレートを芯成分とし、接着
成分を鞘成分とするものである。かかる芯鞘型の長繊維
を採用するのは長繊維同士の融着ないしは接着を充分な
ものとするとともに芯成分によって織布又は不織布の強
力を下げないようにするためである。
【0012】前記芯成分と鞘成分との重量比は好ましく
は70〜90:30:10の範囲にあるのが好ましい。
芯成分が70重量%未満になると織布等中の長繊維の強
力が低下して好ましくなく、他方90重量%をこえると
融着状態が不充分となり、金属層の非連続化を招き好ま
しくない。
【0013】また、接着成分としては、テレフタル酸に
対して10〜20モル%のイソフタル酸を共重合させた
共重合ポリエステル、ポリブチレンテレフタレートの単
体ポリマー、又は両者の混合ポリマーなどが挙げられ
る。
【0014】次に、前記織布又は不織布中の長繊維の太
さは20μm〜1000μmまでの太いものでなければ
ならない。太繊度のものを使うことにより融着した後に
おいても鏡面状態にならずに表面が凹凸状態を呈するよ
うにするためである。かかる効果をより良く出すために
は30μm〜100μmが好ましい。
【0015】さらに、構成する多数の長繊維のうち70
〜90%の長繊維が融着又は接着されている織布又は不
織布の片面又は両面に100μm以下の厚さの金属層が
設けられている。また、下限は10/1000μmであ
る。100μmをこえると軽量化が図れず、いたずらに
金属層を厚くするのみでコスト的に問題となり好ましく
ない。なお、好ましくは10/1000μm〜50/1
000μmである。
【0016】金属層を設けるには、金属を蒸着又はスパ
ツタリングすることによって行なうのが好ましい。金属
としては、金、銀、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、又
はそれらの合金などが挙げられ、かかる金属により導電
性、抗菌性効果などを得ることができる。
【0017】
【実施例】
実施例1〜2、比較例1〜2 ポリエチレンテレフタレートを芯成分に、ポリブチレン
テレフタレートを鞘成分に、重量比で80:20の芯鞘
型の長繊維(12d,81d)からなるスパンボンド不
織布(目付40g/m2 )を製造した。ついで、表1に
示すように融着繊維比率を乾式熱風貫通接着機により温
度、カレンダー圧力の条件を変えて変更した。
【0018】ついで、前記融着不織布の片面に銀を厚さ
30/1000μmに金属蒸着して機能性不織布を作っ
た。得られた機能性不織布の物性もあわせて測定し、表
1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】なお、測定方法は下記のとおりである。 融着繊維比率測定方法 走査型電子顕微鏡で100倍に拡大し、100本の糸の
接着状態を観察し、融着有無を集計してあらわした。
【0021】 摩耗状態 JIS L−1096 C法(テーパ形法) 直径13cmの円形試験片を5枚採取し、各試験片の中
心に直径6mmの孔を開け、テーパ形摩耗試験機を用
い、試験片の表面を上にして試料ホルダーのゴムコット
上に取り付ける。次に評価する目付に応じた摩耗輪を試
験片の上に載せて1分間当り約70回で回転摩擦し50
回の回転後、摩耗部(大きさφ10〜11cmのドーナ
ツ状部)表面の未蒸着部の露出状態を評価した。
【0022】 繊維径 融着不織布中の繊維径は、断面の走査型電子顕微鏡写真
により接着成分の変形のない部分のN=100の平均値
で求めた。楕円形の糸については、長直径、短直径から
面積を求め相当円の直径とした。
【0023】表1から明らかように、実施例1は、12
dの芯鞘型長繊維を240℃の温度下で接着加工を行っ
たもので、摩耗試験後は金属未コート部の露出もなく良
好であった。
【0024】実施例2は81dの芯鞘型長繊維を240
℃の温度下で接着加工を行なったもので、実施例1と同
様に摩耗テスト後に未コート部の露出はなかった。
【0025】比較例1は実施例1の長繊維ウエブを23
0℃の温度下で接着加工を行なったもので摩耗テスト後
に一部未加工部の露出が見られた。
【0026】比較例2は実施例2の長繊維ウエブを22
0℃の温度下で接着加工を行ったもので摩耗テスト後は
約半分の面積で金属未加工部の露出が見られた。
【0027】実施例3、比較例3〜4 実施例1の融着不織布の片面に厚さ100/1000μ
m、120μmの銀を均一に蒸着したもの、全く蒸着な
しのものを作り、抗菌性試験を行なった。その結果を表
2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】なお、表2における物性は下記の方法によ
った。 抗菌性試験 JIS L−1902によった。具体的には、普通寒天
培地に菌濃度106 個/mlで調整しシヤーレ内で乾燥固
化させる。ついで上記寒天培地中央にサンプルを置き、
密着させるシヤーレを倒置して35〜37℃で24時間
培養し菌濃度を求めた。
【0030】 ハロー有無 培養の結果、試験片1の周囲にできたハローについて、
シヤーレ2の底から図1に示すTとDの距離を測定し、
ハローの幅を下記の式により計算する。W=(T−D)
/2、ここに、Wはハローの幅(mm)、Tは試験片と
ハローの長さの合計(mm)、Dは試験片の長さ(m
m)をあらわす。
【0031】 菌濃度 試験管中で10進希釈法による希釈列を作成して培養後
30〜300個のコロニーが現われた希釈列のシヤーレ
のコロニー数を測定し、菌濃度を下記の式で求めた。 K=(C×R)X/(F+X) ここに、Kは菌濃度(個数/ml)、Cはコロニー数
(2枚のシヤーレの平均)(個数/ml)、Rは希釈倍
率、Fは混釈に使用した普通寒天培地の量(ml)、X
は混釈した菌液の量(ml)である。
【0032】 金属剥離 JIS L1018−1990のアクセレロータ形法に
よった。具体的には蒸着後のサンプルから10cm×1
0cmの試験片を3枚採取し、4辺の端を接着剤で固定
する。次いで試験片を図2の様に折りたたみ、図3,4
のアクセレロータ形摩耗試験機のゴム膜4の上に載せて
金属製回転羽根を3000回/分の速度で5分間回転さ
せて蒸着金属の剥離状態を見た。なお、5は円筒、7は
ふたの部分、8は窓ガラスである。
【0033】表2において、殖菌数(培養前)をA、無
加工試料の生菌数をB、培養後の殖菌数をC(実施例
3)、D(比較例3)としたときに、logB/A>2であれ
ば試験を有効とし、未加工品に対する抗菌加工品の増減
値差(logB/A-logC/A)又は(logB/A-logD/A)が1.6以
上の試料を合格とした。
【0034】実施例3は、A=3.2×105 、B=
1.7×109 、C=6.8×106であり、logB
/A=3.7>2、logB/A−logC/A=3.
7−1. 3=2.4>2で、抗菌性について合格して
いた。比較例3は、D=6.0×106 であり、log
B/A−logD/A=3.7−1.3=2.4>2で
同じく抗菌性について合格していた。
【0035】つぎに、金属剥離についてみると、実施例
3は金属剥離が無く、他方、比較例3は金属剥離が有
り、実用上問題があった。
【0036】
【発明の効果】本発明の機能性不織布は、太デニールの
芯鞘型長繊維からなる不織布を適度に融着せしめた上に
薄い金属層を設けたものなので、繊維同士の移動を防い
で金属層が薄いにもかかわらず金属層の非連続化を防ぐ
とともに導電性、抗菌性などの種々の特性を金属層の連
続化によって均一に保ち、また、透明性をおさえたもの
なので高品位を保ち、金属層100%のものに比して軽
量化を著しく図ることができるという顕著な効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハローと試験片との関係を示す説明図である。
【図2】試験片の作り方を示す説明図である。
【図3】摩耗試験機の側面図である。
【図4】摩耗試験機の正面図である。
【符号の説明】
1 試験片 2 シヤーレ 3 試験片 4 ゴム膜 5 円筒 6 金属性回転羽根 7 ふたの部分 8 窓ガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 3/00 C 3/14 A D06Q 1/04 // D06M 101:32

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを芯成分と
    し、接着成分を鞘成分とする長繊維よりなる織布又は不
    織布と、該織布又は不織布の片面又は両面に設けられた
    100μm以下の厚さの金属層とからなり、前記織布又
    は不織布を構成する長繊維の繊維径が20μm〜100
    0μmの範囲にあり、構成する長繊維群のうち70〜9
    0%の長繊維が融着していることを特徴とする機能性不
    織布。
  2. 【請求項2】 芯成分と鞘成分との重量比が70〜9
    0:30:10の範囲にある請求項1に記載の機能性不
    織布。
  3. 【請求項3】 接着成分がテレフタル酸に対して10〜
    20モル%のイソフタル酸を共重合させた共重合ポリエ
    ステル、ポリブチレンテレフタレートの単体ポリマー、
    または両者の混合ポリマーからなる請求項1または請求
    項2に記載の機能性不織布。
JP6050541A 1994-03-22 1994-03-22 機能性不織布 Pending JPH07258965A (ja)

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JP6050541A JPH07258965A (ja) 1994-03-22 1994-03-22 機能性不織布

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001083880A1 (fr) 2000-05-02 2001-11-08 Nippon Wishborn Corporation Scintillants et vetement
JP2006138046A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Toray Ind Inc ヒートシール用スパンボンド不織布およびそれを用いたフィルター
JP2021515854A (ja) * 2018-03-02 2021-06-24 メゾマット インコーポレイテッド ナノ材料被覆繊維

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WO2001083880A1 (fr) 2000-05-02 2001-11-08 Nippon Wishborn Corporation Scintillants et vetement
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