JPH0725840B2 - 高分子固体電解質及びその製造方法 - Google Patents

高分子固体電解質及びその製造方法

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JPH0725840B2
JPH0725840B2 JP1120643A JP12064389A JPH0725840B2 JP H0725840 B2 JPH0725840 B2 JP H0725840B2 JP 1120643 A JP1120643 A JP 1120643A JP 12064389 A JP12064389 A JP 12064389A JP H0725840 B2 JPH0725840 B2 JP H0725840B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高分子固体電解質に係わり、特に帯電防止材料
や電池及び他の電気化学デバイス用材料として好適な高
分子固体電解質に関するものである。
[従来の技術] 固体電解質を帯電防止用材料や電池をはじめとする電気
化学的デバイスに応用していくためには良好なイオン伝
導性を持つのみならず、製膜性に優れていること、保存
安定性が良好であること、材料の製造が容易であること
も必要である。しかしながら、このような必要性能をす
べて満足する固体電解質はこれまで開発されていなかっ
た。
たとえば、Na−β−Al2O3や Na1+xZr2P3-xSixO12(0≦X≦3)のような無機固体電
解質は良好なイオン伝導性を有することが知られている
(エム・エス・ウィッチンガム(M.S.Whittingham)ジ
ャーナル・オブ・ケミカル・フィジックス(Journal of
Chemical Phisics),54巻,414頁(1971年)、エイ・ク
リアフィールド(A.Clearfield)ら、ソリッド・ステー
ト・イオニクス(Solid State Ionics)9/10巻,895頁
(1983年))が、機械的強度が著しく弱く、可撓性膜へ
の加工性に劣るという致命的欠点を持っている。
ポリエチレンオキシド(以下PEOと略す)は種々の周期
律表I a族又はII a族に属する金属イオンの塩、たとえ
ばLiCF3SO3、LiI、LiClO4、NaI、NaCF3SO3、KCF3SO3
どと固体電解質として機能するコンプレックスを形成し
比較的良好なイオン伝導性を示し(たとえばピー.バー
シスタ(P.Vashista)らによってファスト・イオン・ト
ランスポート・イン・ソリッド(Fast Ion Transport i
n Solid),131頁(1979年)に報告されている)、また
高分子特有の粘弾性、柔軟性を具備しており、加工性も
良好であるとともに保存安定性も良好である。しかしな
がらPEOのイオン伝導性は温度依存性が大きく、60℃以
上では良好なイオン伝導性を示すものの室温付近になる
とイオン伝導性が著しく悪化してしまい、広い温度領域
でも使用できるような汎用性のある商品に組み込むこと
は困難であった。このようなPEO系固体電解質の持つイ
オン伝導性が室温付近で著しく悪化するという問題を克
服する方法として特開昭62−139266号に通常の分子量の
PEOに分子量1000以下の低分子量のPEOを混合して用いる
方法が提案されている。しかしながら、この方法では従
来の問題に対し本質的な解決手段を提供するに到ってい
ない。すなわち、多量の低分子量PEOを混合すれば室温
付近イオン伝導性は良化するものの製膜性の低下が著し
く、フィルム化が困難となってしまうものであった。
低分子量PEOを用いる方法としてポリフォスファゼンの
側鎖に低分子量PEOを導入する方法がディー.エフ.シ
ュライバー(D.F.Shriver)らによってジャーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(Journal of
American Chemical Society),106巻,6854頁(1984
年)に報告されているが、この材料は大量合成が困難で
あり実用上の適性がなく、また室温付近の低温における
イオン伝導性も不十分であった。さらにポリシロキサン
の一部に低分子量PEOを導入し、これを薄膜化した材料
が渡辺らによってジャーナル・オブ・パワー・ソース
(Journal of Power Sourses),20巻,327頁(1987年)
に報告されているが、この材料においては低分子量PEO
の導入率が低いためにイオン伝導性が低く、実用に供し
得ないものであった。
さらに低分子量PEOを用いてイオン伝導性を向上させる
方法として、ビニル系ポリマーの側鎖に低分子量PEOを
導入し高分子化した後に製膜して高分子固体電解質とす
る方法がディー.ジェイ.バニスター(D.J.Banister)
らによって、ポリマー(Polymer),25巻,1600頁(1984
年)に報告されている。しかしながらこの材料において
は製膜性が劣り、イオン伝導性も不十分であった。
また、PEOを側鎖に持つアクリロイル化合物の架橋マト
リックスに低分子量のPEOを含浸させた材料が特開昭63
−135477号に示されている。しかしながらこの材料にお
いてもイオン伝導性を十分に高められないという問題点
があり、この材料もまた実用的デバイスへの適用は不可
能なものであった。
以上のように従来のPEOとアルカリ金属塩からなる固体
電解質では、室温付近のイオン伝導性が著しく低いか又
は製膜性に著しく劣ってしまうという2つの問題点を共
に解決し満足せしめることができず、共に解決した固体
電解質の提供が望まれていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、室温付近でも高いイオン伝導性を示
し、かつ製膜性に優れた新規な固体電解質を提供するこ
とにある。
[課題を解決する手段] 本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、少なくとも、下記一般式[I]及び/又は[II]で
表されるモノマーを、少なくとも、周期律表I a又はII
a族に属する金属イオンの塩及び下記一般式[III]又は
[IV]で表される化合物の少なくとも一種の存在下で熱
重合して、高分子マトリックスに形成せしめたことを特
徴とする高分子固体電解質によって達成された。
一般式[I] 一般式[II] 一般式[III] Q−OM−ObR 一般式[IV] (式中、X及びYは、−O−又は を表し、R9は水素原子又はアルキル基を表す。X′及び
Y′はそれぞれX及びYと同義である。R1は水素原子、
アルキル基、塩素原子又はシアノ基を表し、R2は低級ア
ルキレン基を表す。Lはz価の連結基を表し、zは2以
上の整数である。qは1〜30の整数を表す。R5はR1と同
義である。R4はR2と同義である。R3は水素原子、アルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、−CO
R6又は−SO2R6を表し、R6はアルキル基、アルケニル
基、アリール基又はアラルキル基を表す。pはqと同義
である。Q及びRは低級アルケニル基、−COR6′または −SO2R6′を表し、R6′は低級アルキル基または低級ア
ルケニル基を表す。MはR2と同義であり、bは1〜20の
整数を表す。R10、R11、R12はR2と同義であり、R13、R
14、R15は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
基、−COR7′または−SO2R7′を表し、R7′はR6′と同
義である。L11、L12、L13は2価の連結基を表し、Tは
3価の連結基を表す。g、h、iはそれぞれ独自に0〜
20の整数である。d、e、fはそれぞれ独自に0または
1である。) 本発明で用いられる高分子化合物はそれ自身ポリアルキ
レンオキシド基を有する多官能性のモノマーから誘導さ
れることから誘電率が高く、支持電解質を溶解、解離す
る能力を有し、更に本発明で用いられる高分子化合物に
イオン伝導性の高い一般式[II]又は[III]で表され
る低分子量PEO誘導体を含浸させることにより驚くべき
ことに、室温付近のイオン伝導性及び製膜性が従来知ら
れているPEO系高分子固体電解質材料に比べて著しく向
上したものである。
本発明の高分子固体電解質は、金属イオンの塩及び一般
式[III]又は一般式[IV]で表される化合物を一般式
[I]及び/又は一般式[II]で表されるモノマーとと
もに含有させた後、熱重合させて高分子マトリックス化
するものである。
以下一般式[I]及び[II]について詳しく説明する。
一般式[I]において,X及びYはそれぞれ同じでも異な
っていてもよく、−O−又は を表し、R9は水素原子又はアルキル基を表す。X及びY
として好ましくは−O−又は (R9が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基)であ
り、更に好ましくは、−O−又は (R9が水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基)であ
る。R1は水素原子、アルキル基、塩素原子又はシアノ基
を表し、アルキル基としては炭素数1〜8のものが挙げ
られる。R1として好ましくは、水素原子又は炭素数1〜
6のアルキル基であり、更に好ましくは、水素原子又は
炭素数1〜3のアルキル基である。R2は低級アルキレン
基を表し、詳しくは炭素数1〜6の直鎖または分岐状の
アルキレン基を表し、好ましくは炭素数1〜3のアルキ
レン基であり、特に好ましくは−CH2CH2−又は である。zは2以上の整数を表し、好ましくは2〜4の
整数である。Lはz価の連結基を表す。z=2のとき、
Lは2価の連結基を表し、例えばアルキレン基、アリー
レン基、アラルキレン基、−O−、−S−、−NH−又は
−N(CH3)−の単独又はこれらの基を組み合わせた基
が挙げられる。z=2のときのLの好ましい例として
は、 −CH2−、CH2 、CH2 、 CH2 、−CH2OCH2−、 −CH2CH2OCH2CH2−、 −CH2NHCH2−,−CH2SCH2−、 これらの基は炭素数1〜16のものが好ましく、またこれ
らの基は置換基を有してもよい。アルキレン基の置換基
の例としてはハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、ヒド
ロキシ基、カルボキシル基、アルキル基、アリール基、
アラルキル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミ
ノ基、スルホンアミド基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル
基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ーロキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、アルコキシスルホニル基、アリーロキ
シスルホニル基、カルバモイルアミノ基、スルファモイ
ルアミノ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基などが
あげられる。アリーレン基及びアラルキレン基の置換基
の例としては、炭素数1〜20のアルキル基、置換アルキ
ル基、ハロゲン原子(例えば、フッソ原子、塩素原子、
臭素原子など)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ
基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル
基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ニトロ基、ホルミ
ル基、アルキル及びアリールスルホニル基などを挙げら
れる。これらの置換基は複数有してもよい。
z=3のとき、Lは下記一般式[V]で表される。
一般式[V] Aは−N、 を表し、R8は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、
アルコキシ基である。L2、L3、L4はそれぞれ同じでも異
なっていてもよく、z=2のときのLと同義である。
a、k、cはそれぞれ独自に0又は1である。z=3の
ときのLの好ましい例としては、 などが挙げられる。
これらの基は置換基を有してもよく、置換基の例として
はz=2のときのLで述べた置換基が挙げられる。
z=4のとき、Lは下記一般式[VI]で表される。
一般式[VI] 式中、Bは を表し、L4、L5、L6、L7はそれぞれ同じでも異なってい
てもよく、z=2のときのLと同義である。t、u、
v、wはそれぞれ独自に0又は1である。
z=4のとき、Lの好ましい例としては これらの基は置換基を有してもよく、置換基の例として
はz=2のときのLで述べた置換基が挙げられる。qは
1〜30の整数を表し、好ましくは1〜20の整数であり、
更に好ましくは、2〜16の整数である。
一般式[II]において、X′及びY′はそれぞれX及び
Yと同義であり、R5はR1と同義である。R3は水素原子、
アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル
基、−COR6又は−SO2R6を表し、R6はアルキル基又はア
ルケニル基である。アルキル基、アルケニル基は炭素数
1〜8が好ましく、これらの基は置換基を有していても
よい。アルキル基、アルケニル基の置換基の例として
は、z=2でLがアルキレン基のときの置換基として述
べた置換基が挙げられる。アリール基、アラルキル基は
炭素数6〜12が好ましく、これらの基は置換基を有して
いてもよい。アリール基、アラルキル基の置換基の例と
してはz=2でLがアリーレン基又はアラルキレン基の
ときの置換基として述べた置換基が挙げられる。R3とし
て好ましくは水素原子、炭素数1〜6の置換されてもよ
いアルキル基、又は−COR6(R6が炭素数1〜6の置換基
を有してもよいアルキル基)であり、更に好ましくは水
素原子、炭素数1〜3の置換されてもよいアルキル基、
又は−COR6(R6が炭素数1〜3の置換基を有してもよい
アルキル基)である。R4はR2と同義であり、pはqと同
義である。
本発明に用いられる高分子化合物は一般式[I]又は一
般式[II]から誘導される繰り返し単位の他に他のモノ
マー成分から誘導される繰り返し単位を含んでもよい。
他のモノマー成分の例としてはアクリル酸、α−クロロ
アクリル酸、α−アルアクリル酸(例えばメタクリル酸
など)、これらのアクリル酸類から誘導されるエステル
もしくはアミド(例えば、アクリルアミド、メタクリル
アミド、n−ブチルアクリルアミド、t−ブチルアクリ
ルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、β−ヒドロキシメタクリ
レートなど)、ビニルエステル(例えばビニルアセテー
ト、ビニルプロピオネート、ビニルラウレートなど)、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、芳香族ビニル
化合物(例えばスチレン及びその誘導体、例えばビニル
トルエン、ジビニルベンゼン、ビニルアセトフェノン)
イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ビニリデンク
ロリド、ビニルアルキルエーテル(例えばビニルエチル
エーテル)、マレイン酸エステル、N−ビニル−2−ピ
ロリドン、N−ビニルピリジン、2−及び4−ビニルピ
リジンなどが挙げられる。以上の他にも共重合モノマー
の例として、 CH2=CH−CO2CH2nOCO−CH=CH2(n=1〜11)、 CH2=CH−CO2CH2CH2O2CO−CH=CH2 などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
本発明に用いられる高分子化合物は一般式[I]又は
[II]から誘導される繰り返し単位の少なくとも一種を
含有するが、好ましくは一般式[I]及び[II]から誘
導される繰り返し単位をともに含有する。一般式[I]
から誘導される繰り返し単位は一般式[III]又は[I
V]で表される全化合物量に対して0.1〜300重量%含有
されるのが好ましく、さらに好ましくは1〜200重量%
である。
また、本発明に用いられる高分子化合物は一般式[I]
又は一般式[II]で表されるモノマーから誘導される繰
り返し単位を複数持ってもよい。
以下に、一般式[I]で表されるモノマーの具体例を示
すが、無論これらに限定されるものではない。
以下に、一般式[II]で表されるモノマーの具体例を示
すが、無論これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる高分子化合物は相当するモノマーの
加熱重合によって形成する。
相当するモノマーの加熱による重合によって高分子化合
物を形成する場合、0.01〜5モル%の加熱重合開始剤を
加えておくと重合時間を短縮できる。
加熱重合開始剤としては公知の加熱重合開始剤が使用で
き、例としてはアゾビス化合物、パーオキシド、ハイド
ロパーオキシド、レドックス触媒など、例えば過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム、t−ブチルパーオクトエ
イト、ベンゾイルパーオキシド、イソプロピルパーカー
ボネート2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、メチ
ルエチルケトンパーオキシド、クメンハイドロパーオキ
シド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)ハイドロクロリドなどが挙げ
られる。
加熱重合温度は40〜150℃が好ましく、更に好ましくは5
0〜120℃である。
以下に、本発明に用いられる高分子化合物の代表例を示
すが、無論これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる周期律表I a族又はII a族に属する
金属イオンとしてはリチウム、ナトリウム、カリウムの
イオンがあげられ、代表的な金属イオンの塩としてはLi
CF3SO3、LiI、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3CO2、LiSC
N、NaClO4、NaI、NaCF3SO3、NaBF4、NaAsF6、KCF3SO3
KSCN、KPF6、KClO4、KAsF6などが挙げられる。好ましく
は、上記のLi塩である。これらは1種又は2種以上を混
合してもよい。
本発明に用いられる高分子化合物と該金属イオンの塩の
比率は、金属イオンの塩1モルに対して高分子化合物中
のPEO単位を1〜60倍単位の比率で含有するのが好まし
く、さらに好ましくは、2〜30倍である。比率が高すぎ
るとガラス転移温度(Tg)が上がり、イオン伝導性が低
下し、比率が低すぎると有効イオン濃度が低下し、イオ
ン伝導性も低下してしまう。また、NBu4BF4などのよう
な他の電解質を混合して用いてもよい。
以下、一般式[III]及び一般式[IV]について詳しく
説明する。
一般式[III]において、Q及びRはそれぞれ同じでも
異なっていてもよく、低級アルケニル基、−COR6′又は
−SO2R6′を表し、R6′は低級アルキル基、低級アルケ
ニル基を表す。低級アルキル基、低級アルケニル基は炭
素数1〜8が好ましく、これらは置換基を有していても
よい。アルキル基又はアルケニル基の置換基の例として
は、z=2でLがアルキレン基のときの置換基として述
べた置換基が挙げられる。Q及びRとして好ましくは、
炭素数2〜6の置換されてもよいアルケニル基又は−CO
R6′(R6′が炭素数1〜5の置換基を有してもよいアル
キル基)である。MはR2と同義である。bは1〜20の整
数を表し、好ましくは1〜12の整数であり、更に好まし
くは1〜8の整数である。
一般式[IV]において、R13、R14、R15はそれぞれ同じ
でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、−COR7′又は−SO2R7′を表し、R7′はR6
と同義である。アルキル基、アルケニル基としては、炭
素数1〜8が好ましく、これらは置換基を有していても
よい。アルキル基又はアルケニル基の置換基の例として
は、z=2でLがアルキレン基のときの置換基として述
べた置換基が挙げられる。R13、R14、R15として好まし
くは水素原子、炭素数1〜6の置換されてもよいアルキ
ル基、又は−COR6′(R6′が炭素数1〜5の置換基を有
してもよいアルキル基)である。R10、R11、R12はそれ
ぞれ同じでも異なっていてもよく、R2と同義である。L
11、L12、L13はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、
z価の連結基を表し、好ましくは、それぞれ置換されて
もよい炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基又は
アラルキレン基であり、更に好ましくは、それぞれ置換
されてもよい炭素数1〜6のアルキレン基である。Tは
3価の連結基を表し、一般式[V]で表され、好ましく
は、z=3のときのLの好ましい例で述べたものが挙げ
られる。g、h、iは0〜20の整数であり、好ましくは
0〜12の整数であり、更に好ましくは、0〜8の整数で
ある。d、e、fはそれぞれ独自に0又は1である。
以下に、一般式[III]で表される化合物例を示すが、
無論これらに限定されるものではない。
化合物例 (C−1) CH3CO2CH2CH2O2CO−CH3 化合物例 (C−2) CH3CO2CH2CH2O3CO−CH3 化合物例 (C−3) CH3CO2CH2CH2O4CO−CH3 化合物例 (C−4) CH3CO2CH2CH2O6CO−CH3 化合物例 (C−5) C2H5CO2CH2CH2O4CO−C2H5 化合物例 (C−6) CH3SO3CH2CH2O6SO2−CH3 化合物例 (C−7) CH2=CH−OCH2CH2O4CH=CH2 化合物例 (C−8) CH2=CH−CH2OCH2CH2O4CH2−CH=CH2 以下に、一般式[IV]で表される化合物を示すが、無論
これらに限定されるものではない。
一般式[III]又は一般式[IV]で表される化合物は1
種又は2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明の高分子固体電解質を形成するときには本
発明に用いられるモノマーと上記金属イオンの塩をとも
に溶解する溶剤を用いてもよい。この溶剤の好ましい例
としてはアセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、メチルエチルケトン、イソプロパノール、エタノー
ル、ジメトキシエタンなどの沸点100℃以下の溶剤が挙
げられる。
以下に本発明の高分子固体電解質の一般的形成法を示
す。
一般式[I]及び/又は一般式[II]で表されるモノマ
ー、周期律表I a又はII a族に属する金属イオンの塩、
加熱重合開始剤及び一般式[III]又は一般式[IV]で
表される化合物等を必要により沸点100℃以下の溶剤に
溶解し、テフラン板上にキャスティングした。このキャ
スティング液を窒素ガスまたはアルゴンガス雰囲気下40
〜150℃で0.1〜10時間、好ましくは、0.1〜4時間反応
させ、必要によりさらに50〜200mmHgの減圧下で0.5〜2
時間乾燥させて無色で透明性に優れた薄膜を得た。
以下、実施例を用いて詳細に説明するが、これらに限定
されるものではない。
実施例 1 化合物(M−2)、化合物(M−31)、化合物(C−
1)及びLiClO4を表2に示した組成比になるようにアセ
トンに溶解させ、これにベンゾイルパーオキシドをモノ
マーに対して0.5重量%添加してテフロン板上にキャス
ティングした。このキャスティング液をアルゴンガス雰
囲気下、80℃で2時間重合させ、さらに105mmHgの減圧
下で1時間乾燥させて無色で透明性に優れた薄膜(1)
〜(3)を得た。さらに上記と同様の方法で表2に示し
た薄膜(4)〜(37)を得た。
また、比較例として特開昭62−47713号に記載された下
記の化合物(E−1)からなる薄膜(a)〜(b)を得
た。
(E−1) PEO(Mw≒600,000)/PEO(Mw≒600)2/1混合物 *日本油脂製 さらに比較例として特開昭63−135477号に記載されてい
る下記の共重合体(E−2)と表2中記載の低分子量PE
Oからなる薄膜(d)〜(f)を作成した。
このようにして得た薄膜について、ステンレス/薄膜/
ステンレスからなる試料を作成し、0.1〜10万Hzでイン
ピーダンスを測定し(25℃)、Cole−Coleプロットから
イオン伝導度を求めた。
また、製膜性は次の方法で求めた。ガラス板上に薄膜を
置き、1mm径のサファイア針を用いて耐引掻テストを行
い、フィルムが破壊し傷痕が残ったときの針にかけた荷
重を求め、引掻強度とした。
上記の評価結果を表2に示した。
表2からわかるように、本発明の実施例1の(1)〜
(37)は比較例(a)〜(c)に比べて、室温付近での
イオン伝導性、製膜性ともに優れており、また比較例
(d)〜(f)に比べて、室温付近でのイオン伝導性が
優れていることが明らかである。
実施例 2 化合物(M−1)、化合物(M−33)、化合物(C−
2)およびLiClO4を表3に示した組成比になるようにア
セトンに溶解させ、これにアゾビスイソブチロニトリル
をモノマーに対して0.3重量%添加してテフロン板上に
キャスティングした。このキャスティング液をアルゴン
ガス雰囲気下、90℃で1時間重合させ、さらに105mmHg
の減圧化で1時間乾燥させて無色で透明性に優れた薄膜
(38)〜(40)を得た。さらに同様の操作で表3に示し
た薄膜(41)〜(74)を得た。
また、比較例として、ポリマー(Polymer)、25巻、160
0頁(1984年)に記載されている下記重合体(E−3)
を合成し、Li塩とともにアセトニトリルに溶解した後キ
ャスティングし、さらにアセトニトリルを減圧下に留去
して表3中の薄膜(g)〜(i)を得た。
このようにして得た薄膜について、実施例1と全く同様
にしてイオン伝導度と製膜性を評価した。結果を表3に
示した。
表3からわかるように、本発明の実施例2の(38)〜
(74)は比較例(g)〜(i)に比べて、室温付近での
イオン伝導性および製膜性ともに優れていることが明ら
かである。
[発明の効果] 本発明によると、室温以下でのイオン伝導性に優れ、か
つ製膜性も良好な高分子固体電解質を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 20/58 MNG 20/60 MNH 7242−4J 299/00 MRS H01B 1/12 Z H01M 6/18 E 10/40 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、下記一般式[I]及び/又は
    [II]で表されるモノマーを、少なくとも、周期律表I
    a又はII a族に属する金属イオンの塩及び下記一般式[I
    II]又は[IV]で表される化合物の少なくとも一種の存
    在下で熱重合して、高分子マトリックスに形成せしめた
    ことを特徴とする高分子固体電解質。 一般式[I] 一般式[II] 一般式[III] Q−OM−ObR 一般式[IV] (式中、X及びYは、−O−又は を表し、R9は水素原子又はアルキル基を表す。X′及び
    Y′はそれぞれX及びYと同義である。R1は水素原子、
    アルキル基、塩素原子又はシアノ基を表し、R2は低級ア
    ルキレン基を表す。Lはz価の連結基を表し、zは2以
    上の整数である。qは1〜30の整数を表す。R5はR1と同
    義である。R4はR2と同義である。R3は水素原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、−CO
    R6又は−SO2R6を表し、R6はアルキル基、アルケニル
    基、アリール基又はアラルキル基を表す。pはqと同義
    である。Q及びRは低級アルケニル基、−COR6′または
    −SO2R6′を表し、R6′は低級アルキル基または低級ア
    ルケニル基を表す。MはR2と同義であり、bは1〜20の
    整数を表す。R10、R11、R12はR2と同義であり、R13、R
    14、R15は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、−COR7′または−SO2R7′を表し、R7′はR6′と同
    義である。L11、L12、L13は2価の連結基を表し、Tは
    3価の連結基を表す。g、h、iはそれぞれ独自に0〜
    20の整数である。d、e、fはそれぞれ独自に0または
    1である。)
  2. 【請求項2】少なくとも、請求項1記載の一般式[I]
    及び/又は[II]で表されるモノマーを、少なくとも、
    周期律表I a又はII a族に属する金属イオンの塩及び請
    求項1記載の一般式[III]又は[IV]で表される化合
    物の少なくとも一種の存在下で熱重合して、高分子マト
    リックスに形成せしめることを特徴とする高分子固体電
    解質の製造方法。
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