JPH07257A - 乗物用クッション - Google Patents

乗物用クッション

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JPH07257A
JPH07257A JP16873993A JP16873993A JPH07257A JP H07257 A JPH07257 A JP H07257A JP 16873993 A JP16873993 A JP 16873993A JP 16873993 A JP16873993 A JP 16873993A JP H07257 A JPH07257 A JP H07257A
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seat
sheet
cushion
vehicle
bubble
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JP16873993A
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Giichi Yamamoto
義一 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、人を運搬する乗物における座席上
に配設して用いられるクッションが人の少なくとも股か
ら臀部にわたって敷かれる座部と、人の少なくとも腰部
背面に当てがわれる背当て部とを備え、これら座部及び
背当て部が柔軟なフィルム又はシートの全面に多数の小
気泡を封入した気泡シートで形成されていることによ
り、人体に変調をもたらす振動を遮断でき、しかもホー
ルド性を高めることができる上、鞭打ち症等の脊髄の病
気であって運転を余儀なくされている人の運転時の痛み
を軽減する乗物用クッションを提供することを目的とす
るものである。 【構成】 本発明は、人を運搬する乗物における座席上
に配設して用いられるクッションであって、このクッシ
ョンが人の少なくとも股から臀部にわたって敷かれる座
部と、人の少なくとも腰部背面に当てがわれる背当て部
とを備え、これら座部及び背当て部が柔軟なフィルム又
はシートの全面に多数の小気泡を封入した気泡シートで
形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、単車、列車、
電車又は船舶などの乗物における座席のように人体に変
調をもたらす振動が伝わる座席上に配設して用いられる
乗物用クッションに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の我が国では高速道路網が急速に発
達しつつあり、この発達に伴って長時間にわたってバ
ス、乗用車、単車などに乗って旅行する機会が多くなっ
ている。又、市街地においても、貨物や郵便物の集配に
トラック、単車などが欠かせなくなりつつある。
【0003】一方、最近では、レジャー産業の多様化に
伴って旅行を豪華にしたり、ゆとりの旅行を楽しむ傾向
に有り、お座敷列車や貸し切り電車更に船舶などを用い
た旅行が行われている。
【0004】このように、自動車等の乗物が交通の中心
的役割を果たしている社会においては、これらの乗物の
乗り心地を改善すると共に、自動車等の運転者や顧客、
特に自動車等の運転者が受けるストレスをできるだけ緩
和することが非常に重要視されている。
【0005】そこで、最近では、自動車等の運転者や顧
客、特に自動車等の運転者が受けるストレスをできるだ
け緩和し、乗り心地の改善などを目的として、座席自体
に改善を施すことが提案されている。
【0006】例えば、座席内にダイナミックダンパを設
けた自動車用シート(特開昭59−120634号公報
参照)、ウレタンフォーム等のクッション部材をゴム等
からなる気密袋で気密に覆ったクッション袋を座席の座
面に埋め込んだ自動車のシート構造(特開平3−221
006号公報参照)、複数の空気袋、或いは袋の空気袋
が連続する連鎖状空気袋を座面に埋め込んだ座席用ボト
ムクッション(実開平4−22855号公報参照)等が提
案されている。
【0007】しかしながら、これらのものは、座席その
ものの構造にかかわるものであり、このような仕様の座
席が艤装されていない車両では座席ごと交換する必要が
あり、座席の購入費用の他に交換作業の費用が必要にな
る。
【0008】そこで、このような高額の出費を避けるた
めに、例えば空気を封入したマット状の袋内をいくつか
の溶着部で区画して、複数の空気室を形成し、各空気室
に緩衝路で連通させた緩衝機能付き背宛クッション(特
開平3−222911号公報参照)、指圧突起面と、磁
石内蔵面と懐炉用ポケット面との3つの面を備え、空気
吹き込み口から内部に空気を充填できる三角柱型の座席
用クッション(実開平1−84642号公報参照)などが
提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のクッションは、内部に形成される空気室の大きさが大
きく、着席者の座席へのホールド性を低下させ、却って
無意識のうちの緊張を高めることがあり、ストレスの緩
和にそれ程役に立っていない等の課題が有る。
【0010】本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされ
たものであり、人を運搬する乗物における座席上に配設
して用いられるクッションが人の少なくとも股から臀部
にわたって敷かれる座部と、人の少なくとも腰部背面に
当てがわれる背当て部とを備え、これら座部及び背当て
部が柔軟なフィルム又はシートの全面に多数の小気泡を
封入した気泡シートで形成されていることにより、人体
に変調をもたらす振動を遮断でき、しかもホールド性を
高めることができる上、鞭打ち症等の脊髄の病気であっ
て運転を余儀なくされている人の運転時の痛みを軽減す
る乗物用クッションを提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の乗物用クッショ
ンは、上記の目的を達成するため、人を運搬する乗物に
おける座席上に配設して用いられるクッションであっ
て、このクッションが人の少なくとも股から臀部にわた
って敷かれる座部と、人の少なくとも腰部背面に当てが
われる背当て部とを備え、これら座部及び背当て部が柔
軟なフィルム又はシートの全面に多数の小気泡を封入し
た気泡シートで形成されていることを特徴とする。
【0012】以下、本発明について詳細に説明するが、
ここで、股とは脚の上部の腰に連なる部分のことであ
り、臀部とは腰の後下部のことであり、腰部とは脊椎の
下部で骨盤の上部の屈曲し得る部分のことである。
【0013】本発明が適用される乗物としては、人を運
搬するためのものであって、座席を介して人体に変調を
もたらす振動が伝わるものであれば特に限定されるもの
ではないが、具体的には、例えば自動車、単車、列車、
電車又は船舶などが挙げられる。
【0014】本発明の乗物用クッションは、上述の乗物
における座席上に配設して用いられるものである。
【0015】本発明において、座部は人の少なくとも股
から臀部にわたって敷かれる大きさを備えることを要
し、これよりも小さい座部を備えるものは、腰部の部分
のホールド性が損なわれるので好ましくない。また、座
席の座面よりも大きくしても良いが、経済的に無駄にな
るので、好ましくない。
【0016】そして、本発明の乗物用クッションは人の
少なくとも股から臀部にわたって敷かれる座部と、人の
少なくとも腰部背面に当てがわれる背当て部とを備え、
これら座部及び背当て部が柔軟なフィルム又はシートの
全面に多数の小気泡を封入した気泡シートで形成されて
いる。
【0017】即ち、本発明において、背当て部は、少な
くとも腰部背面に当てがわれる大きさを備えることを要
し、これよりも小さい背当て部を備えるものは、腰部背
面のホールド性が損なわれるので好ましくないのであ
り、一方、座席における背当ての大きさよりも大として
も良いが、経済的に無駄になるので好ましくない。
【0018】又、本発明において、座部及び背当て部を
形成する柔軟なフィルム又はシートはその全面に多数の
小気泡を封入できるものであることを要し、即ち気密性
を有するフィルム又はシートであることが必要であり、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル又
はポリ塩化ビニルなどの合成樹脂、天然又は合成のゴム
等で形成される。
【0019】そして、本発明において、気泡シートはそ
の全面に多数の小気泡を封入してなるものであれば特に
限定されるものではない。
【0020】この気泡シートの製造方法としては特に限
定されるものではないが、具体的には、例えば2枚の柔
軟なフィルム又はシートを気泡に対応する凹凸を形成し
たエンボスロールと表面が円筒状の円筒ロールとの間に
2枚のフィルム又はシートを挟み込み、2枚のフィルム
又はシートの間に空気を吹き込みながら加熱加圧するこ
とにより気泡部分を除いた部分を融着ないし溶着させる
方法を採用することができる。
【0021】本発明においては、気泡シートは1枚だけ
であってもよいが、人体に変調をもたらす振動エネルギ
ーを一層吸収させて人に一層優れた快適感を付与した
り、或いは鞭打ち症等の脊髄の病気であって運転を余儀
なくされている人の運転時の痛みを一層軽減することが
できるので、この気泡シートが、複数の気泡シート体を
積層した積層シートで形成されているものが有益であ
る。
【0022】この場合、気泡シート体の枚数としては2
枚以上であれば特に限定されるものではないが、コスト
や厚さ更に生産性及び取扱性等を考慮すると5枚程度に
するのが望ましい。
【0023】ところで、本発明において、気泡シートと
は1枚だけからなるものと、2枚以上からなるものとの
両方が含まれるが、明確にするために、気泡シートが2
枚以上の気泡シートからなる場合にはこれを構成する1
枚の気泡シートを気泡シート体という。
【0024】本発明においては、気泡シートが、2枚の
気泡シート体からなり且つこれらの気泡シート体が互い
に気泡側が対峙するように積層された積層シートで形成
されているものが、構造が簡単で経済的であり、しかも
人体に変調をもたらす振動エネルギーを効果的に吸収し
て人に一層優れた快適感を付与するので至極有益であ
る。
【0025】また、本発明において、気泡シートを複数
の気泡シート体で形成するにあたり、気泡の大きさを各
気泡シート体ごとに異ならせた積層シートで形成した
り、気泡シートが、複数の気泡シート体を積層した積層
シートからなり、これらの気泡シート体のうち少なくと
も1枚の気泡シートが大きさの異なる気泡によって形成
されていても良いのである。
【0026】本発明においては、適用される乗物に応じ
て、所望により、座部と背当て部との気泡の大きさや気
泡シートの構造を変えても良いのである。
【0027】ところで、本発明において、気泡シートに
おける気泡の大きさは、人体に変調をもたらす振動エネ
ルギーを効果的に吸収して人に一層優れた快適感を付与
するために、1〜50mmであるものが好ましく、この
気泡の大きさが、1mm未満では製造が困難であるので
好ましくなく、一方、50mmを超えると人体に有害な
振動エネルギーの吸収が不充分になる恐れが有るので好
ましくなく、従って、これらの観点より、3〜35mm
のものが特に好ましい。
【0028】又、本発明においては、上述の各乗物用ク
ッションには、柔軟なカバー体が設けられていても良
く、このカバー体としては天然繊維や合成繊維で形成さ
れた網布、編織布、不織布や織布などの布で形成された
もの、或いは合成樹脂製のシートやフィルムで形成され
たもの、更に合成の皮革、花筵、ござなど、が挙げられ
る。
【0029】この場合、運転中の発汗を効率良く吸収さ
せて不快感を防ぐために、特に吸湿性の素材でカバー体
を形成するのが望ましい。
【0030】更に、本発明においては、この各乗物用ク
ッションを、背もたれと座体からなり且つこの背もたれ
と座体の間で折曲可能に形成された座席補助具の上下両
面のうち少なくとも片面に取り付けてなるもの、つまり
この座席補助具の上面又は下面或いは両面に設けても良
く、更に、この座席補助具に各乗物用クッションを巻き
付けるようにして取り付けても良いが、特にこの各乗物
用クッションを、背もたれと座体からなり且つこの背も
たれと座体の間で折曲可能に形成された座席補助具の上
面に取り付けてなるものが構造が簡単で、しかも取り付
けが容易であり、また人体に変調をもたらす振動を効果
的に除去するので望ましい。
【0031】このように構成することにより、使用中に
ズレたり、偏ったり、移動することがなく、また乗物の
座席への取り付けが至極容易にできるので、一層望まし
い。
【0032】この場合、各乗物用クッションを座席補助
具に取り付ける方法としては各乗物用クッションが座席
補助具から剥離しない構造であれば特に限定されるもの
ではないが、気泡シートと座席補助具の周縁部を熱融着
したり、面ファスナー等の固定具を用いて固定しても良
いのである。
【0033】
【作用】本発明の乗物用クッションは、上記構成を有
し、人の少なくとも股から臀部にわたって敷かれる座部
と、人の少なくとも腰部背面に当てがわれる背当て部と
を備え、これら座部及び背当て部の気泡シートの各小気
泡が人体に変調をもたらす振動を吸収して、人の姿勢の
安定に重要な役割を有する腰部への振動の伝達を遮断す
ることができる作用を有するのである。
【0034】また、人体が多数の小気泡を介して座席に
支持されるので、大きな空気室を備えるクッションに比
べてホールド性を高めることができるとともに、気泡の
内圧による指圧効果を得ることができる。
【0035】本発明においては、特に、気泡シートが複
数の気泡シート体を積層した積層シートで形成されてい
る場合には、1枚の気泡シートでは吸収できない程度の
振幅の大きい急な振動や周波数の振動でも吸収できるよ
うになり、人体に変調をもたらす振動を一層確実に遮断
できる上、鞭打ち症等の脊髄の病気であって運転を余儀
なくされている人の運転時の痛みを軽減することができ
る作用を有するのである。
【0036】本発明においては、複積層された複数の気
泡シートを備え、各シートごとに気泡の大きさを異なら
せる場合には、各気泡シートに周波数の異なる振動を吸
収させることができ、広範囲の人体に変調をもたらす振
動を吸収して遮断できるようになる。
【0037】また、本発明において、気泡シートが、複
数の気泡シート体を積層した積層シートからなり、これ
らの気泡シート体のうち少なくとも1枚の気泡シートが
大きさの異なる気泡によって形成されている場合には、
その気泡シートによって周波数の異なる振動が吸収さ
れ、広範囲の人体に変調をもたらす振動を吸収して遮断
できるようになる。
【0038】本発明においては、この各乗物用クッショ
ンを、背もたれと座体からなり且つこの背もたれと座体
の間で折曲可能に形成された座席補助具の上下両面のう
ち少なくとも片面に取り付けてなるもの、つまりこの座
席補助具の上面又は下面或いは両面に設けても良く、更
に、この座席補助具に各乗物用クッションを巻き付ける
ようにして取り付けても良いが、特にこの各乗物用クッ
ションを、背もたれと座体からなり且つこの背もたれと
座体の間で折曲可能に形成された座席補助具の上面に取
り付けてなるものが構造が簡単で、しかも取り付けが容
易であり、また人体に変調をもたらす振動を効果的に除
去することができる上、鞭打ち症等の脊髄の病気であっ
て運転を余儀なくされている人の運転時の痛みを軽減す
ることができるのであり、更に使用中にズレたり、偏っ
たり、移動することがなく、また乗物の座席への取り付
けが至極容易にできる作用を有する。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明するが、本発明は以下に説明する実施例によっ
て限定されるものではなく、真に意図する技術的思想の
範囲内で広く及ぶものである。
【0040】図1の断面模式図及び図2の斜視図に示す
ように、本発明の一実施例に係る乗物用クッションは、
大腿部、股及び臀部に敷かれる座部1と、これに連続し
て腰部の背面及び背中に当てられる背当て部2とを備え
る気泡シート3で形成されている。
【0041】この気泡シート3は、座部1及び背当て部
2からなり、且つそれぞれ互いに積層された2枚の気泡
シート体30、31とこれらの表面を覆うカバー体4と
を備える。
【0042】この気泡シート3は、この場合、2枚の柔
軟なフィルム又はシート3a・3bの間に多数の小気泡A
を封入したものであり、各フィルム又はシート3a・3b
は多数の小気泡Aを封入できるものであること、即ち、
気密性を有するフィルム又はシート3a・3bであること
が必要である。
【0043】このような気密性を有するフィルム又はシ
ート3a・3bとして、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂、
天然又は合成のゴム等で形成されたものがあるが、この
実施例では、容易に、且つ、安価に入手できるポリエチ
レンでフィルム又はシート3a・3bを形成している。
【0044】なお、2枚の柔軟なフィルム又はシート3
a・3bの間に多数の小気泡Aを封入する方法は特に限定
されず、ここでは、例えば2枚のフィルム又はシート3
a・3bを小気泡Aに対応する凹凸を形成したエンボスロ
ールと表面が円筒状の円筒ロールとの間に2枚のフィル
ム又はシート3a・3bを挟み込み、2枚のフィルム又は
シート3a・3bの間に空気を吹き込みながら加熱加圧す
ることにより小気泡Aの部分を除いた部分を融着ないし
溶着させる方法で作られた気泡シート3が用いられてい
る。
【0045】本発明において、気泡シート3における小
気泡Aの大きさは、人体に変調をもたらす振動エネルギ
ーを効果的に吸収して人に一層優れた快適感を付与する
ために、1〜50mmであるものが好ましく、この小気
泡Aの大きさが、1mm未満では製造が困難であるので
好ましくなく、一方、50mmを超えると人体に有害な
振動エネルギーの吸収が不充分になる恐れが有るので好
ましくなく、従って、これらの観点より、3〜35mm
のものが特に好ましい。この場合、直径が約10mmの
ものが用いられている。
【0046】又、上記カバー体4の素材としては特に限
定されるものではないが、天然繊維や合成繊維で形成さ
れた網布、編織布、不織布や織布などの布で形成された
もの、或いは合成樹脂製のシートやフィルムで形成され
たもの、更に合成の皮革、花筵、ござなど、が挙げられ
る。
【0047】この場合、このカバー体4としては、発汗
により不快感を防ぎ、且つ気泡シート3が身体にまとわ
りつくことを防止するために、表側から順に網布4a、
綿で形成された布4b及びウレタンフォームシート4cを
積層して形成したものが用いられている。
【0048】そして、この2枚の気泡シート体30、3
1及びカバー体4は同じ大きさのほぼ長方形に裁断さ
れ、周縁部及び座部1と背当て部2との境界を熱融着す
ることにより一体化してある。
【0049】この乗物用クッションを使用する時には、
図2に実線で示すように、座部1と背当て部2との境界
で折って、例えば自動車の座席上に配設して用いられ
る。そして、自動車が路面から受ける振動、エンジン等
の器械部品の振動などは座席に伝達され、更にこの乗物
用クッションに伝達される。
【0050】又、この乗物用クッションの各小気泡A内
には、空気が充填されているので小気泡Aの空気バネ作
用によって衝撃や振動が吸収される。これにより、腰痛
など人体の変調をもたらす振動の座席から人体への伝達
を防止できる。
【0051】また、多数の小気泡Aの周壁は気泡シート
3の表裏のフィルム又はシート3a・3bが互いに大きく
ずれることを防止するので、ホールド性が損なわれず、
従来例に比べるとホールド性を高めることができる。
【0052】上記一実施例では、小気泡Aの大きさ及び
配置が一定の気泡シート体30、31を2枚使用し、こ
の両気泡シート体30、31の小気泡Aどうしが互いに
突き合わされるように積層しているが、例えば図3の断
面模式図に示すように、両気泡シート体30、31をそ
れらの小気泡Aの位置が互いに異なるように積層しても
よいのである。
【0053】又、図4の断面模式図に示すように、小気
泡Aの大きさが気泡シート体30、31ごとに異なる2
枚の気泡シート体30、31を積層したり、図5の断面
模式図に示すように、小気泡Aの大きさが同じ2枚の気
泡シート体31、31の間に、小気泡Aの大きさが異な
る1枚の気泡シート体30を介在させた3層構造の気泡
シート3にしたり、図6の断面模式図に示すように、小
気泡Aの大きさが異なる2種類以上の気泡シート30、
30、31、31を4層以上に積層したりしてもよいの
である。
【0054】上記の各実施例では気泡シート3の小気泡
の大きさはそれぞれ一定にしているが、例えば図7の断
面模式図に示すように、小気泡Aの大きさを異ならせた
気泡シート23を用いることも可能である。
【0055】なお、図4ないし図6において符号31a
・31bはそれぞれ気泡シート体31の両面のフィルム
又はシートを示し、図7において符号23a・23bはそ
れぞれ気泡シート23の両面のフィルム又はシートを示
している。
【0056】これらの各実施例のように小気泡Aの大き
さが異なる2種類以上の気泡シート30、31を積層し
たり、小気泡Aの大きさが異なる気泡シート23を用い
たりする場合には、小気泡Aの大きさによって周波数や
振幅の異なる複数の振動を小気泡Aの空気バネ作用や制
振作用によって吸収することができるので、人体の変調
をもたらす振動の座席から人体への伝達を確実に防止で
きる。
【0057】更に、上記の各実施例では複数枚の気泡シ
ート体30、31、23を用いているが、気泡シート3
は1枚だけでもよいのである。
【0058】上記各実施例の乗物用クッションを用い、
1トン、2トン又は4トンのトラックの宅配用運転者で
あって、トラックの運転の際には胃痛、痔痛を感じる運
転者に、上記各乗物用クッションを適用したところ、胃
痛や痔痛が無くなることが認められた。又、鞭打ち症の
人に、同様に適用したところ、運転時の痛みを軽減する
ことが認められた。
【0059】又、比較例1として、空気を封入したマッ
ト状の袋内をいくつかの溶着部で区画して、複数の空気
室を形成し、各空気室に緩衝路で連通させた緩衝機能付
き背宛クッションを用いて、上記各実施例と同様の試験
を行ったところ、痔痛や胃痛に対してさ程改善は認めら
れなかった。
【0060】更に、指圧突起面と、磁石内蔵面と懐炉用
ポケット面との3つの面を備え、空気吹き込み口から内
部に空気を充填できる三角柱型の座席用クッションを用
い、上記各実施例と同様の試験を行ったところ、痔痛や
胃痛に対してさ程改善は認められなかった。
【0061】又、本発明において、この各乗物用クッシ
ョンを、背もたれと座体からなり且つこの背もたれと座
体の間で折曲可能に形成された座席補助具の上面に面フ
ァスナーを用いて取り付けてなるものを用い、上記と同
様の試験を行ったところ、人体に変調をもたらす振動を
効果的に除去することができる上、鞭打ち症の人の運転
時の痛みが軽減される上、使用中にズレたり、偏った
り、移動することがなく、また乗物の座席への取り付け
が至極容易になることが認められた。
【0062】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の乗物用
クッションは小気泡の空気バネ作用によって人体の変調
をもたらす振動が座席から着座者に伝達されることを防
止できる、身体の変調の発生を長期間にわたって防止で
きる効果を有するのである。
【0063】また、小気泡の周壁によって気泡シートの
両面のフィルム又はシートのずれが防止されるので、ホ
ールド性を高めることができるとともに、小気泡の内圧
による指圧効果を得ることができる。
【0064】本発明において、特に互いに積層される複
数の気泡シート体を備える場合には、乗物用クッション
が吸収できる振動エネルギーを大きくできるので有利で
ある。
【0065】また、本発明において、特に小気泡の大き
さを各気泡シート体ごとに異ならせたり、少なくとも1
枚の気泡シート体の小気泡の大きさを異ならせる場合に
は、周波数が異なる複数の振動を吸収することができる
のであり、一層確実に身体の変調の発生を防止できるの
である。
【0066】また、本発明において、気泡シートが、複
数の気泡シート体を積層した積層シートからなり、これ
らの気泡シート体のうち少なくとも1枚の気泡シートが
大きさの異なる気泡によって形成されている場合には、
その気泡シートによって周波数の異なる振動が吸収さ
れ、広範囲の人体に変調をもたらす振動を吸収して遮断
できる上、鞭打ち症等の脊髄の病気であって運転を余儀
なくされている人の運転時の痛みを軽減することができ
るのであり、更に使用中にズレたり、偏ったり、移動す
ることがなく、また乗物の座席への取り付けが至極容易
にできる効果を有する。
【0067】本発明においては、この各乗物用クッショ
ンを、この各乗物用クッションを、背もたれと座体から
なり且つこの背もたれと座体の間で折曲可能に形成され
た座席補助具の上下両面のうち少なくとも片面に取り付
けてなるもの、つまりこの座席補助具の上面又は下面或
いは両面に設けても良く、更に、この座席補助具に各乗
物用クッションを巻き付けるようにして取り付けても良
いが、特にこの各乗物用クッションを、背もたれと座体
からなり且つこの背もたれと座体の間で折曲可能に形成
された座席補助具の上面に取り付けてなるものが構造が
簡単で、しかも取り付けが容易であり、また人体に変調
をもたらす振動を効果的に除去することができる上、鞭
打ち症等の脊髄の病気であって運転を余儀なくされてい
る人の運転時の痛みを軽減することができるのであり、
更に使用中にズレたり、偏ったり、移動することがな
く、また乗物の座席への取り付けが至極容易にできる効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の断面模式図である。
【図2】図2は本発明の一実施例の斜視図である。
【図3】図3は本発明の他の実施例の断面模式図であ
る。
【図4】図4は本発明の又他の実施例の断面模式図であ
る。
【図5】図5は本発明の更に他の実施例の断面模式図で
ある。
【図6】図6は本発明の又更に他の実施例の断面模式図
である。
【図7】図7は本発明のもう一つの実施例の断面模式図
である。
【符号の説明】
1 座部 2 背当て部 3 気泡シート 3a,3b フィルム又はシート 30 気泡シート体 31 気泡シート体 4 カバー体 A 小気泡

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人を運搬する乗物における座席上に配設
    して用いられるクッションであって、このクッションが
    人の少なくとも股から臀部にわたって敷かれる座部と、
    人の少なくとも腰部背面に当てがわれる背当て部とを備
    え、これら座部及び背当て部が柔軟なフィルム又はシー
    トの全面に多数の小気泡を封入した気泡シートで形成さ
    れていることを特徴とする乗物用クッション。
  2. 【請求項2】 気泡シートが、複数の気泡シート体を積
    層した積層シートで形成されている請求項1に記載の乗
    物用クッション。
  3. 【請求項3】 気泡シートが、2枚の気泡シート体から
    なり且つこれらの気泡シート体が互いに気泡側が対峙す
    るように積層された積層シートで形成されている請求項
    2に記載の乗物用クッション。
  4. 【請求項4】 気泡シートが、気泡の大きさを各気泡シ
    ート体ごとに異ならせた積層シートで形成されている請
    求項2又は3に記載の乗物用クッション。
  5. 【請求項5】 気泡シートが、複数の気泡シート体を積
    層した積層シートからなり、これらの気泡シート体のう
    ち少なくとも1枚の気泡シート体が大きさの異なる気泡
    によって形成されている請求項2ないし4のいずれかに
    記載の乗物用クッション。
  6. 【請求項6】 気泡の大きさが1〜50mmである請求
    項1ないし5のいずれかに記載の乗物用クッション。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の乗
    物用クッションには、柔軟なカバー体が設けられている
    乗物用クッション。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の乗
    物用クッションを、背もたれと座体からなり且つこの背
    もたれと座体の間で折曲可能に形成された座席補助具の
    上下両面のうち少なくとも片面に取り付けてなる乗物用
    クッション。
  9. 【請求項9】 乗物用クッションが、背もたれと座体か
    らなり且つこの背もたれと座体の間で折曲可能に形成さ
    れた座席補助具の上面に取り付けてなる請求項8に記載
    の乗物用クッション。
JP16873993A 1993-06-14 1993-06-14 乗物用クッション Pending JPH07257A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6550085B2 (en) 1997-06-23 2003-04-22 Georges M. Roux Support for expansible cells
JP2015202720A (ja) * 2014-04-11 2015-11-16 有限会社大久保製作所 自転車のチャイルドシート用クッション

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US6684430B2 (en) 1997-06-23 2004-02-03 Georges M. Roux Support for expansible cells
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