JP4610060B2 - クッション、人体支持具および乗物用椅子 - Google Patents

クッション、人体支持具および乗物用椅子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クッション、人体支持具、および乗物用椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クッション単体、または、静座用椅子、寝台用マットおよび乗物用椅子のような人体支持具に使用されるクッション材としては、荷重を分散させるという観点から、ウレタンフォームが主として使用されている。また、ウレタンフォーム中にコイルスプリングを埋設して、衝撃吸収能をより高めることも行われている。さらに、クッション材としては、空気などの気体、水等の液体またはゲル状物質等の半固体を被覆材中に封入して一定形状としたものも使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ウレタンフォームは発泡体であって、荷重の負荷とその開放による発泡部の空気の吸排により非発泡部が伸縮して弾性を生じさせるものである。このため、ウレタンフォームが荷重を受けた場合、荷重は主として荷重方向にしか伝達されず、荷重は分散されない。よって、ウレタンフォームは荷重方向の振動を吸収することは可能であるものの、荷重と水平方向の振動の吸収が悪いという問題を有している。また、荷重方向以外の振動の吸収が悪いので、この種の振動が人体等の被支持体に加えられた場合に、支持体であるウレタンフォームとの間で摩擦が生じることとなる。
【0004】
また、ウレタンフォームは発泡部の空気の吸排により非発泡部が伸縮するという構造から、荷重を受けた場合に、荷重方向への沈みが大きくなるので、ウレタンフォームには、形状保持のための一定以上の硬度、密度が必要とされる。よって、ウレタンフォームと人体等の被支持体との間のフィット性が悪くなる。また、被支持体には、ウレタンフォームからの一定の反発力が常に働き、強いリバウンド現象が起こり、外部からの振動、衝撃が直接、強く伝わるという問題がある。自動車などの乗り物での椅子においては、荷重方向以外の方向の振動、衝撃が加わるので、この問題が大きく、特に、ショックアブソーバを有しないような農業用、工業用、建設用の乗り物では、振動が直接人体に伝わるので乗り心地が悪いと共に、疲労を招く。また、自動車の運転においては、シートの振動による目線位置のぶれが目の疲労を招くといわれている。さらに、救急車用のベッド、チャイルドシート、子供用乗り物椅子などでは、これらに保持されるべき怪我人、病人、乳幼児等、被支持体である人体に振動が到達しないことが望まれる。以上のように、荷重方向に限らずあらゆる方向の振動を吸収できるクッションおよび該クッションを備えた椅子が望まれている。
【0005】
また、ウレタンフォーム中にコイルスプリングを埋設して、衝撃吸収能をより高めることも行われているが、コイルスプリングは荷重方向に荷重を伝達するだけであり、上述のウレタンフォームにおける問題点を改善するものではない。
【0006】
さらに、クッションの全面に水、ゲル状物質等の封入体を使用することにより、荷重の分散性が向上させることが行われているが、クッションの重量が重くなる、通気性に欠ける等の問題が生じることとなる。また、前記クッションは被支持体の安定性に欠けるため、自動車のシートなど乗物用のシートに使用した場合に、被支持体である人体の安定性が充分ではなく、乗り物酔い等の問題を招くおそれがある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、本発明は、荷重方向以外に荷重を拡散させ、また、振動、衝撃吸収能を改善し、被支持体との摩擦抵抗が少なく、軽量、通気性に優れたクッションを提供することを目的とする。また、本発明で使用される筒状衝撃吸収体を大径部と小径部を備えた形状にすることにより、被支持体とのフィット性がさらに改善されたクッションを提供し、この大径部および小径部の比率、衝撃吸収体の大きさ、長さ等を適宜設定することにより、被支持体の重量、衝撃の程度に応じたクッションを提供することを目的とする。さらに、自動車、電車、建設用乗り物、農業用乗り物などの乗り物用の椅子において、被支持体である人体に伝わる振動、衝撃を低減させ、椅子の振動による目線位置のぶれを低減させることにより運転時の目の疲労を防止できる乗り物用椅子など、反発性が小さく、リバウンド現象が起こり難く、フィット性に優れ、人体との摩擦抵抗が少なく、軽量、通気性に優れた人体支持具を提供することを目的とする。また、リバウンド防止能に優れ、衝撃振動吸収に優れることから、振動の吸収性に優れた救急車用ベッド、チャイルドシート、子供用乗り物座席などの人体支持具を提供することを目的とする。また、荷重分散に優れるクッションおよび、該クッションを備えたベッド、車椅子等の人体支持具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は請求項1として、支持体中に衝撃吸収体を埋設してなるクッションであって、前記衝撃吸収体はゴム状物質により荷重支持面側の径が大きく、その反対面側の径が小さい、大径部と小径部を備えた形状に形成されており、前記支持体は荷重支持面の反対側の面に接する部分が、前記ゴム状物質よりも高い硬度の支持基材からなる底部支持体層、前記衝撃吸収体の側面に接する部分が、前記ゴム状物質と同程度以下の硬度の支持基材からなる側部支持体層で構成されていることを特徴とするクッションを提供する。
また、本発明は請求項2として、前記支持体は、さらに、前記衝撃吸収体の荷重支持面に接する荷重面支持体層を有し、前記層が前記ゴム状物質と同程度以下の硬度の支持基材で構成されていることを特徴とする請求項1記載のクッションを提供する。
また、本発明は請求項3として、衝撃吸収体の荷重支持面の総表面積がクッションの全荷重面の30〜50%である請求項1又は2記載のクッションを提供する。
また、本発明は請求項4として、衝撃吸収体を構成するゴム状物質がスチレン系ブロック共重合体およびブチルゴムの1種類または複数のブレンド樹脂をベースとした組成物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のクッションを提供する。
また、本発明は請求項5として、支持体の支持基材がポリウレタンフォーム、ポリエステル繊維積層材、または炭素繊維積層材、およびこれらの組み合わせである請求項1〜4の何れか1項に記載のクッションを提供する。
また、本発明は請求項6として、請求項1〜5の何れか1項に記載のクッションを備えた人体支持具を提供する。
また、本発明は請求項7として、請求項1〜の何れか1項に記載のクッションを座面および背もたれの何れか一方または両方に備えた乗物用椅子を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のクッションの一態様を図1に示し、これにより本発明を詳述する。クッション1においては、支持体2中に衝撃吸収体3が埋設されており、前記衝撃吸収体3はゴム状物質により略筒状に形成されており、前記支持体2は荷重支持面4の反対側の面5に接する部分が、前記ゴム状物質よりも高い硬度の支持基材からなる底部支持体層6、前記衝撃吸収体3の側面8に接する部分が、前記ゴム状物質と同程度以下の硬度の支持基材からなる側部支持体層7で構成されている。荷重支持面4の反対側の面5に配置される、底部支持体層6の支持基材は前記ゴム状物質より硬度が高く、側部支持体層7の支持基材は前記ゴム状物質と同程度以下の硬度なので、荷重支持面4から荷重が加えられた場合に、衝撃吸収体3は面5の方向への変形が抑制され、側面8方向に膨張することとなる。この衝撃吸収体3の側面方向への膨張により、荷重が荷重方向である面5の方向だけでなく、側面8方向に拡散されることとなる。
【0010】
側面方向への膨張による荷重の拡散という観点から、側部支持体層を構成する支持基材は前記ゴム状物質より低い硬度であることが好ましい。上記構成とすることによる衝撃吸収体3の側面8方向への膨張により、従来の、全面がゴム状物質であるクッションよりも、側面方向への荷重の拡散が向上され、これにより、振動、衝撃の吸収性が向上されることとなる。
【0011】
また、本発明のクッション1においては、荷重支持面4および側部支持体層7の荷重面側に、衝撃吸収体3に使用されるゴム状物質よりも硬度の低い物質からなる荷重面支持体層9を設けることができる。これにより、被支持体である人体がクッション1上に座った場合に柔らかさを感じ、座り心地が良くなることとなる。
【0012】
本発明における支持体2を構成する底部支持体層6、側部支持体層7および荷重面支持体層9は前述の硬度を有するものであれば、任意の物質から構成されることができ、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリエステル繊維積層材、または炭素繊維積層材、およびこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、側部支持体層7、底部支持体層6および荷重面支持体層9は上記の硬度を満たすものであれば、各層を構成する材料は同じであっても、異なるものであっても良く、例えば、側部支持体層7がポリエステル繊維積層材であり、底部支持体層6が炭素繊維積層材であり、荷重面支持体層9がポリウレタンフォームであるような異なる材料の組合せでも良く、側部支持体層7、底部支持体層6および荷重面支持体層9のいずれもがポリウレタンフォームであるような同一の材料の組み合わせでも良い。
【0013】
図1においては、本発明のクッション1は平面状であるが、これに限られるものではなく、使用目的に応じて任意の形状に変形させることができる。例えば、自動車のシートの背もたれなど、被支持体を保持するのに所定の形状が必要な場合には、その形状に合わせて湾曲したクッションであっても良い。湾曲したような形状のクッションであっても、衝撃吸収体3の荷重支持面4は荷重がかかる方向に配向するように埋設されることとなる。
【0014】
本発明における衝撃吸収体3は荷重によって側面8方向に膨張し、荷重の開放によって元の形状に復元するが、本発明においては、衝撃吸収体3をゴム状物質とすることで、この復元速度を緩慢なものにしている。これにより、人体などの被支持体を支持しているクッションに振動、衝撃を加えた場合に、クッションから被支持体への振動、衝撃の伝達を抑制することができる。すなわち、本発明においては、衝撃吸収体3に復元力を有する柔らかいゴム状物質を使用することにより、ウレタンフォームまたはコイルスプリング付きクッションなどと比較して、反発力が非常に小さくリバウンド現象が起こりにくいクッションを提供することが可能となる。
【0015】
衝撃吸収体3を構成するゴム状物質としては、荷重により変形し、荷重を開放することによりその形態を緩慢に復元できる物質であればいかなる物質であっても良い。このゴム状物質を使用することにより、荷重がかかった場合の反発力が非常に小さく、衝撃、振動の吸収性に優れ、リバウンド現象が起こりにくくすることが可能となる。このようなゴム状物質は、すなわち、垂直方向とせん断方向のいずれの場合でも、圧縮時における任意地点の応力より、復元時における同地点の応力が小さく、かつ、復元するに従い、同地点における圧縮時と復元時の応力差が大きくなるものである。
【0016】
例えば、ゴム状物質(試験片の大きさ:幅20mm×長さ20mm×高さ15mm)を所定温度(20℃)に放置後、上部より圧縮荷重を50mm/minの速度で厚み50%(7.5mm)になるまでかけ、その後、100mm/minの速度で荷重を開放した際における厚み20%地点、30%地点、40%地点における圧縮時と復元時の応力を比較した場合に、圧縮時に対し復元時の応力が、40%地点で約30〜約50%減圧し、30%地点で約40〜約60%減圧し、20%地点で約50〜約70%減圧するようなものが好ましい。なお、50%地点での圧縮時の応力は、約150〜約500g/cm程度のものが好ましい。
【0017】
一方、このゴム状物質(試験片の大きさ:幅20mm×長さ20mm×高さ15mm)をせん断方向へ50mm/minの速度で1.5cm歪むまで荷重をかけ、その後、100mm/minの速度で荷重を開放した際における全歪み量(1.5cm)に対する歪み率20%地点、30%地点、40%地点における圧縮時と復元時の応力を比較した場合に、圧縮時に対し復元時の応力が、40%地点で約15〜約30%減圧し、30%地点で約20〜約35%減圧し、20%地点で約30〜約50%減圧するようなものが好ましい。なお、せん断方向へ1.5cm歪ませた際のせん断応力は、約40〜約80g/cm程度のものが好ましい。
【0018】
上記した性質を示す材料としては、スチレン系ブロック共重合体及びブチルゴムの1種類又は複数のブレンド樹脂をベースとした組成物等が挙げられ、必要に応じて、軟化剤、粘着付与樹脂、酸化防止剤のうちの少なくとも一つを配合したものでもよい。具体的には、例えば、(株)加地製の「EXGEL」(商品名)が挙げられる。
【0019】
本発明の衝撃吸収体3は、荷重の負荷、開放を繰り返しても略筒形が崩れず、かつ、所定の復元能を有するものであれば、任意の方法により成型できる。例えば、支持体に略円筒形の穴を開けておき、そこにゴム状物質を流し込むことにより作成することができるし、別法では、ゴム状物質を被覆材に封入して所定の略円筒形に成型したものを支持体に配置することも可能である。好ましくは、略円筒形の維持、復元能の維持という観点から、ゴム状物質を被覆材に封入することが好ましい。被覆材としては、任意の物質を使用できるが、例えば、ウレタンフィルム、クロロプレンゴムが挙げられ、好ましくは、クロロプレンゴムが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0020】
本発明の衝撃吸収体3の形状である「略筒形」とは、円筒形に限定されず、荷重により側面方向に膨張して荷重を拡散できるものであれば任意の形状であり得る。例えば、「略筒形」としては、円筒形、楕円の筒形、角柱形、円錐形、角錐形などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、「略筒形」には、その径が均一なものだけでなく、径が異なる略円筒形からなる部分が組合わさって構成されたものも含み、例えば、図2に示すような、荷重支持面4側の径が大きく、その反対側の面5の径が小さい大径部11と小径部12を備えた形状の衝撃吸収体13であっても良い。
【0021】
衝撃吸収体は、荷重支持面4での被支持体とのフィット性向上という観点から、荷重支持面4側の径が大きく、その反対側の面5の径が小さい大径部11と小径部12を備えた形状であることが好ましい。この形状では、荷重支持面4が広いので被支持体の起伏にフィットし易く、さらに、小径部12を起点として大径部11が荷重方向に応じてスイングするのでフィット性が向上することとなる。この場合、衝撃吸収体13の大径部11および小径部12は任意の略筒形であることができ、例えば、円筒形、角柱形などが挙げられる。また、必ずしも大径部11と小径部12の形状は相似形である必要はなく、例えば、大径部11が角柱形で小径部12が円筒形、大径部11が円筒形で小径部12が角柱形などのように、両者は異なる形状であっても良い。
【0022】
図2に示すような、荷重支持面4側の径が大きく、その反対側の面5の径が小さい大径部11と小径部12を備えた形状の衝撃吸収体13が使用される態様においては、大径部11と小径部12の径の比率は、乳幼児、子供や大人など支持されるべき被支持体の重量、大きな振動が加わる建設用、農業用、工業用乗り物、また、衝撃吸収装置が備えられている自動車など加えられる衝撃の程度、および荷重分散を主としたベッドマット、衝撃振動吸収、リバウンド防止を主とする自動車用シート、救急車用ベッド、チャイルドシート、車椅子等望まれる機能に応じて、それぞれ適宜設定することが可能である。例えば、被支持体の重量が重い場合や、大きな衝撃、振動の吸収が望まれる場合には、小径部の比率を大きくすることにより、衝撃吸収能を向上させることができる。また、乳幼児、子供のような重量の軽い被支持体の場合には、小径部の比率を小さくすることにより、衝撃、振動を十分に吸収させることが望ましく、さらに、フィット性をよくするため、大径部の比率を大きくすることがより望ましい。例えば、本発明のクッションが乳幼児および子供用チャイルドシートに使用される場合には、被支持体の重量が軽く、フィット機能が重視されるという観点から、大径部11と小径部12の径の比率は1.5:1〜4:1であることが好ましく、より好ましくは、2:1〜3:1である。また、本発明のクッションが自動車用シートに使用される場合には、被支持体の重量が比較的重いので、1:1〜3:1であることが好ましく、より好ましくは1:1〜1.5:1である。なお、ここでの径とは、大径部および小径部の最大長さ部分の径をいうものとする。
【0023】
また、本発明の衝撃吸収体3の径の大きさ、上下方向の長さは、製造されるクッション1に求められる特性に応じて自由に設定することが可能である。例えば、被支持体の重量が重い場合や、大きな衝撃、振動の吸収が望まれる場合には、径を大きくし、上下方向の長さを長くすることにより衝撃吸収能を向上させることができる。大径部と小径部を有する衝撃吸収体3の上下方向の長さを長くするには、大径部および小径部のいずれを長くしても良いし、両方とも長くすることができるが、大径部はフィット性を向上させるために短くし、小径部を長くすることが好ましい。また、乳幼児、子供のような重量の軽い被支持体の場合には、径を小さくすることにより、衝撃、振動を十分に吸収させることが望ましく、また、長さを短くしても良い。また、衝撃吸収体3は支持体2中に1つでも良いし、複数配置されても良い。好ましくは、複数の衝撃吸収体3が配置される。さらに、支持体2中の衝撃吸収体3の配置も製造されるクッション1に求められる特性に応じて自由に設定することができる。例えば、図3に示したように、同じ形状の衝撃吸収体3を等間隔で支持体2中に配置しても良いし、大きさおよび/または形状の異なる衝撃吸収体3を規則的にまたは不規則に配置しても良い。例えば、ベッドなど人体を支持するために使用されるクッションの場合には、支持面積に応じて、人体の胴体を支持する部分には、胴体にフィットするように大きな衝撃吸収体3を配置し、四肢を支持する部分には小さな衝撃吸収体3を配置することができる。
【0024】
また、本発明のクッション1に配置される衝撃吸収体3の比率は、乳幼児、子供や大人など支持されるべき被支持体の重量、大きな振動が加わる建設用、農業用、工業用乗り物、また、衝撃吸収装置が備えられている自動車など加えられる衝撃の程度、および荷重分散を主としたベッドマット、衝撃振動吸収、リバウンド防止を主とする自動車用シート、救急車用ベッド、チャイルドシート、車椅子等望まれる機能に応じて、それぞれ適宜設定することが可能である。ただし、少なすぎれば、衝撃、振動吸収能が低下して被支持体の支持に支障を来すし、多すぎれば、重量が重くなると共に、クッションとしての通気性も悪くなる。よって、本発明のクッション1に配置される衝撃吸収体3または13の荷重支持面4の総表面積は、クッションの全荷重面の5%〜95%が好ましく、より好ましくは20%〜80%であり、さらにより好ましくは30%〜50%である。
【0025】
本発明のクッションは、自動車、電車、農業用乗り物、工業用乗り物、建設用乗り物などの乗り物用椅子;救急車用ベッド、就寝用ベッド等のベッド;ソファー;静座用椅子;チャイルドシート、子供用椅子、車椅子等、任意の人体支持具の人体を支持する面に配置できる。本発明のクッションを前述したような人体支持具に配置する場合には、人体支持具が人体を支持する面全体に本発明のクッションを配置することが好ましいが、特定の一部分にのみ配置することも可能である。例えば、自動車用シートにおいては、人体の腰部を保護するために、シートのうち、人体の腰部を支持する部分のみに本発明のクッション1を設置することが可能である。
【0026】
また、人体支持具の人体支持面が平面状の場合には、平面状の本発明のクッションを配置すればよいが、本発明のクッションは平面状のものに限られず、被支持体の形状に応じて変形させて適用することも可能である。例えば、自動車用椅子のように人体の形状に沿って湾曲した形状となっている場合には、これに沿った形で、本発明のクッションを湾曲させて配置することも可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のクッションは緩慢な復元力を有する柔らかいゴム状物質からなる衝撃吸収体が配置されているので、従来のウレタンフォーム製、またはコイルスプリング付きクッションなどと比べて、荷重を荷重方向以外に拡散できると共に、外部から加えられる振動、衝撃の吸収性に優れ、被支持体との摩擦抵抗が少なく、さらに被支持体に対するフィット性に優れる。また、従来の全面がゲル状物質の封入体からなるクッションと比べても、側面方向への荷重の拡散が向上されているので、外部からの振動、衝撃の吸収性に優れ、かつ、軽量であり、通気性にも優れる。また、本発明で使用される衝撃吸収体を大径部と小径部を備えた形状にすることにより、被支持体とのフィット性がさらに改善されたクッションを提供できる。さらに、人体に伝わる振動、衝撃を低減された、反発性が小さく、リバウンドが起こり難く、フィット性に優れ、人体との摩擦抵抗が少なく、軽量、通気性に優れた人体支持具を提供することが可能となる。また、本発明のクッションを自動車、電車、農業用乗り物、工業用乗り物、建設用乗り物などの乗り物用椅子の座面および背もたれのいずれか一方または両方に設置することにより、自動車、電車など乗り物から伝わる振動、衝撃の吸収能に優れ、それにより、シートの振動に起因する目線のぶれによりもたらされる身体疲労を回避することが可能な乗り物用椅子を提供することが可能となる。また、リバウンド防止能に優れ、衝撃振動吸収に優れることから、振動の吸収性に優れた救急車用ベッド、チャイルドシート、子供用乗り物座席などの人体支持具を提供することが可能となる。また、荷重分散に優れることから、床ずれを防止できるようなクッションおよび、該クッションを備えたベッド、車椅子等の人体支持具を提供することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のクッションの一態様の断面図である。
【図2】 本発明の衝撃吸収体の一態様を表す図である。
【図3】 本発明のクッションの一態様を表す図である。
【符号の説明】
1 クッション
2 支持体
3 衝撃吸収体
4 荷重支持面
5 反対側の面
6 底部支持体層
7 側部支持体層
8 側面
9 荷重面支持体層
11 大径部
12 小径部
13 衝撃吸収体

Claims (7)

  1. 支持体中に衝撃吸収体を埋設してなるクッションであって、前記衝撃吸収体はゴム状物質により荷重支持面側の径が大きく、その反対面側の径が小さい、大径部と小径部を備えた形状に形成されており、前記支持体は荷重支持面の反対側の面に接する部分が、前記ゴム状物質よりも高い硬度の支持基材からなる底部支持体層、前記衝撃吸収体の側面に接する部分が、前記ゴム状物質と同程度以下の硬度の支持基材からなる側部支持体層で構成されていることを特徴とするクッション。
  2. 前記支持体は、さらに、前記衝撃吸収体の荷重支持面に接する荷重面支持体層を有し、前記層が前記ゴム状物質と同程度以下の硬度の支持基材で構成されていることを特徴とする請求項1記載のクッション。
  3. 衝撃吸収体の荷重支持面の総表面積がクッションの全荷重面の30〜50%である請求項1又は2記載のクッション。
  4. 衝撃吸収体を構成するゴム状物質がスチレン系ブロック共重合体およびブチルゴムの1種類または複数のブレンド樹脂をベースとした組成物であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のクッション。
  5. 支持体の支持基材がポリウレタンフォーム、ポリエステル繊維積層材、または炭素繊維積層材、およびこれらの組み合わせである請求項1〜の何れか1項に記載のクッション。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のクッションを備えた人体支持具。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載のクッションを座面および背もたれの何れか一方または両方に備えた乗物用椅子。
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