JPH0725765B2 - 抗生物質ミルベマイシン化合物およびその製造法 - Google Patents

抗生物質ミルベマイシン化合物およびその製造法

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JPH0725765B2
JPH0725765B2 JP6165287A JP6165287A JPH0725765B2 JP H0725765 B2 JPH0725765 B2 JP H0725765B2 JP 6165287 A JP6165287 A JP 6165287A JP 6165287 A JP6165287 A JP 6165287A JP H0725765 B2 JPH0725765 B2 JP H0725765B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新抗生物質ミルベマイシン化合物およびその製
法に関する。
ストレプトミセス属のB−41−146菌株から単離された
一群のマクロライド系抗生物質は、特開昭50−29742号
公報にB−41と称され、そしてA1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,C
1及びC2の9種が述べられた。更に4種の化合物が単離
されてすべての13種の化合物の構造が決定され、ザ.ジ
ヤーナル.オブ.アンチバイオテツクス(J.Antibiotic
s)29(3)の76-14 76-16頁及び同誌29(6)の76-36
76-42頁に発表された。そしてさらに、B−41D,E,Fが
単離され特願昭54−107550号及び特開昭57−77686号に
述べられた。これらB-41抗生物質はミルベマイシンと命
名された。これらB-41化合物は上記文献に殺虫活性及び
殺ダニ活性を有することが知られ、更に特開昭54−8904
1号公報には駆虫活性を有することが知られている。
本発明者等は、上記B-41-146菌株の培養物から、新たに
下記式で表わされる一連のミルベマイシン化合物α16,
α171819およびβを見出した。
抗生物質ミルベマイシンα16171819およびβ
を生産するストレプトミセス属B-41-146株の菌学的性
質については特開昭50-29742号に詳しく記載され、スト
レプトミセスB-41-146株は工業技術院微生物工学工業技
術研究所(1993年に生命工学工業技術研究所に改称)に
寄託されていて、その微生物受託番号は微工研条寄第10
72(FERM BP−1072)号である。
衆知のとおり、放線菌は自然界において、また人工的な
操作(たとえば、紫外線照射、放射線照射、化学薬品処
理等)により、変異をおこしやすく、本発明のB-41-146
株もこの点は同じである。本発明にいうB-41-146株はそ
のすべての変異株を包含する。すなわち、本発明では抗
生物質ミルベマイシンα16171819およびβ
を生産し、B-41-146株およびその変異株と明確に区別さ
れない菌は、全てB-41-146株に包含されるものである。
ミルベマイシンα16171819およびβはB-41-
146株を適当な培地で培養し、それから採取することに
よつて得られる。栄養源としては、従来ストレプトミセ
ス属の菌の培養に利用されている公知のものが使用でき
る。例えば、炭素源としてはグルコース、シユクロー
ス、でんぶん、グリセリン、水あめ、糖みつ、大豆油な
どが使用できる。また窒素源としては、大豆粉、小麦は
いが、肉エキス、ペプトン、酵母菌体、コーンスチープ
リカー、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム等を使用し
うる。このほか必要に応じて炭酸カルシウム、食塩、塩
化カリ、リン酸塩等の無機塩類を添加するほが、菌の発
育を助け、ミルベマイシンα16171819および
βの生産を促進するような有機及び無機物を適当に添
加することができる。
培養法としては、一般の抗生物質を生産する方法と同じ
く液体培養法、とくに深部培養法が最も適している。培
養は好気的条件下で行なわれ、培養に適当な温度は22-3
0℃であるが、多くの場合28℃付近で培養する。ミルベ
マイシンα16171819およびβの生産は振と
う培養、タンク培養ともに5-15日で最高値に達する。
ミルベマイシンα16171819およびβの検定
にあたつては次の方法が用いられる。すなわち、培養物
2mlを小試験管にとり、98%メタノール8mlを添加、振と
うして抽出し、遠心分離する。高速液体クロマトグラフ
イーはNOVA-PAX C18逆相カラム(Waters,0,39×15c
m)、ポンプ(日立model 635A)およびサンプルインジ
エクター(Waters,model U6K)を用い、上記試料を5〜
10μ注入し、アセトニトリル‐水(75:25)の溶媒系
を流速1.6ml/minで行つた。ミルベマイシンα1617,
α1819およびβは紫外線検出器(240nm)でモニタ
ーし、データー処理装置(島津製作所 Chromatopac C-
R1A)を用いて定量した。
ミルベマイシンα16171819およびβを培養
物から採取するにあたつては活性炭、アルミナ、シリカ
ゲルなどの吸着剤、ダイヤイオンHP-20(三菱化成社
製)など合成吸着剤、アビセル(旭化成社製)、ろ紙な
どの固定剤、イオン交換樹脂、イオン交換ゲルろ過剤な
どが使用されうるが、以下に示す採取方法が最も効果的
である。
培養物を、けいもう土などの過助剤を用いて別し、
ここで得られたケーキをメタノール抽出することによ
り、目的物はメタノール水に溶解してくる。これに水を
加えた後、n-ヘキサンで抽出し、これを減圧下で濃縮す
ることにより、目的物を含有するオイル状物質が得られ
る。これをシリカゲルのカラムに吸着せしめ、n-ヘキサ
ン、アセトン、酢酸エチル、メタノールおよびエタノー
ルなどの有機溶媒の混合物で不純物の洗浄と目的物の溶
出を行う。目的物はさらに種々の担体と溶媒を組み合わ
せてカラムクロマトグラフ、薄層クロマトグラフ、高速
液体クロマトグラフなどを行い、本化合物を単離する。
単離された本化合物の構造は化合物の種々なスペクトル
特性、特にその核磁気共鳴、質量、紫外部および赤外部
スペクトルを詳細に分析することにより決定される。
ミルベマイシンα16は次の理化学的性質を有する。
1) 分子量:514 2) マススペクトル:m/e514(M+) 分子式(C30H42O7 5) 核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルムに溶解
し、内部標準にTMSを使用して270MHzで測定した(δ:pp
m) 0.83(3H,d,J=5.4) 1.01(3H,d,J=6.5) 1.15(3H,d,J=6) 1.87(3H,s) 1.19〜2.53(多くのピークがみられる) 3.15(1H,s) 3.27(2H,m) 3.53(1H,m) 3.97(1H,d,J=6.4) 4.21(1H,s) 4.30(1H,t,J=6.5) 4.68(2H,s) 5.10〜5.51(5H,m) 5.67〜5.87(2H,m) 6) 溶解性:酢酸エチル、アセトン、アセトニトリ
ル、エタノール、メタノールに易溶、水に難溶 7) 化学構造式:前述の通り ミルベマイシンα17は次の理化学的性質を有する。
1) 分子量:528 2) マススペクトル:m/e 528(M+) 分子式(C31H44C7 5) 核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルムに溶解し
内部標準にTMSを使用して270MHzで測定した。(δ:pp
m) 0.83(3H,d,J=6.6) 1.00(6H,d.d) 1.87(3H,s) 1.22〜2.04(多くのピークがみられる) 2.20〜2.53(4H,m) 3.06(1H,dt) 3.27(1H,m) 3.56(1H,m) 3.97(1H,d,J=6.2) 4.20(1H,s) 4.29(1H,bs) 4.78(2H,m) 5.07〜5.51(5H,m) 5.70〜5.89(2H,m) 6) 溶解性:酢酸エチル、アセトン、アセトニトリ
ル、エタノール、メタノールに易溶水に難溶 7) 化学構造式:前述の通り ミルベマイシンα18は次の理化学的性質を有する。
1) 分子量:556 2) マススペクトル:m/e556(M+) 分子式(C32H44O8 5) 核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルムに溶解し
内部標準にTMSを使用して270MHzで測定した。(δ:pp
m) 0.83(3H,d,J=6.5) 1.0(6H,d.d) 1.53(3H,s) 1.87(3H,s) 1.20〜2.57(多くのピークがみられる) 3.20〜3.80 3.85(1H,s) 3.89(1H,s) 4.74(2H,s) 4.95(1H,m) 5.25〜5.52(2H,m) 5.66〜5.91(2H,m) 7.26(1H,s) 6) 溶解性:酢酸エチル、アセトン、アセトニトリ
ル、エタノール、メタノールに易溶、水に難溶 7) 化学構造式:前述の通り ミルベマイシンα19は次の理化学的性質を有する。
1) 分子量:558 2) マススペクトル:m/e558(M+) 分子量(C32H46O8 5) 核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルムに溶解し
内部標準にTMSを使用して270MHzで測定した。(δ:pp
m) 0.90(3H,d,J=6.3) 1.02(6H,d.d) 1.53(3H,s) 1.87(3H,s) 1.20〜2.52(多くのピークがみられる) 3.26(1H,m) 3.41(1H,dt) 3.55(1H,d,J=10.1) 3.57〜3.79(2H,m) 3.94(1H,d,J=4) 3.97(1H,s) 4.30(1H,t,J=6.6) 4.68(2H,s) 4.95(1H,m) 5.27〜5.44(3H,m) 5.67〜5.85(2H,m) 6) 溶解性:酢酸エチル、アセトン、アセトニトリ
ル、エタノール、メタノールに易溶、水に難溶 7) 化学構造式:前述の通り ミルベマイシンβは次の理化学的性質を有する。
1) 分子量:542(分子式C33H50O6) 2) マススペクトル:m/e 542(m+)524,510,400,19
5,167 4) 核磁気共鳴スペクトル: 0.81(3H,d,J=6.2) 0.96(3H,t,J=7.3) 1.02(3H,d,J=6.6) 1.59(3H,s) 1.71(3H,s) 1.80(3H,s) 0.8〜2.5(20H,m) 3.05(1H,dt) 3.37(3H,s) 3.40(1H,m) 3.56(1H,m) 3.89(1H,s) 4.04(1H,br.s) 4.82(1H,dd) 5.2〜5.4(3H,m) 6.03(1H,dd) 6.22(1H,d) 5) 溶解性:酢酸エチル、アセトン、アセトニトリ
ル、エタノール、メタノールに易溶、水に難溶 6) 化学構造式:前述の通り 次にα16171819およびβの製造例を示す。
製造例 1 シユクロース1%、ポリペプトン0.35%およびK2HPO40.
05%を含有する前培養培地600mlを含む2容三角フラ
スコにストレプトマイセスB-41-146株を1白金耳接種
し、48時間28℃で培養を行い、この2容三角フラスコ
2本を30容ジヤー・フアメンタに移植した。ジヤー・
フアメンタには、シユクロース8%、大豆粉1%、スキ
ムミルク1%、イーストエキス0.1%、肉エキス0.1%、
CaCO30.3%、K2HPO40.03%、MgSO4・7H2O 0.1%およびF
eSO4・7H2O 0.005%を含有する培地20を仕込み、pHを
7.2〜7.5に調節し、十分に滅菌しておいた。培養期間中
は、28℃、内圧0.5kg/cm2に保持した。
12日間培養後、培養物20のpHを硫酸で3とし、セライ
ト1kgを加えて加圧過すると、約3kgのケーキが得られ
た。これを15のメタノールで抽出し、別し、得られ
たメタノール溶液15に水5を加え、20のn-ヘキサ
ンで抽出した。得られたn-ヘキサン層は無水硫酸ナトリ
ウムで脱水後、40〜45℃水浴中で減圧下濃縮すると25g
のオイルが得られた。前記化合物を得るためには以下の
精製手段を単独あるいは適宜組み合わせ、また反復して
用いる。25gのオイルを50mlのn-ヘキサンに溶かし、あ
らかじめ200gのシリカゲルをn-ヘキサンでつめてあるカ
ラムに吸着させ、n-ヘキサン:アセトン(85:15)で展
開した。この結果、ミルベマイシンβを含有するフラ
クシヨン500mlとミルベマイシンα161718,および
α19を含有するフラクシヨン2.5を得た。これらを前
述と同様の条件で濃縮し、0.4gと2.5gのオイルを得た。
ミルベマイシンβを含有する0.4gのオイルをn-ヘキサ
ン2mlに溶解し、ローバーカラムSi60(メルク社製,サ
イズB)のカラムに吸着させ、n-ヘキサン:酢酸エチル
(80:20)で溶出し、ミルベマイシンβを含有するフ
ラクシヨンを集めた。これらを減圧下で濃縮し再びオイ
ル状となし、少量のメタノールを加えて、ローバーカラ
ムRP-8(メルク社製,サイズB)に吸着させ、アセトニ
トリル:水(85:15)で溶出し、ミルベマイシンβ
含有するフラクシヨンを集め、減圧下でアセトニトリル
を除去した後、酢酸エチルで抽出する。この抽出液を減
圧下で濃縮し、ここで得られた残渣をn-ヘキサン:酢酸
エチル(20:1)の溶液に溶解し、室温に放置するとミル
ベマイシンβの無晶形粉末が30mg得られた。
一方、ミルベマイシンα161718およびα19を含有
するオイル2.5gをn-ヘキサン30mlにとかし、ローバーカ
ラムSi60のカラムに吸着させn-ヘキサン:酢酸エチル
(80:20)で溶出し、ミルベマイシンα161718
よびα19をそれぞれ含有するフラクシヨンを集めた。ミ
ルベマイシンα161718およびα19をそれぞれ含有
するフラクシヨンは、減圧下で濃縮し再びオイル状とな
し、少量のメタノールを加えて、ローバーカラムRP-8に
それぞれ吸着させ、アセトニトリル:水(80:20)で溶
出し、ミルベマイシンα161718およびα19をそれ
ぞれ含有するフラクシヨンを集め、減圧下でアセトニト
リルを除去した後酢酸エチルで抽出する。これら抽出液
を減圧下で濃縮し、得られたそれぞれの残渣をn-ヘキサ
ン:酢酸エチル(1:1)に溶解し、室温に放置するとミ
ルベマイシンα16の無晶形粉末95mg、α17の無晶形粉末
15mg、α18の無晶形粉末12mgおよびα19の無晶形粉末10
0mgが得られた。
製造例 2 シユクロース1%、ポリペプトン0.35%およびK2HPO40.
05%を含有する前培養培地600mlを含む2容三角フラ
スコにストレプトマイセスB-41-146株を1白金耳接種
し、48時間28℃で培養を行ない、この2容三角フラス
コ10本を600容タンクに移植した。タンクはシユクロ
ース8%、大豆粉1%、スキムミルク1%、イーストエ
キス0.1%、肉エキス0.1%、CaCO30.3%、K2HPO4 0.03
%、MgSO4・7H2O 0.1%およびFeSO4・7H2O 0.005%を含
有する培地300を仕込み、pHを7.2〜7.5に調整し、十
分に滅菌しておいた。培養期間中は28℃、内圧0.5kg/cm
2に保持した。
12日間培養後、培養物300を硫酸でpH3.0とし、セライ
ト18kgを加えて加圧過すると、約50kgのケーキが得ら
れた。これを200のメタノールで抽出し、別し、得
られたメタノール溶液210に水170を加え、400のn
-ヘキサンで抽出した。得られたn-ヘキサン層は無水硫
酸ナトリウムで脱水後、40〜45℃水浴中で減圧下濃縮す
ると450gのオイルが得られた。前記化合物を得るために
は以下の精製手段を単独あるいは適宜組み合わせ、また
反復して用いる。このオイル100gを150mlのn-ヘキサン
にとかし、あらかじめ2kgのシリカゲルをn-ヘキサンで
つめてあるカラムに吸着せしめ、n-ヘキサン:アセトン
(85:15)で展開した。この結果ミルベマイシンβ
含有するフラクシヨン2.2とミルベマイシンα16,
α1718およびα19を含有するフラクシヨン13を得
た。これらを前述と同様の条件で濃縮し、24gと18gのオ
イルを得た。ミルベマイシンβを含有する2.4gのオイ
ルをn-ヘキサン12mlに溶解し、ローバーカラムSi60(サ
イズB)のカラムに吸着させ、n-ヘキサン:酢酸エチル
(80:20)で溶出し、ミルベマイシンβを含有するフ
ラクシヨンを集めた。これらを減圧下で濃縮し再びオイ
ル状となし、少量のメタノールを加えて、ローバーカラ
ムRP-8(サイズB)に吸着させ、アセトニトリル:水
(85:15)で溶出し、ミルベマイシンβを含有するフ
ラクシヨンを集め、減圧下でアセトニトリルを除去した
後、酢酸エチルで抽出する。この抽出後を減圧下で濃縮
し、ここで得られた残渣をn-ヘキサン:酢酸エチル(2
0:1)の溶液に溶解し、室温に放置するとミルベマイシ
ンβの無晶形粉末が390mg得られた。
ミルベマイシンα161718およびα19を含有するオ
イル18gを30mlのn-ヘキサンに溶解し、あらかじめ600g
のシリカゲルをn-ヘキサンでつめてあるカラムに吸着せ
しめ、n-ヘキサン:アセトン(80:20)で展開した。こ
の結果ミルベマイシンα17を含有するフラクシヨンと、
ミルベマイシンα1618およびα19を含有するフラク
シヨンとを得た。
ミルベマイシンα17を含有するフラクシヨン700mlを濃
縮して得たオイルを少量のアセトニトリルに溶解し、YM
C Pack S-343 I-15 ODS(20×250mm)のカラムに吸着さ
せ、アセトニトリル:水(80:20)で溶出し、ミルベマ
イシンα17を含有するフラクシヨンを集め、減圧下でア
セトニトリルを除去した後、酢酸エチルで抽出する。こ
の抽出液を減圧下で濃縮し、ここで得られた残渣をn-ヘ
キサン:酢酸エチル(1:1)に溶解し、室温に放置する
とミルベマイシンα17の無晶形粉末が210mg得られた。
ミルベマイシンα1618およびα19を含有するフラク
シヨン3.5を濃縮して得たオイルを小量のアセトニト
リルに溶解し、YMC Pack S-343 I-15 ODS(20×250mm)
のカラムに吸着させ、アセトニトリル:水(75:25)で
溶出し、ミルベマイシンα1618およびα19をそれぞ
れ含有するフラクシヨンを集め、減圧下でアセトニトリ
ルを除去した後、酢酸エチルで抽出する。これらの抽出
液を減圧下で濃縮し、それぞれの残渣をn-ヘキサン:酢
酸エチル(1:1)に溶解し、室温に放置するとミルベマ
イシンα16の無晶形粉末1.5g、α18の無晶形粉末200mg
およびα19の無晶形粉末1.8gが得られた。
本発明のミルベマイシンα16171819およびβ
は果樹、野菜及び花卉に寄生するナミハダニ類(Tetr
anychus)、リンゴハダニやミカンハダニ(Panonychu
s)及びサビダニ等の成虫及び卵、動物に寄生するマダ
ニ科(Ixodidac)、ワクモ科(Dermanysside)及びヒゼ
ンダニ科(Sarcoptidae)等に対してすぐれた殺ダニ活
性を有している。
更にヒツジバエ(Oestrus)、キンバエ(Lucilia)、ウ
シバエ(Hypoderma)、ウマバエ(Gautrophilus)等及
びのみ、しらみ等の動物や鳥類の外部寄生虫;ゴキブ
リ、家バエ等の衛生害虫;その他アブラムシ類、ハスモ
ンヨトウ、コナガ等の鱗翅目幼虫等の各種農園芸害虫に
対して高い活性を有している。更にまた土壌中の根こぶ
線虫(Meloidogyne)、ネダニ(Rhizoglyphus)等に対
しても活性である。
ミルベマイシンα16171819およびβを殺ダ
ニ剤殺虫剤として使用するには、活性化合物を担体で希
釈し、必要に応じて他の補助剤を加えることにより、粉
剤、粗粉剤、粒剤、微粒剤、水和剤、乳剤、油剤等の散
布剤に調製して使用することができる。
更に本発明のミルベマイシンα16171819およ
びβは動物及び人間の駆虫剤としてすぐれた殺寄生虫
活性を有している。一般に寄生虫症として説明されてい
る病気は、蠕虫(Helminth)として知られている寄生原
虫による動物宿主の感染による。寄生虫症は豚、羊、山
羊、牛、馬、犬、猫及び鶏のような家畜、家禽及びペツ
トに流行して経済上重大な被害を与える。蠕虫の内で線
虫として説明されている寄生虫群は種々の動物にはびこ
りしばしば重大な感染を引き起す。前述した動物に感染
する線虫の最も一般的な属は、 ヘモンクス属(Haemonchus)、 トリコストロンギルス属(Trichostrongylus)、 オステルターギヤ属(Ostertagia)、 ネマトデイルス属(Nematodirus)、 クーペリア属(Cooperia)、 アスカリス属(Ascaris)、 ブノストムーム属(Bunostomum)、 エソフアゴストムーム属(Oesophagostomum)、 チヤベルチア属(Chabertia)、 トリキユリス属(Trichuris)、 ストロンギルス属(Strongylus)、 トリコネマ属(Trichonema)、 デイクチオカウルス属(Dictyocaulus)、 キヤピラリア属(Capillaria)、 ヘテラキス属(Heterakis)、 トキソカラ属(Toxocara)、 アスカリデイア属(Ascaridia)、 オキシウリス属(Oxyuris)、 アンキロストーマ属(Ancylostoma)、 ウンシナリア属(Uncinaria)、 トキサスカリス属(Toxascaris)及び パラスカリス属(Parascaris)である。
ネマトデイルス属、クーペリア属及びエソフアゴストム
ーム属のある種のものは腸管を攻撃し、一方ヘモンクス
属及びオステルターギア属のものは胃に寄生し、デイク
チオカウルス属の寄生虫は肺に見い出される。
また、フイラリア科(Filariidae)やセタリヤ科(Seta
riidae)の寄生虫は心臓及び血管、皮下及びリンパ管組
織のような体内の他の組織及び器管に見い出される。
さらにまた、種々の動物における多くの内部寄生虫に対
して広いスペクトルの活性を有し、例えば犬のデイロフ
イラリア属(Dirofilaia)、ケツシ類動物のネマトスピ
ロイデス属(Nematospiroides)、シイフアシア属(Syp
hacia)及びアスピキユラリス属(Aspiculuris)にも活
性を示す。
ミルベマイシンα16171819およびβはま
た、人間に感染する寄生虫に対しても有用であり、人間
の消化管の最も普通の寄生虫は、アンキロストーマ属
(Aucylostoma)、 ネカトール属(Necator)、 アスカリス属(Ascaris)、 ストロンギロイデス属(Strongyloides)、 トリヒネラ属(Trichinella)、 キヤピラリア属(Capillaria)、 トリキユリス属(Trichuris)及び エンテロビウス属(Enterobius)である。
消化管の外に血液又は他の組織及び器管に見い出される
他の医学的に重要な寄生虫は、フイラリア科のブツヘレ
リア属(Wuchereria)、ブルージア属(Brugia)、オン
コセルカ属(Onchocerca)及びロア系状虫属(Loa)並
びに蛇状線虫科(Dracunculidae)のドラクンクルス属
(Dracunculus)の寄生虫の外に、腸管内寄生虫の特別
な腸管外寄生状態におけるストロンギロイデス属及びト
リヒネラ属である。
ミルベマイシンα16171819およびβを動物
及び人における駆虫剤として使用する場合は、液体飲料
として経口的に投与することができる。飲料は普通ベン
トナイトのような懸濁剤及び湿潤剤又はその他の賦形剤
と共に適当な非毒性の溶剤又は水での溶液、懸濁液又は
分散液である。一般に飲料はまた消泡剤を含有する。飲
料処方は一般に活性化合物を約0.01〜0.5重量%、好適
には0.01〜0.1重量%を含有する。
ミルベマイシンα16171819およびβを動物
飼料によつて投与する場合は、それを飼料に均質に分散
させるか、トツプドレツシングとして使用されるか又は
ペレツトの形態として使用される。普通望ましい抗寄生
虫効果を達成するためには、最終飼料中に活性化合物を
0.0001〜0.02%を含有している。
また、ミルベマイシンα16171819およびβ
を液体担体賦形剤に溶解又は分散させたものは、前胃
内、筋肉内、気管内又は皮下に注射によつて非経口的に
動物に投与することができる。非経口投与のために、活
性化合物は好適には落花生油、綿実油のような適当な植
物油と混合する。このような処方は、一般に活性化合物
を0.05〜50重量%含有する。
ミルベマイシンα16171819およびβはま
た、ジメチルスルホキシド又は炭化水素溶剤のような適
当な担体と混合することによつて局所的に投与し得る。
この製剤はスプレー又は直接的注加によつて動物の外部
表面に直接適用される。
最善の結果を得るための活性化合物の最適使用量は、治
療される動物の種類及び寄生虫感染の型及び程度によつ
てきまるが、一般に動物体重1kg当り約0.01〜100mg、好
適には0.5〜50.0mgを経口投与することによつて得られ
る。このような使用量は一度に又は分割した使用量で1
〜5日のような比較的短期間にわたつて与えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林田 早苗 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 佐藤 一雄 滋賀県野洲郡野洲町野洲1041 三共株式会 社内 (72)発明者 田中 啓司 滋賀県野洲郡野洲町野洲1041 三共株式会 社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の化学式で表わされるミルベマイシン化
    合物α16171819およびβ8:
  2. 【請求項2】ストレプトミセス属に属し、下記式のミル
    ベマイシン化合物α16171819およびβを生
    産する菌を好気的に培養し、その培養物から生産物を単
    離することを特徴とする当該ミルベマイシン化合物の製
    造法:
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