JPH07256890A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH07256890A
JPH07256890A JP5387294A JP5387294A JPH07256890A JP H07256890 A JPH07256890 A JP H07256890A JP 5387294 A JP5387294 A JP 5387294A JP 5387294 A JP5387294 A JP 5387294A JP H07256890 A JPH07256890 A JP H07256890A
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ink
recording
ejection
recording head
ink jet
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JP5387294A
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Tadashi Hanabusa
端 花房
Nobuyuki Kuwabara
伸行 桑原
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクの不吐出や吐出不良を低減し、記録所
要時間の短縮と共にランニングコストの低減を図ること
のできるインクジェット記録装置を提供する。 【構成】 キャップ手段(410)と、吐出回復手段
(40)と、記録装置内の雰囲気温度および/雰囲気湿
度を検出する検出手段(25/26)と、上記温度およ
び/湿度に対応する吐出回復処理動作が設定されている
テーブルを有する記憶手段(604)と、記録開始直前
にテーブルから上記吐出回復処理動作を選択し、その一
連の回復処理動作を一連の記録中に行わせるように制御
する手段(601,607)とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関し、詳しくは、インク滴の不吐出や吐出不良を低
減し、安定した記録のための吐出回復処理を行うことの
できるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、OHP用シートなどの被記録
材(以下で記録シートという)に対して記録を行う記録
装置としては、種々の記録方式による記録ヘッドを搭載
した形態のものが提案されており、かかる記録ヘッドに
は、ワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、イン
クジェット方式によるものなどがある。
【0003】この中でも、特にインクジェット方式は、
記録シートに向けて直接インクを噴射するものであり、
ランニングコストが安く、記録動作が静かである等の利
点を有した記録方式として注目されている。
【0004】また、近年のインクジェット記録装置、と
りわけ記録ヘッドにあっては、その製造が、半導体デバ
イスに適用される成膜技術やマイクロ加工技術によって
行われるようになり、より小型でかつ廉価な記録ヘッド
が実現されつつある。これに伴い、装置全体の構成も小
型かつ簡潔なものが得られるようになった。
【0005】一方、以上述べたような数々の利点を有す
るインクジェット記録装置は、パソコン用プリンタ、プ
リンタ一体型パソコン、電子タイプライタ、ワードプロ
セッサ、ファクシミリ、複写機等、種々の装置の記録装
置として広範囲に用いられつつある。この場合、インク
ジェット記録装置としては、これら装置のそれぞれに固
有な機能、および使用態様等に対応した構成を備えてい
る。
【0006】また、このようなパソコン用プリンタ、プ
リンタ一体型パソコン、電子タイプライタ、ワードプロ
セッサ等では、その普及性の観点から小型かつ軽量で携
帯可能、さらに廉価なものが、その傾向の一つとしてあ
り、この見地からも、これらの装置に用いられるインク
ジェット記録装置としては小型かつ簡潔で、さらに廉価
な構成が望まれている。
【0007】ところで一般にインクジェット方式による
記録装置においては、記録ヘッドとして微細な吐出口を
配列したものが用いられるので、吐出口内に気泡や塵埃
が混入した場合、あるいはインク溶剤の蒸発に伴う増粘
等によってインクが正常に吐出されないとか記録に適さ
ない状態となった場合、吐出不良要因を除去する処理
(吐出回復処理)がなされるようにしている。このよう
な吐出回復処理を行う手段の一形態としてインク吐出口
に連通する液路に設けたインク吐出エネルギー発生素子
を駆動することによりインクをインク吐出口から吐出さ
せ(予備吐出という)吐出不良の要因を除去するように
したものが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のこ
のようなインクジェット記録装置において、記録中に上
記の予備吐出を行う場合、ある所定時間ごとに記録領域
外に記録ヘッドを移動させてそこでインクを吐出させる
ようにしているため、予備吐出を行うことにより所要記
録時間が長くなってしまい、さらに頻繁に予備吐出を行
うことによりインクを無駄に消費してしまうという問題
があった。
【0009】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、インクの不吐出や吐出不良を
低減し、記録所要時間の短縮と共にランニングコストの
低減を図ることのできるインクジェット記録装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明に関わるインクジェット記録装置は、イン
ク吐出口からインクを吐出して記録を行う記録ヘッドを
有するインクジェット記録装置であって、前記インク吐
出口の面に対して覆蓋・開放可能なキャップ手段と、前
記記録ヘッドに対し所定の吐出回復処理動作を行う吐出
回復手段と、前記記録装置内の雰囲気温度および/また
は雰囲気湿度を検出する検出手段と、前記雰囲気温度お
よび/または雰囲気湿度に対応する吐出回復動作が設定
されているテーブルを有する記憶手段と、一連の記録開
始直前に検出された雰囲気温度および/または雰囲気湿
度に基づき、前記テーブルから対応する吐出回復処理動
作を選択する選択手段と、該選択手段により選択された
吐出回復処理動作を前記一連の記録中に行うように制御
する手段とを具備することを特徴とするものである。
【0011】なお、前記選択手段の例としては、一連の
記録動作の開始直前の前記キャップ手段が開の状態にな
るときに前記雰囲気温度および/または雰囲気湿度に基
づいて前記記憶手段により記憶された前記吐出回復処理
のテーブルを選択することを挙げることができる。
【0012】なお、前記吐出回復手段が行う吐出回復処
理の動作の例としては、前記インク吐出口からインクを
吐出してインク吐出の回復を行う処理を挙げることがで
きる。
【0013】また、前記吐出回復処理動作は、前記雰囲
気温度および/または雰囲気湿度に対して前記吐出回復
処理の実行間隔が設定されていることを特徴とする。
【0014】また、前記吐出回復処理動作は、前記雰囲
気温度および/または雰囲気湿度に対してインク吐出回
数が設定されていることを特徴とする。
【0015】また、前記記録ヘッドは、熱エネルギーを
利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、インク
に与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を
備え、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギ
ーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮により生
じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させ
るものであることが好ましい。
【0016】さらに、本発明は、少なくとも制御部を備
えた複写機に好適である。
【0017】また、本発明は、少なくとも制御部および
ファクシミリ送受信部を備えたファクシミリ装置に好適
である。
【0018】さらにまた、本発明は、少なくとも入力
部、制御部および表示部を備えたワードプロセッサに好
適である。
【0019】また、本発明は、コンピュータ機器に好適
である。
【0020】
【作用】本発明によれば、記録中に吐出回復処理として
予備吐出を行い、ある所定時間ごとに記録領域外にヘッ
ドを走査させてそこでインクを吐出させる場合でも、テ
ーブルから記録開始直前に検出された記録装置内の雰囲
気温度および/または雰囲気湿度に基づいて選択された
吐出回復処理動作を行うことにより、常に最適な予備吐
出を行うことが可能となり所要記録時間が短くなり、さ
らに頻繁に予備吐出を行うこともなく無駄なインクの消
費を避けることができる。
【0021】
【実施例】以下に図面に基づいて本発明の実施例を具体
的に説明する。
【0022】図2は、本発明の実施例にかかるインクジ
ェット記録装置の一例を示す。同図において、キャリッ
ジ1には、記録手段を構成する記録ヘッド2とインクタ
ンク3とが一体に連結されたヘッドカートリッジ4が搭
載されている。このキャリッジ1の記録ヘッド2側の端
部は、本装置のフレームをなすシャーシ5に回動自在に
支持されるリードスクリュー6に沿って摺動可能に嵌合
されており、キャリッジ1の他方の端部は、シャーシ5
にリードスクリュー6と平行に形成されたガイドレール
7にそのガイド部が摺動自在に嵌め合わされている。そ
してキャリッジ1は、その姿勢を常に一定に保ちつつリ
ードスクリュー6の回転に伴ってその軸方向に往復移動
する。
【0023】なお、リードスクリュー6には、その左端
にリードスクリューギア8が設けられていて、このギア
8とキャリッジモータ9の出力軸に取付けられたピニオ
ンギア10とが噛合する。また、リードスクリュー6に
ネジ状に所定のピッチで形成された案内条6Aに、キャ
リッジ1に設けられているリードピン(図示せず)が嵌
め合わされている。従って、キャリッジモータ9の正
転、逆転駆動に伴ってリードスクリュー6を正逆回転さ
せることによりキャリッジ1を往復運動させることがで
きる。11はフレキシブルケーブルで後述の電気回路か
ら記録ヘッド2に記録信号を送給するものであり、その
中間の一部がフレキシブルケーブルホルダ12を介して
ピンチローラフレーム13に位置決め保持されている。
【0024】上述のキャリッジ1の往復移動(往復走
査)に同期して記録ヘッド2からインクを吐出すること
により、記録シート14に一行分の記録を行うことがで
きる。すなわち、この記録ヘッド2は微細なインク吐出
口、液路およびこの液路の一部に設けられたエネルギー
作用部と、この作用部においてインクに作用するエネル
ギーを発生するエネルギー発生手段を備えている。そし
てこの手段が発生するエネルギーを利用してインク滴を
上記インク吐出口から吐出させ、記録が行われる。
【0025】なお、このようなエネルギーを発生するエ
ネルギー発生手段としては、ピエゾ素子などの電気機械
変換体を用いたもの、レーザなどの電磁波を照射して発
熱させ、この発熱による作用で液滴を発生させるもの、
あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液
体を加熱させるものなどがある。
【0026】その中でも熱エネルギーを利用して液体を
吐出させる方式の記録ヘッドは、上記液体吐出口を高密
度に配列することができるために高解像度の記録をする
ことが可能である。その中でも電気熱変換素子をエネル
ギー発生手段として用いた記録ヘッドは、コンパクト化
も容易であり、かつ最近の半導体分野における技術の進
歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術
の長所を十二分に活用でき、高密度実装化が容易で、製
造コストも安価なことから有利である。
【0027】かかるインクジェット記録ヘッド2ではキ
ャリッジ1の走査によって一行分の記録が行われると、
記録シート14が搬送手段によって一行分シート送りさ
れ次行の記録を行うものであるが、この記録シート14
の搬送は、搬送ローラ15およびこれに圧接するピンチ
ローラ16の一対の回転体と、排出ローラ19およびこ
れに当接する拍車18の一対の回転体とによって行われ
る。
【0028】このような搬送動作を具体的に説明する
と、記録ヘッド2のインク吐出口面に対向する記録シー
ト14を、ピンチローラ16によって搬送ローラ15に
圧接させた状態に保ちつつ、搬送ローラ15をシート送
りモータ17によって適宜回転させることにより、次の
記録のための必要な分だけ搬送が行われる。このように
して、シート上に記録が行われた後は、拍車18によっ
て記録シート14を排出ローラ19に圧接させた状態に
保ちつつ、排出ローラ19を回転させることによって記
録済のシート14を装置外へと排出搬送する。なお、搬
送ローラ15および排出ローラ19の駆動はシート送り
モータ17によって行われるが、その駆動力の伝達は減
速歯車列20を介して行われるものである。
【0029】21はペーパーセンサであり、記録シート
14の有無を検出する。また22はフォトインタラプタ
からなるホームポジションセンサであり、キャリッジ1
に取付けられた遮断板230による遮断/遮断解除によ
ってキャリッジ1がホームポジション(H・P)にある
ことを検出する。また、25は記録装置近傍の雰囲気温
度を検知するための温度センサである。
【0030】図3は、インクタンク3と一体型のヘッド
カートリッジ型記録ヘッド2を示すもので、2Aはその
インク吐出口面、2Bはインク吐出口である。非記録時
には、インク吐出口面2Aに後述するキャップ410を
覆蓋させた状態に保つことによりインク吐出口2Bを完
全に覆うことができる。なおここで、記録ヘッド2は、
図示しないがインク吐出に利用される熱エネルギーを発
生する複数の電気熱変換素子およびこれを駆動するため
の駆動回路が形成された基板と、この基板上に上記複数
の電気熱変換素子の各々に対応した吐出口および液路、
さらには各液路に連通する共通液室を形成するための天
板とが積層されることによって構成され、さらには前記
駆動回路に記録装置本体から信号を与えるための電気的
接点2Cが設けられている。
【0031】さらに、記録ヘッド2の状態を記録装置本
体から検知するためのセンサを記録ヘッド2内に配する
ことが可能であり、具体的には、上記の電気熱変換素子
近傍の温度を検知するための温度検知センサ、上記の共
通液室内からインクがなくなった場合にこれを検知する
インク残量検知センサ、あるいは、インクタンク3内の
インクの種類や記録ヘッド2の種類が異なるものを交換
しながら使用する場合にヘッドカートリッジ4の種類を
特定するためのヘッド種類判別センサ等を必要に応じて
設けることができる。そして、これらのセンサからの信
号を記録装置本体で判断して電気熱変換素子に印加する
信号を制御することにより最適の記録状態を保たせるよ
うにすることができる。なお、このような構成の記録ヘ
ッド2はその吐出口2Bが配列されている吐出口面2A
を記録シート14と対向させるようにしてキャリッジ1
に搭載されるものである。
【0032】インクタンク3は、インクを保持しながら
記録により消費されたインクを補うために適宜記録ヘッ
ド2にインクを供給するためのものであり、インクタン
ク3単体で存在するときにはインク供給孔(不図示)か
らインクが漏れないように図示しない封止手段によって
封止されている。この封止手段は記録ヘッド2と一体化
された時点で自動的あるいは手動によって開放され、イ
ンク流路が形成される。このような封止手段は、たとえ
ば金属球をゴム栓にバネで押圧しておく機構で実現する
ことができる。また、インクの消費により減少するイン
ク体積に応じて外部から大気を導入するような機構を備
えていてもよい。さらには、記録ヘッド2に供給するイ
ンクの圧力をわずかに負圧に保つ機構を内部に持つこと
で、記録品位を向上させインク漏れを防止することもで
きる。
【0033】40は、記録ヘッド2のインク不吐出を防
止するための吐出回復装置であり、この吐出回復装置4
0の詳細を図4〜図7に従って説明する。
【0034】図4に示すように、吐出回復装置40は記
録ヘッド2の吐出口面2Aをキャッピングするキャップ
410と、その内部を負圧にし、吐出口面2Aからイン
クをキャップ410を介して吸引して、不図示の排イン
ク吸収体に送り出すポンプユニット420と、さらには
前記キャップ410を吐出口面2Aに対してその前後方
向に移動させると共に、ポンプユニット420に駆動力
を伝達し、さらに吐出口面2Aに付着したインクを拭き
取るワイピング機構430を動作させるためのカムおよ
び歯車機構からなる伝動機構部のコントローラギア44
0とで構成されている。なお、コントロールギア440
は、クラッチギア(不図示)を介して図2に示したキャ
リッジモータ9により駆動されるもので、キャリッジモ
ータ9からの伝達は上記クラッチギアによってキャリッ
ジ走査と回復系駆動とに切り替えられる。
【0035】ついで、コントロールギア440の回転に
よって吐出回復装置を駆動させる機構の構成について説
明する。
【0036】コントロールギア440には、キャップ開
閉用カム441とワイピング動作用カム(不図示)とが
形成されている。また、このコントロールギア440
は、ポンプユニット420の後述するプランジャ421
を往復移動させるために、プランジャ421と同軸に配
設されたストロークギア422と噛合されており、コン
トロールギア440が回転することによって、ストロー
クギア422を回転させ、プランジャ421を往復運動
させることができる。
【0037】さらにまた、図4において、431はワイ
ピング機構430に設けられているブレードであり、記
録ヘッド2のインク吐出口面2Aをワイピングしてクリ
ーニングするものである。このブレード431はアクリ
ロニトリルブタジエンラバー、ウレタン等の樹脂系ゴム
でできており、成型によってくの字形状を呈するよう形
成され、ブレードスライダ432に取付けられている。
なお、ブレードスライダ432には、フレーム433に
記録ヘッドの吐出口面2Aと平行に支持されているスラ
イド軸434に沿って可動なように貫通穴432Aが設
けられており、スライド軸434に沿って往復運動する
ブレードスライダ432により、ブレード431の記録
ヘッド吐出口面2Aに対する侵入量を、吐出口面2Aの
どの位置においても常に一定に保ち、吐出口面2Aを均
一にワイピングすることができる。
【0038】ブレードスライダ432の往復運動は、後
述するブレードリンク435によって行われるもので、
ブレードリンク435の突起435Aがブレードスライ
ダ432の壁部の係合溝432Bと係合することによっ
てブレードスライダ432を往復運動させる。なお、ブ
レードリンク435はコントロールギア440に形成さ
れているワイピング動作用カム(不図示)によって、そ
の動作が制御されるものである。
【0039】かくしてブレードスライダ432の往復運
動により記録ヘッド2の吐出口面2Aをワイピングし、
ブレード431に付着したインクをブレードクリーナ4
36に転写させ、ブレード431を常に清浄な状態に維
持させることができる。すなわち、ワイピング動作によ
り、図4で矢印A方向に移動してきたブレード431が
吐出口面2Aをすべて掃拭し終えた後、このブレードク
リーナ436に接触し、その際にブレード421上のイ
ンクが、ブレードクリーナ436に吸収される。
【0040】なお、ブレード431がブレードクリーナ
436に常時接触しているのでは、ゴムのクリープ現象
により、ブレード431が変形してしまい、本来の性能
を発揮できなくなる。そこで、コントロールギア440
のワイピング動作用カムによって、ブレード431がブ
レードクリーナ436と接触した後は、図中矢印A方向
とは逆のA′方向にブレード431を移動させて、ブレ
ードクリーナ436から引離して、ブレード431に外
力が加わらないようにしている。
【0041】またブレードリンク435が、キャリッジ
モータ9の正転、逆転双方で、常にコントロールギア4
40のワイピング動作用カムに追従しながら制御される
ので、コントロールギア440の回転角によって、ブレ
ードリンク435の回動動作が一意的に決まる。すなわ
ち、ブレード431の位置がコントロールギア440の
回転角度によってのみ制御されることになり、キャリッ
ジモータ9の逆転によって、吐出回復装置40の領域に
入ってきた直後にワイピング動作を実施すると、つづく
キャリッジモータ9の正転によって、吐出回復装置40
の領域から抜け出す際にもワイピング動作を行うことに
なる。したがってブレード431の両面で吐出口面2A
をワイピングすることになる。しかし、ブレード431
はその先端をカットする場合に裏表ができるために、本
質的には片面でしかワイピングはできず、ワイピングに
使用できる面とは逆の面でワイピングを行うと、一般に
は記録不良の原因となる虞がある。そこで、まず図2に
示すように遮蔽板230の先端の一部に傾斜部を設け、
キャリッジ1が吐出回復装置40の領域に入ってきた際
に、遮蔽板230の傾斜部がブレードストッパ437を
図4に示す矢印B方向に回動させるようにする。
【0042】そこで、以下に図5にしたがってこのよう
な一連の動作について説明する。
【0043】図5の(A)はキャリッジ1が回復装置領
域に移動してきて、装置40に設けたブレードストッパ
437とキャリッジ1の遮蔽板230とが係合しあった
状態を示す。そこで、この状態で次にクラッチギアの切
り替わりにより図4に示したコントロールギア440が
時計回りの回転を始めると、前述のようにそれに伴っ
て、図5の(B)に示すようにブレードリンク435が
図中C方向に回動し始める。そして、図5の(C)に示
す位置にまでブレードリンク435が回動したところで
ブレードリンク435のばね掛け部435Aがブレード
ストッパ437の第1アーム437Aに係合し、ブレー
ドストッパ437を矢印D方向に回動させ始める。
【0044】ついで、図5の(D)に示す位置までブレ
ードリンク435が回動させられたところで、ブレード
ストッパ437の第1アーム437Aがブレードリンク
435のばね掛け部435Aから外れ、ブレードばね4
38のばね力で図中矢印E方向に回動させられる。しか
しこのとき遮蔽板230がブレードストッパ437の第
2アーム437Bの下方に位置することによってその回
動が止められるために、図5の(E)に示す位置まで回
動したところで、ブレードストッパ437の回動が停止
される。
【0045】そして、この後、キャリッジモータ9が正
転され、ブレードリンク435がコントロールギア44
0のワイピング用カムから外れることによりブレードば
ね438のばね力により、今度は図中矢印F方向に引戻
され、図5の(E)に示すようにブレードストッパ43
7によってブレードリンクの回動が止められる。
【0046】最後にキャリッジ1が完全に回復装置領域
から抜けると、図5の(F)に示すように遮蔽板230
による拘束がなくなるため、ブレードストッパ437が
ばね439のばね力によりさらにE方向に回動しブレー
ドリンク435がばね438のばね力により回動し、ブ
レード431を図4の矢印A′方向の最大移動位置まで
移動させて待機させる。このようにしてキャリッジ1が
回復装置40の領域に移動してくる場合と出る場合と
で、ブレード431のワイピング軌跡を変えることによ
り、ブレード431の逆面でワイピングを行わないよう
にしている。
【0047】さらにまた、図4において、442はキャ
リッジストッパであり、落下、振動によってキャリッジ
1がこの領域から記録位置に抜け出すのを防止するため
に設けられている。キャリッジストッパ442はキャリ
アフックばね443によって常に矢印G方向に付勢力を
付されており、記録中はコントロールギア440から突
設した掛止突起444によりキャリッジ1に設けたキャ
リアフック231(図2参照)から待機した位置に保持
されている。
【0048】ここで、その動作の説明をすると、キャリ
ッジ1が回復装置40の領域に移動してきて、クラッチ
ギアの切り替わりによりキャリッジモータ9が逆転され
コントロールギア440が時計回り方向に回転を始める
と、コントロールギア440の係止突起444がキャリ
ッジストッパ442を拘束から解放し、キャリッジスト
ッパ442が図4の矢印G方向に回動することによりキ
ャリッジフック231に係合する。このように記録を行
っていない待機状態では、キャリッジストッパ442が
キャリッジフック231と係合状態に保たれることによ
り、キャリッジ1が記録位置に抜け出るのを防止してい
る。
【0049】次に図6に従ってポンプユニット420の
構成について説明する。
【0050】なお、本例のポンプユニット420はプラ
ンジャポンプとして構成されるもので、422はそのシ
リンダ部であり、円筒状のシリンダ422Aと、プラン
ジャ421のガイド部(不図示)とを有しており、軸方
向に一部が切欠かれていて、インク流路を形成してい
る。423はキャップレバー受けであり、キャップレバ
ーシールが嵌入される。また、424はインク吸引口で
あり、シリンダ422Aの所定の位置に開口している。
425は排インク管であり、シリンダ422Aと一体に
形成されていて、その先端部には排インク吸収体426
が挿入してある。また、427はコントロールギア44
0のキャップ開閉用カム441(図4参照)に摺接する
平行ピンであり、コントロールギア440の回転に伴い
キャップ開閉用カム441によって平行ピン427が案
内されることで、シリンダ部422を回動させてキャッ
プ410を記録ヘッド2の吐出口面2Aに密着および離
隔させる開閉動作を行う。
【0051】ついで、図7によりコントロールギア44
0のキャップ開閉用カム441とキャップ開閉動作との
関連について説明する。
【0052】キャップ開閉用カム441には切換えシー
ト442が設けられており、キャリッジモータ9の正転
および逆転に従ってこの切換えシート442によりキャ
ップ開閉の動きを変えることが可能である。なお、本実
施例では、後述するようにキャップ410内に予備吐出
をするようになっているために、記録中にキャップ41
0内に溜まったインクを、キャリッジ1が回復装置40
の領域に移動してきてキャッピングが行われる前に、一
度キャップ410内のインクをシリンダ部422に吸引
する必要がある。
【0053】そこでキャリッジモータ9の逆転によって
コントロールギア440が回転し始めると、シリンダ部
422の平行ピン427はまずカム面441Aに沿って
移動する。なお、図7ではコントロールギア440の中
心に近いカム面の位置にあるほどキャップ410が開い
ている状態となる。したがって、この場合、キャップ4
10は開いたまま吸引が可能であり、以下にこの吸引を
予備吐出吸引と呼ぶ。
【0054】次にコントロールギア440が回転し終え
て、吸引動作が終了し、キャリッジモータ9が正転を始
めると、今度は平行ピンがカム面441面に沿って移動
し、コントロールギア440の回転開始から初めてキャ
ップ410が閉じることになる。なお通常記録ヘッド2
はこのキャップ閉の状態で待機している。そして、その
後記録を始める場合には、キャリッジモータ9の正転に
よりコントロールギア440が図7で矢印H方向に回転
する。しかし吸引を始める場合には、キャリッジモータ
9の逆転によりコントロールギア440が矢印H′方向
に回転する。この場合は平行ピン427がカム面441
Bに沿って移動するため、本来のキャップ410を閉じ
たままで吸引が行える。このように切換えシート442
を設けたことによって、コントロールギア440、1つ
で本来の回復用吸引と予備吐出用吸引との2つの吸引動
作を行わせることができる。
【0055】また記録中は平行ピン427がカム面に設
けられた切り欠き部441Cに入り込んでおり、キャッ
プばね428(図4参照)のばね力によって発生する押
圧摩擦力でコントロールギア440が回転しないように
している。このことは、もし記録中にコントロールギア
440が回転すると、不適切な場合に回復動作が開始さ
れることになり、正常な記録が不可能になるので、これ
を防止するためである。
【0056】再び図6に戻り、ここでプランジャ421
には動作軸421A、ピストン受け421B、ピストン
押さえ421Cおよびポンプシール押さえ421Dが形
成されており、インク流路となる溝(以下で流路溝とい
う)421Eが前記動作軸421Aに連接する軸部に形
成されている。なお、この流路溝421Eはその一部が
前述のシリンダ部422のガイド部(不図示)に嵌合さ
れており、プランジャ421の回動動作を禁止してい
る。一方、動作軸421Aにはプランジャ420の往復
運動を制御するリード溝421Fが形成されており、ス
トロークギア422の内面に形成された不図示の突起部
がこのリード溝421Fに摺動自在に嵌め合わされてい
る。したがって、キャリッジモータ9の逆転駆動により
ストロークギア422を一方向に回転させることで、プ
ランジャ421を図6で矢印I方向にストロークさせ、
また、キャリッジモータ9の正転駆動によりストローク
ギア422を他方向に回転させることで、プランジャ4
21を図6の矢印J方向にストロークさせることができ
る。
【0057】プランジャ421にはシリコン等のゴム材
で構成されたピストン428が取付けられている。この
ピストン428の外径はシリンダ422Aの内径より所
定量大きく構成されており、前記シリンダ422Aに挿
入された状態で適度に圧縮されるようになっている。こ
れによりプランジャ421が図6で矢印I方向にストロ
ークすることで負圧を発生し、キャップ410によって
インク吐出面2Aを覆蓋した状態に保ちつつ記録ヘッド
2内のインクを吸引する。次に矢印J方向にストローク
することで前記吸引したインクを廃インク管425から
廃インク吸収体426へと排出させ、強制排出による吐
出回復処理を行わせることができる。なお、「強制排出
による吐出回復処理」とは、気泡や塵埃、増粘して記録
に適さなくなったインク等の吐出不良要因を吸引除去す
る処理である。
【0058】また、プランジャ421にはポンプシール
429が取付けられており、このポンプシール429は
シリコン等のゴム材で構成されていて、前記プランジャ
421と所定の圧接力が得られるように、その内径はプ
ランジャ421の外径より若干小さ目に設定されてい
る。そしてシリンダ422A内をプランジャ421に設
けたポンプシール押さえ421Dおよびピストン受け4
21Bに押されて、往復移動することが可能である。な
お、表面に潤滑塗装を施して、シリンダ422Aとプラ
ンジャ421との間の摺動力を低減してもよい。またシ
リンダ422A内のグリスを廃止する目的で、自己潤滑
性のあるゴムを使用してもよい。
【0059】図6において、411はキャップ410と
一体に構成されたキャップレバーでありその一方の回動
軸411Aがシリンダ422Aのキャップレバーシール
422Bに、また他方の回動軸411Bがシリンダ42
2Aの支持穴422Cにスナップフィットでそれぞれ回
動自在に嵌め合わされている。またここで、記録ヘッド
2のインク吐出口面2Aを覆蓋するキャップ部材412
は塩素化ブチルゴム等の弾性材料で形成されておりキャ
ップレバー411のキャップ取付部411Cに取付けら
れている。なお、このキャップ部材412は、非記録時
等における記録ヘッド2の保護や、その吐出回復処理に
際して用いられるものである。
【0060】さらにまた、413は予備吐出パッドであ
り、ブレードクリーナ436(図4参照)と同様に高分
子吸収体でできており、キャップレバー411内に装着
されている。この予備吐出パッド413は、記録中に通
常の記録作業とは別にインクを吐出させる予備吐出のイ
ンクを吸収するためのものである。なお、予備吐出と
は、吐出口内のインク乾燥を防止するために、キャップ
410を前記記録ヘッド2のインク吐出口面2Aの対向
位置に導いた上、インク吐出口2Bの吐出エネルギー発
生素子を駆動することにより全吐出口2Bからインクを
吐出させる処理である。先の述べた廃インク吸収体42
6は、シリンダ422A内の廃インクを確実に転写する
役目をなすもので、これもまた、高分子の吸収体で形成
されている。
【0061】図8は、キャリッジモータ9の回転駆動力
による回復装置40での各部材のタイミングチャートを
示す。なおこの図ではキャリッジ1が回復装置40の領
域に導かれてから、クラッチギア(不図示)によりコン
トロールギア440が回転を開始する時点を、キャリッ
ジモータ9の0パルスとしている。なお、本実施例で
は、キャリッジモータ9が240ステップ(5回転)を
正転、逆転することによって、すべての回復動作が行わ
れるようになっており、キャリッジモータ9の回転は先
にも述べたようにクラッチギアを介して、コントロール
ギア440およびストロークギア422に伝達されるも
のである。また、プランジャ421はその往復動作がス
トロークギア422の回転によって制御されるため、キ
ャリッジモータ9の回転と同時に移動を始め、(D)に
示すようにその往復運動とキャリッジモータ9の回転と
は一対一の対応となっている。一方、ブレード431の
動きは(E)に示すようにキャリッジモータ9の正転、
逆転により一部その経路が変わるようになっている。ま
たキャップ410は、切換えシート442によって、予
備吐出吸引ができるように、キャリッジモータ9の0パ
ルスからの逆転で回復動作が開始された場合には、
(F)で一点鎖線によって示すようにキャップ410は
開いたままの状態でプランジャ421が動作する。
【0062】次に、以上説明したインクジェット記録装
置を組み込んだ情報処理装置の構成とその電気回路とに
ついて説明する。
【0063】図9は本実施例にかかる記録装置を組み込
んだ情報処理装置50の一例を示すものである。本例の
情報処理装置50は、いわゆるパーソナルコンピュータ
で、しかも上記インクジェット記録装置を一体に備えた
ハンディタイプのものである。同図において、500は
上述のインクジェット記録装置からなるプリンタ部、5
10は文字や数字およびその他のキャラクタを入力する
ためキー511や、各種指令を与えるためのキー512
などを備えたキーボード部、520は処理情報を表示す
る表示部であり表示画面521を備えている。
【0064】プリンタ部500に設けた窓501は例え
ば透明プラスチック等で形成されていて、窓501を介
して、ヘッドカートリッジ4の動作等を視認することが
できる。なお窓501はインクタンク3の交換等に際し
て開閉できるよう構成されている。また、キー502,
503等はプリンタ部500における回復処理、記録シ
ート搬送等、プリンタにおける動作を独自に指示するた
めのものである。513はキーボード部510の前面に
開口する給紙口、514はその側面に開口するフロッピ
ディスク着脱口である。表示部520は、携帯時等に、
キーボード部510と一体に折り畳むことが可能なよう
に図中矢印b方向に回動可能なように連結されている。
また、キーボード部510は、プリンタ部500に対し
て記録シート14をセットするような際には図中矢印a
方向に回動させることができる。
【0065】図1は上述した情報処理装置50の電気回
路の構成を示すブロック図である。同図において、60
1は主制御をなすコントローラであり、602はある手
順を実行する例えばマイクロコンピュータ形態のCP
U、603はテキストデータや画像データを展開したり
する領域や作業用の領域などを有するRAM、604は
前記手順に対応したプログラムやその他フォントデータ
などの固定データを格納するROM、605はCPU6
02の実行サイクルを作り出したりプリンタ部500に
よる記録動作の際に必要なタイミングを作り出すタイ
マ、606はCPU602からの信号と周辺装置を結ぶ
インターフェイス部である。また、607はプリンタ部
500のコントローラであり、608は記録ヘッド2の
有無、種類、記録ヘッド2の温度を検出するセンサの出
力値、インクタンク3内のインクの有無を検出するセン
サの出力等、記録ヘッド2の情報を検出するヘッド検出
部、609は記録ヘッド2の記録データを蓄えるための
ラインバッファ、610は記録ヘッド2に記録信号や電
力などを送出するヘッドドライバ、611A〜611C
はそれぞれキャリッジモータ9、シート送りモータ1
7、自動給送用モータ300を駆動するのに必要な信号
や電力などを送出するモータドライバ、612はホーム
ポジションセンサ22、ペーパーセンサ21、温度セン
サ25、湿度センサ26等のセンサの出力を検出するセ
ンサ検出部である。さらに、70は例えばFDD、HD
D、RAMカードなどの外部記憶装置、80は例えば他
の情報処理装置と通信を行ったり、内部のバスに直接接
続して周辺機器を制御したりするための外部インターフ
ェイスである。なお、図1のブロック図には含まれてい
ないが、他に上記の電気回路に電力を供給するための電
源部があり、これには例えば充電式のバッテリや、使い
捨ての乾電池、あるいは情報処理装置本体を固定して使
用する場合のAC電源用変換器などがあり、本実施例に
おいては記録装置の電源が切られた場合でも、記録装置
内の雰囲気温度と雰囲気湿度の履歴データをRAM60
3に記憶するために不図示の乾電池等のサブバッテリを
備えている。
【0066】上述の回路構成によってプリンタ部による
記録が行われるが、以下に、その記録動作の制御シーケ
ンスの概略を図10以下のフローチャートに従って説明
する。
【0067】図10は、電源投入時、すなわち、パワー
オン処理S2時における一連の制御手順を示すフローチ
ャートである。
【0068】まず、ステップS11においてホームポジ
ションイニシャライズ、すなわち、キャリッジ1の初期
位置を確定させる。具体的にはキャリッジモータ9を駆
動し、ホームポジションセンサ25の出力が切り替わる
位置をキャリッジ1の初期位置とした後、キャリッジモ
ータ9をさらに駆動して記録ヘッド2の吐出口面2Aを
キャップ410によって覆蓋しキャッピング状態とす
る。次にステップS12に進み、シート送り、および自
動送給のイニシャライズを行う。具体的には、シート送
り駆動機構における遊びを除去するためにシート送りモ
ータ17を逆方向および順方向にそれぞれ所定量駆動す
る。ついで、ステップS13に進みコントローラ601
のタイマ605によって最後に記録ヘッド2における吐
出あるいは吸引が行われてから現在までの時間を計時
し、そのインターバルが所定時間n以上であればステッ
プS14に進んで記録ヘッド2の回復処理を行い、n以
下であればステップステップS15に進む。なお、ステ
ップS14おいてなされる記録ヘッド2の回復処理とし
ては、記録ヘッド2のキャップ410内へのインク吐出
とさらにブレード431による記録ヘッド2のインク吐
出口面2Bからのインク吸引等を行う。
【0069】このような一連の回復処理動作によって、
長時間記録ヘッド2が未使用で放置された結果として、
記録ヘッド2の吐出口面2Aに蒸発により粘度の上昇し
たインクが付着し吐出不良等が発生するのを未然に防ぐ
ことができる。ついで、ステップS14終了後ステップ
S15に進みペーパーセンサ21がシート有りを検出し
たか否かを判断する。ここで、シート有りの判断であれ
ばステップS16に進みシートなしの判断であればこの
回復処理S2を終了する。なお、ステップS16におい
ては検出されたシートを排出するもので、すなわち、ペ
ーパーセンサ21がシートなしを検出した後所定量まで
シート送りモータ17が順方向に駆動してパワーオン処
理S2を終了する。
【0070】図11は電源遮断時すなわちパワーオフ処
理S2の時の制御手順を示すフローチャートである。
【0071】まずステップS21において、記録ヘッド
2がキャッピング状態にあるか否かを判断し、キャッピ
ング状態になければステップS22に進み、キャッピン
グ状態であればステップS23に直接進む。なお、ステ
ップS22においてはキャリッジモータ9を駆動するこ
とにより、記録ヘッド2をキャッピング状態とするもの
である。そして、次のステップS23において記録装置
の電源をオフとし機能を停止する。本処理によれば、記
録ヘッド2がキャッピング状態にない場合、すなわち、
記録実行中等に電源スイッチがオフ状態にされた場合に
おいても確実に記録ヘッド2をキャッピング状態にした
後電源オフとするため、記録ヘッド2の吐出口面2Aが
大気にさらされることによりインクの蒸発によって粘度
の上昇を来し、ために吐出不良が発生するのを防止する
ことができる。
【0072】図12は装置の一時停止時における処理S
5の動作手順を示すフローチャートである。
【0073】まずステップS31において現在実行中の
処理の有無を判断し、実行中の処理があればステップS
32に進み、なければステップS33に進む。そして、
ステップS32において現在実行中の処理を所定分だけ
実行する。具体的には、記録実行中であれば実行中の行
の記録が終了するまで、また、シート送りや自動送給動
作中であればその動作完了まで、その動作を実行する。
なお、シート排出中であれば即時に排出動作を中断する
ことも含まれている。次にステップS33に進み現在の
状態を記憶する。すなわち、中断した処理があれば中断
した状態、表示部351や操作パネル(不図示)の状
態、オンライン、オフラインの状態、あるいはバッテリ
電源のための省力モードがあればその状態等をメモリに
保存する。そして次にステップS34に進み記録ヘッド
2をキャッピング状態にする。なお、すでにキャッピン
グ状態にあればそのままでよい。ついでステップS35
に進んで一時停止状態において不必要な部分の電源をオ
フとなし、一時停止処理S5を終了する。本処理S5に
よれば、記録実行中に一時停止信号が検出されても記録
ヘッド2のキャッピングを確実に行うことができ、記録
ヘッド2がキャッピングしていて放置され吐出不良が発
生することを防止できる。
【0074】図13は記録動作時の処理S6の動作手順
を示すフローチャートである。
【0075】まずステップS61において記録を実行す
るコマンド、例えばシート送りコマンドや記録すべきデ
ータの受信の有無を判断する。そして、肯定の判断の場
合にはステップS62に進み、否定の判断の場合にはこ
の処理S6を終了する。ステップS62においてはオン
ライン状態にあるか否かを判断し、オンライン状態なら
ばステップS63に進み、否定の判断の場合は本処理S
6を終了する。ステップS63においては記録開始のた
めの処理を行うもので、具体的には、記録ヘッド2内の
ヒータによって記録ヘッド2の温度調整を行うとか、記
録ヘッド2の記録領域外での吐出による吐出調整を行っ
たり、キャリッジモータ9の正逆走査時のズレ量をホー
ムポジションセンサ22によって計測し、双方向記録時
のズレ補正を行ったりする。
【0076】なお、ステップS63では、この時点で温
度センサ25および湿度センサ26により検知されたプ
リンタ近傍の温度および湿度に基づき、ROM604に
格納されている図14に示すような「雰囲気温度および
雰囲気湿度に対する吐出回復処理の実行間隔」のテーブ
ルから吐出回復処理実行間隔を読み出しておき、読み出
した実行間隔に基づいて吐出回復処理を記録の最中に実
行するものである。
【0077】ここで、本発明において実行される吐出回
復処理動作の実行間隔決定について説明しておく。
【0078】インクジェット記録に一般に使用される記
録液(インク)は、染料を色材としてこれを水や少量の
溶剤、添加物等に溶解して構成されているが、インクジ
ェット記録ヘッド2内に導かれた場合、その吐出口2B
においてはインクが直接空気と接触する。したがって、
インク吐出口2B近傍からインクが蒸発し、インクの粘
度上昇が生ずる。そしてインクの粘度上昇に伴い、記録
時における吐出の妨げとなり、記録画像の劣化を招くこ
とになる。
【0079】本発明者らはこの点について研究を重ねた
結果、インクジェット記録ヘッド2内のインクの蒸発と
吐出不良に対し、一定の相関関係を見いだした。
【0080】一般に液体が蒸発する際の速度は、その周
囲の温度や湿度により影響を受ける。すなわち、温度が
高いかあるいは湿度が低いほど蒸発は促進される。そこ
で、本実施例に使用するインクに関して、その粘度の変
化を一定の温・湿度のもとで頻繁に、吐出口2B近傍に
おける粘度の経時変化として図15から図17に示すよ
うな結果が得られた。なお、本実施例の記録装置では、
粘度が10cPを越えると吐出不良を招くため前述の吐
出回復操作を必要とする。
【0081】そこでいま、例えば、温度5℃、湿度40
%下において15秒間吐出口がその空気にさらされると
図15に示すように増粘し吐出不良を引き起こす。また
温度35℃、湿度60%下では図17に示すように経過
時間が28秒になるまでは吐出不良を起こさない。そこ
で、これらの傾向に基づいて図14に示すテーブルを設
け、記録開始時に検出した温度と湿度との値から、該当
する記録中の吐出回復処理の実行間隔を決定し、記録動
作を開始するようにした。
【0082】なお、上記実施例では温度と湿度との双方
の条件によって制御を行う場合について説明したが、温
度または湿度のみの条件に基づいて簡易的に行うことも
利用される装置によっては可能である。また吐出回復処
理の実行間隔の代わりに、実行間隔を一定にしておきイ
ンク吐出回数を増減させるようにテーブルを構成してよ
い。
【0083】次にステップS64に進んで送給の有無を
確認する。例えば自動送給状態であって記録位置にシー
ト14が挿入されていない場合には、自動送給モータ3
00を駆動して送給を行う。そしてステップS65に進
み1行単位の記録を実行する。具体的には、キャリッジ
モータ9を駆動し、記録ヘッド2からのインクの吐出に
より記録を行い、1行分の記録が終了すると所定量シー
ト送りを実行してステップS66に進む。ステップS6
6においてはエラーの有無を判断し、エラーがれば別の
エラー処理S7に移行する。また、エラーがなければス
テップS67に進む。なお、エラーチェクの対象として
は例えばシート後端の検出やジャムの検出、インクの有
無の検出、各種モータの走査エラー等であり、検出され
たエラーは別の処理S7の手順(不図示)にしたがって
処理される。ステップS67は記録終了を示すコマン
ド、例えばシート排出コマンド等の受信の有無を判断す
るもので、ここで記録終了との判断であれば、ステップ
S68に進み、記録終了でなければステップS65に戻
り記録を継続する。かくして、ステップS68において
は記録終了の処理を行う。具体的には、シートの排出、
記録ヘッド2のキャッピング等を行うもので、これによ
って記録処理S6を終了する。
【0084】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、インク吐出口の面に対して覆蓋・開放可能なキャッ
プ手段と、前記記録ヘッドに対し所定の吐出回復処理動
作を行う吐出回復手段と、前記記録装置内の雰囲気温度
および/または雰囲気湿度を検出する検出手段と、前記
雰囲気温度および/または雰囲気湿度に対応する吐出回
復処理動作が設定されているテーブルを有する記憶手段
と、一連の記録開始直前に検出された雰囲気温度および
/または雰囲気湿度に基づき、前記テーブルから対応す
る吐出回復処理動作を選択する選択手段と、該選択手段
により選択された吐出回復処理動作を前記一連の記録中
に行うように制御する手段とを具備するので、記録中に
吐出回復処理として予備吐出を行い、所定時間ごとに記
録領域外に記録ヘッドを導いてそこでインクを吐出させ
る場合でも、一連の記録動作の開始直前に吐出回復処理
のテーブルに基づく実行間隔等の条件で常に最適な予備
吐出を行うことが可能となり記録全体の所要時間を短く
することができ、頻繁に予備吐出を行うことがなく無駄
なインクの消費を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明適用の情報処理装置の回路構成を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明の一実施例の構成の概要を示す斜視図で
ある。
【図3】インクタンクと一体型カートリッジ式記録ヘッ
ドの外観を示す斜視図である。
【図4】本発明にかかる回復機構の構成を示す斜視図で
ある。
【図5】図4に示す回復機構の動作を(A)〜(F)の
順にしたがって示す説明図である。
【図6】図4に示すポンプユニットの構成の詳細を分解
して示す斜視図である。
【図7】図4に示すキャップ開閉用カムの説明図であ
る。
【図8】回復機構のタイミングチャートである。
【図9】本発明を適用した情報処理装置の外観を示す斜
視図である。
【図10】パワーオン処理の動作手順を示すフローチャ
ートである。
【図11】パワーオフ処理の動作手順を示すフローチャ
ートである。
【図12】一時停止処理の動作手順を示すフローチャー
トである。
【図13】記録処理時の動作手順を示すフローチャート
である。
【図14】雰囲気温度と雰囲気湿度とに対して設定した
吐出回復処理動作の実行間隔の一例を示すテーブル図で
ある。
【図15】5℃下での吐出口近傍における粘度の経時変
化を示す特性曲線図である。
【図16】25℃下での吐出口近傍における粘度の経時
変化を示す特性曲線図である。
【図17】35℃下での吐出口近傍における粘度の経時
変化を示す特性曲線図である。
【符号の説明】
2 記録ヘッド 2A インク吐出口面 2B インク吐出口 3 インクタンク 9 キャリッジモータ 14 記録シート 17 シート送りモータ 21 ペーパーセンサ 22 ホームポジションセンサ 25 温度センサ 26 湿度センサ 40 吐出回復装置 50 情緒処理装置 101 キャップ 104 ブレード 115 プランジャ 116 ピストン 150 ポンプユニット 230 遮蔽板 300 自動送給用モータ 410 キャップ 420 ポンプユニット 430 ワイピング機構 431 ブレード 435 ブレードリンク 436 ブレードクリーナ 440 コントロールギア 500 プリンタ部 601 コントローラ 602 CPU 603 RAM 604 ROM 605 タイマ 607 プリンタ部コントローラ 612 センサ検出部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出口からインクを吐出して記録
    を行う記録ヘッドを有するインクジェット記録装置であ
    って、 前記インク吐出口の面に対して覆蓋・開放可能なキャッ
    プ手段と、 前記記録ヘッドに対し所定の吐出回復処理動作を行う吐
    出回復手段と、 前記記録装置内の雰囲気温度および/または雰囲気湿度
    を検出する検出手段と、 前記雰囲気温度および/または雰囲気湿度に対応する吐
    出回復処理動作が設定されているテーブルを有する記憶
    手段と、 一連の記録開始直前に検出された雰囲気温度および/ま
    たは雰囲気湿度に基づき、前記テーブルから対応する吐
    出回復処理動作を選択する選択手段と、 該選択手段により選択された吐出回復処理動作を前記一
    連の記録中に行うように制御する手段とを具備すること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記選択手段は、前記一連の記録開始直
    前の前記キャップ手段によるインク吐出口面の開放時に
    前記吐出回復処理動作の選択を行うことを特徴とする請
    求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記吐出回復手段は、前記インク吐出口
    からインクを吸引してインクの吐出を回復させる機能を
    有することを特徴とする請求項1または2に記載のイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記吐出回復処理動作は前記雰囲気温度
    および/または雰囲気湿度に対してその実行間隔が設定
    されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かの項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記吐出回復処理動作は前記雰囲気温度
    および/または雰囲気湿度に対してインクの吐出回数が
    設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかの項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与
    える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え
    ていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの
    項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドは、前記電気熱変換体に
    よって発生される熱エネルギーにより生じる膜沸騰によ
    る気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用し
    て、前記インク吐出口よりインクを吐出させることを特
    徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記インクジェット記録装置は、少なく
    とも制御部を備えた複写機に適用可能であることを特徴
    とする請求項1ないし7のいずれかの項に記載のインク
    ジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記インクジェット記録装置は、少なく
    とも制御部およびファクシミリ送受信部を備えたファク
    シミリ装置に適用可能である請求項1ないし7のいずれ
    かの項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記インクジェット記録装置は、少な
    くとも入力部、制御部および表示部を備えたワードプロ
    セッサに適用可能であることを特徴とする請求項1ない
    し7のいずれかの項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記インクジェット記録装置は、コン
    ピュータ機器に適用可能であることを特徴とする請求項
    1ないし7のいずれかの項に記載のインクジェット記録
    装置。
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JP5387294A Pending JPH07256890A (ja) 1994-03-24 1994-03-24 インクジェット記録装置

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JP (1) JPH07256890A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10146993A (ja) * 1996-09-18 1998-06-02 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ

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JPH10146993A (ja) * 1996-09-18 1998-06-02 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ

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