JPH0725652B2 - 新規な頭皮向け美髪用組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、酸ムコ多糖類およびペプチドを基剤とする混
合物を胎盤抽出物と組合せて含む、新規な頭皮向け美髪
用組成物に関する。

毛髪衛生用および抜毛防止用に企図された化粧品は既に
数多く市場に出回つている。

かかる製品はしばしばビオチン、ビタミンB6、パントテ
ン酸又はその誘導体を含む。そして、これら製品が、皮
膚、歯、毛髪および爪の酵素刺激による増殖ないし伸長
で果たす役割についてはよく知られている。

毛髪たん白質ケラチンの合成に不可欠な硫化アミノ酸シ
スチンも亦、この種の製品に用いられている。或る特定
の製品は精油の如き植物抽出物を含んでいる。

他の化粧品は、後述する本発明の混合物に含まれる物質
の一つを含んでいる。

それは、例えば、胎盤抽出物単独か又はスルホ多糖類単
独を含む。

然るに、下記組合せ物を実現するとき特に効果的な組成
物が取得されうることが発見された。すなわち、本発明
の主題は、頭皮に適用すべく企図された美髪用組成物に
して、 動物結合組織の酸ムコ多糖類抽出物、 管理された媒体上でのバチルス科からのバクテリア培養
により得られるバクテリア細胞プロテオリサート、 子牛血清からのペプチドおよび 胚皮からのペプチド の４成分からなる混合物Ａを含み、しかも該混合物Ａが
動物胎盤抽出物と組合せられることを特徴とする、美髪
用組成物である。

混合物Ａは、ムコ多糖類と低分子量のペプチド類すなわ
ち、子牛血清および胚皮のペプチド並びにバクテリアプ
ロテオリサートのペプチドとよりなる。

低分子量のペプチドは毛のう（嚢）衛生学の分野で有利
な作用を示している。事実、真皮発現因子の媒介により
毛のう細胞と表皮細胞との間に相互作用の存在すること
がわかつている。

〔フライシュメイジャ（Fleischmajer）、Ｒおよびビリ
ンガム（Billingham）Ｒ。Ｅ、「上皮−間葉細胞相互作
用（Epithelial−Mesenchymal Interactions）」、ウ
リアムズ ＆ウイルキンス−バルチモア、1968〕 それゆえ、ヒト皮膚の細胞生理学は発現因子により影響
されると思われる。

この発現因子はたん白質であり〔ベセルズ（wessels）
Ｎ。Ｋ。「プロシーデイングス・オブ・ザ・ナシヨナル
・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユー・エ
ス・エイ（Proc。Natu。Acad。Sci。 Ｕ。Ｓ。
Ａ。）」、1964、52、252〕、低分子量である。〔ブリ
ガマン（Briggaman）Ｒ。Ａ。＆ウイーラー（Wheeler）
Ｃ。Ｅ。Ｊ。Invest。Derm、1968、51、454〕 これは全て、混合物Ａにおける低分子量ペプチドの存在
を説明するものである。

また、結合組織の酸ムコ多糖類は通常、たん白質特にコ
ラーゲンに結合している。

それゆえ、混合物Ａは、たん白質−ムコ多糖類の相補作
用を再現する。

なお、硫酸処理したムコ多糖類は有機硫黄をもたらす。
而して、該硫黄は、毛髪内に安定なジ硫黄結合を確保す
るのでケラチンたん白質の合成に不可欠である。

事実、ヒトの場合、体外の硫黄供給又はその用途に関連
した欠損を生じさせる新陳代謝障害は発毛サイクルに反
映する。

混合物Ａに含まれる化合物４種の各発毛力は立証済みで
ある。

混合物の各化合物の特性は、脂漏の調節、ふけの減少お
よび過多な抜毛防止に関する効力を混合物に与える。

混合物Ａは、毛根の生長ないし細胞呼吸を刺激し、それ
ゆえに細胞の新陳代謝を刺激する。

また、美容術における胎盤抽出物の有利な効果が知られ
ている。それは特に、その有糸分裂活性により、また表
皮細胞の酵素消費を増し且つ頭皮の微小循環を刺激する
その能力による。

本発明の組成物で、混合物Ａの特性と胎盤抽出物の特性
とが組合さつて、毛根への栄養供給における改良かくし
てより一層の潤いと細胞更新（「物質交代」）の刺激が
実現される。これは細胞の酸素消費上の増加によつて表
わされる。

また、含まれているアミノ酸と無機要素のために、胎盤
抽出物は、細胞新陳代謝の向上に貢献する。

それゆえ、混合物Ａと胎盤抽出物は、本発明の組成物中
で共同作用して、毛髪再生に関する非常に効果的な生刺
激物作用をもたらす。胎盤抽出物の添加は、共同作用お
よび相補作用に混合物Ａの効力を強化する。

本発明の美髪作用組成物は、髪の欠損を補うべく企図さ
れた衛生用製品である。髪欠損として、取分け、過脂
漏、ふけそして、より深刻な問題である脱毛を挙げるこ
とができる。脱毛は多かれ少なかれ際立つたものであ
る。これらの欠損は時折ホルモンの不均衡による（特に
過脂漏の場合）が、しかし悪い毛髪衛生処置（例えば、
あまりに粗悪なアルカリシヤンプーの使用）の結果であ
ることもある。脱毛の特定ケースにおいて、遺伝の影響
が重要な役割を果たす。脱毛はまた、或る種の薬物を投
与したあと、或いは分娩後ないし伝染病のあとに現れる
ことがある。それにもかかわらず、全ての場合、脱毛の
進展における毛髪衛生処置の役割は否定することができ
ない。

含まれる混合物Ａと胎盤抽出物との組含せに依つて、本
発明の組成物は、抜毛速度を減ずるのに特に効果的であ
る。本組成物はまた、より盛んな毛髪伸長を促進し、脂
漏を減じ、そして通常の毛髪出現を高める。

特に、本発明は、混合物Ａが、 ムコ多糖類 10〜30重量％ バクテリア細胞プロテオリサート 20〜30重量％ 子牛血清からのペプチド ２〜10重量％ 胚皮からのペプチド 20〜30重量％ を含むことを特徴とする美髪用組成物に関し、更に特定
すれば、混合物A2〜20重量％を胎盤抽出物１〜10重量％
とともに含むことを特徴とする美髪用組成物に関する。

混合物Ａに含まれるムコ多糖類は、結合組織を構成する
水溶性の、硫酸処理せる多糖類である。最も普通のもの
として、ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸を挙げ
ることができる。

本発明の主題はまた、特に、含まれるムコ多糖類が幽門
洞および牛軟骨並びに豚十二脂腸から入手されることを
特徴とする美髪用組成物である。

また本発明は、含まれるバクテリア細胞プロテオリサー
トが小ペプチドよりなり、且つ馬のたてがみ下にある皮
膚組織の微片に富む有機媒体上で培養されたバチルスタ
イプのバクテリアから得られることを特徴とする美髪用
組成物に関する。

これらの特異断片は、培養基に存在する細胞微片を、増
殖段階で、物質交代により変化させるバクテリアによつ
て解放される。

更に特定するに、本発明の主題は、胚皮ペプチドが牛胎
児から得られ、また含まれる胎盤抽出物が牛を給源とす
ることを特徴とする美髪用組成物である。

子牛血清ペプチドおよび胚皮ペプチドは、通常の酵素た
ん白質加水分解技法によりたん白質物質から出発して取
得される。

胎盤抽出物は、例えば、仏国特許第1440616号に記載の
方法により、懐胎している牛からとられる。

本発明は特に、混合物Ａがトリコペプチド（Trichopept
ide ）という商品名をもつた市販品であることを特徴
とする美髪用組成物に関する。トリコペプチドはセダー
マ（Sederma）社の製品で、登録された商標である。

本発明の主題はまた、抜毛防止のための毛髪処置方法に
して、頭皮に、本発明に従つた美髪用組成物の十分量
を、特にマツサージにより適用することからなる方法で
ある。

本発明に従つた美髪用組成物は、美容術で毛髪衛生用製
品に通常用いられる形状で供され、例えば毛髪用クリー
ム形状又は水性ローシヨンないし含水アルコールローシ
ヨン形又はゲル形状で供されうる。本組成物には保存
剤、芳香族物質が含まれうる。

特に、本発明は、フラスコ又は小型ガラスびんの中に入
れたローシヨン形状で供されることを特徴とする組成物
に関する。

ローシヨンは好ましくは、使用するのに非常に実用的
な、例えば7mI容量の、ノズル付きプラスチツク製小型
アプリケーターフラスコで供される。

このアプリケーターフラスコの内容物は、頭髪の一連の
分け目をつくることにより毛髪基部に、また頭皮全体に
朝晩散布される。

ユーザーは、製品の完全な浸透があるまで軽くマツサー
ジせねばならない。

頭髪に関する罹病処置は、６週間にわたり２日おきにフ
ラスコ１個を用い次いで１〜２ヶ月間週当りフラスコ２
個分の維持処置を行なうことからなる。

この処置は一年に１度か２度（春と秋）再開せねばなら
ない。

上に挙げた種々の美髪用品形状は、当該分野で用いられ
ている通常の方法に従い取得されうる。

下記例は本発明を例示するものであつて、これを限定す
るものではない。

例1: 毛髪用ローシヨン 混合物Ａ〔トリコペプチド（Ｒ）〕 10g 胎盤抽出物 3g プロピレングリコール 1g エチルアルコール 10g 保存剤 0.1g 芳香族物質 0.2g 精製水 合量100gとするのに十分量 例2: 毛髪用クリーム 混合物Ａ〔トリコペプチド（Ｒ）〕 5g 胎盤抽出物 6g ステアリン酸グリセリン 4g プロピレングリコール 4g 保存剤 0.3g 芳香族物質 0.2g 精製水 合量100gとするのに十分量 例3: 例１と同様の抜毛防止用ローシヨンに関する病院皮膚病
部門での研究 抜毛防止用ローシヨンの作用を被検者60人について研究
した。

これら被検者は次の２グループからなる： 24〜62才の女性被検者 12名 19〜50才の男性被検者 48名 上記２グループは更に次のように細分された： 女性グループ 抜毛のひどさからは、該グループを主に次の二つに分け
ることができた： 頭皮が頭蓋のこめかみから前頭部にかけはつきりみられ
るほど十分目立つ脂漏性脱毛 ５件 毛髪が３分の２より多く抜けていて頭蓋全体に頭皮がは
つきりみえるまでひどく進んだ脂漏脱毛 ７件 脂漏のひどさから、女性被検者12名は次のように分けら
れた： シヤンプーを１週間に一度必要とする穏やかな脂漏１件 シヤンプーを１週間に二度必要とするかなりの脂漏４件 シヤンプーを２〜３日毎に必要とする強度の流れ脂漏７
件 男性グループ 脱毛のひどさから、男性グループは次のように分けるこ
とができた： 第１段階の脂漏性脱毛に相当するもの 10件 第２段階の脂漏性脱毛に相当するもの 27件 第３段階の脂漏性脱毛に相当するもの 11件 脂漏のひどさから、男性被検者48名は次のように分けら
れた： かなりの脂漏 14件 強度の流れ脂漏 34件 処置技法−製品の使用期間 全ての被検者に、毛髪用製品を、週３回の適用割合で４
ケ月間用いた。製品を適壜の形で供することにより、使
用が容易になつた。製品を頭皮に適用する際、髪のうす
くなつている頭皮帯域での量を多くするようにし、次い
でマツサージを施して、よく浸透しうるようにした。

この処置に着手する１年前からの条件として、これら被
検者全てに、洗浄剤シヤンプーの使用以外、関連したい
かなる局所的ないし一般的処置をも施こさなかつた。

全ての被検者を１ケ月に一度観察した。その各回で、毛
髪の量と外観、頭皮の脂漏性（最後のシヤンプーから少
なくとも３〜４日経たのちに観察するものとする）を評
価するように努めた。

なかんずく、見込まれる再生の程度と特質に注意した。

結果 上記60人の被検者中、頭皮の痒症のため、１人は処置
を中断せねばならなかつた。４ケ月の期間にわたり研究
の対象となつた抜毛防止用ローシヨンを使用してきた59
人の被検者から、下記結果を観察することができた： 毛髪再生に関し： 効果良好 21件 平均的な効果 35件 効果なし ３件 頭皮の脂ぎつた脂漏外観に関し： 効果良好 ４件 平均的な効果 39件 効果なし 16件 所見 抜毛の程度： このパラメーターは、主観的で且つ実証しがたいため観
察事項に導入しなかつた。しかしながら、男女両性の被
検者の多くが、処置の１ケ月の終りから、抜毛のかなり
な減少に気づいたことは注目せねばならない。

発毛作用： 発毛に関しては、下記結果が収集された： 女性被検者12名の場合：効果良好 ８名 平均的効果 ４名 男性被検者48名の場合：効果良好 13名 平均的効果 31名 効果なし ３名 無回答 １名 女性の場合、先ず、前頭ないし側頭領域の頭皮縁部で、
小さな毛髪が細く密集して現われたことにより、再生の
傾向のあることが認められた。

次いで、毛髪の濃厚化が中央部に向けて漸次広がり、月
を経るに従つて頭髪の薄い領域が少なくなつてきた。

男性の場合、順調なケースでは、小さな細い毛髪からな
る再生が無毛領域の周辺で認められ、次いで無毛領域そ
のものの中で細く密集した綿毛のような毛髪が再生し
た。これは漸次強い毛となり、また周辺帯域では細くし
かし標準的な毛髪となつた。

このプロセスは概ね３ケ月目又は４ケ月目からはじまつ
て現われ、緩徐な漸進的態様で続くことに留意せねばな
らない。最良のケースでは、女性が完全な毛髪回復を達
成できるが、男性の場合完全とまではいかず、その回復
速度も遅い。

頭皮の脂漏現出に関する作用： 頭皮上の脂漏を測定するのに真に信頼しうる正確な科学
的基準は今のところない。テストは「皮脂試験」を以て
実施したが、何らかの理由で得られる結果は変動的であ
つた。しかも、脂漏流れの度合いを変えやすい幾つかの
要素例えばダイエツト若しくは月経サイクルが介在しう
る。かかる全ての理由から、ここでも、被検者の意見に
基づき、シヤンプーの必要な実施頻度を判定する評価
と、最後のシヤンプーから３〜４日経て常時なされる臨
床試験に関する評価を以て満足せねばならないといえ
る。

ここでの結果も亦、際立つていたのは女性である： 効果良好 ２件 効果中位 ８件 効果なし ２件 男性の場合、４ケ月間この処置を受けた被験者47人から
下記結果が収集された： 効果良好 ２件 効果中位 31件 効果なし 14件 許容性： 研究対象の抜毛防止用ローシヨンに関する許容性は被検
者59人において完全であつた。１件だけ、処置を中断せ
ねばならなかつた。その被検者は、ローシヨン製品を用
いるたびに２〜３日間かゆみを訴えた。試験で、該被検
者の頭皮ふけ質で紅斑があつた。

而して、この唯一の観察は、本製品の全体的にすぐれた
許容性に疑いをはさむものではない。

結論 全結果を次の如く要約することができる： 毛髪再生に関する効果： 効果良好 21件 効果中位 35件 効果なし ３件 脂漏に関する効果： 効果良好 ４件 効果中位 39件 効果なし 16件 これらの結果は、きわめて有利と認めることができる。

更に、１人の被検者を別にした、他の全ての被検者にお
いて、許容性は完全であつた。製品の検収は良好で、そ
の供示品も、使用しやすく実用的と判断された。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】頭皮に適用すべく企図された美髪用組成物
   にして、動物結合組織の酸ムコ多糖類抽出物、管理され
   た媒体上でのバチルス科からのバクテリア培養により得
   られるバクテリア細胞プロテオリサート、 子牛血清からのペプチドおよび 胚皮からのペプチド の４成分よりなる混合物Ａを含み、しかも該混合物Ａが
   動物胎盤抽出物と組合せられることを特徴とする、美髪
   用組成物。
2. 【請求項２】混合物Ａが、ムコ多糖類抽出物10〜30重量
   ％、バクテリア細胞プロテオリサート20〜30重量％、 子牛血清からのペプチド２〜10重量％および胚皮からの
   ペプチド20〜30重量％よりなることを特徴とする、特許
   請求の範囲第１項記載の美髪用組成物。
3. 【請求項３】混合物A2〜20重量％を胎盤抽出物１〜10重
   量％とともに含むことを特徴とする、特許請求の範囲第
   １項又は２項記載の美髪用組成物。
4. 【請求項４】含まれるムコ多糖類が幽門洞および牛軟骨
   並びに豚十二脂腸から入手されることを特徴とする、特
   許請求の範囲第１項〜３項いずれか記載の美髪用組成
   物。
5. 【請求項５】含まれるバクテリア細胞プロテオリサート
   が小ペプチドよりなり、且つ馬のたてがみ下にある皮膚
   組織の微片に富む有機媒体上で培養されたバチルスタイ
   プのバクテリアから得られることを特徴とする、特許請
   求の範囲第１〜４項のいずれか一項記載の美髪用組成
   物。
6. 【請求項６】胚皮のペプチドが牛胎児から得られること
   を特徴とする、特許請求の範囲第１〜５項のいずれか一
   項記載の美髪用組成物。
7. 【請求項７】含まれる胎盤抽出物が牛を給源とすること
   を特徴とする、特許請求の範囲第１〜６項のいずれか一
   項記載の美髪用組成物。
8. 【請求項８】ローションの形状で拱されることを特徴と
   する、特許請求の範囲第１〜７項いずれか一項記載の美
   髪用組成物。
9. 【請求項９】頭皮に、動物結合組織の酸ムコ多糖類抽出
   物、管理された媒体上でのバチルス科からのバクテリア
   培養により得られるバクテリア細胞プロテリオリサー
   ト、子牛血清からのペプチドおよび 胚皮からのペプチド の４成分よりなる混合物Ａを動物胎盤抽出物との組合わ
   せで含む美髪用組成物の十分量を、特にマッサージによ
   り適用する事実により特徴づけられる、抜毛防止のため
   の毛髪処置方法。