JPH06183932A - 養毛化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 カワラヨモギ抽出物と、ジイソプロピルアミ
ンジクロロアセテートを含有することを特徴とする養毛
化粧料。 【効果】 本発明は、頭皮の炎症を抑え、末梢血流を促
進し、毛母細胞を賦活化し、育毛効果、及び脱毛予防効
果作用に優れた養毛化粧料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、頭皮の炎症を抑え、末
梢血流を促進し、毛母細胞の賦活化をする、育毛効果、
脱毛予防効果に優れた養毛化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、トウガラシチンキ、ニコチン酸誘導体等の血行促進
物質、或は毛髪の栄養成分であるアミノ酸やビタミン類
を配合してなる養毛化粧料が知られている。更に最近で
は、皮脂腺の肥大防止効果をもつ成分や、男性ホルモン
の抑制作用をもつ成分を配合する養毛化粧料も数多く提
案されている。

【０００３】しかし、従来より使用されている血行促進
物質は、皮膚刺激が強くその配合量に制限があったり、
血行促進の持続時間が短かいという欠点がある。また、
毛髪の栄養成分も低濃度では皮膚への浸透性が低く、且
つ単独では毛髪に対する活性効果は充分でないという問
題点がある。

【０００４】ところで、男性型脱毛症は男性ホルモンの
過剰作用が原因の一つと言われているが、血行の不良や
毛母細胞の活性低下、皮脂腺の肥大化、頭皮の線維化等
の現象が複雑に絡みあって生じていると推察されてい
る。

【０００５】従って、男性ホルモンの過剰作用を抑制す
るために、単独で男性ホルモンの抑制成分や、皮脂腺の
肥大を抑制する成分を用いても、育毛効果は充分ではな
い。

【０００６】本発明に係わるカワラヨモギ抽出物は、消
炎、解熱、利尿、黄疸等の治療薬として用いられてきた
物質である。しかし、カワラヨモギ抽出物が発毛、育毛
効果を有することは知られていなかった。また、ジイソ
プロピルアミンジクロロアセテートに関しては化粧料
（特公昭６２−１８５２３号公報）が出願されており、
毛根の発育を促進するとの記載があるが、単独で充分な
養毛効果を発揮するまでには至らず、他の有効成分と組
み合わせて使用されているのが現状である。

【０００７】本発明者らは、頭皮の末梢血流の促進及び
毛母細胞の賦活化について種々検討した結果、カワラヨ
モギ抽出物とジイソプロピルアミンジクロロアセテート
を配合した養毛化粧料が優れた養毛、育毛効果を発現す
ることを見いだし、本発明を完成したものであって、そ
の目的とするところは、頭皮の末梢血流を促進し、毛母
細胞の賦活化をすることにより、育毛、及び脱毛予防効
果の優れた養毛化粧料を提供するにある。

【０００８】本発明が、上記の如く優れた発毛、育毛効
果を示す理由として、カワラヨモギ抽出物の抗炎症効果
によって頭皮の環境の改善を促し、ジイソプロピルアミ
ンジクロロアセテートの浸透性をより高めることによ
り、毛母細胞の活性化を促し、発毛、育毛効果を顕著に
向上すること等が考えられる。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、カワラヨモギ
抽出物と、ジイソプロピルアミンジクロロアセテートを
含有することを特徴とする養毛化粧料である。

【００１０】本発明に係わるカワラヨモギ抽出物は、キ
ク科のカワラヨモギ（別名、茵陳蒿）の幼苗の全草から
抽出することにより得ることができる。薬効成分は、
６，７−ジメトキシ−クマリン、クロロゲン酸、カフェ
ー酸等を含み、精油中にβ−ピネン、カピロン、カピレ
ン、カピリン、葉酸、カピラリン等を含む。抽出する溶
媒としては、冷水、熱水、含水アルコール、エタノー
ル、メタノール等のアルコール類、アセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、プロピレングリコール、ブチレング
リコール類等が使用可能である。より好ましくは、熱水
または３０〜７０％エタノール水溶液である。

【００１１】以下本文中では、熱水または、５０％エタ
ノール水溶液にて抽出して得られるエキスの純分（乾燥
残分で換算）を基準として配合量を表示した。

【００１２】本発明に係わるジイソプロピルアミンジク
ロロアセテートは、皮膚の細胞賦活物質として知られる
公知の物質であり、化学的に合成が可能であり、分子量
２３０．１５を持つ物質である。

【００１３】カワラヨモギ抽出物の配合量は養毛化粧料
（組成物）の総量を基準として、乾燥残分に換算して、
０．００１〜１．０重量％（以下、ｗｔ％と略記する）
の範囲が好ましく、より好ましくは０．０１〜０．５ｗ
ｔ％である。

【００１４】また、ジイソプロピルアミンジクロロアセ
テートの配合量は、０．００１〜５．０ｗｔ％が好適で
あり、より好ましくは０．０１〜２．０ｗｔ％である。

【００１５】本発明の養毛化粧料は、常法に従って、ヘ
アートニック、ヘアーローション、ヘアークリーム、ヘ
アーコンディショナー、シャンプー、リンス、ヘアージ
ェル、ヘアーミスト、ヘアーフォーム等の剤型にするこ
とが可能である。

【００１６】尚、本発明の養毛化粧料には、色素、香
料、殺菌剤、防腐剤、角質溶解剤、抗アンドロゲン剤、
抗酸化剤等を本発明の目的を達成する範囲で適宜配合す
ることができる。

【００１７】

【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
詳説する。尚、実施例に記載のマウス毛成長促進効果試
験法、ヒト頭髪毛成長促進効果試験法、実用試験法を下
記に示す。

【００１８】（１）マウス毛成長促進効果試験法 Ｃ３Ｈ系マウス（雄・８週齢・平均体重３５ｇ）の背部
中央の皮膚を電気バリカンで刈った後、シェーバーによ
り完全に除毛した。翌日より実施例及び比較例の各試料
を被験部皮膚に毎日１回、一匹当り０．２ml塗布した。
一試料に対して動物は一群１０匹を使用した。尚、対照
群として基剤単独を塗布した。実験開始後１４日目に動
物を屠殺し、被験部皮膚の写真撮影を行なった。次に、
写真を画像解析装置に取り込み、最初に毛刈りした面積
（Ａ）と、発毛面積（Ｂ）を求め、更に発毛率（％）＝
（Ｂ）／（Ａ）×１００を個々の動物について算出し
た。最後に、実施例又は比較例の各群の平均値を対照群
の平均値により除した値を毛成長促進効果として判定に
用いた。

【００１９】（２）ヒト頭髪毛成長促進効果試験法 ３０〜４０代の毛成長に衰えの認められる男性被験者１
０名の頭頂部の頭髪を直径約７mmの円形状に剃毛した。
更に、毛刈り１日後及び３日後に林らの方法（ブリティ
ッシュジャーナル・オブ・デルマトロジー、１２５巻、
１２３頁、１９９１年）により毛成長速度を対象部位の
毛髪（約３０〜４０本）について求めて、平均値を計算
した（Ａ）。次に各被験者に被験部位を中心として、実
施例又は比較例の試料を毎日朝夕２回、約３ml塗布し、
よくマッサージさせた。試験開始３ケ月目に同様にして
同一部位の毛成長速度の測定を行い、平均値（Ｂ) を計
算した。効果の判定は、各養毛化粧料使用前後の比
（Ｂ）／（Ａ）を比較することにより行った。

【００２０】（３）実用試験法 男性型脱毛症患者２０名の頭部に毎日朝夕２回、連続６
ケ月間試料を塗布した後の効果を評価した。試験結果
は、育毛効果、及び脱毛予防効果の各項に対して、「生
毛が剛毛化した或は剛毛が増加した」、「脱毛が少なく
なった」と回答した人数で示した。

【００２１】以下本文中では、上記の如く５０％エタノ
ール水溶液にて抽出して得られるエキスの純分（乾燥残
分で換算）を基準として配合量を表示した。

【００２２】実施例１〜８、比較例１〜３（オイリーヘ
アートニック） 表１の原料組成において、表２に記載の如く有効成分を
配合してヘアートニックを調製し、前記の諸試験を実施
した。尚、比較例に用いたトウガラシチンキは日本薬局
方に収載のものを用いた。

【００２３】

【表１】

【００２４】

【表２】

【００２５】（１）調製法 表１に記載の（Ｂ）成分を（Ａ）成分中に溶解させた
後、（Ｃ）成分を添加し、混合攪拌分散して容器に充填
する。使用時には内容物を均一に振盪分散して使用す
る。

【００２６】（２）特性 各オイリーヘアートニックの諸試験を実施した結果を表
２右欄に記載した。表２に示す如く、比較例１〜３はマ
ウス及びヒト毛成長促進効果が低く、実用試験の結果も
良好ではなかった。

【００２７】実施例１〜８の本発明の養毛化粧料は、高
い毛成長促進効果を示し、諸試験の総てに亘って明らか
に良好な結果を示した。尚、実施例１〜８はヒト皮膚で
の諸試験において皮膚刺激は生じなかった。

【００２８】

【発明の効果】以上記載の如く、本発明は、頭皮の炎症
を抑え、末梢血流を向上させ、毛母細胞の賦活化を行な
い、育毛効果、及び脱毛予防効果に優れると共に、皮膚
刺激の無い養毛化粧料を提供することは明らかである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カワラヨモギ抽出物と、ジイソプロピル
   アミンジクロロアセテートを含有することを特徴とする
   養毛化粧料。