JPH072557U - 建設機械のキャブガード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジャングルや山間での立木伐採、集材作業あ
るいは林道造成工事などに使用する建設機械において、
運転者やエンジンルーム部分を保護するとともにラジエ
ータ、油圧シリンダの保護機能も兼ね備えた建設機械の
キャブガードを提供する。 【構成】 鋼管を溶接して構成され、ブルドーザの運転
席前方に装着するスイープガード１の左右両側の鋼管を
ブレード昇降用油圧シリンダ６よりも外側に張り出すと
ともに、前端湾曲部分をラジエータガード５の前面より
も前方に突出させる。このような形状のスイープガード
１により、ブルドーザの前方または左右から立木などが
倒れてきた場合に、エンジンルーム４、ラジエータガー
ド５およびブレード昇降用油圧シリンダ６を保護するこ
とができ、これらの損傷発生が回避される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建設機械のキャブガードに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ジャングルや山間での立木伐採、集材作業あるいは林道造成工事などにブルド ーザをはじめとする各種建設機械が用いられている。これらの作業において、運 転者の安全を守るとともに、建設機械のエンジンルーム部分の損傷を防止するた め、一般にキャブガードを装着している。図４はブルドーザに装着するキャブガ ードの一例を示したもので、前記キャブガードは強固なパイプフレームをブルド ーザの上面に架け渡し、運転席上方を鋼板などで被覆したものが用いられている 。また、キャブガードの必要部分に金網を取り付けたものや、ブルドーザが転倒 した場合の運転者の安全を確保するためＲＯＰＳキャブを装着し、エンジンルー ムの上面をキャブガードで保護する構造としたものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記キャブガードの装着により、建設機械の上方からの衝突物たとえば立木な どが倒れてきた場合でも運転者の安全が確保され、エンジンルームの上面部分の 損傷が防止される。しかしながら、たとえば山腹などの傾斜面に平行に進入路を 造成する場合、前記進入路の山側に生えている立木の根がブルドーザによって切 り取られ、この立木が倒れかかってくることがある。このような場合、ブルドー ザの前部左右に配設されているブレード昇降用油圧シリンダ６や、前端に取り付 けられているラジエータガード５の前方はキャブガードによって保護されていな いため、特に森林作業においてはこれらの破損事故が多発している。立木が前記 ラジエータガードに衝突して変形、破損すると、ラジエータの水洩れなどを招き 、作業現場でのラジエータ、ブレード昇降用油圧シリンダの交換には多大の時間 を要する。本考案は上記従来の問題点に着目してなされたもので、建設機械の運 転者やエンジンルーム部分とともにラジエータ、油圧シリンダの保護機能も兼ね 備えた建設機械のキャブガードを提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案に係る建設機械のキャブガードは、ブルドー ザ等の建設機械に装着するキャブガードであって、前記キャブガードを構成する スイープをラジエータガードの前方および作業機駆動用油圧シリンダの外側上方 に張り出し、エンジンルームの保護と、車体前部に配置したラジエータおよび作 業機駆動用油圧シリンダを保護する機能を兼ね備える構成とした。

【０００５】

【作用】

上記構成によれば、スイープをラジエータガードの前方および作業機駆動用油 圧シリンダの上方外側に張り出したので、建設機械の前方や側方から立木などが 倒れてきた場合、前記スイープによってこれを受け止め、ラジエータや作業機駆 動用油圧シリンダの損傷発生を回避することができる。

【０００６】

【実施例】

以下に本考案に係る建設機械のキャブガードの実施例について、図面を参照し て説明する。図１はブルドーザに装着したキャブガードの上面図、図２はキャブ ガードの側面図、図３はキャブガードの正面図である。本実施例におけるキャブ ガードは、スイープガード１、リヤガード２と、前記スイープガード１とリヤガ ード２とを連結するセンタガード３からなり、それぞれ鋼管を用いて構成されて いる。スイープガード１はエンジンルーム４と、ブルドーザの前端に装着されて いるラジエータガード５およびラジエータガード５の左右側面上部に揺動自在に 取着されたブレード昇降用油圧シリンダ６を保護するために設けられている。す なわちスイープガード１は、図１および図３に示すようにブレード昇降用油圧シ リンダ６よりも外方に張り出し、上方からの衝突物に対してエンジンルーム４お よびブレード昇降用油圧シリンダ６を保護する。また、図２に示すようにスイー プガード１前端の湾曲部がラジエータガード５よりも前方に張り出しているので 、前上方からの衝突物に対してラジエータガード５を保護する。

【０００７】 センタガード３は運転席上方を保護し、リヤガード２は車体後部に搭載されて いる燃料タンク、作動油タンク等を保護するもので、これらは従来と同一の構造 である。ＲＯＰＳキャブを搭載した場合は、スイープガード１およびリヤガード ２を前記ＲＯＰＳキャブに連結すればよい。また鋼製運転室などを搭載し、運転 者の前面がガラス窓で保護されている場合は問題ないが、前記ガラス窓のない場 合は倒れてきた樹木の枝が前方または側方から運転席に入り込むことがある。こ のような状態から運転者を保護するため、スイープガード１の上面に強固な金網 を取着することが望ましい。

【０００８】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、キャブガードを構成するスイープの形状 を変更し、スイープをラジエータガードの前方および作業機駆動用油圧シリンダ の外側上方に張り出したので、建設機械の前方または左右から立木などが倒れて きた場合、前記スイープによってこれを受け止め、エンジンルームの上面のみな らずラジエータや作業機駆動用油圧シリンダの損傷発生を防止することができる 。この改良により、従来から多発していたラジエータや作業機駆動用油圧シリン ダの損傷による交換作業が激減し、森林作業の能率を大幅に向上させることがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】キャブガードの上面図である。

【図２】キャブガードの側面図である。

【図３】キャブガードの正面図である。

【図４】従来の技術によるキャブガードの一例を示す側
面図である。

【符号の説明】

１ スイープガード ４ エンジンルーム ５ ラジエータガード ６ ブレード昇降用油圧シリンダ（作業機駆動用油圧シ
リンダ）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブルドーザ等の建設機械に装着するキャ
   ブガードであって、前記キャブガードを構成するスイー
   プをラジエータガードの前方および作業機駆動用油圧シ
   リンダの外側上方に張り出し、エンジンルームの保護
   と、車体前部に配置したラジエータおよび作業機駆動用
   油圧シリンダを保護する機能を兼ね備えたことを特徴と
   する建設機械のキャブガード。