JPH07254244A - セクタサーボ方式の磁気ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セクタサーボ方式の磁気ディスク装置に関
し、サーボ情報のパターンの工夫で媒体ノイズの影響が
少ない状態でサーボパターンを復調可能にする。 【構成】 データ領域とヘッドの位置決め用のサーボ情
報領域が各セクタに設けられたセクタサーボ方式の磁気
ディスク装置において、磁気ディスク１のサーボ情報領
域にあるトラック番号、セクタ番号等のコード情報と、
位置誤差情報等を形成する磁化パターンの全てをバース
トパターンで形成し、ヘッドＨから読み出されたバース
トパターン信号を振幅変調検波手段２で振幅変調検波
し、振幅変調検波された信号から、信号レベル検出手段
３でヘッドの位置誤差情報を信号のレベルで検出すると
共にコード情報検出手段４でコード情報を読み取り、検
出されたヘッドの位置誤差情報と、コード情報とを元
に、サーボ情報復調手段５がヘッドのサーボ情報を復調
するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はセクタサーボ方式の磁気
ディスク装置に関し、特に、セクタサーボ方式の磁気デ
ィスク上のサーボ情報領域に予め書かれた位置情報に応
じてヘッドを位置決めするようにしたセクタサーボ方式
の磁気ディスク装置に関する。近年、磁気ディスク装置
に対する小型、大容量化の要求に伴い、磁気ディスク装
置では狭トラックにおける高精度な位置決めが要求され
ている。このような磁気ディスク装置では、磁気ヘッド
の位置決め制御方式として、ヘッドの位置決め用の情報
のみがディスク面に記録された専用のサーボディスクを
使用するサーボ面サーボ方式に代わり、セクタサーボ方
式が採用されることが多くなってきている。ところが、
このセクタサーボ方式は、サーボ面サーボ方式に比べ
て、ヘッドがサーボ情報に加えてデータ情報も読み取る
ので、サーボ情報読取時に媒体ノイズの影響が大きく、
この位置決め特性（トラック追従能力）が劣るとされて
おり、この媒体ノイズに強いサーボパターンが要望され
ている。

【０００２】

【従来の技術】従来のセクタサーボ方式は、データを記
録する磁気ディスク面を周方向に複数のセクタに分割
し、それらのセクタの一部にデータ領域とは別にヘッド
の位置決めのためのサーボ情報領域を設けるものであ
る。このサーボ情報領域は一般に、セクタ全体の10〜20
％程度を占めている。

【０００３】通常、マイクロプロセッサで構成されるサ
ーボ制御器は、前述のサーボ情報領域に記録された信号
を基にして、サーボ復調器によって得られるヘッド位置
情報を使用してヘッドをトラック上に位置決めする。こ
こで、磁気ディスク上のサーボ情報領域は、主としてサ
ーボ情報領域の開始を認識するためのサーボマークが書
かれるサーボマーク部、トラック番号やセクタ番号が書
かれるトラック番号（シリンダＩＤ）部、ヘッド位置誤
差信号（ＰＥＳ）が書かれるヘッド位置誤差信号部の３
つの部分から構成されており、サーボ復調器は、磁気デ
ィスク装置の工場出荷時におけるサーボトラックライタ
（ＳＴＷ）工程において予め書かれるサーボ情報（サー
ボマーク、トラック番号、ＰＥＳ）をサーボ復調器の必
要に応じて復調する機能を備えている。

【０００４】ところが、このセクタサーボ方式は、サー
ボ面サーボ方式に比べて、ヘッドがサーボ情報領域とデ
ータ領域の両方を通過するので、サーボ情報が間欠的に
しか得られず、一般に、サーボ面サーボ方式よりも位置
決め特性（トラック追従能力）が劣るとされている。サ
ーボ情報を正確に得るためには、コードを示すサーボ情
報（トラック番号等）をグレイコード（隣接するコード
同士でビットが１つしか変わらないコード）で表現した
パルス列のパターンで形成し、アナログ値を必要とする
位置誤差情報をバーストパターンで形成することが考え
られる。

【０００５】図１２(a) は、コードを示すサーボ情報
（トラック番号等）をグレイコードで表現したパルス列
のパターンで形成し、アナログ値を必要とする位置誤差
情報をバーストパターンで形成した従来のサーボ情報領
域を拡大して示すものである。この図において、横線は
トラックの境界を示しており、縦線は、図１２(a) のＸ
部の拡大図である図１２(c) に示すように、磁化反転
（ＮとＮ、またはＳとＳ）を示している。図１２(a) に
おいては、からの部分がグレイコードを示し、Ａか
らＤの部分が位置誤差情報のパターンを示している。

【０００６】また、図１２(b) は、このサーボ情報領域
に隣接するデータ領域のｎ＋２番目のトラック上の中心
にあるヘッドＨがサーボ情報領域を通過した時に読み出
される再生波形を示している。なお、ヘッドＨをデータ
領域のトラック上に位置決めするために、サーボ情報領
域のトラックはデータ領域のトラックに対して、半トラ
ックずれて形成されており、再生波形の山（または谷）
はヘッドが通過する磁化反転部分の面積に依存するの
で、トラックの境界の両側に磁化反転がある場合には再
生波形は大きくなり、片側にしか磁化反転がない場合に
は再生波形は小さくなる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コード
を示すサーボ情報（トラック番号等）をグレイコードで
表現したとしても、パルス列のパターンの検出は媒体ノ
イズ等の影響によりパルスパターンの周波数を上げるこ
とができず、誤認識が生じるという問題点は解消されて
いない。

【０００８】そこで、本発明は、セクタサーボ方式の磁
気ディスクのコードを示すサーボ情報のパターンを工夫
することにより、媒体ノイズ等の影響が少ない状態でサ
ーボパターンを復調することができるセクタサーボ方式
の磁気ディスク装置を提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明のセクタサーボ方式の磁気ディスク装置の第１の形態
の原理構成が図１(a) に示される。図１(a) に示すよう
に、本発明の第１の形態のセクタサーボ方式の磁気ディ
スク装置は、磁気ディスク上に同心円状に設けられたデ
ータを記録するためのトラックが、周方向に複数のセク
タに分割され、各セクタには、データを記録するデータ
領域と、ヘッドの位置決めのためのサーボ情報領域が設
けられたセクタサーボ方式の磁気ディスク装置であっ
て、サーボ情報領域に含まれるトラック番号、セクタ番
号等のコード情報と、位置誤差情報等を形成する磁化パ
ターンの全てがバーストパターンにて形成された磁気デ
ィスク１を使用し、ヘッドＨにより読み出された磁気デ
ィスク上のバーストパターン信号を振幅変調検波する振
幅変調検波手段２と、振幅変調検波された信号から、ヘ
ッドＨの位置誤差情報を信号のレベルによって検出する
信号レベル検出手段３と、振幅変調検波された信号か
ら、コード情報を読み取るコード情報検出手段４と、検
出されたヘッドの位置誤差情報と、コード情報とを元に
ヘッドのサーボ情報を復調するサーボ情報復調手段５と
を備えることを特徴としている。

【００１０】図１(b) は本発明の第２の形態のセクタサ
ーボ方式の磁気ディスク装置の、第１の形態と異なる部
分のみを示すものである。この第２の形態では、磁気デ
ィスク１のサーボ情報領域に形成されるバーストパター
ンの周波数が、トラック番号、セクタ番号、位置誤差情
報等のサーボ情報の種類により、それぞれ異なっている
と共に、ヘッドＨにより読み出されたバーストパターン
信号を、各周波数毎に振幅変調検波する周波数別振幅変
調検波手段６が設けられている。この場合、サーボ情報
の種類によって異なるバーストパターンの周波数を、あ
る基準となる周波数の整数倍にしても良い。

【００１１】図１(c) は本発明の第３の形態のセクタサ
ーボ方式の磁気ディスク装置の、第１の形態と異なる部
分のみを示すものである。この第３の形態では、サーボ
情報のうち、コード情報であるトラック番号、セクタ番
号等がグレイコードで形成され、ビットの１を表すバー
ストパターンの周波数とビットの０のバーストパターン
の周波数とが変更され、一方の周波数を他方の周波数の
整数倍されている。このときは、ヘッドＨにより読み出
されたバーストパターン信号を、各周波数毎に振幅変調
検波するために、周波数別振幅変調検波手段６が使用さ
れる。

【００１２】また、ヘッドＨにより読み出されたバース
トパターン信号を復調する際に、１単位のバーストパタ
ーンの波形に対して、バーストパターン信号の開始部分
と終了部分の少なくとも１つずつの波形を除くゲート手
段７が設け、再生波形の波形干渉の一様な部分のバース
トパターン信号のみを使用して復調を行うようにしても
良い。

【００１３】

【作用】本発明のセクタサーボ方式の磁気ディスク装置
によれば、磁気ディスクのサーボ情報領域に含まれるト
ラック番号、セクタ番号等のコード情報と、位置誤差情
報等を形成する磁化パターンの全てがバーストパターン
にて形成されており、ヘッドにより読み出されたバース
トパターン信号は、振幅変調検波された後に、ヘッドの
位置誤差情報が信号のレベルによって検出される。一
方、振幅変調検波された信号から、コード情報が読み取
られ、検出されたヘッドの位置誤差情報と、コード情報
とを元にヘッドのサーボ情報が復調されるので、サーボ
情報領域の復調時に媒体ノイズの影響が少なくなる。

【００１４】

【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例を詳細
に説明する。図２は本発明のセクタサーボ方式の磁気デ
ィスク装置の一実施例の構成を示すブロック回路図であ
る。図２において、１は磁気ディスク、Ｈは磁気ディス
ク１にデータを読み書きするヘッド、８はヘッドＨから
の再生信号を増幅するプリアンプ、９は増幅された再生
信号のゲインを制御するＡＧＣ回路（自動利得制御回
路）、１０はＤＳＰ（ディジタル・シグナル・プロセッ
サ）、１１は再生波形のＡＭ（振幅変調）検波回路、１
２はＡ／Ｄ変換器、１３はコンパレータ、１４はデコー
ダである。

【００１５】ＡＭ変調回路１１は再生波形の振幅を検出
し、この検出信号をＡ／Ｄ変換器１２とコンパレータ１
３に入力する。Ａ／Ｄ変換器１２は再生信号のレベルを
読み取ることによって位置誤差情報を検出し、この位置
誤差情報をＤＳＰとその周辺回路１０に入力する。一
方、コンパレータ１３は入力された信号をパルス化し、
このパルス化された信号をデコーダ１４がデコードして
コード情報に復調し、このコード情報をＤＳＰとその周
辺回路１０に入力する。なお、デコーダ１４はＤＳＰと
その周辺回路１０の中に処理として組み込むことも可能
である。

【００１６】本発明の対象である磁気ディスク装置１０
はセクタサーボ方式であるので、磁気ディスク１に同心
円状に設けられたデータを記録するためのトラックは、
周方向に複数のセクタに分割され、各セクタには、デー
タを記録するデータ領域と、ヘッドの位置決めのための
サーボ情報領域が設けられている。図３(a) はこのサー
ボ情報領域を拡大して示すものであり、本発明のセクタ
サーボ方式の磁気ディスク装置における磁気ディスクの
トラック上のサーボ情報領域に書かれた一実施例のパタ
ーンを説明するパターン図を示している。

【００１７】図１２(a) において説明した従来のサーボ
情報領域に書かれるパターンは、コードを示すコード情
報（トラック番号等）がグレイコードを用いてパルス列
のパターンで形成され、アナログ値を必要とする位置誤
差情報がバーストパターンで形成されていた。これに対
して、この実施例では、コードを示すコード情報〜
がグレイコードを用いて、Ａ〜Ｄで示す位置誤差情報と
同じパターンピッチ（同じ周波数）のバーストパターン
で形成されている。なお、この図においても、横線はト
ラックの境界を示しており、縦線は磁化反転（ＮとＮ、
またはＳとＳ）を示している。

【００１８】図３(b) は、図に示すヘッドＨがサーボ情
報領域を通過した時に読み出される再生波形を示してい
る。サーボ情報領域のトラックはデータ領域のトラック
に対して、半トラックずれて形成されており、ヘッドＨ
はサーボ情報領域においてはデータ領域のトラックの境
界線上に位置している。従って、トラックの境界の両側
に磁化反転がある場合には再生波形は大きくなり、片側
にしか磁化反転がない場合には再生波形は小さくなる。

【００１９】このように、図３(b) のような再生波形を
得ると、例えば、１パルスの場合はそれを読み落とすと
間違えるが、５パルスの場合は、１パルスを読み落とし
ても残りの４パルスから判断がつく。従って、“１”と
“０”を示す情報のビットを従来の１パルスから複数の
パルスからなるバーストパターンにすると、平均化を用
いることで読み取りミスが少なくなる。

【００２０】このように、本発明では、コード情報と位
置誤差情報とを全てバーストパターンに置き換えること
により、媒体ノイズ等の影響の少ないサーボパターンが
得られ、磁気ディスク装置の高密度化が行える。図４は
図３のコード情報と位置誤差情報のバーストパターンの
周波数を高くした実施例である。従来のようにパルス列
のパターンをグレーコードのみを用いて形成した場合に
は、波形干渉が発生するために、パルスパターンの周波
数を上げることはできなかったが、コード情報と位置誤
差情報とを全てバーストパターンで作成した場合は、波
形干渉があっても複数の波形が皆同じ影響を受けるので
その影響が単一のパルスに比べて安定しており、バース
トパターンの周波数を上げることができるのである。

【００２１】図５(a) はグレイコードを用いて形成した
コード情報と位置誤差情報のバーストパターンの周波数
を変えた場合の実施例を示している。この実施例では、
位置誤差情報のバーストパターンの周波数に対して、コ
ード情報のバーストパターンの周波数を低くしている。
この場合、コード情報のバーストパターンの周波数は、
位置誤差情報のバーストパターンの周波数の半分になっ
ており、ヘッドＨによる再生波形は図５(b) のようにな
る。

【００２２】このように周波数を変えると次のような利
点がある。 (1) 周波数識別で情報の分別が行なえる。 (2) 波形干渉等の影響の依存度によってバーストパター
ンの周波数を変えることができる。 図６は、本発明のセクタサーボ方式の磁気ディスク装置
の復調系の第２の実施例の構成を示すブロック構成図で
ある。この実施例の復調系が図２の第１の実施例の復調
系と異なる点は、コンパレータ１３とデコーダ１４の間
に周波数識別回路１５が設けられている点である。この
実施例の復調系を使用するのは、コード情報側のバース
トパターンに複数の周波数を設定した場合で、コード情
報を周波数識別することで読み分けることができる。位
置誤差情報側の動作は第１の実施例の動作と同じであ
る。

【００２３】図７(a) は、ダイビットパターンを１セッ
トとしてその組単位でコード情報のバーストパターンの
周波数を、ビットの"1" と"0" とで図７(c) に示すよう
に２ｆと１ｆのように変えた例を示すものであり、図７
(b) は図７(a) のヘッドＨによって読み出された再生波
形を示している。なお、ダイビットパターンはヘッド出
力の正負のパルスが対となっているものであり、磁化反
転で言えば、Ｎ／Ｎの磁化反転とＳ／Ｓの磁化反転がペ
ア（ユニット）として形成されるもののことである。

【００２４】図８は本発明のセクタサーボ方式の磁気デ
ィスク装置の復調系の第３の実施例の構成を示すブロッ
ク構成図である。この実施例の復調系が図２の第１の実
施例の復調系と異なる点は、コンパレータ１３の入力側
にＡＭ検波回路１１と並列に周波数限定ＡＭ検波回路１
６が設けられている点であり、ＡＧＣ回路９から出力さ
れる再生信号はこの周波数限定ＡＭ検波回路１６を通じ
てコンパレータ１３に入力されるようになっている。こ
の実施例の復調系を使用するのは、図６に示した復調系
と同様に、コード情報側のバーストパターンに複数の周
波数を設定した場合であり、この実施例は、それぞれの
周波数を検知してＡＭ検波回路１６が動作する様に設定
した例である。位置誤差情報側の動作は第１の実施例の
動作と同じである。

【００２５】図９は本発明のセクタサーボ方式の磁気デ
ィスク装置の復調系の第４の実施例の構成を示すブロッ
ク構成図である。この実施例の復調系が図８の第３の実
施例の復調系と異なる点は、デコーダの入力側に選択回
路２７が設けられており、この選択回路２７とＡＧＣ回
路９との間に、トラック番号用ＡＭ検波回路２１とコン
パレータ２４の直列回路、セクタ番号用ＡＭ検波回路２
２とコンパレータ２５の直列回路、およびヘッド番号用
ＡＭ検波回路２３とコンパレータ２６の直列回路が並列
に設けられている点である。この実施例では、コンパレ
ータ２４〜２６の何れか１つの出力が、デコーダ１４に
よって制御される選択回路２７によって選択されてデコ
ーダ１４に入力されるようになっている。この実施例の
復調系を使用するのは、図８に示した復調系と同様に、
コード情報側のバーストパターンに複数の周波数を設定
した場合であり、この実施例では、コード情報側のバー
ストパタンを、トラック番号用、セクタ番号用、および
ヘッド番号用に対してそれぞれ別々に周波数を設定して
いる。そして、これらトラック番号用、セクタ番号用、
およびヘッド番号用のコード情報を、トラック番号用Ａ
Ｍ検波回路２１とコンパレータ２４の直列回路、セクタ
番号用ＡＭ検波回路２２とコンパレータ２５の直列回
路、およびヘッド番号用ＡＭ検波回路２３とコンパレー
タ２６の直列回路によって別々に検出し、選択回路２７
で選んで復調するようにしている。位置誤差情報側の動
作は第１の実施例の動作と同じである。

【００２６】図１０は本発明のセクタサーボ方式の磁気
ディスク装置の復調系の第５の実施例の構成を示すブロ
ック構成図である。この実施例の復調系は図２に示した
第１の実施例の復調系と基本的に構成が同じであるが、
ＡＭ検波回路１１とデコーダ１４の中にゲート信号の生
成回路が設けられている点のみが異なる。すなわち、Ａ
Ｍ検波回路１１の中には、ゲート信号により動作するゲ
ート回路１１ａとＡＭ検波処理部１１ｂが設けられてい
る。また、デコーダ１４の中にはタイミング制御部１４
ａ、パルス化コードのデコード処理部１４ｂ、およびゲ
ート生成部１４ｃが設けられている。

【００２７】この実施例ではコンパレータ１３の出力が
タイミング制御部１４ａとパルス化コードデコード処理
部１４ｂに入力されており、タイミング制御部１４ａの
出力はＤＳＰとその周辺回路１０、Ａ／Ｄ変換器１２、
およびゲート生成部１４ｃに入力されている。そして、
ゲート生成部１４ｃからの信号により、ゲート回路１１
ａが動作するようになっている。

【００２８】図１１(a) は図１０のセクタサーボ方式の
磁気ディスク装置において磁気ディスク１のトラック上
に書かれた位置誤差情報のパターンと、これを再生する
ヘッドＨを示すものである。例えば、位置誤差情報のＡ
とＢのパターンが図１１(a)のようであった場合、ヘッ
ドＨによる再生波形は図１１(b) に示すようになる。図
２のＡＭ検波回路１１では、この再生波形がそのままＡ
Ｍ検波処理されていたが、この第５の実施例では、ゲー
ト生成部１４ｃからゲート回路１１ａに図１１(c) に示
すようなゲート信号が入力され、このゲート信号がハイ
レベル“Ｈ”である間だけゲート回路１１ａから再生波
形がＡＭ検波処理部１１ｂに出力されるようになってい
る。

【００２９】このゲート信号により、この実施例では、
ヘッドＨにより読み出されたバーストパターン信号を復
調する際に、１単位のバーストパターンの波形に対し
て、バーストパターン信号の開始部分と終了部分がカッ
トされる。この処理は、バーストパターンの両端（始ま
りと終わり）の波形はその前または後ろの隣接する波形
との距離が離れているので波形干渉が少なく、バースト
パターンの中央部と比較してパルスのレベルが違ってい
るために行われる。この処理により、媒体ノイズによる
波形干渉の異なるバーストパターン信号の開始部分と終
了部分が除かれた状態で再生信号のＡＭ検波がＡＭ検波
処理部１１ｂにおいて行われることになり、媒体ノイズ
等の影響が同じ状態でサーボパターンを復調することが
でき、磁気ディスク装置の高密度化が行える。

【００３０】なお、この実施例では、図２で説明した復
調系の第１の実施例においてゲート信号を生成し、波形
干渉の影響が異なるバーストパターン信号の開始部分と
終了部分を除く処理を説明したが、このゲート信号によ
るバーストパターン信号の開始部分と終了部分を除く処
理は、図６の復調系の第２の実施例、図８の復調系の第
３の実施例、図９の復調系の第４の実施例、および図１
０の復調系の第５の実施例に適用可能である。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
パルス列のパターンを全てバーストパターンに置き換え
ることにより、媒体ノイズ等の影響の少ないサーボパタ
ーンによってサーボ情報の復調を行うことができ、磁気
ディスク装置の高密度化が行えるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a) は本発明のセクタサーボ方式の磁気ディス
ク装置の第１の形態の構成を示す原理構成図、(b) は第
２の形態の構成を示す部分図、(c) は第３の形態の構成
を示す部分図である。

【図２】本発明のセクタサーボ方式の磁気ディスク装置
の復調系の第１の実施例の構成を示すブロック構成図で
ある。

【図３】(a) は本発明におけるトラック上のサーボ情報
領域に書かれた一実施例のパターンを説明するパターン
図、(b) は(a) に示すヘッドの再生波形を示す波形図で
ある。

【図４】図３に示したパターンの変形例のパターンを示
すパターン図である。

【図５】(a) は本発明におけるトラック上のサーボ情報
領域に書かれた別の実施例のパターンを説明するパター
ン図、(b) は(a) に示すヘッドの再生波形を示す波形図
である。

【図６】本発明のセクタサーボ方式の磁気ディスク装置
の復調系の第２の実施例の構成を示すブロック構成図で
ある。

【図７】(a) は図５に示したパターンの変形例のパター
ンを示すパターン図、(b) は(a) に示すヘッドの再生波
形を示す波形図である。

【図８】本発明のセクタサーボ方式の磁気ディスク装置
の復調系の第３の実施例の構成を示すブロック構成図で
ある。

【図９】本発明のセクタサーボ方式の磁気ディスク装置
の復調系の第４の実施例の構成を示すブロック構成図で
ある。

【図１０】本発明のセクタサーボ方式の磁気ディスク装
置の復調系の第５の実施例の構成を示すブロック構成図
である。

【図１１】(a) はヘッドに読まれるパターンを示すパタ
ーン図、(b) は(a) に示すヘッドによって読み出された
再生波形図、(c) は図１０の復調系により(b) の再生波
形を取り込むために生成されたゲート信号を示す波形図
である。

【図１２】(a) は、コードを示すサーボ情報をグレイコ
ードで表現したパルス列のパターンで形成し、アナログ
値を必要とする位置誤差情報をバーストパターンで形成
した従来のサーボ領域を拡大して示すパターン図、(b)
は(a) のサーボ領域に隣接するデータ領域のｎ＋２番目
のトラック上にあるヘッドＨがサーボ領域を通過した時
に読み出される再生波形を示す波形図、(c) は(a) のＸ
部の部分拡大図である。

【符号の説明】

１…磁気ディスク ２…振幅変調検波手段 ３…信号レベル検出手段 ４…コード情報検出手段 ５…サーボ情報復調手段 ６…周波数別振幅変調検波手段 ７…ゲート手段 ８…プリアンプ ９…ＡＧＣ回路 １０…ＤＳＰとその周辺回路 １１…ＡＭ検波回路 １１ａ…ゲート回路 １１ｂ…ＡＭ検波処理部 １２…Ａ／Ｄ変換器 １３…コンパレータ １４…デコーダ １４ａ…タイミング制御部 １４ｂ…パルス化コードデコード処理部 １４ｃ…ゲート生成部 １５…周波数識別回路 １６…周波数限定ＡＭ検波回路 ２１…トラック番号用ＡＭ検波回路 ２２…セクタ番号用ＡＭ検波回路 ２３…ヘッド番号用ＡＭ検波回路 ２４〜２６…コンパレータ ２７…選択回路 Ｈ…ヘッド

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ディスク上に同心円状に設けられた
   データを記録するためのトラックが、周方向に複数のセ
   クタに分割され、各セクタには、データを記録するデー
   タ領域と、ヘッドの位置決めのためのサーボ情報領域が
   設けられたセクタサーボ方式の磁気ディスク装置であっ
   て、 前記サーボ情報領域に含まれるトラック番号、セクタ番
   号等のコード情報と、位置誤差情報等を形成する磁化パ
   ターンの全てがバーストパターンにて形成された磁気デ
   ィスク(1) を使用し、 前記ヘッドにより読み出された磁気ディスク上のバース
   トパターン信号を振幅変調検波する振幅変調検波手段
   (2) と、 振幅変調検波された信号から、ヘッドの位置誤差情報を
   信号のレベルによって検出する信号レベル検出手段(3)
   と、 振幅変調検波された信号から、コード情報を読み取るコ
   ード情報検出手段(4)と、 検出されたヘッドの位置誤差情報と、コード情報とを元
   にヘッドのサーボ情報を復調するサーボ情報復調手段
   (5) と、 を備えることを特徴とするセクタサーボ方式の磁気ディ
   スク装置。
2. 【請求項２】 前記磁気ディスク(1) のサーボ情報領域
   に形成されるバーストパターンの周波数を、トラック番
   号、セクタ番号、位置誤差情報等のサーボ情報の種類に
   より、それぞれ異ならせると共に、前記ヘッドにより読
   み出されたバーストパターン信号を、各周波数毎に振幅
   変調検波する周波数別振幅変調検波手段(6) を設けたこ
   とを特徴とする請求項１に記載のセクタサーボ方式の磁
   気ディスク装置。
3. 【請求項３】 サーボ情報の種類によって異なるバース
   トパターンの周波数を、ある基準となる周波数の整数倍
   にしたことを特徴とする請求項２に記載のセクタサーボ
   方式の磁気ディスク装置。
4. 【請求項４】 前記サーボ情報のうち、コード情報であ
   るトラック番号、セクタ番号等をグレイコードで形成す
   ると共に、ビットの１を表すバーストパターンの周波数
   とビットの０のバーストパターンの周波数とを変えて、
   一方の周波数を他方の周波数の整数倍にすると共に、前
   記ヘッドにより読み出されたバーストパターン信号を、
   各周波数毎に振幅変調検波する周波数別振幅変調検波手
   段(6)を設けたことを特徴とする請求項１に記載のセク
   タサーボ方式の磁気ディスク装置。
5. 【請求項５】 前記ヘッドにより読み出されたバースト
   パターン信号を復調する際に、１単位のバーストパター
   ンの波形に対して、バーストパターン信号の開始部分と
   終了部分の少なくとも１つずつの波形を除くゲート手段
   (7) を設け、再生波形の波形干渉の一様な部分のバース
   トパターン信号のみを使用して復調を行うようにした請
   求項１から４の何れか１項に記載のセクタサーボ方式の
   磁気ディスク装置。