JP3910736B2 - ディスク記憶装置及び同装置におけるサーボセクタアドレスエラー検出方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク上に配置されたサーボセクタの所定領域に記録されたサーボ情報中のサーボセクタアドレスのエラーを検出するのに好適なディスク記憶装置及び同装置におけるサーボセクタアドレスエラー検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
データの記録にディスク(ディスク記録媒体)を用いたディスク記憶装置、例えば磁気ディスク装置では、ディスク上のトラックに等間隔で配置されたサーボセクタのサーボ領域に記録されているサーボ情報(サーボ信号)に基づいて、更に具体的に述べるならばサーボ領域のアドレス部(シリンダアドレス部)に記録されているシリンダアドレス及びバースト部に記録されているバーストデータ(サーボバーストパターン)に基づいてヘッドの位置決め制御を行う、いわゆるセクタサーボ方式の位置決め制御を適用するのが一般的である。
【0003】
また、ヘッドを目標位置に位置決めした状態でのデータアクセスの対象となる目標セクタは、サーボ領域のアドレス部(セクタアドレス部)に記録されているサーボセクタアドレスをデコードすることで検出している。ここでヘッドによる再生信号にノイズ等が重畳されるような場合には、サーボセクタアドレスを正しく読み取る(抽出する)ことができずに、誤ったセクタへのデータアクセスが行われる虞がある。
【0004】
そこで従来は、ノイズ等の混入によりサーボセクタアドレスを正しく読み取れないことを避けるため、サーボセクタアドレスの連続性をチェックすることで、読み取ったサーボセクタアドレスが正当であるか否かを判定している。具体的には、例えばサーボセクタアドレス「38」のセクタにアクセスする際に、その直前のアドレスが「35」,「36」,「37」と連続していることをチェックするものである。
【0005】
もし、対象となるノイズがランダムなノイズの場合には、この連続性チェックによりサーボセクタアドレスの正当性を確認する方法はアドレス誤認識の検出に対して非常に有効である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の磁気ディスク装置は、高記録密度化を実現する手段の1つとして、高い再生出力が得られる磁気抵抗(Magneto Resistive ;MR)ヘッドを再生ヘッドとして用いた、いわゆる複合分離型の磁気ヘッドが採用されるようになってきている。この磁気抵抗ヘッド(以下、MRヘッドと称する)は、優れた再生特性を有している反面、MRヘッド(の主たる構成要素であるMR素子)の磁気感度が急激に変化し、ヘッド再生出力に不規則なノイズが発生(重畳)する問題がある。このノイズは、バルクハウゼンノイズと呼ばれ、ランダムノイズとは異なり信号は波形に依存して現れることがある。つまり、バルクハウゼンノイズは、必ずというわけではないが、波形の特定パターンの特定位置に現れることがある。
【0007】
このため、上記従来技術で適用していた連続性チェックは、バルクハウゼンノイズに対しては、ランダムノイズの場合と異なって、必ずしも有効な方法とはなり得ない。例えば、サーボセクタアドレスがビット0〜5の6ビットのパターンで構成されるものとし、その特定位置であるビット5にバルクハウゼンノイズが規則的に現れて、サーボセクタアドレス「3」,「4」,「5」が、それぞれ「3」(2進表現で000011)→「35」(2進表現で100011),「4」(2進表現で000100)→「36」(2進表現で100100),「5」(2進表現で000101)→「37」(2進表現で100101)のように誤って読み取られる規則的なエラーを起こす場合であれば、アドレス「38」に記録するつもりが、実際にはアドレス「6」に記録してしまう不具合が発生する。これは、アドレス「3」,「4」,「5」…が「35」,「36」,「37」…のように規則的に化けるので、連続性チェックでは例ではアドレスの誤認識を検出できないことによる。
【0008】
このように従来の技術にあっては、サーボセクタアドレスの特定ビット位置に規則的にノイズ(バルクハウゼンノイズ)が現れることにより、特定ビットが化けて規則的なエラーを起こす場合には、アドレスの連続性チェックではアドレスの誤認識を検出できず、誤ったセクタへのデータアクセスが行われるという問題があった。
【0009】
本発明は上記事情を考慮してなされたものでその目的は、サーボセクタアドレスの特定ビットが波形依存性の強いバルクハウゼンノイズ等の影響で規則的なエラーを起こす場合にもサーボセクタアドレスの連続性チェックで異常であると正しく検出できるディスク記憶装置及び同装置におけるサーボセクタアドレスエラー検出方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、同一円周上に等間隔で配置されたサーボセクタの所定領域に、当該サーボセクタに固有のサーボセクタアドレスを含み、ヘッドの位置決め等に用いられるサーボ情報(サーボ信号)が記録されるディスク記録媒体であって、同一円周上の各サーボセクタの所定領域には、当該サーボセクタの並び順とは異なって不連続となるように所定の変換規則に従って変換されたサーボセクタアドレスが記録されるディスク記録媒体と、このディスク記録媒体のサーボセクタの所定領域からヘッドにより読み出されるサーボ情報に含まれるサーボセクタアドレスを、当該アドレスの記録時に適用された変換規則または当該変換規則に対応する逆変換用の逆変換規則に従って、変換前の元のサーボセクタアドレスに逆変換する逆変換手段と、この逆変換手段により逆変換された、目標サーボセクタを含む連続する複数のサーボセクタに固有のサーボセクタアドレスの連続性をチェックすることで、サーボセクタアドレスエラーを検出するサーボセクタアドレスエラー検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
このような構成においては、ディスク記録媒体の同一円周上の各サーボセクタの所定領域に記録されるサーボセクタアドレスの順序は、当該サーボセクタの並び順に固有の連続した順序ではなく、所定の変換規則に従う変換処理で不連続となっている。
【0012】
このため、波形依存性の強いノイズ等によりサーボセクタアドレスに対して規則的なエラー(つまりサーボセクタアドレスの特定ビットのエラー)が発生した場合にも、そのサーボセクタアドレスの列が連続でないため、その効果は(従来のような連続するサーボセクタアドレスの列に対するのと異なって)一様でなくなる。したがって、逆変換手段により元のサーボセクタアドレスに戻した際にも連続性は失われる。この結果、元のサーボセクタアドレスに戻した状態でサーボセクタアドレスエラー検出手段により連続性のチェックを行うことで、規則性のあるアドレスエラーを正しく検出でき、誤った位置にアクセスすることを回避することが可能となる。
【0013】
ここで、上記の変換規則に、予め定められた乱数に従った値を用いるとよい。即ち、本来のサーボセクタアドレスに対する新たなサーボセクタアドレスの付け方に乱数を用いるとよい。
【0014】
このようにすると、サーボセクタアドレスの列の連続性だけでなく規則性もなくすことができるため、波形依存性の強いノイズ等に起因する規則的なエラーに対する検出精度を一層高めることが可能となる。
【0015】
また、上記乱数として、隣接するサーボセクタに割り当てられる変換後のサーボセクタアドレス間の同位のビットを比較して値の異なるビットの数が大きくなる乱数を用いるとよい。
【0016】
このように、隣合ったアドレス同士の相違度が大きくなるようにすることで、規則的なエラーを起こした場合の検出精度をより一層高めることが可能となる。この効果は、隣接するサーボセクタに割り当てられる変換後のサーボセクタアドレス間だけでなく、2つ隣のサーボセクタに割り当てられる変換後のサーボセクタアドレス間についても、同位のビットを比較して値の異なるビットの数が大きくなる乱数を用いるならば、更に大きくなる。
【0017】
また、上記逆変換手段によるサーボセクタアドレスの逆変換に用いられる変換テーブル、つまり本来のサーボセクタアドレスと変換後のサーボセクタアドレス(乱数)との対応テーブル(乱数テーブル)が予め格納された不揮発性記憶手段を設け、上記変換テーブルを参照することにより、対象となるサーボセクタアドレスを逆変換する構成とするならば、サーボセクタアドレスの逆変換を高速に行うことができる。ここで、変換テーブルには、上記変換規則に対応するもの、つまり本来のサーボセクタアドレスと変換後のサーボセクタアドレス(乱数)との対応関係が、本来のサーボセクタアドレスをソートして記述されたものを用いることも可能であるが、変換後のサーボセクタアドレス(乱数)をソートして記述されたものを用いるならば、逆変換の一層の高速化が可能となる。
【0018】
また、ディスク記録媒体の各サーボセクタの所定領域に上記変換規則に従うサーボセクタアドレスが予め記録されている構成とすることで、つまりディスク記憶装置の製造段階でサーボセクタアドレスが記録される構成とすることで、ハードセクタを想定したディスク記憶装置に適用できる。
【0019】
この構成では、予めサーボセクタアドレスが記録されているため、装置の動作時に不連続なサーボセクタアドレスへの変換のための変換手段と、その変換に要する時間を省略できる。
【0020】
逆に、ソフトセクタ方式を想定して、ディスク記憶装置の動作時にディスク記録媒体の各サーボセクタの所定領域にサーボセクタアドレスを記録するサーボセクタアドレス記録手段であって、対応するサーボセクタの位置に固有のサーボセクタアドレスを上記変換規則に従って変換して、その変換後のサーボセクタアドレスを記録するサーボセクタアドレス記録手段が付加された構成とすることも可能である。
【0021】
この構成では、サーボセクタアドレスを後から(つまりユーザの使用時に)記録するため、変換規則を複数用意することにより、任意の変換規則をデータ記録時に選択することが可能となるなど、自由度が高い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の全体構成を示すブロック図である。
【0023】
図1において、1はデータが磁気記録される磁気記録媒体であるディスク(磁気ディスク)、2はディスク1へのデータ書き込み(データ記録)及びディスク1からのデータ読み出し(データ再生)に用いられるヘッド(磁気ヘッド)である。ここでは、説明を簡略化するために、単一枚のディスク1を備えた磁気ディスク装置を想定しているが、ディスク1が複数枚積層配置された磁気ディスク装置であっても構わない。
【0024】
ヘッド2は、ディスク1の各記録面に対応してそれぞれ設けられているものとする。本実施形態で適用されるヘッド2は記録ヘッドと再生ヘッドとが分離した複合分離型ヘッドであり、再生ヘッドにはMR素子からなるMRヘッドが用いられている。MRヘッドは、周知のように、外部磁界変化により抵抗値が変化することを利用するものである。当該MRヘッドによる磁気記録データの再生は、一定のバイアス電流(センス電流)を供給することにより、ディスク1上に記録されたデータを磁界の変化によるMR素子の両端の電圧変化として検出することで行われる。
【0025】
図2にディスク1のフォーマットの概念図を示す。同図に示すように、ディスク1の記録面には、同心円状の多数のトラックが形成され(但し、図示されているトラックの数は、作図の都合で実数より著しく少ない)、各トラックは複数のサーボセクタ100に等分割されている。各サーボセクタ100は、ヘッドのシーク・位置決め等に用いられるサーボ信号(サーボ情報)が記録されたサーボ領域110と、データ(ユーザデータ)が記録されるデータセクタが複数個配置されたデータ領域120からなる。各サーボ領域110は、ディスク1上では中心から各トラックを渡って放射状に等間隔で配置されている。図では、作図の都合上、8個のサーボ領域110が配置されている様子が示されているが、実際にはディスク1の1周(各シリンダ)につき50〜60程度のサーボ領域110が配置されるのが一般的である。本実施形態では、ディスク1の1周につき56個のサーボ領域110が配置されるものとする。この場合、56個のサーボ領域110にそれぞれ対応する56個のサーボセクタ100には、それぞれ0〜55の固有のサーボセクタアドレスが割り当てられる。このサーボセクタアドレスはビット0〜5の6ビットで構成されている。
【0026】
図3にサーボ領域110のフォーマットの概念を、当該サーボ領域110に記録されるサーボ信号の信号波形例と共に示す。同図に示すように、サーボ領域110は、信号の振幅を安定化するために一定の周波数の信号が記録されたAGC部111、イレーズ部112、サーボ領域識別用の固有のパターン(インデックスパターン)が記録されたインデックス部113、該当するサーボセクタ100が存在するシリンダ上の配置位置に固有のサーボセクタ番号を示すサーボセクタアドレスが記録されたセクタアドレス部114、該当するサーボセクタ100が存在するシリンダ位置に固有のシリンダ番号を示すシリンダアドレス(シリンダコード)が記録されたシリンダアドレス部115、及びバースト部116を有している。このバースト部116には、シリンダアドレス部115中のシリンダアドレスの示すシリンダ内の位置誤差を波形の振幅で示すためのバーストデータ(バーストパターン)が記録されている。
【0027】
再び図1を参照すると、ディスク1はスピンドルモータ(SPM)3により高速に回転する。ヘッド2はキャリッジ4と称するヘッド移動機構に取り付けられて、このキャリッジ4の移動によりディスク1の半径方向に移動する。キャリッジ4は、ボイスコイルモータ(VCM)5により駆動される。
【0028】
スピンドルモータ(SPM)3及びボイスコイルモータ(VCM)5は、モータドライバ6に接続されている。モータドライバ6は、スピンドルモータ3に制御電流を流して当該モータ3を駆動する他、ボイスコイルモータ5に制御電流を流して当該モータ5を駆動する。ここで、ボイスコイルモータ5に流す制御電流を表す値(操作量)は、ヘッド2によってサーボ領域110から読み出されるサーボ信号(中のシリンダアドレス及びバーストデータ)をもとにCPU14の計算処理で決定される。
【0029】
ヘッド2は例えばフレキシブルプリント配線板(FPC)に実装されたヘッドアンプ回路7と接続されている。ヘッドアンプ回路7は、ヘッド2の切り替え、ヘッド2との間のリード/ライト信号の入出力等を司るもので、ヘッド2で読み取られたアナログ出力(アナログ再生出力)を増幅するヘッドアンプ、リード/ライト回路8から送られてくる書き込みデータに従いヘッド2にライト信号(ライト電流)を出力するライトドライバ、及びヘッド2(の再生ヘッドをなすMR素子)にバイアス電流を供給するバイアス電流発生回路(いずれも図示せず)等を有する。
【0030】
リード/ライト回路8は、ヘッド12によりリード/ライトされるデータを処理する信号処理回路である。リード/ライト回路8は、ヘッドアンプ回路7により増幅された再生信号を入力し、当該再生信号中のAGC部111の信号が一定の振幅になるように当該再生信号を自動利得制御するAGC(自動利得制御)機能と、この自動利得制御された再生信号を入力して例えばNRZコードへのデータ再生動作に必要な信号処理を行うデコード機能(リードチャネル)と、当該再生信号を2値化してパルス列(リードパルス)に変換する2値化機能(ピーク検出機能)と、当該再生信号から(ヘッド位置決め制御等のサーボ処理に必要な)サーボ信号中のバーストデータを抽出するバースト抽出機能とを有している。またリード/ライト回路8は、後述するHDC10から転送されるNRZコードのライトデータをライト信号に変換するための信号処理を行うエンコード機能(ライトチャネル)を有している。
【0031】
ゲートアレイ9は、リード/ライト回路8の2値化機能により出力されるリードパルスを受けて、サーボ領域110中のインデックス部113に記録されているインデックスパターンを検出することで、サーボ領域110中のセクタアドレス部114、シリンダアドレス部115、及びバースト部116のデータを抽出するのに必要な各種タイミング信号、更にはサーボ領域110に後続するデータ領域120内の各データセクタ(の開始位置)に対応したタイミング信号(データセクタパルス)を生成するタイミング信号生成機能を有する。
【0032】
ゲートアレイ9はまた、上記リードパルスから、サーボ領域110中のセクタアドレス部114、シリンダアドレス部115に記録されているサーボセクタアドレス、シリンダアドレスを抽出するアドレス抽出機能を有する。
【0033】
HDC(ディスクコントローラ)10は、ホスト装置(図示せず)との間のコマンド、データの通信を制御するインタフェース機能と、ゲートアレイ9からのタイミング信号に従ってリード/ライト回路8との間のデータの通信を制御するディスクコントローラ機能とを有している。HDC10は、例えばリード時には、リード/ライト回路8から出力される再生データのうち目標データセクタのタイミングに対応した再生データを取り込んでホスト装置に転送する。HDC10には、リード/ライトデータがキャッシュ方式で格納されるバッファ領域を提供する書き換え可能な揮発性メモリとしてのRAM(Random Access Memory)11が接続されている。このRAM11は次に述べるCPU12のワーク領域等も提供する。
【0034】
CPU12は、磁気ディスク装置内の各部を制御する主制御装置をなす。CPU12は書き換え可能な不揮発性メモリとしてのフラッシュROM(Read Only Memory)13を内蔵している。フラッシュROM(以下、FROMと称する)13には、CPU12の制御に必要な制御プログラム130が格納されている。またFROM13には、セクタアドレス逆変換テーブル131が格納されている。本実施形態では、後述するように、ディスク1の同一円周(シリンダ)上に配置されるサーボセクタ100(のサーボ領域110)に記録されるサーボセクタアドレスを本来の順番とは変えて連続性のないアドレスに置き換えるようにしている。セクタアドレス逆変換テーブル131は、この置き換えられたサーボセクタアドレス(変換後アドレス)を元のアドレスに逆変換するのに用いられる、変換後アドレスと元アドレスとの対応テーブルである。
【0035】
CPU12は、ゲートアレイ9のサーボ抽出機能により抽出されたシリンダアドレス、及びリード/ライト回路8のバースト抽出機能により抽出されたバーストデータを読み取り、その読み取ったデータに従ってヘッド2を目標シリンダに移動させて、その目標シリンダ内の目標位置に位置決めする、周知のヘッド位置決め制御を司る。
【0036】
またCPU12は、ホスト装置からリード/ライトコマンドが送られた場合に、HDC10が目標のデータセクタに対するリード/ライトのタイミング制御を行うことができるように、必要な設定をリード/ライト回路8及びHDC10に対して行う周知のリード/ライト制御を司る。
【0037】
この他にCPU11は、ゲートアレイ9により抽出されたサーボセクタアドレスをセクタアドレス逆変換テーブル131に基づいて元のアドレスに逆変換する処理と、逆変換後の目標サーボセクタを含む連続する複数のサーボセクタに固有のサーボセクタアドレスの連続性をチェックすることで、サーボセクタアドレスエラーを検出する処理とを行う。
【0038】
次に図1の構成の動作を説明する。
まず、ディスク1上のサーボセクタ100に配置されたサーボ領域110に記録されたサーボ信号、及びデータ領域120内の各データセクタに記録されたデータはMRヘッド2により読み取られ(再生され)、その再生信号は、ヘッドアンプ回路3により増幅される。ヘッドアンプ回路3により増幅された再生信号はリード/ライト回路8に入力される。
【0039】
リード/ライト回路8は、ヘッドアンプ回路3により増幅された再生信号のうち、サーボ領域110のAGC部111に記録されている信号の出力波形の振幅が一定になるようにAGC機能により利得(ゲイン)調整を行うことで、当該再生信号の振幅の安定化を図る。リード/ライト回路8は、AGC機能により振幅の安定化が図られた再生信号を2値化機能により2値化してパルス列(リードパルス)に変換し、ゲートアレイ9に出力する。
【0040】
ゲートアレイ9は、リード/ライト回路から出力されるリードパルスを受けて、サーボ領域110中のインデックス部113に記録されているインデックスパターンを検出し、その検出タイミングを表すサーボセクタパルスを生成し、当該サーボセクタパルスを基準に、サーボ領域110中のバースト部116に記録されているバーストデータに対応するタイミング信号(バーストタイミング信号)、同じくサーボ領域110中のセクタアドレス部114、シリンダアドレス部115に対応するタイミング信号(アドレスタイミング信号)等を生成する。ここで、バーストタイミング信号はリード/ライト回路8に出力される。
【0041】
リード/ライト回路8は、上記AGC機能により振幅の安定化が図られた再生信号から、ゲートアレイ9により出力されるバーストタイミング信号に応じて、バースト部116のデータ、即ちバーストデータ(バーストパターン)を抽出する。
【0042】
一方、ゲートアレイ9は、自身が生成した上記アドレスタイミング信号に従うタイミングで、上記リードパルスから、サーボ領域110中のセクタアドレス部114、シリンダアドレス部115に記録されているサーボセクタアドレス、シリンダアドレスをアドレス抽出機能により抽出する。
【0043】
ゲートアレイ9は、抽出したサーボセクタアドレスの示すサーボセクタ100内のデータ領域120に配置される各データセクタ位置のタイミングを示すデータセクタパルスを生成する。またゲートアレイ9は、抽出したサーボセクタアドレスと(データアクセスの対象となる)目標とするサーボセクタのサーボセクタアドレスとを比較し、ヘッド2がディスク1上の目標シリンダ位置にシーク・位置決めされている状態で一致を検出した場合に、上記データセクタパルスの数をカウントして目標サーボセクタにおけるリードまたはライトの開始データセクタ位置を検出することで、HDC10におけるディスクリード動作またはディスクライト動作の開始タイミングを制御する。
【0044】
CPU12は、ゲートアレイ9により(現在ヘッド2が位置しているシリンダの)シリンダアドレスが抽出される毎に、当該シリンダアドレスと目標シリンダのシリンダアドレスとを比較し、その比較結果からヘッド2を目標シリンダにシーク(移動)させるのに必要な操作量を算出する。そしてCPU12は、この操作量をモータドライバ6に与えて当該モータドライバ6によりボイスコイルモータ5を駆動させることで、ヘッド2を目標シリンダにシークさせるシーク制御を行う。
【0045】
またCPU12は、ヘッド2を目標シリンダシークさせると、リード/ライト回路8によりバーストデータが抽出される毎に、当該バーストデータをもとにヘッド2の目標シリンダにおける目標位置からの位置誤差を算出し、その位置誤差に基づいてモータドライバ6を通してボイスコイルモータ5を駆動制御することで、ヘッド2を目標位置に位置決めする位置決め制御を行う。
【0046】
以上の説明からも明らかなように、サーボ領域110のセクタアドレス部114及びシリンダアドレス部115に記録されているアドレス信号は、当該アドレス部114,115(を持つサーボ領域110)が配置されている位置によって、内容が少しずつ異なっており、当該アドレス部114,115のアドレス信号をヘッド2で読み取ることにより、ヘッド2が存在している位置が識別できるようになっている。本実施形態において、アドレス部114,115に記録されるアドレス信号は、図4の形式で「1」と「0」を表現している。ここでは、このアドレス信号から抽出されるリードパルスを単位時間毎に区切り、その区切りの3つ1組で「1」と「0」が表される。図4の例では、左側の組が「1」、右側の組が「0」である。この「1」と「0」の識別はゲートアレイ9のアドレス抽出機能によって行われる。
【0047】
ところが、ヘッド2により再生されたアドレス信号の波形にノイズなどが重畳された場合には、上記した「1」と「0」が正しく識別できなくなる虞がある。もし、「1」と「0」が正しく識別できなかった場合、ゲートアレイ9により誤ったアドレスが抽出されることになり、位置決め制御を混乱させる。最悪の場合には、目標位置とは異なった位置にデータを記録して、その位置に既に記録されていたデータを破壊してしまう。
【0048】
但し、シリンダアドレスに関しては、既に述べているように、細かな位置決めのために当該シリンダアドレスに加えてバースト部116のデータ(バーストデータ)を併用しており、且つリード/ライト時には目標シリンダのアドレスと同じシリンダアドレスを示すことが前提であるので、比較的異常を検出しやすい。
【0049】
ところが、サーボセクタアドレスに関しては、ディスク1が1回転する間に、全てのアドレスパターンが現れることが前提であるので、異常を検出しにくい。そこで、セクタアドレスは必ず順番通りに現れることに着目し、その連続性のチェックを行うことでセクタアドレスの異常を検出することが従来から行われている。これは、例えばサーボセクタアドレス「38」のセクタにアクセスする際に、その直前のアドレスが「35」,「36」,「37」と連続していることをチェックするものである。このチェックで連続性が確認されて初めて、サーボセクタアドレス「38」へのアクセスが許可される。この連続性のチェックはCPU12により行われる。
【0050】
さて、この連続性チェックによりサーボセクタアドレスの正当性を確認する方法は、対象となるノイズがランダムなノイズの場合には、[従来の技術]の欄でも述べたようにアドレス誤認識の検出に対して非常に有効である。
【0051】
しかしながら、対象となるノイズがバルクハウゼンノイズ(BHN)となると、[発明が解決しようとする課題]の欄でも述べたように事情が異なってくる。つまり、波形依存性のあるバルクハウゼンノイズの場合、必ずというわけではないが、波形の特定ビットにエラーが現れることがある。本発明者は、6ビット構成のセクタアドレスのインデックス部113側のビットであるビット5(第5ビット)にエラー(ビット化け)が規則的に現れることを確認している。
【0052】
ビット5がビット化けにより例えば「0」→「1」になると、アドレスは32個(32サーボセクタ)分ずれるが、順番は崩れないのでアドレスの誤認識を連続性チェックで検出することはできない。このサーボセクタアドレスのビット5のエラーの例を、正しいサーボセクタアドレスと対比させて図5に示す。
【0053】
図5の例のように、サーボセクタアドレス「3」,「4」,「5」が、それぞれ「3」→「35」,「4」→「36」,「5」→「37」といった規則的なエラーを起こす場合、アドレス「38」に記録するつもりが、実際にはアドレス「6」に記録してしまう不具合が発生する。
【0054】
そこで本実施形態では、このような不具合を回避するために、ディスク1の同一円周(シリンダ)上に配置される(56個の)サーボセクタ100(のサーボ領域110)に記録されるサーボセクタアドレス(セクタアドレスコード)を本来の順番とは変えて連続性のないアドレス(コード)に置き換えるようにしている。こうすれば、サーボセクタアドレスの特定ビットにエラーが現れても、もともとアドレスが連続でないためエラーの効果は一様でなくなり、元のアドレスに戻したときの連続性も失われることになる。ここで、(CPU12により)連続性のチェックを行えば異常を検出することができ、誤ったセクタアドレスにアクセスしてしまうことを回避できる。
【0055】
ところで、ディスク1上の各サーボセクタ100毎に記録されるアドレス情報のうち、サーボセクタアドレスを装置の製造時に予め書き込んでおく方式をハードセクタ方式と呼ぶ。これに対し、装置完成後のデータ記録時にデータ記録に先行して(一般にフォーマッティングと呼ばれるモードで)書き込む方式をソフトセクタ方式と呼ぶ。本実施形態では、ハードセクタ方式を想定しており、したがってディスク1には、装置の製造時において、(サーボライタと呼ばれる専用の装置により)サーボ領域110が図2に示すように配置されて、サーボセクタアドレスを含むサーボ信号が図3に示す形式で記録されている。
【0056】
さて、サーボセクタアドレスを連続性のないようにする手法として、本実施形態ではサーボセクタアドレスの付け方に乱数を用いるようにしている。このようにすると、エラーが起きた場合にその異常を検出できる確率は更に高くなる。
【0057】
乱数は、セクタアドレスの記録時とそこへのアクセス時で同一のものが得られるならば、その都度生成してもよい。しかし、元の連続するセクタアドレス(元アドレス)と乱数(不連続アドレス)との対応テーブルを不揮発性記憶手段に記憶しておき、それを用いて連続アドレス(元アドレス)から不連続アドレス(乱数)への変換と、不連続アドレス(乱数)から連続アドレス(元アドレス)への変換(つまり逆変換)とを行うことが、高速変換処理という点では好ましい。
【0058】
乱数は基本的に任意のものでよいが、バイナリコードに酷似したようなものでは効果が必ずしも十分ではない。なるべく隣接するサーボセクタ100のアドレス同士が似ていないコードとなるように符号間距離、つまり同位(同一ビット位置)のビットを比較して値の異なるビットの数が平均して大きい方がよい。また、サーボセクタアドレスの連続性チェックは通常3サーボセクタ分以上で行われるので、隣の更に隣のアドレス(つまり2つ隣のアドレス)との符号間距離も大きい方がよい。更に、特定ビットにエラーが現れた場合でも、連続性が維持されてしまうように周期性を持たないことも重要である。
【0059】
このような条件を満たす乱数は何通りもあり得るが、その生成方法は次の通りである。一般に乱数列は周期性(規則性)を持たないように作られているが、上記した符号間距離まで考慮されている場合は希である。したがって幾つもの乱数列から、その隣合ったアドレスの符号間距離(更には隣の隣のアドレスとの符号間距離)を計算し、その平均値と最小値ができる限り大きいものを選び出せばよい。
【0060】
以上の作業をコンピュータを用いて行った結果、本実施形態では、本来のサーボセクタアドレス(元アドレス) と当該アドレスを連続性のないアドレスに変換するための乱数(変換後アドレス)との対応関係を記述した乱数テーブルとして、例えば図6及び図7に示す内容のセクタアドレス変換テーブル132が用いられる。
【0061】
さて、ハードセクタ方式を適用する本実施形態の磁気ディスク装置では、当該装置の製造時において、各サーボセクタ100のサーボ領域110内のセクタアドレス部114に(サーボライタにより)サーボセクタアドレスが書き込まれる。このサーボセクタアドレスの書き込みの際には、図6及び図7に示したセクタアドレス変換テーブル132が参照され、当該テーブル132に基づいたアドレス(変換後アドレス)が順に書き込まれる。これにより、本来サーボセクタアドレス「3」「4」「5」「6」…「35」「36」「37」「38」が書き込まれるはずのセクタアドレス部114には、図6及び図7から明らかなように、サーボセクタアドレス「42」「6」「17」「10」…「13」「23」「2」「37」が書き込まれる。
【0062】
したがって、実際のディスクアクセス時には、ゲートアレイ9により抽出されたサーボセクタアドレスを例えばCPU12により逆変換して元のアドレスを求めればよい。このアドレスの逆変換は、図6及び図7に示したセクタアドレス変換テーブル132を用いて行うことが可能である。但し、セクタアドレス変換テーブル132は元アドレスでソートされているため、元アドレスから実際にセクタアドレス部114に記録するアドレス(変換後アドレス)に変換する操作には適しているが、変換後アドレスから元のアドレスに戻す操作には必ずしも最適ではない。
【0063】
そこで本実施形態では、図6及び図7に示したセクタアドレス変換テーブル132中の変換後アドレスをソートして、そのソート後の変換後アドレスと元のアドレスとの対応テーブルである、図8及び図9に示した内容のセクタアドレス逆変換テーブル131を予め作成し、当該セクタアドレス逆変換テーブル131を変換後アドレスから元アドレスへの変換に用いるようにしている。ここでは、セクタアドレス逆変換テーブル131はFROM13内に予め格納されており、CPU12は当該セクタアドレス逆変換テーブル131を参照することで、ゲートアレイ9により抽出されたサーボセクタアドレス(変換後アドレス)を元のアドレスに簡単に逆変換することができる。
【0064】
なお、ハードセクタ方式を適用する本実施形態では、セクタアドレス変換テーブル132は装置製造時にのみ(サーボライタにより)使用されるだけである。このため、セクタアドレス逆変換テーブル131をFROM13内に用意する場合には、セクタアドレス変換テーブル132を磁気ディスク装置内に持たせる必要はない。
【0065】
さて、同一円周(シリンダ)上の連続するサーボセクタ100(に配置されるサーボ領域110のセクタアドレス部114)に本来記録されるはずのサーボセクタアドレス(元アドレス)が図10(a)のようであるものとする。この場合、装置製造時に図6及び図7のセクタアドレス変換テーブル132に従って実際に割り当てられたサーボセクタアドレス(変換後アドレス)は図10(b)のようになる。図10(b)から明らかなように、変換後のサーボセクタアドレスの列は、元のサーボセクタアドレス列と異なって不連続となっている。
【0066】
このようなサーボセクタアドレス割り当てがなされたディスク1を備えた磁気ディスク装置の使用時に、ヘッド(MRヘッド)2により再生された再生信号波形の特定パターンの特定位置、例えば各セクタアドレス部114に記録されているサーボセクタアドレスのビット5の位置にバルクハウゼンノイズが規則的に現れて、当該ビット5が一様にエラーしたものとする。この場合ゲートアレイ9により抽出されてCPU12により読み込まれるサーボセクタアドレスは図10(c)のようになる。この図10(c)の、ビット5に一様にエラーが発生したサーボセクタアドレスの列は、そのエラー発生前のアドレスが不連続となっていることから、やはり不連続となっている。
【0067】
CPU12は、ゲートアレイ9により抽出されたサーボセクタアドレスを読み込むと、当該アドレスをキーにしてFROM13内のセクタアドレス逆変換テーブル131を参照し、当該アドレス(変換後アドレス)を元のサーボセクタアドレスに戻す逆変換処理を行う。この逆変換処理後のサーボセクタアドレスは図10(d)のようになり、図10(a)に示した元のサーボセクタアドレスの列にある連続性が失われている。したがって、ヘッド2により読み取られてリード/ライト回路8を介してゲートアレイ9により抽出されたサーボセクタアドレスにエラー(読み出しエラー)が発生したことが、従来から行われている連続性チェックにより検出できる。
【0068】
以下、このサーボセクタアドレスの連続性チェックを、目標サーボセクタアドレス(対象サーボセクタアドレス)を含む4つのサーボセクタアドレス(元のサーボセクタアドレス)の連続性をチェックする場合を例に、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
まずCPU12はゲートアレイ9によりサーボセクタアドレスが抽出されると、そのサーボセクタアドレスを読み込み、当該アドレスをキーにしてFROM13内のセクタアドレス逆変換テーブル131を参照し、当該アドレス(変換後アドレス)を元のサーボセクタアドレスに戻す逆変換処理を行う(ステップS1,S2)。次にCPU12は、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレスの3サーボセクタ分前のアドレスであるか否か、つまり逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレス−3であるか否かをチェックする(ステップS3)。CPU12は、この目標サーボセクタアドレス−3に一致するサーボセクタアドレスを検出(取得)するまで、上記ステップS1〜S3を繰り返す。
【0070】
CPU12は、目標サーボセクタアドレス−3に一致するサーボセクタアドレスを検出すると、ゲートアレイ9により次に抽出された(隣接するサーボセクタ100の)サーボセクタアドレスを読み込んで、当該アドレス(変換後アドレス)を元のサーボセクタアドレスに戻す逆変換処理を行う(ステップS4,S5)。そしてCPU12は、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレス−2であるか否かをチェックする(ステップS6)。もし、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレス−2でないならば、CPU12はサーボセクタアドレスは連続しておらずエラーが発生したものと判断する。
【0071】
一方、目標サーボセクタアドレス−2に一致するサーボセクタアドレスを検出した場合には、CPU12はゲートアレイ9により次に抽出されたサーボセクタアドレスを読み込んで、当該アドレス(変換後アドレス)を元のサーボセクタアドレスに戻す逆変換処理を行う(ステップS7,S8)。そしてCPU12は、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレス−1であるか否かをチェックする(ステップS9)。もし、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレス−1でないならば、CPU12はサーボセクタアドレスは連続しておらずエラーが発生したものと判断する。
【0072】
一方、目標サーボセクタアドレス−1に一致するサーボセクタアドレスを検出した場合には、CPU12はゲートアレイ9により次に抽出されたサーボセクタアドレスを読み込んで、当該アドレス(変換後アドレス)を元のサーボセクタアドレスに戻す逆変換処理を行う(ステップS10,S11)。そしてCPU12は、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレスであるか否かをチェックする(ステップS12)。
【0073】
もし、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレスでないならば、CPU12は目標サーボセクタ−3から始まる連続する4つのサーボセクタから再生された4つのサーボセクタアドレスは連続しておらずエラーが発生したものと判断する。これに対し、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレスであるならば、CPU12は目標サーボセクタ−3から始まる連続する4つのサーボセクタから再生された4つのサーボセクタアドレスは連続しており、検出された目標サーボセクタアドレスは正しいものと判断し、該当するサーボセクタ100内の目標データセクタに対する要求されたディスクリード/ライト動作を行わせる(ステップS13)。
【0074】
なお、以上に述べた実施形態はハードセクタ方式の磁気ディスク装置に適用した場合について説明したが、ソフトセクタ方式の磁気ディスク装置においても同様に適用可能である。但し、ソフトセクタ方式の磁気ディスク装置においては、サーボセクタアドレスの書き込みは、装置完成後のデータ記録時にユーザの指示に従って、データ記録に先行して、磁気ディスク装置内のCPU12の制御により行われる。
【0075】
このサーボセクタアドレスの書き込みに際してのアドレス変換は、図8及び図9に示すようなセクタアドレス逆変換テーブル131を用いても行うことが可能であるが、変換処理の効率を考慮すると、図6及び図7に示したようなセクタアドレス変換テーブル132を用いた方がよい。この場合、FROM13内にセクタアドレス逆変換テーブル131に加えてセクタアドレス変換テーブル132も予め格納しておけばよい。
【0076】
以上のソフトセクタ方式でのサーボセクタアドレスの書き込みは、同一円周(シリンダ)上の各サーボセクタ100を対象に、CPU12の制御により図12のフローチャートに従って次のように行われる。
【0077】
まずCPU12は、変数nを初期値0に設定する(ステップS21)。次にCPU12は、現在の変数nの値をサーボセクタアドレスとして設定し、当該アドレスnをキーとして図6及び図7のセクタアドレス変換テーブル132を参照することで、当該アドレスnを対応するサーボセクタアドレスに変換する(ステップS22,S23)。次にCPU12は、変換後のサーボセクタアドレスをディスク1の現シリンダ上のn番目のサーボセクタ100の所定位置に書き込む(ステップS24)。ここではサーボセクタアドレスは、ハードセクタ方式と異なって、当該サーボセクタ100のデータ領域120内の先頭位置に書き込まれる。
【0078】
次にCPU12は変数nを1だけインクリメントする(ステップS25)。そしてCPU12は、以上のステップS22〜S25を全サーボセクタ分終了するまで繰り返す(ステップS26)。
【0079】
なお、セクタアドレス逆変換テーブル131(更にはセクタアドレス変換テーブル132)の格納先はFROM13に限るものではなく、例えばディスク1上のユーザから見えない特別の領域(一般にシステム領域と称される)など、不揮発性記憶装置であればよい。もし、セクタアドレス逆変換テーブル131(更にはセクタアドレス変換テーブル132)をディスク1上の特別の領域に格納する場合には、装置の起動時にCPU12の制御により当該テーブル131(更にはテーブル132)をディスク1から読み出してRAM11上に展開することで、当該テーブル131(更にはテーブル132)を高速に参照できるようにするとよい。
【0080】
以上に述べた実施形態では、ヘッド2にMRヘッドを用いた磁気ディスク装置に適用した場合について説明したが、本発明は、ディスク上に配置されたサーボセクタに記録されたサーボ情報中のサーボセクタアドレスに基づいて目標セクタを識別するディスク記憶装置であれば、MRヘッド以外のヘッドを用いた磁気ディスク装置は勿論、光磁気ディスク装置、フロッピーディスク装置など、磁気ディスク装置以外のディスク記憶装置にも適用可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ディスク(ディスク記録媒体)の同一円周上の各サーボセクタの所定領域に記録されるサーボセクタアドレスに、当該セクタの並び順とは異なって不連続となるように本来のサーボセクタアドレスが所定の変換規則に従って変換されたサーボセクタアドレスを用いることで、ヘッドに読み出されたサーボセクタアドレスの特定ビットが波形依存性の強いバルクハウゼンノイズ等の影響で規則的なエラーを起こす場合にも、その効果を一様でなくし、元のサーボセクタアドレスに戻した際にも連続性が失われて、サーボセクタアドレスの連続性チェックで異常であると正しく検出できる。したがって、誤った位置にアクセスすることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】図1中のディスク1のフォーマットの概念図。
【図3】図2中のサーボ領域110のフォーマットの概念を、当該サーボ領域110に記録されるサーボ信号の信号波形例と共に示す図。
【図4】図3中のアドレス部114,115に記録されるアドレス信号の例、並びに当該アドレス信号のパターンと「1」「0」との対応例を示す図。
【図5】規則性のあるサーボセクタアドレスのエラー例を、ビット5が一様にエラーする場合について、正しいサーボセクタアドレスと対比させて示す図。
【図6】本来の連続するサーボセクタアドレスの列を不連続なサーボセクタアドレスに変換するためのセクタアドレス変換テーブルの一例の一部を示す図。
【図7】本来の連続するサーボセクタアドレスの列を不連続なサーボセクタアドレスに変換するためのセクタアドレス変換テーブルの一例の残りを示す図。
【図8】変換後のサーボセクタアドレスを元のサーボセクタアドレスに戻すのに用いられるセクタアドレス逆変換テーブルの一例の一部を示す図。
【図9】変換後のサーボセクタアドレスを元のサーボセクタアドレスに戻すのに用いられるセクタアドレス逆変換テーブルの一例の残りを示す図。
【図10】本来のサーボセクタアドレスの列と、実際に割り当てられたサーボセクタアドレスの列と、当該各サーボセクタアドレスのビット5に一様にエラーが現れた場合に読み込まれるサーボセクタアドレスの列と、アドレス逆変換後のサーボセクタアドレスの列との対応例を示す図。
【図11】サーボセクタアドレスの連続性チェックの動作手順の一例を説明するためのフローチャート。
【図12】ソフトセクタ方式でのサーボセクタアドレスの書き込み動作の手順を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…ディスク(ディスク記録媒体)
2…ヘッド
7…ヘッドアンプ回路
8…リード/ライト回路
9…ゲートアレイ
12…CPU(逆変換手段、サーボセクタアドレスエラー検出手段、サーボセクタアドレス記録手段)
13…FROM(フラッシュROM、不揮発性記憶手段)
131…セクタアドレス逆変換テーブル
132…セクタアドレス変換テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク上に配置されたサーボセクタの所定領域に記録されたサーボ情報中のサーボセクタアドレスのエラーを検出するのに好適なディスク記憶装置及び同装置におけるサーボセクタアドレスエラー検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
データの記録にディスク(ディスク記録媒体)を用いたディスク記憶装置、例えば磁気ディスク装置では、ディスク上のトラックに等間隔で配置されたサーボセクタのサーボ領域に記録されているサーボ情報(サーボ信号)に基づいて、更に具体的に述べるならばサーボ領域のアドレス部(シリンダアドレス部)に記録されているシリンダアドレス及びバースト部に記録されているバーストデータ(サーボバーストパターン)に基づいてヘッドの位置決め制御を行う、いわゆるセクタサーボ方式の位置決め制御を適用するのが一般的である。
【0003】
また、ヘッドを目標位置に位置決めした状態でのデータアクセスの対象となる目標セクタは、サーボ領域のアドレス部(セクタアドレス部)に記録されているサーボセクタアドレスをデコードすることで検出している。ここでヘッドによる再生信号にノイズ等が重畳されるような場合には、サーボセクタアドレスを正しく読み取る(抽出する)ことができずに、誤ったセクタへのデータアクセスが行われる虞がある。
【0004】
そこで従来は、ノイズ等の混入によりサーボセクタアドレスを正しく読み取れないことを避けるため、サーボセクタアドレスの連続性をチェックすることで、読み取ったサーボセクタアドレスが正当であるか否かを判定している。具体的には、例えばサーボセクタアドレス「38」のセクタにアクセスする際に、その直前のアドレスが「35」,「36」,「37」と連続していることをチェックするものである。
【0005】
もし、対象となるノイズがランダムなノイズの場合には、この連続性チェックによりサーボセクタアドレスの正当性を確認する方法はアドレス誤認識の検出に対して非常に有効である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の磁気ディスク装置は、高記録密度化を実現する手段の1つとして、高い再生出力が得られる磁気抵抗(Magneto Resistive ;MR)ヘッドを再生ヘッドとして用いた、いわゆる複合分離型の磁気ヘッドが採用されるようになってきている。この磁気抵抗ヘッド(以下、MRヘッドと称する)は、優れた再生特性を有している反面、MRヘッド(の主たる構成要素であるMR素子)の磁気感度が急激に変化し、ヘッド再生出力に不規則なノイズが発生(重畳)する問題がある。このノイズは、バルクハウゼンノイズと呼ばれ、ランダムノイズとは異なり信号は波形に依存して現れることがある。つまり、バルクハウゼンノイズは、必ずというわけではないが、波形の特定パターンの特定位置に現れることがある。
【0007】
このため、上記従来技術で適用していた連続性チェックは、バルクハウゼンノイズに対しては、ランダムノイズの場合と異なって、必ずしも有効な方法とはなり得ない。例えば、サーボセクタアドレスがビット0〜5の6ビットのパターンで構成されるものとし、その特定位置であるビット5にバルクハウゼンノイズが規則的に現れて、サーボセクタアドレス「3」,「4」,「5」が、それぞれ「3」(2進表現で000011)→「35」(2進表現で100011),「4」(2進表現で000100)→「36」(2進表現で100100),「5」(2進表現で000101)→「37」(2進表現で100101)のように誤って読み取られる規則的なエラーを起こす場合であれば、アドレス「38」に記録するつもりが、実際にはアドレス「6」に記録してしまう不具合が発生する。これは、アドレス「3」,「4」,「5」…が「35」,「36」,「37」…のように規則的に化けるので、連続性チェックでは例ではアドレスの誤認識を検出できないことによる。
【0008】
このように従来の技術にあっては、サーボセクタアドレスの特定ビット位置に規則的にノイズ(バルクハウゼンノイズ)が現れることにより、特定ビットが化けて規則的なエラーを起こす場合には、アドレスの連続性チェックではアドレスの誤認識を検出できず、誤ったセクタへのデータアクセスが行われるという問題があった。
【0009】
本発明は上記事情を考慮してなされたものでその目的は、サーボセクタアドレスの特定ビットが波形依存性の強いバルクハウゼンノイズ等の影響で規則的なエラーを起こす場合にもサーボセクタアドレスの連続性チェックで異常であると正しく検出できるディスク記憶装置及び同装置におけるサーボセクタアドレスエラー検出方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、同一円周上に等間隔で配置されたサーボセクタの所定領域に、当該サーボセクタに固有のサーボセクタアドレスを含み、ヘッドの位置決め等に用いられるサーボ情報(サーボ信号)が記録されるディスク記録媒体であって、同一円周上の各サーボセクタの所定領域には、当該サーボセクタの並び順とは異なって不連続となるように所定の変換規則に従って変換されたサーボセクタアドレスが記録されるディスク記録媒体と、このディスク記録媒体のサーボセクタの所定領域からヘッドにより読み出されるサーボ情報に含まれるサーボセクタアドレスを、当該アドレスの記録時に適用された変換規則または当該変換規則に対応する逆変換用の逆変換規則に従って、変換前の元のサーボセクタアドレスに逆変換する逆変換手段と、この逆変換手段により逆変換された、目標サーボセクタを含む連続する複数のサーボセクタに固有のサーボセクタアドレスの連続性をチェックすることで、サーボセクタアドレスエラーを検出するサーボセクタアドレスエラー検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
このような構成においては、ディスク記録媒体の同一円周上の各サーボセクタの所定領域に記録されるサーボセクタアドレスの順序は、当該サーボセクタの並び順に固有の連続した順序ではなく、所定の変換規則に従う変換処理で不連続となっている。
【0012】
このため、波形依存性の強いノイズ等によりサーボセクタアドレスに対して規則的なエラー(つまりサーボセクタアドレスの特定ビットのエラー)が発生した場合にも、そのサーボセクタアドレスの列が連続でないため、その効果は(従来のような連続するサーボセクタアドレスの列に対するのと異なって)一様でなくなる。したがって、逆変換手段により元のサーボセクタアドレスに戻した際にも連続性は失われる。この結果、元のサーボセクタアドレスに戻した状態でサーボセクタアドレスエラー検出手段により連続性のチェックを行うことで、規則性のあるアドレスエラーを正しく検出でき、誤った位置にアクセスすることを回避することが可能となる。
【0013】
ここで、上記の変換規則に、予め定められた乱数に従った値を用いるとよい。即ち、本来のサーボセクタアドレスに対する新たなサーボセクタアドレスの付け方に乱数を用いるとよい。
【0014】
このようにすると、サーボセクタアドレスの列の連続性だけでなく規則性もなくすことができるため、波形依存性の強いノイズ等に起因する規則的なエラーに対する検出精度を一層高めることが可能となる。
【0015】
また、上記乱数として、隣接するサーボセクタに割り当てられる変換後のサーボセクタアドレス間の同位のビットを比較して値の異なるビットの数が大きくなる乱数を用いるとよい。
【0016】
このように、隣合ったアドレス同士の相違度が大きくなるようにすることで、規則的なエラーを起こした場合の検出精度をより一層高めることが可能となる。この効果は、隣接するサーボセクタに割り当てられる変換後のサーボセクタアドレス間だけでなく、2つ隣のサーボセクタに割り当てられる変換後のサーボセクタアドレス間についても、同位のビットを比較して値の異なるビットの数が大きくなる乱数を用いるならば、更に大きくなる。
【0017】
また、上記逆変換手段によるサーボセクタアドレスの逆変換に用いられる変換テーブル、つまり本来のサーボセクタアドレスと変換後のサーボセクタアドレス(乱数)との対応テーブル(乱数テーブル)が予め格納された不揮発性記憶手段を設け、上記変換テーブルを参照することにより、対象となるサーボセクタアドレスを逆変換する構成とするならば、サーボセクタアドレスの逆変換を高速に行うことができる。ここで、変換テーブルには、上記変換規則に対応するもの、つまり本来のサーボセクタアドレスと変換後のサーボセクタアドレス(乱数)との対応関係が、本来のサーボセクタアドレスをソートして記述されたものを用いることも可能であるが、変換後のサーボセクタアドレス(乱数)をソートして記述されたものを用いるならば、逆変換の一層の高速化が可能となる。
【0018】
また、ディスク記録媒体の各サーボセクタの所定領域に上記変換規則に従うサーボセクタアドレスが予め記録されている構成とすることで、つまりディスク記憶装置の製造段階でサーボセクタアドレスが記録される構成とすることで、ハードセクタを想定したディスク記憶装置に適用できる。
【0019】
この構成では、予めサーボセクタアドレスが記録されているため、装置の動作時に不連続なサーボセクタアドレスへの変換のための変換手段と、その変換に要する時間を省略できる。
【0020】
逆に、ソフトセクタ方式を想定して、ディスク記憶装置の動作時にディスク記録媒体の各サーボセクタの所定領域にサーボセクタアドレスを記録するサーボセクタアドレス記録手段であって、対応するサーボセクタの位置に固有のサーボセクタアドレスを上記変換規則に従って変換して、その変換後のサーボセクタアドレスを記録するサーボセクタアドレス記録手段が付加された構成とすることも可能である。
【0021】
この構成では、サーボセクタアドレスを後から(つまりユーザの使用時に)記録するため、変換規則を複数用意することにより、任意の変換規則をデータ記録時に選択することが可能となるなど、自由度が高い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の全体構成を示すブロック図である。
【0023】
図1において、1はデータが磁気記録される磁気記録媒体であるディスク(磁気ディスク)、2はディスク1へのデータ書き込み(データ記録)及びディスク1からのデータ読み出し(データ再生)に用いられるヘッド(磁気ヘッド)である。ここでは、説明を簡略化するために、単一枚のディスク1を備えた磁気ディスク装置を想定しているが、ディスク1が複数枚積層配置された磁気ディスク装置であっても構わない。
【0024】
ヘッド2は、ディスク1の各記録面に対応してそれぞれ設けられているものとする。本実施形態で適用されるヘッド2は記録ヘッドと再生ヘッドとが分離した複合分離型ヘッドであり、再生ヘッドにはMR素子からなるMRヘッドが用いられている。MRヘッドは、周知のように、外部磁界変化により抵抗値が変化することを利用するものである。当該MRヘッドによる磁気記録データの再生は、一定のバイアス電流(センス電流)を供給することにより、ディスク1上に記録されたデータを磁界の変化によるMR素子の両端の電圧変化として検出することで行われる。
【0025】
図2にディスク1のフォーマットの概念図を示す。同図に示すように、ディスク1の記録面には、同心円状の多数のトラックが形成され(但し、図示されているトラックの数は、作図の都合で実数より著しく少ない)、各トラックは複数のサーボセクタ100に等分割されている。各サーボセクタ100は、ヘッドのシーク・位置決め等に用いられるサーボ信号(サーボ情報)が記録されたサーボ領域110と、データ(ユーザデータ)が記録されるデータセクタが複数個配置されたデータ領域120からなる。各サーボ領域110は、ディスク1上では中心から各トラックを渡って放射状に等間隔で配置されている。図では、作図の都合上、8個のサーボ領域110が配置されている様子が示されているが、実際にはディスク1の1周(各シリンダ)につき50〜60程度のサーボ領域110が配置されるのが一般的である。本実施形態では、ディスク1の1周につき56個のサーボ領域110が配置されるものとする。この場合、56個のサーボ領域110にそれぞれ対応する56個のサーボセクタ100には、それぞれ0〜55の固有のサーボセクタアドレスが割り当てられる。このサーボセクタアドレスはビット0〜5の6ビットで構成されている。
【0026】
図3にサーボ領域110のフォーマットの概念を、当該サーボ領域110に記録されるサーボ信号の信号波形例と共に示す。同図に示すように、サーボ領域110は、信号の振幅を安定化するために一定の周波数の信号が記録されたAGC部111、イレーズ部112、サーボ領域識別用の固有のパターン(インデックスパターン)が記録されたインデックス部113、該当するサーボセクタ100が存在するシリンダ上の配置位置に固有のサーボセクタ番号を示すサーボセクタアドレスが記録されたセクタアドレス部114、該当するサーボセクタ100が存在するシリンダ位置に固有のシリンダ番号を示すシリンダアドレス(シリンダコード)が記録されたシリンダアドレス部115、及びバースト部116を有している。このバースト部116には、シリンダアドレス部115中のシリンダアドレスの示すシリンダ内の位置誤差を波形の振幅で示すためのバーストデータ(バーストパターン)が記録されている。
【0027】
再び図1を参照すると、ディスク1はスピンドルモータ(SPM)3により高速に回転する。ヘッド2はキャリッジ4と称するヘッド移動機構に取り付けられて、このキャリッジ4の移動によりディスク1の半径方向に移動する。キャリッジ4は、ボイスコイルモータ(VCM)5により駆動される。
【0028】
スピンドルモータ(SPM)3及びボイスコイルモータ(VCM)5は、モータドライバ6に接続されている。モータドライバ6は、スピンドルモータ3に制御電流を流して当該モータ3を駆動する他、ボイスコイルモータ5に制御電流を流して当該モータ5を駆動する。ここで、ボイスコイルモータ5に流す制御電流を表す値(操作量)は、ヘッド2によってサーボ領域110から読み出されるサーボ信号(中のシリンダアドレス及びバーストデータ)をもとにCPU14の計算処理で決定される。
【0029】
ヘッド2は例えばフレキシブルプリント配線板(FPC)に実装されたヘッドアンプ回路7と接続されている。ヘッドアンプ回路7は、ヘッド2の切り替え、ヘッド2との間のリード/ライト信号の入出力等を司るもので、ヘッド2で読み取られたアナログ出力(アナログ再生出力)を増幅するヘッドアンプ、リード/ライト回路8から送られてくる書き込みデータに従いヘッド2にライト信号(ライト電流)を出力するライトドライバ、及びヘッド2(の再生ヘッドをなすMR素子)にバイアス電流を供給するバイアス電流発生回路(いずれも図示せず)等を有する。
【0030】
リード/ライト回路8は、ヘッド12によりリード/ライトされるデータを処理する信号処理回路である。リード/ライト回路8は、ヘッドアンプ回路7により増幅された再生信号を入力し、当該再生信号中のAGC部111の信号が一定の振幅になるように当該再生信号を自動利得制御するAGC(自動利得制御)機能と、この自動利得制御された再生信号を入力して例えばNRZコードへのデータ再生動作に必要な信号処理を行うデコード機能(リードチャネル)と、当該再生信号を2値化してパルス列(リードパルス)に変換する2値化機能(ピーク検出機能)と、当該再生信号から(ヘッド位置決め制御等のサーボ処理に必要な)サーボ信号中のバーストデータを抽出するバースト抽出機能とを有している。またリード/ライト回路8は、後述するHDC10から転送されるNRZコードのライトデータをライト信号に変換するための信号処理を行うエンコード機能(ライトチャネル)を有している。
【0031】
ゲートアレイ9は、リード/ライト回路8の2値化機能により出力されるリードパルスを受けて、サーボ領域110中のインデックス部113に記録されているインデックスパターンを検出することで、サーボ領域110中のセクタアドレス部114、シリンダアドレス部115、及びバースト部116のデータを抽出するのに必要な各種タイミング信号、更にはサーボ領域110に後続するデータ領域120内の各データセクタ(の開始位置)に対応したタイミング信号(データセクタパルス)を生成するタイミング信号生成機能を有する。
【0032】
ゲートアレイ9はまた、上記リードパルスから、サーボ領域110中のセクタアドレス部114、シリンダアドレス部115に記録されているサーボセクタアドレス、シリンダアドレスを抽出するアドレス抽出機能を有する。
【0033】
HDC(ディスクコントローラ)10は、ホスト装置(図示せず)との間のコマンド、データの通信を制御するインタフェース機能と、ゲートアレイ9からのタイミング信号に従ってリード/ライト回路8との間のデータの通信を制御するディスクコントローラ機能とを有している。HDC10は、例えばリード時には、リード/ライト回路8から出力される再生データのうち目標データセクタのタイミングに対応した再生データを取り込んでホスト装置に転送する。HDC10には、リード/ライトデータがキャッシュ方式で格納されるバッファ領域を提供する書き換え可能な揮発性メモリとしてのRAM(Random Access Memory)11が接続されている。このRAM11は次に述べるCPU12のワーク領域等も提供する。
【0034】
CPU12は、磁気ディスク装置内の各部を制御する主制御装置をなす。CPU12は書き換え可能な不揮発性メモリとしてのフラッシュROM(Read Only Memory)13を内蔵している。フラッシュROM(以下、FROMと称する)13には、CPU12の制御に必要な制御プログラム130が格納されている。またFROM13には、セクタアドレス逆変換テーブル131が格納されている。本実施形態では、後述するように、ディスク1の同一円周(シリンダ)上に配置されるサーボセクタ100(のサーボ領域110)に記録されるサーボセクタアドレスを本来の順番とは変えて連続性のないアドレスに置き換えるようにしている。セクタアドレス逆変換テーブル131は、この置き換えられたサーボセクタアドレス(変換後アドレス)を元のアドレスに逆変換するのに用いられる、変換後アドレスと元アドレスとの対応テーブルである。
【0035】
CPU12は、ゲートアレイ9のサーボ抽出機能により抽出されたシリンダアドレス、及びリード/ライト回路8のバースト抽出機能により抽出されたバーストデータを読み取り、その読み取ったデータに従ってヘッド2を目標シリンダに移動させて、その目標シリンダ内の目標位置に位置決めする、周知のヘッド位置決め制御を司る。
【0036】
またCPU12は、ホスト装置からリード/ライトコマンドが送られた場合に、HDC10が目標のデータセクタに対するリード/ライトのタイミング制御を行うことができるように、必要な設定をリード/ライト回路8及びHDC10に対して行う周知のリード/ライト制御を司る。
【0037】
この他にCPU11は、ゲートアレイ9により抽出されたサーボセクタアドレスをセクタアドレス逆変換テーブル131に基づいて元のアドレスに逆変換する処理と、逆変換後の目標サーボセクタを含む連続する複数のサーボセクタに固有のサーボセクタアドレスの連続性をチェックすることで、サーボセクタアドレスエラーを検出する処理とを行う。
【0038】
次に図1の構成の動作を説明する。
まず、ディスク1上のサーボセクタ100に配置されたサーボ領域110に記録されたサーボ信号、及びデータ領域120内の各データセクタに記録されたデータはMRヘッド2により読み取られ(再生され)、その再生信号は、ヘッドアンプ回路3により増幅される。ヘッドアンプ回路3により増幅された再生信号はリード/ライト回路8に入力される。
【0039】
リード/ライト回路8は、ヘッドアンプ回路3により増幅された再生信号のうち、サーボ領域110のAGC部111に記録されている信号の出力波形の振幅が一定になるようにAGC機能により利得(ゲイン)調整を行うことで、当該再生信号の振幅の安定化を図る。リード/ライト回路8は、AGC機能により振幅の安定化が図られた再生信号を2値化機能により2値化してパルス列(リードパルス)に変換し、ゲートアレイ9に出力する。
【0040】
ゲートアレイ9は、リード/ライト回路から出力されるリードパルスを受けて、サーボ領域110中のインデックス部113に記録されているインデックスパターンを検出し、その検出タイミングを表すサーボセクタパルスを生成し、当該サーボセクタパルスを基準に、サーボ領域110中のバースト部116に記録されているバーストデータに対応するタイミング信号(バーストタイミング信号)、同じくサーボ領域110中のセクタアドレス部114、シリンダアドレス部115に対応するタイミング信号(アドレスタイミング信号)等を生成する。ここで、バーストタイミング信号はリード/ライト回路8に出力される。
【0041】
リード/ライト回路8は、上記AGC機能により振幅の安定化が図られた再生信号から、ゲートアレイ9により出力されるバーストタイミング信号に応じて、バースト部116のデータ、即ちバーストデータ(バーストパターン)を抽出する。
【0042】
一方、ゲートアレイ9は、自身が生成した上記アドレスタイミング信号に従うタイミングで、上記リードパルスから、サーボ領域110中のセクタアドレス部114、シリンダアドレス部115に記録されているサーボセクタアドレス、シリンダアドレスをアドレス抽出機能により抽出する。
【0043】
ゲートアレイ9は、抽出したサーボセクタアドレスの示すサーボセクタ100内のデータ領域120に配置される各データセクタ位置のタイミングを示すデータセクタパルスを生成する。またゲートアレイ9は、抽出したサーボセクタアドレスと(データアクセスの対象となる)目標とするサーボセクタのサーボセクタアドレスとを比較し、ヘッド2がディスク1上の目標シリンダ位置にシーク・位置決めされている状態で一致を検出した場合に、上記データセクタパルスの数をカウントして目標サーボセクタにおけるリードまたはライトの開始データセクタ位置を検出することで、HDC10におけるディスクリード動作またはディスクライト動作の開始タイミングを制御する。
【0044】
CPU12は、ゲートアレイ9により(現在ヘッド2が位置しているシリンダの)シリンダアドレスが抽出される毎に、当該シリンダアドレスと目標シリンダのシリンダアドレスとを比較し、その比較結果からヘッド2を目標シリンダにシーク(移動)させるのに必要な操作量を算出する。そしてCPU12は、この操作量をモータドライバ6に与えて当該モータドライバ6によりボイスコイルモータ5を駆動させることで、ヘッド2を目標シリンダにシークさせるシーク制御を行う。
【0045】
またCPU12は、ヘッド2を目標シリンダシークさせると、リード/ライト回路8によりバーストデータが抽出される毎に、当該バーストデータをもとにヘッド2の目標シリンダにおける目標位置からの位置誤差を算出し、その位置誤差に基づいてモータドライバ6を通してボイスコイルモータ5を駆動制御することで、ヘッド2を目標位置に位置決めする位置決め制御を行う。
【0046】
以上の説明からも明らかなように、サーボ領域110のセクタアドレス部114及びシリンダアドレス部115に記録されているアドレス信号は、当該アドレス部114,115(を持つサーボ領域110)が配置されている位置によって、内容が少しずつ異なっており、当該アドレス部114,115のアドレス信号をヘッド2で読み取ることにより、ヘッド2が存在している位置が識別できるようになっている。本実施形態において、アドレス部114,115に記録されるアドレス信号は、図4の形式で「1」と「0」を表現している。ここでは、このアドレス信号から抽出されるリードパルスを単位時間毎に区切り、その区切りの3つ1組で「1」と「0」が表される。図4の例では、左側の組が「1」、右側の組が「0」である。この「1」と「0」の識別はゲートアレイ9のアドレス抽出機能によって行われる。
【0047】
ところが、ヘッド2により再生されたアドレス信号の波形にノイズなどが重畳された場合には、上記した「1」と「0」が正しく識別できなくなる虞がある。もし、「1」と「0」が正しく識別できなかった場合、ゲートアレイ9により誤ったアドレスが抽出されることになり、位置決め制御を混乱させる。最悪の場合には、目標位置とは異なった位置にデータを記録して、その位置に既に記録されていたデータを破壊してしまう。
【0048】
但し、シリンダアドレスに関しては、既に述べているように、細かな位置決めのために当該シリンダアドレスに加えてバースト部116のデータ(バーストデータ)を併用しており、且つリード/ライト時には目標シリンダのアドレスと同じシリンダアドレスを示すことが前提であるので、比較的異常を検出しやすい。
【0049】
ところが、サーボセクタアドレスに関しては、ディスク1が1回転する間に、全てのアドレスパターンが現れることが前提であるので、異常を検出しにくい。そこで、セクタアドレスは必ず順番通りに現れることに着目し、その連続性のチェックを行うことでセクタアドレスの異常を検出することが従来から行われている。これは、例えばサーボセクタアドレス「38」のセクタにアクセスする際に、その直前のアドレスが「35」,「36」,「37」と連続していることをチェックするものである。このチェックで連続性が確認されて初めて、サーボセクタアドレス「38」へのアクセスが許可される。この連続性のチェックはCPU12により行われる。
【0050】
さて、この連続性チェックによりサーボセクタアドレスの正当性を確認する方法は、対象となるノイズがランダムなノイズの場合には、[従来の技術]の欄でも述べたようにアドレス誤認識の検出に対して非常に有効である。
【0051】
しかしながら、対象となるノイズがバルクハウゼンノイズ(BHN)となると、[発明が解決しようとする課題]の欄でも述べたように事情が異なってくる。つまり、波形依存性のあるバルクハウゼンノイズの場合、必ずというわけではないが、波形の特定ビットにエラーが現れることがある。本発明者は、6ビット構成のセクタアドレスのインデックス部113側のビットであるビット5(第5ビット)にエラー(ビット化け)が規則的に現れることを確認している。
【0052】
ビット5がビット化けにより例えば「0」→「1」になると、アドレスは32個(32サーボセクタ)分ずれるが、順番は崩れないのでアドレスの誤認識を連続性チェックで検出することはできない。このサーボセクタアドレスのビット5のエラーの例を、正しいサーボセクタアドレスと対比させて図5に示す。
【0053】
図5の例のように、サーボセクタアドレス「3」,「4」,「5」が、それぞれ「3」→「35」,「4」→「36」,「5」→「37」といった規則的なエラーを起こす場合、アドレス「38」に記録するつもりが、実際にはアドレス「6」に記録してしまう不具合が発生する。
【0054】
そこで本実施形態では、このような不具合を回避するために、ディスク1の同一円周(シリンダ)上に配置される(56個の)サーボセクタ100(のサーボ領域110)に記録されるサーボセクタアドレス(セクタアドレスコード)を本来の順番とは変えて連続性のないアドレス(コード)に置き換えるようにしている。こうすれば、サーボセクタアドレスの特定ビットにエラーが現れても、もともとアドレスが連続でないためエラーの効果は一様でなくなり、元のアドレスに戻したときの連続性も失われることになる。ここで、(CPU12により)連続性のチェックを行えば異常を検出することができ、誤ったセクタアドレスにアクセスしてしまうことを回避できる。
【0055】
ところで、ディスク1上の各サーボセクタ100毎に記録されるアドレス情報のうち、サーボセクタアドレスを装置の製造時に予め書き込んでおく方式をハードセクタ方式と呼ぶ。これに対し、装置完成後のデータ記録時にデータ記録に先行して(一般にフォーマッティングと呼ばれるモードで)書き込む方式をソフトセクタ方式と呼ぶ。本実施形態では、ハードセクタ方式を想定しており、したがってディスク1には、装置の製造時において、(サーボライタと呼ばれる専用の装置により)サーボ領域110が図2に示すように配置されて、サーボセクタアドレスを含むサーボ信号が図3に示す形式で記録されている。
【0056】
さて、サーボセクタアドレスを連続性のないようにする手法として、本実施形態ではサーボセクタアドレスの付け方に乱数を用いるようにしている。このようにすると、エラーが起きた場合にその異常を検出できる確率は更に高くなる。
【0057】
乱数は、セクタアドレスの記録時とそこへのアクセス時で同一のものが得られるならば、その都度生成してもよい。しかし、元の連続するセクタアドレス(元アドレス)と乱数(不連続アドレス)との対応テーブルを不揮発性記憶手段に記憶しておき、それを用いて連続アドレス(元アドレス)から不連続アドレス(乱数)への変換と、不連続アドレス(乱数)から連続アドレス(元アドレス)への変換(つまり逆変換)とを行うことが、高速変換処理という点では好ましい。
【0058】
乱数は基本的に任意のものでよいが、バイナリコードに酷似したようなものでは効果が必ずしも十分ではない。なるべく隣接するサーボセクタ100のアドレス同士が似ていないコードとなるように符号間距離、つまり同位(同一ビット位置)のビットを比較して値の異なるビットの数が平均して大きい方がよい。また、サーボセクタアドレスの連続性チェックは通常3サーボセクタ分以上で行われるので、隣の更に隣のアドレス(つまり2つ隣のアドレス)との符号間距離も大きい方がよい。更に、特定ビットにエラーが現れた場合でも、連続性が維持されてしまうように周期性を持たないことも重要である。
【0059】
このような条件を満たす乱数は何通りもあり得るが、その生成方法は次の通りである。一般に乱数列は周期性(規則性)を持たないように作られているが、上記した符号間距離まで考慮されている場合は希である。したがって幾つもの乱数列から、その隣合ったアドレスの符号間距離(更には隣の隣のアドレスとの符号間距離)を計算し、その平均値と最小値ができる限り大きいものを選び出せばよい。
【0060】
以上の作業をコンピュータを用いて行った結果、本実施形態では、本来のサーボセクタアドレス(元アドレス) と当該アドレスを連続性のないアドレスに変換するための乱数(変換後アドレス)との対応関係を記述した乱数テーブルとして、例えば図6及び図7に示す内容のセクタアドレス変換テーブル132が用いられる。
【0061】
さて、ハードセクタ方式を適用する本実施形態の磁気ディスク装置では、当該装置の製造時において、各サーボセクタ100のサーボ領域110内のセクタアドレス部114に(サーボライタにより)サーボセクタアドレスが書き込まれる。このサーボセクタアドレスの書き込みの際には、図6及び図7に示したセクタアドレス変換テーブル132が参照され、当該テーブル132に基づいたアドレス(変換後アドレス)が順に書き込まれる。これにより、本来サーボセクタアドレス「3」「4」「5」「6」…「35」「36」「37」「38」が書き込まれるはずのセクタアドレス部114には、図6及び図7から明らかなように、サーボセクタアドレス「42」「6」「17」「10」…「13」「23」「2」「37」が書き込まれる。
【0062】
したがって、実際のディスクアクセス時には、ゲートアレイ9により抽出されたサーボセクタアドレスを例えばCPU12により逆変換して元のアドレスを求めればよい。このアドレスの逆変換は、図6及び図7に示したセクタアドレス変換テーブル132を用いて行うことが可能である。但し、セクタアドレス変換テーブル132は元アドレスでソートされているため、元アドレスから実際にセクタアドレス部114に記録するアドレス(変換後アドレス)に変換する操作には適しているが、変換後アドレスから元のアドレスに戻す操作には必ずしも最適ではない。
【0063】
そこで本実施形態では、図6及び図7に示したセクタアドレス変換テーブル132中の変換後アドレスをソートして、そのソート後の変換後アドレスと元のアドレスとの対応テーブルである、図8及び図9に示した内容のセクタアドレス逆変換テーブル131を予め作成し、当該セクタアドレス逆変換テーブル131を変換後アドレスから元アドレスへの変換に用いるようにしている。ここでは、セクタアドレス逆変換テーブル131はFROM13内に予め格納されており、CPU12は当該セクタアドレス逆変換テーブル131を参照することで、ゲートアレイ9により抽出されたサーボセクタアドレス(変換後アドレス)を元のアドレスに簡単に逆変換することができる。
【0064】
なお、ハードセクタ方式を適用する本実施形態では、セクタアドレス変換テーブル132は装置製造時にのみ(サーボライタにより)使用されるだけである。このため、セクタアドレス逆変換テーブル131をFROM13内に用意する場合には、セクタアドレス変換テーブル132を磁気ディスク装置内に持たせる必要はない。
【0065】
さて、同一円周(シリンダ)上の連続するサーボセクタ100(に配置されるサーボ領域110のセクタアドレス部114)に本来記録されるはずのサーボセクタアドレス(元アドレス)が図10(a)のようであるものとする。この場合、装置製造時に図6及び図7のセクタアドレス変換テーブル132に従って実際に割り当てられたサーボセクタアドレス(変換後アドレス)は図10(b)のようになる。図10(b)から明らかなように、変換後のサーボセクタアドレスの列は、元のサーボセクタアドレス列と異なって不連続となっている。
【0066】
このようなサーボセクタアドレス割り当てがなされたディスク1を備えた磁気ディスク装置の使用時に、ヘッド(MRヘッド)2により再生された再生信号波形の特定パターンの特定位置、例えば各セクタアドレス部114に記録されているサーボセクタアドレスのビット5の位置にバルクハウゼンノイズが規則的に現れて、当該ビット5が一様にエラーしたものとする。この場合ゲートアレイ9により抽出されてCPU12により読み込まれるサーボセクタアドレスは図10(c)のようになる。この図10(c)の、ビット5に一様にエラーが発生したサーボセクタアドレスの列は、そのエラー発生前のアドレスが不連続となっていることから、やはり不連続となっている。
【0067】
CPU12は、ゲートアレイ9により抽出されたサーボセクタアドレスを読み込むと、当該アドレスをキーにしてFROM13内のセクタアドレス逆変換テーブル131を参照し、当該アドレス(変換後アドレス)を元のサーボセクタアドレスに戻す逆変換処理を行う。この逆変換処理後のサーボセクタアドレスは図10(d)のようになり、図10(a)に示した元のサーボセクタアドレスの列にある連続性が失われている。したがって、ヘッド2により読み取られてリード/ライト回路8を介してゲートアレイ9により抽出されたサーボセクタアドレスにエラー(読み出しエラー)が発生したことが、従来から行われている連続性チェックにより検出できる。
【0068】
以下、このサーボセクタアドレスの連続性チェックを、目標サーボセクタアドレス(対象サーボセクタアドレス)を含む4つのサーボセクタアドレス(元のサーボセクタアドレス)の連続性をチェックする場合を例に、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
まずCPU12はゲートアレイ9によりサーボセクタアドレスが抽出されると、そのサーボセクタアドレスを読み込み、当該アドレスをキーにしてFROM13内のセクタアドレス逆変換テーブル131を参照し、当該アドレス(変換後アドレス)を元のサーボセクタアドレスに戻す逆変換処理を行う(ステップS1,S2)。次にCPU12は、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレスの3サーボセクタ分前のアドレスであるか否か、つまり逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレス−3であるか否かをチェックする(ステップS3)。CPU12は、この目標サーボセクタアドレス−3に一致するサーボセクタアドレスを検出(取得)するまで、上記ステップS1〜S3を繰り返す。
【0070】
CPU12は、目標サーボセクタアドレス−3に一致するサーボセクタアドレスを検出すると、ゲートアレイ9により次に抽出された(隣接するサーボセクタ100の)サーボセクタアドレスを読み込んで、当該アドレス(変換後アドレス)を元のサーボセクタアドレスに戻す逆変換処理を行う(ステップS4,S5)。そしてCPU12は、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレス−2であるか否かをチェックする(ステップS6)。もし、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレス−2でないならば、CPU12はサーボセクタアドレスは連続しておらずエラーが発生したものと判断する。
【0071】
一方、目標サーボセクタアドレス−2に一致するサーボセクタアドレスを検出した場合には、CPU12はゲートアレイ9により次に抽出されたサーボセクタアドレスを読み込んで、当該アドレス(変換後アドレス)を元のサーボセクタアドレスに戻す逆変換処理を行う(ステップS7,S8)。そしてCPU12は、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレス−1であるか否かをチェックする(ステップS9)。もし、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレス−1でないならば、CPU12はサーボセクタアドレスは連続しておらずエラーが発生したものと判断する。
【0072】
一方、目標サーボセクタアドレス−1に一致するサーボセクタアドレスを検出した場合には、CPU12はゲートアレイ9により次に抽出されたサーボセクタアドレスを読み込んで、当該アドレス(変換後アドレス)を元のサーボセクタアドレスに戻す逆変換処理を行う(ステップS10,S11)。そしてCPU12は、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレスであるか否かをチェックする(ステップS12)。
【0073】
もし、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレスでないならば、CPU12は目標サーボセクタ−3から始まる連続する4つのサーボセクタから再生された4つのサーボセクタアドレスは連続しておらずエラーが発生したものと判断する。これに対し、逆変換後のサーボセクタアドレスが目標サーボセクタアドレスであるならば、CPU12は目標サーボセクタ−3から始まる連続する4つのサーボセクタから再生された4つのサーボセクタアドレスは連続しており、検出された目標サーボセクタアドレスは正しいものと判断し、該当するサーボセクタ100内の目標データセクタに対する要求されたディスクリード/ライト動作を行わせる(ステップS13)。
【0074】
なお、以上に述べた実施形態はハードセクタ方式の磁気ディスク装置に適用した場合について説明したが、ソフトセクタ方式の磁気ディスク装置においても同様に適用可能である。但し、ソフトセクタ方式の磁気ディスク装置においては、サーボセクタアドレスの書き込みは、装置完成後のデータ記録時にユーザの指示に従って、データ記録に先行して、磁気ディスク装置内のCPU12の制御により行われる。
【0075】
このサーボセクタアドレスの書き込みに際してのアドレス変換は、図8及び図9に示すようなセクタアドレス逆変換テーブル131を用いても行うことが可能であるが、変換処理の効率を考慮すると、図6及び図7に示したようなセクタアドレス変換テーブル132を用いた方がよい。この場合、FROM13内にセクタアドレス逆変換テーブル131に加えてセクタアドレス変換テーブル132も予め格納しておけばよい。
【0076】
以上のソフトセクタ方式でのサーボセクタアドレスの書き込みは、同一円周(シリンダ)上の各サーボセクタ100を対象に、CPU12の制御により図12のフローチャートに従って次のように行われる。
【0077】
まずCPU12は、変数nを初期値0に設定する(ステップS21)。次にCPU12は、現在の変数nの値をサーボセクタアドレスとして設定し、当該アドレスnをキーとして図6及び図7のセクタアドレス変換テーブル132を参照することで、当該アドレスnを対応するサーボセクタアドレスに変換する(ステップS22,S23)。次にCPU12は、変換後のサーボセクタアドレスをディスク1の現シリンダ上のn番目のサーボセクタ100の所定位置に書き込む(ステップS24)。ここではサーボセクタアドレスは、ハードセクタ方式と異なって、当該サーボセクタ100のデータ領域120内の先頭位置に書き込まれる。
【0078】
次にCPU12は変数nを1だけインクリメントする(ステップS25)。そしてCPU12は、以上のステップS22〜S25を全サーボセクタ分終了するまで繰り返す(ステップS26)。
【0079】
なお、セクタアドレス逆変換テーブル131(更にはセクタアドレス変換テーブル132)の格納先はFROM13に限るものではなく、例えばディスク1上のユーザから見えない特別の領域(一般にシステム領域と称される)など、不揮発性記憶装置であればよい。もし、セクタアドレス逆変換テーブル131(更にはセクタアドレス変換テーブル132)をディスク1上の特別の領域に格納する場合には、装置の起動時にCPU12の制御により当該テーブル131(更にはテーブル132)をディスク1から読み出してRAM11上に展開することで、当該テーブル131(更にはテーブル132)を高速に参照できるようにするとよい。
【0080】
以上に述べた実施形態では、ヘッド2にMRヘッドを用いた磁気ディスク装置に適用した場合について説明したが、本発明は、ディスク上に配置されたサーボセクタに記録されたサーボ情報中のサーボセクタアドレスに基づいて目標セクタを識別するディスク記憶装置であれば、MRヘッド以外のヘッドを用いた磁気ディスク装置は勿論、光磁気ディスク装置、フロッピーディスク装置など、磁気ディスク装置以外のディスク記憶装置にも適用可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ディスク(ディスク記録媒体)の同一円周上の各サーボセクタの所定領域に記録されるサーボセクタアドレスに、当該セクタの並び順とは異なって不連続となるように本来のサーボセクタアドレスが所定の変換規則に従って変換されたサーボセクタアドレスを用いることで、ヘッドに読み出されたサーボセクタアドレスの特定ビットが波形依存性の強いバルクハウゼンノイズ等の影響で規則的なエラーを起こす場合にも、その効果を一様でなくし、元のサーボセクタアドレスに戻した際にも連続性が失われて、サーボセクタアドレスの連続性チェックで異常であると正しく検出できる。したがって、誤った位置にアクセスすることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】図1中のディスク1のフォーマットの概念図。
【図3】図2中のサーボ領域110のフォーマットの概念を、当該サーボ領域110に記録されるサーボ信号の信号波形例と共に示す図。
【図4】図3中のアドレス部114,115に記録されるアドレス信号の例、並びに当該アドレス信号のパターンと「1」「0」との対応例を示す図。
【図5】規則性のあるサーボセクタアドレスのエラー例を、ビット5が一様にエラーする場合について、正しいサーボセクタアドレスと対比させて示す図。
【図6】本来の連続するサーボセクタアドレスの列を不連続なサーボセクタアドレスに変換するためのセクタアドレス変換テーブルの一例の一部を示す図。
【図7】本来の連続するサーボセクタアドレスの列を不連続なサーボセクタアドレスに変換するためのセクタアドレス変換テーブルの一例の残りを示す図。
【図8】変換後のサーボセクタアドレスを元のサーボセクタアドレスに戻すのに用いられるセクタアドレス逆変換テーブルの一例の一部を示す図。
【図9】変換後のサーボセクタアドレスを元のサーボセクタアドレスに戻すのに用いられるセクタアドレス逆変換テーブルの一例の残りを示す図。
【図10】本来のサーボセクタアドレスの列と、実際に割り当てられたサーボセクタアドレスの列と、当該各サーボセクタアドレスのビット5に一様にエラーが現れた場合に読み込まれるサーボセクタアドレスの列と、アドレス逆変換後のサーボセクタアドレスの列との対応例を示す図。
【図11】サーボセクタアドレスの連続性チェックの動作手順の一例を説明するためのフローチャート。
【図12】ソフトセクタ方式でのサーボセクタアドレスの書き込み動作の手順を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…ディスク(ディスク記録媒体)
2…ヘッド
7…ヘッドアンプ回路
8…リード/ライト回路
9…ゲートアレイ
12…CPU(逆変換手段、サーボセクタアドレスエラー検出手段、サーボセクタアドレス記録手段)
13…FROM(フラッシュROM、不揮発性記憶手段)
131…セクタアドレス逆変換テーブル
132…セクタアドレス変換テーブル
Claims (8)
- 同一円周上に等間隔で配置されたサーボセクタの所定領域に、当該サーボセクタに固有のサーボセクタアドレスを含み、ヘッドの位置決め等に用いられるサーボ情報が記録されるディスク記録媒体であって、同一円周上の各サーボセクタの所定領域には、当該サーボセクタの並び順とは異なって不連続となるように所定の変換規則に従って変換されたサーボセクタアドレスが記録されるディスク記録媒体と、
前記ディスク記録媒体に対するデータの記録再生に用いられるヘッドと、
前記ヘッドにより前記ディスク記録媒体の前記サーボセクタの所定領域から読み出される前記サーボ情報に含まれるサーボセクタアドレスを、当該アドレスの記録時に適用された前記変換規則または当該変換規則に対応する逆変換用の逆変換規則に従って、変換前の元のサーボセクタアドレスに逆変換する逆変換手段と、
前記逆変換手段により逆変換された、目標サーボセクタを含む連続する複数のサーボセクタに固有のサーボセクタアドレスの連続性をチェックすることで、サーボセクタアドレスエラーを検出するサーボセクタアドレスエラー検出手段とを具備することを特徴とするディスク記憶装置。 - 前記変換規則に、予め定められた乱数に従った値が用いられることを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
- 前記ディスク記録媒体の各サーボセクタの所定領域には、前記所定の変換規則に従って変換されたサーボセクタアドレスが予め記録されていることを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
- 前記ディスク記憶装置の動作時に前記ディスク記録媒体の各サーボセクタの所定領域にサーボセクタアドレスを記録するサーボセクタアドレス記録手段であって、対応するサーボセクタの位置に固有のサーボセクタアドレスを前記所定の変換規則に従って変換して、その変換後のサーボセクタアドレスを記録するサーボセクタアドレス記録手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
- 前記変換規則に用いられる乱数には、隣接するサーボセクタに割り当てられる変換後のサーボセクタアドレス間の同位のビットを比較して値の異なるビットの数が大きくなる乱数が用いられることを特徴とする請求項2記載のディスク記憶装置。
- 前記変換規則に用いられる乱数には、隣接するサーボセクタに割り当てられる変換後のサーボセクタアドレス間、及び2つ隣のサーボセクタに割り当てられる変換後のサーボセクタアドレス間の同位のビットを比較して値の異なるビットの数が大きくなる乱数が用いられることを特徴とする請求項2記載のディスク記憶装置。
- 前記逆変換手段によるサーボセクタアドレスの逆変換に用いられる変換テーブルが予め格納された不揮発性記憶手段を更に具備し、
前記逆変換手段は、前記変換テーブルを参照することにより、対象となるサーボセクタアドレスを逆変換することを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。 - ディスク記録媒体の同一円周上に等間隔で配置されたサーボセクタの所定領域からヘッドにより読み出される、当該ヘッドの位置決め等に用いられるサーボ情報に含まれるサーボセクタアドレスに基づいて目標サーボセクタを識別するディスク記憶装置におけるサーボセクタアドレスエラー検出方法であって、
前記ディスク記録媒体の同一円周上の各サーボセクタの所定領域に、当該サーボセクタの並び順に一致する本来のサーボセクタアドレスに代えて、当該サーボセクタの並び順とは異なって不連続となるように当該本来のサーボセクタアドレスを所定の変換規則に従って変換した変換後のサーボセクタアドレスを記録しておき、
前記ディスク記録媒体に対するアクセス時に、前記ヘッドにより前記サーボセクタの所定領域から読み出される前記サーボ情報に含まれるサーボセクタアドレスを、当該アドレスの記録時に適用された前記変換規則または当該変換規則に対応する逆変換用の逆変換規則に従って、変換前の元のサーボセクタアドレスに逆変換し、
その逆変換後の目標サーボセクタを含む連続する複数のサーボセクタに固有のサーボセクタアドレスの連続性をチェックすることで、サーボセクタアドレスエラーを検出することを特徴とするサーボセクタアドレスエラー検出方法。
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