JPH07254131A - 磁気記録媒体用基板およびそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用基板およびそれを用いた磁気記録媒体

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JPH07254131A
JPH07254131A JP4348294A JP4348294A JPH07254131A JP H07254131 A JPH07254131 A JP H07254131A JP 4348294 A JP4348294 A JP 4348294A JP 4348294 A JP4348294 A JP 4348294A JP H07254131 A JPH07254131 A JP H07254131A
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JP
Japan
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substrate
film
recording medium
alloy film
magnetic recording
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JP4348294A
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Inventor
Chiemi Shima
智恵美 島
Toshihiro Kogure
敏博 小暮
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】良好なCSS特性と優れた磁気特性が得られる
磁気記録媒体用基板とそれを用いた磁気記録媒体を提供
すること。 【構成】ガラス基板上に、原子比で表したCr/(Ti
+Cr)比が0.05〜0.8の組成範囲のCrとTi
とからなる低表面エネルギー性の合金膜が被覆され、前
記合金膜の上に低融点金属の微粒子が分散して被覆され
ている磁気記録媒体用基板を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明はガラスなどの非磁性基板を用いた
磁気記録媒体(磁気ディスク)用基板及びそれを用いた
磁気記録媒体に関する。
【従来の技術】
【0002】ガラス基板はその表面の平滑性が優れ、硬
く、変形抵抗が大きく、かつ表面欠陥が少ないなどの理
由から、高密度磁気ディスク用基板として注目されてい
る。(例えば特開昭49−122707号、特開昭52
−18002号の各公報)また上記ガラス基板に物理的
方法または化学的方法あるいは両者の方法を組み合わせ
て表面に凹凸を形成し、磁気ディスクと磁気ヘッドとの
摩擦摺動特性、特にCSS(コンタクト・スタート・ス
トップ)特性を向上させる方法が知られている(特開昭
63−160010号公報)。さらに前記接触特性を向
上させる方法としてガラス基板表面に有機金属化合物の
溶液の微少な液滴を噴霧し凹凸を形成させる方法(例え
ば特開昭63−160014号公報)、上記ガラス基板
上にアルミニウム(Al)からなる凹凸を形成させる方
法(例えば特開昭62−256215号公報)、ガラス
質またはセラミック質の基材上にAg、Cu、Pb、Z
n、Al、Snまたはそれらの合金からなる凹凸を形成
させる方法(例えば特開平5−85773号公報)、ガ
ラスまたはアルミニウム基板上にZn系、Mg系、Al
系、In系、Sn系の合金からなる凹凸を形成させる方
法(例えば特開平5−282648号公報)などが知ら
れている。
【0003】さらに、ガラス基板上にTi、Zr、Y、
Ta、Cr、Mo、Wの金属群から選ばれた少なくとも
1種以上からなる低表面エネルギー性の膜上にAg、A
l、Cu、Au、Sn、Pb、Sb、Biの低融点金属
群より選ばれた少なくとも1種以上からなる凹凸を形成
する方法も知られている(例えば特開平4−25590
9号公報)。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】しかしながら、特開昭62−256215
号公報に開示されている技術では満足のいく磁気特性が
得られず、特開昭63−160010号公報や特開昭6
3−160014号公報の技術では表面凹凸を形成した
ガラス基板の強度を低下させたり、平滑性を阻害したり
するという問題があった。また、特開平4−25590
9号公報に開示されている従来技術を用いて磁気ディス
クを作製すると磁気特性の改善は見られるが、前記特性
は期待される程度に実現されないという問題点があっ
た。特開昭62−256215号公報に開示されている
基板表面の凹凸形成は、高温状態にあるガラス基板上で
は被着金属(例えばアルミニウム)の凝集エネルギーが
大きくなることを利用したものである。しかし凹凸を形
成しうる被着金属は基板−被着金属間の付着力に比べて
弱いためにCSS試験の際に生じる強い摩擦力によって
アルミニウム−ガラス界面で剥離が生じたり、低いヘッ
ド飛行が可能な範囲(ヘッド浮上量:2〜4マイクロイ
ンチ)での凹凸の制御ができにくかったり、良好な磁気
特性が得られないなどの問題があった。
【0005】これらの問題点を解消するべく特開平4−
255909号公報ではガラス基板と低融点の被着金属
との間に低表面エネルギー性の膜を、また磁性膜の下地
に非晶質または微細粒子からなる合金膜と結晶質からな
る金属膜を設けたことでCSS特性、磁気特性の向上が
見られたが、CSS特性に関してはその向上の程度は期
待されたほどではなかった。これは低融点の被着金属微
粒子の存在密度が高く、十分小さな接触面積が得られて
いないためである。本発明の目的は上記の問題点の解消
にあり、良好なCSS特性が得られ、かつ磁気特性が良
好で生産性の高い磁気記録媒体(ディスク)用基板及び
それを用いた磁気記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】本発明は、非磁性基板上に、前記非磁性基
板の表面エネルギーよりも小さい表面エネルギーを有す
る合金膜が被覆され、前記合金膜上に低融点金属の微粒
子が前記合金膜の膜面内方向に離散して被覆された磁気
記録媒体用基板である。
【0007】本発明の磁気ディスク用基板における非磁
性基板は表面の平坦性がよいガラス板が好ましく、ガラ
ス板の表面を公知の方法により研磨して得られる。また
ガラス板は特にその組成については限定されないが、フ
ロート法で製造されたソーダライム組成のものが安価に
入手できるので好ましい。
【0008】本発明の磁気記録媒体(ディスク用)基板
に用いられる非磁性基板より表面エネルギーが低い合金
膜(以下低エネルギー性の合金膜という)としては、T
iーCr合金膜が好んで用いられる。前記の低表面エネ
ルギー性の膜のうち、結晶性の構造を有する金属単体か
らなる膜は、低融点金属が被覆されるに際して微粒子の
成長核となりやすいため、形成される微粒子の間隔が小
さくなる。一方、合金からなる非晶質膜あるいは結晶が
あまり発達していない合金膜は、その上に低融点金属が
被覆するときに、成長核の密度が少なくなるので形成さ
れる微粒子の間隔が大きくなる。微粒子の成長核の間隔
を大きくする上から、TiCr合金の組成範囲として、
Cr/(Ti+Cr)比が5〜80原子%とするのが好
ましく、またより完全に非晶質膜となる組成範囲は、3
0〜65原子%であり、この範囲が本発明の目的とする
凹凸を形成する上で特に好ましい。
【0009】前記合金膜の厚みとしては、5nm以上で
あることが望ましい。5nmより薄い場合は、非磁性基
板の吸着水などからの酸素が前記膜に混入し、その表面
が酸化され表面エネルギーが大きくなる。このような表
面エネルギーの大きい膜上では、低融点金属をスパッタ
リングや真空蒸着により被覆しても存在密度の小さな微
粒子を形成できない。一方、膜の厚みが200nmより
厚い場合は非磁性基板からの剥離が生じやすくなり、生
産性の点でも好ましくない。低表面エネルギー性の膜表
面にまで酸化が及ばないという点から膜の厚みは5nm
以上、生産性が落ちず剥離が生じにくいという点から1
00nm以下がさらに好ましい。
【0010】本発明にかかる低融点金属としては融点が
1100℃以下の金属または合金であればよいが、低表
面エネルギー性の合金膜上に被覆したときに金属原子間
の凝集エネルギーが大きな微粒子を形成しやすいという
点からAg、Alあるいはこれらのいずれかを含む合金
が好ましい。また、これらの金属あるいは合金に微量の
他の元素が添加されていてもよい。
【0011】本発明の磁気ディスク用基板上に低表面エ
ネルギー性の合金膜や低融点金属を形成する方法として
は、スパッタリング法や真空蒸着法などを用いることが
できる。この場合低融点金属微粒子は低表面エネルギー
性の合金膜を非磁性基板上に被覆後、真空を破ることな
く引き続き形成することが好ましい。また微粒子の存在
密度、形状等は真空蒸着法、スパッタリング法で形成す
るときの非磁性基板の温度、ガス圧、蒸発量、及び低表
面エネルギー性の膜の膜厚を調整することにより行われ
る。
【0012】前記微粒子が形成されるときの非磁性基板
は100〜400℃の温度に加熱されることが好まし
い。非磁性基板を高温にすると微粒子間の間隔が大き
く、かつ、微粒子が大きくなる。一方、低温加熱では微
粒子間の間隔が小さく、かつ、微粒子は小さくなる。さ
らに好ましい加熱温度範囲は150〜250℃である。
【0013】微粒子となる低融点金属の蒸発量は3〜8
0nmの連続層状の膜の厚みに相当する量が好ましい。
3nmより少ないと上記の温度内では微粒子が得られ
ず、80nmより多いと微粒子の高さが増し磁気ヘッド
と磁性膜との距離が長くなるため記録再生特性が劣化す
る。この点を考慮すると4〜30nmの層状の膜が得ら
れる量がさらに好ましい。
【0014】前記微粒子の低表面エネルギー膜上の被覆
率は1〜60%が好ましい。被覆率が60%を越えると
ヘッドとの摩擦係数が大きくなるため良好な摺動特性が
得られない。一方1%より小さいと摩耗が激しく、長時
間のCSSサイクルで摩擦係数が増加する。さらに好ま
しくは2〜30%の範囲である。
【0015】前記微粒子の高さは磁気記録媒体最上層の
保護膜に凹凸を与えるために10〜100nmとし、最
大高さが100nmを越えないようにするのが好まし
い。さらにヘッド走行をスムーズにするために10〜6
0nmとするのがより好ましい。
【0016】また前記微粒子の存在密度は1μm2 当た
り0.5〜20個であることが好ましい。0.5個より
少ないと均一な摩擦係数が得らにくい。一方、20個よ
り多いとヘッドとの吸着が起こりやすい。この点を考慮
すると微粒子の存在密度は1μm2 当たり0.5〜10
個であることがより好ましい。
【0017】本発明の磁気記録媒体は、上記の磁気記録
媒体用基板を用いて得られる。本発明の磁気記録媒体の
第1の下地膜は微結晶及び非晶質膜からなるものが用い
ることができる。かかる膜としてはTiY合金膜(Y濃
度が5〜30原子%)、YSi合金膜(Si濃度が20
〜70原子%)、TiSi合金膜(Si濃度が20〜5
0原子%)、ZrCu合金膜(Zr濃度が35〜50原
子%)、ZrSi合金膜(Si濃度が20〜60原子
%)、CoTa合金膜(Ta濃度が25〜50原子
%)、TiCu合金膜(Cu濃度が40〜60原子
%)、FeSi合金膜(Si濃度が50〜70原子
%)、FeGe合金膜(Ge濃度が60〜70原子
%)、TiCr合金膜(Cr濃度が5〜80原子%)が
例示でき、とりわけTiSi合金膜(Si濃度が20〜
50原子%)が好ましい。
【0018】上記の合金は2元系であるが、3元系や4
元系等にすることも可能である。例えばPdCuSiや
ZrBeNb等が挙げられる。この膜の厚さは5〜10
0nmとするのが好ましい。5nmより薄いとさらにそ
の上に被覆される第2の下地膜及び磁性膜の結晶粒径を
揃える効果が小さくなり、100nmを越えると磁気記
録媒体の生産性が低下するので好ましくない。
【0019】本発明の磁気記録媒体の第2の下地膜はC
rを主成分とする結晶性の金属膜からなり、この膜を被
覆することにより磁性膜の結晶粒径を揃え、良好な磁気
特性を有する磁性膜とすることができる。第2の下地膜
の厚みとしては50〜300nmが好ましい。
【0020】本発明の磁気記録媒体の磁性膜はCoNi
Cr合金やCoNiCrTa合金などの合金磁性膜を用
いることができる。本発明の磁気記録媒体の保護膜はカ
ーボン膜、二酸化珪素膜等を用いることができる。本発
明の磁気記録媒体の低表面エネルギー性の合金膜、低融
点金属微粒子、第1の下地膜、第2の下地膜、磁性膜、
保護膜はスパッタリング法あるいは真空蒸着法で形成す
ることができ、とりわけ前記の低表面エネルギー性の膜
から保護膜まで引き続いて形成することができるインラ
イン式スパッタリング装置で形成するのが好ましい。
【作用】
【0021】非磁性基板上に被覆された低表面エネルギ
ー性の合金膜は、この膜上に低融点金属からなる微粒子
を形成する場合、前記膜表面での低融点金属原子のモビ
リティーを大きくする。このため前記微粒子の存在する
間隔を大きくすることができる。そしてこの低融点金属
微粒子は磁気記録媒体の保護膜表面に凹凸形状を与え、
ヘッドの接触特性を良くする。
【実施例】
【0022】以下実施例により本発明を説明する。図1
は本発明の磁気記録媒体(磁気ディスク)用基板の一部
断面図である。磁気記録媒体用基板1は、非磁性基板2
の上に低表面エネルギー性の合金膜3が、前記低表面エ
ネルギー性の合金膜3の上に低融点金属微粒子4が形成
されている。
【0023】図2は本発明の磁気記録媒体の一実施例の
一部断面図である。磁気記録媒体10は、非磁性基板2
の上に低表面エネルギー性の合金膜3、低融点金属微粒
子4、第1の下地膜5、第2の下地膜6、磁性膜7、保
護膜8が順次設けられている。例えば保護膜8の上にさ
らにフッ素を含有する有機潤滑剤を塗布したものであっ
てもよい。図3は本発明にかかる低融点金属微粒子の形
状を説明するための図で、図3(a)はその断面図、図
3(b)はその平面図である。
【0024】実施例1 基板には円盤上に加工し、化学強化した後良く洗浄され
たソーダライムシリカ組成のガラスを用いた。この基板
を複数のカソードを有し、基板加熱が可能なインライン
式スパッタリング装置で低表面エネルギー性の合金膜、
及び低融点金属微粒子を連続的に形成した。スパッタリ
ング装置内の真空中でガラス基板を300℃に加熱し、
アルゴンガスを用いたDCマグネトロンスパッタ法によ
りCrを50原子%含むTi合金膜(以下Ti50Cr50
合金膜と表示する。)及びAl(アルミニウム)の微粒
子を10mTorrにて連続して形成した。Ti50C
r50合金膜を被覆するためのアルゴンガスを真空装置
内に導入する前の真空度を1×10-6Torr以下と
し、Ti50Cr50合金膜の膜厚は約25nmとなるよう
にTi50Cr50ターゲットに加える電力を調整して行っ
た。Alの凹凸形成物をつくるときのスパッタ量は6n
mの厚みの層状のAl膜が被覆できる量とした。得られ
た磁気ディスク用基板のサンプル1の構造を走査型電子
顕微鏡を用いて観察すると、一つの微粒子は直径が約1
80nmのほぼ液滴状の形態をし、この微粒子はTi50
Cr50膜上に多数離散して島状に突起を形成しており、
密度は1μm2 あたり約0.8個であった。この微粒子
の高さを原子間力顕微鏡で測定したところ平均して約6
2nmであり、図3のような形状であった。またこのと
きのAlの微粒子のTi50Cr50膜上の被覆率は約2%
であった。
【0025】実施例2 実施例1と同じようにしてガラス基板上にTi50Cr
50膜を被覆し、さらにAlの微粒子を形成させた。引
き続き真空を破ることなくアルゴンガスとTiY合金タ
ーゲット(Yが10原子%含まれる)を用いたDCマグ
ネトロンスパッタ法により約30nmの厚みのTiY膜
を被覆した後、ガラス基板を300℃に加熱した。この
後真空を破ることなくCrターゲットを用いて約150
nmの厚みのCr膜、CoNiCr合金ターゲットを用
いて60nmの厚みのCoNiCr合金磁性膜、カーボ
ンターゲットを用いて20nmの厚みのカーボン膜を順
次被覆した。なお、これらの膜の被覆にあたってはアル
ゴンガスによるDCマグネトロンスパッタ法を用いた。
得られた磁気ディスクのサンプル2上に有機潤滑剤を塗
布した後、CSS試験(コンタクト・スタート・ストッ
プ試験)を実施したところ、3万回のCSS試験を行っ
ても摩擦係数は0.5以下であった。またこの磁気ディ
スクサンプル2の保持力を測定したところ1500Oe
であり、記録再生特性はS/N値が30dB、D50
(出力が低波数での値の1/2になる周波数)値が60
kFCl(1インチ当たりの磁化反転回数)で良好な結
果であった。
【0026】実施例3 実施例1と同様な方法を用い、Alの微粒子の形成時の
Alの蒸発量を変化させて磁気ディスク用基板を作製し
た。Alの蒸発量は、ガラス基板を加熱しないで連続な
層状の膜としたときにそれぞれ7、10nmとなる量に
した。いずれのサンプルの微粒子も実施例1で得たサン
プル1と同様に液滴状の微細突起であったが、Alの蒸
発量が多くなるほど微粒子の密度、被覆率、平均粒径は
増していった。この磁気ディスク用基板のサンプル3、
4の表面凹凸特性を測定した結果、及び実施例2で得ら
れたサンプル2に対する結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例4 Alの蒸発量が10nmであることと低表面エネルギー
性TiCr合金膜のCrが含有量をそれぞれ5、10、
35、60、80、99原子%であるように変化させた
こと以外は実施例1と同様な方法で磁気ディスク用基板
のサンプル5、6、7、8、9、10を作製した。いず
れのサンプルのAlの微粒子も、実施例1で得たサンプ
ル1と同様の液滴状の微細突起であったが、微粒子の間
隔、密度、及び被覆率は下地膜の組成により変化を示し
た。得られた磁気ディスク用基板の特性を表2に示す。
また、TiCr膜のCr量に対するAl微粒子の密度
(図4にはテクスチャー密度と表示している)の変化を
図4に示す。
【0029】
【表2】
【0030】比較例 TiCr合金膜の代わりにTi膜を用いた他は、実施例
2と全く同様な方法で磁気記録媒体の比較サンプルを作
製した。この比較サンプルのCSS試験は6000回で
摩擦係数が1.0を越え、実用的に不十分なものであっ
た。比較サンプルの特性について測定した結果を表1に
示す。これらの結果より本発明の実施例で得られたサン
プルはCSS特性、及びグライド特性が良いことが分か
る。
【0031】
【発明の効果】本発明の磁気ディスク用基板は、保護膜
上に表面凹凸を形成する微粒子の密度、及び高さが十分
に小さい。このため、この基板上に磁性膜と保護膜を設
けて磁気記録媒体としたときに、CSS特性及びグライ
ド特性のよい磁気記録媒体が製作できる。また本発明の
磁気記録媒体用基板を用いた磁気記録媒体は、保護膜表
面に微粒子の凹凸に基づいて凹凸が付与されているので
CSS特性及びグライド特性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体(ディスク)用基板の一
部断面図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体の一実施例の一部断面図
である。
【図3】本発明にかかる低融点金属微粒子の形状を説明
するための図である。
【図4】本発明における低融点金属微粒子の密度に及ぼ
す低表面エネルギー性合金膜の組成の影響を示す図であ
る。
【符号の説明】
1・・・磁気記録媒体基板、2・・・非磁性基板、3・
・・低表面エネルギー性の膜、4・・・低融点金属微粒
子、5・・・第1の下地膜、6・・・第2の下地膜、7
・・・磁性膜、8・・・保護膜、10・・・磁気記録媒

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に、前記非磁性基板の表面エ
    ネルギーよりも小さい表面エネルギーを有する合金膜が
    被覆され、前記合金膜上に低融点金属の微粒子が前記合
    金膜の膜面内方向に離散して被覆された磁気記録媒体用
    基板。
  2. 【請求項2】前記合金膜が、原子比で表したCr/(T
    i+Cr)比が0.05〜0.8のCrとTiとからな
    る合金膜である請求項1に記載の磁気記録媒体用基板。
  3. 【請求項3】前記合金膜の厚さが5nm〜100nmで
    ある請求項1または2に記載の磁気記録媒体用基板。
  4. 【請求項4】前記低融点金属がAgまたはAlである請
    求項1乃至3のいずれかの項に記載の磁気記録媒体用基
    板。
  5. 【請求項5】前記低融点金属の微粒子の前記合金膜を被
    覆する面積割合が1〜60%である請求項1乃至4のい
    ずれかの項に記載の磁気記録媒体用基板。
  6. 【請求項6】前記低融点金属の微粒子の最大高さが10
    nm〜100nmである請求項1乃至5のいずれかの項
    に記載の磁気記録媒体用基板。
  7. 【請求項7】前記低融点金属の微粒子の存在密度が、1
    μm2当たり0.5〜20個であることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれかの項に記載の磁気記録媒体用基
    板。
  8. 【請求項8】前記非磁性基板がガラス板である請求項1
    乃至7のいずれかの項に記載の磁気記録媒体用基板。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれかの項に記載の非
    磁性基板上に、非晶質体であるか非晶質体中に微結晶集
    合体を含む第1の下地合金膜が被覆され、第1の下地合
    金膜の上にCrを主成分とする第2の下地膜が被覆さ
    れ、第2の下地膜の上に合金磁性膜および保護膜がこの
    順序に前記保護膜表面に前記低融点金属の微粒子により
    凹凸が付与されるように被覆された磁気記録媒体。
JP4348294A 1994-03-15 1994-03-15 磁気記録媒体用基板およびそれを用いた磁気記録媒体 Pending JPH07254131A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011252227A (ja) * 2010-05-06 2011-12-15 Hitachi Metals Ltd Cr−Ti合金ターゲット材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011252227A (ja) * 2010-05-06 2011-12-15 Hitachi Metals Ltd Cr−Ti合金ターゲット材

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