JPH07253365A - 管の磁歪応力測定方法および治具 - Google Patents

管の磁歪応力測定方法および治具

Info

Publication number
JPH07253365A
JPH07253365A JP4407294A JP4407294A JPH07253365A JP H07253365 A JPH07253365 A JP H07253365A JP 4407294 A JP4407294 A JP 4407294A JP 4407294 A JP4407294 A JP 4407294A JP H07253365 A JPH07253365 A JP H07253365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
stress
rail
tube
circumference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4407294A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Ogawa
安雄 小川
Kenji Shimizu
謙司 清水
Takashi Kuroda
▲隆▼司 黒田
Sadaaki Sakai
禎明 境
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd, NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP4407294A priority Critical patent/JPH07253365A/ja
Publication of JPH07253365A publication Critical patent/JPH07253365A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 管の周囲の一部に狭小空間がある場合でも、
管に作用する最大曲げ応力を測定する。 【構成】 狭小空間を除き、管の周囲が開放されている
管周について少なくとも半周分の測定を行う。管長に対
して相対的に口径が小さい管の場合には、管周方向の応
力がごく小さい値であるため、管軸方向の応力のみを考
えればよい。管軸方向の応力は、最大で360°の周期
を有する正弦関数で近似することができる。したがっ
て、管の周方向に180°分の応力測定を行えば、必ず
正弦関数の最大値または最小値を含む点を測定すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物などが隣接して
いるため、周囲の一部が狭小空間しかない管の磁歪応力
を測定する方法、およびその方法の実施に直接使用する
治具に関する。
【0002】
【従来の技術】磁歪応力測定法は、強磁性材料に荷重が
作用すると透磁率に異方性が生じ、荷重方向の透磁率が
大きくなり、反対に荷重方向と直角方向の透磁率が小さ
くなるので、両透磁率の差を磁歪センサによって検出す
ることによって、主応力の方向および大きさを測定する
手法である。
【0003】図8は、管長に対して相対的に口径が小さ
い管1を示す側面図である。管1の外周には、全周にわ
たって環状のレールが装着される。磁歪センサは、管1
の周方向に沿ってレール上を移動することができる。
【0004】図9は、磁歪センサを管1の周方向に移動
させつつ測定した管に作用している応力の分布を示すグ
ラフである。管1の管頂からの角度が異なる位置A,
B,C,Dなどに対応する応力が、図9に示される。管
1は長さに比べて相対的に小口径であるため、通常曲げ
変形が卓越しており、管周方向の応力は零またはごく小
さい値である。したがって、管1の場合磁歪センサの出
力は、管軸方向の応力に対応している。管軸方向の応力
は360°の周期を有する正弦関数で近似することがで
きる。
【0005】このような応力測定を行うにあたり、従来
は、磁歪センサを管の周方向に1周分移動させつつ、管
に作用している応力を測定している。たとえば、特開平
5−281057号公報の第15段落で述べられている
実験結果では、同公報の図7に示されるように、管の全
周360°について測定されている。また、特開平5−
281058号公報の第13段落では、磁歪センサを管
1の周方向に沿って少なくとも1回転以上回転移動する
ことができる旨の記載がされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】管の周囲がすべて開放
されている場合には、管の周方向に1周分磁歪センサを
移動させつつ応力測定を行うことが可能である。しか
し、通常測定すべき管には橋梁などの他の構造物が隣接
していることが多い。このため、管の周囲の一部と構造
物との間には狭小な空間しかない場合が多い。このよう
な場合、管の全周にわたって磁歪センサを走行させるこ
とができない。該磁歪センサは、管の径方向に所定以上
の空間を必要とするからである。このことから、従来技
術では、管の周囲がすべて開放されていない場合には、
磁歪センサを管の周方向に移動させつつ管の応力測定を
行うことができない。
【0007】本発明の目的は、管の周囲がすべて開放さ
れておらず、管の周囲の一部に狭小空間がある場合で
も、管に作用する最大曲げ応力を測定することができる
管の磁歪応力測定方法および治具を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、測定すべき管
の管軸方向に90度以外の角度で交差する方向に間隔を
あけて一対の磁極を有する第1コアに、励磁コイルを巻
回して配置し、その励磁コイルを交流電力によって励磁
して、前記第1コアの一対の磁極を結ぶ直線に対して垂
直な方向に間隔をあけて一対の磁極を有する第2コアに
検出コイルを巻回して配置し構成される磁歪センサを用
い、磁歪センサを管の周方向に半周分移動しつつ、検出
コイルからの誘導起電力Vを検出し、検出コイルによっ
て検出された管の周方向の誘導起電力Vについて、管軸
まわりの角度θに対する分布を求め、角度θに対する分
布を正弦関数で近似し、近似された正弦関数の振幅値か
ら管に発生している最大曲げ応力を演算して求めること
を特徴とする管の磁歪応力測定方法である。
【0009】また本発明は、測定すべき管の外周に半周
分以上形成され、磁歪センサを移動可能に装着するレー
ルと、管にレールを装着した状態でレールに対向する側
から管に装着され、レールよりも管の径方向の厚みが小
さく、管をレールとともに挟持する固定部材とを含むこ
とを特徴とする管の磁歪応力測定治具である。
【0010】
【作用】本発明に従えば、測定すべき管に第1コアおよ
び第2コアを含んで構成される磁歪センサを配置する。
前記第1コアは一対の磁極を有し、測定すべき管の管軸
方向に90度以外の角度、たとえば45度で交差する方
向に間隔をあけて配置される。前記第1コアには、交流
電力によって励磁される励磁コイルが巻回されている。
前記第1コアの一対の磁極を結ぶ直線に対して垂直な方
向に間隔をあけて、一対の磁極を有する前記第2コアが
設けられる。前記第2コアには検出コイルが巻回され
る。このようにして構成される磁歪センサを管の周方向
に半周分移動させつつ、前記検出コイルからの誘導起電
力Vを検出する。
【0011】前記検出コイルからの誘導起電力Vは、管
軸方向の応力と管周方向の応力との差に対応している。
該検出コイルによって検出された管の周方向の誘導起電
力Vについて、管軸まわりの角度θに対する分布を求め
る。求められた角度θに対する分布を正弦関数で近似す
る。近似された正弦関数の振幅値から管に発生している
最大曲げ応力を演算して求める。管軸方向の応力は36
0°の周期を有する正弦関数で近似することができる。
また、管周方向の応力は180°の周期を有する正弦関
数で近似することができる。したがって、磁歪センサを
管の全周にわたって移動させなくとも、半周分移動させ
れば最大値または最小値が含まれる。また管の半周分移
動させたときの測定結果から全周分の近似が可能で、近
似された応力分布から曲げ応力の分布を求めることがで
きる。磁歪応力の測定にあたり、磁歪センサを管の半周
分移動させるだけでよいので、他の構造物が管の隣接し
ているために、管の全周を測定することができない場合
でも、管の最大曲げ応力を容易に算出することができ
る。
【0012】また本発明に従えば、管の磁歪応力測定治
具には、レールと固定部材とが含まれる。前記レール
は、測定すべき管の外周に半周分以上形成される。磁歪
センサは前記レールに移動可能に装着される。前記固定
部材は、管に前記レールを装着した状態で、該レールに
対向する側から管に装着される。こうして固定部材は、
管をレールとともに挟持する。前記固定部材は、前記レ
ールよりも管の径方向の厚みが小さくなるように形成さ
れる。したがって、管が構造物に隣接しているため、管
の外周と構造物との間に狭小な空間しかない場合でも、
固定部材をこの狭小な空間に挿入して管に装着させるこ
とができる。測定すべき管の周囲がすべて開放されてお
らず、周囲の一部に狭小空間がある場合でも、治具を用
いることによって、磁歪センサによる管の磁歪応力測定
を行うことができる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の管の磁歪応力測定方法を用
いて測定される管11の断面図である。管11は、橋梁
などの構造物12と隣接している。そのため、管11の
周囲はすべて開放されておらず、管周の一部と構造物1
2との間には狭小空間13が存在する。本発明の磁歪応
力測定方法では、狭小空間13を除き、管11の周囲が
開放されている管周について少なくとも半周分θ1の測
定を行う。管11を半周分測定することができれば、管
11に作用する最大曲げ応力を測定することができるか
らである。これは、管11に作用する応力が最大で36
0°、すなわち全周分の周期を有する正弦関数を用いて
表すことができることを利用するものである。半周分に
ついてのデータがあれば、全周分の応力分布を容易に演
算処理によって推定することができる。
【0014】また、管11は管長に対して相対的に口径
が小さい管である。このような管では、通常、管周方向
の応力はごく小さい値であるため無視することができ、
管軸方向の応力のみを考えればよい。管軸方向の応力
は、360°の周期を有する正弦関数sinθで近似す
ることができる。したがって、管11の周方向に少なく
とも180°の応力測定を行えば、必ず正弦関数の最大
値または最小値を含む点を測定することができる。
【0015】図2は、本発明の方法によって求められた
管11に作用する応力結果を示すグラフである。グラフ
中の×印は、実際に測定された測定点である。グラフ
は、管頂Aから管11の周方向に時計回りに測った角度
に対して管11に作用する曲げ応力分布を示す。グラフ
の最小値Eは、実際に測定された管11に作用する最大
圧縮応力を示す。管11の場合、管軸方向の応力のみを
考えることができるため、管11に作用する応力は36
0°の周期を有する正弦関数sinθで近似される。し
たがって、実際の測定点に対し、最小二乗法を用いて正
弦関数sinθで近似する。グラフの最大値A′はこの
近似から推定された管11に作用する最大引っ張り応力
であり、管頂Aに一致する。こうして、管11に作用す
る最大曲げ応力および曲げ応力分布を求めることができ
る。
【0016】図3は、本発明の方法の実施に直接使用さ
れる一実施例の治具14を示す斜視図である。治具14
は、磁歪センサを走行させるためのレール16と、狭小
空間13に配置されレール15を固定するためのバンド
15とから構成される。バンド15は図3(1)に示さ
れ、レール16は図3(2)に示される。バンド15お
よびレール16は、半円周状に、撓み変形可能な材料、
好ましくは黄銅などの非強磁性材料で形成される。レー
ル16は、少なくとも円周分すなわち円周角180°分
形成される。一方、バンド15は半径方向の厚みtが5
mm程度となるように形成される。バンド15の一端に
は、レール16と同一断面形状のレール16aが形成さ
れる。こうして、バンド15とレール16とが接合され
たとき、磁歪センサが円周角180°以上のレール16
a,16を走行することができるようにする。円周角1
80°以上となるように形成されたレール16a,16
上に、磁歪センサを走行させるためのフレーム21が走
行可能に取付けられ、フレーム21の上に磁歪センサが
装着される。
【0017】バンド15の両端には、ボルト17が矢符
19で示される方向に回転可能に接続されている。この
ボルト17にはナット18が螺着されている。一方、レ
ール17の外周面20上には凹溝24が設けられてい
る。レール16とバンド15とを接合するにあたり、ボ
ルト17を凹溝24に挿入し、ナット18で締付けて、
レール16とバンド15とを接合しつつ、測定されるべ
き管に固定する。
【0018】測定されるべき管11に治具14を固定す
る方法について以下に詳述する。レール16aが形成さ
れていない方のバンド15の一端22を狭小空間13に
挿入し、バンド15を管11の周囲に配置する。バンド
15は撓み変形可能であり、バンド15の管径方向の厚
さは5mm程度で非常に薄い。このため、狭小空間13
であっても、バンド15を容易に挿入することができ
る。
【0019】次に開放された管11の周囲にレール16
が配置される。レール16は、その内周面23に板ばね
部材などを介して管11に配置される。これは、レール
16と管11との間に隙間をあけて、磁歪センサを装着
するためのフレーム21を、走行可能にレール16に取
付けることができるようにするためである。
【0020】その後、レール16とバンド15とを接合
し、管11に固定する作業を行う。
【0021】図4は、図3の矢符Aで示される方向から
見たバンド15とレール16との接合状態を示す側面図
である。前述したようにバンド15のボルト17をレー
ル16の外周面20上に設けられた凹溝24に挿入す
る。ボルト17に螺着されるナット18の直径に合わせ
て、凹溝24の一部分は、溝幅が広く形成される。溝幅
が広く形成された凹溝24aに、ボルト17に螺着され
たナット18が挿入される。その後、ボルト17に螺着
されたナット18の締付けが行われる。このようにし
て、接合されたレール16とバンド15とを、管11の
外周を挟持しつつ管11に固定される。
【0022】レール16およびバンド15は、撓み変形
可能に形成されるけれども、測定すべき管の直径に合わ
せて予め複数種類作成しておくと、より精密に管周に適
合させることができ、精度のよい磁歪応力測定が可能と
なる。
【0023】上述の実施例では、バンド15の一端にレ
ール16aを形成し、バンド15とレール16とが接合
されたとき、磁歪センサを走行させることができるレー
ルが円周角180°以上となるようにした。他の実施例
として、レール自体を円周角180°以上に形成しても
よい。この場合には、図3で示されるようにバンド15
の一端にレール16aを設ける必要はない。
【0024】前述の実施例では、バンド15とレール1
6とをともに半円周状に形成するため、バンド15およ
びレール16の両端はともに開放されていた。そのた
め、バンド15の両端とレール16の両端とをそれぞれ
接合することとしたが、バンド15の一端とレール16
の一端とを予め接続して一体的に形成することとしても
よい。すなわち、レール16を180°以上に形成し、
レール16の続きにバンド15を設けて略円周状の治具
とする。この場合は、バンド15の一端とレール16の
一端とを一か所のみ接合することによって管の周囲に固
定する。
【0025】図5は、レール16が管11に装着された
状態を示す断面図である。レール16は管11に板ばね
部材25を介して装着される。板ばね部材25を介する
ことによってレール16と管11との間に隙間をあける
ことができる。この隙間があることによって、磁歪セン
サを装着するために取付けられるフレーム21は円滑に
移動することができる。
【0026】図5では、磁歪センサを装着させるための
フレーム21がレール16に取付けられている。フレー
ム21には、ばねなどの弾性体27が設けられる。した
がって、フレーム21は撓み変形可能であり、レール1
6に容易に取付けることができる。レール16と対向す
るフレーム21の表面には、ローラ26が設けられる。
ローラ26が回転することによって、フレーム21がレ
ール上を走行移動することができる。こうして管11の
周囲に狭小空間13がある場合でも、上述の治具14を
用いて磁歪センサによる磁歪応力測定を行い、管に作用
する最大曲げ応力を求めることができる。
【0027】図6は、フレーム21に取付けられる磁歪
センサ31の簡略化した平面図である。磁歪センサ31
は略U字状の第1コア32を有し、この第1コア32に
は、励磁コイル33が巻回される。第1コア32の一対
の磁極34,35は管軸36方向に90度以外の角度α
(この実施例ではα=45度)で交差する直線37の方
向に間隔をあけて設けられる。励磁コイル33には、た
とえば50Hzまた60Hz、100Vの交流電源38
が接続されて、励磁コイル33が励磁される。さらにま
た第2コア39が設けられる。この第2コア39は、逆
U字状に形成される。第2コア39には検出コイル40
が巻回される。第2コア39の一対の磁極41,42
は、第1コア32の一対の磁極34,35を結ぶ直線3
7に対して垂直な直線43上で間隔をあけて一対の磁極
41,42を有する。各磁極34,35;41,42の
各図心は、仮想上の正方形の各頂点位置にあり、直線3
7,43は、その仮想上の正方形の対角線に位置する。
【0028】励磁コイル33を交流電源38によって励
磁し、検出コイル40の誘導起電力Vは電圧計などの電
圧測定手段44によって検出される。検出コイル40の
誘導起電圧Vは、管軸36方向の応力σ1と管周方向の
応力σ2とに依存して第1式で示される。
【0029】 V=M(σ1−σ2) …(1) ここでMは磁歪感度であり、管11の材質などに依存す
る定数である。管11が管長に対して相対的に小口径で
あるときには、σ2=0である。コア32,39は一体
的に相互に固定されて構成される。磁歪センサ31で
は、第1コア32の磁極34,35が第2コア39の磁
極41と等距離にある。管11の管軸36方向に磁歪応
力σ1が発生していない状態では、その管11の管軸方
向および管周方向の透磁率μは等しい。このことから、
励磁コイル33が交流電源38によって励磁されている
とき、磁極34から磁極41に入る磁束と、この磁極4
1から磁極35に出ていく磁束とは等しくなる。同様な
ことは磁極42に対しても成立する。したがって検出コ
イル40に接続されている電圧測定手段44によって検
出される誘導起電力Vは零またはごく小さい値である。
【0030】管11に管軸方向の磁歪応力σ1および/
または管周方向の磁歪応力σ2が作用すると、管11の
管軸方向と管周方向との各透磁率は異なる。このため、
検出コイル40の誘導起電力Vは、磁歪感度Mと磁歪応
力σ1,σ2とに対応した値となる。ここで管軸方向の
応力σ1と管周方向の応力σ2とを総括的に応力σと言
うことがある。
【0031】図7は、図6に示される磁歪センサ31の
電気的構成を示すブロック図である。電圧測定手段44
の出力は、マイクロコンピュータなどによって実現され
る処理回路45に与えられる。処理回路45にはまた、
キーボードなどの入力手段が接続される。処理回路45
が駆動手段46を制御し、電圧測定手段44の測定結果
を管軸36まわりに角度θ毎にストアするメモリ47に
接続される。メモリ47のストア内容は陰極線管または
液晶などの目視表示手段48によって表示することがで
きる。
【0032】処理回路45の動作を順を追って説明す
る。管11が小口径であって偏平になっておらず、真円
に近い断面であるとき前述のように管周方向の応力σ2
は無視することができる程度に小さい値である。第1の
工程で、駆動手段46を駆動してフレーム21に取付け
られた磁歪センサ31を用いて、角度θに対応する検出
コイル40の誘導起電力V、したがってそれに対応する
管軸方向の応力σ1を測定する。この誘導起電力Vは、
管11の周方向の予め定める一定の角度、たとえば5度
毎にサンプリングされて、メモリ47にストアされる。
このメモリ47にストアされた誘導起電力Vは、表示手
段48によって表示される。
【0033】第2の工程では、誘導起電力Vの各測定値
に基づいて、最小二乗法によって第2式で示される正弦
波形で近似する関数を演算して求める。
【0034】 V=F+Gsin(θ−H) …(2) 上記演算によって得られた第2式で示される関数が、図
2で示されるグラフである。振幅Gは、管軸方向の応力
σ1に対応した値である。こうして、管11が小口径で
あるときにおける管軸方向の応力σ1を演算して求める
ことができる。
【0035】上述の実施例では、管11は小口径であ
り、したがって第1式における管周方向の応力σ2は無
視することができる程度に小さい場合であった。
【0036】本発明の他の実施例として、管が管長に対
して相対的に大口径であるときには、管の周方向に測定
された角度θの各位置における磁歪センサ31の検出コ
イル40から得られる誘導起電力Vは、sin2θに対
応する周期、すなわち180°の周期で変化する。この
場合は、管の周方向に沿って半周分測定することなく、
少なくとも1/4周分以上の測定を行えば第3式に示さ
れる関数を前述の第2工程において得ることができる。
【0037】 V=F+Gsin(2θ−H) …(3) 管が大口径であるとき、第3式の係数Gは、正弦関数の
振幅値に相当し、管の周方向の応力σ2に対応した値で
ある。
【0038】こうして管の種類に応じて、管の周方向の
角度θとするとき、sinθまたはsin2θで近似し
た関数を作成する。その関数の振幅Gに対応する応力θ
を演算して求めることによって、管に作用する最大曲げ
応力を測定することができる。
【0039】本実施例では、管に作用する応力を正弦関
数で近似したが、正弦関数と同様の変化曲線であるた
め、余弦関数で近似することにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、管の磁歪
応力の測定にあたり、磁歪センサを管の半周分移動させ
るだけでよいので、他の構造物が管に隣接しているため
に管の全周を測定することができない場合でも、管に生
じる最大曲げ応力を算出することができる。
【0041】また本発明によれば、管に構造物などが隣
接しているため、管の周囲の一部に狭小空間しかない場
合でも、磁歪応力測定用の治具を用いて磁歪センサが装
着されたレールを管に挟持するので、磁歪センサによる
管の磁歪応力測定を行うことができる。この治具を用い
た管の磁歪応力測定によって、管の最大曲げ応力を求め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁歪応力測定方法を用いて測定される
管11の断面図である。
【図2】本発明の方法によって求められた管11に作用
する応力結果を示すグラフである。
【図3】本発明の方法の実施に直接使用される一実施例
の治具14を示す斜視図である。
【図4】図3の矢符Aで示される方向から見たバンド1
5とレール16との接合状態を示す側面図である。
【図5】レール16が管11に装着された状態を示す断
面図である。
【図6】フレーム21上に取付られる磁歪センサ31の
簡略化した平面図である。
【図7】磁歪センサ31の電気的構成を示すブロック図
である。
【図8】管長に対して相対的に口径が小さい管1を示す
側面図である。
【図9】磁歪センサを管1の周方向に移動させつつ測定
した管に作用している応力結果を示すグラフである。
【符号の説明】
11 管 12 構造物 13 狭小空間 14 治具 15 バンド 16,16a レール 17 ボルト 18 ナット 21 フレーム 25 板ばね部材 26 ローラ 31 磁歪センサ 32 第1コア 33 励磁コイル 34,35;41,42 磁極 36 管軸 38 交流電源 39 第2コア 40 検出コイル 44 電圧測定手段 45 処理回路 46 駆動手段 47 メモリ 48 目視表示手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 ▲隆▼司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 境 禎明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定すべき管の管軸方向に90度以外の
    角度で交差する方向に間隔をあけて一対の磁極を有する
    第1コアに、励磁コイルを巻回して配置し、その励磁コ
    イルを交流電力によって励磁して、前記第1コアの一対
    の磁極を結ぶ直線に対して垂直な方向に間隔をあけて一
    対の磁極を有する第2コアに検出コイルを巻回して配置
    し構成される磁歪センサを用い、 磁歪センサを管の周方向に半周分移動しつつ、検出コイ
    ルからの誘導起電力Vを検出し、 検出コイルによって検出された管の周方向の誘導起電力
    Vについて、管軸まわりの角度θに対する分布を求め、
    角度θに対する分布を正弦関数で近似し、近似された正
    弦関数の振幅値から管に発生している最大曲げ応力を演
    算して求めることを特徴とする管の磁歪応力測定方法。
  2. 【請求項2】 測定すべき管の外周に半周分以上形成さ
    れ、磁歪センサを移動可能に装着するレールと、 管にレールを装着した状態でレールに対向する側から管
    に装着され、レールよりも管の径方向の厚みが小さく、
    管をレールとともに挟持する固定部材とを含むことを特
    徴とする管の磁歪応力測定治具。
JP4407294A 1994-03-15 1994-03-15 管の磁歪応力測定方法および治具 Pending JPH07253365A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4407294A JPH07253365A (ja) 1994-03-15 1994-03-15 管の磁歪応力測定方法および治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4407294A JPH07253365A (ja) 1994-03-15 1994-03-15 管の磁歪応力測定方法および治具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07253365A true JPH07253365A (ja) 1995-10-03

Family

ID=12681434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4407294A Pending JPH07253365A (ja) 1994-03-15 1994-03-15 管の磁歪応力測定方法および治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07253365A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7852073B2 (en) * 2007-06-25 2010-12-14 Southwest Research Institute Method and device for long-range torsional guided-wave inspection of piping with a partial excitation and detection around the pipe circumference
CN114034415A (zh) * 2021-10-26 2022-02-11 成都飞机工业(集团)有限责任公司 一种应力检测方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05281057A (ja) * 1992-03-31 1993-10-29 Osaka Gas Co Ltd 管の磁歪応力測定方法および装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05281057A (ja) * 1992-03-31 1993-10-29 Osaka Gas Co Ltd 管の磁歪応力測定方法および装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7852073B2 (en) * 2007-06-25 2010-12-14 Southwest Research Institute Method and device for long-range torsional guided-wave inspection of piping with a partial excitation and detection around the pipe circumference
CN114034415A (zh) * 2021-10-26 2022-02-11 成都飞机工业(集团)有限责任公司 一种应力检测方法
CN114034415B (zh) * 2021-10-26 2022-09-20 成都飞机工业(集团)有限责任公司 一种应力检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5831180A (en) Torque sensing and strain detecting device
EP3486628B1 (en) Torque and force measurement system
JPH07253365A (ja) 管の磁歪応力測定方法および治具
JP3868495B2 (ja) トルクトランスデューサ
JP2771433B2 (ja) 管の磁歪応力測定方法
JP3500966B2 (ja) 応力測定方法及び近似関数の特定方法
JP3157946B2 (ja) 平面二軸応力場での磁歪応力測定方法および装置
JP3130106B2 (ja) 磁歪センサを用いる応力測定方法
JP3159132B2 (ja) 鋼管の応力の測定方法
JP3130115B2 (ja) 管の磁歪応力測定方法および装置
JP3204073B2 (ja) 磁歪効果を利用した応力測定方法および装置
JP3130116B2 (ja) 溶接管の磁歪応力測定方法および装置
JP3170382B2 (ja) 管の磁歪応力測定方法および装置
JPS62203030A (ja) トルクセンサ
JPS6141936A (ja) トルクセンサ
US10746615B2 (en) Magnetizing ferromagnetic elements used in load and torque sensing devices
JP2000266619A (ja) トルクセンサ及びステアリングシャフトのトルク検出装置
JP3500967B2 (ja) 応力測定方法及び近似関数の特定方法
JP2735992B2 (ja) 磁歪応力測定方法および装置
JPH0356834A (ja) 円筒材料の磁歪応力測定用ピグ
JPS5861433A (ja) 透磁率式応力測定法
JPH02110331A (ja) 磁歪式応力センサの励磁方法
JP3173365B2 (ja) 磁歪効果を利用した応力測定方法
JP3130111B2 (ja) 磁歪感度の測定方法
JPS62203027A (ja) トルクセンサ