JP3130106B2 - 磁歪センサを用いる応力測定方法 - Google Patents
磁歪センサを用いる応力測定方法Info
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Description
力を磁歪センサを用いて測定する方法に関する。
は、長い年月にわたって土壌中に埋設されて用いられ
る。地盤沈下や地表を走行する車両などからの荷重によ
って、鋼管には曲げ応力が発生する。大きな曲げ応力が
発生した状態が継続されると、鋼管は応力腐食割れなど
によって破損するおそれがある。鋼管の破損を予防する
健康診断のためには、鋼管に作用している曲げ応力を測
定する必要がある。
検査物体の表面に歪ゲージを貼付け、歪を検出して応力
に換算する方法がある。しかしながら、応力を検出する
部分に予め歪ゲージを貼付けておく必要があり、しかも
歪ゲージの寿命は3年程度と比較的短い。このため、歪
ゲージを用いる方法では、長期間にわたって信頼性の高
い測定値を得ることができない。
を用いる方法がある。応力が発生すると、鋼管の結晶格
子が歪み、この結晶格子によって回折されるX線の角度
が変化する。しかしながらX線装置を用いる方法では、
装置が大形化し、求められる応力値の精度が不良であ
る。
測定することができる方法として、磁歪応力測定法が知
られている。この方法は、鋼管の透磁率の変化が応力に
比例するという原理を利用する。すなわち、鋼管が磁化
された程度を検出コイルで電圧値として取出し、この値
が応力値と比例することから応力を測定する。この比例
定数を磁歪感度と呼び、磁歪応力測定法では非常に重要
なパラメータである。磁歪応力測定法によれば、次の数
1の式に従って曲げ応力σが求められる。
る。
ては、上述のように、磁歪感度Mが重要である。磁歪感
度Mは鋼管の材質や製造法によって固有の値を示す。し
たがって、磁歪応力測定の対象となる鋼管については、
測定前に実際の鋼管を用いて曲げ試験を行い、歪ゲージ
によって求める応力値を用いて磁歪出力電圧値から磁歪
感度を設定する必要がある。
応力測定を所望する鋼管と同一の材料および製造法によ
る鋼管1を架台2の間に置き、歪ゲージ3,4と磁歪セ
ンサ5とを接近させて取付ける。歪ゲージ3,4および
磁歪センサ5の両側に荷重6,7を加えると、鋼管1は
曲げ応力を受ける。歪ゲージ3,4は、相互に90度の
角度をなすように貼付けられる。荷重を変えて鋼管1の
歪εを求め、次の数2の式に従って応力σを求める。
値は、鉄についての値でほぼ一定である。このようにし
て求められる応力σの値と磁歪出力電圧値Vとの関係か
ら、磁歪感度Mが求められる。
管は、既設の古い鋼管である場合が大半であり、図8の
ようにして磁歪感度Mを求めることができず、磁歪感度
Mが不明の場合が多い。このため、鋼管が敷設されてい
る現場で応力値を即座に知りたい場合にも、磁歪応力測
定法を用いることができず、鋼管の健全性を診断するこ
とが困難である。
物体であっても、現場で簡易に磁歪感度を求めて応力測
定が可能な磁歪センサを用いる応力測定方法を提供する
ことである。
明な被検査鋼管の表面に2個の歪ゲージを相互に直角と
なるように固定し、その近傍で前記歪ゲージと同一周方
向位置に材料の透磁率に対応した電気的出力を導出する
磁歪センサを固定し、被検査鋼管に加える曲げ方向の力
を変化させて、被検査鋼管に作用する曲げ応力を変化さ
せ、歪ゲージの出力を曲げ応力に換算し、曲げ応力変化
に対する磁歪センサの出力の傾きから比例定数としての
磁歪感度を求め、求められた磁歪感度を被検査鋼管の測
定位置に取り付けた磁歪センサからの出力に乗じること
により被検査鋼管に作用する応力を測定することを特徴
とする応力測定方法である。
歪ゲージが相互に直角になるように固定され、その近傍
で歪ゲージと同一周方向位置に磁歪センサが固定され
る。歪ゲージは、被検査鋼管表面の歪に対応する電気的
出力を導出する。磁歪センサは、被検査鋼管の材料の透
磁率に対応した電気的出力を導出する。被検査鋼管に加
える曲げ方向の力を変化させると、被検査鋼管に作用す
る曲げ応力が変化する。被検査鋼管は、曲げ応力に対応
した歪変形を行う。したがって、歪ゲージの出力を曲げ
応力に換算すると、加える曲げ方向の力の変化に対応す
る曲げ応力の変化が求められる。このときの磁歪センサ
の出力の傾きから比例定数としての磁歪感度が求められ
る。
定位置に取り付けた磁歪センサの出力に乗じて、被検査
鋼管に作用する応力を測定することができる。
を用いる応力測定方法を示す。図1(1)は、天井10
に鋼管11が吊下げられる架空配管系を示す。鋼管11
はブラケット12によって天井から吊下げられる。ブラ
ケット12から数cmだけ離隔した近傍に歪ゲージ1
3,14を貼付ける。歪ゲージ13,14は、鋼管11
の曲げ応力が測定可能な方向に、かつ相互に直角となる
ように貼付ける。この2つの歪ゲージ13,14は、ホ
イートストンブリッジの2辺を構成するように電気的に
接続され、2軸応力状態での応力測定が可能なように零
点調整が行われる。
1の上部には、磁歪センサ15を取付ける。ブラケット
12に関して歪ゲージ13,14の反対側には、柱16
などに支持部材17を設け、Uボルト18で鋼管11を
曲げられるようにする。
と、ブラケット15付近の鋼管11には大きな応力が発
生する。歪ゲージ13,14については零点調整を行っ
ているので、Uボルト18によって荷重を加えると、歪
から曲げ応力を求めることができる。曲げ応力が加えら
れる時の磁歪センサの出力をV1とし、Uボルト18を
緩めて曲げ応力を解放した後の出力をV2とすると、磁
歪感度Mは次の数3の式によって求められる。
力である。曲げ応力σと、磁歪センサ15からの出力の
電位差との比が磁歪感度Mとして求められる。Uボルト
18による荷重とその解放とは、曲げ応力として逆方向
になるので、残留応力の影響を打消すことができる。
によって応力測定が可能な原理を示す。図2は磁歪セン
サ15の基本的構成を示す。磁歪センサ15は電磁石2
1と検出コイル22によって構成される。電磁石21に
は、コイルL1およびL2が巻回され、検出コイル22
には、コイルL3およびL4が巻回される。コイルL1
およびL2を交流で駆動すると、検出コイル22のコイ
ルL3,L4には応力状態に対応する出力が得られる。
3について検出コイル22から出力が得られない理由を
示す。図3(1)に示すように鋼板23に力が加えられ
ていないと、図3(2)に示すように、鋼板23のx方
向およびy方向の透磁率μx,μyは等しい。各コイル
L1,L2,L3,L4の先端が鋼板23上に接する点
の1つと、隣接する接触点との距離が等しいときは、接
触点相互間の磁気抵抗は等しい。このため、たとえばL
1のコイルから発生される磁束は、コイルL3およびコ
イルL4に等しく到達する。このため、検出コイル22
に誘導される電圧は打消され、出力電圧は発生しない。
荷重が加えられている状態を示す。図4(1)に示すよ
うに各コイルL1,L2,L3,L4を接触させると、
図4(2)に示すように、y方向の透磁率μyがx方向
の透磁率μxよりも大きいので、y方向では磁気抵抗が
小さく、x方向では磁気抵抗が大きくなる。このため、
コイルL1から発生される磁束は、コイルL3に流れる
量がコイルL4に流れる量よりも大きくなる。検出コイ
ル22には、コイルL3からコイルL4の方向に磁束が
流れ、誘導電圧が発生する。電磁石21を励磁する交流
電圧の極性が変わり、コイルL2から磁束が流出すると
きは、コイルL4へ多く流出する。このため検出コイル
22ではコイルL4からコイルL3の方向に磁束が流れ
る。
められる応力σと、磁歪センサ15からの出力電圧Vと
の関係を示す。図1図示のUボルト18を調整して、た
とえば2点でσとVとの関係を求めることができれば、
2点間を結ぶ直線の傾きの逆数として磁歪感度Mを求め
ることができる。歪ゲージ13,14から求められる歪
は、次の数4の式を用いて容易に応力値に換算すること
ができる。
の値、Eは縦弾性率を示す。鋼管の場合、縦弾性率は
2.1×106kgf/cm2(210GPa)であり、
鋼であるならばほぼ一定で鋼管の材質や製造方法によっ
ては変化しない。したがって、鋼管が継目なしのシーム
レス管であっても、継目ありのシーム管であってもほぼ
同一である。このようにして求められる応力σの値を用
いて、前述の数3の式により磁歪感度Mを設定すれば、
次の数5の式によって磁歪センサからの出力電圧Vから
未知の応力σを求めることができる。
大きく変化する磁歪感度M1,M2を現場で容易に決定
することができ、決定された磁歪感度を用いて応力を容
易に測定することができる。
支えるブラケット12とは別に、柱16に支持部材17
を取付け、Uボルト18によって曲げ応力を加えたり解
放したりしているけれども、ブラケット12と天井10
との距離を変化させて、曲げ応力を加えたり応力解放を
行ったりしてもよいことは勿論である。
定方法を示す。本実施例においては、鋼管11は土壌3
0中に埋設される。土壌30中の一部を掘出してたて穴
31を形成し、鋼管11の一部を露出させる。たて穴3
1の底には、ジャッキ32を設置し、鋼管11の下方か
ら荷重を加える。図7(1)から図7(2)に示す状態
で荷重を変化させ、鋼管11に加える曲げ応力を変化さ
せると、歪ゲージと磁歪センサとの出力から、磁歪感度
を求めることができる。求められた磁歪感度によって、
鋼管11に作用している曲げ応力を求めることができる
のは図1図示の実施例と同様である。
が不明な鋼管について現場で安易に磁歪感度を求めるこ
とができ、磁歪センサを用いず応力測定を容易に実施す
ることができる。このため、鋼管の材質や製造法が不明
な既設の古い鋼管であっても、現場で即座に応力値を知
ることができ、過大な曲げ応力が発生して危険な状態な
どを迅速に発見することができる。
な斜視図である。
ある。
よびグラフである。
よびグラフである。
フである。
フである。
的な断面図である。
面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 磁歪感度が不明な被検査鋼管の表面に2
個の歪ゲージを相互に直角となるように固定し、 その近傍で前記歪ゲージと同一周方向位置に材料の透磁
率に対応した電気的出力を導出する磁歪センサを固定
し、 被検査鋼管に加える曲げ方向の力を変化させて、被検査
鋼管に作用する曲げ応力を変化させ、 歪ゲージの出力を曲げ応力に換算し、 曲げ応力変化に対する磁歪センサの出力の傾きから比例
定数としての磁歪感度を求め、 求められた磁歪感度を被検査鋼管の測定位置に取り付け
た磁歪センサからの出力に乗じることにより被検査鋼管
に作用する応力を測定することを特徴とする応力測定方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04007797A JP3130106B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 磁歪センサを用いる応力測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP04007797A JP3130106B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 磁歪センサを用いる応力測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05196513A JPH05196513A (ja) | 1993-08-06 |
JP3130106B2 true JP3130106B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=11675635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04007797A Expired - Lifetime JP3130106B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 磁歪センサを用いる応力測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3130106B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109708008A (zh) * | 2019-01-23 | 2019-05-03 | 北京市燃气集团有限责任公司 | 管道安全监测与预警方法 |
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JP2009041924A (ja) * | 2007-08-06 | 2009-02-26 | Yokogawa Electric Corp | 流量計 |
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-
1992
- 1992-01-20 JP JP04007797A patent/JP3130106B2/ja not_active Expired - Lifetime
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