JP3130116B2 - 溶接管の磁歪応力測定方法および装置 - Google Patents

溶接管の磁歪応力測定方法および装置

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JP3130116B2
JP3130116B2 JP04077287A JP7728792A JP3130116B2 JP 3130116 B2 JP3130116 B2 JP 3130116B2 JP 04077287 A JP04077287 A JP 04077287A JP 7728792 A JP7728792 A JP 7728792A JP 3130116 B2 JP3130116 B2 JP 3130116B2
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Osaka Gas Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接管の磁歪応力の測
定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁歪応力測定法は、強磁性材料に荷重が
作用すると、透磁率に異方性が生じ、荷重方向の透磁率
が大きくなり、反対に荷重方向と直角方向の透磁率が小
さくなるので、両透磁率の差を磁歪センサによって検出
することによって、主応力の方向および大きさを測定す
る手法である。鋼板などの板を環状に丸めて溶接した溶
接管、たとえば電縫管では、管軸に沿った溶接部分の磁
化特性が他の部分とは変化している。したがって磁歪セ
ンサによって周方向にわたる応力を測定して、その応力
測定値の全てを用いて、余弦波形で近似させ、この近似
した関数に基づいて応力を演算して求めると、この演算
して得られた応力は、大きな誤差を含む結果となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶接
管の溶接部分の磁気異方性が他の部分とは異なっていて
も、その溶接管に作用する応力を正確に測定することが
できるようにした溶接管の磁歪応力測定方法および装置
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、管軸方向に間
隔をあけた少なくとも2つの位置で、管軸方向と周方向
との各透磁率が異なることに起因した出力Vを導出する
磁歪センサを、管の周方向に移動して周方向にわたる応
力を測定し、この少なくとも2つの周方向にわたる応力
測定値のうち、同一周方向位置の範囲Δθ1にわたって
現れる特異値を管の溶接部分の応力測定値と判定し、周
方向にわたる応力測定値から管の溶接部分の応力測定値
を除去し、残余の応力測定値を、管軸まわりの角度に対
応した余弦波形で近似させて、その振幅Bに対応する応
力を求めることを特徴とする溶接管の磁歪応力測定方法
である。
【0005】
【0006】本発明は、(a)磁歪センサであって、 (a1)管の管軸方向に90度以外の角度で交差する方
向に間隔をあけて一対の磁極を有する第1コアと、 (a2)第1コアに巻回され、交流電力によって励磁さ
れる第1励磁コイルと、 (a3)第1コアの一対の磁極を結ぶ直線に対して垂直
な方向に間隔をあけて一対の磁極を有する第2コアと、 (a4)第2コアに巻回される検出コイルとを有する磁
歪センサと、 (b)磁歪センサを管軸方向に間隔をあけた少なくとも
2つの位置で、管の外周面に沿って周方向に移動する移
動手段と、 (c)管軸まわりの角度θの位置の検出コイルからの出
力をストアするメモリと、 (d)メモリの内容を読出して、少なくとも2つの周方
向にわたる応力測定値のうち、同一周方向位置の範囲Δ
θ1にわたって現れる特異値を管の溶接部分の応力測定
値と判定し、周方向にわたる応力測定値から管の溶接部
分の応力測定値を除去した残余の応力測定値を用いて、
管が偏平に変形することなく撓んだとき、cosθで近似
させる関数作成手段と、 (e)関数作成手段の出力に応答し、前記cosθの関数
の振幅Bに対応する管軸方向の応力σ1を求める演算手
段とを含むことを特徴とする溶接管の磁歪応力測定装置
である。 本発明は、(a)磁歪センサであって、 (a1)管の管軸方向に90度以外の角度で交差する方
向に間隔をあけて一対の磁極を有する第1コアと、 (a2)第1コアに巻回され、交流電力によって励磁さ
れる第1励磁コイルと、 (a3)第1コアの一対の磁極を結ぶ直線に対して垂直
な方向に間隔をあけて一対の磁極を有する第2コアと、 (a4)第2コアに巻回される検出コイルとを有する磁
歪センサと、 (b)磁歪センサを管軸方向に間隔をあけた少なくとも
2つの位置で、管の外周面に沿って周方向に移動する移
動手段と、 (c)管軸まわりの角度θの位置の検出コイルからの出
力をストアするメモリと、 (d)メモリの内容を読出して、少なくとも2つの周方
向にわたる応力測定値のうち、同一周方向位置の範囲Δ
θ1にわたって現れる特異値を管の溶接部分の応力測定
値と判定し、周方向にわたる応力測定値から管の溶接部
分の応力測定値を除去した残余の応力測定値を用いて、
管が偏平に変形して撓んだとき、cos2θで近似させる
関数作成手段と、 (e)関数作成手段の出力に応答し、前記cos2θの関
数の振幅Bに対応する管の周方向の応力σ2を求める第
1演算手段と、 (f)検出コイルからの出力Vと、磁歪感度Mと、第1
演算手段によって演算して求めた周方向の応力σ2とに
基づいて、管軸方向の応力σ1を求める第2演算手段と
を含むことを特徴とする溶接管の磁歪応力測定装置であ
る。
【0007】また本発明は、(a)磁歪センサであっ
て、(a1)管の管軸方向に90度以外の角度で交差す
る方向に間隔をあけて一対の磁極を有する第1コアと、
(a2)第1コアに巻回され、交流電力によって励磁さ
れる第1励磁コイルと、(a3)第1コアの一対の磁極
を結ぶ直線に対して垂直な方向に間隔をあけて一対の磁
極を有する第2コアと、(a4)第2コアに巻回される
検出コイルとを有する磁歪センサと、 (b)磁歪センサを管の外周面に沿って周方向に移動す
る移動手段と、 (c)管軸まわりの角度θの位置の検出コイルからの出
力をストアするメモリと、 (d)メモリの内容を読出して、管の溶接部分の応力測
定値を除去した残余の応力測定値を用いてcosθまたはc
os2θで近似させる関数作成手段と、 (e)関数作成手段の出力に応答し、前記cosθまたはc
os2θの関数の振幅Bに対応する応力σを求める演算手
段とを含むことを特徴とする溶接管の磁歪応力測定装置
である。
【0008】
【作用】本発明に従えば、磁歪センサを用いて、管に作
用している応力を、周方向にわたって測定し、この応力
測定値のうち、管の溶接部分の応力測定値を除去し、残
余の応力測定値を用いて、管軸まわりの角度に対応した
余弦波形で近似させて関数を作成し、その振幅Bに対応
する応力を求める。こうして溶接管の溶接部分の応力測
定値が除去されて、余弦波形が得られるので、応力を正
確に求めることが可能になる。
【0009】管の溶接部分の磁気異方性は、他の部分に
比べて特異な値を示し、したがって管軸方向に間隔をあ
けた相互に異なる各位置で、周方向にわたる応力を測定
することによって、その管の溶接部分の測定値を見つけ
ることが容易であり、これによって溶接部分の応力測定
値を除去することが容易に可能になる。
【0010】
【0011】また本発明に従う溶接管の磁歪応力測定装
置では、検出コイルから得られる出力は、磁歪応力に対
応しており、このような検出コイルからの出力を得るた
めに、管軸方向に90度以外の角度、たとえば45度で
交差する方向に間隔をあけて一対の磁極を有する第1コ
アが設けられ、この第1コアには、交流電力によって励
磁される励磁コイルが巻回され、この第1コアの一対の
磁極を結ぶ仮想直線に対して垂直な方向に間隔をあけて
一対の磁極を有する第2コアが設けられ、この第2コア
に前述の検出コイルが巻回されており、第2コア、した
がって検出コイルの一方の磁極には、励磁コイルによっ
て励磁されて発生される磁束が第1コアの一対の各磁極
から相互に逆極性で与えられ、そのため磁歪応力が零で
あるときには、検出コイルの出力は零またはごく小さい
値であり、磁歪応力が管軸方向に作用することによっ
て、第2コアの一方の磁極に与えられる第1コアの一対
の各磁極の各磁束は磁歪応力に対応して異なることにな
り、したがってその磁歪応力に対応した誘導起電力が検
出コイルから得られる。このような検出コイルの出力
を、磁歪センサが移動手段によって管の周方向に移動さ
れるときに、メモリにストアしておき、このメモリの内
容を読出して、管の溶接部分の応力測定値を除去した後
の残余の応力測定値を用いて、余弦の関数で近似させて
関数を作成し、その関数を振幅Bに対応する応力σを求
める。これによって応力σを正確に求めることが可能に
なる。本発明に従えば、管軸方向に間隔をあけた少なく
とも2つの位置で、磁歪センサを管の周方向に移動して
磁力を得、この少なくとも2つの周方向にわたる応力測
定値のうち、同一周方向位置の範囲Δθ1にわたって現
れる特異値を管の溶接部分の応力測定値と判定して除去
する。また小径の管が偏平に変形することなく撓んだと
き、管軸方向の応力σ1を演算して求めることができ、
このとき周方向の応力σ2はほぼ零である。大径の管が
偏平に変形して撓んだとき、管の周方向の応力σ2を演
算して求め、次に、磁歪センサの検出コイルからの出力
Vと、磁歪感度Mと、周方向の応力σ2とに基づいて管
軸方向の応力σ1を演算して求めることができる。
【0012】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の溶接管1が撓ん
だときの変形の状態を示す軸直角断面の簡略化した図で
ある。外力が作用しないとき、溶接管1の軸直角断面の
円環の中心線2は真円の状態であり、その管1が撓むこ
とによって、中心線2が参照符3で示す中心線に偏平に
変化したものと想定する。中心線3は、中心線2の管軸
4を通る鉛直線5から角度Cだけ周方向に偏位した対称
軸6を有するものとする。中心線3の対称軸6に垂直な
中心線は参照符7で示される。
【0013】図2は、溶接管1の磁歪センサ8によって
溶接管1の周方向にわたる応力を測定する状態を示す斜
視図である。溶接管1は、鋼板などの帯板を連続的に曲
げてその合わせ目を抵抗溶接した電縫管であり、その溶
接部分9は管軸4に平行に延びる。管1の外周には、環
状のレール10が装着される。モータを含む駆動手段1
1は、磁歪センサ8を、管1の周方向に沿って少なくと
も1回転以上、回転して移動することができる。このレ
ール10と駆動手段11とは、磁歪センサ8を管1の外
周面に沿って周方向に移動する移動手段12を構成す
る。
【0014】図3は磁歪センサ8の斜視図であり、図4
はその磁歪センサ8の簡略化した平面図である。磁歪セ
ンサ8は逆U字状の第1コア13を有し、このコア13
には、励磁コイル14が巻回される。第1コア13の一
対の磁極15,16は管軸4方向に90度以外の角度α
(この実施例ではα=45度)で交差する直線17の方
向に間隔をあけて設けられる。励磁コイル14には、た
とえば50Hzまたは60Hz、100Vの交流電源1
8が接続されて、励磁コイル14が励磁される。さらに
また第2コア19が設けられ、このコア19は、逆U字
状に形成される。この第2コア19には検出コイル20
が巻回される。第2コア19の一対の磁極21,22
は、第1コア13の一対の磁極15,16を結ぶ直線1
7に対して垂直な直線23上で間隔をあけて一対の磁極
21,22を有する。各磁極15,16;21,22の
各図心は、仮想上の正方形の各頂点位置にあり、直線1
7,23は、その仮想上の正方形の対角線に一致する。
励磁コイル14を交流電源18によって励磁し、検出コ
イル20の誘導起電力は電圧計などの電圧測定手段24
によって検出される。検出コイル20の誘導起電力V
は、管軸4方向の応力σ1と周方向の応力σ2とに依存
して、数1で示される表される。
【0015】
【数1】V = M (σ1 − σ2) ここでMは磁歪感度であり、溶接管1の材質などに依存
する定数である。溶接管1が小口径であるときには、σ
2=0である。コア13,19は一体的に相互に固定さ
れて構成される。
【0016】磁歪センサ8では、第1コア13の磁極1
5,16は、第2コア19の磁極21と等距離にあり、
したがって管1の管軸4方向に磁歪応力σ1が発生して
いない状態では、その管1の管軸方向および周方向の透
磁率μは等しく、したがって励磁コイル14が交流電源
18によって励磁されているとき、磁極15から磁極2
1に入る磁束と、この磁極21から磁極17に出ていく
磁束とは等しく、同様なことは磁極22に関しても成立
し、したがって検出コイル20に接続されている電圧測
定手段24によって検出される誘導起電力Vは零または
ごく小さい値である。管1に管軸方向の磁歪応力σ1お
よび/または周方向の磁歪応力σ2が作用すると、管1
の管軸方向と周方向との各透磁率は異なり、したがって
検出コイル20の誘導起電力Vは、磁歪感度Mと磁歪応
力σ1,σ2とに対応した値となる。ここで管軸方向の
応力σ1と周方向の応力σ2とを総括的に、応力σと言
うことがある。
【0017】図5は、図1〜図4に示される実施例の電
気的構成を示すブロック図である。電圧測定手段24の
出力は、マイクロコンピュータなどによって実現される
処理回路25に与えられる。処理回路25にはまた、キ
ーボードなどの入力手段26が接続される。処理回路2
5は駆動手段11を制御し、また電圧測定手段24の測
定結果を管軸4まわりに、鉛直線5からの角度θ毎にス
トアするメモリ27に接続される。メモリ27のストア
内容は陰極線管または液晶などの目視表示手段28によ
って表示することができる。
【0018】図6は、処理回路25の動作を説明するた
めのフローチャートである。また図7は、本件発明者の
実験結果を示すグラフである。管1が小口径であって偏
平になっておらず、真円に近い断面であるとき、前述の
ように周方向の応力σ2は無視することができる程度に
小さい値であり、ステップn1からn2に移り、移動手
段12の駆動手段11を駆動して、磁歪センサ8を用い
て、鉛直線5からの角度θに対応する検出コイル20の
誘導起電力V、したがってそれに対応する管軸方向の応
力σ1を測定する。この誘導起電力Vは、管1の周方向
の予め定める一定の角度毎に、サンプリングされてステ
ップn3でメモリ27にストアされる。このメモリ27
にストアされた誘導起電力Vは、ステップn4で表示手
段28によって表示される。操作者は、この表示手段2
8の画面を見て、管1の溶接部分9の磁気異方性が異な
ることによって得られた角度Δθ1の誘導起電力Vの測
定値、したがって応力測定値をステップn5で除去し
て、図7に示されるように、その角度Δθ1にわたるデ
ータが除去された残余の誘導起電力Vの測定値、したが
って応力測定値だけを得る。
【0019】次のステップn6では、図8に示される誘
導起電力の各測定値に基づいて、ステップn6で最小2
乗法によって、数2で示される余弦波形で近似する関数
を演算して求める。
【0020】
【数2】V = A + B cos(θ − C) この実施例ではA=−15.5、B=409.2、C=
0.57rad 、すなわち33度である。これで得られた
数2で示される関数は、図8の参照符L1で示される。
ステップn7において求められる振幅Bは、管軸方向の
応力σ1に対応した値である。こうして溶接部分9によ
って悪影響されることなく、管1が小口径であるときに
おける管軸方向の応力σ1を演算して求めることができ
る。
【0021】もしも仮に、図7に示される溶接部分9に
おける誘導起電力Vを含めた全ての誘導起電力Vの測定
値に基づいて、最小2乗法によって、数2に基づいて関
数を作成すると、A=96.2、B=211.4、C=
0.3rad、すなわち19度となり、その関数は図7に
おいて参照符L2で示される。このような溶接部分9の
測定値を含めた関数は、図8から得られる関数とは大き
く異なり、正確な管軸方向の応力σ1を求めることがで
きないことが理解される。本発明では、前述のように溶
接部分9の特異な磁気異方性に起因した誘導起電力Vの
測定値を除去することによって、管軸方向の応力σ1を
高精度で求めることが可能になる。
【0022】溶接部分9が管1の管軸4に平行に形成さ
れている場合、この溶接部分9を検出するためには、図
9(1)に示されるように、図2に示される管1の管軸
方向の位置29で磁歪センサ8によって誘導起電力Vを
周方向に測定して図9(1)の測定結果を得、次に管軸
4の方向に間隔をあけた位置30に、レール10を移動
し、駆動手段11によって磁歪センサ8を周方向に移動
して図9(2)に示される誘導起電力Vの測定結果を得
る。このように、管軸方向に間隔をあけた各位置29,
30で、周方向にわたる誘導起電力V、したがって応力
を測定することによって、その溶接部分9の磁化特性の
特異性に起因した測定値31,32が得られ、その周方
向の角度位置θ1は、図9(1)および図9(2)の各
測定結果毎に、一致している。したがって、この周方向
の角度位置θ1の測定値31,32は、溶接部分9の磁
化特性の特異性に起因したものであると判断することが
でき、したがって予め定める角度の範囲Δθ1にわたっ
て、前述の図6のステップn5において、除去すること
ができる。
【0023】
【0024】上述の実施例では、管1は小口径であり、
したがって数1における周方向の応力σ2は無視するこ
とができる程度に小さい場合であったけれども、本発明
の他の実施例として、管1が大口径であるときには、図
10に示されるように、対称軸6に関して対称な2つの
直線11,32上で、応力が零である位置33〜36が
存在し、したがって鉛直線5に関して周方向に角度θの
各位置における磁歪センサ8の検出コイル20から得ら
れる誘導起電力Vは、cos2θの周期で変化し、図11
に示される関数を、前述の図6のステップn6において
得ることができる。このとき溶接部分9の範囲Δθ1に
おける測定値は、前述の実施例と同様に除去して、関数
を得る。
【0025】
【数3】V = A + B cos(2θ − C) 管1が大口径であるとき、数3の係数Bは、管1の周方
向の応力σ2に対応した値である。こうして周方向の応
力σ2を求めた後、前述の数1に基づき、管軸方向の応
力σ1を演算して求めることができる。
【0026】磁歪センサ8は、上述の実施例において述
べた構成以外の構成によって、実現されてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、磁歪セン
サを管の周方向に移動しつつ、その周方向にわたる応力
を測定し、この応力測定値のうち、管の溶接部分の応力
測定値を除去した後、余弦波形で近似させ、その関数の
振幅Bに対応する応力を求めることによって、正確な応
力を得ることができる。
【0028】管の溶接部分を見つけるには、管軸方向に
間隔をあけた少なくとも2つの各位置で周方向にわたる
応力を測定することによって、その溶接部分の特異な磁
気異方性に依存する応力測定値を見つけることが容易で
あり、これによって管の溶接部分を確実に見つけて、そ
の管の溶接部分の応力測定値を除去することが確実にな
る。
【0029】また本発明によれば、鋼管などの管の周方
向に移動手段によって移動される磁歪センサは、交流電
力によって励磁される第1励磁コイルが第1コアに巻回
されており、この第1コアは、管軸方向に90度以外の
角度で交差する方向に間隔をあけて一対の磁極を有して
おり、第2コアは、第1コアの一対の磁極を結ぶ直線に
対して垂直な方向に間隔をあけて一対の磁極を有し、こ
の第2コアに検出コイルが巻回されており、こうして検
出コイルの出力を、移動手段による管の周方向の移動に
伴ってメモリにストアしておき、このメモリの内容を読
出して、管の溶接部分の応力測定値を除去した後、周方
向の角度θとするとき、cosθまたはcos2θで近似した
関数を作成し、その関数の振幅Bに対応する応力σを演
算して求め、こうして高精度で応力を測定することが可
能になる。特に本発明によれば、小径の管が偏平に変形
することなく撓んだとき、管軸方向の応力σ1を演算し
て求めることができ、このとき周方向の応力σ2はほぼ
零である。また大径の管が偏平に変形して撓んだとき、
管の周方向の応力σ2を演算して求め、次に、検出コイ
ルからの出力Vと、磁歪感度Mと、前述の演算して求め
た周方向の応力σ2とに基づいて、管軸方向の応力σ1
を演算して求めることができる。これらの応力σ1,σ
2を求めるにあたり、管軸方向の少なくとも2つの各位
置で、同一周方向位置の範囲Δθ1にわたって現れる特
異値を除去して、残余の応力測定値に基づいて演算を行
い、これによって正確な値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接管1の軸直角断面の撓んだときの状態を簡
略化して示す図である。
【図2】溶接管1の応力σを磁歪センサ8によって周方
向に移動するときの状態を示す斜視図である。
【図3】磁歪センサ8の斜視図である。
【図4】磁歪センサ8の簡略化した平面図である。
【図5】図1〜図4に示される実施例の電気的構成を示
すブロック図である。
【図6】処理回路25の動作を説明するたのフローチャ
ートである。
【図7】本件発明者の実験結果を示す図であり、管1の
溶接部分9の磁気異方性分布の乱れが存在する状況を示
す図である。
【図8】図7に示される本件発明者の実験結果から、溶
接部分9の測定値を除去した状態を示す図である。
【図9】本発明の他の実施例において、溶接管1の管軸
方向に異なる位置29,30で磁歪センサ8によって測
定した誘導起電力Vを示す図である。
【図10】溶接管1が大口径であるときにおける撓み時
の状態を説明するための図である。
【図11】図9に示されるように溶接管1が大口径であ
るときにおける周方向の誘導起電力Vの測定結果を示す
図である。
【符号の説明】
1 溶接管 8 磁歪センサ 9 溶接部分 10 レール 11 駆動手段 12 移動手段 13 第1コア 14 励磁コイル 18 交流電源 19 第2コア 20 検出コイル 24 電圧測定手段 25 処理回路 26 入力手段 27 メモリ 28 表示手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 境 禎明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 塩川 征夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−122953(JP,A) 特開 平2−309208(JP,A) 特開 昭58−33140(JP,A) 特開 昭60−3995(JP,A) 実開 平3−109140(JP,U) 実開 平2−60861(JP,U) 実開 平3−91942(JP,U) 実開 平4−29848(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 1/00 G01L 1/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管軸方向に間隔をあけた少なくとも2つ
    の位置で、管軸方向と周方向との各透磁率が異なること
    に起因した出力Vを導出する磁歪センサを、管の周方向
    に移動して周方向にわたる応力を測定し、この少なくと
    も2つの周方向にわたる応力測定値のうち、同一周方向
    位置の範囲Δθ1にわたって現れる特異値を管の溶接部
    分の応力測定値と判定し、周方向にわたる応力測定値か
    ら管の溶接部分の応力測定値を除去し、残余の応力測定
    値を、管軸まわりの角度に対応した余弦波形で近似させ
    て、その振幅Bに対応する応力を求めることを特徴とす
    る溶接管の磁歪応力測定方法。
  2. 【請求項2】 (a)磁歪センサであって、 (a1)管の管軸方向に90度以外の角度で交差する方
    向に間隔をあけて一対の磁極を有する第1コアと、 (a2)第1コアに巻回され、交流電力によって励磁さ
    れる第1励磁コイルと、 (a3)第1コアの一対の磁極を結ぶ直線に対して垂直
    な方向に間隔をあけて一対の磁極を有する第2コアと、 (a4)第2コアに巻回される検出コイルとを有する磁
    歪センサと、 (b)磁歪センサを管軸方向に間隔をあけた少なくとも
    2つの位置で、管の外周面に沿って周方向に移動する移
    動手段と、 (c)管軸まわりの角度θの位置の検出コイルからの出
    力をストアするメモリと、 (d)メモリの内容を読出して、少なくとも2つの周方
    向にわたる応力測定値のうち、同一周方向位置の範囲Δ
    θ1にわたって現れる特異値を管の溶接部分の応力測定
    値と判定し、周方向にわたる応力測定値から管の溶接部
    分の応力測定値を除去した残余の応力測定値を用いて、
    管が偏平に変形することなく撓んだとき、cosθで近似
    させる関数作成手段と、 (e)関数作成手段の出力に応答し、前記cosθの関数
    の振幅Bに対応する管軸方向の応力σ1を求める演算手
    段とを含むことを特徴とする溶接管の磁歪応力測定装
    置。
  3. 【請求項3】 (a)磁歪センサであって、 (a1)管の管軸方向に90度以外の角度で交差する方
    向に間隔をあけて一対の磁極を有する第1コアと、 (a2)第1コアに巻回され、交流電力によって励磁さ
    れる第1励磁コイルと、 (a3)第1コアの一対の磁極を結ぶ直線に対して垂直
    な方向に間隔をあけて一対の磁極を有する第2コアと、 (a4)第2コアに巻回される検出コイルとを有する磁
    歪センサと、 (b)磁歪センサを管軸方向に間隔をあけた少なくとも
    2つの位置で、管の外周面に沿って周方向に移動する移
    動手段と、 (c)管軸まわりの角度θの位置の検出コイルからの出
    力をストアするメモリと、 (d)メモリの内容を読出して、少なくとも2つの周方
    向にわたる応力測定値のうち、同一周方向位置の範囲Δ
    θ1にわたって現れる特異値を管の溶接部分の応力測定
    値と判定し、周方向にわたる応力測定値から管の溶接部
    分の応力測定値を除去した残余の応力測定値を用いて、
    管が偏平に変形して撓んだとき、cos2θで近似させる
    関数作成手段と、 (e)関数作成手段の出力に応答し、前記cos2θの関
    数の振幅Bに対応する管の周方向の応力σ2を求める第
    1演算手段と、 (f)検出コイルからの出力Vと、磁歪感度Mと、第1
    演算手段によって演算して求めた周方向の応力σ2とに
    基づいて、管軸方向の応力σ1を求める第2演算手段と
    を含むことを特徴とする溶接管の磁歪応力測定装置。
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