JPH07252502A - 軟磁性合金粉末、その製造方法および軟磁性合金圧密体 - Google Patents

軟磁性合金粉末、その製造方法および軟磁性合金圧密体

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JPH07252502A
JPH07252502A JP6047505A JP4750594A JPH07252502A JP H07252502 A JPH07252502 A JP H07252502A JP 6047505 A JP6047505 A JP 6047505A JP 4750594 A JP4750594 A JP 4750594A JP H07252502 A JPH07252502 A JP H07252502A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた軟磁気特性と、高い飽和磁束密度を兼
ね備えた軟磁性合金粉末。 【構成】 Feと、周期表の3A族、4A族、5A族、
6A族の元素から選ばれる少なくとも一種の元素の金属
またはその混合物と、Oとからなり、前記選択された金
属の酸化物を主体とした非晶質相と、bccFeの結晶
相との混相からなる。 【効果】 本発明の粉末からなる圧密体で構成される各
種の磁性部品もその磁気特性が向上されたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドのコアやパ
ルスモータの磁心、チョークコイルの磁性コアなどに使
用される軟磁性合金圧密体およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器に対する小型軽量化なら
びに高性能化の要求はさらに高まっており、このような
要求を満足するために、電源トランス等のインダクター
の駆動周波数はさらに高周波化されつつある。これらの
対応として、従来の軟磁気特性に加えて、より高い固有
抵抗を有する磁性材料が必要とされている。特に、パル
スモータ、トランスやチョークコイルなどの場合、フェ
ライトなどが多用されているが、これは磁化が小さく、
小型化、高周波数化に対応するために、より磁気特性の
優れた材料が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、Fe基結晶と、Hf若しくはTaの非晶質が混在す
るFe−Hf−O系合金もしくはFe−Ta−O系合金
が高い固有抵抗を有し、優れた磁気特性を有するもので
あることを見い出した。ところが、これらの軟磁性合金
はスパッタリング法により得られるもので、製造した時
は薄膜状のものであるがために、それを磁気ヘッドのコ
アやパルスモータの磁心として利用するためには、加工
が難しい問題がある。
【0004】そこで本発明者らは、これら磁気特性に優
れた軟磁性合金について、磁気ヘッドのコアやパルスモ
ータの磁心あるいはトランスのコアなどへの適用を考慮
し、これらの軟磁気特性に優れた合金粉末を製造してか
ら加圧成形することによって所望の形状に成形する試み
を行い、本発明に到達した。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、優れた軟磁気特性と高い飽和磁束密度を兼ね備え
た軟磁性合金粉末、その製造方法、およびその軟磁性合
金粉末からなるバルク状の軟磁性合金圧密体を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の軟磁性合金粉末
は、Feと、周期表の3A族、4A族、5A族、6A族
の元素から選ばれる少なくとも一種の元素の金属または
その混合物と、Oとからなり、前記選択された金属の酸
化物を主体とした非晶質相と、bccFeの結晶相との
混相からなることを特徴とするものである。
【0007】さらには、組成式が、Feabcで表わ
され、ここでMが周期表の3A族、4A族、5A族、6
A族の元素から選ばれる少なくとも一種の元素またはそ
の混合物を示し、aは20以上かつ85以下、bは5以
上かつ30以下、cは15以上かつ55以下であること
を特徴とするものである。
【0008】中でも、MがHfであって、aは50以上
かつ75以下、bは8以上かつ16以下、cは16以上
かつ34以下であるものが好ましい。
【0009】または、MがTaであって、aは35以上
かつ80以下、bは5以上かつ20以下、cは15以上
かつ46以下であるものが好ましい。
【0010】本発明の軟磁性合金粉末の製造方法は、F
eの粉末と、周期表の3A族、4A族、5A族、6A族
の元素から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物の粉
末を混合し、粉砕、攪拌し、組成式が次式で示される粉
末を製造することを特徴とするものである。 Feabc 但し、Mは周期表の3A族、4A族、5A族、6A族の
元素から選ばれる少なくとも一種の元素であり、aは2
0以上かつ85以下、bは5以上かつ30以下、cは1
5以上かつ55以下である。
【0011】または、Feの粉末と、周期表の3A族、
4A族、5A族、6A族の元素から選ばれる少なくとも
一種の元素の粉末を酸素ガス雰囲気中で混合し、粉砕、
攪拌し、組成式が次式で示される粉末を製造することを
特徴とする軟磁性合金粉末の製造方法。 Feab 但し、Mは周期表の3A族、4A族、5A族、6A族の
元素から選ばれる少なくとも一種の元素であり、aは2
0以上かつ85以下、bは5以上かつ30以下、cは1
5以上かつ55以下である。
【0012】この際には、攪拌に、遊星式ボールミルを
用いることが好ましい。
【0013】また、Feの粉末が70〜95%、周期表
の3A族、4A族、5A族、6A族の元素から選ばれる
少なくとも一種の元素の酸化物の粉末が5〜30%とな
るように混合することが好ましい。
【0014】または、Feの粉末が70〜95%、周期
表の3A族、4A族、5A族、6A族の元素から選ばれ
る少なくとも一種の元素の粉末が5〜30%となるよう
に混合することが好ましい。
【0015】この際には、MがHf又はTaであるこが
より好ましい。
【0016】本発明の軟磁性合金圧密体は、組成式が、
Febcで表わされ、ここでMが周期表の3A族、
4A族、5A族、6A族の元素から選ばれる少なくとも
一種の元素であり、aは20以上かつ85以下、bは5
以上かつ30以下、cは15以上かつ55以下の粉末が
加圧成形されてなるものであることを特徴とする。
【0017】この際、MがHf若しくはTaであり、a
は35以上かつ80以下、bは5以上かつ20以下、c
は15以上かつ46以下の粉末が加圧成形されてなるも
のであることが好ましい。
【0018】
【作用】本発明での軟磁性合金粉末の組成は、Feab
c で表わされるものである。 本発明の軟磁性合金
において、Feは主成分であり、磁性を担う元素であ
る。高飽和磁束密度を得るためにFeは多いほど好まし
いが、85原子%以上あると比抵抗が小さくなってしま
う。一方、Feが本発明の範囲未満であると比抵抗を大
きくすることはできるものの、飽和磁束密度が小さくな
ってしまう。
【0019】Mで表わされる元素は、希土類元素(すな
わち、周期表の3A族に属するSc,Y,あるいは、L
a,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,T
d,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luなどのランタ
ノイド)、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Wをは
じめとする周期表の4A族,5A族,6A族の元素から
選ばれる少なくとも一種の元素またはその混合物であ
る。このMで表わされる元素は、軟磁気特性を得るため
に必要なものである。これらは酸素と結合し易く、結合
することで酸化物を形成する。この酸化物の含有量を調
整することによって比抵抗を高めることができる。中で
も、Hf若しくはTaが軟磁性合金粉末として好適であ
る。また、MがHfの場合は、組成式 FeaHfbc
において、50≦a≦75、8≦b≦16、16≦c
≦34 とすることがより好ましい。また、MがTaの
場合は、組成式 FeaTabc において、35≦a
≦80、5≦b≦20、15≦c≦46 とすることが
より好ましい。
【0020】本発明の軟磁性合金粉末は、Feの粉末
と、上記Mで示される金属もしくは金属酸化物の粉末を
混合し、粉砕、攪拌するメカニカルアロイング法を用い
ることで製造される。この方法によれば、極めて簡便
に、しかも一度に多量の合金粉末を製造することができ
る。本発明の軟磁性合金粉末は、プラズマ焼結、押出成
型、ホットプレス等の加工を経て、各用途に適した形状
の圧密体として使用される。
【0021】
【実施例】本発明の軟磁性合金粉末の製造方法の一例を
以下に示す。まず、本発明での軟磁性合金粉末の組成に
なるように各原料を秤量する。この際、鉄粉は粒径が1
00μm以下、HfO2粉末もしくはTa23粉末は粒径
が2μm以下のものが望ましい。次に、これらをステン
レス鋼(SUS304)製ポット(内容量170ml)中に、ポ
ットと同材質のステンレス球(直径4mm)と共に封入す
る。尚、ステンレス球は、その総体積がポットの内容積
の30%(体積比)とした。
【0022】そして、高エネルギ型遊星式ボールミルを
用いて約100Gの遠心加速度で、所定時間、粉砕、混
合する。こうして、Fe−Hf−O系合金もしくはFe
−Ta−O系合金を得た。尚、粉砕には遊星型ボールミ
ルの他、ロータースピードミルなどの粉砕機械を用いて
も良い。また、上記方法においては、鉄粉と、HfO2
粉末もしくはTa23粉末の混合、粉砕をO2雰囲気下
で行なっているが、Arガス等の不活性ガス中で行なう
ことにより、材料中の酸素量を調整することができる。
また、所定量の鉄粉と、Hf粉末もしくはTa粉末を混
合、粉砕することで本発明の軟磁性合金粉末を製造する
こともできる。この際には、混合、粉砕を酸素ガス雰囲
気中で行なう必要がある。酸素ガス雰囲気中で行なうこ
とにより、Fe−Hf−OもしくはFe−Ta−Oは酸
化物となって軟磁性合金粉末が生成される。この場合、
酸素ガスはその雰囲気中において、20%以上あること
が必要とされる。
【0023】FeとHfO2を78:22の配合比で混
合し、上記のようにして製造した合金粉末において、製
造した際の粉砕時間をそれぞれ、0(g)、1800
(f)、3600(e)、9000(d)、18000
(c)、28800(b)、36000(a)秒とした
7種の合金粉末のX線回折試験を行なった。試験結果を
図1に示す。またFe54.9Hf1134.1の合金膜のX線
回折試験結果(h)も同図に示した。このFe54.9Hf
1134.1の合金膜は、Fe基結晶と非晶質とが混在し、
高い飽和磁束密度Bs(1.26(T))、低い保磁力
Hc(0.78(Oe))、高い透磁率μ(2199
(10MHz))を有するもので、優れた軟磁気特性を
有する合金膜である。したがって、このFe54.9Hf11
34.1合金膜のX線回折パターンと類似したX線回折パ
ターンを示す合金粉末が、bccFeの結晶相と、Hf
Oの非晶質相が生成されおり、優れた軟磁気特性を有し
た軟磁性合金粉末であるものと解される。
【0024】図1から、粉砕時間が18000秒よりも
長くなる((c),(b),(a))と、回折線の強度
は低下するものの、HfO2の(111),(200)
面の回折線やbccFeに帰属する回折線が現れてい
る。さらに粉砕を行なうと、これらの回折線強度は徐々
に低下し、28800秒の粉砕では2θ=40゜付近に
非晶質状態を示すハローなピークと、Feの(110)
に帰属すると考えられるブロードなピークのみが観測さ
れる。このような回折パターンは、高抵抗で優れた軟磁
気特性を示すFe−Hf−O膜の回折パターン(h)と
同様であり、したがって、粉砕によりFe−Hf−O膜
と同様な構造を有する粉末が得られたものと考えられ
る。
【0025】また、同様に、Fe90(Ta2510粉末
を粉砕した場合にも、粉砕時間の経過と共にFe−Hf
−O膜と類似したX線回折パターンを示した。従って、
Fe90(Ta2510も粉砕によってFe−Hf−O膜
と同様な非晶質相とbcc相との混相状態に移行するも
のと考えられる。しかしながら、粉砕時間は、7200
0秒以下とすることが望まれる。あまり長いと、ボール
ミル等の材料が混入(例えば、Cr、Niなど)するお
それがあるからである。
【0026】Fe−Hf−O系合金粉末を製造するにお
いて、Fe粉末とHfO2粉末の配合比を変えて混合、
粉砕(粉砕時間は18000秒)し、得られた各合金粉
末のX線回折試験を上記同様に測定した。測定結果を図
2に示す。尚、添加したFe粉末とHfO2粉末の配合
比は、表1に示す7種類とした。
【0027】
【表1】
【0028】図2から、Fe粉末とHfO2粉末の配合
比が、90:10(k)又は78:22(l)のものだ
けが、bccFeの結晶と、A部にHfOの非晶質相を
示すX線回折パターンが示されている。
【0029】同様の測定をFe−Ta−O系合金粉末に
ついて行なった。尚、添加したFe粉末とTa25粉末
の配合比を表2に示す。測定結果は図3に示す。
【0030】
【表2】
【0031】図3から、Fe粉末とTa25粉末の配合
比が、90:10(q)又は80:20(r)のものだ
けが、bccFeの結晶と、B部にTa25の非晶質相
を示すX線回折パターンが示されている。
【0032】また、本実施例の合金粉末は、たとえば図
4に示すような押出装置1により押し出されて圧密体と
される。この例の押出装置1は、筒状のコンテナ2と、
コンテナ2の出口部に装着されるダイス3と、このダイ
ス3を押さえるダイス押さえ4とを備え、コンテナ2の
内部に押し棒5によりビレット6を押し込むことができ
るようになっており、これによりダイス3を介してビレ
ット6を押し出して、押出ビレット6’とすることがで
き、ビレット6に収容した粉末を押出成形できるように
なっている。前記ビレット6は、例えば図5に示すよう
に、先端を閉じた筒状のケース10の内部にコア11が
設けられ、ケース10の内部に圧密しようとする粉末1
2を充填できるように構成されたもので、ケース10の
後端部は内部キャップ13と外部キャップ14とにより
閉じられている。なおここで、コア11を特に用いなく
とも成形はできるが、良好な押出成形材を得るためには
コア11を用いた方が望ましい。
【0033】図4に示す押出装置1を用いて押し出しを
行う場合は、コンテナ2の温度を調節して押出温度が前
記各組成の合金の結晶化温度よりも若干低い温度になる
ように設定することが好ましい。具体的には、300〜
600℃の範囲が好ましい。この軟化点近傍の温度で押
し出すことにより、合金粉末の押し出しを円滑に行うこ
とができる。また、押出圧力は500〜1300MPa
とすることが好ましい。495MPa未満の圧力である
と成形困難であり、また、1300MPaを超える圧力
を付加すると成型機に負担がかかりすぎるからである。
【0034】合金粉末を圧密する手段として、他に、H
IP(熱間静水圧プレス)法も考えられるが、この方法
では通常、800℃以上の高温で処理する必要があるの
で、このような高温で前記組成の粉粒体を処理すると、
非晶質相の内部に微細結晶相が析出する場合に結晶粒径
の粗大化が生じ、磁気特性が劣化する可能性がある。従
って圧密の手段としては、押出成形の方が好ましい。
【0035】押出加工が終了したならば、前記ビレット
6から圧密体を取り出し、圧密体に対して熱処理を施
す。押出加工直後の圧密体は、非晶質相を主体とし、そ
の内部にbcc構造の微細な結晶相が一部析出した混相
状態になっている。
【0036】また、本実施例の合金粉末は、例えば図9
に示すような放電プラズマ焼結装置44により焼結さ
れ、圧密体となる。この例の放電プラズマ装置は、焼結
ダイ46、上パンチ48、下パンチ50で構成される金
型が、水冷真空チャンバー52内の上部パンチ電極54
と下部パンチ電極56との間に配置されており、上部パ
ンチ電極54と下部パンチ電極56には通電させるため
に直流パルス電源装置58及び加圧機構装置60が付随
している。図9に示す放電プラズマ焼結装置44を用い
て焼結体を作製する場合には、焼結ダイ46、上パンチ
48、下パンチ50で構成される金型に、本発明の粉体
材料62を充填し、直流パルス電源装置58により上部
パンチ電極54と下部パンチ電極56を通じて粉体材料
62に直流パルス電流を通電する。これにより、粉体表
面に放電が起こる。同時に、加圧機構装置60により上
部パンチ電極54と下部パンチ電極56を通じて粉体材
料62を加圧する。通電により発生するジュール熱と加
圧による材料の塑性流動を利用して焼結を行なう。具体
的には通電電流は、粉体材料62が300〜650℃と
なる温度範囲を保てる通電量が好ましい。また加圧力
は、350MPa〜1000MPaとすることが好まし
い。300MPa未満の圧力であると、成形困難であ
り、また1000MPaを超える圧力を付加すると、成
形機に負担がかかり過ぎるからである。
【0037】以上説明したように製造した圧密体にあっ
ては、優れた飽和磁束密度と高い透磁率を有し、保磁力
が低いものである。よってこの圧密体を磁気ヘッドのコ
アとして、あるいは、トランスのコアとして、更には、
パルスモータの磁針等のような磁気部品として広く適用
することができ、従来材に比べて優れた特性の磁気部品
を得ることができる。
【0038】本発明の軟磁性合金粉末を用いてチョーク
コイルを製造した一実施例を示す。チョークコイルは図
6に示されるようなもので、略コ字状の2つの軟磁性体
16,16を組み合わせてなる磁性コア18と、巻線2
0が巻回されると共に、磁性コア18に装着されたボビ
ン22とからなる。このような磁性コア18は、軟磁性
合金粉末に、上記したような加圧成形を行なうことで製
造され得る。この本発明の軟磁性合金粉末からなる磁性
コア18を有するチョークコイルであれば、小型化ない
し高周波数化を図ることができる。
【0039】本発明の軟磁性合金粉末を用いて可飽和リ
アクトルを製造した一実施例を示す。可飽和リアクトル
は、電子銃やクライストロンなどに高電圧矩形波パルス
を供給するパルス発生装置用の磁気スイッチを構成する
もので、概略は図7に示されるようなものである。図7
に示す可飽和リアクトル24は、軟磁性材料からなる磁
気コア26に主巻線28が巻回され、主巻線28の端部
が接続端子30,32に接続され、さらに磁気コア26
にはリセット巻線34が巻回されて概略構成されるもの
である。この可飽和リアクトル24においても、磁性コ
ア26を本発明の軟磁性合金粉末を圧密して成形したも
のであれば、小型化ないし高周波数化を図ることができ
る。
【0040】次に、本発明の軟磁性合金粉末を車載用ア
ンテナに適用する一例を示す。近年の列車や自動車等の
車両においては、車外から様々な情報を送受信してい
る。例えば、列車であれば、速度制御や停止制御など、
自動車であれば、ラジオの他に現在地把握データや目的
地誘導システム等を走行中に送受信することが行なわれ
ている。これらの情報の送受信には車両にアンテナを設
けることが必要であるが、従来の車載用アンテナであっ
ては、送受信レベルが低く、その為、車載アンテナを大
型化することが行なわれていたが、これでは特に車載用
として不適当で小型化が切望されていた。本発明は、磁
気特性に優れた軟磁性合金粉末を用いて車載用アンテナ
の磁心に用いることで、送受信レベルを向上し、もって
車載用アンテナの小型化を図ることができた。即ち、図
8に示す車載用アンテナの一例においては、車載用アン
テナ36は、本発明の軟磁性合金粉末を加圧成形してな
るバルク状のアンテナ用磁心38に、発信器(受信器)
40に接続されたコイル42を巻回することで概略構成
される。
【0041】
【発明の効果】本発明の軟磁性合金粉末は、Feと、周
期表の3A族、4A族、5A族、6A族の元素から選ば
れる少なくとも一種の元素の金属またはその混合物と、
Oとからなり、前記選択された金属の酸化物を主体とし
た非晶質相と、bccFeの結晶相との混相からなるこ
とを特徴とするものである。
【0042】さらには、組成式が、Feabcで表わ
され、ここでMが周期表の3A族、4A族、5A族、6
A族の元素から選ばれる少なくとも一種の元素またはそ
の混合物を示し、aは20以上かつ85以下、bは5以
上かつ30以下、cは15以上かつ55以下のものであ
る。
【0043】この軟磁性合金粉末は、Feの粉末と、周
期表の3A族、4A族、5A族、6A族の元素から選ば
れる少なくとも一種の元素の酸化物の粉末、または、こ
れらの元素を酸素ガス雰囲気中で混合し、所定時間、粉
砕、攪拌することにより製造される。
【0044】この本発明の方法により製造された軟磁性
合金粉末は、さらに加圧成形されることにより、各種の
用途に応じた形状の圧密体となる。
【0045】本発明の軟磁性合金粉末は、優れた軟磁気
特性を発現するもので、この粉末からなる圧密体で構成
される各種の磁性部品もその磁気特性が向上されたもの
となる。したがって、薄膜状以外の磁性部品であっても
従来にない磁気特性を発現し得るものとなる。本発明に
おいては、上記組成式において、MがHf若しくはTa
であることが好ましく、このときに適用される磁性部品
の性能をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各粉砕時間の合金粉末のX線回折試験の結果を
示す図である。
【図2】FeとHfO2の配合比別の合金粉末のX線回
折試験結果を示す図である。
【図3】FeとTa25の配合比別の合金粉末のX線回
折試験結果を示す図である。
【図4】本実施例に使用する押出装置の一例を示す断面
図である。
【図5】図4に示す押出装置に使用されるビレットの断
面図である。
【図6】本実施例のチョークコイルの斜視図である。
【図7】本実施例の可飽和リアクトルの斜視図である。
【図8】本実施例の車載用アンテナの概略構成図であ
る。
【図9】放電プラズマ焼結装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 押出装置 18 磁性コア 24 可飽和リアクトル 26 磁気コア 36 車載用アンテナ 38 アンテナ用磁心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 45/02 A H01F 1/20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feと、周期表の3A族、4A族、5A
    族、6A族の元素から選ばれる少なくとも一種の元素の
    金属またはその混合物と、Oとからなり、前記選択され
    た金属の酸化物を主体とした非晶質相と、bccFeの
    結晶相との混相からなることを特徴とする軟磁性合金粉
    末。
  2. 【請求項2】 組成式が、Feabcで表わされ、こ
    こでMが周期表の3A族、4A族、5A族、6A族の元
    素から選ばれる少なくとも一種の元素またはその混合物
    を示し、aは20以上かつ85以下、bは5以上かつ3
    0以下、cは15以上かつ55以下であることを特徴と
    する軟磁性合金粉末。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の軟磁性合金粉末におい
    て、前記MがHf、aは50以上かつ75以下、bは8
    以上かつ16以下、cは16以上かつ34以下であるこ
    とを特徴とする軟磁性合金粉末。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の軟磁性合金粉末におい
    て、前記MがTa、aは35以上かつ80以下、bは5
    以上かつ20以下、cは15以上かつ46以下であるこ
    とを特徴とする軟磁性合金粉末。
  5. 【請求項5】 Feの粉末と、周期表の3A族、4A
    族、5A族、6A族の元素から選ばれる少なくとも一種
    の元素の酸化物の粉末を混合し、粉砕、攪拌し、組成式
    が次式で示される粉末を製造することを特徴とする軟磁
    性合金粉末の製造方法。 Feabc 但し、Mは周期表の3A族、4A族、5A族、6A族の
    元素から選ばれる少なくとも一種の元素であり、aは2
    0以上かつ85以下、bは5以上かつ30以下、cは1
    5以上かつ55以下である。
  6. 【請求項6】 Feの粉末と、周期表の3A族、4A
    族、5A族、6A族の元素から選ばれる少なくとも一種
    の元素の粉末を酸素ガス雰囲気中で混合し、粉砕、攪拌
    し、組成式が次式で示される粉末を製造することを特徴
    とする軟磁性合金粉末の製造方法。 Feabc 但し、Mは周期表の3A族、4A族、5A族、6A族の
    元素から選ばれる少なくとも一種の元素であり、aは2
    0以上かつ85以下、bは5以上かつ30以下、cは1
    5以上かつ55以下である。
  7. 【請求項7】 攪拌に遊星式ボールミルを用いることを
    特徴とする請求項5または6記載の軟磁性合金粉末の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 Feの粉末が70〜95%、周期表の3
    A族、4A族、5A族、6A族の元素から選ばれる少な
    くとも一種の元素の酸化物の粉末が5〜30%となるよ
    うに混合することを特徴とする請求項5記載の軟磁性合
    金粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】 Feの粉末が70〜95%、周期表の3
    A族、4A族、5A族、6A族の元素から選ばれる少な
    くとも一種の元素の粉末が5〜30%となるように混合
    することを特徴とする請求項6記載の軟磁性合金粉末の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記MがHf又はTaであることを特
    徴とする請求項5または6記載の軟磁性合金粉末の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 組成式が、Feabcで表わされ、
    ここでMが周期表の3A族、4A族、5A族、6A族の
    元素から選ばれる少なくとも一種の元素であり、aは2
    0以上かつ85以下、bは5以上かつ30以下、cは1
    5以上かつ55以下の粉末が加圧成形されてなるもので
    あることを特徴とする軟磁性合金圧密体。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の軟磁性合金圧密体に
    おいて、MがHf若しくはTaであり、aは35以上か
    つ80以下、bは5以上かつ20以下、cは15以上か
    つ46以下の粉末が加圧成形されてなるものであること
    を特徴とする軟磁性合金圧密体。
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