JPH0725142Y2 - 電気貯湯容器の加熱回路 - Google Patents

電気貯湯容器の加熱回路

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JPH0725142Y2
JPH0725142Y2 JP1989114499U JP11449989U JPH0725142Y2 JP H0725142 Y2 JPH0725142 Y2 JP H0725142Y2 JP 1989114499 U JP1989114499 U JP 1989114499U JP 11449989 U JP11449989 U JP 11449989U JP H0725142 Y2 JPH0725142 Y2 JP H0725142Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は電気ポット等各種の電気貯湯容器の加熱回路に
関し、詳しくは複数のヒータの通電数を切り換えて幾通
りかのヒータ容量での加熱を可能とした電気貯湯容器の
加熱回路に関するものである。
従来特開昭62-238942号公報等で、保温用の低容量のヒ
ータと、湯沸し用の高容量ヒータとを適宜通電して、内
容液の沸騰と保温とを行う電気貯湯容器の加熱回路が知
られている。
これに記載のものは、内容液を沸騰させるのに、内容液
が過剰に入れられた場合等に、内容液が沸騰すると自然
吐出するような不都合を防止したもので、内容液が沸騰
に近い所定の温度に達したとき、湯沸し用の高容量のヒ
ータへの供給電力を低減させることによって、沸騰時の
内容液の液面の踊り、つまり突沸や圧力上昇を抑えるよ
うにしている。
(考案が解決しようとする課題) しかし、上記従来のような加熱回路では、湯沸かしヒー
タへの供給電力を途中から低減するために、信号処理と
これに対応する給電動作処理とが絡んだ複雑な制御が必
要である。
また、上記従来のような加熱回路では、沸騰を所定時間
継続するカルキ除去のための構成および動作を有してい
ない。
本考案は、上記のような問題を解消することを課題と
し、高速での沸騰および沸騰の継続によるカルキ除去を
満足しながら、前記突沸や過剰加熱によるまわりへの熱
の影響を抑えることが、簡単な制御で達成することがで
きる電気貯湯容器の電気回路、また、これに加え内容液
を沸騰後またはカルキ除去後に所定の温度に保温するに
も簡単な回路構成および制御で的確に対応できる電気貯
湯容器の電気回路を提供することを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本考案は上記のような目的を達成するため、低容量のヒ
ータと、高容量のヒータとを設けたヒータ回路を有し、
低容量のヒータと高容量のヒータとにそれぞれ通電する
大容量通電状態にて湯沸しを開始し、内容液が沸騰に近
い所定の温度に達したとき、低容量ヒータへの通電を遮
断し、高容量ヒータに通電する通電状態により内容液を
沸騰状態にまで加熱し、かつ沸騰後、低容量ヒータの通
電遮断、高容量ヒータ通電の状態を所定時間継続して内
容液を必要時間だけ沸騰温度に保つことができる程度に
カルキ除去通電状態を得るようにしたことを特徴とする
ものである。
また、これに加えて、沸騰またはカルキ除去後の内容液
を所定温度に保温するのに、低容量ヒータの通電を遮断
した状態で、高容量ヒータを交流位相制御により通電す
るようにするのが好適である。
(作用) 本考案の上記の構成では、低容量ヒータと高容量ヒータ
との双方の通電により、低容量と高容量とが加算された
大容量通電状態で内容液の湯沸しを行って、内容液温度
を高速で沸騰に近い所定温度にまで立ち上がらせ、内容
液を沸騰させるまでの時間を短縮することができる。
また、内容液が沸騰に近い所定の温度に達したとき以降
は、低容量ヒータの通電を遮断し、高容量ヒータに通電
した、前記大容量通電状態よりは容量がやや低い通電状
態により、前記大容量通電状態が長く続くことによるま
わりへの熱の影響や、内容液の突沸を防止する熱的な安
全を図りながら、内容液を沸騰まで加熱することができ
るし、このまわりへの熱の影響を抑止できる、低容量ヒ
ータの通電を遮断し、高容量ヒータのみを通電する通電
状態を沸騰後所定時間継続することにより、熱的に安全
な加熱にて、内容液を必要時間の間確実に沸騰状態に保
ち、カルキ除去を十分に達成することができる。
さらに、前記のようは熱的な安全な高速沸騰は、低容量
ヒータおよび高容量ヒータ双方への通電状態で、内容液
が沸騰に近い所定の温度に達した時点で低容量ヒータへ
の通電を遮断するだけの簡単な制御によって達成するこ
とができるし、前記カルキ除去も前記低容量ヒータの通
電を遮断した通電状態を所定時間継続するだけの簡単な
制御によって達成することができ、回路構成も極く簡単
なものでよくなる。
また、沸騰またはカルキ除去後の内容液を所定温度に保
温するのに、低容量ヒータの通電を遮断した状態で、高
容量ヒータを交流位相制御により通電するようにする
と、前記湯沸しの最終段階およびカルキ除去時の熱的安
全を図るために、低容量ヒータの通電を遮断して大容量
通電状態から通電容量を少し低くするためだけに必要な
容量に、低容量ヒータを設定することにより前記制御の
簡素化を図った上で、高容量ヒータを交流位相制御して
通電するだけの簡単な制御によって、特別な容量ヒータ
を設けたりする構成の複雑化もなく、保温に必要となる
どのような中途通電容量をも的確に得られるようにする
ことができる。
(実施例) 第1図〜第8図に示す本考案の一実施例について説明す
れば、外装ケース3内にヒータ1を底部に持った内容器
2を収容して電気ポットの器体4を形成している。外装
ケース3と内容器2とは上端部で肩部材5によって、ま
た下端部で連結金具(図示せず)および底部材18によっ
て一体化されている。器体4の上端には外蓋7が施され
ている。外蓋7は肩部材5の後部に設けられた軸受9に
軸6によって着脱自在に枢支され、軸6を中心とした回
動により器体4を開閉する。
外蓋7内にはその上面押圧板10によって押圧操作される
ベローズポンプ11と、その中央に配され、押圧板10の操
作に連動して上下動される弁36とが設けられている。弁
36はベローズ下板12の吐出口16と、この吐出口16が通じ
ている内容器2への給気路13の途中から分岐し外蓋7外
に通じている蒸気抜き通路15の分岐孔14とを、押圧板10
の操作に連動して交互に閉じる。通常押圧板10が上動復
帰していることにより弁36は吐出口16を閉じているの
で、内容器2内は給気路13、分岐孔14、蒸気抜き通路15
により外部に通じた状態にあり、沸騰または保温中の内
容液42から発生する蒸気はそのルートで外部に抜け内容
器2内は昇圧しない。押圧板10が押圧されると弁36は下
動して吐出口16を開くと同時に分岐孔14を閉じるので、
前記押圧操作によるベローズポンプ11からの加圧空気は
吐出口16、給気路13を通じて内容器2内に入り内容液を
加圧する。なお中蓋8には前記給気のための開口8aが形
成されている。
前記加圧される内容液を内容器2の外部上方に案内する
導出路17が、基端を内容器2の底部に接続して設けられ
ている(第1図)。この導出路17は内容器2とその底部
で通じ、かつ内容器2の側周に沿って立ち上がって上端
が器体4の肩部材5部で器体外への下向きの内容液の吐
出口ユニット23に接続されて常時大気に開放されてお
り、内容器2内の内容液が常時自然流入して内容器2内
と同一レベルを保つ。吐出口ユニット23は途中に転倒時
止水弁25を内蔵しており、吐出口ユニット23の先端の下
向き吐出口19はその前面側に下端から内容器2の満水位
置よりも上位にまで達するスリット26が形成されてい
る。
器体4の嘴状部5aの下には、嘴状部5aを包囲する形のパ
イプカバー27が設けられ、嘴状部5aおよび器体4の外装
ケース3に嵌め付けてある。パイプカバー27の底部に
は、吐出口ユニット23の吐出口19からの吐出液を大気へ
の開放状態で受け入れて下方へ流出させる注液ガイド管
24を下方から着脱自在に取付けてある。
この大気への開放状態での受け入れには前記スリット26
も関係し、サイホン、スプラッシュ現象および急激な注
出の場合の内容液噴き出しを確実に防止する。注液ガイ
ド管24は、肩部材5の嘴状部5aの部分に着脱可能に嵌め
付けられ、吐出口19からの吐出液をやや大きな口径で無
理なく受け入れ、以後適度に絞りながら静かに下方に流
下させる。
給気通路13には転倒時止水弁29が設けられている。
内容液の導出路17の立上がり部は液位検出部17bとし、
絶縁材料で形成してある。具体的にはガラスでもよいが
樹脂の方が融電率がよく静電容量変化を得やすいし、液
面周囲の表面張力による盛り上がりが原因した液面レベ
ルの不特定性を抑えることができる。液位検出部17bは
合成樹脂製の直状接続管17c、金属製曲管17a、合成樹脂
製エルボ17d、金属製接続口17eを介して内容器2の底部
に接続されている。
ここで液位検出部17bの外周にはアルミニウム箔41を巻
付けて第1の電極とし、液位検出部17b内の内容液に電
気的につながる前記曲管17aを第2の電極とし、第1の
電極41と第2の電極17aに通じた液位検出部17b内の内容
液42とが、液位検出部17aの絶縁周壁を介し対峙した静
電容量センサ201をなし、その対峙領域の大きさ、つま
り内容液42の液位高さに応じた静電容量を得られるよう
にしてある。
この液位に応じた静電容量の違いは、センサ201を第3
図に示すように制御回路91のマイコン66に入力するよう
にしてある。これによりマイコン66はその静電容量の違
いに応じた入力によって内容液の液位を判定し、その判
定に応じてマイコン66に表示回路Bを介し接続している
外部表示用のLED421、422…426を駆動し、液位を外部表
示するようにしてある。特に空炊き防止上給水が必要な
程度にまで液位が下がったときは給水表示のLED80を点
灯させて給水を促すようにしてある。なお液位の判定に
は静電容量と液位の関係を必要段階にテーブル化してお
き、このテーブルに基づいて判別するのが簡単である。
LED421〜426、80のそれぞれは器体4前面の表示パネル4
3に設けられている。
またパイプカバー27の前面には表示パネル203が設けら
れている。この操作パネル203にはカルキ除去、沸騰、
保温の各表示LED204、205、206および再沸騰キー211も
設けられている。
マイコン66には前記各LED421、426の他、LED80、204〜2
06も表示回路Bとして接続され、キー211もスイッチ操
作部212としてマイコン66に接続されている。
一方ヒータ1は低容量ヒータ1aと高容量の湯沸かしヒー
タ1bとに分設してヒータ駆動回路92に接続され、制御回
路91のリレーRY1、RY2によって制御するようにしてあ
る。このためにリレーRY1、RY2の接点R−1、R−2が
ヒータ1a、1bに図の如く接続されている。ここでヒータ
1a、1bは第2図に示すようにマイカ基盤51に交互に巻付
けられ、マイカ板52、53の間に挟んで金属ケース54で包
み込まれ、外観上1つのヒータ1をなしているが、マイ
コン66によるリレーRY1RY2の制御でどのような組み合わ
せでも通電することができる。
この制御のために各リレーRY1、RY2はマイコン66の制御
を受けるトランジスタTR1、TR2によってオン、オフされ
るようになっている。
ところで本実施例のヒータ1は、マイコンによらないハ
ード回路で用いられるヒータ基盤を採用しており、ハー
ド回路での制御上低容量ヒータ1aは内容液を沸騰させる
のに、沸騰前の所定温度まで高速で立ち上がらせるため
に、通常容量よりも大きくするだけの26W程度の低容量
に設定し、湯沸かしヒータ1bは前記所定温度に達した以
降、過剰な加熱によるまわりへの熱の影響や突沸を抑止
でき、しかも所定時間の間通電を継続してこの沸騰状態
をちょうど得られる程度の774W程度の高容量に設定して
ある。ではこれを採用するのに、第7図に示す湯沸かし
や再沸騰を行う場合、高速な沸騰を目指して90℃程度ま
では使用ヒータの容量を両ヒータ1a、1bによる800Wと
し、90℃を越えたところで外蓋7や器体4の樹脂まわり
の熱劣化や突沸の防止を意図してヒータ1aのみによる77
4Wに切換えるようにする。
要するに、以上のような制御によって、低容量ヒータ1a
と高容量の湯沸かしヒータ1bとの双方の通電により、低
容量と高容量とが加算された大容量通電状態で内容液の
湯沸しを行って、内容液温度を高速で沸騰に近い所定温
度にまで立ち上がらせ、内容液を沸騰させるまでの時間
を短縮することができる。
また、内容液が沸騰に近い所定の温度に達したとき以降
は、低容量ヒータ1aの通電を遮断し、高容量の湯沸かし
ヒータ1bのみを通電した、前記大容量通電状態よりは容
量がやや低い通電状態により、前記大容量通電状態が長
く続くことによるまわりへの熱の影響や、内容液の突沸
を防止する熱的な安全を図りながら、内容液を沸騰まで
加熱することができるし、このまわりへの熱の影響を抑
止できる、低容量ヒータ1aの通電を遮断し、高容量の湯
沸かしヒータ1bのみを通電する通電状態を沸騰後所定時
間継続することにより、熱的に安全な加熱にて、内容液
を必要時間の間確実に沸騰状態に保ち、カルキ除去を十
分に達成することができる。
さらに、前記のような熱的に安全な高速沸騰は、低容量
ヒータ1aおよび高容量の湯沸かしヒータ1b双方への通電
状態で、内容液が沸騰に近い所定の温度に達した時点で
低容量ヒータ1aへの通電を遮断するだけの簡単な制御に
よって達成することができるし、前記カルキ除去も前記
低容量ヒータ1aの通電を遮断した通電状態を所定時間継
続するだけの簡単な制御によって達成することができ、
回路構成も極く簡単なものでよくなる。
また、保温を行う場合、使用ヒータの容量60Wは程度と
して内容液を80℃程度に保温するようにオン、オフす
る。
ところがヒータ容量60Wはヒータ1a、1bのどちらででも
得られない。そこでこれを得るのに、26Wの低容量ヒー
タ1aに合わせて774Wの湯沸かしヒータ1bを実質的に34W
にまで容量ダウンするようにして用いるようにする。
この容量ダウンをはかるために、湯沸かしヒータ1bに直
列なトライアック55を設け、これをマイコン66により導
通制御してヒータ1bに対するAC電源の導通角を小さくす
るようにしてある(第8図)。このトライアック55によ
る交流位相制御が必要に応じて行われるように、トライ
アック55に対し、マイコン66により制御されるトランジ
スタTR3にトリガ信号を与えて、トライアック55を所定
のタイミングでオン、オフさせるようにしてある。
本実施例でのこのような、沸騰またはカルキ除去後の内
容液を所定温度に保温するのに、低容量ヒータ1aの通電
を遮断した状態で、高容量の湯沸かしヒータ1bを交流位
相制御により通電する構成では、前記湯沸しの最終段階
およびカルキ除去時の熱的安全を図るために、低容量ヒ
ータ1aの通電を遮断して大容量通電状態から通電容量を
少し低くするためだけに必要な容量に、低容量ヒータ1a
を設定することにより前記制御の簡略化を図った上で、
高容量の湯沸かしヒータのみを交流位相制御して通電す
るだけの簡単な制御によって、特別な容量のヒータを設
けたりする構成の複雑化もなく、保温に必要となるどの
ような中途通電容量をも的確に得られるようにすること
ができる。
湯沸かし状態の通電は温度センサ68(第1図)が検知し
ている内容液温度が保温温度よりも低く湯沸かしが必要
な温度である場合と、保温状態において再沸騰キー211
がオンされたときに行われ、温度センサ68が沸騰温度を
検知したとき保温状態に戻される。
保温状態の通電は、温度センサ68が所定の保温下限温度
を検知したとき低容量ヒータ1aを通電し、所定の保温上
限温度を検知したとき低容量ヒータ1aの通電を停止す
る。これら制御のため温度センサ68もA/D変換回路202を
介しマイコン66に接続されている。
さらにマイコン66の制御では、操作パネル203において
再沸騰キー211がオンされる都度保温LED206、沸騰LED20
5、カルキ除去のLED204がそれぞれ順次単独に点灯され
ていき、点灯が所定時間以上継続したLEDに対応するモ
ードが設定され実行される。しかし再沸騰キー211が再
度操作されると前記同様にして動作モードの設定を変更
することができる。
以上の内容液の加熱制御について第4図〜第6図に示す
各サブルーチンのフローチャートに基づいて具体的に説
明する。
第4図に示す加熱制御サブルーチンにおいて、先ず再沸
騰キー211によってカルキ除去が選択されたかどうか判
別し(ステップ#1)、選択されていなければ内容液が
80℃未満か、再沸騰キー211によって再沸騰が選択され
ている場合(ステップ#2、#3)だけステップ#5に
移行して沸騰動作が行われる。ステップ#1でカルキ除
去が選択されているとカルキ除去F(フラグ)が‘1'に
セットされた後(ステップ#4)、ステップ#5での沸
騰動作サブルーチンが実行される。この沸騰動作はリレ
ーRY1、RY2がトランジスターTR1、TR2によってオンされ
てリレー接点R−1〜R−3をオンし、またトライアッ
ク55がトランジスタTR3によってオン状態に保ち、ヒー
タ1a、1bをフルに通電する状態で行われる。この時のヒ
ータ容量は800Wであり、内容液の温度は急速に立ち上が
る。内容液が90℃に達したときリレーRY1がトランジス
タTR1によりオフされてリレー接点R−1をオフするの
で、ヒータ1aがオフし以後ヒータ容量774Wでの加熱に切
り換わる。
通電容量は低下するが、90℃から沸騰までの昇温は比較
的速い上に、過熱による外蓋7や器体4の樹脂まわりの
熱劣化を防止することができる。
ステップ#6で沸騰終了が判別されるとステップ#7に
移行し、カルキ除去Fが‘1'かどうか判別する。ステッ
プ#2またはステップ#3から沸騰動作に入った場合、
カルキ除去Fが‘1'でないのでステップ#8に移行して
沸騰終了動作とブザーBZによる沸騰の報知とが行われた
後、保温動作に切り換わる。このときリレーRY1、RY2が
トランジスタTR1、TR2によってオンされてリレー接点R
−1、R−2をオンの状態にしているので両ヒータ1a、
1b共オン状態となるが、トライアック55をマイコン66か
らの制御によってトランジスタTR3を介し導通制御し、
ヒータ1bへの通電が34W程度となるように制限する。し
たがって全体でのヒータ容量は60Wとなりこの状態での
オン、オフを繰り返して内容液を80℃程度の範囲に保温
する。
ここでステップ#2からの沸騰動作は給水または水の補
給による初期沸騰(第7図破線)に当たるが、ステップ
#3からの沸騰動作は沸騰を経た保温動作からのもので
再沸騰(第7図再沸騰)に当たる。
ステップ#7でカルキ除去Fが‘1'であるとステップ#
10に移行して3分間沸騰が継続されるようにマイコン66
が制御する。この沸騰の持続によって内容液中の塩素化
合物であるトリハロメタンと言った発散物質を充分に発
散させることができる。いわゆるカルキ除去効果を発揮
する。もっともこの沸騰の持続時間は使用者側で水質や
用途、好み等に合わせて適宜設定できるようにすること
ができる。またここでの沸騰持続中の加熱もヒータ1bだ
けによるヒータ容量774Wの状態で行われるから、沸騰が
持続しても外蓋7や器体4の樹脂まわりを熱劣化させる
ことはない。なお沸騰の持続は一旦沸騰した後であるこ
とによりかなり小容量のヒータでも可能である。
沸騰が所定時間持続されるとステップ#11でカルキ除去
Fが‘0'にリセットされステップ#8に戻る。
なお前記沸騰動作、保温動作の各サブルーチンの詳細は
第5図、第6図のフローチャートで示している。
(考案の効果) 本考案によれば、低容量ヒータと高容量ヒータとの双方
の通電により、低容量と高容量とが加算された大容量通
電状態で内容液の湯沸しを行って、内容液温度を高速で
沸騰に近い所定温度にまで立ち上がらせ、内容液を沸騰
させるまでの時間を短縮することができる。
また、内容液が沸騰に近い所定の温度に達したとき以降
は、低容量ヒータの通電を遮断し、高容量ヒータのみを
通電した、前記大容量通電状態よりは容量がやや低い通
電状態により、前記大容量通電状態が長く続くことによ
るまわりへの熱の影響や、内容液の突沸を防止する熱的
な安定を図りながら、内容液を沸騰まで加熱することが
できるし、このまわりへの熱の影響を抑止できる、低容
量ヒータの通電を遮断し、高容量ヒータのみを通電する
通電状態を沸騰後所定時間継続することにより、熱的に
安全な加熱にて、内容液を必要時間の間確実に沸騰状態
に保ち、カルキ除去を十分に達成することができる。
さらに、前記のような熱的に安全な高速沸騰は、低容量
ヒータおよび高容量ヒータ双方への通電状態で、内容液
が沸騰に近い所定の温度に達した時点で低容量ヒータへ
の通電を遮断するだけの簡単な制御によって達成するこ
とができるし、前記カルキ除去も前記低容量ヒータの通
電を遮断した通電状態を所定時間継続するだけの簡単な
制御によって達成することができ、回路構成も極く簡単
なものでよくなる。
また、沸騰またはカルキ除去後の内容液を所定温度に保
温するのに、低容量ヒータの通電を遮断した状態で、高
容量ヒータのみを交流位相制御により通電するようにす
ると、前記湯沸しの最終段階およびカルキ除去時の熱的
安全を図るために、低容量ヒータの通電を遮断して大容
量通電状態から通電容量を少し低くするためだけに必要
な容量に、低容量ヒータを設定することにより前記制御
の簡略化を図った上で、高容量ヒータのみを交流位相制
御して通電するだけの簡単な制御によって、特別な容量
のヒータを設けたりする構成の複雑化もなく、保温に必
要となるどのような中途通電容量をも的確に得られるよ
うにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す電気ポットを縦断して
示す側面図、第2図はヒータ基盤を一部切り欠いた状態
で示す斜視図、第3図は制御回路図、第4図は加熱制御
サブルーチンのフローチャート、第5図は第4図におけ
る沸騰動作サブルーチンのフローチャート、第7図は各
動作モードでの内容液温度の変化と使用ヒータの通電容
量の関係を示すグラフ、第8図はヒータの通電制御の一
例を示す線図である。 1a、1b……ヒータ 55……トライアック 66……マイコン 91……制御回路 92……ヒータ駆動回路 RY1、RY2……リレー TR1〜TR3……トランジスタ R−1、R−2……リレー接点

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】低容量のヒータと、高容量のヒータとを設
    けたヒータ回路を有し、低容量のヒータと高容量のヒー
    タとにそれぞれ通電する大容量通電状態にて湯沸しを開
    始し、内容液が沸騰に近い所定の温度に達したとき、低
    容量ヒータへの通電を遮断し、高容量ヒータのみ通電す
    る通電状態により内容液を沸騰状態にまで加熱し、かつ
    沸騰後、低容量ヒータの通電遮断、高容量ヒータ通電の
    状態を所定時間継続して内容液を必要時間だけ沸騰温度
    に保つことができる程度にカルキ除去通電状態を得るよ
    うにしたことを特徴とする電気貯湯容器の加熱回路。
  2. 【請求項2】沸騰またはカルキ除去後の内容液を所定温
    度に保温するのに、低容量ヒータの通電を遮断した状態
    で、高容量ヒータを交流位相制御により通電するように
    した請求項1に記載の電気貯湯容器の加熱回路。
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