JPH07250550A - コンバインにおける排藁搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排藁搬送帯と挟扼レールで挟持搬送される排
藁の遅れ姿勢を矯正し、切断装置への排藁の搬入と、切
断装置後方への継送とを円滑に切替ることができるコン
バインにおける排藁搬送装置を提供する。 【構成】 掻出し装置５の掻出し始点Ｙ3を、株元抵抗
体１５の抵抗始点Ｙ1と挟扼レール７の挟扼終点Ｙ2とを
結ぶ延長線上に設定し、かつ排藁案内壁６の垂設位置上
方に、掻出し装置５の掻出し終点Ｚを設定した。排藁搬
送帯３の穂先側搬送終端域の上方に、排藁ａを下方へ誘
導案内する押えガイド板１０を設け、切替板８ａ、８ｂ
の開放作動に連動して押えガイド板１０が下動した際
に、掻出し装置５の掻出し始点Ｙ3に位置するタイン１
３が、押えガイド板１０の押え面より下方に突出するよ
うに構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、排藁搬送帯と挟扼レー
ルで挟持搬送される排藁を、搬送終端域の下方に設けた
切替板の開放、閉鎖で、切断装置への搬入と、当該切断
装置の後方への継送とを切替るように構成したコンバイ
ンにおける排藁搬送装置に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、脱穀処理後の排藁を機体の後方
に搬送する排藁搬送装置では、排藁の株元側を排藁搬送
帯と挟扼レールで挟持し、排藁搬送帯を巻回した駆動軸
の回転駆動で排藁を後方に搬送した後、切替板の開放で
切断装置に搬入すると共に、切替板の閉鎖時に、切替位
置まで搬送した排藁を、掻出し装置を介して切断装置の
後面に垂設した排藁案内壁へ継送するようするように構
成したものが知られている。

【０００３】しかしながら、上記の構成のものでは、排
藁の株元側のみを挟持しているので、排藁の搬送姿勢は
機体進行方向に対し穂先側が遅れ姿勢となり、この遅れ
姿勢を保持した排藁が切替板の切替位置で、排藁搬送帯
と挟扼レールとの挟持が解除されると、遅れ姿勢のまま
ま排藁案内壁に継送されることになってしまい、該排藁
案内壁での落下姿勢に乱れを生じ、連続して搬送される
排藁を円滑に機体後方へ継送することができないばかり
か、切替位置まで搬送された排藁を切替板の開放で切断
装置に搬入する場合にも、穂先側が遅れ姿勢のままでは
排藁全体を速やかに切断装置に搬入することができず、
往々にして株元側は切断装置に搬入されたにもかかわら
ず穂先側が搬入口付近に係止された状態に陥ってしま
い、後続の排藁の搬入に支障を来す、という欠点を有す
るものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
実状に鑑み従来の欠点を解消すべく創案されたものであ
って、その第１の目的とするところは、排藁の穂先側の
遅れ姿勢を、排藁搬送帯と挟扼レールとの挟持搬送が解
除された時点で解消し、穂先側の遅れのない適正な継送
姿勢で排藁案内壁に円滑に継送することができるコンバ
インにおける排藁搬送装置を提供するにある。また、第
２の目的として、切断装置に排藁を搬入する際に、遅れ
姿勢にある穂先側を速やかに切断装置側に誘導し得て、
切断装置の搬入口付近での排藁の流れをスムーズにする
ことができるコンバインにおける排藁搬送装置を提供し
ようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明が採用した第１の技術的手段は、排藁搬送帯
と挟扼レールで挟持搬送される排藁を、搬送終端域の下
方に設けた切替板の切替位置まで搬送し、上記切替板の
開放で排藁を切断装置に搬入する一方、切替板の閉鎖時
に、切替位置まで搬送した排藁を、掻出し装置を介して
切断装置の後面に垂設した排藁案内壁へ継送するように
構成したコンバインにおける排藁搬送装置であって、上
記排藁案内壁の後方から排藁搬送帯の株元側搬送終端域
に臨ませて株元抵抗体を延出し、かつ上記掻出し装置の
掻出し始点を、株元抵抗体の抵抗始点と挟扼レールの挟
扼終点とを結ぶ延長線上に設定すると共に、前記排藁案
内壁の垂設位置上方に、掻出し装置の掻出し終点を設定
したことを特徴とし、第２の技術的手段として、排藁搬
送帯と挟扼レールで挟持搬送される排藁を、搬送終端域
の下方に設けた切替板の切替位置まで搬送し、上記切替
板の開放で排藁を切断装置に搬入する一方、切替板の閉
鎖時に、切替位置まで搬送した排藁を、複数のタインを
巻回ベルト上に植設してなる掻出し装置を介して切断装
置の後方に継送するように構成したコンバインにおける
排藁搬送装置であって、上記排藁搬送帯の穂先側搬送終
端域の上方に、搬送された排藁を下方へ誘導案内する押
えガイド板を上下動自在に設け、前記切替板の開放作動
に連動して押えガイド板が下動した際に、掻出し装置の
掻出し始点に位置するタインが、押えガイド板の押え面
より下方に突出するように構成したことを特徴とするも
のである。

【０００６】

【作用】したがって本発明によれば、挟持搬送された排
藁の切断装置後方への継送と、切断装置への搬入とを、
落下する排藁の乱れや切断装置の搬入口付近での滞りを
一掃することができ、円滑な排藁の切替搬送を行うこと
ができる。

【０００７】

【実施例】本発明の構成を、図面に示した一実施例に基
いて詳細に説明する。図において、１は図示しないコン
バインの穀稈供給チェン２から機体の斜め後方に向けて
排藁搬送帯３を巻回した排藁搬送装置、４は上記排藁搬
送帯３の終端位置下方に設けた切断装置、５は排藁搬送
帯３の終端位置から機体後方に垂設した排藁案内壁６へ
排藁ａを継送する掻出し装置であって、上記排藁搬送帯
３の下方には、後述する挟扼終点Ｙ2まで挟扼レール７
が沿設されていると共に、切断装置４の上面には、回動
軸８に軸支した切替板８ａ、８ｂが上下回動自在に設け
られ、更に掻出し装置５の下方位置には、支軸９ａに支
持されたシャッター板９が水平方向回動自在に枢支され
ており、該シャッター板９の回動に連動して挟扼レール
７の先端側を搬送方向に出没作動させるようになってい
る。

【０００８】上記シャッター板９と掻出し装置５の上下
間には、押えガイド板１０が回動軸１０ａに上下回動自
在に軸支され、前記シャッター板９の基端側を介してリ
ンク機構１１に接続した引張ワイヤ１２の矢印Ａ方向の
引き操作で、シャッター板９を機体の前方位置９´まで
回動すると同時に、図２にそれぞれ矢印で示す如く、押
えガイド板１０を下方に回動し、かつ切替板８ａ、８ｂ
を上方に回動させて切断装置４へ排藁ａを搬入するよう
に構成されている。

【０００９】前記掻出し装置５は、切替板８ａ、８ｂの
上方位置から排藁案内壁６の垂設位置に至る継送路中
に、タイン１３、１３…を植設してなる巻回ベルト１４
を、排藁搬送装置１を形成する排藁搬送帯３の駆動軸１
ａとの間に巻回して構成されており、上記排藁搬送帯３
と挟扼レール７で挟持搬送された排藁ａを、切替板８
ａ、８ｂの閉鎖時にタイン１３、１３…の掻出し回転で
排藁案内壁６まで継送するようになっており、上記排藁
ａの切断装置４への搬入時には、図４に示す如く、掻出
し装置５の掻出し開始位置にあるタイン１３が、側面視
において下動した押えガイド板１０の下面より下方に距
離Ｘだけ突出するようになっている。

【００１０】一方、上記排藁案内壁６の後方から排藁搬
送帯３の株元側搬送終端域には、その上方に臨ませて平
板を折曲形成してなる株元抵抗体１５が沿設されてお
り、その抵抗始点Ｙ1と突出した挟扼レール７の挟扼終
点Ｙ2とを結ぶ延長線上に、上記掻出し装置５のタイン
１３、１３…による掻出し始点Ｙ3を設定し、かつ前記
排藁案内壁６の垂設位置上方に、掻出し装置５の掻出し
終点Ｚを設定した構成となっている。

【００１１】また、前記引張ワイヤ１２の基端側は、切
替レバー１６の回動支軸１６ａに軸着した回動板１７の
一端に連結され、かつ当該回動板１７の他端には、切替
レバー１６のＢ方向の傾倒操作で引張される戻しワイヤ
１８が連結されていると共に、上記戻しワイヤ１８の先
端側は、シャッター板９の基端部９ｂに連結されてお
り、開放したシャッター板９、押えガイド板１０および
切替板８ａ、８ｂを、切替レバー１６のＢ方向の傾倒操
作でそれぞれ閉鎖位置に復帰させるように構成されてい
る。

【００１２】叙上の如き構成において、切替レバー１６
をＢ方向に操作すると、シャッター板９が前方位置９´
から切断装置４の上方位置まで回動し、これに伴い挟扼
レール７の先端側が挟扼終点Ｙ2まで突出すると共に、
下動位置にある押えガイド板１０と上動位置にある切替
板８ａ、８ｂが、図２に鎖線で示した矢印Ｂ方向に回動
して、切断装置４への排藁ａの搬入路が閉鎖され、排藁
搬送装置１は切断装置４後方へ排藁ａを継送する搬送状
態に切り替わることになる。

【００１３】次いで、穀稈供給チェン２を介して送られ
る排藁ａが、穂先側ｂの遅れ姿勢を保持したまま、排藁
搬送帯３と挟扼レール７に挟持されて切断装置４の上方
位置まで搬送されると、図１に示す如く、排藁ａの株元
側が株元抵抗体１５の抵抗始点Ｙ1と挟扼レール７の挟
扼終点Ｙ2に達した時点で、排藁ａの挟扼が解除される
と同時に、掻出し始点Ｙ3に位置する排藁ａの中間部に
タイン１３が係止され、掻出し装置５による排藁ａの掻
出しが開始される。

【００１４】この時、掻出し装置５のタイン１３に係止
された排藁ａは、前記抵抗始点Ｙ1を中心として排藁ａ
自体が掻出し装置５側に回動し、この時点で、排藁ａは
穂先側ｂの遅れ姿勢が矯正されて、後方の排藁案内壁６
に平行な搬送姿勢に変姿することになる。そして、後続
の排藁ａが同様に排藁案内壁６に平行な搬送姿勢で連続
して後方に継送され、先行する排藁ａはタイン１３の掻
出し終点Ｚまで継送された際に、排藁案内壁６から平行
状態で逐次落下される。したがって、穂先側ｂの遅れ姿
勢を保持した排藁ａを適正な搬送姿勢に矯正することが
でき、排藁案内壁６での落下姿勢に乱れを生じることな
く、連続搬送される排藁ａを円滑に機体後方へ継送する
ことができる。

【００１５】また、切替レバー１６をＡ方向に操作する
と、シャッター板９が切断装置４の上方位置から前方位
置９´まで回動するに伴い挟扼レール７の先端側が搬送
方向に縮入し、同時に押えガイド板１０の下動と切替板
８ａ、８ｂの上動作動が行われ、切断装置４への排藁ａ
の搬入路が開放される。そして、前記と同様に、排藁搬
送帯３と挟扼レール７に挟持された排藁ａが、縮入した
挟扼レール７の挟扼終点Ｙ2で、まず排藁ａの株元側が
切断装置４に落入し、次いで遅れ姿勢にある穂先側ａが
下動した押えガイド板１０に誘導案内されて切断装置４
に落入することになる。

【００１６】この時、上記押えガイド板１０の下面より
下方に距離Ｘだけ突出した掻出し装置５のタイン１３に
より、押えガイド板１０の下面に当接した穂先側ｂが下
方に強制的に掻き込まれ、穂先側ｂの落入を幇助するこ
ととなって切断装置４への排藁ａの搬入を迅速かつ円滑
に行うことができる。

【００１７】

【発明の効果】これを要するに本発明は、排藁搬送帯と
挟扼レールで挟持搬送される排藁を、搬送終端域の下方
に設けた切替板の切替位置まで搬送し、上記切替板の開
放で排藁を切断装置に搬入する一方、切替板の閉鎖時
に、切替位置まで搬送した排藁を、掻出し装置を介して
切断装置の後面に垂設した排藁案内壁へ継送するように
構成したコンバインにおける排藁搬送装置であって、上
記排藁案内壁の後方から排藁搬送帯の株元側搬送終端域
に臨ませて株元抵抗体を延出し、かつ上記掻出し装置の
掻出し始点を、株元抵抗体の抵抗始点と挟扼レールの挟
扼終点とを結ぶ延長線上に設定すると共に、前記排藁案
内壁の垂設位置上方に、掻出し装置の掻出し終点を設定
し、また排藁搬送帯の穂先側搬送終端域の上方に、搬送
された排藁を下方へ誘導案内する押えガイド板を上下動
自在に設け、切替板の開放作動に連動して押えガイド板
が下動した際に、掻出し装置の掻出し始点に位置するタ
インが、押えガイド板の押え面より下方に突出するよう
に構成したから、排藁の搬送姿勢は機体進行方向に対し
て穂先側が遅れ姿勢となる排藁の搬送姿勢を、排藁案内
壁に対して平行する搬送姿勢に切替板の切替位置で容易
に矯正することができ、排藁案内壁での落下姿勢に乱れ
を生じることなく、連続して搬送される排藁を円滑に機
体後方へ継送することができると共に、遅れ姿勢の矯正
に要する搬送距離を短く設定できるので、機体長を後方
に向けて不用に延出する必要がなく、また切替板の開放
で切断装置側に排藁を搬入する場合には、遅れ姿勢の穂
先側を強制的に落入させることができ、落入時の排藁の
落下乱れ、詰まり等を未然に防止し得て、切断装置の搬
入口付近での排藁の流れをスムーズにすることができ、
もって挟持搬送された排藁の切断装置後方への継送と切
断装置への搬入とを円滑かつ確実に切替えることができ
る、等という極めて有用な新規的効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】要部の平面図である。

【図２】押えガイド板と切替板の連動状態を示す要部斜
視図である。

【図３】排藁の機体後方への継送状態を示す要部側面図
である。

【図４】排藁の切断装置への搬入状態を示す要部側面図
である。

【符号の説明】

１ 排藁搬送装置 ３ 排藁搬送帯 ４ 切断装置 ５ 掻出し装置 ６ 排藁案内壁 ７ 挟扼レール ８ａ 切替板 ８ｂ 切替板 １０ 押えガイド板 １３ タイン １４ 巻回ベルト １５ 株元抵抗体 Ｙ1 抵抗始点 Ｙ2 挟扼終点 Ｙ3 掻出し始点 Ｚ 掻出し終点 ａ 排藁

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排藁搬送帯と挟扼レールで挟持搬送され
   る排藁を、搬送終端域の下方に設けた切替板の切替位置
   まで搬送し、上記切替板の開放で排藁を切断装置に搬入
   する一方、切替板の閉鎖時に、切替位置まで搬送した排
   藁を、掻出し装置を介して切断装置の後面に垂設した排
   藁案内壁へ継送するように構成したコンバインにおける
   排藁搬送装置であって、上記排藁案内壁の後方から排藁
   搬送帯の株元側搬送終端域に臨ませて株元抵抗体を延出
   し、かつ上記掻出し装置の掻出し始点を、株元抵抗体の
   抵抗始点と挟扼レールの挟扼終点とを結ぶ延長線上に設
   定すると共に、前記排藁案内壁の垂設位置上方に、掻出
   し装置の掻出し終点を設定したことを特徴とするコンバ
   インにおける排藁搬送装置。
2. 【請求項２】 排藁搬送帯と挟扼レールで挟持搬送され
   る排藁を、搬送終端域の下方に設けた切替板の切替位置
   まで搬送し、上記切替板の開放で排藁を切断装置に搬入
   する一方、切替板の閉鎖時に、切替位置まで搬送した排
   藁を、複数のタインを巻回ベルト上に植設してなる掻出
   し装置を介して切断装置の後方に継送するように構成し
   たコンバインにおける排藁搬送装置であって、上記排藁
   搬送帯の穂先側搬送終端域の上方に、搬送された排藁を
   下方へ誘導案内する押えガイド板を上下動自在に設け、
   前記切替板の開放作動に連動して押えガイド板が下動し
   た際に、掻出し装置の掻出し始点に位置するタインが、
   押えガイド板の押え面より下方に突出するように構成し
   たことを特徴とするコンバインにおける排藁搬送装置。