JPH07249893A - 部品供給方法およびこれに用いる装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被覆テープなしに部品を収納テープに収納保
持して簡単な機構および作業にて、部品を供給し、また
リサイクル使用できるようにする。 【構成】 キャリアテープ２を移動経路６に収容し部品
収納部１が開口する面をガイド壁面５に摺接させて、被
覆テープを施さずそのままで収納保持した部品が脱落し
ないように取り扱えるようにし、キャリアテープ２の徃
移動または循環移動にて、キャリアテープ２の各部品収
納部１を移動経路６のガイド壁面５の一部のカセットの
外面に通じた開口に対向させ被覆テープの分離や巻取り
の機構や作業を必要せず前記開口を通じた部品のピック
アップに供して部品を供給することができ、また部品供
給後のキャリアテープを復移動または循環移動させて前
記開口を通じて部品供給後の空になっている各部品収納
部に新しい部品を収納して、キャリアテープ２を元の収
容状態としてリサイクル使用できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は部品供給方法およびこれ
に用いられる部品供給装置に関し、詳しくはテープの長
手方向に所定ピッチで部品を保持したテーピング部品
を、部品供給ガイドとこれに被さるように横設した押え
カバーとの間で長手方向に移動させながら、部品を所定
位置に順次供給する部品供給方法およびこれに用いられ
る部品供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子部品、特に微細な電子部品多
数を高速度で供給する一方法として、テーピング部品が
用いられている。テーピング部品は通常、長手方向に配
列されかつ一面側に開放された部品収納部内に部品を収
納した収納テープに、被覆テープを貼り合わせることに
より部品収納部を閉じて、収納している部品が脱落しな
いようにしている。

【０００３】このため、収納している部品を供給するに
は、テーピング部品を長手方向に移動させながら部品を
供給する所定位置の手前で、被覆テープを収納テープか
ら分離し、この分離によって露出した部品収納部が所定
位置に到達する都度、収納部品を吸着ノズル等によるピ
ックアップに供するようにしている。

【０００４】このような方法では、少なくとも被覆テー
プを分離し巻き取る機構、分離し巻き取った被覆テープ
を巻取り部から取外し廃棄する作業が必要であり、部品
供給のための装置が複雑になるし使用に不便である。ま
た収納テープも溶着や接着等された被覆テープを無理に
分離されるので、これもリサイクル使用するよりは廃棄
されることが多く、このための作業も必要である。ま
た、一回の使用によるこれらの廃棄は省資源の上から好
ましくない。

【０００５】そこで本出願人は、収納テープおよび被覆
テープからなるテーピング部品を１つのカセット内に収
容して、従来同様に被覆テープを一旦分離した状態で部
品を供給し、部品を供給し終えた場合には、カセット外
から収納テープに部品を補充しながら分離した被覆テー
プを再度貼り合わせ、収納テープおよび被覆テープをカ
セットと共に繰り返し使用できるようにしたものを既に
提案している（特開平２−２１９７６４号公報）。

【０００６】このものは、貼り合わせおよび分離が自在
ないわゆるマジックテープを被覆テープとして用い、こ
れを収納テープに貼り合わせたテーピング部品を用いて
いる。具体的には、このテーピング部品を巻き戻し軸に
巻き取った状態でカセット内に収容するとともに、この
巻き戻し軸から送り機構によりテーピング部品を繰り出
して所定位置に向け移動させながら、所定位置の手前で
収納テープから分離する被覆テープを同じカセットの外
面に設けた巻取りリールに巻取るとともに、被覆テープ
が分離され、かつ部品を供給した後の収納テープを同じ
カセット内に設けた巻取り軸に巻取るようにしている。
このようにして部品を供給し終えたカセットについて
は、巻取り軸に巻き取られている部品供給後の収納テー
プの各部品収納部に新たな部品を収納しながら、収納テ
ープを巻き戻し軸により巻き戻すとともに、前記分離し
た被覆テープを再度貼り合わせていき、巻き戻し軸には
部品を収納したテーピング部品として巻き戻し、リサイ
クル使用できるようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなリ
サイクル使用では、被覆テープの使用が必須であるので
これの材料費が要る上、被覆テープの分離や貼り合わせ
の機構および作業が必要であるため、機構の簡略化は十
分でなく使用にもまだ不便である。

【０００８】本発明は、このような従来の問題を解消す
ることを課題とし、被覆テープなしに部品を収納テープ
に収納保持して簡単な機構および作業にて、部品を供給
し、またリサイクル使用できる部品供給方法およびこれ
に用いられる部品供給装置を提供することを目的とする
ものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の部品供給方法
は、上記のような目的を達成するために、一面側に開放
された部品収納部が長手方向に配列されたキャリアテー
プを、部品供給位置に着脱されるカセット内の、前記部
品収納部が開放された面がガイド壁面に摺接するように
した移動経路に収容し、この移動経路にてキャリアテー
プを往移動または循環移動させて、前記ガイド壁面の一
部にカセットの外面に通じるように設けられた開口に部
品収納部が対向する都度、この開口を通じて部品を外部
からのピックアップに供するようにして部品の供給を行
い、部品を供給し終えた場合、キャリアテープを復移動
または循環移動させ、部品収納部が前記ガイド壁面の一
部にカセットの外面に通じるように設けられた開口と対
向する都度、この開口を通じて部品収納部に部品を収納
し、部品を収納し終えた場合、再度キャリアテープを徃
移動または循環移動させて前記同様に部品の供給を行
い、以後、同様の操作を繰り返して部品を供給すること
を特徴とするものである。

【００１０】本発明の部品供給装置は、前記カセット内
に、前記キャリアテープの部品収納部が開放されている
面に摺接するガイド壁面を持った渦巻き状の格納経路
と、この格納経路の中心部に位置してキャリアテープを
巻き戻す巻き戻し軸と、前記格納経路から繰り出される
キャリアテープを巻き取る巻取り軸を持った巻取り部と
を有し、前記格納経路の繰り出し部のガイド壁面の一部
にカセットケースの外面に通じる部品出し入れ開口を設
けるとともに、キャリアテープを巻取り軸または巻き戻
し軸と協働して所定ピッチずつ巻取り軸側または巻き戻
し軸側に移動させる送り手段を備えたことを特徴とする
ものである。

【００１１】巻取り部は巻取り軸まわりに広がる巻取り
空室からなるものとすることができる。

【００１２】キャリアテープはリーダテープを介して巻
取り軸および巻き戻し軸に接続されているのが好適であ
る。

【００１３】送り手段はカセット内に設けられたものと
することができるし、カセット外に設けられたものとす
ることもできる。

【００１４】なお、これら本発明の部品供給方法および
部品供給装置は、部品収納部がキャリアテープの表裏に
開口しているキャリアテープを適用するのが好適であ
る。

【００１５】

【作用】本発明の部品供給方法の上記構成では、部品収
納部が長手方向に配列されたキャリアテープを、部品供
給装置に着脱されるカセット内の、前記部品収納部が開
放された面がガイド壁面に摺接するようにした移動経路
に収容し、この移動経路にてキャリアテープを往移動ま
たは循環移動させるので、キャリアテープに被覆テープ
を施すことなく収容状態および移動状態のいずれにおい
ても、部品収納部に収納保持した部品がキャリアテープ
から脱落するのを防止することができるし、キャリアテ
ープを単に徃移動または循環移動させるだけで、キャリ
アテープの部品を収納保持している各部品収納部を前記
ガイド壁面の一部にカセットの外面に通じるように設け
られた開口に露出状態にて順次に対向させて、被覆テー
プの分離や巻取りのための機構や作業を必要とすること
なく前記開口を通じた部品のピックアップに供して部品
を供給することができる。

【００１６】また、部品を供給し終えた場合、キャリア
テープを復移動または循環移動させながら、部品を供給
し終えている各部品収納部を前記ガイド壁面の一部にカ
セットの外面に通じるように設けられた開口に順次対向
させて、この開口を通じた外部からの新たな部品を収納
していくだけで、巻き取った被覆テープの巻き戻しや再
度の貼り合わせの必要なく、各部品収納部に部品を収納
保持したキャリアテープを前記移動経路のガイド壁面と
の摺接にて部品の脱落を防止しながら、元の収容状態に
戻して、キャリアテープの再度の徃移動または循環移動
により前記同様に部品を供給することを繰り返し行える
ようにするので、必要部材および動作ないし作業の少な
い簡単な操作および取扱いにて、カセットおよびこれに
収容したキャリアテープをリサイクル使用しながら部品
を供給することができる。

【００１７】本発明の部品供給装置の上記構成では、長
手方向に配列された部品収納部に部品を収納保持したキ
ャリアテープを、前記カセット内に有する渦巻き状の格
納経路に収容することにより、部品収納部が開口してい
るキャリアテープの面が格納経路のガイド壁面に摺接す
る状態として、被覆テープを用いることなく部品収納部
から部品が脱落するのを防止する状態に密度高く収納し
て、したがって多数の部品をコンパクトに収容して種々
に取扱い、また使用することができる。

【００１８】また送り手段を正方向に働かせてキャリア
テープを格納経路の中心部に位置する巻き戻し軸側から
巻取り部に位置する巻取り軸側に所定ピッチずつ移動さ
せることにより、キャリアテープを巻き戻し軸および渦
巻き状の格納経路から繰り出して送り手段と協働する巻
取り部の巻取り軸に巻き取られるようにしながら、各部
品収納部をガイド壁面の格納経路からの繰り出し部に設
けられた外部に通じる部品出し入れ開口に順次対向させ
て、この部品出し入れ開口を通じて外部からの部品のピ
ックアップに供して部品を供給することができ、かつ部
品を供給し終えた場合は、送り手段を逆方向に働かせて
キャリアテープを巻戻し軸側に移動させることにより、
使用後のキャリアテープを巻取り軸および巻取り部から
繰り出して送り手段と協働する巻き戻し軸により巻き戻
されるようにしながら、前記部品の供給によって空にな
っている各部品収納部を前記部品出し入れ開口に順次対
向させて、１つの部品出し入れ口を共用する簡単な構造
にて新しい部品を外部から収納できるようにするととも
に、部品を収容したキャリアテープは前記巻き戻しで格
納経路内に引き戻されてガイド壁面と摺接することによ
り収容した部品が脱落しない状態とし、部品を収納し終
えることにより前記種々に取扱い、またリサイクル使用
できるようにすることができる。

【００１９】巻取り部が巻取り軸まわりに広がる巻取り
空室からなるものとすると、部品供給後のキャリアテー
プは部品の脱落の問題がないことを利用して、格納経路
のようなガイド壁面を設けることなく、したがって格納
経路よりも構造が簡単でしかも小さなスペースにて部品
供給後のキャリアテープを巻取り収容することができ
る。

【００２０】キャリアテープはリーダテープを介して巻
取り軸および巻き戻し軸に接続されていると、前記巻取
りおよび巻き戻しのためにキャリアテープの両端部に使
用できない無駄な部分が生じるのを防止することができ
る。

【００２１】送り手段はカセット内に設けられたもので
も、カセット外に設けられたものでも、キャリアテープ
を部品の供給および収納のために同様に移動させること
ができ、外部に設けたものとすることによりカセットに
装備する構造を簡略化し、１つの送り手段を共用して部
品を供給することができる。

【００２２】以上の部品供給方法および部品供給装置に
おいて、部品収納部が表裏両面に開口したキャリアテー
プを適用すると、キャリアテープに長手方向に順次に穿
孔した単なる穴だけで部品収納部として機能させられ
る。

【００２３】

【実施例】以下本発明の第１の実施例としての部品供給
方法およびこれに用いられる部品供給装置につき、図１
〜図３を参照しながら説明する。

【００２４】本実施例の部品供給方法およびこれに用い
られる部品供給装置は、例えばプリント基板への電子部
品の実装機に部品を自動的に供給するのに適用した場合
を示している。しかし、これに限らず各種の部品を各種
の用途に供給するものにも本発明は適用できる。

【００２５】本実施例の部品供給方法は、例えば図１の
（ｂ）または（ｃ）に示すように一面側に開口された部
品収納部１が長手方向に配列されたキャリアテープ２を
用い、図１の（ａ）、図２、図３に示すような部品供給
装置等にて実現される。具体的には、前記キャリアテー
プ２を部品供給位置、たとえば図示しない実装機の横に
設置される部品供給テーブル３に着脱して用いられるカ
セット１１を利用する。このカセット１１内の、前記部
品収納部１が開放された一面側がガイド壁面５に摺接す
るようにした移動経路６に収容する。この移動経路６は
前記ガイド壁面５を満足するものであればどのような形
態のものでもよい。収納密度を高める上では渦巻き状の
経路やジグザグ状の経路等が考えられる。

【００２６】そして、この移動経路６にてキャリアテー
プ２を、移動経路６の形態に応じて往移動または循環移
動させて、前記ガイド壁面５の一部にカセット１１の外
面に通じるように設けられた開口７に部品収納部１が対
向する都度、この開口７を通じて部品８を外部からの吸
着ノズル９等によるピックアップに供するようにして部
品８の供給を行う。

【００２７】また、部品８を供給し終えた場合、キャリ
アテープを復移動または循環移動させ、部品収納部１が
前記ガイド壁面５の一部にカセット１１の外面に通じる
ように設けられた前記と同じ開口７、あるいは別の開口
と対向する都度、この開口７等を通じて部品収納部１に
部品８を収納し、部品８を収納し終えた場合、再度キャ
リアテープ２を徃移動または循環移動させて前記同様に
部品８の供給を行い、以後、同様の操作を繰り返して部
品８を供給する。

【００２８】したがって、一面側に開放された部品収納
部１が長手方向に配列されたキャリアテープ２を、部品
供給装置の部品供給テーブル３等に着脱されるカセット
１１内に、前記部品収納部１が開放された一面側がガイ
ド壁面５に摺接するようにして設けられた移動経路６へ
収容し、この移動経路６にてキャリアテープ２を往移動
または循環移動させるので、キャリアテープ２に被覆テ
ープを施すことなく収容状態および移動状態のいずれに
おいても、部品収納部１に収納保持した部品８がキャリ
アテープ２から脱落するのを防止することができるし、
キャリアテープ２を単に徃移動または循環移動させるだ
けで、キャリアテープ２の部品８を収納保持している各
部品収納部１を前記ガイド壁面５の一部にカセットの外
面に通じるように設けられた開口７等に露出状態にて順
次に対向させて、被覆テープの分離や巻取りのための機
構および作業を必要とすることなく前記開口７等を通じ
た部品８の吸着ノズル９等によるピックアップに供して
部品を供給することができる。

【００２９】また、部品８を供給し終えた場合、キャリ
アテープ２を復移動または循環移動させながら、部品８
を供給し終えている各部品収納部１を前記ガイド壁面５
の一部にカセット１１の外面に通じるように設けられた
開口７等に順次対向させて、この開口７等を通じた外部
からの新たな部品８を収納していくだけで、巻き取った
被覆テープの巻き戻しや再度の貼り合わせの必要なく、
各部品収納部１に部品８を収納保持したキャリアテープ
２を前記移動経路６のガイド壁面５との摺接にて部品８
の脱落を防止しながら、元の収容状態に戻して、キャリ
アテープ２の再度の徃移動または循環移動により前記同
様に部品８を供給することを繰り返し行えるようにする
ので、必要部材および動作ないし作業の少ない簡単な操
作および取扱いにて、カセット１１およびこれに収容し
たキャリアテープ２をリサイクル使用しながら部品８を
供給することができる。

【００３０】なお、キャリアテープ２を循環移動させる
場合、キャリアテープ２はエンドレスなものとするが、
カセット１１内の全域を移動経路として使用できるた
め、図６に示す本発明の第４の実施例のようなジグザグ
状の格納経路７１を用いるのが好適であり、収納密度を
格段に増大させることができる。もっとも、ジグザグ状
の格納経路を利用する場合でも、キャリアテープ２は往
復移動させてもよいのは勿論である。

【００３１】さらに、上記の部品供給方法を実現するの
に用いられる図１〜図３に示す部品供給装置としては、
前記カセット１１内に、前記キャリアテープ２の部品収
納部１が開放されている一面側に摺接するガイド壁面５
を持った移動経路６としての渦巻き状の格納経路１２
と、この格納経路１２の中心部に位置してキャリアテー
プ２を巻き戻す巻き戻し軸１３と、前記格納経路１２か
ら繰り出されるキャリアテープ２を巻き取る巻取り軸１
４を持った巻取り部１５とを有し、前記格納経路１２の
繰り出し部１２ａのガイド壁面５の一部にカセットケー
ス１１の外面に通じる前記開口７としての部品出し入れ
開口１６を設けるとともに、キャリアテープ２を巻取り
軸１４または巻き戻し軸１３と協働して所定ピッチずつ
巻取り軸１４側または巻き戻し軸１３側に移動させる送
り手段１７を備えている。

【００３２】これにより、前記一面側に開放された部品
収納部１に部品８を収納保持したキャリアテープ２を、
前記カセット１１内に有する渦巻き状の格納経路１２に
収容することにより、キャリアテープ２の前記一面側が
格納経路１２のガイド壁面５に摺接することによって、
部品収納部１から部品８が脱落するのを防止する状態に
密度高く収納して、したがって多数の部品８をコンパク
トに収容して種々に取扱い、また使用することができ
る。

【００３３】また送り手段１７を正方向に働かせてキャ
リアテープ２を格納経路１２の中心部に位置する巻き戻
し軸１３側から巻取り部１５に位置する巻取り軸１４側
に所定ピッチずつ移動させることにより、キャリアテー
プ２を巻き戻し軸１３および渦巻き状の格納経路１２か
ら繰り出して送り手段１７と協働する巻取り部１５の巻
取り軸１４に巻き取られるようにしながら、各部品収納
部１をガイド壁面５の格納経路１２からの繰り出し部１
２ａに設けられた外部に通じる部品出し入れ開口１６に
順次対向させて、この部品出し入れ開口１６を通じて外
部からの吸着ノズル９等による部品８のピックアップに
供して部品８を実装機等に供給することができ、かつ部
品８を供給し終えた場合は、送り手段１７を逆方向に働
かせてキャリアテープ２を巻き戻し軸１３側に移動させ
ることにより、使用後のキャリアテープ２を巻取り軸１
４および巻取り部１５から繰り出して送り手段１７と協
働する巻き戻し軸１３により巻き戻されるようにしなが
ら、前記部品８の供給によって空になっている各部品収
納部１を前記部品出し入れ開口１６に順次対向させて、
新しい部品８を外部から収納できるようにするととも
に、部品８を収容したキャリアテープ２は前記巻き戻し
で格納経路１２内に引き戻されてガイド壁面５と摺接す
ることにより収容した部品８が脱落しない状態とし、部
品８を収納し終えることにより前記種々に取扱い、また
リサイクル使用できるようにすることができる。

【００３４】格納経路１２の繰り出し部１２ａはストレ
ートな形状としてあるが、このような形状に限定される
ものではない。場合によっては渦状のまま、あるいは適
当に湾曲した形状にて格納経路１２から延びた部分とす
ることもできる。

【００３５】キャリアテープ２は巻き戻し軸１３および
巻取り軸１４に直接接続すると、前記部品出し入れ開口
１６の位置に移動させられない部分、つまり使用できな
い無駄な部分が生じる。そこで本実施例では、キャリア
テープ２は図１に示すようにリーダテープ２１および２
２を介して巻き戻し軸１３および巻取り軸１４に接続し
てある。これによると、前記巻取りおよび巻き戻しのた
めにキャリアテープ２の両端部に使用できない無駄な部
分が生じるのを防止することができる。もっとも、この
ためには、巻き戻し軸１３側のリーダテープ２１は巻き
戻し軸１３から格納経路１２を経て部品出し入れ開口１
６に到達できる長さが最小限必要であり、同様に巻取り
軸１４側のリーダテープ２２は巻取り軸１４から巻取り
部１５で部品出し入れ開口１６に到達できる長さが最小
限必要である。

【００３６】送り手段１７はキャリアテープ２を所定ピ
ッチずつ正確に移動させるために、図に示すようにスプ
ロケット２３を用いて、キャリアテープ２に設けた図１
の（ｂ）に示す送り穴２４に係合させるものとするのが
適当である。しかし、これに限るものではない。そし
て、このような送り手段１７は、本実施例や、図４に示
す本発明の第２の実施例のようにカセット１１内に設け
ても、図５に示す本発明の第３の実施例のようにカセッ
ト１１外に設けても、同様にキャリアテープ２を移動さ
せることができる。図５に示す第３の実施例のように外
部に設けるとカセット１１に装備する構造を簡略化し、
外部手段を共用して部品を供給し、また、収納すること
ができる。

【００３７】図１〜図３に示す第１の実施例に戻って、
カセット１１は例えば樹脂製のものとし、図１、図２に
示すように前記格納経路１２および巻取り部１５を片面
側に一体成形し、他の片面側に駆動室２５を一体成形し
た本体１１ａと、この本体１１ａの両面にねじ２６によ
り止められる蓋板１１ｂおよび１１ｃとからなり、巻取
り部１５の一部にはスプロケット２３を収容している。
スプロケット２３は前記繰り出し部１２ａに続くガイド
壁面５に近接して位置するだけの簡単な構造にて、ガイ
ド壁面５との間でキャリアテープ２の送り穴２４と確実
に係合し合って、キャリアテープ２を所定ピッチずつ安
定して往復移動させられるようにしてある。カセット１
１は金属製でもよいし、金属製外板の中に樹脂成形した
１つまたはそれ以上のブロックを収容して形成すること
もできる。

【００３８】巻取り部１５は巻取り軸１４のまわりに広
がる巻取り空室２７からなるものとしてあり、部品供給
後のキャリアテープ２が部品８の脱落の問題がないこと
を利用して、格納経路１２のようなガイド壁面５を設け
ることなく、したがって格納経路１２よりも構造が簡単
でしかも小さなスペースにて部品供給後のキャリアテー
プ２を巻取り収容することができる。しかも、キャリア
テープ２を巻き戻し軸１３側に巻き戻したときの、巻取
り軸１４側のリーダテープ２２が巻取り軸１４から部品
出し入れ開口１６にまで到達するのに必要な距離を図１
に示すように短くすることができ、この分だけリーダテ
ープ２２の必要長さを短くすることができる。

【００３９】駆動室２５内には、偏平モータ２８を設
け、巻き戻し軸１３、巻取り軸１４、およびスプロケッ
ト２３の回転軸２３ａのそれぞれに、ギヤ列２９を介し
て駆動力を伝達するようにしてあり、特に巻き戻し軸１
３と巻取り軸１４とには一方向クラッチ３１、３２を介
して、巻き戻し軸１３は巻き戻し方向の回転のみが、巻
取り軸１４は巻取り方向の回転のみが、それぞれ伝達さ
れるようにしてある。これによって、スプロケット２３
を偏平モータ２８によって、前記部品８の供給を行う方
向に正転させるときは、巻取り軸１４が巻取り方向に回
転されて協働し、スプロケット２３を偏平モータ２８に
よって、前記部品の収納を行い格納経路１２に収容する
方向に逆転させるときは、巻き戻し軸１３が巻き戻し方
向に回転されて協働する。

【００４０】前記部品供給テーブル３にはカセット１１
を適宜な構造で着脱できるように装着すればよい。本実
施例では、図１に示すようにカセット１１を着脱できる
ように装着する凹部４１を有し、この凹部４１の後部に
多数のカセット１１を位置決めして装着するための位置
決め凹部４２を設けてある。これに対応してカセット１
１の後端下部には前記位置決め凹部４２に係合する係合
突部４３を設け、この係合突部４３を前記位置決め凹部
４２に係合させた状態で、カセット１１の前端部を凹部
４１内に押し下げることにより、カセット１１を凹部４
１の所定位置に装着できるようにしてある。

【００４１】またカセット１１の前端部には、図１、図
３に示すように、凹部４１の各カセット装着位置の前部
に設けられた係止部４４と弾性係合するロック爪４５
が、駆動室２５を利用して常時突出するようにばね４６
で付勢して設けられ、前記位置決めしたカセット１１の
前端部を凹部４１内に押し下げたときロック爪４５が係
止部４４に自動的に係合し、カセット１１を位置決め状
態にロックできるようにしている。ロック爪４５にはカ
セット１１の前端に突出する押動操作部４５ａを有し、
これを外部から押動することによりロック爪４５をばね
４６に抗して後退させる。このときロック爪４５の係止
部４４との係合が外れるので、カセット１１の前端部を
持ち上げるようにすることにより、前記位置決め位置か
ら取り外せるようになっている。

【００４２】また、カセット１１の前端部の押し下げ
や、持ち上げに際し、凹部４１の底部との間で電気的接
続を行う図１に示す雌雄のジャック５１、５２が同時に
接合し合い、またはこの接合が解除できるようにしてあ
り、偏平モータ２８への電源供給等ができるようにして
ある。

【００４３】もっとも、カセット１１には部品の供給終
了や部品の収納終了、キャリアテープ２の巻取り側最終
位置、巻き戻し側最終位置等を検出するフォトセンサや
トルクセンサ等の必要な各種のセンサを設けて、検出信
号を外部の制御装置に送信できるようにするのが好適で
ある。

【００４４】図１〜図３に示すキャリアテープ２を往復
移動させるタイプのものにおいて、渦巻き状の格納経路
１２をジグザグ状の格納経路とする場合、この経路の両
端部に巻き戻し軸１３および巻取り軸１４を位置させれ
ばよい。

【００４５】図５に示す本発明の第２の実施例は、カセ
ット１１内に設けたスプロケット２３を所定量ずつ駆動
するラチェット機構６１を設け、このラチェット機構６
１のフィードレバー６２を部品供給位置に設けられる外
部の駆動手段６３により押動することによりスプロケッ
ト２３を所定量ずつ駆動できるようにしてある。

【００４６】これによって送り手段１７の駆動源を各カ
セット１１に共通して利用できるようになる。

【００４７】図６に示す本発明の第４の実施例は、前記
したようにカセット１１外に、送り手段１７としてのス
プロケット２３を設けたもので、カセット１１にはこの
スプロケット２３がキャリアテープ２の送り穴２４に係
合できるように内部に臨ませる窓６５を有するととも
に、前記係合が確実であるようにキャリアテープ２のス
プロケット２３と対向する部分の裏面側にはこれをバッ
クアップするガイド壁面１６６を設けてある。これによ
りキャリアテープ２の所定ピッチずつの移動を外部の送
り手段１７にて安定して達成することができる。なお図
に示す６７、６８はガイドローラであり、必要に応じて
スプロケット等に変更することもできる。

【００４８】なお、第１〜第３の各実施例において、移
動経路６を形成する対向壁の一方が前記ガイド壁面５と
して、キャリアテープ２の部品収納部１が開口している
一面側での部品の脱落を防止しているが、他方はキャリ
アテープ２をガイド壁面５に沿わせればよくガイド壁面
５のようにキャリアテープ２の一面の全面と摺接する必
要はなく、キャリアテープ２がガイド壁面５に沿って移
動させられるようにガイドするものであれば、幅狭なレ
ール形状等どのような形態のものとすることもできる。

【００４９】図７は本発明の第５の実施例を示し、前記
第１〜第３の各実施例の一面側に部品収納部が開口した
キャリアテープに代えて、部品収納部１が表裏両面に開
口したキャリアテープ２を用いる場合を示している。

【００５０】このため、第１〜第４の各実施例のような
各種の移動経路６を形成する対向壁の双方を双方がキャ
リアテープ２の表裏に接するガイド壁面５とし、部品収
納部１に収納される部品の脱落を防止する。これによっ
て、キャリアテープ２に長手方向に順次に穿孔した単な
る穴だけで部品収納部１として機能させられるので、キ
ャリアテープ２のコストをさらに低減することができ
る。

【００５１】キャリアテープ２がエンドレスでない場合
は、本実施例で示しているようにキャリアテープ２の両
端にリーダテープ８１を設けるのが、キャリアテープ２
を巻取りや繰り出しにより往復移動させるのに便利であ
る。

【００５２】

【発明の効果】本発明の部品供給方法によれば、部品収
納部が長手方向に配列されたキャリアテープを、移動経
路に収容して、キャリアテープに被覆テープを施すこと
なく収容状態および移動状態のいずれにおいても、開口
したままの部品収納部に収納保持した部品がキャリアテ
ープから脱落するようなことなく取り扱えるようにする
とともに、キャリアテープを単に徃移動または循環移動
させるだけで、キャリアテープの部品を収納保持してい
る各部品収納部を前記ガイド壁面の一部にカセットの外
面に通じるように設けられた開口に露出状態にて順次に
対向させて、被覆テープの分離や巻取りのための機構や
作業を必要とすることなく前記開口を通じた部品のピッ
クアップに供して部品を供給することができる。

【００５３】また、部品を供給し終えた場合、キャリア
テープを復移動または循環移動させながら、部品を供給
し終えている各部品収納部を前記ガイド壁面の一部にカ
セットの外面に通じるように設けられた開口に順次対向
させて、新たな部品を収納していくだけで、巻き取った
被覆テープの巻き戻しや再度の貼り合わせの必要なく、
キャリアテープを各部品収納部に部品を収納保持した状
態での元の収容状態に戻して、前記同様に部品を繰り返
し供給できるようにして、必要部材および動作ないし作
業の少ない簡単な操作および取扱いにて、カセットおよ
びこれに収容したキャリアテープをリサイクル使用しな
がら部品を供給することができる。

【００５４】本発明の部品供給装置によれば、前記キャ
リアテープを、前記カセット内に有する渦巻き状の格納
経路に収容して、部品が脱落するのを防止する状態に密
度高く収納し、したがって多数の部品をコンパクトに収
容して種々に取扱い、また使用することができる。

【００５５】またキャリアテープを格納経路の中心部に
位置する巻き戻し軸側と、巻取り部に位置する巻取り軸
との間での、所定ピッチずつの一方から他方、他方から
一方への移動と、これに伴う巻取り軸または巻き戻し軸
の協働とによって、巻き戻し軸および渦巻き状の格納経
路から繰り出し、あるいは逆に巻取り軸および巻取り部
から繰り出して、キャリアテープの部品を収納している
各部品収納部、または部品供給後の空になっている各部
品収納部を、前記部品出し入れ開口に順次対向させて、
各部品収納部に収納している部品を順次供給し、または
新しい部品を空になっている部品収納部に順次に収納で
きるようにして、前記部品供給方法を容易かつ確実に達
成することができる。

【００５６】巻取り部は巻取り軸まわりに広がる巻取り
空室を有したものとすると、部品供給後のキャリアテー
プは部品の脱落の問題がないことを利用して、格納経路
のようなガイド壁面を設けることなく、したがって格納
経路よりも構造が簡単でしかも小さなスペースにて部品
供給後のキャリアテープを巻取り収容することができ
る。

【００５７】キャリアテープはリーダテープを介して巻
取り軸および巻き戻し軸に接続されていると、前記巻取
りおよび巻き戻しのためにキャリアテープの両端部に使
用できない無駄な部分が生じるのを防止することができ
る。

【００５８】送り手段はカセット内に設けられたもので
も、カセット外に設けられたものでも、キャリアテープ
を部品供給および収納のために同様に移動させることが
でき、外部に設けたものとすることによりカセットに装
備する構造を簡略化し、また１つの送り手段を共用して
部品の供給を行うことができる。

【００５９】以上の部品供給方法および部品供給装置に
おいて、部品収納部が表裏両面に開口したキャリアテー
プを適用すると、キャリアテープに長手方向に順次に穿
孔した単なる穴だけで部品収納部として機能させられる
ので、キャリアテープのコストをさらに低減することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例としての部品供給方法お
よび部品供給装置を示す断面図およびキャリアテープの
断面図、平面図である。

【図２】図１の部品供給装置のカセットをキャリアテー
プ収容部側を開放して示す斜視図である。

【図３】図１の部品供給装置のカセットを駆動室側を開
放して示す斜視図である。

【図４】本発明の第２の実施例としての部品供給装置の
カセットの一部を示す断面図である。

【図５】本発明の第３の実施例としての部品供給装置の
カセットを示す断面図である。

【図６】本発明の第４の実施例としての部品供給装置の
カセットの概念図である。

【図７】本発明の第５の実施例としての部品供給装置の
カセットの一部を示す断面図である。

【符号の説明】 １ 部品収納部 ２ キャリアテープ ３ 部品供給テーブル ５ ガイド壁面 ６ 移動経路 ７ 開口 ８ 部品 ９ 吸着ノズル １１ カセット １２、７１ 格納経路 １２ａ 繰り出し部 １３ 巻き戻し軸 １４ 巻取り軸 １５ 巻取り部 １６ 出し入れ口 １７ 送り手段 ２３ スプロケット ２４ 送り穴 ２８ 偏平モータ ６１ ラチェット機構 ６３ 駆動手段

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 部品収納部が長手方向に配列されたキャ
   リアテープを、部品供給位置に着脱されるカセット内
   の、前記部品収納部が開放された面がガイド壁面に摺接
   するようにした移動経路に収容し、この移動経路にてキ
   ャリアテープを往移動または循環移動させて、前記ガイ
   ド壁面の一部にカセットの外面に通じるように設けられ
   た開口に部品収納部が対向する都度、この開口を通じて
   部品を外部からのピックアップに供するようにして部品
   の供給を行い、部品を供給し終えた場合、キャリアテー
   プを復移動または循環移動させ、部品収納部が前記ガイ
   ド壁面の一部にカセットの外面に通じるように設けられ
   た開口と対向する都度、この開口を通じて部品収納部に
   部品を収納し、部品を収納し終えた場合、再度キャリア
   テープを徃移動または循環移動させて前記同様に部品の
   供給を行い、以後、同様の操作を繰り返して部品を供給
   することを特徴とする部品の供給方法。
2. 【請求項２】 前記カセット内に、キャリアテープの長
   手方向に配列された部品収納部が開放されている面に摺
   接するガイド壁面を持った渦巻き状の格納経路と、この
   格納経路の中心部に位置してキャリアテープを巻き戻す
   巻き戻し軸と、前記格納経路から繰り出されるキャリア
   テープを巻き取る巻取り軸を持った巻取り部とを有し、
   前記格納経路の繰り出し部のガイド壁面の一部にカセッ
   トケースの外面に通じる部品出し入れ開口を設けるとと
   もに、キャリアテープを巻取り軸または巻き戻し軸と協
   働して所定ピッチずつ巻取り軸側または巻き戻し軸側に
   移動させる送り手段を備えたことを特徴とする部品供給
   装置。
3. 【請求項３】 キャリアテープは部品収納部がキャリア
   テープの表裏両面に開口している請求項２に記載の部品
   供給装置。
4. 【請求項４】 巻取り部は巻取り軸まわりに広がる巻取
   り空室からなる請求項２、３のいずれかに記載の部品供
   給装置。
5. 【請求項５】 キャリアテープはリーダテープを介して
   巻取り軸および巻き戻し軸に接続されている請求項２〜
   ４のいずれかに記載の部品供給装置。
6. 【請求項６】 送り手段はカセット内に設けられている
   請求項２〜５のいずれかに記載の部品供給装置。
7. 【請求項７】 送り手段はカセット外に設けられている
   請求項２〜５のいずれかに記載の部品供給装置。
8. 【請求項８】 キャリアテープは部品収納部がキャリア
   テープの表裏両面に開口しているものを用いる請求項２
   〜７のいずれかに記載の部品の供給方法。