JPH0724931B2 - 多気筒内燃機関用シリンダブロック素材の成形用鋳型における溶湯充填制御方法 - Google Patents

多気筒内燃機関用シリンダブロック素材の成形用鋳型における溶湯充填制御方法

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JPH0724931B2
JPH0724931B2 JP2246590A JP24659090A JPH0724931B2 JP H0724931 B2 JPH0724931 B2 JP H0724931B2 JP 2246590 A JP2246590 A JP 2246590A JP 24659090 A JP24659090 A JP 24659090A JP H0724931 B2 JPH0724931 B2 JP H0724931B2
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【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、多気筒内燃機関用シリンダブロック素材を鋳
造成形するために用いる鋳型における溶湯充填制御方法
に関する。
(2) 従来の技術 従来、この種鋳型としてはシリンダブロック成形用キャ
ビティの横方向両側部下縁に略沿って一対の湯道を配設
したものが知られている。この場合、両湯道の天面およ
び底面は、それらの給湯部側の上流端から下流端にかけ
て略水平に形成されている。
(3) 発明が解決しようとする課題 しかしながら、前記のように各湯道の断面積を略全長に
亘って均一に形成すると、キャビティの給湯部側とそれ
と反対側とでは溶湯の充填時期が異なり、即ち、キャビ
ティ内における湯面の上昇が各部で不均一となるため、
キャビティ内において溶湯が乱流を起こして空気等のガ
スを巻込み、素材に巣が発生するという不具合がある。
本発明は上記に鑑み提案されたもので、キャビティ内に
おける湯面の上昇がその全域に亘って略均一になるよう
にして、溶湯が乱流を起こすことがないようにした前記
方法を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、多気筒内燃機関用
シリンダブロック素材の形状に対応したキャビテイと、
該キャビティの横方向両側部下縁に略沿って延びる一対
の湯道と、各湯道及び前記キャビティ間を連通する複数
の堰と、各湯道の上流端に連通する給湯部とを有する、
多気筒内燃機関用シリンダブロック素材の成形用鋳型に
おける溶湯充填制御方法において、各湯道の上流から下
流に向けて各湯道の底面を上り階段状に形成すると共に
各湯道の天面を略水平に形成して各湯道の断面積を段階
的に減少させた前記鋳型を使用し、前記湯道の断面積設
定により、該湯道から各堰を通してキャビティ内にそれ
ぞれ流入する溶湯の、該キャビティ内における湯面上昇
がその全域で略均等になるようにしたことを特徴とす
る。
(2) 作用 湯道の上り階段状底面によって湯道内の溶湯の流速を下
流に向かうにつれて漸次速めることができるから、給湯
部から遠く離れた下流側の堰を通してもキャビティ内へ
必要量の溶湯が遅延なく導入される。
その上、多気筒内燃機関用シリンダブロックの複雑な形
状構造に対応してキャビティの、長手方向の容積分布が
各部一様でなくても、前記湯道の断面積設定によって、
湯道より各堰を通してキャビティ内へそれぞれ流入する
溶湯の、キャビティ内における湯面をその全域に亘って
略均等に上昇させることができるから、溶湯へのガスの
巻込みを効果的に防止することができる。
(3) 実施例 第1〜第3図はサイアミーズ型シリンダブロックSを示
し、それはアルミニウム合金製シリンダブロック本体2
と、その本体2に鋳ぐるまれた鋳鉄製スリーブ3とより
なる。シリンダブロック本体2は、直列に並ぶ複数、図
示例は4個のシリンダバレル11〜14相互を結合してなる
サイアミーズシリンダバレル1と、そのサイアミーズシ
リンダバレル1を囲繞する外壁部4と、外壁部4の下縁
に連設されたクランクケース5とより構成され、各シリ
ンダバレル11〜14に前記スリーブ3が鋳包まれており、
各スリーブ3によりシリンダボア3aが形成される。
サイアミーズシリンダバレル1と外壁部4間には、サイ
アミーズシリンダバレル1の外周が望む水ジャケット6
が形成される。その水ジャケット6におけるシリンダヘ
ッド側端部において、サイアミーズシリンダバレル1と
外壁部4間は複数の補強デッキ部8により部分的に連結
され、相隣る補強デッキ部8間はシリンダヘッド側への
連通口7として機能する。これによりシリンダブロック
Sはクローズドデッキ型に構成される。
第5〜第9図は、第4図に示すシリンダブロック素材Sm
の鋳造装置を示し、その装置は本発明に係る鋳型として
の金型Mを備え、その金型Mは昇降自在な上型9と、そ
の上型9の下方に配設され、第5,第6図において左右二
つ割の第1および第2側型101,102並びに第7図におい
て左右二つ割の第3および第4側型103,104と、各側型1
01〜104を摺動自在に載置する下型11とより構成され
る。
上型9の下面には、各側型101〜104の上半部と協働して
サイアミーズシリンダバレル1および外壁部4を成形す
るための第1キャビティ摺動を画成する型締め用凹部
12が形成され、その凹部12と嵌合する型締め用突部13が
各側型101〜104の上面に突設される。
第7,第8図に示すように、下型11には給湯部Aが設けら
れ、その給湯部Aは溶解炉(図示せず)よりアルミニウ
ム合金よりなる溶湯を受ける湯溜部14と、その湯溜部14
に連通する給湯シリンダ15と、その給湯シリンダ15に摺
合されるプランジヤ16とよりなる。また下型11には、湯
溜部14より2本に分岐して第1キャビティC1の長手方向
(即ちクランク軸線方向)に延びる一対の湯道17が形成
される。さらに下型11は両湯道17間において上方へ突出
する成形ブロック18を有しており、その成形ブロック18
は各側型101〜104の下半部と協働してクランクケース5
を成形するための第2キャビティC2を画成する。その第
2キャビティC2の上端は前記第1キャビティC1に直接連
通し、また同第2キャビティC2の横方向(第8図上下方
向)の両側部下縁は、さらに略沿って延びる前記両湯道
17に複数の堰19を介して連通する。これら第1および第
2キャビティC1,C2はシリンダブロック成形用キャビテ
ィCを構成する。
成形ブロック18は、所定の間隔で形成された背の高い4
個のかまぼこ形第1成形部181と、相隣る第1成形部181
間および最外側の両第1成形部181の外側に位置する凸
字形第2成形部182とよりなり、各第1成形部181はクラ
ンクピンおよびクランクアーム用回転空間20(第2,第3
図)を形成するために用いられ、第2成形部182はクラ
ンクジャーナルの軸受ホルダ21(第2,第3図参照)を形
成するために用いられる。各堰19は各第2成形部182
対応して設けられている。
各湯道17の、湯溜部14に連通する上流端から下流端であ
る湯道先17aに向けて、両湯道17の底面17bは数段の上り
階段状に形成されており、また両湯道17の天面17cは略
水平に形成され、したがって両湯道17の断面積は給湯部
Aから湯道先17aに向けて段階的に減少している。各段
部17dに連なる各立上がり部17eは各堰19に対応して配設
され、また溶湯を各堰19に効率よく導くことができるよ
うに斜めに形成される。
而して湯道17の底面17bを上記の如く上り階段状に形成
したことにより、湯道17内の溶湯の流速を下流に向かう
につれて漸次速めることができる(例えば断面積の比較
的大きな上流側の湯道17では大量の溶湯を遅い速度で堰
19を通して第2キャビティC2に充填し、また断面積の比
較的小さい下流側の湯道17では少量の溶湯を速い速度で
堰19を通して第2キャビティC2に充填することができ
る)。その結果、給湯部Aから遠く離れた下流側の堰19
を通してもキャビティC内へ必要量の溶湯を遅延なく導
入することができる。
その上、多気筒内燃機関用シリンダブロック素材Smの複
雑な形状構造に対応してキャビティC(特に第2キャビ
ティC2)の、長手方向の容積分布が各部一様でなくて
も、前記湯道17の断面積、又は湯道17と堰19の両断面積
を適宜設定することによって、湯道17より各堰19を通し
て第2キャビティC2内へそれぞれ流入する溶湯の、キャ
ビティC2内の湯面をその全域に亘って略均等に上昇させ
ることができる。即ち第2キャビティC2の特に容積の大
きな部分には、その部分に対応した堰19から溶湯を比較
的速やかに、また第2キャビティC2の特に容積の小さな
部分には、その部分に対応した堰19から溶湯が比較的緩
やかに充填されるようにそれぞれ溶湯の流入量を制御し
て、溶湯の、キャビティC2内における湯面をその全域に
亘って略均等に上昇させることができるから、溶湯への
ガスの巻込みを効果的に防止することができ、シリンダ
ブロック素材Smにおける巣の発生が回避される。また溶
湯の充填作業が全体として効率良く行われるので、鋳造
能率を向上させることができる。
第5,第6図に示すように各第1成形部181の頂面には、
鋳鉄製スリーブ3の内周面と嵌合する位置決め突起22が
突設され、その位置決め突起22の中心には凹部23が形成
される。また両側に位置する2つの第1成形部181
は、位置決め突起22の両側において第1成形部181を貫
通する貫通孔24が形成され、それら貫通孔24に一対の仮
設置ピン25がそれぞれ摺合され、それら仮設置ピン25
は、後述する水ジャケット用砂中子の仮設置のために用
いられる。両仮設置ピン25の下端は、成形ブロック18の
下方に配設された取付板26に固定される。その取付板26
には2本の支持ロッド27が挿通され、各支持ロッド27の
下部と取付板26の下面との間にはコイルばね28が縮設さ
れる。型開き時には、取付板26は各コイルばね28の弾発
力を受けて各支持ロッド27先端のストッパ27aに当接す
るまで上昇し、これにより各仮設置ピン25の先端は第1
成形部181頂面より突出している。各仮設置ピン25の先
端面には砂中子の下縁と係合する凹部25aが形成され
る。
また両側に位置する2つの第1成形部181には、両貫通
孔24間の二等分位置において第1成形部181を貫通する
貫通孔29が形成され、その貫通孔29に下端を取付板26に
固定された作動ピン30が摺合される。型開き時には、作
動ピン30の先端は凹部23内に突出し、また型閉め時には
後述する拡径機構により押し下げられ、これにより両仮
設置ピン25を第1成形部181頂面より引き込ませるよう
になっている。
第1および第2側型101,102における第2キャビティC2
を画成する壁部の中央部分には砂中子を本設置するため
の中子受31が2個所宛設けられている。各中子受31は砂
中子の位置決めを行う係合孔31aと、その開口部外周に
形成されて砂中子を挟持する挟持面31bとよりなる。
上型9の型締め用凹部12には、第1キャビティC1に連通
して溶湯をオーバフローさせるための複数の第3キャビ
ティC3および連通口7を成形するための第4キャビティ
C4がそれぞれ形成され、また上型9には各第3キャビテ
ィC3および第4キャビィC4に連通する貫通孔32,33がそ
れぞれ形成される。
それら貫通孔32,33には閉鎖ピン34,35がそれぞれ挿入さ
れ、それら閉鎖ピン34,35の上端は上型9の上方に配設
される取付板36に固定される。
各貫通孔32,34の、両キャビティC3,C4に対する連通端か
ら上方へ所定の長さに亘って延びる小径部32a,33aは各
閉鎖ピン34,35と嵌合して第3キャビティC3および第4
キャビティC4を閉鎖し得るが、その外の部分の直径は各
閉鎖ピン34,35の直径よりも大きく、これにより各閉鎖
ピン34,35と各貫通孔32,33間に空気通路37,38が形成さ
れる。
上型9の頂面と取付板36間には、油圧シリンダ39が介装
され、その油圧シリンダ39の作動により取付板36を昇降
して各閉鎖ピン34,35により各小径部32a,33aを開閉する
ようになっている。40は取付板36の案内ロッドである。
上型9には、各シリンダバレル11〜14に鋳ぐるまれるス
リーブ3を保持するための拡径機構41が設けられ、その
機構41は下記のように構成される。
上型9には、作動ピン30の延長軸線に中心線を合致させ
た貫通孔42が形成され、その貫通孔42に支持ロッド43が
遊挿される。その支持ロッド43の上端は上型9の頂面に
立設されたブラケット44に固定され、またその下端に溶
湯浸入防止板45が固着される。溶湯浸入防止板45の下面
には、下型11における第1成形部181頂面の凹部23に嵌
合し得る凸部45aが形成される。
中空の保持筒46は円形の外周面と、上部から下部に向け
て下り勾配のテーパ孔47を有し、上型9から下方へ突出
する支持ロッド43の下部は保持筒46のテーパ孔47に遊挿
され、その保持筒46の上端面は上型9の凹部12に突設さ
れた凸部48に当接し、また下端面は溶湯浸入防止板45に
当接する。第9図に示すように保持筒46の周壁部にはそ
の内周面および外周面より半径方向に延びる複数のすり
割溝49が交互に且つ円周上等間隔に形成される。
支持ロッド43には、保持筒46を拡径するための中空状作
動ロッド50が支持ロッド43の略全長に亘って摺合され、
その作動ロッド50は保持筒46のテーパ孔47に嵌合するテ
ーパ部50aと、そのテーパ部50aに連設されて上型9の貫
通孔42に摺合されると共に上型9より突出する真円部50
bとよりなる。テーパ部50aには複数のピン57が突設さ
れ、それらピン57は保持筒46の上下方向に長いピン孔58
に挿入され、これによりテーパ部50aの上下動を許容し
つつ保持筒46の回止めがなされる。
上型9の頂面には、油圧シリンダ51が固定され、その中
空ピストン52の上端面および下端面に突設された中空ピ
ストンロッド531,532がシリンダ本体54の上端壁および
下端壁をそれぞれ貫通している。中空ピストン52および
中空ピストンロッド53を貫通する貫通孔55には作動ロッ
ド50の真円部50bが挿入され、その真円部50bの環状溝に
嵌めた抜止めストッパ561,562を中空ピストンロッド5
31,532の上、下端面にそれぞれ当接させて中空ピストン
52により作動ロッド50を昇降するようになっている。前
記拡径機構41はシリンダブロックSの各シリンダバレル
11〜14に対応して4機設けられる。
第10,第11図は水ジャケット用砂中子59を示し、その砂
中子59は、シリンダブロックSの4本のシリンダバレル
11〜14に対応して4本の円筒部601〜604を備えると共に
それらの相隣るもの相互の重合する周壁を欠如させた中
子本体61と、水ジャケット6をシリンダヘッドの水ジャ
ケットに連通する連通口7および補強デッキ部8を形成
すべく、中子本体61の上端面に突設された複数の突起62
と、中子本体61のシリンダバレル配列方向両外側面、図
示例は中間に位置する2本の円筒部602,603の両外側面
にそれぞれ突設された幅木63とより構成される。各幅木
63は中子本体61と一体の大径部63aと、その端面に突設
される小径部63bとより形成される。この場合、突起62
は前記第4キャビティC4に遊挿されるようにその寸法設
定がなされる。
次に前記鋳造装置によるシリンダブロック素材Smの鋳造
作業について説明する。
先ず第5図に示すように、上型9を上昇させ、また相対
向する両側型101,102;103,104を互いに離間するように
移動させて型開きを行う。拡径機構41においては、各油
圧シリンダ51を作動させて中空ピストン52により作動ロ
ッド50を下降させ、テーパ部50aの下方移動により保持
筒46を縮径させておく。また上型9上の油圧シリンダ39
を作動させて取付板36を上昇させ、これにより各閉鎖ピ
ン34,35を第3,第4キャビティC3,C4に連通する小径部32
a,33aより離脱させる。さらに給湯シリンダ15内のプラ
ンジヤ16を下降させる。
略真円の鋳鉄製スリーブ3を各保持筒46に遊嵌し、スリ
ーブ3の上端開口を上型9の凸部48に嵌合して閉鎖し、
またスリーブ3の下端面を溶湯浸入防止板45の凸部45a
下端面に合致させると共に溶湯浸入防止板45によりスリ
ーブ3の下端開口を閉鎖する。そして拡径機構41の油圧
シリンダ51を作動させ、その中空ピストン52により作動
ロッド50を上昇させる。これによりテーパ部50aが上方
へ移動するので保持筒46が拡径し、スリーブ3は拡径力
を受けて保持筒46に確実に保持される。
第5,第11図に示すように砂中子59における両側の円筒部
601,604下縁を、下型11における両側の第1成形部181
頂面に突出する各仮設置ピン25の凹部25aに係合させて
砂中子59の仮設置を行う。
両側型101,102をそれらが互いに接近する方向に所定距
離移動させ、各中子受31と各幅木63とを係合して砂中子
59の本設置を行う。すなわち、各中子受31の係合孔31a
に砂中子59における各幅木63の小径部63bを嵌合して砂
中子59を位置決めし、また各大径部63aのシリンダバレ
ル配列方向と平行な端面を各中子受31の挟持面31bに衝
合して砂中子59をそれら挟持面31bにより挟持するもの
である。また、他の両側型103,104も同様に移動させ
る。
第6図に示すように、上型9を下降させて各スリーブ3
を砂中子59の各円筒部601〜604内に挿入し、溶湯浸入防
止板45の凸部45aを第1成形部181頂面の凹部23に嵌合す
る。これにより溶湯浸入防止板45の凸部45aにより作動
ピン30が押し下げられるので各仮設置ピン24が下降して
第1成形部181頂面より引込む。また上型9の型締め用
凹部12が各側型101〜104の型締め用凸部13に嵌合して型
締めが行われる。
下型11の湯溜部14に溶解炉よりアルミニウム合金よりな
る溶湯を供給し、プランジヤ16を上昇させて溶湯を両湯
道17より堰19を通じて第2キャビティC2の横方向両側部
下縁よりそのキャビティC2および第1キャビティC1に充
填する。両キャビティC1,C2内の空気等のガスは、溶湯
により押し上げられ第3,第4キャビティC3,C4に連通す
る空気通路37,38を経て上型9の上方へ抜ける。
この場合、両湯道17を前述のように湯溜部14側より湯道
先17aに向けて断面積が段階的に減少するように形成す
ると共に、その湯道17の断面積、又は湯道17と堰19の両
断面積を前述のように設定したので、プランジヤ16の上
昇により溶湯は両湯道17より各堰19を通じて第2キャビ
ティC2の両側部下縁各部にスムーズに流入し、その際に
その溶湯の湯面はキャビティC2内の全域に亘って略均等
に上昇する。したがって溶湯が両キャビティC1,C2内で
乱流を起こすことがなく、溶湯中への空気等のガスの巻
込みを防止して巣の発生を回避し得る。
第3,第4キャビティC3,C4に溶湯が充填された時点で、
上型9上の湯圧シリンダ39を作動させて取付板36を下降
させ、閉鎖ピン34,35によって両キャビティC3,C4に連通
する小径部32a,33aを閉鎖する。
前記注湯作業において、第2キャビティC2および第1キ
ャビティC1に溶湯を充填するためのプランジヤ16の変位
および溶湯圧力は第12図に示すように制御される。
即ち、プランジヤ16はその移動速度を第1〜第3速V1
V3の3段階に制御される。本実施例では第1速V1は0.08
〜0.12m/sec,第2速V2は0.14〜0.18m/sec,第3速V3は大
幅な減速状態となるように0.04〜0.08m/secにそれぞれ
設定され、この3段階の速度制御によって溶湯の波立を
防止して空気等のガスを巻き込むことのない静かな溶湯
流を形成し、その溶湯を前記両キャビティC2,C1に効率
良く充填することができる。
またプランジヤ16の第1速V1では、溶湯は両湯道17等に
充満するだけであるから溶湯の圧力P1は略一定に保持さ
れ、プランジヤ16の第2,第3速V2,V3では溶湯は両キャ
ビティC1,C2に充填されるので溶湯の圧力P2は急激に上
昇する。プランジヤ16を第3速V3で所定時間移動させた
後は、溶湯の充填圧P3を約1.5秒間、150〜400kg/cm2
保持し、これにより砂中子59を溶湯により完全に包んで
その表面に溶湯凝固膜を形成する。
前記時間経過後においては、プランジヤ16を速度V4で減
速移動させるので溶湯の圧力P4は上昇し、その圧力P5
200〜600kg/cm2となったときプランジヤ16の移動を止め
てこの状態で溶湯を凝固させる。
前記のように溶湯の圧力を所定時間略一定に保つことに
より砂中子59の表面に溶湯凝固膜を形成すると、次の溶
湯加圧時に砂中子59が前記膜により保護されて破損する
ことがない。
また溶湯によって砂中子59が膨張するが、突起62に第4
キャビティC4に遊挿されているので、砂中子59の膨張に
突起62が追従し、これにより突起62の折れが回避され
る。
さらに砂中子59は、それの各幅木63を介して両側型101,
102により正確な位置に挟持されているので、第1キャ
ビティC1内への溶湯の充填時およびそのキャビティC1
の溶湯の加圧時において砂中子59が浮き上がったりする
ことがない。また各幅木63の大径部63aの端面が両側型1
01,102における中子受31の挟持面31bに衝合しているの
で、砂中子59が脹らみ傾向になると、その変形力は各挟
持面31bにより支承され、これにより砂中子59の変形が
防止されて各スリーブ3回りの肉厚が均一なサイアミー
ズシリンダバレル1が得られる。
前記のようにプランジヤ16の移動速度および溶湯の圧力
を制御することによってダイカスト鋳造と略同じ生産効
率を以てクローズドデッキ型のシリンダブロック素材を
鋳造することができる。
溶湯が凝固を完了した後、拡径機構41の油圧シリンダ51
を作動させ、作動ロッド50を下降させてスリーブ3に対
する保持筒46の拡径力を除去し、型開きを行うと第4図
に示すシリンダブロック素材Smが得られる。
前記シリンダブロック素材Smに研削加工を施して各第4
キャビティC4と砂中子59の各突起62との協働により成形
された各突出部64を除去すると、突起62により連通口7
が、また相隣る連通口7間に補強デッキ部8がそれぞれ
形成される。その後、砂抜きを行うことにより水ジャケ
ット6が得られ、さらに各スリーブ3の内周面に真円加
工を施し、さらにまたその他の所定の加工を施すと第1
〜第3図に示すシリンダブロックSが得られる。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、多気筒内燃機関用シリン
ダブロック素材の形状に対応したキャビティと、該キャ
ビティの横方向両側部下縁に略沿って延びる一対の湯道
と、各湯道及び前記キャビティ間を連通する複数の堰
と、各湯道の上流端に連通する給湯部とを有する、多気
筒内燃機関用シリンダブロック素材の成形用鋳型におけ
る溶湯充填制御方法において、前記各湯道の上流から下
流に向けて各湯道の底面を上り階段状に形成すると共に
各湯道の天面を略水平に形成して各湯道の断面積を段階
的に減少させた前記鋳型を使用し、前記湯道の断面積設
定により、該湯道から各堰を通してキャビティ内にそれ
ぞれ流入する溶湯の、該キャビティ内における湯面上昇
がその全域で略均等になるようにしたので、湯道の上り
階段状底面によって湯道内の溶湯の流速を下流に向かう
につれて漸次速めることができ、従って給湯部から遠く
離れた下流側の堰を通してもキャビティ内へ必要量の溶
湯を遅延なく導入することができる。その上、多気筒内
燃機関用シリンダブロックの複雑な形状構造に対応して
キャビティの、長手方向の容積分布が各部一様でなくて
も、前記湯道の断面積設定によって、湯道より各堰を通
してキャビティ内へそれぞれ流入する溶湯の、キャビテ
ィ内における湯面をその全域に亘って略均等に上昇させ
ることができるから、溶湯へのガスの巻込みを効果的に
防止することができ、従ってシリンダブロック素材にお
ける巣の発生が回避され高品質のシリンダブロック素材
が得られる。またキャビティ内への溶湯の充填が各部平
均化して行われることで、その充填作業を全体として効
率良く行うことができるから、鋳造作業能率の向上に寄
与し得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1乃至第3図はサイアミーズ型シリンダブロックを示
し、第1図は上方からみた斜視図、第2図は第1図II−
II線断面図、第2A図は第2図IIa−11a線断面図、第3図
は下方から見た斜視図、第4図はサイアミーズ型シリン
ダブロック素材を上方から見た斜視図、第5図は本発明
の一実施例を適用した鋳造装置の型開き時の縦断正面
図、第6図は前記鋳造装置の型閉め時の縦断正面図、第
7図は第6図VII−VII線断面図、第8図は第7図VIII−
VIII線断面図、第9図は第5図IX−IX線断面図、第10図
は砂中子を上方から見た斜視図、第11図は第10図XI−XI
線断面図、第12図は時間に対するプランジヤの変位およ
び時間に対する溶湯の圧力の関係を示すグラフである。 A……給湯部、C……シリンダブロック成形用キャビテ
ィ、M……鋳型としての金型、Sm……シリンダブロック
素材、 17……湯道、17b……底面、17c……天面、19……堰

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多気筒内燃機関用シリンダブロック素材
    (Sm)の形状に対応したキャビティ(C)と、該キャビ
    ティ(C)の横方向両側部下縁に略沿って延びる一対の
    湯道(17)と、各湯道(17)及び前記キャビティ(C)
    間を連通する複数の堰(19)と、各湯道(17)の上流端
    に連通する給湯部(A)とを有する、多気筒内燃機関用
    シリンダブロック素材の成形用鋳型における溶湯充填制
    御方法において、前記各湯道(17)の上流から下流に向
    けて各湯道(17)の底面(17b)を上り階段状に形成す
    ると共に各湯道(17)の天面(17c)を略水平に形成し
    て各湯道(17)の断面積を段階的に減少させた前記鋳型
    (M)を使用し、前記湯道(17)の断面積設定により、
    該湯道(17)から各堰(19)を通してキャビティ(C)
    内にそれぞれ流入する溶湯の、該キャビティ(C)内に
    おける湯面上昇がその全域で略均等になるようにしたこ
    とを特徴とする、多気筒内燃機関用シリンダブロック素
    材の成形用鋳型における溶湯充填制御方法。
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