JPH0724891A - プラスチック射出成形用ホットランナ - Google Patents

プラスチック射出成形用ホットランナ

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JPH0724891A
JPH0724891A JP19690093A JP19690093A JPH0724891A JP H0724891 A JPH0724891 A JP H0724891A JP 19690093 A JP19690093 A JP 19690093A JP 19690093 A JP19690093 A JP 19690093A JP H0724891 A JPH0724891 A JP H0724891A
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JP
Japan
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resin
passage
injection molding
hot runner
nozzle
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JP19690093A
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Satoshi Kitaichi
敏 北市
Chiaki Nakamura
千明 中村
Atsushi Fukuda
厚 福田
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Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
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    • B29C45/27Sprue channels ; Runner channels or runner nozzles
    • B29C45/2737Heating or cooling means therefor
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    • B29C2045/2745Film-like electrical heaters

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱・保温効率、温度制御性が良く、樹脂の
滞留がなく、成形サイクルが短縮できるプラスチック射
出成形用ホットランナを提供する。 【構成】 スプルー2a、ランナ2b,2c,ゲート2
dのような樹脂通路があるマニホルド5、ホットランナ
ノズル8などを電気絶緑材料で構成し、樹脂と接触する
面に導電膜14、24、26を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチック射出成形に
おけるホットランナに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの射出成形においては射出
成形機のノズルから金型のキャビティに溶融樹脂を射出
するのであるが、それには上記ノズルからキャビティに
至る樹脂の通路が必要である。この樹脂の通路で固化し
た樹脂は成形品としては不要なものであるので切断除去
する必要があり、また通路部の樹脂量だけ余分の材料を
必要とする。そこで樹脂通路における樹脂が冷却・固化
しない工夫が色々と試みられていた。
【0003】樹脂通路はその形状と占める位置によりス
プルー、ランナ、ゲート等の名称で呼ばれるが、上記工
夫の一つとしてホットランナと呼ばれる金型構造が用い
られている。
【0004】図10は従来のホットランナの構造を示し
たものである。キャビティ型3とコア型4とが閉じてキ
ャビティ10が形成される。射出成形機のノズル1から
射出された溶融樹脂は、スプルー2a、ランナ2b、ラ
ンナ2cを経て、ゲート2dよりキャビティ10に射出
される。ここではマニホルド5の内部に設けられる樹脂
通路をランナ2bと呼び、ホットランナノズル8の内部
に設けられた樹脂通路をランナ2cと呼んでいる。マニ
ホルド5はシーズヒータ6により加熱/保温され、ホッ
トランナノズル8はバンドヒータ7により加熱/保温さ
れているので、ランナ2b、ランナ2cの樹脂は上記加
熱により溶融状態を保っている。
【0005】この状態で射出成形が始まると上記ホット
ランナノズル8の内部のランナ2cに溜っていた溶融樹
脂はゲート2dから直接キャビティ10に射出される。
一定の冷却時間が経過するとキャビティ10内の樹脂が
固化するのでキャビティ型3とコア型4とを開いて成形
品を取り出す。
【0006】この時ゲート2dの樹脂の径は小さいので
容易に切断することができ、ランナの切断工程が不要で
ある。
【0007】またゲート2dにおける樹脂量は少ないの
で、すみやかに固化し、固化することによりゲート2d
を閉塞して溶融樹脂が流出するのを防ぐことができる。
【0008】また成形された製品はランナ部を有しない
から、ランナ分の材料の損失を防ぐことができる。
【0009】図11も従来のホットランナの構造を示し
たものである。この場合はホットランナノズル8におけ
るランナ2cはカートリッジヒータ9により加熱/保温
されている点が図10の場合と異なっている。図10の
バンドヒータ7に較べるとランナ2cの樹脂を直接加熱
しているので熱損失が少ない。
【0010】上記のスプルー2a、ランナ2b、ランナ
2c、ゲート2dを以下ではランナ2と総称する。
【0011】また従来例のホットランナの中には、ホッ
トランナノズルを所定の電気抵抗を有する導電性金属に
より形成し、ホットランナノズル自身を発熱させるよう
にしたものもある(例えば特公平1−59895号公報
参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記に説
明した従来のホットランナは以下に述べるような問題が
ある。
【0013】図10および図11においてホットランナ
ノズル8の先端部8aはキャビティ型3に部分的に接触
しているが、キャビティ型3は樹脂を冷却させるために
水管等で低い温度に維持されているので、先端部8aの
壁面温度も低下する。したがって上記先端部8aの壁面
に近いランナ2c内の樹脂2eと、壁面から遠いランナ
2c内の樹脂2fとの間に温度傾斜が生じる。この結
果、壁面に近い樹脂2eは粘度が大きくなり流動性が低
下する。壁面から遠い樹脂2fは温度低下が小さいので
粘度変化は少なく、したがって流動性も低下しないので
毎回の成形サイクル毎に新しい樹脂に入れ替わるが、壁
面に近い樹脂2eは流動性低下のために毎回の成形サイ
クルで完全に入れ替わらずに次の成形サイクルに持ち越
すことがある。そして持ち越された樹脂が次第に溜って
くるのでこの現象を「樹脂の滞留」と呼んでいる。滞留
した樹脂は樹脂特性が劣るし、特に樹脂の色替え時に
は、前ロットの色が残り次の色に混ざって不良品の原因
となることがある。
【0014】とりわけ、キャビティ型3の温度が何らか
の原因で設定温度より下がった時には、壁面から遠い樹
脂2fの温度も下がり流動が悪くなって、その結果ラン
ナ2cの通路を塞いでしまい樹脂の射出ができないとい
うトラブルを引き起こす場合もある。
【0015】滞留を防止するにはランナ2cの樹脂温度
を上げるのが良いが、樹脂温度を上げ過ぎると樹脂が分
解して樹脂特性が劣化するという問題を起こす。
【0016】以上のような事情でホットランナノズル8
の先端部8aでは、精密な温度制御が要求される。
【0017】ところが上述したようにホットランナノズ
ル8の加熱はバンドヒータ7で行なう例が多いが此の場
合には、熱はバンドヒータ7からホットランナノズル8
の壁を通じて樹脂に伝熱されるので、バンドヒータ7の
温度を変えても樹脂の温度は変化しにくい。つまり温度
の制御性は良くない。これに対し図11に説明したカー
トリッジヒータ9をホットランナノズル8の樹脂通路に
挿入した場合はバンドヒータ7に較べると加熱効率はよ
くなりその分、制御性も良くなるが、カートリッジヒー
タ9を挿入する構造が複雑になりコストアップとなり、
また挿入口から樹脂が漏れ出すという問題もある。
【0018】またホットランナノズル8の先端部8aと
キャビティ型3との接触面積を小さくして、伝熱による
温度低下を小さくして樹脂の滞留を防ぐ方法も考えられ
る。しかし樹脂射出の間は樹脂の流動性を確保するため
高い温度に維持することが必要であるが、射出が終わり
冷却工程に入れば、速やかに温度を下げてゲート2dに
おける樹脂の冷却固化を促進して冷却サイクルを短縮し
なければならない。
【0019】このためにはむしろ接触面積を増やして伝
熱量を大きくしなければならない。したがって接触面積
を小さくして樹脂の滞留を防ぐ方法は成形サイクルを短
縮する要求と矛盾する。
【0020】また多数個取りの金型あるいは成形品の形
状によっては複数のホットランナのゲートを用いてキャ
ビティに樹脂を射出する場合がある。このような場合に
複数のゲートの開閉を同時に行なってよい場合もある
が、特定のゲートの開口を遅らせたり早めたりしなけれ
ばならない場合もある。このようなゲートの開閉を遅速
したい要求に対しては上述した従来のホットランナでは
応えることができない。その場合にはゲート部に機械的
なバルブを組み込んだいわゆる「バルブゲート」を用い
なければならないが、バルブゲートは一般に高価であ
り、また構造が複雑で故障し易いという問題もあった。
【0021】特公平1−59895号公報に開示のもの
は、電流のON/OFFでゲート部の樹脂を溶融/固化
できるので、可動部を用いずにゲート部を開閉できる特
徴がある。ところがゲート部を開閉するには短時間でゲ
ート部の樹脂を溶融させねばならず、それには比較的大
きな電力をゲート部に集中させてパルス的にON/OF
Fする必要がある。一方、マニホルド部のように樹脂の
保温を目的とする部分では、一旦温度上昇した後は、小
さな電力を比較的長い周期でON/OFFさせた方がよ
い。しかし特公平1−59895号公報に開示のもの
は、ゲート部と保温部とが1つの電気回路で構成されて
いるので加える電力量をゲート部と保温部とで分けて制
御することが困難であるという問題がある。
【0022】さらに従来例のホットランナのマニホルド
5の場合は、図10に示すように樹脂の通路の外側にシ
ーズヒータ6を装着しているので、マニホルド5の外部
に熱が放散しやすい構造になっていた。そのためマニホ
ルドの加熱効率を低下させるという問題の外に、金型の
他の部分が不必要に加熱されたりするのでこれを防ぐた
めにマニホルド5を断熱材で断熱することも必要となり
金型コストの上昇の原因になっていた。
【0023】本発明は上記問題を解決することを目的と
するもので、構造が簡単でしかも保温・加熱効率ならび
に温度制御性が良くしかも樹脂の滞留がなく成形サイク
ルが短縮できるプラスチック射出成形用ホットランナを
提供するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明によるプラスチック射出成形用ホットランナは、
射出成形機のノズルから金型のキャビティに至る樹脂通
路の少なくとも一部を電気絶縁材料で構成し、上記電気
絶縁材料で構成された樹脂通路を溶融樹脂の保温を目的
とする保温通路、および/または溶融樹脂の冷却と再加
熱を行なう加熱通路とし、上記保温通路および/または
加熱通路において樹脂と接触する面に導電膜を形成し、
上記保温通路の場合は導電膜に通電して溶融樹脂の保温
を行い、加熱通路の場合は導電膜の通電を断つことによ
り樹脂を冷却固化せしめ、ついで導電膜に通電すること
により加熱通路の樹脂を再溶融させるものである。
【0025】また本発明によるプラスチック射出成形用
ホットランナは、保温通路を鋼材より熱伝導率の低い電
気絶縁材料で構成し、加熱通路を鋼材より熱伝導率の高
い電気絶縁材料で構成してもよい。
【0026】また本発明によるプラスチック射出成形用
ホットランナは、保温通路の電気回路と加熱通路の電気
回路を別々に設け、それぞれに最適の電気量を与えるこ
とができる。
【0027】また本発明によるプラスチック射出成形用
ホットランナは、電気絶縁材料で構成した樹脂通路の外
周を鋼材による外枠で取り囲んでもよい。
【0028】また本発明によるプラスチック射出成形用
ホットランナは、電気絶縁材料として高速度鋼製または
超硬合金製の工具で切削可能ないわゆるマシナブルセラ
ミックを用いてもよい。
【0029】また本発明によるプラスチック射出成形用
ホットランナは、保温通路を構成する電気絶縁材料とし
ては、少なくとも酸化珪素(SiO2)を含む鱗片状微
結晶の雲母を含有しかつ鋼材より熱伝導率の低いいわゆ
るマシナブルセラミック材を用い、加熱通路を構成する
電気絶縁材料としては、窒化アルミニウム(AlN)を
マトリックスとし劈開性を有する窒化ホウ素(BN)を
均一に分散したのち焼結することにより得られる鋼材よ
り熱伝導率の高いマシナブルセラミック材を用いるとよ
り効果的である。
【0030】また本発明によるプラスチック射出成形用
ホットランナは、導電膜にTiN、TiC、TiCN、
TiAlN、CrNの群から選ばれた少なくとも1つか
らなる膜を用いたものである。
【0031】また本発明によるプラスチック射出成形用
ホットランナは、樹脂通路の一部を彫り込んだ電気絶縁
材料同士を向い合わせて当接させることにより、樹脂通
路を形成させることもできる。
【0032】また本発明によるプラスチック射出成形用
ホットランナは、電気絶縁材料に平面部を形成し、上記
平面部に樹脂通路の一部を彫り込み、上記樹脂通路の表
面に該表面を覆う導電膜を形成し、上記平面部上に端子
部用の導電膜と接触接続用の導電膜を形成し、上記電気
絶縁材料同士を向かい合わせて当接させることにより、
樹脂通路を形成させるとともに、上記接触接続用の導電
膜同士を当接させて電流路を形成してもよい。
【0033】また本発明によるプラスチック射出成形用
ホットランナは、接触接続用導電膜同士を当接して電流
路を形成する際、上記当接面に金属箔、あるいは金属粉
ペーストを介在させることもできる。
【0034】
【作用】上記のように構成された本発明のプラスチック
射出成形用ホットランナでは、射出成形機のノズルから
金型のキャビティに至る樹脂通路の少なくとも一部を表
面に導電膜を形成した電気絶縁材料で構成し、樹脂通路
の樹脂と接触する部分で熱容量の小さな導電膜により加
熱・保温するので、不要な部分を加熱することが無いの
で加熱効率が極めて良くなるのはもちろんであるが、加
熱体の熱容量が小さいので加熱・冷却時の時間即応性が
良くなり、その結果、樹脂の滞留を阻止し温度制御も容
易となり加熱時、冷却時の時間即応性が著しく改善でき
る。
【0035】また一部に樹脂通路を彫り込んだ電気絶縁
材料同士を向かい合わせて当接させることにより、樹脂
通路の周囲を電気絶縁材料で構成することが容易に可能
となるから任意の箇所に容易に導電膜を形成してその部
分の樹脂の加熱・保温を行なうことができる。
【0036】また電気絶縁材料で構成した樹脂通路を鋼
材からなる外枠で取り囲むことにより強度が増加し高い
成形圧の場合でも使用できる。
【0037】また樹脂通路における保温部分の電気絶縁
材料として鋼材より熱伝導率の低いセラミックを用いる
と、樹脂と接する面で発生する熱が効果的に樹脂を保温
するので樹脂の溶融状態を良好に保持することができ
る。さらに上記鋼材より熱伝導率の低いセラミックにい
わゆるマシナブルセラミックを用いると、機械加工が可
能であるので複雑形状の樹脂通路を容易に形成できるか
ら、複雑形状の樹脂通路に保温機能を持たせることが容
易に実現できる。
【0038】また樹脂通路における加熱部分の電気絶縁
材料として鋼材より熱伝導率の良いセラミックを用いる
と、温度制御の即応性が良好となるので可動部を要せず
にゲート部の樹脂通路の開閉を行なうことができる。さ
らに上記鋼材より熱伝導率の良いセラミックに、いわゆ
るマシナブルセラミックを用いると、機械加工が可能で
あるので複雑形状の樹脂通路に樹脂通路の開閉機能を持
たせることが容易に実現できる。
【0039】また本発明によるプラスチック射出成形用
ホットランナは保温通路の電気回路と加熱通路の電気回
路を別々に設けることができるので、保温通路の電気回
路には比較的小さな電力を比較的長い周期でON/OF
F制御し、加熱通路の電気回路には比較的大きな電力を
パルス的に制御することにより、それぞれの通路の目的
に合わせて最適の電力制御を行なうことができる。
【0040】また導電膜としてTiNのような導電性で
硬度の高い膜を用いると、電気制御上、都合のよい電気
抵抗値が得られ、しかも傷がつき難くかつ樹脂の離型性
の向上できる。
【0041】また電気絶縁材料の平面部に樹脂通路の一
部を彫り込み、上記樹脂通路の表面と平面部に該表面を
覆う導電膜を形成し、上記電気絶縁材料同士を向かい合
わせて当接させると、上記導電膜同士が接触して電流路
を形成するので立体配線が可能になり狭い空間に多数の
電気配線を別々に設けることが可能となる。
【0042】さらに導電膜同士を接触させるとき、接触
面に金属箔、あるいは金属粉ペーストを介在させると接
触面の電気抵抗値を低い値に安定させることができる。
【0043】
【実施例】図1は本発明の一実施例におけるプラスチッ
ク射出成形のホットランナの斜視図で、理解を容易にす
るため一部を断面図として描いている。また従来例との
対比を容易にするため、共通の部品には同じ番号を用い
て表示した。すなわちマニホルド5にはスプルー2a、
ランナ2bが形成され、ランナ2bの延長上にランナ2
cを有する2個のホットランナノズル8l、8rが固定
されている。図2はマニホルド5の分解斜視図であり、
図4はホットランナノズル8の分解斜視図である。
【0044】まず図2を用いて本発明の一実施例におけ
るマニホルド5の構造について説明する。マニホルド5
は前マニホルド11aと後マニホルド11bとで成り立
っておりこの両者を向かい合わせてボルト19で締結す
ることでマニホルド5を形成する。
【0045】前マニホルド11aと後マニホルド11b
とは同じ構造であるので、後マニホルド11bについて
説明する。後マニホルド11bは鋼製のマニホルド外枠
12とマニホルドセラミック部13とより構成されてい
る。図2でマニホルド外枠12の一部を切り欠いて示し
ているように、マニホルド外枠12に彫り込まれた凹溝
にマニホルドセラミック部13がはめこまれている。本
発明の一実施例においては、マニホルドセラミック部1
3がホットランナの働きの主役をはたす部品であり、マ
ニホルド外枠12は上記マニホルドセラミック部13を
保護するものである。
【0046】マニホルドセラミック部13には、スプル
ー溝2a−1、ランナ溝2b−1が彫り込まれている
が、これらは所望の樹脂通路の半分の断面積しか有して
おらず、前マニホルド11aと後マニホルド11bとが
結合されてはじめて完全な樹脂通路であるスプルー2
a、ランナ2bを形成することになる。
【0047】図3は図2の矢線A−Aにおける断面図で
あるが、図3に示すようにスプルー溝2a−1、ランナ
溝2b−1の表面にはマニホルド保温導電膜14が形成
されており、このマニホルド保温導電膜14はマニホル
ドセラミック部13の一方の端部まで延び、他方の端部
にはマニホルド保温導電膜14が存在しない。
【0048】マニホルドセラミック部13のマニホルド
保温導電膜14が存在する一方の端部には端子固定ネジ
穴17が設けられており、マニホルド端子15が端子固
定ネジ16によりネジ止めされてマニホルド端子15が
マニホルド保温導電膜14に電気的に接続されている。
【0049】マニホルドセラミック部13のマニホルド
保温導電膜14が存在しない他方の端部にはマニホルド
端子15が嵌入する端子溝18が形成されている。
【0050】前マニホルド11aと後マニホルド11b
とを締結してマニホルド5を形成した場合前マニホルド
11aのマニホルド端子15が後マニホルド11bの端
子溝18に、後マニホルド11bのマニホルド端子15
が前マニホルド11aの端子溝18に嵌入するのでマニ
ホルド外枠12とは電気的に絶縁されている。
【0051】上記構成においてマニホルドセラミック部
13の材料には、電気絶縁性でかつ鋼材より熱伝導率の
低い材料例えば、アルミナ、窒化珪素、ムライト、ジル
コニヤを用いるのが適当である。電気絶縁性材料を用い
ることにより表面に形成した導電膜14を導電性の外枠
12から絶縁することができ、さらに鋼材より熱伝導率
の低い材料を用いることにより導電膜14で発熱した熱
が外枠12に伝導するのを防ぎ熱効率を高めることがで
きる。
【0052】さらに上記マニホルドセラミック部13の
材料として、高速度鋼製または超硬合金製の工具で切削
可能でかつ電気絶縁性を有するいわゆるマシナブルセラ
ミックのうち低熱伝導率を有するものを用いた。このよ
うな材料としては石原薬品(株)製の商品名「マコー
ル」、あるいは三井鉱山(株)製の商品名「マセライ
ト」がある。これらの材料は電気絶縁性である上に熱伝
導率は0.004であり、鋼の熱伝導率0.12に比較
すれば断熱性も良い。しかも従来のセラミック材はダイ
ヤモンド工具でなければ機械加工ができないという制約
があったが、上記したマシナブルセラミックは、高速度
鋼製または超硬合金製の工具で切削可能であるので、図
2に示すような複雑なスプルー溝2a−1、ランナ溝2
b−1でも機械加工により比較的容易に形成できるとい
う長所がある。
【0053】この材料を以下の説明の便宜上「マシナブ
ルセラミック材M」と呼ぶことにするが、マシナブルセ
ラミック材Mは少なくとも酸化珪素(SiO2)を主成
分とする鱗片状微結晶である雲母を含有している。
【0054】また上記マニホルド保温導電膜14として
は、イオンプレーティング法で形成したTiN膜で膜厚
1〜2ミクロンのものを用いた。こうすることにより端
子間の電気抵抗値が数オームの値になり、したがって端
子間電圧が数10ボルトで電流値数10アンペヤにする
ことができて電気的な制御性が良くなる。
【0055】マニホルド保温導電膜14としてはTiN
膜の外に、TiC膜、TiCN膜、TiAlN膜、Cr
N膜、をそれぞれ単独に、またはこれらの膜組成の複合
材からなる膜を用いることもできる。
【0056】つぎに図1、図4ないし図7を用いて本発
明の一実施例によるホットランナノズル8の構造を説明
する。図1に示すように本発明の一実施例においてはマ
ニホルド5に同じ構造を持った2個のホットランナノズ
ル8l、8rが装着されている。もちろんマニホルド5
の数は成形品の形状に応じて所望の数に増減可能であ
る。
【0057】図4に示すようにホットランナノズル8
l、8rは、さらにそれぞれノズル左部20aとノズル
右部20bとに分割される。ここでノズル左部20aと
ノズル右部20bとは同じ構造であり、両者を向かい合
わせて結合ボルト30を結合ネジ穴29に締め付け、さ
らに固定リング31を下部からはめ込んで固定ボルト3
2で締め付けることにより1個のホットランナノズル8
となる。したがって以下の説明はノズル左部20aにつ
いて行なう。
【0058】ノズル左部20aは鋼製のノズル外枠21
と、上記ノズル外枠21に彫り込まれた溝にはめ込まれ
たノズルセラミック部22、およびノズル先端部23と
より構成される。ノズルセラミック部22とノズル先端
部23とをノズル外枠21から取り外した様子を図5に
示す。図5には理解を助けるためにノズル左部20aの
ノズルセラミック部22を図5(a)に、ノズル右部2
0bのノズルセラミック部22を図5(b)に示してい
る。またノズル左部20aのノズル先端部23を図5
(c)に、ノズル右部20bのノズル先端部23を図5
(d)に示している。上述したようにノズル左部20a
とノズル右部20bとは対称形であるので、左部と右部
のノズルセラミック部および左部と右部のノズル先端部
23とは同じ形状である。
【0059】図5に示すように樹脂通路の一部であるラ
ンナ2cがノズルセラミック部22とノズル先端部23
にまたがって形成されている。さらにノズル先端部23
では図5(c)、(d)に示すようにランナ2cの延長
線上にゲート2dが形成されている。
【0060】さらにノズルセラミック部22は左右両側
に伸びた翼部22aが設けられ、一側の翼部22aには
端子溝22bが、他側の翼部22aには端子固定ネジ穴
22cがそれぞれ形成されている。
【0061】またノズルセラミック部22の表面にはノ
ズル保温導電膜24が形成されている。ノズル保温導電
膜24は端子部24aと、ランナ2cの表面に形成され
たランナ加熱部24bと、端子部4aから離れた所に位
置する接触接続部24cとの部分から成っており、これ
らの部分は電気的に接続されている。
【0062】図6は図5の矢線B−Bにおける断面図で
ランナ加熱部24bの断面を示している。
【0063】端子部24aには上記した端子固定ネジ穴
22cが設けられており、図4に示すようにノズル端子
28がノズル端子固定ネジ27により固定されて上記ノ
ズル保温導電膜24に給電する。給電された電流は、端
子部24aからランナ加熱部24bを経て接触接続部2
4cに至る。上述したようにノズル左部20aとノズル
右部20bとは向かい合って固定されているから接触接
続部24cは、もう一方のノズルセラミック部22に設
けられた接触接続部24cと接触して電流を導通する。
したがって、電流はもう一方のランナ加熱部24b、端
子部24aを経てもう一方のノズル端子28から流出す
る。
【0064】なお端子溝22bが形成されている翼部2
2aにはノズル保温導電膜24を存在させていないの
で、ノズル左部20aとノズル右部20bとを結合ボル
ト30で締め付けてホットランナノズル8l、8rを形
成した場合、ノズル左部20aのノズル端子28がノズ
ル右部20bの端子溝22bに、ノズル右部20bのノ
ズル端子28がノズル左部20aの端子溝22bに嵌入
するので、ノズル外枠21とは電気的に絶縁されてい
る。
【0065】さらにノズルセラミック部22には後述す
るノズル先端部23に給電するための給電導電膜25が
形成されている。給電導電膜25は図5(a)に示すよ
うに保温導電膜24とは絶縁され、端子部25aと、導
電部25bと、接触接続部25cとより成っている。端
子部25aには、端子固定ネジ穴22cが設けられ、ノ
ズル端子28が固着されて給電導電膜25に給電するよ
うになっている。
【0066】ノズルセラミック部22の役割は、上記し
たノズル保温導電膜24の働きと共にランナ2c部の溶
融樹脂を保温することであるので、既に説明したマニホ
ルドセラミック部13の役割と同じである。したがって
ノズルセラミック部22の構成材料は、既に述べたマニ
ホルドセラミック部13の構成材料と同じ材料、すなわ
ち断熱性の良いマシナブルセラミック材Mを用いてい
る。
【0067】また上記ノズル保温導電膜24、給電導電
膜25としては、マニホルド保温導電膜14に用いたの
と同じイオンプレーティング法で形成したTiN膜で膜
厚1〜2ミクロンのものを用いた。なお、マニホルド保
温導電膜14で説明した他の組成の膜を用いることがで
きる。
【0068】つぎに図5(c)、(d)に示すノズル先
端部23について説明する。ノズル先端部23にはラン
ナ2cの一部が彫り込まれており、その延長上にゲート
2dが形成されている。そしてゲート2dを含むノズル
先端部23の表面には図に示すように先端加熱導電膜2
6が形成されている。先端加熱導電膜26はさらに第1
接触接続部26aと、加熱部26bと、第2接触接続部
26cとで構成されていて、これらは電気的に接続され
ている。図7は図5(c)の矢線C−Cにおける断面図
であり加熱部26bと、第2接触接続部26cの断面を
示している。
【0069】図1、図4に示すようにノズル先端部23
をノズル外枠21の溝にはめ込み、固定リング31と固
定ボルト32によりノズルセラミック部22に押し付け
ると、ノズル左部20aのノズル先端部23の上記第1
接触接続部26aがノズル左部20aの給電導電膜25
の接触接続部25cと当接して電路を構成する。次にノ
ズル左部20aとノズル右部20bとが結合ネジ30で
合体結合された時には、ノズル先端部23の第2接触接
続部26cがノズル右部20bのノズル先端部23の加
熱部26bと当接して電路を構成する。
【0070】このようにしてノズル左部20aの給電導
電膜25の端子部25aから給電された電流は、給電導
電部25b、接触接続部25c、第1接触接続部26
a、加熱部26b、第2接触接続部26cと導電され、
ここでノズル右部20bに渡って、ノズル右部20bの
ノズル先端部23の加熱部26b、第1接触接続部26
a、接触接続部25c、給電導電部25b、を経てノズ
ル右部20bの端子部25aから、電源の接地点に戻
る。
【0071】ノズル先端部23を構成する材料として
は、電気絶縁材料である点はノズルセラミック部22と
同様であるが、ノズルセラミック部22が鋼材より熱伝
導率の低い、したがって断熱性の良い材料を用いている
のに対し、ノズル先端部23の材料は鋼材より熱伝導率
の高い材料を用いている。
【0072】一般にセラミック材は鋼材より熱伝導率が
小さいものが普通であるが、窒化アルミニウムを主組成
にしたセラミック材は鋼材より熱伝導率が大きいのでこ
れをノズル先端部23に用いるのが適当である。しかも
本実施例では、窒化アルミニウムを主組成としつつ、高
速度鋼製または超硬合金製の工具で機械加工が可能ない
わゆるマシナブルセラミックを用いている。このような
材料を以下の説明の便宜上「マシナブルセラミック材
H」と呼ぶことにする。市販品としては石原薬品(株)
製の商品名「マシナブルセラミックHタイプ」、あるい
は徳山曹達(株)製の商品名「シェイパルM」がある。
マシナブルセラミック材Hの熱伝導率は0.22であ
り、鋼材の熱伝導率は0.12であるので、鋼材より熱
伝導が良い。
【0073】これらの材料は、窒化アルミニウム(Al
N)をマトリックスとし、劈開性を有する窒化ホウ素
(BN)を均一に分散して焼結させたものである。
【0074】上記先端加熱導電膜26もマニホルド保温
導電膜14に用いたのと同じイオンプレーティング法で
形成したTiN膜で膜厚1〜2ミクロンのものを用い
た。
【0075】なお、マニホルド保温導電膜14で説明し
た他の組材を用いることもできる。図8は従来例のホッ
トランナの場合と本発明の一実施例の場合とで温度上昇
速度がどのように違うかを実験した装置である。図8
(a)は金型に相当する鋼材33の裏面から電気ヒータ
34で加熱する実験で、図10に示すホットランナノズ
ル8を外部からバンドヒータ7で加熱する従来例に相当
する。図8(b)は本実施例に相当する加熱方法であっ
て、鋼材33の上にマシナブルセラミック材Hで作った
板35を密着させ、マシナブルセラミック材Hの上面に
はTiN膜を形成して通電する事により加熱できるよう
にしている。また温度の計測は表面に熱電対36を貼付
して行なった。
【0076】図9は図8の実験における表面の温度変化
の様子を示したものである。図9において縦軸は表面温
度を、横軸は経過時間(秒)を示し、図9の経過時間2
0秒の時点で通電を始めた。曲線(A)は図8(a)の
温度上昇カーブを、曲線(B)は図8(b)の温度上昇
カーブを示している。
【0077】図9から明らかなように、図8(a)の構
造の場合は温度上昇は極めて遅いがこれは従来例のホッ
トランナの温度即応性が悪いことを示している。これに
対し図8(b)の構造の場合は温度上昇は極めて速く、
しかも冷却時の冷却速度も速いことがわかる。すなわち
温度の上昇、下降の両方の場合を通じて温度即応性が良
いことを示している。
【0078】このような結果が得られた理由は、既に説
明したように本発明の一実施例では樹脂と接する表面そ
のものに加熱機能を持たせているから、温度上昇速度が
速くすることができたのである。かつ構成材料には上記
したマシナブルセラミック材Hを用いており、マシナブ
ルセラミック材Hの熱伝導率は上述したように鉄の熱伝
導率よりも大きいから温度上昇速度だけでなく温度下降
速度も速くすることにも成功したのである。
【0079】一方、保温のみを目的としたマニホルドセ
ラミック部13およびノズルセラミック部22において
も樹脂に接する表面に加熱機能を持たせたので、熱校率
がよくなったことはもちろんであるが温度即応性も改善
され精密な温度制御が可能となったのである。しかもこ
れらの保温部の構成材料には上記したマシナブルセラミ
ック材Mを用いており、上述したようにマシナブルセラ
ミック材Mの熱伝導率は鉄の熱伝導率に較べて著しく小
さいのでマニホルド5およびホットランナノズル8にお
ける断熱性が良く、従来必要であった余分な断熱材を不
要にすることができた。
【0080】つぎに、以上に説明した構成を有する本発
明のホットランナのマニホルド5とホットランナノズル
8とを図1に示すように組み立て、ホットランナとして
使用した場合の動作を以下に説明する。
【0081】図2の説明で述べたようにマニホルド5の
マニホルド端子15から給電される電流により、マニホ
ルド保温導電膜14は所定の温度に加熱され、スプルー
2a、ランナ2bに存在する樹脂の保温を行なってい
る。また図4に説明したようにノズルセラミック部22
のノズル保温導電膜24もノズル端子28から供給され
る電流により所定の温度に加熱され、ランナ2cに存在
する樹脂の保温を行なっている。
【0082】そして実施例ではスプルー2aならびにラ
ンナ2bが上記した構成を採用したため保温の熱校率が
良く、断熱性と温度制御性に優れたものとなっている。
【0083】つぎに樹脂の射出が終って冷却サイクルに
はいると同時に、先端加熱導電膜26にそれまで加えら
れていた電圧を断つか、あるいは印加電圧の値を小さく
すると、ノズル先端部23の構成材は上述したように鋼
材より熱伝導率が良いのでキャビティ型3に接する部分
から急速に温度を奪われる。特にゲート2dでは存在す
る樹脂量が僅かであるため短時間で固化に向かう。そし
て成形品をキャビティ型から取り外すときにはゲート2
dの樹脂は完全に固化して樹脂通路を塞ぐのでゲート2
dから溶融樹脂が流れ出るのを防ぐことができる。
【0084】つぎの成形サイクルでは樹脂射出を行なう
数秒〜数10秒前に先端加熱導電膜26の電気回路に電
圧を加える。先端加熱導電膜26はノズル先端部23の
ゲート2dの部分に存在しているので、ゲート2dで固
化していた樹脂は加熱されて再溶融されようとする。
【0085】再溶融に要する時間は加える電力量によっ
ても異なるが、上述したようにノズル先端部23の構成
材料としては熱放散を良くするために、鋼材より熱伝導
率の良いマシナブルセラミック材Hを用いているが、こ
のことは加熱時には発生した熱量が放散しやすくなるこ
とを意味している。したがって加熱時に所望の温度上昇
を得ようとすれば、単位面積当り大きな電力を加えなけ
ればならない。ところが、本実施例では、ノズル先端部
23においては上記したように先端加熱導電膜26はノ
ズル保温導電膜24とは別回路に構成している。したが
ってノズル保温導電膜24に供給する電力量は比較的小
さい場合でも、先端加熱導電膜26には別個に大きな電
力を給電することができる。
【0086】このように先端加熱導電膜26をノズル保
温導電膜24とは別回路に構成しているので先端加熱導
電膜26に大きな電力を加えたり、断ったりすることで
ほとんど瞬間的にゲート2dの樹脂通路をON−OFF
することができる。この結果あたかもゲート2dを機械
的なバルブで開閉するのとほとんど等しい効果を有す
る。
【0087】既に述べたように、成形品の形状、寸法に
より複数個のゲートを用いて射出成形する場合には、特
定のゲートの開口を遅らせたり早めたりする必要がある
が、このような時には従来のバルブゲートに替わって、
本発明の一実施例で説明した極めて構造の簡単なホット
ランナを用いることができる。
【0088】上述した本発明の一実施例では、ノズル左
部20aのノズル保温導電膜24の接触接続部24cが
ノズル右部20bのノズル保温導電膜24の接触接続部
24cと接触することにより電流導通路を形成してい
る。このように導電膜同士が接触することにより電流導
通路を形成する方法を、給電導電膜25の接触接続部2
5cと先端加熱導電膜26の第1接触接続部26aとの
間、および先端加熱導電膜26の第2接触接続部26c
同士の間にも用いている.この場合接触接続部において
両方の導電膜が確実に当接しないと完全な電流導通路は
形成されない。そこで導電膜同士が確実な接触をして接
続を完全にするために本発明の一実施例では接触接続部
の間に、金箔、錫箔、等の金属箔を挟むことにより電流
導通路を完全なものにしている。上記金属箔を挟む代わ
りに、銀ペーストを挟んでも良く、あるいは接触接続部
に形成された導電膜の上に、メッキ法等に導電性の金属
膜を形成してもよい。
【0089】また、上述した本発明の一実施例では導電
膜にTiN膜を用いたが、TiN膜は硬度が高くしたが
って傷つきにくいという特徴があり、また樹脂に対する
離型性がよいので何らかの理由でホットランナを分解す
る時には樹脂を除去し易いという特徴もある。
【0090】なお導電膜としては、導電性で硬度の高い
膜であればよいので、TiN膜の外にも例えば、Ti
C、TiCN、TiAlN、CrNのいずれかを組成と
する膜、あるいはこれらの膜を複数層重ねた膜も使用可
能である。
【0091】なお上述したように導電膜の形成方法は、
本発明の一実施例ではイオンプレーティング法によった
が、この外に、無電解メッキ法により形成した金属膜、
蒸着法またはスパッタ法により形成した金属膜等、色々
な方法が可能である。
【0092】さらに本発明の一実施例では、マニホルド
セラミック部13、ノズルセラミック部22、ノズル先
端部23の構成材料としてマシナブルセラミック材を用
いたが、本発明の目的を達成するには、電気絶縁性の材
料でかつ樹脂溶融温度に耐える材料、例えばアルミナ、
シリカを主材とするセラミック材料、またはポリイミド
等の有機材料でもよい。ただし、保温通路に用いる電気
絶縁材料の熱伝導率は鉄の熱伝導率よりも小さいものを
用いた方が良く、また加熱通路に用いる電気絶縁材料の
熱伝導率は鉄の熱伝導率よりも大きいものを用いた方が
良い。
【0093】さらに本発明の一実施例では、樹脂通路を
マニホルドセラミック部13とノズルセラミック部22
を分割して構成したが、マニホルドセラミック部13も
ノズルセラミック部22もランナ2に存在する樹脂を保
温すると言う目的が同じであるから、両者を一体に構成
することも可能である。ただしノズル先端部23は樹脂
の保温だけでなく樹脂の冷却、加熱の機能を有している
ので前2者と一体で作ることはできない。
【0094】さらに従来例のバンドヒータ、カートリッ
ジヒータによる保温と、本発明の一実施例のノズル先端
部とを組み合わせることももちろん可能である。
【0095】すなわちマニホルド部あるいはノズル部の
保温通路の樹脂の保温は従来例のバンドヒータまたはカ
ートリッジヒータで行ない、ノズル先端部にのみ上記し
た本発明の一実施例の一部である樹脂通路を導電膜を有
した電気絶縁材で構成することも可能である。
【0096】あるいは従来例のホットランナーのマニホ
ルド部のように樹脂の保温を目的とした樹脂通路に本発
明の保温通路の構成を用いることも可能である。
【0097】例えばゲート部にはバルブゲートを用い、
マニホルド部には鋼材より熱伝導率の低い電気絶縁材に
導電膜を形成し、上記導電膜に通電して発熱させてマニ
ホルド部の樹脂を保温することも可能である。
【0098】
【発明の効果】上記したように本発明は射出成形機のノ
ズルから金型のキャビティに至る樹脂通路の表面に加熱
機能を持たせているので、溶融樹脂の保温時の加熱効率
は極めて良くなる。
【0099】またゲート部においては鋼材より熱伝導率
の良い材料に電気導電膜を形成しているので加熱時、冷
却時の即応性が著しく改善できる。すなわち、ノズル先
端部における温度制御の精度ならびに即応性が良くなっ
たので成形サイクルの短縮要望と矛盾することなく樹脂
の滞留を防ぐことができる。
【0100】さらに樹脂通路を保温通路と加熱通路に分
割し、それぞれの構成材料に最適の熱伝導率材料を使用
し、かつ導電路を別々に形成したから保温通路と加熱通
路とで最適の電力量を供給することが可能となった。
【0101】またゲート部においては鋼材より熱伝導率
の良い材料に電気導電膜を形成し、かつ保温通路と異な
る大電力量をゲート部に加えることができるようにした
ので、ゲート開閉のON−OFFが確実でかつ即応性が
良くなったので、従来の構造の複雑なバブルゲートの替
わりに、構造の簡単な本発明のホットランナを用いるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるプラスチック射出成
形用ホットランナの一部を切断分解した斜視図。
【図2】同プラスチック射出成形用ホットランナのマニ
ホルド部の斜視分解図。
【図3】図2の矢線A−Aにおける断面図。
【図4】同プラスチック射出成形用ホットランナのホッ
トランナノズルの斜視分解図。
【図5】同プラスチック射出成形用ホットランナのホッ
トランナノズル部のノズルセラミック部およびノズル先
端部の分解斜視図。
【図6】図5の矢線B−Bにおける断面図。
【図7】図5の矢線C−Cにおける断面図。
【図8】ホットランナにおける温度上昇速度を比較実験
する装置の説明図。
【図9】図8による実験装置で得られた温度上昇速度と
温度下降速度を表示した図。
【図10】従来のホットランナの断面図。
【図11】他の従来のホットランナの断面図。
【符号の説明】
2a スプルー 2b,2c ランナ 2d ゲート 8,8l,8r ホットランナノズル 12 マニホルド外枠 13 マニホルドセラミック部 14 マニホルド保温導電膜 22 ノズルセラミック部 23 ノズル先端部 24 ノズル保温導電膜 26 先端加熱導電膜

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機のノズルから金型のキャビテ
    ィに至る樹脂通路の少なくとも一部を電気絶緑材料で構
    成し、上記電気絶緑材料で構成された樹脂通路の樹脂と
    接触する面に導電膜を形成してなるプラスチック射出成
    形用ホットランナ。
  2. 【請求項2】 射出成形機のノズルから金型のキャビテ
    ィに至る樹脂通路の一部に溶融樹脂の冷却・再加熱を行
    なう加熱通路を形成し、この加熱通路は熱伝導性の良い
    電気絶緑材料で構成し、上記電気絶緑材料で構成された
    樹脂通路の樹脂と接触する面に導電膜を形成してなるプ
    ラスチック射出成形用ホットランナ。
  3. 【請求項3】 射出成形機のノズルから金型のキャビテ
    ィに至る樹脂通路の一部に溶融樹脂の保温を行なう保温
    通路を形成し、この保温通路は熱伝導性の低い電気絶緑
    材料で構成し、上記電気絶緑材料で構成された樹脂通路
    の樹脂と接触する面に導電膜を形成してなるプラスチッ
    ク射出成形用ホットランナ。
  4. 【請求項4】 電気絶緑材料としてセラミック材料を用
    いた請求項1ないし3のいずれかに記載したプラスチッ
    ク射出成形用ホットランナ。
  5. 【請求項5】 射出成形機のノズルから金型のキャビテ
    ィに至る樹脂通路を、溶融樹脂の保温を行なう保温通路
    と、溶融樹脂の冷却・再加熱を行なう加熱通路とに分割
    し、上記保温通路は熱伝導率の低い電気絶緑材料によ
    り、上記加熱通路は熱伝導率の高い電気絶緑材料により
    それぞれ構成し、上記両通路の接触する面には導電膜を
    形成してなるプラスチック射出成形用ホットランナ。
  6. 【請求項6】 保温通路の導電膜の電流路と加熱通路の
    導電膜の電流路とを電気的に別回路に構成した請求項5
    記載のプラスチック射出成形用ホットランナ。
  7. 【請求項7】 電気絶緑材料で構成した樹脂通路の外周
    を鋼材による外枠で取り囲んだ請求項1ないし5のいず
    れかに記載のプラスチック射出成形用ホットランナ。
  8. 【請求項8】 樹脂通路を形成する電気絶緑材料に、高
    速度鋼製または超硬合金製の工具で切削可能でかつ電気
    絶緑性を有するセラミックを用いた請求項1ないし5の
    いずれかに記載のプラスチック射出成形用ホットラン
    ナ。
  9. 【請求項9】 樹脂通路を形成する電気絶緑材料に、劈
    開性のある結晶を含有したセラミックをもちいた請求項
    8記載のプラスチック射出成形用ホットランナ。
  10. 【請求項10】 加熱通路を形成する電気絶緑材料に窒
    化アルミニウムを含むセラミックを用いた請求項2また
    は5記載のプラスチック射出成形用ホットランナ。
  11. 【請求項11】 保温通路を形成する電気絶緑材料に酸
    化珪素、アルミナ、窒化珪素、ムライト、ジルコニヤの
    群から選ばれた少なくとも1つを含むセラミックを用い
    た請求項3または5記載のプラスチック射出成形用ホッ
    トランナ。
  12. 【請求項12】 保温通路を形成する電気絶緑材料に、
    少なくとも酸化珪素(SiO2)を主成分とする鱗片状
    微結晶を含有しているセラミックを用い、加熱通路を構
    成する材料に、窒化アルミニウム(AlN)をマトリッ
    クスとし、劈開性を有する窒化ホウ素(BN)を均一に
    分散して焼結したセラミックを用いた請求項1または5
    記載のプラスチック射出成形用ホットランナ。
  13. 【請求項13】 導電膜にTiN、TiC、TiCN、
    TiAlN、CrNの群から選ばれた少なくとも1つか
    らなる膜を用いた請求項1ないし5のいずれかに記載の
    プラスチック射出成形用ホットランナ。
  14. 【請求項14】 樹脂通路の一部を穿設した電気絶緑材
    料同士を向かい合わせて当接させることにより、樹脂通
    路を形成させた請求項1ないし5のいずれかに記載のプ
    ラスチック射出成形用ホットランナ。
  15. 【請求項15】 電気絶緑材料に平面部を形成し、上記
    平面部に樹脂通路の一部を彫り込み、上記樹脂通路の表
    面に導電膜を形成し、上記平面部上に端子部用の導電膜
    と接触接続用の導電膜を形成し、上記電気絶緑材料同士
    を向かい合わせて当接させることにより、樹脂通路を形
    成させるとともに、上記接触接続用の導電膜同士を当接
    させて電流路を形成した請求項1ないし5のいずれかに
    記載のプラスチック射出成形用ホットランナ。
  16. 【請求項16】 接触接続用導電膜同士を当接して電流
    路を形成する際、上記当接面に金属箔、あるいは金属粉
    ペーストのいずれかを介在させた請求項15記載のプラ
    スチック射出成形用ホットランナ。
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