JP2618100B2 - 表面加熱成形金型 - Google Patents

表面加熱成形金型

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JP2618100B2 JP3026545A JP2654591A JP2618100B2 JP 2618100 B2 JP2618100 B2 JP 2618100B2 JP 3026545 A JP3026545 A JP 3026545A JP 2654591 A JP2654591 A JP 2654591A JP 2618100 B2 JP2618100 B2 JP 2618100B2
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/72Heating or cooling
    • B29C45/73Heating or cooling of the mould
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂の成形に使用す
る金型の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂の射出成形における成形不良には、
種々の態様の不良があるが、その中でも、ウエルドライ
ン不良(以下ウエルド不良と呼称する)とヒケ不良が大
きな割合を占めている。まずウエルド不良とヒケ不良に
ついて、図7に示す製品1について説明する。製品1に
は、図7に示すように穴1aとボス1bとがある。
【0003】製品1を成形する金型を図5に示す。また
図6は金型を閉め、樹脂を射出注入した状態の断面図で
ある。この図5において2はキャビティ2aを彫り込ん
だ雌型(キャビ金型)で、普通は射出成形機の固定板に
取り付けられている。
【0004】3は雄型(コア金型)で、コア部3d,穴
用凸部3b、ボス用凹部3aが設けられている。雄型3
は普通は射出成形機の可動板に取り付けられ固定板に取
り付けられている雄型2に対し矢印A方向、B方向に往
復運動可能である。成型時は雄型3と雌型2を図6に示
すように閉じ、ゲート2bからキャビティ2a内に図8
に示す矢印C方向に注入され、つづいて矢印E1,E
2,・・・の方向に進行する。このとき穴1aの所で
は、型3の穴用凸部3bの周りを矢印E3,E4及び
E5,E6の方向に進行して再び合流する。溶融樹脂が
合流した所には、図8に示すウエルドライン4が残る。
溶融樹脂の種類、射出温度、射出圧力等の射出条件によ
ってはウエルドライン4が目立たない場合もあるが、普
通は外観不良になることが多い。つぎにボス1bでは、
図9に示すように、ボス1bの樹脂量が周辺部の樹脂量
より多いため、周辺の樹脂より冷却が遅くなり、そのた
め硬化がおくれる。このためにボス1bの樹脂は既に固
まっている周辺部の樹脂に引っ張られて図9のヒケ5が
できる。特に最近では、成形作業時の成形サイクル時間
を極力短縮しているので、上記のウエルド不良、ヒケ不
良の発生が多いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記ウエルド不良、ヒ
ケ不良の対策として、金型表面を適度に加熱するのが有
効であることはよく知られている。そこで金型を開いて
製品を取り出した後、金型を開いたままで、雌型(キャ
ビ金型)と雄型(コア金型)の間に発熱体を挿入し金型
表面を加熱する方法が知られている。しかしこの方法
は、金型を閉じる前には発熱体を退避させなければなら
ないから、金型を閉じた後、樹脂を射出注入するまでの
間で加熱された金型表面が冷却するのは避けられない。
したがって、折角の加熱が不良減少に余り効果を発揮し
ないことがあった。また、この冷却を見込んで、発熱体
の挿入時間を長くする方法も採用されることもあるが、
それだけ金型に蓄積される熱量は大きくなり、又、成形
サイクル時間を長くする結果となり、生産性の向上に反
するという問題があった。
【0006】本発明は上記の問題を解決するため、成形
サイクル時間が長くなるのを極力抑え、しかも上記のウ
エルド不良、ヒケ不良を減少させるのに有効な手段を提
供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達す
るために、金属の雄型と雌型とで構成する空洞内に材料
を充填して成形する成形金型において、前記成形金型は
窒化チタンまたは炭窒化チタンの薄膜を設けた部分と設
けない部分とに分割し、前記窒化チタンもしくは炭窒化
チタンの薄膜は製品のウエルドライン不良やヒケ不良が
発生し易い部分に設け、この窒化チタン薄膜または炭窒
化チタン薄膜と金型本体との間に電気絶縁層を設けてな
るものである。
【0008】
【作用】本発明は上記のような構成であるから、金型を
閉じたままで、樹脂が接触する金型空洞表面を加熱する
ことができるので、成形サイクルにおいて必要なときに
のみ、金型空洞表面を加熱し、成形サイクル時間の延長
を最小限にしてウエルド不良、ヒケ不良を減少させるこ
とができる。
【0009】
【実施例】図1は本発明による表面加熱成形金型の雄型
(キャビ金型)の斜視図であり、図2は図1の矢印X−
Xにおける断面図である。6は雌型(キャビ金型)で、
固定側取り付け板7に電気絶縁12介して取り付けボ
ルト9により取り付けられていて、固定取り付け板7が
さらに射出成形機に取り付けられている。雌型(キャビ
金型)6は、分割型6a、6b、6cで構成されているが、金
型内には冷却水管8が設けられており、冷却水管8はジ
ョイント8aを介してホース8bに連結されている。図4は
図1の矢印Y−Yにおける断面図である。金型は通常鋼
など金属を用いて製作されるので電気良電体であるが、
図4に示すように分割型6aの金型空洞表面には電気絶縁
層13を形成し、更にその上に電気導電層14を形成してい
る。上記電気絶縁層13及び電気導電層14は金型空洞表面
だけでなく、金型の表面外周に連続していて、図2の電
気端子10に至っている。図3は図2の電気端子10付近の
拡大断面図であるが、電気端子10は固定ネジ16により電
気導電層14と電気的に接続されている。固定ネジ16は絶
縁リング15により電気端子10とは電気的に絶縁されてい
るので、金型6aの内部には電流は流れない構造になって
いる。
【0010】上記電気絶縁層13を金型表面に形成する方
法は、真空環境中でスパッタリングにより例えば、アル
ミナ(Al2 O3 )を形成することができる。また、C
VD(chemical Vapor Deposition)法でアルミナを形成
することもできる。また、電気泳動法を利用した電着塗
装により有機薄膜による電気絶縁層を作ることもでき
る。
【0011】又、電気導電層14としては、真空蒸着の1
種であるイオンプレーティング法あるいはスパッタリン
グ法等により、金属薄膜を形成することもできるが、例
えば、TiN(窒化チタン)、TiCN(炭窒化チタ
ン)の薄膜を形成することができる。これらTiNおよ
びTiCNは硬度が高いので、電気導電層としての役割
の他に、金型表面を保護する働きもあり、かつ樹脂の離
型性をよくする効果もある。また電気抵抗値も比較的大
きいので加熱用電気抵抗材料としては都合がよい。
【0012】以上の方法で作った電気導電層は厚みが小
さい(0.2 〜2.0 ミクロンメ−タ)ので、加熱用電気抵
抗体としては取り扱い易くなる。例えば、厚さ=5mm 、
長さ=300mm 、幅=60mmのステンレスの電気抵抗値は約
0.6 ミリオームであるので、これに直接電流を流そうと
すると、両端の端子電圧を1ボルトとしても1000アンペ
ヤ以上の電流が流れて、発熱量も極端に大きくなり又電
流値の制御も困難である。しかし数ミクロン乃至数十ミ
クロンの厚さの電気導電層であれば、電気抵抗値は0.1
オームないし数オームになるので端子電圧を10ボルトに
しても電流値は数アンペヤとなり、電流の制御も簡単に
でき、また発熱量も適当な値になる。
【0013】上記した構成の表面加熱成形金型を射出成
形機にとりつけ、電気端子10を電源に接続する。
【0014】成形サイクルは通常、下記サイクルで行わ
れる。
【0015】1 型締め。2 樹脂射出。3 冷却。4
型開き。5 製品取り出し。
【0016】このうち、ウエルド不良、ヒケ不良に対し
金型の加熱が効果を発揮するのは「樹脂射出」と「冷
却」の時である。型開き中に加熱体を両金型の間に挿入
して加熱する従来の方法は、加熱から樹脂射出まで時間
が必要であるので微妙な加熱量の制御が困難であった
が、本発明は必要とするタイミングをねらって加熱する
ことが可能である。したがって、ウエルド不良、ヒケ不
良に最適のタイミングで金型表面を加熱することができ
るので、上記の不良減少対策として極めて効果的であ
る。しかも前述したように、金型表面のみを加熱する構
造になっているから、樹脂と接触する部分のみを必要な
熱量を供給して加熱できるので、金型に蓄積される熱量
が小さくできる。このことは射出成形サイクル時間の延
長を防ぐ点でも極めて効果的である。
【0017】また、図1で示すように分割型で金型を構
成する場合は、加熱を必要としない部分の金型は電気導
電層14を形成しないで表面を電気絶縁層13のままにのこ
しておき、図4に示すような組み立てを行うことにより
必要な金型部分にのみ電流を流して加熱することができ
る。このことは金型表面全体に電流を流す場合に較べて
電流値を小さくすることが可能となり、金型における蓄
熱も一層小さくなり、成形サイクル時間延長を防ぐため
の効果が大きい。また、このように表面が電気導電層14
で覆われた分割金型と、表面が電気絶縁層13で覆われた
分割金型とを組み合わせることにより、図2に示すよう
に電気端子10の取り付け位置を任意な場所に設けること
ができる。通常、金型には冷却水管8、そのジョイント
8a、さらには図示していないが製品取り出し用のエジェ
クタピン等を設置しなければならないので、電気端子10
を設けることができる場所が制約されているが、上記方
法により比較的自由に電気端子10を設ける場所を設定す
ることができる。
【0018】従来、金型には高温で溶融された樹脂が金
型に持ち込む熱量を冷却する機能のみを備えており、積
極的に樹脂を加熱するという機能は金型に備えられてい
なかった。しかし本発明は上記に説明したように、冷却
水管による冷却手段と、電気導電層による加熱手段との
いわば相反する目的の手段を金型に一体に組み込んでい
る。したがって、金型を単に冷却するだけでなく、加熱
手段との併用により金型の温度制御をより精密に行うこ
とができる。金型の精密な温度制御は、最近益々ニーズ
が強くなってきている高い寸法精度を必要とする精密射
出成形には必要な条件であるから、本発明は単にウエル
ド不良対策、ヒケ不良対策に有効であるのみならず、精
密射出成形にとっても極めて有効な手段を提供すること
ができるものである。
【0019】
【発明の効果】上記したように本発明は、金型表面の必
要な電気絶縁層を介して窒化チタン薄膜及びまたは炭窒
化チタン薄膜を設けたので、窒化チタン薄膜および炭窒
化チタン薄膜の電気抵抗値を適正な値に選ぶことが可能
となったため、金型加熱に要する電流値を抑えることが
でき、かつ、成形サイクルで必要なタイミングで金型表
面を加熱することが可能になり、成形サイクル時間の延
長を抑え、樹脂射出成形におけるウエルド不良、ヒケ不
良を減少させることができる効果がある。また通常金型
に設けられている冷却水管による冷却手段と上記窒化チ
タン薄膜による加熱手段とを併用することにより、金型
の温度制御をより精密に行うことができるので、寸法精
度の高い精密射出成形にも極めて有効である。また、窒
化チタン薄膜あるいは炭窒化チタン薄膜は所定の固有抵
抗値を有するので、効果的に空洞面を加熱し、その上
度が高いので、金型表面を保護する作用をなし、かつ樹
脂の離型性を良好にすることができ、その上電気抵抗値
が大きく、厚みが薄くても良好な加熱効果が得られる。
更に、加熱する部分の熱容量を小さくして金型の蓄熱を
小さくし、成形サイクル時間を短くするために、金型は
窒化チタン薄膜もしくは炭窒化チタン薄膜を設けた部分
と設けない部分とに分割しているので、小さな電流値で
効率良く成形金型の空洞面を加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表面加熱成形金型の雌型(キャビ
金型)の斜視図。
【図2】図1の矢印A−Aにおける断面図。
【図3】図2の電気端子部の拡大断面図。
【図4】図1の矢印Y−Yにおける断面図。
【図5】従来例の金型の斜視図。
【図6】従来例の金型の断面図。
【図7】本発明の装置で製作される製品の一実施例の斜
面図。
【図8】装置内の樹脂の流れを示す説明図。
【図9】前記製品の不良部分を示す拡大図。
【符号の説明】
2・・・雌型(キャビ金型) 3・・・雄型(コア金型) 8・・・冷却水管 13・・・電気絶縁層 14・・・電気導電層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属の雄型と雌型とで構成する空洞内に材
    料を充填して成形する成形金型において、前記成形金型
    窒化チタンまたは炭窒化チタンの薄膜を設けた部分と
    設けない部分とに分割し、前記窒化チタン及びまたは炭
    窒化チタンの薄膜は製品のウエルドライン不良やヒケ不
    良が発生し易い部分に設け、この窒化チタン薄膜または
    炭窒化チタン薄膜と金型本体との間に電気絶縁層を設け
    てなることを特徴とする表面加熱成形金型。
JP3026545A 1991-02-20 1991-02-20 表面加熱成形金型 Expired - Lifetime JP2618100B2 (ja)

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