JPH07248567A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

Info

Publication number
JPH07248567A
JPH07248567A JP6066657A JP6665794A JPH07248567A JP H07248567 A JPH07248567 A JP H07248567A JP 6066657 A JP6066657 A JP 6066657A JP 6665794 A JP6665794 A JP 6665794A JP H07248567 A JPH07248567 A JP H07248567A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
sensitive recording
group
recording material
silver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6066657A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomomasa Usami
智正 宇佐美
Noriaki Ikeda
憲亮 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP6066657A priority Critical patent/JPH07248567A/ja
Publication of JPH07248567A publication Critical patent/JPH07248567A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 階調性、画像濃度及び画像耐久性に優れた信
頼性の高い感熱記録材料を提供すること。 【構成】 支持体上に、少なくとも(a)有機銀塩、
(b)還元剤、(c)水溶性バインダー、及び、(d)
現像促進剤として少なくともフタラジノン類を含有する
感熱記録層を有する感熱記録材料であって、前記感熱記
録層が、少くとも前記還元剤を乳化分散した状態で含有
する感熱記録層塗布液を塗布乾燥してなることを特徴と
する感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料に関し、特
に感熱記録層の透明性に優れるのみならず、画像の階調
性、画像濃度及び画像の耐候性にも優れた、水系塗布の
可能な感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来技術】従来の直接型感熱記録材料(いわゆる非転
写型感熱記録材料)は、(1)現像が不要である、
(2)支持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、(3)
取り扱いが容易である、(4)発色濃度が高い、(5)
記録装置が簡単であり安価である、(6)記録時の騒音
が無い等の利点があるため、ファクシミリやプリンター
の分野で近年急速に普及し、感熱記録の用途も拡大して
いる。
【0003】このような背景のもとに、近年において
は、多色化に適応するために、或いはオーバーヘッドプ
ロジェクター(OHPと略す)に使用するために、サー
マルヘッドで直接記録することのできる透明な感熱記録
材料が開発されている(例えば特開昭63−45084
号、同63−265682号)。更に、最近、超音波、
CT、レントゲン等医療用のデジタル画像の記録にサー
マルヘッドで直接記録することのできる透明な感熱記録
材料の開発が望まれている。係る用途に使用する感熱記
録材料には銀塩フィルムと同等の高濃度及び高階調性が
望まれているが、前記の透明感熱記録材料は紫外域や近
赤外域に十分な画像濃度をもたず、また、画像保存性に
おいても十分なものではなかった。
【0004】一方、銀塩を用いる写真記録材料の場合に
は、それを用いて、サーマルヘッドによる(又は、レー
ザービームを用いた)加熱だけで、短時間で画像を形成
することのできる直接型感熱記録材料は開発されていな
い。しかしながら、熱現像という完全乾式で、銀塩の感
光性を利用した感光材料は、いわゆるドライシルバーと
して周知である。この場合の画像は銀画像であり、必要
に応じて更に色調剤を使用することにより極めて濃度の
高い画像を得ることができることも知られている。
【0005】しかしながら、前記ドライシルバー材料と
して確立されたものは有機溶剤塗布であり、環境保全
上、水系塗布がより好ましいものとして望まれていた。
そこで、本発明者等は、かかるドライシルバー等の感光
材料を感熱記録材料として使用することを検討するう
ち、水溶性バインダーと共に、現像促進剤としてフタラ
ジノン類を用い還元剤を乳化分散した状態で含有させた
場合には、容易に水系塗布の感熱記録材料とすることが
できることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は、高濃度で階調性に優れた熱記録画像を得るこ
とのできる透明感熱記録材料を提供することにある。本
発明の第2の目的は、画像階調性及び画像保存性に優
れ、記録画像の信頼性に優れた感熱記録材料を提供する
ことにある。本発明の第3の目的は、特に医療用として
好適な透明感熱記録材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、支持体上に、少なくとも(a)有機銀塩、(b)還
元剤、(c)水溶性バインダー及び(d)現像促進剤と
して少なくともフタラジノン類を含有する感熱記録層を
有する感熱記録材料であって、前記感熱記録層が、少く
とも前記還元剤を乳化分散した状態で含有する感熱記録
層塗布液を塗布乾燥してなることを特徴とする感熱記録
材料によって達成された。
【0008】本発明で使用することのできる成分(a)
の有機銀塩は、無色、白色又は淡色の銀塩であり、サー
マルヘッド又はレーザービームによって80℃以上に加
熱されたときに、還元剤と反応して銀(像)を生ずるも
のである。かかる有機銀塩は、イミノ基、メルカプト
基、チオン基、カルボキシル基、スルホン酸基又はスル
フィン酸基等を有する有機化合物の銀塩であり、その具
体例としては次のようなものが挙げられる。
【0009】(ア)特開昭49−91214号、同48
−28221号、同49−91215号各公報、米国特
許第3,152,904号、同第3,457,075号
各明細書等に記載されているイミノ基を有する有機化合
物の銀塩(例えばサッカリン銀、ベンゾトリアゾール
銀、N−フタルイミド銀など)。 (イ)特開昭49−5926号、同49−1039号各
公報等に記載されているメルカプト基又はチオン基を有
する有機化合物の銀塩(例えば2−メルカプトベンゾオ
キサゾール銀、3−(2−カルボキシエチル)−1−フ
ェニル−1,3,4−トリアゾリン−2−チオンの銀塩
など)。
【0010】(ウ)米国特許第3,457,075号、
同第3,330,663号、同第3,667,958号
各明細書、特公昭49−49498号、同49−168
08号、特開昭46−6077号、同46−4728
号、同47−10282号、同47−1238号、同4
8−97523号各公報、及び西独特許公開(OLS)
第2,308,766号明細書等に記載されているカル
ボキシル基を有する有機化合物の銀塩。
【0011】このような有機化合物の銀塩としては、例
えばカプリル酸銀、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パ
ルミチン酸銀、ステアリン酸銀、ベヘン酸銀、マレイン
酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロイン酸銀、リノール
酸銀、オレイン酸銀、ヒドロキシステアリン酸銀、アジ
ピン酸銀、セバシン酸銀、コハク酸銀、酢酸銀、酪酸
銀、樟脳酸銀等の脂肪族カルボン酸の銀塩;3,5−ヒ
ドロキシ安息香酸銀、o−メチル安息香酸銀、m−メチ
ル安息香酸銀、p−メチル安息香酸銀、2,4−ジクロ
ル安息香酸銀、アセトアミド安息香酸銀、p−フェニル
安息香酸銀、没食子酸銀、タンニン酸銀、フタル酸銀、
ナフタレン酸銀、サリチル酸銀、フェニル酢酸銀、ピロ
メリット酸銀、4’−n−オクタデシルオキシジフェニ
ル−4−カルボン酸の銀塩等の、芳香族カルボン酸の銀
塩などを挙げることができる。
【0012】(エ)スルホン酸銀(例えばエタンスルホ
ン酸銀、1−プロパンスルホン酸銀など)、スルフィン
酸銀(例えばp−トルエンスルフィン酸銀等)の他、英
国特許第1,230,642号明細書、特開昭48−8
9720号公報に記載されたテトラザインデン類の銀塩
など。 以上の有機銀塩の中でも、炭素原子数10以上の脂肪酸
の銀塩が好ましく、特に、炭素原子数が16〜41の脂
肪酸の銀塩(例えばパルミチン酸銀、ステアリン酸銀、
ベヘン酸銀等の、メチレン基が偶数個の脂肪酸の銀塩の
他、CH3 (CH2 21COOAg、CH3 (CH2
27COOAg等の、メチレン基が奇数個の脂肪酸の銀
塩)が好ましい。
【0013】有機銀塩の使用量は、支持体1m2 当たり
の銀換算で約0.1g〜約4g、好ましくは約0.29
g〜約2.5gである。0.1g/m2 より少ないと画
像濃度が低すぎ、又、4g/m2 より多いと画像濃度は
変わらないのに銀塩の使用量が増えるのでコスト高とな
る。かかる有機銀塩を調製するには種々の方法があり、
米国特許第3,457,075号、同第3,458,5
44号、同第3,700,458号、同第3,839,
049号、英国特許第1,405,867号、同第1,
173,426号、特開昭51−22431号、特願昭
50−45997号各明細書に詳述されている。これら
の方法を要約すると次の通りである。
【0014】即ち、有機銀塩形成剤(例えばイミノ化合
物、カルボン酸、メルカプト化合物又はこれらの塩)
を、適当な溶媒(例えば水、脂肪族炭化水素類、エステ
ル類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、
芳香族炭化水素類、アルコール類、油類等)に溶解又は
分散した液Aと、有機銀塩を形成しうる銀塩(例えば、
硝酸銀、三弗化酢酸銀、四弗化硼酸銀、過塩素酸銀)を
適当な溶媒(例えば水、アルコール類、酸アミド類、ア
ミン類、アンモニア水、ケトン類、アセトニトリル、ジ
メチルスルホキシド、芳香族炭化水素類、ピリジン、脂
肪族炭化水素類等)に溶解又は分散した液Bとを混合し
て、有機銀塩を調製する。
【0015】上記溶媒の具体例としては、トルエン、キ
シレン、水、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ドデセ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸ブチル、酢酸
アミル、酢酸ペンチル、燐酸トリクレジル、ひまし油、
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、アセトン、ジオキサン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、塩化メチレ
ン、フタル酸ジブチル、ジオキサン、ジメチルホルムア
ミド、アンモニア、アセトニトリル等があるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0016】反応は、約−80℃〜約100℃の間の任
意の温度で行わせるが、約−20℃〜約70℃の範囲で
行わせることが好ましい。反応時間は、約0.01秒〜
約150時間であり、好ましくは約0.1秒〜約72時
間の範囲である。反応圧力は約10-2mmHg〜約30
0気圧であり、特に、大気圧下で行うことが好ましい。
溶液又は分散液の濃度は、前記A液及びB液とも、約1
-2重量%〜約102重量%の範囲であるが、通常は約
1重量%〜約50重量%の範囲とする。また英国特許第
1,408,123号明細書に記載されている如く、有
機銀塩の調製時に超音波を作用させてもよい。
【0017】また、有機銀塩の粒子形態、粒子サイズ及
び/又は熱安定性、光安定性、かぶり等を改善するため
に、有機銀塩調製時に、ポリマー、含金属化合物、界面
活性剤等を存在させてもよい。この場合のポリマーとし
ては、例えば、米国特許第3,700,458号及び特
願昭50−133692号各明細書に記載されているよ
うなポリビニルブチラールがあり、含金属化合物におけ
る金属としては英国特許第1,378,734号、特開
昭51−22430号、同50−134421号公報に
記載されているような、水銀、鉛、クロム、コバルト、
ロジウムの他に、マンガン、ニッケル、鉄、セリウム等
も挙げられる。界面活性剤及びポリマーの量は、有機銀
塩1モル当たり約0.1〜約1000g、好ましくは約
1g〜約500g、含金属化合物の量は、有機銀塩1モ
ル当たり約10-6モル〜10-1モルの範囲であることが
好ましい。
【0018】このようにして調製された有機銀塩の粒子
サイズは、長径が約10ミクロン〜約0.01ミクロ
ン、好ましくは、約5ミクロン〜約0.1ミクロンであ
る。本発明で使用することのできる成分(b)の還元剤
は、加熱された時に、有機銀塩〔成分(a)〕を還元し
得るものである。このような還元剤のうち実際に使用さ
れるものは、用いられる有機銀塩の種類や性能によって
決定される。
【0019】好ましい還元剤としては、モノ、ビス、ト
リス又はテトラキスフェノール類、モノ又はビスナフト
ール類、ジ又はポリヒドロキシナフタレン類、ジ又はポ
リヒドロキシベンゼン類、ヒドロキシモノエーテル類、
アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン
類、ピラゾロン類、還元性糖類、フェニレンジアミン
類、ヒドロキシルアミン類、レダクトン類、ヒドロオキ
サミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒ
ドロキシ尿素類糖があり、それらの具体例については、
特開昭51−22431号、米国特許第3,615,5
33号、同第3,679,426号、同第3,672,
904号、同第3,751,252号、同第3,75
1,255号、同第3,782,949号、同第3,8
01,321号、同第3,794,488号、同第3,
893,863号、ベルギー特許第786,086号、
米国特許第3,770,448号、同第3,819,3
82号、同第3,773,512号、同第3,928,
686号、同第3,827,889号、同第3,83
9,048号、同第3,887,378号等の各明細書
及び特開昭50−36110号、同50−116023
号、同50−147711号、同51−23721号、
特開昭49−105290号、同49−126366号
等の各公報に詳述されている。
【0020】これらの化合物のうち特に好ましいもの
は、ポリフェノール類、スルホンアミドフェノール類及
びナフトール類である。ポリフェノール類の好ましい具
体例としては、2,4−ジアルキル置換オルソビスフェ
ノール類又は2,6−ジアルキル置換パラビスフェノー
ル類又はこれらの混合物である。
【0021】具体的化合物としては、例えば、1,1−
ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−
3,5,5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(2−
ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メ
タン;2,6−メチルビス(2−ヒドロキシ−3−t−
ブチル−5−メチルフェニル)−4−メチルフェノー
ル、6,6’−ベンジリデン−ビス(2,4−ジ−t−
ブチルフェノール)、6,6’ベンジリデン−ビス−
(2,4−ジメチルフェノール);
【0022】1,1−ビス−(2−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1,
5,5−テトラビス−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)−2,4−エチルペンタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチルフェニル)プロパン等が挙げられ
る。
【0023】ナフトール類の好ましい具体例としては、
2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、6,
6’−ジブロモ−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−
ビナフチル、6,6’−ジニトロ−2,2’−ジヒドロ
キシ−1,1’−ビナフチル、ビス(2−ヒドロキシ−
1−ナフチル)メタン、4,4’−ジメトキシ−1,
1’−ジヒドロキシ−2,2’−ビナフチル等が挙げら
れる。
【0024】又、スルホンアミドフェノール類の好まし
い具体例としては、4−ベンゼンスルホンアミドフェノ
ール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミド
フェノール等が挙げられる。以上の具体例の他、更に詳
細な具体例については、特開昭51−22431号、同
50−36110号、同50−116023号、同50
−147711号、同51−23721号、特願昭49
−10529号、同49−126366号、特開昭50
−15541号、米国特許第3,672,905号、同
第3,801,321号各明細書に記載されている。
【0025】又、フェニレンジアミン類を還元剤に用い
る場合には、特に米国特許第3,531,286号の各
明細書に記載されているような、フェノール性又は活性
メチレン性カラーカプラーと併用することによってカラ
ー画像を得ることもできる。同様に、米国特許第3,7
61,270号明細書に従ってカラー画像を得ることも
できる。
【0026】以上の還元剤のうち、芳香族のヒドロキシ
ル置換位置に燐なる両置換位置の少なくとも一つに、例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基のようなアルキル基、又はアシル基を有す
る、例えば2,6’−ジ−t−ブチル−フェノール基を
有するモノ−、ビス−、トリス−、若しくはテトラキス
−フェノール類は光に対して安定であるので、光変色す
ることがないという点で特に好ましい。
【0027】又、米国特許第3,827,889号明細
書に記載されているように、還元剤として、光分解性、
光不活性化性を有するものを用いることによって、熱記
録画像を光定着することもできる。光分解性還元剤とし
てはアスコルビン酸又はその誘導体、フロイン、ベンゾ
イン、ジヒドロキシアセトン、グリセリンアルデヒド、
ロジソン酸テトラヒドロキシキノン、4−メトキシ−1
−ナフトール、特開昭50−49714号公報に記載さ
れているような芳香族多硫化合物などがある。
【0028】更に還元剤の光分解性を促進させる化合物
を併用することもできる。適当な還元剤は、用いられる
有機銀塩〔成分(a)〕の種類(性能)に対して選択さ
れる。例えば、ベンゾトリアゾールの銀塩やベヘン酸銀
のように比較的還元され難い銀塩に対してはより強い還
元剤が適しており、又、カプリン酸銀やラウリン酸銀の
ように、比較的還元され易い銀塩に対してはより弱い還
元剤が適している。
【0029】ベンゾトリアールの銀塩に対して適当な還
元剤としては、例えば、t−フェニル−3−ピラゾリド
ン類、アスコルビン酸、アスコルビン酸のモノカルボン
酸エステル類、4−メトキシ−1−ナフトールなどのナ
フトール類等がある。ベヘン酸銀塩に対しては、没食子
酸エステル類、置換テトラキスフェノール類やビス(ヒ
ドロキシフェニル)アルカン系のo−ビスフェノール
類、ビスフェノールA置換体などのp−ビスフェノール
類及びp−フェニルフェノール等が挙げられるが、特
に、没食子酸プロピルが好ましい。
【0030】還元剤の選択方法については、実施例に示
すような感熱記録材料を作り、その記録特性から還元剤
の優劣を調べる方法が、当業者にとって最も簡単な方法
である。これらの還元剤の添加量は、有機銀塩や還元剤
の種類、その他の添加剤等によって種々変動するが、一
般的には、有機銀塩1モル当たり約0.05モル〜約1
0モルであり、好ましくは約0.1〜約3モルである。
上述した各種の還元剤は2種以上を併用してもよい。
【0031】本発明に使用される還元剤は、その他の添
加剤と共に乳化分散した乳化物として添加される。この
ように乳化物として添加することにより、画像形成層が
透明になるので、透明な支持体を用いることにより、透
過型の記録材料を得ることができる。又、合成紙やラミ
ネート紙を用いれば、反射型の記録材料を得ることがで
きる。
【0032】本発明で使用することのできる成分(c)
の水溶性バインダーは特に限定されるものではないが、
具体例としては、ゼラチンの如き蛋白質、セルロース誘
導体、デキストランの如きポリサッカライド、アラビア
ゴム等の如き天然産物質、その他合成ポリマー等が挙げ
られる。好適なバインダーは特開昭51−22431号
公報に記載されているが、特に好ましいバインダーとし
ては、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、フタル
化ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。こ
れらのバインダーは、必要に応じて2種以上混合使用し
てもよい。
【0033】バインダーの量は、成分(a)の有機銀塩
に対して重量比で約10対1〜約1対10であるが、特
に、約4対1〜約1対4であることが好ましい。尚、水
溶性バインダーを用いることにより、水系塗布が可能と
なると共に、有機溶剤系塗布に伴う、有機溶剤の回収や
防爆管理等の環境安全の為の対策を施す必要が無くなる
上、記録材料のカブリを少くすることができるという長
所が生ずる。
【0034】本発明で使用する、成分(d)の現像促進
剤であるフタラジノン類としては下記化3で示される化
合物が好ましい。
【化3】 但し、化3中のR3 、R4 、R5 、R6 及びR7 は各々
水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキ基、ニトロ基、−N
2 基、炭素原子数1〜20の含炭素置換基を表わす。
この含炭素置換基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハ
ロゲン原子などを含んでいてもよい。Mは水素原子、1
価の金属原子、炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル
基、炭素原子数1〜18の含炭素置換基を有するカルバ
モイル基を表わす。
【0035】上記化3においてR3 、R4 、R5 、R6
及びR7 のハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭
素原子、沃素原子等を挙げることができる。R3
4 、R5 、R6 及びR7 の含炭素置換基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基などの炭素原子数1〜4
のアルキル基;クロルメチル基、ブロムエチル基、クロ
ルプロピル基などの炭素原子数1〜4のハロゲノアルキ
ル基;ヒドロキシメチル基、γ−ヒドロキシプロピル基
などの炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基;
【0036】メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基など
の炭素原子数1〜4のアルコキシ基;ピリジル基;フェ
ニル基、ナフチル基などのアリール基;トリル基などの
炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたアリール
基;クロルフェニル基、ブロムフェニル基などのハロゲ
ン原子で置換されたアリール基;クロルフェニル基、ブ
ロムフェニル基などのハロゲン原子で置換されたアリー
ル基;
【0037】ベンジル基、フェネチル基、p−メトキシ
ベンジル基などの炭素原子数7〜12のアラルキル基;
アセチル基、プロピオニル基などの炭素原子数2〜4の
アシル基;アリル基の如き炭素原子数3〜6のアルケニ
ル基;モルホリノメチル基、モルホリノエチル基、モル
ホリノプロピル基、モルホリノブチル基のようなモルホ
リノ基で置換された炭素原子数1〜4のアルキル基な
ど;
【0038】β−スチリル基、2−(3−ピリジル)ビ
ニリデン基、2−(2−ピリジル)ビニリデン基などの
2−置換ビニル基;アミノメチル基、アミノエチル基、
アミノブチル基などの炭素原子数1〜4のアミノアルキ
ル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの炭素
原子数1〜4のアルキル基で置換されたアミノ基;ジメ
チルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基などの炭
素原子数1〜4のアミノアルキル基などが挙げられる。
【0039】特に、R3 、R4 、R5 及びR6 が水素原
子のものが、熱感度が高くなるので好ましい。一方、上
記化3におけるMの1価の金属原子としては、リチウム
原子、ナトリウム原子、カリウム原子、銀原子等を挙げ
ることができる。Mの炭素原子数1〜5のヒドロキシア
ルキル基としては、ヒドロキシメチル基、β−ヒドロキ
シエチル基、γ−ヒドロキシプロピル基などがあるが、
特に、ヒドロキシメチル基が好ましい。
【0040】また、炭素原子数1〜12の含炭素置換基
を有するカルバモイル基とは、具体的には、下記化4で
表される基である。
【化4】 但し、化4中、R8 は炭素原子数1〜18の含炭素置換
基であり、これらは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、
ハロゲン原子等を有していても良い。
【0041】R8 の含炭素置換基として好ましいもの
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、ド
デシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、シクロ
ペンチル基などの炭素原子数1〜18のアルキル基;メ
トキシエチル基、エトキシメチル基などの炭素原子数1
〜4のアルコキシ基が置換した炭素原子数1〜12のア
ルキル基;
【0042】アリル基などの炭素原子数3〜6のアルケ
ニル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベ
ンゾイル基などのカルボニル基が置換したアリール基;
メトキシフェニル基などの炭素原子数1〜4のアルコキ
シ基が置換したアリール基;p−クロルフェニル基、1
−ブロモ−2−ナフチル基などのハロゲン原子が置換し
たアリール基;ビフェニル基などの炭素原子数6〜10
のアリール基が置換したアリール基などである。特にR
8 が水素原子又は1価の金属原子のものは、熱感度が良
好であるので好ましい。
【0043】フタラジノン類の具体例としては、フタラ
ジノン、4−メチルフタラジノン、4−フェニルフタラ
ジノン、4−(1−ナフチル)フタラジノン、4−(2
−ナフチル)フタラジノン、4−ヒドロキシメチルフタ
ラジノン、4−クロルフタラジノン、4−(p−クロル
フェニル)フタラジノン、4−(p−ピリジノ)フタラ
ジノン、4−β−スチリルフタラジノン、4−ジメチル
アミノメチルフタラジノン、4−モルホリノメチルフタ
ラジノン、4−(p−メトキシベンジル)フタラジノ
ン、4−(ベンジリデンヒドラジノ)フタラジノン、4
−ベンジルフタラジノン、6−クロルフタラジノン、
5,7−ジメトキシフタラジノン、8−メチルフタラジ
ノン、6−ブロムフタラジノン、8−t−ブチルフタラ
ジノン、5−ニトロフタラジノン、8−アミノフタラジ
ノン、8−ヒドロキシフタラジノン、フタラジノンナト
リウム、フタラジノンカリウム、フタラジノンリチウム
及び下記化5及び化6に示される化合物等が挙げられ
る。
【0044】
【化5】
【化6】
【0045】本発明の他の現像促進剤であるベンゾオキ
サジンジオン類又はキナゾリンジオン類としては、下記
化7で表される化合物が好ましい。
【化7】 但し、化7中、R9 、R10、R11及びR12は各々水素原
子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、−NH2
基、又は炭素原子数1〜20の含炭素置換基を表わす。
この含炭素置換基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハ
ロゲン原子などを含んでいてもよい。Xは酸素原子、又
は=N−R13基を表わす。ここでR13は炭素原子数1〜
20の含炭素置換基を表わす。この含炭素置換基は酸素
原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子などを含んで
いてもよい。Mは水素原子、ヒドロキシメチル基、又は
1価の金属原子を表わす。
【0046】Mの1価の金属原子としてはリチウム原
子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、
セシウム原子などが好ましい。またR9 とR10、R10
11、R11とR12は互いに縮合して芳香族環を形成して
いても良い。ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原
子、沃素原子等が好ましい。
【0047】R9 、R10、R11及びR12の含炭素置換基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原
子数1〜4のアルキル基;クロルメチル基、β−ブロム
エチル基等の炭素原子数1〜4のハロゲノアルキル基;
ヒドロキシメチル基、γ−ヒドロキシプロピル基等の炭
素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜4のアルコ
キシ基;
【0048】シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の
炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;ジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基等の炭素原子数1〜4のアルキ
ル基で置換されたアミノ基;アセチル基、プロピオニル
基等の炭素原子数2〜4のアシル基;アリル基等の炭素
原子数3〜6のアルケニル基;メチルチオ基、エチルチ
オ基等の炭素原子数1〜4のアルキル基;などが好まし
い。またR11の含炭素置換基としては、炭素原子数1〜
4のアルキル基が特に好ましい。
【0049】ベンゾオキサジンジオン類又はキナゾリン
ジオン類の具体例としては、下記化8〜化16に示され
る化合物等が挙げられる。
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【0050】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【0051】本発明で使用することのできる水溶性バイ
ンダーの硬膜剤(成分(e))は、画像形成後の取扱い
時における水分の影響を低減するものであり、水溶性バ
インダーの種類によって適宜選択して用いられる。例え
ば、ゼラチン用硬膜剤としては、ホルムアルデヒド、グ
ルタルアルデヒドの如きアルデヒド系の化合物、米国特
許第3635718号その他に記載されている反応性の
ハロゲンを有する化合物、米国特許第3635718号
その他に記載されている反応性のエチレン性不飽和結合
をもつ化合物、米国特許第3017280号その他に記
載されているアジリジン系化合物、米国特許第3091
537号その他に記載されているエポキシ系化合物;
【0052】ムコクロル酸のようなハロゲノカルボキシ
アルデヒド類、ジヒドロキシジオキサン、ジクロロジオ
キサン等のジオキサン類あるいは米国特許第36424
86号や米国特許第3687707号に記載されている
ビニルスルホン類、米国特許第3841872号に記載
されているビニルスルスルホンプレカーサー類、米国特
許第3640720号に記載されているケトビニル類等
があるが、更に、無機硬膜剤としてクロム明ばん、硫酸
ジルコニウム、硼酸等を用いることもできる。
【0053】これらの硬膜剤の中で特に好ましい化合物
は、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s
−トリアジンや1,2−ビスビニルスルホニルメタン、
1,3−ビス(ビニルスルホニルメチル)プロパノール
−2,ビス(α−ビニルスルホニルアセトアミド)エタ
ン、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ン・ナトリウム塩、2,4,6−トリエチレンイミノ−
s−トリアジンや硼酸等の化合物である。添加量は水溶
性バインダーに対して0.5〜5重量%とすることが好
ましい。
【0054】ポリビニルアルコール用硬膜剤としては、
ホウ酸やホウ砂等のホウ酸化合物、ホルムアルデヒ
ド、グリオキザール、ジアルデヒド、でん粉、環状尿素
−グリオキザール反応物、アクリルアミド−グリオキザ
ール反応物共重合体等のアルデヒド化合物、尿素−ホ
ルムアルデヒド樹脂やメラミン−ホルムアルデヒド樹脂
等のメチロール基又はその低級アルキル化合物、ポリ
アミド−エポキシ樹脂或いはグリセリンジグリシジルエ
ーテル等のエポキシ基又はエポクロルヒドリン基化合
物、ジフェニルメタン−ビス−4,4’−N,N’−
ジエチレン尿素等のエチルイミン基化合物等を挙げるこ
とができる。
【0055】本発明の感熱記録材料には、かぶりを防止
するための種々の方法が適用される。その方法の一つと
しては、米国特許第3,589,903号明細書に記載
されているような水銀化合物を用いるものがある。水銀
化合物としては、臭化水銀、沃化水銀、酢酸水銀が好ま
しい。
【0056】かぶりを防止する他の方法としては、米国
特許第3,885,968号明細書、特開昭50−10
1019号、同50−116024号、同50−123
331号、同50−134421号、同51−2243
1号各公報、及び特願昭49−121631号、同49
−115781号、同49−125037号、同49−
131827号、同50−299号、同50−2885
1号、同50−96155号各明細書に記載されている
ような化合物、例えば、リチウム塩、過酸化物、過硫酸
塩、ロジウム塩、コバルト塩、パラジウム化合物、セリ
ウム化合物、脂肪酸又はその塩類、スルフィン酸又はそ
の塩類、チオスルホン酸又はその塩類、ジスルフィド
類、ロジン類、ポリマー酸等が用いられる。
【0057】これらの化合物のうちでも、特願昭50−
299号明細書に記載されているチオスルホン酸類の化
合物等が特に好ましい。このチオスルホン酸類は、下記
化17のように表される。
【化17】 但し、化17中、R14は置換又は無置換の脂肪族基、あ
るいは、置換又は無置換のアリール基を表わし、Mは水
素イオン以外の陽イオンを表す。
【0058】これらの中でも、特に炭素原子数22以下
のアルキル基、又は、このアルキル基に炭素原子数1〜
8のアルコキシ基、炭素原子数6〜18のアリール基若
しくは、炭素原子数6〜30のアリール基が置換したも
の;炭素原子数6〜30のアリール基、又はこのアリー
ル基に炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数7〜
14のアリール基若しくは炭素原子数6〜18のアリー
ル基等が置換したものが好ましい。
【0059】チオスルホン酸類の具体的化合物として
は、n−オクチルチオスルホン酸ナトリウム、n−ドデ
シルチオスルホン酸カリウム、n−ドデカンチオスルホ
ン酸カリウム、ベンジルチオスルホン酸ナトリウム、n
−ウンデカンチオスルホン酸ナトリウム、n−テトラデ
カンチオスルホン酸カリウム、ベンジルチオスルホン酸
リチウム、n−ヘキサデカンチオスルホン酸カリウム、
2−エトキシエチルスルホン酸カリウム、ベンゼンチオ
スルホン酸リチウム、ベンゼンチオスルホン酸カリウ
ム、p−トルエンチオスルホン酸ナトリウム、p−メト
キシベンゼンチオスルホン酸カリウム、p−エトキシベ
ンゼンチオスルホン酸カリウム、2−ナフチルチオスル
ホン酸ナトリウム、3−t−ブチルベンゼンチオスルホ
ン酸カリウム、3,4−ジメチルベンゼンチオスルホン
酸ナトリウム、3−クロルベンゼンチオスルホン酸カリ
ウム、4−ニトロベンゼンチオスルホン酸ナトリウム、
3−アセチルベンゼンチオスルホン酸カリウム等を挙げ
ることができる。
【0060】このチオスルホン酸類の使用量は、有機銀
塩1モル当たり10-5〜1モルの範囲内であることが好
ましく、特に6×10-4〜10-1モルの範囲内であるこ
とが好ましい。この使用量が10-5モル以下では熱かぶ
り防止の効果が十分でなく、1モル以上の場合には現像
が阻止されるので、現出する画像の最高濃度が低くな
る。本発明の感熱記録材料の感熱記録層には、上記成分
の他に、必要に応じて、顔料やワックス等を更に添加し
ても良い。
【0061】次に、本発明の感熱記録材料に使用される
支持体について詳述する。本発明で使用する支持体はい
かなる形状のものでもよいが、情報記録材料としての取
扱上から、通常はフィルム状、シート状、ロール状また
はリボン状のものが用いられる。支持体の素材としては
プラスチックフィルムまたはシート、ガラス、ウール、
コットン布、紙、アルミニウムなどの金属等が挙げられ
る。
【0062】プラスチックフィルムの例としては、セル
ロースセテートフィルム、(例えば、トリアセテートフ
ィルム)ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレン
テレフタレート)、ポリアミドフィルム、ポリイミドフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられるが、
これらの中でも特にポリエチレンテレフタレートが好ま
しい。
【0063】又、紙支持体の例としては、一般の紙の他
に、写真用原紙、コート紙やアート紙などの印刷用紙、
バライタ紙、レジンコーテッド紙、耐水性紙、ベルギー
特許第784,615号明細書に記載されているポリサ
ッカライドなどでサイジングした紙、二酸化チタンその
他の充填剤を含有したピグメント紙、α−オレフィンポ
リマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−ブテンコポリマー等)を被覆したコート紙、ポリ
ビニルアルコールで予備処理した紙等が挙げられる。
【0064】一方、ポリオレフィンやポリエステル等か
らなる合成紙、ポリオレフィンやポリエステル等で両面
をラミネートしたラミネート紙のような表面平滑性の良
い支持体を用いた場合には、画像ムラが顕著に改善さ
れ、高画質の反射画像を得ることができる。又、合成紙
を支持体として用いた場合には、紙繊維を含まないの
で、その断面から繊維がこぼれ落ちることがなく、特に
ホコリやゴミを嫌う無塵室において用いるのに好適であ
る。
【0065】本発明の感熱記録材料は、更に、保護層、
帯電防止層、導電層、蒸着金属層、下塗り層、バック層
等を有することができるが、特に、感熱記録層の上部に
保護層を設けることが好ましい。保護層を感熱記録層の
最上層に設けた場合には、感熱記録層表面の機械的強度
を向上させることができる。保護層中には、熱記録時の
サーマルヘッドとのマッチング性の向上、保護層の耐水
性の向上等の目的で、顔料、金属石鹸、ワックス、架橋
剤等が添加される。これらの顔料、金属石鹸、ワック
ス、架橋剤等の詳細については、例えば、特開平2−1
41279号公報に記載されている。
【0066】又、感熱記録層上に均一に保護層を形成さ
せるために、保護層形成用塗布液には界面活性剤が添加
される。界面活性剤には、スルホコハク酸系のアルカリ
金属塩、フッ素含有界面活性剤等があり、具体的にはジ
−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸、ジ−(n−
ヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩又はアンモ
ニウム塩等がある。又、保護層中には、感熱記録材料の
帯電を防止するための界面活性剤、高分子電解質等を添
加しても良い。保護層の固形分塗布量は通常0.2g〜
5g/m2が好ましく、更に好ましくは1g〜3g/m
2 である。
【0067】感熱記録材料が記録装置内でスムースに搬
送されるようにする観点からは、保護層及び/又は必要
に応じて設けられるバック層中に、下記化18又は化1
9で表される界面活性剤を添加することが好ましい。
【化18】
【化19】 但し、化18中のR1 は炭素原子数5〜20のアルキル
基を、化19中のR2は炭素原子数6〜30のアリール
基を、Mはアルカリ金属又はアンモニウム基を、m及び
nはそれぞれ1〜20の整数を表わす。
【0068】上記化18で表される化合物の具体例とし
ては、下記化20に示される化合物等が挙げられる。
【化20】 又、前記化19で表される化合物としては、特に下記化
21によって表される化合物が好ましい。
【化21】 化21中のR15は炭素原子数1〜20のアルキル基を、
Mはアルカリ金属又はアンモニウム基を、nは1〜20
の整数をそれぞれ表す。
【0069】上記化21によって表される化合物のう
ち、R15がスルホアルキルオキシ基に対してパラ位に置
換しているものが特に好ましい。それらの具体例として
は、下記化22及び化23等で示される化合物が挙げら
れる。
【化22】
【化23】
【0070】本発明においては、これら化18によって
表される化合物及び化19によって表される化合物のう
ち、少なくとも1種を使用することが好ましい。これら
の化合物は、通常、支持体1m2 あたり0.01〜0.
5g、好ましくは0.05〜0.2g使用され、これに
よって本発明の感熱記録材料に導電性を付与することが
できる。更に、上記の界面活性剤と同様の目的で、感熱
記録材料を構成する層の少なくとも一層又は支持体に、
金属酸化物からなる導電性粒子を含有せしめることによ
って帯電防止能を持たせても良い。
【0071】上記金属酸化物からなる導電性微粒子は、
ZnO、TiO2 、SnO2 、Al2 3 、In
2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 及び、こ
れらの複合酸化物微粒子の群から選択される少なくとも
1種であり、本発明においては、特にSnO2 を使用す
ることが好ましい。尚、これらの導電性微粒子の体積抵
抗は100 〜105 Ω・cmの範囲であることが好まし
い。
【0072】上記の金属酸化物から成る導電性微粒子
は、主として次のような方法により製造される。第1の
方法は、金属酸化物微粒子を焼成により作製し、導電性
を向上させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2
の方法は、焼成により金属酸化物微粒子を製造するとき
に、導電性を向上させる為の異種原子を共存させる方
法、第3の方法は、焼成により金属微粒子を製造する際
に、雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する
方法等である。
【0073】第1の方法では、微粒子表面の導電性を効
果的に向上させることができるが、熱処理中に粒子の成
長が起こる可能性があるので条件を選ぶ必要がある。ま
た、熱処理は還元性雰囲気で行う方が良い場合がある。
一方、第2の方法は、最も製造経費が少なくてすむと思
われるので好ましい方法である。例えば、SnO2 の水
和物であるβ−スズ酸コロイド中に、塩化アンチモン、
硝酸アンチモン、酸化アンチモンの水和物等を共存させ
ておくと、導電性SnO2 微粒子を得ることができる。
【0074】また、別の例としてSnCl4 、TiCl
4 を酸化分解してSnO2 、TiO2 を制作する所謂気
相法において、酸化分解の時に異種原子の塩類を共存さ
せると導電性のSnO2 、TiO2 等を得ることができ
る。また、金属の有機塩分を加熱分解して金属酸化物を
得る方法において、加熱分解の際に異種金属の塩類を共
存させる方法もある。
【0075】第3の方法の例としては、酸素雰囲気中で
金属を蒸発させて金属酸化物微粒子を得る真空蒸発法に
おいて、酸素量を不足気味にしておく方法、あるいは酸
素を十分に供給せずに金属、金属塩類を加熱する方法が
ある。本発明で使用する導電性粒子の粒径はできるだけ
小さい方が望ましいが、前記の粒子作製法によって得ら
れた微細粒子は、強く凝集して粗大粒子となることがあ
る。
【0076】これを避ける為に、導電性粒子を作る際
に、導電性向上には直接寄与しない微細な粒子を微粒子
化助剤として共存させると効果があることが多い。この
目的に利用される粒子としては、導電性を高める目的で
作られたのではない微細な金属酸化物粒子(例えば、Z
nO、TiO2 、SiO2 、Al2 3 、MgO、Ba
O、WO3 、MoO3 、P2 5 等)、BaSO4 、S
rSO4 、CaSO4 、MgSO4 等の硫酸塩の微粒
子、MgCO3 、CaCO3 等の炭酸塩の微粒子等があ
る。これらの粒子は、導電性微粒子と共にバインダー中
に分散させて用いることが可能である。
【0077】また、大部分の助剤様粒子及び粗大粒子を
除く目的で物理的あるいは化学的処理をすることもでき
る。即ち、得られた粒子を液体中に投入し、ボールミ
ル、サンドミル等により粉砕した後、濾過又は、遠心分
離法等により、極微細の導電性粒子を選択的に補集する
方法、あるいは上記のように粉砕した後、助剤粒子だけ
を溶解するという方法が効果的である。これらの操作を
繰り返したり、また組み合わせることにより、一段と効
果的に、極微細の導電性粒子が得られる。
【0078】粒子を分散する液体中に、分散助剤として
界面活性剤、少量のバインダー類、あるいは少量のルイ
ス酸、ルイス塩基等を加えておくと更に効果的に極微細
の導電性粒子が得られる。化学的処理を併用すれば、助
剤粒子として使用できる粒子は更に広い範囲にわたる。
具体的な微粒子の作り方の詳細は、例えば特開昭64−
90788号公報に記載されている。これらの導電性化
合物は、通常、支持体1m2 あたり0.001〜1g、
好ましくは0.05〜0.5g程度使用される。
【0079】これらの導電性化合物を添加することによ
る帯電防止能の作用については必ずしも明確ではない
が、これらの化合物を感熱記録材料を構成する少なくと
も1層に添加することにより本発明の感熱記録材料に帯
電防止能が付与される。しかしながら、感熱記録層に添
加した場合には、熱感度の低下等が生ずるという好まし
くない効果を生ずることから、特に、感熱記録層の上の
保護層、感熱記録層の下の下塗層及び、支持体裏面のバ
ック層の少なくとも1層を感熱記録層と共に併設し、こ
れらのうち少なくとも1層に上記電導性化合物を添加す
ることが好ましい。
【0080】又ベルギー特許第798,367号、米国
特許第3,856,526号、同第3,856,527
号、同第3,933,508号、特開昭49−1287
26号各公報等に記載されているように、感熱記録材料
の透明度を上げて膜の耐熱性を改良するために、所望に
より感熱記録層の上にポリマー層を設けることができ
る。
【0081】このポリマー層に適当なポリマーとして
は、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニルと酢
酸ビニルとのコポリマー、ポリスチレン、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレ
ート、酢酸セルロース、塩化ビニリデン、ポリカーボネ
ート、ゼラチン、ポリビルアルコール等が挙げられる。
上記のポリマー層に、二酸化チタン、カオリン、酸化亜
鉛、シリカ、アルミナ、デンプンなどのポリサッカライ
ド類などの担体を含有させることによって、スタンプイ
ンク、朱肉、ボールペンや鉛筆等による書き込みを可能
にすることができる。
【0082】支持体上への感熱記録層用塗布液を塗布す
る場合、その塗布量は、有機銀塩の銀量が、支持体1m
2 当たり約0.2g〜約3g好ましくは約0.3〜約2
gの範囲内の量となるように塗布される。塗布量が、
0.2g/m2 よりも少ない銀量となる場合には、形成
される画像の最高濃度が低く、また、銀量が0.3g/
2 以上となるような塗布量の場合には、画像の最高濃
度が飽和するので、製品のコストだけが高くなる。
【0083】本発明の感熱記録材料の調製方法は、大略
次の通りである。即ち、有機銀塩形成剤と、硝酸銀のよ
うな銀イオン供給剤とを、既に述べた種々の方法で反応
させて有機銀塩を作る。調製条件は通常大気圧下で行
う。温度は−15℃〜+80℃の範囲で適当に選ぶこと
ができるが、通常は、約20℃〜60℃が適当であり、
通常は常温(15℃〜25℃)で行う。このようにして
作製した有機銀塩を水やアルコール等で洗浄した後、水
溶性バインダー中に分散させる。分散にはコロイドミ
ル、ミキサー、ボールミル等を用いることができる。
【0084】一方、還元剤、水溶性バインダー、現像促
進剤などの各種添加剤は、ホモジナイザー等を用いて乳
化させ、還元剤乳化液とする。次いで、得られた還元剤
乳化液と有機銀塩分散液及び必要に応じて添加する水溶
性バインダーの硬膜剤と共に攪拌・混合し、感熱記録層
塗布液を調製する。この塗布液は、乾固されることなく
そのまま適当な支持体上に塗布される。同様にして保護
層、下塗層、バック層その他の層についてもそれぞれの
塗布液を調製し、浸漬法、エアナイフ法、カーテン塗布
法又はホッパー塗布法などの塗布方法によって順次塗布
することにより形成せしめることができる。
【0085】更に必要ならば、米国特許第2,761,
791号及び英国特許第837,095号明細書に記載
されているような方法によって、2層又はそれ以上の層
を同時に塗布することもできる。また、所望に応じて支
持体の表面又は裏面、あるいは支持体上に塗設された層
には印刷を施すことができ、これによって、乗物の定期
乗車券やポストカード等に応用することができる。
【0086】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、サーマルヘッ
ド(又は、レーザービームによる)加熱だけで、従来に
なく、高濃度で階調性に優れると共に、耐候性にも優れ
た画像を得ることができる。更に、帯電防止能を付与す
ることにより、紙粉等のゴミの付着によって熱印字され
ない箇所が生ずるということを防止し、記録の信頼性を
向上させることもできる。従って、支持体として特に透
明支持体を使用した場合には、特に医療用の記録材料と
して好適である。
【0087】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳述するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。 実施例1.ベヘン酸銀分散液の調製 ベヘン酸分散液の調製 トルエン150mlにベヘン酸4.7gを添加してベヘ
ン酸分散液とした。 硝酸銀溶液の調製 硝酸銀4.25gを蒸留水120mlに溶解し、次いで
30重量%のアンモニア水を加え続け、透明になったと
ころで濃硝酸を加えてpHを9に調製した。更に、蒸留
水を加えて150mlとした。
【0088】ベヘン酸銀分散液の調製 上記で得られたベヘン酸分散液を50℃に加温し、次
いで、上記で得られた硝酸銀溶液を2分間かけて滴下
し、1時間放置した後、メタノールを300ml加えて
よく洗浄した。次いで、有機溶媒を蒸発除去し、得られ
た沈殿物を、300mlの水でよく洗浄した後濾過し、
ベヘン酸銀を得た。このようにして得られたベヘン酸銀
に、10重量%のゼラチン水溶液120g及び蒸留水2
0gを加え、ホモジナイザー(日本精機株式会社製)を
用いて分散し、ベヘン酸銀分散液180gを得た。
【0089】還元剤乳化物の調製 10重量%のゼラチン水溶液15g、6重量%のドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ2g、1重量%のベンゼン
チオスルホン酸ナトリウム1gを含む水溶液に、ビスフ
ェノールB0.5g、没食子酸プロピル3g、フタラジ
ノン1g、ベンゾオキサジンジオン0.1g、酢酸エチ
ル4g、メチルセロソルブ3g、テトラヒドロフラン3
g及びトリクレジルフォスフェート0.5gからなる有
機溶剤溶液を加え、ホモジナイザーを用いて、10,0
00rpmで10分間乳化した。更に、減圧下で、酢酸
エチル、メチルセロソルブ、テトラヒドロフランを蒸発
除去した。得られた乳化物の粒子サイズは0.6μmで
あった。
【0090】感熱記録層の作製 前記ベヘン酸銀分散液30g、上記還元剤乳化物10g
及び5重量%のビス(α−ビニルスルホニルアセトアミ
ド)エタン3gを攪拌・混合した液を、70μmの厚さ
で透明なポリエチレンテレフタレート(PET)支持体
上に、銀塗布量として0.8g/m2 になるように塗布
して乾燥し、感熱記録層を作製した。
【0091】保護層液の調製 10重量%のカルボキシル変性ポバール32g、水36
g、2重量%のポリオキシエチレンアルキルエーテル8
g、20重量%のステアリン酸亜鉛分散物4g及び30
重量%のポリアミドエポキシ樹脂3gを、攪拌・混合し
て保護層液を得た。感熱記録材料の作製 上記のようにして形成された感熱記録層の上に、上記保
護層液を、乾燥固形分として、1g/m2 となるように
塗布・乾燥して感熱記録材料を作製した。
【0092】実施例2.ベヘン酸銀分散液の調製 ベヘン酸分散液の調製 蒸留水250mlにベヘン酸8.6gを添加し、次いで
約4重量%の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウ
ム1gを25gの蒸留水に溶解したもの)を添加してベ
ヘン酸分散液とした。 硝酸銀溶液の調製 硝酸銀4.25gを、蒸留水25gに溶解して硝酸銀溶
液とした。
【0093】ベヘン酸銀分散液の調製 上記で得られたベヘン酸分散液の温度を87℃に昇温
させた後、15分間放置して50℃に降温し、次に、上
記で得られた硝酸銀溶液を2分間かけて添加した。3
0分間放置した後常温に戻し、沈殿物を得た。得られた
沈殿物を濾布で濾過し、更に蒸留水50mlを用いてよ
く洗浄し濾過することを3回繰り返して、ベヘン酸銀を
得た。次いで、ベヘン酸銀に10重量%のポリビニルア
ルコール(PVA205;クラレ株式会社製の商品名)
120gを加え、エースホモジナイザーを使用し、60
00rpmで30分間分散し、180gのベヘン酸銀分
散液を得た。
【0094】還元剤乳化物の調製 10重量%のポリビニルアルコール(PVA205;ク
ラレ株式会社製の商品名)15g、6重量%のドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ2g、1重量%のベンゼンチ
オスルホン酸ナトリウム1gを含む水溶液に、ビスフェ
ノールB0.5g、没食子酸プロピル3g、フタラジノ
ン1g、ベンゾオキサジンジオン0.1g、酢酸エチル
4g、メチルセロソルブ3g、テトラヒドロフラン3
g、及びトリクレジルフォスフェート0.5gからなる
有機溶剤溶液を加え、ホモジナイザーを用い、10,0
00rpmで10分間乳化した。更に、減圧下で、酢酸
エチル、メチルセロソルブ、テトラヒドロフランを蒸発
除去した。得られた乳化物の粒子サイズは0.6μmで
あった。
【0095】感熱記録層の作製 前記ベヘン酸銀分散液30g、上記還元剤乳化物10
g、及び4重量%のホウ酸3gを攪拌・混合した液を、
厚さ70μmの透明なポリエチレンテレフタレート(P
ET)支持体上に、銀塗布量として0.8g/m2 とな
るように塗布して乾燥し、感熱記録層を作製した。
【0096】保護層液の調製 実施例1と全く同様にして保護層液を得た。感熱記録材料の作製 上記のようにして形成された感熱記録層の上に、上記保
護層液を、乾燥固形分として、1g/m2 となるように
塗布・乾燥して感熱記録材料を作製した。
【0097】実施例3.ベヘン酸銀分散液の調製 実施例1において分散剤として使用した10重量%のゼ
ラチン水溶液120gの代わりに、10重量%のポリビ
ニルアルコール(PVA205;クラレ株式会社製の商
品名)120gを使用した他は、実施例1と全く同様に
してベヘン酸銀分散液180gを得た。
【0098】還元剤乳化物の調製 実施例1において使用した10重量%のゼラチン水溶液
15gの代わりに、10重量%のポリビニルアルコール
(PVA205;クラレ株式会社製の商品名)15gを
使用した他は、実施例1と全く同様にして、粒子サイズ
が0.6μmの還元剤乳化物を得た。
【0099】感熱記録層の作製 実施例1において使用した5重量%のビス(α−ビニル
スルホニルアセトアミド)エタン3gの代わりに、4重
量%のグルタルアルデヒド3gを使用した他は、実施例
1と全く同様にして感熱記録層を作製した。保護層液の調製 実施例1と全く同様にして保護層液を得た。感熱記録材料の作製 上記のようにして形成された感熱記録層の上に、上記保
護層液を、乾燥固形分として、1g/m2 となるように
塗布・乾燥して感熱記録材料を作製した。
【0100】実施例4.ベヘン酸銀分散液の調製 実施例2において分散剤として使用した10重量%のポ
リビニルアルコール(PVA205;クラレ株式会社製
の商品名)120gの代わりに、10重量%の石灰処理
ゼラチン120gを使用した他は実施例2と全く同様に
してベヘン酸銀分散液180gを得た。
【0101】還元剤乳化物の調製 実施例2において使用した10重量%のポリビニルアル
コール(PVA205;クラレ株式会社製の商品名)1
5gの代わりに、10重量%の石灰処理ゼラチン120
gを使用した他は、実施例2と全く同様にして、粒子サ
イズが0.6μmの還元剤乳化物を得た。
【0102】感熱記録層の作製 実施例2において使用した4重量%のホウ酸3gの代わ
りに、4重量%の2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−
s−トリアジン・ナトリウム塩3gを使用した他は、実
施例2と全く同様にして感熱記録層を作製した。保護層液の調製 実施例1と全く同様にして保護層液を得た。感熱記録材料の作製 上記のようにして形成された感熱記録層の上に、上記保
護層液を、乾燥固形分として、1g/m2 となるように
塗布・乾燥して感熱記録材料を作製した。
【0103】実施例5.実施例1の還元剤乳化物の調製
において使用したベンゼンチオスルホン酸ナトリウムを
使用しなかった他は、実施例1と全く同様にして感熱記
録材料を得、更に画像記録を行った。 実施例6.実施例1の還元剤乳化物の調製において使用
したベンゾオキサジンジオンを使用しなかった他は、実
施例1と全く同様にして感熱記録材料を得た。 実施例7.実施例1の感熱記録層の作製において使用し
た、5重量%のビス(α−ビニルスルホニルアセトアミ
ド)エタンを使用しなかった他は、実施例1と全く同様
にして感熱記録材料を得た。
【0104】比較例1.実施例1で使用したフタラジノ
ンを使用しない他は、実施例1と全く同様にして感熱記
録材料を得た。 比較例2.蒸留水250gにベヘン酸8.6gを添加
し、87℃に昇温してベヘン酸を融解させた後、50℃
に降温し、4重量%の水酸化ナトリウム水溶液26gを
添加してベヘン酸ナトリウム分散液とした。
【0105】次に、硝酸銀4.25gと蒸留水25gと
から成る硝酸銀溶液を2分間かけて添加し、30分間攪
拌放置した後常温に戻した。更に酢酸イソアミル100
mlを添加して、生成したベヘン酸銀粒子を回収した
後、ポリビニルブチラールのイソプロパノール溶液(ブ
チラール12.5gとイソプロパノール100ml)に
ホモジナイザーを用いて分散させ(25℃,3,000
rpm,30分)、ベヘン酸銀の有機溶剤系分散液18
0gを得た。
【0106】次に、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム
を0.01g、ビスフェノールBを0.5g、没食子酸
プロピルを3g、フタラジノンを1g、ベンゾオキサジ
ンジオンを0.1g、酢酸エチルを4g、メチルセロソ
ルブを3g、テトラヒドロフランを3g、及びトリクレ
ジルフォスフェート0.5gを混合溶解し、還元剤溶液
を調整した。前記ベヘン酸銀分散液30gに、前記還元
剤溶液6.5gを加えて混合した液を、厚さ70μmの
透明なポリエチレンテレフタレート支持体上に、銀塗布
量として0.8g/m2 となるように塗布、乾燥して感
熱記録材料を作製した。
【0107】得られた各感熱記録材料を、それぞれ40
℃×90%RH×1日の高温多湿条件で強制劣化させ、
次いで、強制劣化放置前後の感熱記録材料に対して、サ
ーマルヘッドKST型(京セラ株式会社製の商品名)を
用いて熱記録した。得られた感熱記録材料の透明性、及
び強制劣化前後における、かぶり並びに透過画像濃度に
ついて評価した結果を下記表1に纏めた。
【0108】
【表1】 以上の結果は本発明の有効性を実証するものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも(a)有機銀
    塩、(b)還元剤、(c)水溶性バインダー、及び、
    (d)現像促進剤として少なくともフタラジノン類を含
    有する感熱記録層を有する感熱記録材料であって、前記
    感熱記録層が、少くとも前記還元剤を乳化分散した状態
    で含有する感熱記録層塗布液を塗布乾燥してなることを
    特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 現像促進剤として更に、ベンゾオキサジ
    ンジオン類及び/又はキナゾリンジオン類の中から選択
    された少くとも1種の化合物を含有する請求項1に記載
    された感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 感熱記録層塗布液中に、更に、(e)水
    溶性バインダーを硬化させる硬膜剤が含有されている請
    求項1または2に記載の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 かぶり防止剤として、更に(f)チオス
    ルホン酸類を含有する請求項1〜3の何れかに記載され
    た感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 感熱記録層の上に、実質的に透明な保護
    層を有する請求項1〜4の何れかに記載された感熱記録
    材料。
  6. 【請求項6】 支持体が透明な支持体である請求項1〜
    5の何れかに記載された感熱記録材料。
  7. 【請求項7】 支持体の裏面に下記化1又は化2で表さ
    れる界面活性剤、及び/又は、体積抵抗が100 〜10
    5 Ω・cmのZnO、TiO2 、SnO2、Al
    2 3 、In2 3 、SiO2 、MgO、BaO、Mo
    3 の中から選ばれた少なくとも1種の結晶性金属酸化
    物或いはこれらの複合酸化物微粒子を含有するバック層
    を有する請求項6に記載された感熱記録材料。 【化1】 【化2】 式中、R1 は炭素原子数5〜20のアルキル基を、R2
    は炭素原子数6〜30のアリール基を、Mはアルカリ金
    属又はアンモニウム基を、m及びnはそれぞれ1〜20
    の整数を表す。
  8. 【請求項8】 合成紙を支持体とする請求項1〜5の何
    れかの項に記載された感熱記録材料。
  9. 【請求項9】 ポリオレフィン又はポリエステルで両面
    をラミネートしたラミネート紙を支持体とする、請求項
    1〜5の何れかの項に記載された感熱記録材料。
JP6066657A 1994-03-10 1994-03-10 感熱記録材料 Pending JPH07248567A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6066657A JPH07248567A (ja) 1994-03-10 1994-03-10 感熱記録材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6066657A JPH07248567A (ja) 1994-03-10 1994-03-10 感熱記録材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07248567A true JPH07248567A (ja) 1995-09-26

Family

ID=13322198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6066657A Pending JPH07248567A (ja) 1994-03-10 1994-03-10 感熱記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07248567A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1211091A1 (en) * 2000-11-30 2002-06-05 Agfa-Gevaert Thermographic recording material with improved image tone
US6686313B2 (en) 2000-11-30 2004-02-03 Agfa-Gevaert Thermographic recording material with improved image tone
EP0803764B2 (en) 1996-04-26 2005-03-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method for preparing a photothermographic material

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0803764B2 (en) 1996-04-26 2005-03-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method for preparing a photothermographic material
EP1211091A1 (en) * 2000-11-30 2002-06-05 Agfa-Gevaert Thermographic recording material with improved image tone
US6686313B2 (en) 2000-11-30 2004-02-03 Agfa-Gevaert Thermographic recording material with improved image tone

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5958668A (en) Recording material
US3767414A (en) Thermosensitive copy sheets comprising heavy metal azolates and methods for their use
JPS6118734B2 (ja)
JPS6118735B2 (ja)
JPH05208555A (ja) 透明なサーモグラフィー用記録フィルム
JPH11242308A (ja) 多層画像形成要素
JPH0741742B2 (ja) 感熱記録材料
JPS59214849A (ja) ハロゲン化銀写真材料およびその現像処理方法
JPH07248567A (ja) 感熱記録材料
JPS6045413B2 (ja) 熱現像感光材料
JP3575626B2 (ja) 感光材料
JPH11327085A (ja) 像形成要素
JPH08320533A (ja) フォトサーモグラフィー要素
JP3385484B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH08314060A (ja) フォトサーモグラフィー要素
JPS6037454B2 (ja) 熱現像感光材料
JPS60239747A (ja) ハロゲン化銀写真材料
JPH09265149A (ja) 記録材料
US20050037298A1 (en) Photothermographic material
US6692906B1 (en) Silver-(carboxylate-azine toner) particles for photothemographic and thermographic imaging
JPS6025775B2 (ja) 熱現像感光材料
JPH0745261B2 (ja) 感熱記録材料
US6184179B1 (en) Substantially thermographic recording materials with improved stability
JP3682883B2 (ja) 感光材料
JPH0725168A (ja) 感熱記録材料