JPH07248503A - 液晶表示素子の製法 - Google Patents

液晶表示素子の製法

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JPH07248503A
JPH07248503A JP3984894A JP3984894A JPH07248503A JP H07248503 A JPH07248503 A JP H07248503A JP 3984894 A JP3984894 A JP 3984894A JP 3984894 A JP3984894 A JP 3984894A JP H07248503 A JPH07248503 A JP H07248503A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空セルの2枚の透明基板の間隙に液晶材料を
注入するのに、液晶材料をムダにしないで、使用効率を
向上させ、かつ、製造コストを低下することができる液
晶表示素子の製法を提供する。 【構成】 液晶材料31の注入を、(a)液晶溜め容器3
内に液晶材料31を吸収可能な液晶吸収部材22を保持手段
2により保持するとともに、該液晶吸収部材を前記容器
3内に入れられた液晶材料31に少なくとも一部が露出す
るように浸漬し、(b)前記空セル1の液晶材料注入口
を前記液晶吸収部材の液晶材料31の液面から露出した部
分に当接することにより前記空セル1内に液晶材料31を
注入することにより行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子の製法に関
する。さらに詳しくは、2枚の透明基板が一定間隙を保
持して貼着された空セルの透明基板の間隙に効率よく液
晶材料を注入することができる液晶表示素子の製法に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は電極膜や配向膜などが設
けられた2枚の透明基板を5〜10μm程度の一定間隙で
保持し、その周縁で液晶材料の注入口を除いてシール剤
により貼着し、その間隙に液晶材料を注入することによ
り形成されている。
【0003】この2枚の透明基板がシール剤により貼着
された空セルの間隙に液晶材料を注入する従来の方法は
図3〜5に示すように、3種類の方法が用いられてい
る。
【0004】第1の方法は図3に示されるように、大き
めの液晶溜め容器に液晶材料を溜めて10-2〜10-6Torr程
度の真空槽内で脱泡し、同様に真空槽内で間隙が真空に
された空セル40の液晶材料注入口41を有する辺をそっく
り液晶材料42中に浸漬し、そののち大気圧に戻して数十
分〜数時間以上放置することにより、毛細管現象および
真空の間隙部への大気圧による圧力により液晶材料を注
入させている。
【0005】第2の方法は図4に示されるように、空セ
ル40の液晶材料注入口41部のみを液晶材料42に接触さ
せ、同様に間隙に液晶材料を注入させるものである。こ
の方法では空セル40の液晶材料注入口41が完全に液晶材
料42の中に突込んでいなければならないため、液晶材料
42の表面が液晶溜め容器43の表面に盛り上がるように液
晶材料42が満たされていなければならない。
【0006】第3の方法は、図5に示すように、液晶溜
め容器44にシリカなどからなるろ紙45を数枚重ね、液晶
溜め容器44内に液晶材料を入れてろ紙45に液晶材料を吸
い込ませ、ろ紙45に空セル40の液晶材料注入口41を当て
つける。ついで、前記方法と同様に周囲を大気圧に戻し
てその圧力と毛細管現象を利用して数十分〜数時間以上
放置することにより液晶材料を注入するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の第1の方法では
空セルの液晶材料注入口のある辺全体が液晶材料の中に
浸漬されるため、液晶材料から空セルを引き出したのち
も、注入口以外のガラス基板などに大量に液晶材料が付
着し、実際に必要な液晶材料の5〜10倍程度の液晶材料
がムダになるとともに、液晶材料が汚染され易い。また
周囲の液晶材料を拭きとらなければならず、工数アップ
になるという問題がある。さらに2枚の透明基板を貼着
するシール剤層の端縁側の両基板間隙にも液晶材料が浸
入し、その液晶材料を除去する工数が増加するという問
題がある。また1個の空セルのみに液晶材料を注入する
ばあいでも空セルの大きさの液晶溜め容器内に液晶材料
を入れておく必要があり、1個の空セルに必要な液晶材
料が、たとえば75mg程度でも液晶溜め容器の中には少
なくとも10gの液晶材料が必要で不経済である。
【0008】また第2の方法では、常に液晶材料が液晶
溜め容器の上に盛り上がった状態にする必要があり、液
晶材料が減ったら補充し、その都度再度脱泡しなければ
ならないとともに、脱泡時に吹きこぼれやすく、大量生
産を連続的に行えず時間がかかるという問題がある。し
かもこのばあいもシール剤層の端縁側の間隙にも液晶材
料が浸入し、液晶材料がムダになるとともに拭きとる工
数が増えるという問題がある。
【0009】さらに第3の方法では脱泡時にろ紙が浮き
上がり、極端なばあいはろ紙がずれ落ちてしまい、流れ
作業的に液晶材料の注入をすることができないという問
題がある。
【0010】本発明はこのような問題を解決し、安価な
装置でムダなく必要な量の液晶材料だけを空セルに注入
し、液晶材料の歩留を向上するとともに安価に短時間で
液晶材料を注入することができる液晶表示素子の製法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子の
製法は、電極膜がそれぞれ形成された2枚の透明基板
を、一定間隙を保持した状態で周囲にてシール剤により
貼着することにより液晶材料注入口を有する空セルを形
成し、該空セル内に液晶材料を注入することにより液晶
表示素子を製造する方法であって、(a)液晶溜め容器
内に液晶材料を吸収可能な液晶吸収部材を保持手段によ
り保持するとともに、該液晶吸収部材を前記容器内に入
れられた液晶材料に少なくとも一部が露出するように浸
漬し、(b)前記空セルの液晶材料注入口を前記液晶吸
収部材の液晶材料の液面から露出した部分に当接するこ
とにより前記空セル内に液晶材料を注入することを特徴
とする。
【0012】ここに空セルとは、電極膜などが形成され
た2枚の透明基板が一定の間隙を保持して貼着され、そ
の間隙に液晶材料が注入されることにより形成される液
晶表示セルの液晶材料が注入される前の状態のものをい
う。
【0013】前記液晶吸収部材の保持手段が頂部に凸状
部を有する載置台と抑え具とからなり、該載置台上に載
置された前記液晶吸収部材を抑え具により抑えて保持
し、該凸状部上の液晶吸収部材に前記空セルの液晶材料
注入口を当接することにより該空セルの間隙に液晶材料
を注入することが、空セルの液晶材料注入口のみを液晶
が浸み込んだ液晶吸収部材に当てつけることができ、シ
ール剤より外側の不要箇所に液晶材料が浸入することが
なく、液晶材料の使用効率がよく、外部に付着した液晶
材料を拭きとるという余計な作業工数を必要としないた
め好ましい。
【0014】
【作用】本発明によれば、液晶吸収部材を保持手段によ
り保持しているため、液晶吸収部材に吸い込まれた液晶
を脱泡しても、液晶材料を吸収した液晶吸収部材が吹き
飛ぶことはない。
【0015】また液晶吸収部材を載置台に載せ、抑え具
で抑えることにより、その自重で抑えられ、液晶材料の
吸い上げには支障がなく、空セルへの液晶材料の注入が
行われても、つぎつぎと脱泡された液晶材料が液晶吸収
部材に吸い上げられ、連続的に液晶材料の注入を行うこ
とができる。
【0016】
【実施例】つぎに図面を参照しながら本発明の液晶表示
素子の製法について説明する。図1は本発明の液晶表示
素子の製法の一実施例の液晶材料を注入するための液晶
吸収部材の保持手段と空セルの部分の関係を説明する
図、図2は本発明の液晶表示素子の製法の液晶材料注入
に使用する液晶吸収部材の保持手段の他の実施例の説明
図である。
【0017】図1において、空セル1は従来と同様の方
法で形成され、ガラス板などの透明基板11、12に電極パ
ターンや配向膜など(図示せず)を形成し、2枚重ね合
わせ、注入口13のみを除いてその周縁をシール剤14によ
り貼着することにより形成されるもので、液晶材料注入
前のセルである。この空セル1は通常は大きなガラス原
板などに複数個分形成し、たとえばエポキシ樹脂などか
らなるシール剤14により貼着後切断して形成される。
【0018】保持手段2は、載置台21と抑え具23とから
なり、液晶溜め容器3の中に液晶吸収部材(以下、ろ紙
という)22と液晶材料31とともに配置されている。ろ紙
22を載置する載置台21は、この実施例では、頂部が凸状
部21aを有するようにステンレススチールなどから形成
され、全表面にテフロンコーティングが施されて液晶材
料への不純物混入を防いでいる。頂部の凸状部21aは、
上に覆われるろ紙22が柔軟性に乏しいため、なだらかな
形状にすることが、ろ紙22の折れを防止する上から好ま
しい。このろ紙の載置台21はステンレススチールのほか
アルミニウム、アルミニウム合金などの金属でもよい
し、プラスチックスなどでもよく、液晶材料の付着を防
ぐため、テフロンコーティングや液晶材料と反応しない
他のコーティング材を塗布したものでもよい。
【0019】液晶吸収部材(ろ紙)22はシリカ、ガラス
ファイバなどの液晶材料と反応しないシート状の材料か
らなっており、液晶材料を毛細管現象により液晶溜め容
器から吸い上げて保持できるように細孔または細隙を多
数有する繊維状の海綿状構造になっている。このろ紙22
は通常0.5mm 程度の厚さのシート状であるが、液晶材料
を吸い込むことにより2倍程度の厚さになる。このろ紙
22は1枚または数枚重ねてろ紙の載置台21の凸状部21a
にろ紙22の中央部がくるように載置され、少なくとも一
部が露出され、残部が液晶溜め容器3の液晶材料31の中
に漬るようにされている。
【0020】抑え具23はろ紙22が凸状部21aから動かな
いように抑えるためのもので、自重によりろ紙22を抑え
るようにステンレススチールなどからなり、概略円筒状
に形成され、上端に円環部23aが設けられている。この
抑え具23は前記載置台21と同様にテフロンコーティング
が施されると液晶材料の流動性をよくする点から好まし
い。この抑え具23は液晶材料31の脱泡時にろ紙22が吹き
飛んだり、ずれないようにするためのもので、軽く抑え
られればよく、逆に強く抑えすぎると液晶材料の吸い上
げがわるくなり、好ましくない。そのため、10〜200 g
程度の重さの抑え具23とし、その重さを利用することが
好ましい。
【0021】本実施例では液晶吸収部材の保持手段2を
ろ紙の載置台21と抑え具23とにより構成したが、載置台
21にろ紙固定具が設けられるなどにより一体で形成され
たろ紙保持具などでもよいことはいうまでもない。
【0022】つぎに空セル1に液晶材料を注入する具体
的な方法について説明する。まず、液晶溜め容器3内に
頂部が凸状部21aの載置台21を配置し、この載置台21の
凸状部21aを覆うようにして0.5mm 程度の厚さのシリカ
製のろ紙22を載置し、凸状部21aを貫通してろ紙22の周
囲を抑えられる抑え具23をかぶせる。これにより液晶溜
め容器3内にろ紙22が保持され、容器3内に入れられた
液晶材料31の中にろ紙22が浸漬される。
【0023】つぎに、保持手段2により保持され、液晶
材料31を吸収したろ紙22を液晶溜め容器3とともに10-2
〜10-6torr程度の真空層(図示しない)内に入れ、5〜
30分間保持して、液晶材料31の脱泡を行う。この脱泡に
より液晶材料に含まれている気泡、低沸点溶剤などを除
去する。
【0024】つぎに同様の真空槽内に空セルを入れ透明
基板の間隙内を減圧したのち、液晶材料の注入口13を前
記凸状部21a上のろ紙22に当接し、図示しない真空槽を
大気に解放して大気圧にすることにより空隙内外に圧力
差をつけ、空セル1の間隙内へ液晶材料31を注入する。
この大気解放ののち真空槽内を加圧すれば注入時間を短
縮できる。液晶材料が完全に注入されたのち注入口13を
封止剤により封止する。
【0025】図2は本発明の液晶表示素子の製法に使用
する液晶吸収部材の保持手段の他の例を示す断面説明図
である。この実施例の保持手段2のろ紙の載置台21は円
錐台形状に形成され、抑え具23は筒状に形成され、内部
は載置台21の外形と適合する形状に形成され、円錐台の
凸状部に設けられたろ紙22を介して載置台21と重ね合わ
されるようになっている。
【0026】以上の各実施例では、ろ紙の載置台21およ
び抑え具23はいずれも断面が円形状の例で説明したが、
円形でなくても他の形状でもよい。しかし、前述のよう
に、ろ紙22は鋭角の曲げに対しては折れ易く、液晶材料
の吸引がわるくなるため、なだらかな形状に形成される
ことが好ましい。また頂部が凸状になっておれば、空セ
ル1の液晶材料注入口のみをろ紙に当てつけることがで
きて余分なところに液晶材料を付着させなくて済むため
好ましいが、必ずしも凸状でなくてもよく、また柱状の
ものでも端部が凸状部になり好ましい。さらに、ろ紙22
は薄いものを何枚も重ねてもよく、枚数には制限されな
い。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、海綿状の液晶吸収部材
を保持手段により保持して液晶材料中に浸漬させ、真空
槽中で脱泡しているので、脱泡中に液晶吸収部材が浮き
上がるのを防ぐことができる。
【0028】また保持手段を載置台と抑え具から構成
し、載置台の頂部を凸状部にすることにより液晶吸収部
材の一部が突出し、空セルの液晶材料注入口のみを液晶
吸収部材に当てつけることができ、液晶材料をムダにす
ることなく空セルの透明基板の間隙に注入できる。ま
た、凸状部で当てつけることができるため、空セルの2
枚の透明基板の端部が揃わない部分に液晶材料注入口が
設けられていても簡単に、かつ、確実に液晶材料を注入
することができる。
【0029】さらに、載置台上で液晶吸収部材と液晶材
料の注入口とが接触するのみであるから、液晶パネルと
液晶材料との接触面積は小さく、空セルを離脱するとき
余分な液晶材料の付着が少なく、液晶材料の使用効率が
非常に向上し、しかも液晶溜め容器内へ入れる液晶材料
も少なくてすむ。そのため安価に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の製法の一実施例の一工
程を示す断面説明図である。
【図2】本発明の液晶表示素子の製法に使用する保持手
段の他の例を示す断面説明図である。
【図3】従来の液晶表示素子の液晶材料の注入法を説明
するための断面説明図である。
【図4】従来の液晶表示素子の液晶材料の注入法を説明
するための断面説明図である。
【図5】従来の液晶表示素子の液晶材料の注入法を説明
するための断面説明図である。
【符号の説明】
1 空セル 2 保持手段 3 液晶溜め容器 11 透明基板 12 透明基板 13 液晶材料注入口 14 シール剤 21 載置台 21a 凸状部 22 液晶吸収部材(ろ紙) 23 抑え具 31 液晶材料

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極膜がそれぞれ形成された2枚の透明
    基板を、一定間隙を保持した状態で周囲にてシール剤に
    より貼着することにより液晶材料注入口を有する空セル
    を形成し、該空セル内に液晶材料を注入することにより
    液晶表示素子を製造する方法であって、(a)液晶溜め
    容器内に液晶材料を吸収可能な液晶吸収部材を保持手段
    により保持するとともに、該液晶吸収部材を前記容器内
    に入れられた液晶材料に少なくとも一部が露出するよう
    に浸漬し、(b)前記空セルの液晶材料注入口を前記液
    晶吸収部材の液晶材料の液面から露出した部分に当接す
    ることにより前記空セル内に液晶材料を注入することを
    特徴とする液晶表示素子の製法。
  2. 【請求項2】 前記液晶吸収部材の保持手段が頂部に凸
    状部を有する載置台と抑え具とからなり、該載置台上に
    載置された前記液晶吸収部材を抑え具により抑えて保持
    し、該凸状部上の液晶吸収部材に前記空セルの液晶材料
    注入口を当接することを特徴とする請求項1記載の製
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001013168A1 (fr) * 1999-08-17 2001-02-22 Citizen Watch Co., Ltd. Matte destinee a l'injection de cristaux liquides, procede de fabrication de celle-ci et procede d'injection de cristaux liquides
JP2005345500A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Optrex Corp 液晶ボート

Cited By (3)

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WO2001013168A1 (fr) * 1999-08-17 2001-02-22 Citizen Watch Co., Ltd. Matte destinee a l'injection de cristaux liquides, procede de fabrication de celle-ci et procede d'injection de cristaux liquides
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JP4560334B2 (ja) * 2004-05-31 2010-10-13 オプトレックス株式会社 液晶ボート

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