JPH0724815U - スタッカークレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 物品を、その左右方向中央と物品収納棚の左
右方向中央と一致させて、物品収納棚に収納する。 【構成】 昇降台１２が、収納すべき物品収納棚３の上
面よりやや上方に物品Ｗの下面を位置させる位置まで昇
降して停止する。その後、スライドフォーク１５を物品
収納棚３に向けて突出させて、物品Ｗを物品支承部材４
の上方に位置させる、そして、その状態で位置規制片１
８が側面４ａに対向する時は直ちに左右の位置規制片１
８を同一量突出させて、位置規制片１８を側面４ａに当
接させる。このような作動によって、左右動台１４、ひ
いては物品Ｗの左右方向中央が物品収納棚３の左右方向
中央と一致する。その後、昇降台１２を下降させて、物
品Ｗを物品支承部材４に載置する。このようにして、物
品Ｗは、その左右方向中央を物品収納棚３の左右方向中
央と一致させるようにして、物品収納棚３に収納され
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は自動倉庫のスタッカークレーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自動倉庫として以下の如きものは知られている。即ち、上下・左右に多 数の物品収納棚を有するラック装置と、このラック装置の前方で左右動するスタ ッカークレーンとを有しており、前記ラック装置が、所定間隔で左右に並ぶ前側 の多数の支柱と、これら前側の支柱の後方にそれとの間に所定間隔をあけて並ぶ 後側の支柱と、これら支柱に設けられた、フォーク通過間隙を有する多段の物品 収納棚とを有しており、前記スタッカークレーンが、走行台車と、この走行台車 に立設されたマストに昇降自在となされた昇降台と、この昇降台に設けられた物 品移載装置である前後摺動自在なスライドフォークとを有しているものは知られ ている。

【０００３】

【従来技術の作用】

以下に従来自動倉庫の作用について説明する。 まず、物品を物品収納棚に収納する場合について説明する。 物品搬入ステーションの台に物品が自動又は人手によって載置されると、走行 台車が、スライドフォークの左右方向中央を物品搬入ステーションの台の左右方 向中央と一致させる位置まで走行して停止する。それと同時に昇降台が昇降して 、スライドフォークの上面を物品搬入ステーションの台上の物品の下面より下方 に位置させる。その後、スライドフォークが物品の下面下方（物品搬入ステーシ ョンの台にはスライドフォークが前後上下方向に通過するフォーク通過間隙が形 成されている。）に突出する。その後、昇降台の上昇に伴ってスライドフォーク が物品を持ち上げ、その後、スライドフォークが昇降台側に退入することによっ て、物品は昇降台に引き込まれる。このようにして物品を物品搬入ステーション の台から取り出した後、走行台車が物品を収納する物品収納棚が属する棚縦列の 左右方向中央に物品の左右方向中央（スライドフォークの左右方向中央）を一致 させるべく走行して停止する。この停止は、走行台車停止位置検知装置等を利用 して行なわれている。その間に昇降台が、収納すべき物品収納棚の上面よりやや 上方に物品の下面を位置させる位置まで昇降して停止する。その後は、前記と逆 の作動によって物品は物品収納棚に降ろされる。なお、前記した如く物品収納棚 には、スライドフォークの上下方向の移動を許容するフォーク通過間隙が形成さ れている。 そして、前記と逆の操作によって、物品収納棚の物品を物品搬出ステーション の台に搬出することが出来る。

【０００４】

【従来技術の欠点】

前記従来の自動倉庫には以下の如き欠点があった。即ち、上下方向に並ぶ棚縦 列の物品収納棚の左右方向中央が全て完全に一致していれば、走行台車の停止精 度を高めさえすれば、物品の左右方向中央がスライドフォークの左右方向中央と 一致するようにして物品をスライドフォークに載せるようにすれば、物品の左右 方向中央と物品収納棚の左右方向中央とを一致させて、物品を物品収納棚に収納 することが出来ることは当然である。しかし、現実には走行台車の停止精度を高 めることも限界があり、また、支柱を立設する際の施工精度にも一定の限界があ り、そのため、物品の左右方向中央と物品収納棚の左右方向中央とを一致させて 、物品を物品収納棚に収納することが出来ず、その結果、収納物品に反作用とし ての偏荷重がかかり、収納物品が段ボール箱等の場合、段ボール箱が変形したり 、位置のずれが大きい場合には段ボール箱が物品収納棚から落下するというおそ れがあった。

【０００５】

【前記欠点を解消するための手段】

この考案は前記欠点を解消するために以下の如き手段を採用した。 請求項１の考案は、フォーク通過間隙を有する、多数の物品収納棚を有するラ ック装置の前方で左右動するスタッカークレーンであって、昇降台と、昇降台に 左右動自在に設けられた左右動台と、左右動台に前後動自在に設けられた左右一 対のスライドフォークと、スライドフォークの左右外側部に物品収納棚の側面に 向かって進退自在に設けられた位置規制片とを有しているものである。

【０００６】

【考案の作用】

請求項１の考案は以下の如き作用をなすものである。 昇降台を所定位置に停止させた後、スライドフォークを物品収納棚のフォーク 通過間隙に突出させ、その後、今まで退入していた位置規制片を所定量だけ物品 収納棚の側面に向かって突出させて、両位置規制片を物品収納棚の側面に当接さ せる。この状態で左右動台の左右方向中央が物品収納棚の左右方向中央と一致す るように位置規制片の突出量が設定されている。もし、当初左右動台の左右方向 中央が物品収納棚の左右方向中央と一致していない場合には、いずれか一方の位 置規制片が物品収納棚の側面に当たった後、他方の位置規制片が物品収納棚の側 面に当たるまでの間は、左右動台が物品収納棚の左右方向中央側に移動し、両位 置規制片が物品収納棚の側面に当たった状態で、左右動台の左右方向中央が物品 収納棚の左右方向中央と一致する。

【０００７】

【実施例】

以下にこの考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。なお、この明細書に おいて、前とは図１紙面表側を、後とは同図裏側をいい、左とは図１左側を、右 とは同図右側をいう。

【０００８】 床面に立設されたラック装置１は、所定間隔で左右に並ぶ前側の多数の支柱２ と、これら前側の支柱２の後方にそれとの間に所定間隔をあけて並ぶ後側の支柱 ２と、これら前後の支柱２に設けられた物品支承部材４とを有しており、支柱２ を介することなく対向する左右一対の物品支承部材４によって物品収納棚３が構 成されている。左右一対の物品支承部材４間は、後述のスライドフォーク１５の 上下方向の移動を許容するフォーク通過間隙５となされている。

【０００９】 前記ラック装置１の前方に長手方向を左右方向に向けた上下一対のガイドレー ル８が設けられ、これらガイドレール８に沿ってスタッカークレーン９が左右動 自在となされている。前記スタッカークレーン９は、走行台車１０と、この走行 台車１０に立設されたマスト１１に公知の昇降装置によって昇降自在となされた 昇降台１２と、この昇降台１２の上面に設けられたガイドレール１３に沿って左 右動自在となされた左右動台１４と、この左右動台１４に公知の進退機構によっ て前後摺動自在に設けられた、左右一対のスライドフォーク１５とを有している 。前記スライドフォーク１５用の公知の進退機構は、左右動台１４に設けられた ベースと、このベースに前後摺動自在に設けられた中間摺動体とを有しており、 中間摺動体にスライドフォーク１５が前後摺動自在に設けられ、ベースに対して 中間摺動体が所定量摺動すると、中間摺動体に対してスライドフォーク１５が同 方向に同量摺動するように構成されたものである。なお、左右のスライドフォー ク１５は同期して前後動するようになされている。前記左右動台１４は、等張力 の左右の引っ張りばね１９によって左右に引っ張られており、左右動台１４に左 右方向の力が作用しなくなると左右動台１４の左右方向中央を昇降台１２の左右 方向中央に一致させる位置に自動復帰し得るようになされている。なお、左右動 台１４の左右方向中央が昇降台１２の左右方向中央と一致した状態で、左右動台 １４をロック装置（図示略）によってロックするようにしてもよい。 なお、前記スライドフォーク１５は、同一幅のものであり、且つ、左右動台１ ４の左右方向中央から等距離だけ離れている。

【００１０】 図３に明瞭に示すごとく、前記スライドフォーク１５の上部各々には、公知の 進退機構と隔離された空洞部１７が形成され、この空洞部１７に位置するように してスライドフォーク１５に軸心を上下方向に向けた、カムからなる位置規制片 １８が水平回転自在に設けられ、この位置規制片１８はスライドフォーク１５の 左又は右の外側壁（左右動台１４の左右方向中央側に向かない側壁）に形成され た開口２１から突出・退入自在となされている。前記位置規制片１８は同期作動 する正逆回転自在な小型モーター２０によって回転させられるようになされると 共に、所定同一量だけ開口２１から突出して、物品支承部材４の側面４ａ（物品 収納棚３の側面）に当接した状態で、左右動台１４の左右方向中央が物品収納棚 ３の左右方向中央（側面４ａ間の中央）と一致するようになされている。 なお、位置規制片１８を左右動自在なロッドとしてもよい。

【００１１】

【実施例の作用】

次に実施例の作用を説明する。 物品搬入ステーションの台（図示略）に物品Ｗが載置されると、走行台車１０ が、左右動台１４の左右方向中央を物品搬入ステーションの台の左右方向中央と 一致させる位置まで走行して、停止する。それと同時に昇降台１２が昇降して、 スライドフォーク１５の上面を物品Ｗの下面より下方に位置させる。なお、その 際、位置規制片１８は退入状態にある。その後、スライドフォーク１５が物品Ｗ の下面下方（公知のごとく、物品搬入ステーションの台にはスライドフォーク１ ５が前後上下方向に通過するフォーク通過間隙が形成されている。）に突出する 。その後、昇降台１２の上昇に伴ってスライドフォーク１５が物品Ｗを持ち上げ 、その後、スライドフォーク１５が昇降台１２側に退入することによって、物品 Ｗは昇降台１２に引き込まれる。このようにして物品Ｗを物品搬入ステーション の台から取り出した後、走行台車１０が物品Ｗを収納する物品収納棚３が属する 棚縦列の左右方向中央に物品Ｗの左右方向中央（左右動台１４の左右方向中央） を一致させるべく走行して停止する。この停止は、公知のごとく、走行台車停止 位置検知装置等を利用して行なわれている。なお、後の説明で理解できるであろ うが、走行台車１０の停止精度はラフでよい。その間に昇降台１２が、収納すべ き物品収納棚３の上面よりやや上方に物品Ｗの下面を位置させる位置まで昇降し て停止する。その後、スライドフォーク１５を物品収納棚３に向けて突出させて 、物品Ｗを物品支承部材４の上方に位置させる。そして、その状態で位置規制片 １８が側面４ａに対向する時は直ちに左右の位置規制片１８を同一量突出させて 、位置規制片１８を側面４ａに当接させる。他方、位置規制片１８が側面４ａに 対向していないときは、昇降台１２を位置規制片１８が側面４ａに対向する位置 まで下降させた後、位置規制片１８を側面４ａに当接させる。このような作動に よって、左右動台１４、ひいては物品Ｗの左右方向中央を物品収納棚３の左右方 向中央（側面４ａ間の中央）と一致させることが出来る。そして、当初左右動台 １４の左右方向中央が物品収納棚３の左右方向中央と一致していない場合には、 いずれか一方の位置規制片１８が側面４ａに当たった後、他方の位置規制片１８ が側面４ａに当たるまでの間は、左右動台１４が物品収納棚３の左右方向中央側 に移動し、両位置規制片１８が側面４ａに当たった状態で、左右動台１４の左右 方向中央が物品収納棚３の左右方向中央と一致する。その後、昇降台１２を下降 させて、物品Ｗを物品支承部材４に載置する。このようにして、物品Ｗは、その 左右方向中央を物品収納棚３の左右方向中央と一致させるようにして、物品収納 棚３に収納される。その後、位置規制片１８を退入させると共に、スライドフォ ーク１５を昇降台１２側に退入させる。この説明から明らかなごとく、走行台車 １０の停止精度がラフであっても、また、支柱２を立設する際の施工精度がラフ であっても、左右動台１４を物品収納棚３の左右方向中央に高い精度で停止させ ることが出来る。

【００１２】 なお、図４において、Ｃ１は昇降台１２の左右方向中央を示し、Ｃ２は物品Ｗ の左右方向中央を示し、Ｃ３は物品収納棚３の左右方向中央（側面４ａ間の中央 ）を示している。

【００１３】 前記と逆の操作によって物品Ｗを、その左右方向中央を左右動台１４の左右方 向中央と一致させるようにして、左右動台１４に載せることが出来る。

【００１４】 なお、スライドフォーク１５を１本としてもよいことは云うまでもない。その 場合、スライドフォーク１５の左右部に位置規制片１８が設けられることとなる 。

【００１５】

【考案の効果】

この考案は前記した如き構成によって以下の如き効果を奏するものである。 位置規制片を物品収納棚の側面に当てることによって、左右動台の左右方向中 央を物品収納棚の左右方向中央と一致させることが出来るので、物品の左右方向 中央が左右動台の左右方向中央と一致するように、物品をスライドフォークに載 せさえすれば、物品の左右方向中央と物品収納棚の左右方向中央とを一致させて 、物品を物品収納棚に収納することが出来る。その結果、収納物品に反作用とし ての偏荷重がかつたり、収納物品が段ボール箱等の場合において、段ボール箱が 変形したり、位置のずれが大きい場合に段ボール箱が物品収納棚から落下する等 というトラブルを防止することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す要部正面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線拡大断面図である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線拡大断面図である。

【図４】位置規制片の作用を説明するための平面図であ
る。

【符号の説明】

１ ラック装置 ３ 物品収納棚 ４ 物品支承部材 ４ａ 側面 ５ フォーク通過間隙 ９ スタッカークレーン １０ 走行台車 １２ 昇降台 １４ 左右動台 １５ スライドフォーク １８ 位置規制片

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フォーク通過間隙を有する、多数の物品
   収納棚を有するラック装置の前方で左右動するスタッカ
   ークレーンであって、昇降台と、昇降台に左右動自在に
   設けられた左右動台と、左右動台に前後動自在に設けら
   れた左右一対のスライドフォークと、スライドフォーク
   の左右外側部に物品収納棚の側面に向かって進退自在に
   設けられた位置規制片とを有しているスタッカークレー
   ン。
2. 【請求項２】 フォーク通過間隙を有する、多数の物品
   収納棚を有するラック装置の前方で左右動するスタッカ
   ークレーンであって、昇降台と、昇降台に左右動自在に
   設けられた左右動台と、左右動台に前後動自在に設けら
   れたスライドフォークと、スライドフォークの左右側部
   に物品収納棚の側面に向かって進退自在に設けられた位
   置規制片とを有しているスタッカークレーン。
3. 【請求項３】 前記位置規制片が垂直軸を中心として回
   転するカムである請求項１又は２記載のスタッカークレ
   ーン。