JPH07248149A - 吹出口の内部構造 - Google Patents

吹出口の内部構造

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JPH07248149A
JPH07248149A JP6067939A JP6793994A JPH07248149A JP H07248149 A JPH07248149 A JP H07248149A JP 6067939 A JP6067939 A JP 6067939A JP 6793994 A JP6793994 A JP 6793994A JP H07248149 A JPH07248149 A JP H07248149A
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幸男 久野
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明 鳥実
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流れ下流側に拡がるような流路を形成する羽
根体の内表面側あるいは外表面側下端部に剥離を生じさ
せることなく、結露を効果的に防止し得る吹出口の内部
構造を提供する。 【構成】 流れ下流側に拡がるような流路Fを形成する
羽根体20を内部に備えた吹出口の該羽根体のうち1個
または複数の羽根体の外表面Y側または内表面X側には
当該面に対して凸状または凹状に形成された段差部30
を設けている。段差部により層流は乱流に遷移し、羽根
体表面に付着した流れとなり誘引気流を排して結露を防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調用の吹出口の内部
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物内の部屋全体や所定の場所等
の空気調和を図るために、天井面や壁面等に空調用吹出
口を設け、この吹出口から空調空気を吹出しながら空気
調和を図っている。このような吹出口のうち、室内等の
天井等に取り付けられる吹出口としては、その全周から
放射状に気流を吹き出せるという構造特性からふく流吹
出口が汎用されている。このふく流吹出口では略中空円
錐台形状の吹出口枠の内部にこの吹出口枠と同心位置に
配置した複数の羽根体を備えたアネモ型吹出口が汎用さ
れている。
【0003】図17は従来のアネモ型吹出口の半截要部
拡大断面説明図であり、天井Cに設けた開口に下方を臨
ませて取り付けられている。このアネモ型吹出口の吹出
口枠の内部には同心状に配置された中空円錐台形状の羽
根体Vが複数配設され、放射状の気流吹き出しを行って
いる。
【0004】
【考案が解決しようとする問題点】ところで、この従来
のアネモ型吹出口によれば各羽根体Vは下向きラッパ状
に下方に拡がった形状に構成されており、従って、例え
ば羽根体V1 の外表面に沿って上方から流入する気流a
は下流側に流れるに従ってしだいに下拡がり状に偏向さ
れる。このため、外周側に隣接する羽根体V2 との間隙
で形成される空気流路の該羽根体V2 の内表面側の下端
部側近縁においてこの空気流aが剥離しやすく、このた
めにこの剥離部分Rに室内の暖気bが誘引されて羽根体
V2 の内表面下端部分に至り、これがために吹き出され
る空気との温度差により特に冷房時等においてこの部分
に結露を生じさせ、場合によっては錆等により吹出口の
耐久性を損なうという問題があった。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その一つの目的は、流れ下流側に拡が
るような流路を形成する羽根体の内表面側あるいは外表
面側下端部に剥離を生じさせることなく、結露を効果的
に防止することのできる吹出口の内部構造を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、アネモ型吹出口におけ
る吹出口枠の内表面下端側や羽根体の流れ下流側に結露
を生じさせないような吹出口の内部構造を提供すること
である。更に、本発明の他の目的は線状吹出口における
羽根体の流れ下流側に結露を生じさせないような吹出口
の内部構造を提供することである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、本発明は、流れ下流側に拡がるような流路Fを形
成する羽根体20を内部に備えた吹出口の該羽根体のう
ち1個または複数の羽根体の外表面Y側または内表面X
側には当該面に対して凸状または凹状に形成された段差
部30が設けられて成る吹出口10の内部構造から構成
される。
【0007】また、前記段差部30は羽根体20(20
a、20b、20c)の全周にわたって形成しても良
い。
【0008】また、前記段差部30は羽根体20(20
a、20b、20c...)の周方向に不連続状に形成
しても良い。
【0009】また、前記段差部30は羽根体20(20
a、20b、20c...)の表面に分散してドット状
に配置形成しても良い。
【0010】また、前記吹出口10は吹出口枠18の内
部に前記羽根体20を備えたアネモ型空調用吹出口であ
り、前記吹出口枠18の額縁部31近縁に内表面に対し
て凸状または凹状に形成された段差部30が設けられた
こととしても良い。
【0011】また、前記吹出口10は線状型吹出口であ
ることとしても良い。
【0012】次に、さらに、流れ下流側に拡がるような
流路Fを形成する羽根体20(20a、20b、20
c...)を内部に備えた吹出口の該羽根体のうち1個
または複数の羽根体の流れ上流側端部には全周または不
連続状に少なくとも該羽根体の厚み幅よりも厚み幅方向
に突出した突出部34を備えたこととしても良い。
【0013】
【作用】本発明に係る吹出口の内部構造においては、流
れ下流側に拡がるような流路を形成する羽根体を内部に
備えた吹出口の該羽根体のうち1個または複数の羽根体
の外表面側または内表面側には当該面に対して凸状また
は凹状に形成された段差部が設けられている。したがっ
て、該段差部30付近において流路Fを流れる空気流は
凸状または凹状に形成された流路壁により急激な流路の
変化を受けて層流から乱流へ遷移し、これによって乱流
境界層を形成しつつ内表面に沿って下流側に流れて行
く。従って、このような乱流においては平行流としての
層流に対し羽根体の表面側にあたかも付着したような状
態となって下流側に流れ、それによって気流の剥離を防
止する。このように羽根体の下端部に至るまで乱流の付
着したような流れが生じる結果、常に流れ方向からの空
気が表面に接触した状態を保持し、その結果室内側から
の誘引空気がこの羽根体の下端部に付着しないようにす
る。段差部は種々の形状があり、任意の形状としても良
いし、また羽根体の外表面に設けても一層の結露防止効
果を奏し得る。更に、流れ下流側に拡がるような流路を
形成する羽根体を内部に備えた吹出口の該羽根体のうち
1個または複数の羽根体の流れ上流側端部には全周また
は不連続状に少なくとも該羽根体の厚み幅よりも厚み幅
方向に突出した突出部を備えることにより、以降の下流
側において乱流を生起させ、結露防止を行えると共に、
騒音発生の抑制、及び気流分布の均一化を達成する。
【0014】
【実施例】以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な
実施例を説明する。図1及び図2は本発明にかかる吹出
口の内部構造の第1実施例を示しており、図1において
天井Cの所要位置に形成された開口には吹出口10がそ
の吹出し開口12を室内13側に下向きに向けて嵌合配
置されている。
【0015】この実施例において吹出口10は円形のア
ネモ型吹出口であり、平面視円形の中空直筒状のネック
部14の下端に接続する、空気の流れ下流側に向けてラ
ッパ状に拡がるように拡径部16を備えた吹出口枠18
を備えている。
【0016】また、この吹出口10は、前記した拡径部
16の内部に複数の羽根体20を有している。この羽根
体は拡径部16に対して略相似的に同様の形状で小形に
形成されており、吹出口の内部に固定された支持枠22
により同拡径部16の中心から径をしだいに大きくして
第1、第2、第3羽根体20a、20b、20cが同心
円を形成するように設けられている。すなわち、これら
はいわゆる多層状のコーンとして形成されている。そし
て、各羽根体相互の間隙は上流側から流入する空気の流
路Fを形成している。
【0017】この吹出口は例えば、アルミニウムあるい
はその合金型材から形成され、耐食性を高いものとして
いると共に、軽量なものとして運搬や作業取扱性を良好
なものとしている。しかしながら、その他の軽金属、軽
合金、鋼板、その他の金属、合金、プラスチック合成樹
脂等から形成しても良い。
【0018】吹出口の内部構造に係る一つの発明におい
て特徴的なことは、流れ下流側に拡がるような流路を形
成する羽根体を内部に備えた吹出口の該羽根体のうち1
個または複数の羽根体の外表面Y側または内表面X側に
は当該面に対して凸状または凹状に形成された段差部を
設けたことである。この段差部は基準面に対して相対的
に凹状として形成されるか、凸状として形成されるかが
別れる場合があり、要は、基準面に対して段差を有し、
それによって乱流を生じさせ得るものである。
【0019】図2にも示すように、第1、第2、第3羽
根体20a、20b、20cの内表面X側にはそれらの
本体面(断面略直線部分)24から接続する屈曲部26
付近において段落ち面28を形成するように段差部30
が形成されている。すなわち、本体面24から段落ち状
に、凹状に段差部30が設けられている。
【0020】これによって、図2に示すように、該段差
部30付近において流路Fを流れる空気流は乱流境界層
を形成しつつ内表面に沿って下流側に流れて行く。従っ
て、このような段差部30がない場合には、単なる層流
として流路Fを流れていくので少しの流路変化により容
易に剥離現象が生じやすいのに比べ、あたかも層流と乱
流を同一流路内に併存させたような状態で空気を流すこ
とにより内表面下端部付近で剥離を生じさせることな
く、かえって各羽根体の内表面の流れ下流端に至るまで
空気が接触することとなり、このため室内下部側からの
誘引気流が表面に接触するのを防止するものである。
【0021】この段差部30は上記のように、層流を乱
流に変えてそれによって剥離を生じないようにするもの
であり、従って、後述するように羽根体の外表面Y側に
も全周にわたり、同様の段差部を形成しても良い。しか
しながら、外表面側は空気流が直接に変向を受ける面で
あるところから、剥離自体は生じない場合が多いが、段
差の程度により各流路F内の流れに乱流要素を生じさせ
て隣接の羽根体の内表面部分の剥離を防止する場合もあ
るものである。
【0022】段差部30の具体的なステップ形状は任意
に形成して良い。例えば、図3(イ)に示すように空気
流れと略直角状に形成しても良いし、あるいは、同図
(ロ)のように流れに対して鈍角状、更には同図(ハ)
のように鋭角状に形成しても良い。
【0023】この段差部30は絞り加工により羽根体の
成型と同時に行うようにしているが、段差部30から段
落ち面28を別体に製造して羽根体の本体に接着固定す
るようにしても良い。このように単に羽根体の内表面ま
たは外表面に段差部を形成するだけで結露を防止できる
ので構造が極めて簡単であり、羽根体の成型と同時に行
え製造コストも安価である。
【0024】なお、図2において羽根体20の下流側端
部は最外周側の羽根体から内周側の羽根体にいくにつれ
てそれぞれ徐々に、より上方になるように設定してあ
る。すなわち、第3羽根体20cの下端部より第2羽根
体20bの下端部のほうが短く(より上方に位置し)、
更に第2羽根体20bの下端部より第1羽根体20aの
それの方が短く形成されている。これによって、例えば
第1羽根体20aの内表面側に沿って流れる空気流はそ
の先端から脱すると端部はラッパ状に拡がって形成され
ているため、第2羽根体20bの下端部付近に接触し、
さらに、第2羽根体20bの内表面側に沿う流れは下端
部から脱すると第3羽根体20cの下端部付近に常に接
触することとなり、これによって、室内側からの誘因空
気が各羽根体の下端部付近に接触するのを防止し、よっ
て、これら各羽根の内表面側に結露が生じるのを防止し
ている。
【0025】この実施例では図2に示すように、吹出口
枠18の額縁部31近縁であって内表面X側にも凸状に
段差部30が形成されている。これによって、特に、内
部に設けられた羽根体20では案内しにくいところの吹
出口の額縁部に対しても乱流によりその表面に付着した
ような空気流れを生成させ、これに接触させることによ
り誘引気流を排除することとなる。段差部30の取付位
置は吹出口枠18の最下端部18aの最大屈曲部よりや
や上方側とするほうが好適であるが、この位置に限るも
のではない。
【0026】なお、図中29は風流れ抑制部材であり、
中央部分を開口したセンタコーンの該開口を閉塞するよ
うに取り付けられ、金網状の多孔板から形成されてこの
開口を通流する空気を該センタコーンの内表面側から剥
離しにくくしている。
【0027】この段差部30は図14、及び図15に示
すように羽根体の周方向に不連続状に形成しても良い。
図14では段差部30は横断視略円弧状の4個の突起か
ら形成されている。また、図15では段差部30は羽根
体20の周方向に花びら状に不連続に6個の段差部が設
けられている。これによっても、充分段差部近傍におい
て乱流を生成させ、剥離防止、更には結露防止機能を行
うものである。
【0028】段差部30は上述したように乱流を生起さ
せ、羽根体の表面に付着するような流れを生成させるも
のであり、従って、複数の羽根体を備えたアネモ型吹出
口で単に1個の羽根体にこれを適用しても結露防止作用
を得る。しかしながら多くの羽根体に該段差部を設ける
ことがより好ましい。
【0029】更に、図11、図12に示すように種々の
段差部30は各羽根体の外表面Y側に設けても良い。こ
れによっても、羽根体20の外表面Y側の段差部30以
降の下流側に乱流層が形成され、よりいっそう剥離を生
じにくくできるものである。
【0030】次に吹出口の内部構造の第2実施例につい
て説明するが、第1実施例と同一部材には同一符号を付
し、その説明を省略する。前記した第1実施例では、流
れ上流側から下流側にかけて下る段差を示すものである
のに対し、この第2実施例では上る段差を示している。
そして、この上る段差は本体面24に対する相対的なも
のであり、この本体面24に対して隆起部32を形成す
ることによりできる。
【0031】図4(イ)において、内表面Xの下流側部
分には本体面24から上り坂状に徐々に隆起し段丘を形
成するような隆起部32が設けられており、その下端部
は本体面24の延長するような曲線に突然に鉛直状に降
下して接続するごとく段差部30を形成している。そし
て、この段差部30は全周にわたり形成されている。
【0032】図4(ロ)では、上記(イ)とは逆に、流
れ上流側に戻り鍵形状を呈するように本対面24からい
きなり略直角方向に立ち上がり、しだいになだらかに下
降する斜面を形成するような隆起部32として設定され
ている。ここでは最初の立ち上がり部分を段差部30と
いえる。
【0033】図4(ハ)では隆起部32は半円状に形成
されている。従って半径ぶんの高さまで隆起し、上りと
同様の円弧面で段差部30を形成している。図4(ニ)
では、隆起部32は舌片状に内表面Xから突出して形成
され、段差部30を構成している。図4(ホ)では隆起
部32はほぼ球状に突出形成され、これによって段差部
30を構成している。これらは、いずれも段差部30を
構成し、内表面X近傍の空気流を乱流に変流させ得るも
のであり、各吹出口の使用形態や使用方法等に応じて適
宜任意の態様を採用しても良い。
【0034】また、これらの段差部30は羽根体の全周
に渡って形成する必要はなく、図14、及び図15に示
すように羽根体の周方向に1個または不連続状に複数個
形成しても良いし、羽根体20の周方向に花びら状に不
連続に段差部を設ける事としても良い。
【0035】なお、段差部30の羽根体20に対する取
付位置は図5に示すように流れ方向に対してその上流側
(例えばg位置)、中流側(例えばh位置)、下流側
(例えばi位置)、その他の任意の位置に取りつけても
良いが、最大曲率近傍であることが好適である。
【0036】図6、図7は吹出口の内部構造の第3実施
例を示している。図6において、この実施例では、吹出
口枠18の内部に同心円状に配置された複数の羽根体2
0の最上流端部に突出部34が設けられている。
【0037】すなわち、吹出口10は流れ下流側に拡が
るような流路Fを形成し、複数の羽根体20を内部に備
えている。そして、これらの羽根体20の流れ上流側端
部に全周にわたって突出部34が形成されている。この
突出部34は図7に示すように、円形状の外形を備えて
おり、実施例では円柱体を羽根体の上端部に接続固定さ
せている。なお、この突出部34は中空円筒形状でも良
い。この突出部34は羽根体20の厚み幅よりも厚み幅
方向に突出して形成されている。すなわち、該突出部3
4の断面直径は羽根体20の厚み幅に対して内表面X及
び外表面Yから更に突出して形成されている。これによ
って、乱流を羽根体の最上流側で生起させ、以降の下流
側の剥離防止効果を備えると共に、騒音の発生を大幅に
抑制するものである。
【0038】図8は本実施例に係る羽根体の上端部に突
出部34を取り付けて横軸に中心周波数(Hz)を、縦
軸に騒音レベル(dB)を取ってNC値を割り出した図
であり、突出部34を設けない図9の場合がNC値27
であるのに対し、NC値は21となり、NC値で6とい
う大幅な消音効果を有することが理解される。
【0039】突出部34は羽根体20の成型段階で同時
に一体成型する事としても良いし、別体に製造して羽根
体に接着固定しても良い。また羽根体20の厚み幅から
内表面X側、外表面Y側のいずれか一方にのみ突出して
形成しても良い。さらに、全周にわたって形成すること
なく、周方向に対して不連続状、あるいは花びら状に形
成しても良い。
【0040】また、実施例においては、この突出部34
は断面略円形としているが、断面長矩形、三角形、菱形
その他任意の形状であっても良い。
【0041】更に、図10(イ)に示すように、送気ダ
クトから各室内吹出口へ略直角方向へ空気流れを変向さ
せるような場合において曲がり部分では外回り側の気流
流れの方が内回り側の流れよりも速く、従って図10
(ハ)に示すように一つのアネモ型吹出口を使用した場
合では底面視吹出口開口の上下が共に0.9m/s、左
端側では0.6m/s、右端側は1.8m/sの速度と
なっているのに対し、実施例に係る突出部34を設けた
場合では、曲がり部分の風速分布は従来と同様である
が、図10(ロ)に示すように、吹出口開口の底面視上
下ではほぼ同一の流速を保持すると共に、内回り側の流
れは0.8m/sであり、かつ外回り側は1.3m/s
の速度を示すことが実験的に確認されている。従って、
この突出部34を設けない場合が1.2m/sの速度差
があるのに対し、実施例構成では吹出口開口部分での速
度分布が内と外回りではわずかに0.5m/sの速度差
となり、よって吹出口からの空気流れの速度分布を均一
なものとでき、室内空調を行う場合等において空調設計
を良好な精度に保持し得ると共に、機器の配置等におい
ても極めて適切に行える。
【0042】このように、突出部34を設けることによ
り例えばエルボ等の下流側において吹出口上流位置での
外回りと内回りの形状により大きく速度分布が異なる
が、それを室内等への出口である吹出口においてある程
度調整し得ることとなるものである。なお、このように
吹出口開口部分での速度分布の均一化については前記し
た第1、第2実施例及び後述する第4実施例の場合にも
生じさせるものであるが、特に第3実施例の場合におい
て効果が顕著に表れる。
【0043】更に、図13(イ)、(ロ)は吹出口の内
部構造の第4実施例を示している。この実施例では羽根
体の内表面Xにドット状に分散して段差部30が設けら
れている。実施例においてこの段差部30は円柱状の突
起から形成されている。これによっても、それ以降の流
れ下流側の羽根体表面側に乱流を生起させ、同表面に付
着したような空気流れを生じさせることにより、剥離を
防止し、ひいては暖気等の誘引付着を防止して結露を有
効に防止することとなる。このドット状の段差部の形状
は実施例構成に限ることなく、四角、その他の多角形、
その他の任意形状としても良い。また、段差部30を形
成する隆起部分は中空としても良い。
【0044】図16は吹出口がシステム天井用、その他
の用途に汎用される線状吹出口にこの吹出口の内部構造
を適用した実施例断面説明図である。図において、本体
ケース36の内部に設けられた支持フレーム38に支持
されて断面ハ字状に流れ下流側に拡がるような流路Fを
形成するように羽根体20が取り付けられている。この
場合においても羽根体20の内表面X側に段差部30を
形成し、これによって、乱流境界層を形成し、羽根体の
下端部側に至るまで付着した流れを生じさせて下端部側
への結露を生じないようにしている。線状吹出口の場合
は羽根体20は平面視直線状に形成されているので段差
部30もこれに沿って線状に形成される。両端側まで連
続状にこの段差部30を形成しても良いし、また不連続
状に形成しても良い。更に、段差部の形状は任意に形成
しても良いし、また、ドット状に分散させて複数形成し
ても良い。
【0045】このように、流れ下流側に拡がるような流
路を備えた吹出口の羽根体の表面に単に段差を設けるだ
けの極めて簡単な構造により乱流の生成、羽根体の下端
部まで流れを付着させ下端部まで接触させた流れとし、
誘引気流を排除し、よってこの部分の結露を有効に防止
するものである。
【0046】本発明に係る吹出口の内部構造によれば上
記した実施例構成にのみ限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載された発明の本質を逸脱しない範囲に
おいて任意の改変を行っても良い。例えば、丸形のアネ
モ吹出口に限ることなく、角型のアネモ吹出口について
本発明構成を行うこととしても良い。
【0047】
【発明の効果】以上説明した様に、請求項1にかかる吹
出口の内部構造によれば、流れ下流側に拡がるような流
路を形成する羽根体を内部に備えた吹出口の該羽根体の
うち1個または複数の羽根体の外表面側または内表面側
には当該面に対して凸状または凹状に形成された段差部
を設けることにより、簡単な構造で、かつ低コストによ
り流れ下流側に拡がるような流路を形成する羽根体の表
面下端部に空気流れの剥離を生じさせることなく、結露
を有効に防止し、良好な室内環境を提供すると共に鋼板
製等の吹出口の場合は耐用年数を大幅に長いものとでき
る。
【0048】また、請求項2によれば、段差部は羽根体
の全周にわたって形成されているので羽根体の全周にわ
たって乱流を生起させ、結露防止効果を実効あらしめ得
る。
【0049】また、請求項3によれば、段差部は羽根体
の周方向に不連続状に形成しているので段差部を設ける
ことにより、簡単な構造で、かつ低コストにより流れ下
流側に拡がるような流路を形成する羽根体の表面下端部
に空気流れの剥離を生じさせることなく、結露を有効に
防止し、良好な室内環境を提供すると共に鋼板製等の場
合には吹出口の耐用年数を大幅に長いものとできる。
【0050】また、請求項4によれば、段差部は羽根体
の表面に分散してドット状に配置形成されているので流
れ下流側に拡がるような流路を形成する羽根体の表面下
端部に空気流れの剥離を生じさせることなく、結露を有
効に防止しし得る。
【0051】また、請求項5によれば、吹出口は吹出口
枠の内部に羽根体を備えたアネモ型空調用吹出口とする
ことにより、具体的にこの種吹出口における羽根の下流
側端部における結露防止を達成できる。
【0052】また、請求項6によれば、吹出口は線状型
吹出口であることにより、システム天井、あるいは一般
天井用等に用いられるこの種線条吹出口の下流側に拡が
るような流路を形成する羽根体を有するものであって
も、羽根体下端部への結露を防止し、吹出口の早期劣化
を防止できる。
【0053】また、請求項7によれば、流れ下流側に拡
がるような流路を形成する羽根体を内部に備えた吹出口
の該羽根体のうち1個または複数の羽根体の流れ上流側
端部には全周または不連続状に少なくとも該羽根体の厚
み幅よりも厚み幅方向に突出した突出部を備えることと
しているので、吹出口羽根体の表面側流れ方向全長にわ
たって乱流を生起させ、下流側の結露を防止できると共
に、騒音の発生を抑止し、、更に吹出口開口からの吹き
出し気流分布を均一化させて室内側へ略均一な風速によ
る空気吹き出しを達成でき、高精度の空調設計を可能と
する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る吹出口の内部構造の
概略縦断面説明図である。
【図2】図1の要部拡大断面説明図である。
【図3】(イ)、(ロ)、(ハ)は実施例に係る羽根体
の各種ステップ形状を示す断面説明図である。
【図4】(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)は第
2実施例に係る吹出口の内部構造の羽根体の段差部の各
種態様を示す断面説明図である。
【図5】段差部を羽根体の内表面側に設けた場合の種々
の態様を示す断面説明図である。
【図6】第3実施例に係る吹出口の内部構造の概略断面
説明図である。
【図7】その要部拡大断面説明図である。
【図8】中心周波数に対する騒音レベルの関係を説明す
るグラフ図である。
【図9】従来の他のアネモ型吹出口を使用した場合の中
心周波数に対する騒音レベルの関係を説明するグラフ図
である。
【図10】(イ)は送風ダクトと吹出口の接続部分の曲
がり部における風の速度関係を説明する説明図である。
(ロ)はこの実施例に係る吹出口の内部構造を用いた図
8に示す場合の吹出口底面側(室内側)から見た風速分
布の概念説明図である。(ハ)は図9に示す場合の吹出
口底面側から見た風速分布の概念説明図である。
【図11】各羽根体の外表面側に段差部を設けた場合の
要部断面説明図である。
【図12】各羽根体の外表面側に段差部を設けた他の態
様を示す要部断面説明図である。
【図13】(イ)は本発明の第4実施例に係る吹出口の
内部構造の1つの羽根を例に取った場合の概略断面説明
図である。(ロ)はその概略正面図である。
【図14】羽根体の内表面周方向に不連続状に段差部を
設けた場合の1個の羽根体を例とした場合の概略平面説
明図である。
【図15】羽根体の内周面周方向に花びら状に段差部を
設けた場合の1個の羽根体を例とした場合の概略平面説
明図である。
【図16】線条吹出口にこの吹出口の内部構造を適用し
た実施例断面説明図である。
【図17】従来の吹出口の内部構造を示す要部拡大断面
説明図である。
【符号の説明】
10 吹出口 18 吹出口枠 20 羽根体 30 段差部 34 突出部 F 流路 X 内表面 Y 外表面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流れ下流側に拡がるような流路を形成す
    る羽根体を内部に備えた吹出口の該羽根体のうち1個ま
    たは複数の羽根体の外表面側または内表面側には当該面
    に対して凸状または凹状に形成された段差部が設けられ
    て成る吹出口の内部構造。
  2. 【請求項2】 前記段差部は羽根体の全周にわたって形
    成されて成る請求項1記載の吹出口の内部構造。
  3. 【請求項3】 前記段差部は羽根体の周方向に不連続状
    に形成されて成る請求項1記載の吹出口の内部構造。
  4. 【請求項4】 前記段差部は羽根体の表面に分散してド
    ット状に配置形成されて成る請求項1記載の吹出口の内
    部構造。
  5. 【請求項5】 前記吹出口は吹出口枠の内部に前記羽根
    体を備えたアネモ型空調用吹出口であり、 前記吹出口枠の額縁部近縁に内表面に対して凸状または
    凹状に形成された段差部が設けられて成る請求項1ない
    し4のいずれかに記載の吹出口の内部構造。
  6. 【請求項6】 前記吹出口は線状型吹出口である請求項
    1ないし4のいずれかに記載の吹出口の内部構造。
  7. 【請求項7】 流れ下流側に拡がるような流路を形成す
    る羽根体を内部に備えた吹出口の該羽根体のうち1個ま
    たは複数の羽根体の流れ上流側端部には全周または不連
    続状に少なくとも該羽根体の厚み幅よりも厚み幅方向に
    突出した突出部を備えて成る吹出口の内部構造。
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