JPH07248049A - トロイダル型無段変速装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速装置

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JPH07248049A
JPH07248049A JP4113994A JP4113994A JPH07248049A JP H07248049 A JPH07248049 A JP H07248049A JP 4113994 A JP4113994 A JP 4113994A JP 4113994 A JP4113994 A JP 4113994A JP H07248049 A JPH07248049 A JP H07248049A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パワーローラの押付反力によって支持部材に
撓み変形が生じても、パワーローラの耐久性の低下が生
じないようにする。 【構成】 パワーローラ20を回転させて、入力ディス
クから出力ディスクへの動力伝達を行うとともに、パワ
ーローラ20を、それの回転軸線20dと直交する傾転
軸線24aの周りに支持部材100とともに回動させて
無段変速を行うトロイダル型無段変速装置である。前記
支持部材100の、パワーローラ押付反力の作用部分
に、パワーローラ側に凸となるクラウニング表面102
を、傾転軸線方向で凸状をなし、支持部材100の幅方
向で等高となるかまぼこ状に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はトロイダル型無段変速
装置、なかでもとくに、パワーローラの押付反力の作用
部分の改良に関するものであり、パワーローラの耐久性
の向上をもたらすものである。
【0002】
【従来の技術】従来のトロイダル型無段変速装置として
は、たとえば出願人が先に特開平3−89066号とし
て提案したものがある。図6および7はそれぞれ、その
従来装置を示す横断面図および縦断面図であり、図中1
0は、トロイダル型無段変速装置の全体を示す。
【0003】図6の右側に配置される図示しないエンジ
ンの出力は、これもまた図外のトルクコンバータを介し
て入力軸14に伝達される。この入力軸上には入力ディ
スク16および出力ディスク18のそれぞれが配置さ
れ、それらの両ディスク16,18の、相互に対向する
トロイダル曲面16a,18aのそれぞれには、パワー
ローラ20が押付け配置されている。ここで、パワーロ
ーラ20は、入力軸14に対して対称位置に配置した二
個で一対をなす。
【0004】各パワーローラ20は、それぞれのディス
ク16,18に接触する内輪20aと、この内輪20a
に、ベアリングボール20bを介して接触する外輪20
cとからなり、このようなパワーローラ20は、偏心軸
22を介して支持部材24に、その背面側から支持され
ている。なお、多くの場合には、パワーローラ20と支
持部材24との間には軸受部材が介装される。
【0005】また、それぞれのパワーローラ20を支持
するそれぞれの支持部材24は、図7に示すように、パ
ワーローラ20の回転軸線20dと直交する傾転軸線2
4aの周りでのそれらの回動(以下「傾転」という)運
動を許容すべく、図では上下の端部分をそれぞれの球面
軸受26,28によって軸受されており、そして、上端
球面軸受26の相互および、下端球面軸受28の相互
は、主には、両支持部材24の間隔を所期した通りに維
持すべく機能するそれぞれのリンク30,32によって
連結されている。なおここで、それぞれのリンク30,
32は、それらの中央部をそれぞれのリンクポスト3
4,36によって、装置10のケーシングおよび、後述
する変速制御弁のバルブボディ38にそれぞれ連結され
ている。
【0006】各支持部材24の下端部には、傾転軸線2
4aと同軸をなす延長軸部40が設けられ、この延長軸
部には、液圧アクチュエータ42のピストン42aが取
付けられている。このピストン42aは、前記バルブボ
ディ38に設けられたシリング内に嵌合されて、それの
上下側に、それぞれの油室42b,42cを区画する。
【0007】さらにまた、両支持部材24のいずれか一
方、図では左側に位置する支持部材24の、延長軸部4
0の下端には、その支持部材24と一体に回動するプリ
セスカム44が取付けられており、このプリセスカム4
4のカム面には、L字状に折曲された中間部を枢支した
カムリンク46の一端が当接されている。なお、そのカ
ムリンク46の他端は、調整ねじ48を介して変速制御
弁50のスプール52に当接されている。
【0008】ここで、バルブボディ38に設けられたこ
の変速制御弁50は、スプール52に加え、変速指令手
段としてのステップモータ54により、ピニオン56を
介して軸線方向に移動されるラック軸58と、このラッ
ク軸58の先端部に連結されてスプール52に摺動可能
に嵌まり合うスリープ60とを具えている。
【0009】このような変速制御弁50において、ステ
ップモータ54を、増速比方向もしくは減速比方向へ正
もしくは逆回転させると、スリーブ60とスプール52
との協働下で、液圧アクチュエータ42に連通される二
つのポート62,64と、ライン圧導入ポート66との
連通および遮断が行われる。ここにおいて、ポート62
は、図の右側の液圧アクチュエータ42の下側油室42
cおよび、左側液圧アクチュエータ42の上側油室42
bのそれぞれに連通されており、ポート64は、それぞ
れの液圧アクチュエータ42の、上述したとは逆の油室
にそれぞれ連通されている。
【0010】これがため、変速比を変化させるべく、ス
テップモータ54を駆動して、スリーブ60をスプール
52に対して相対変位させると、その変位方向に応じて
ライン圧がポート62,64のいずれか一方に供給さ
れ、そのライン圧は、左右の支持部材24を、図示の中
立位置から上下逆方向へ相対変位させる。そしてこの結
果として、二個一対のパワーローラ20は、傾転軸線2
4aの周りに傾転して、入出力ディスク間での無段変速
が行われる。
【0011】ところで、入出力ディスク16,18を支
持する入力軸14は、図6に示すように、それぞれの端
部分をボールベアリング68およびニードルベアリング
70を介してケーシング72に回転自在に支持されてお
り、それぞれのディスク16,18はニードルベアリン
グ74,76を介して入力軸14に回転可能に装着され
ている。
【0012】ここで、入力軸上の、入力ディスク16と
隣接する位置には、それぞれのトロイダル曲面16a,
18aとパワーローラ20との接触圧、ひいては、出力
ディスクへの伝達トルクを調整するローディングカム7
8が配設されている。一方、出力ディスク18と隣接す
る位置には、ボールベアリング80を介してケーシング
72に回転自在に支持された出力用歯車82が配設され
ており、この出力用歯車82は、キー84を介して出力
ディスク18に一体に取付けられている。
【0013】前記ローディングカム78は、入力軸14
にスプライン連結されたカムフランジ86と、このカム
フランジ86と入力ディスク16との対向面に形成され
たそれぞれのカム面間に配置されるカムローラ88とか
らなり、カムフランジ86の、入力ディスク16から離
反する方向の変位は、入力軸14に設けた鍔部90によ
って阻止されている。
【0014】これがため、入力軸14の回転トルクは、
カムフランジ86からカムローラ88を介して入力ディ
スク16に伝達されることになり、その入力ディスク1
6は、前記回転トルクに応じて、パワーローラ20の、
それぞれのトロイダル曲面16a,18aに対する相対
押付力を特定する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】トラクションドライブ
式のこのようなトロイダル型無段変速装置にあっては、
動力伝達のために、入出力ディスク16,18に対する
パワーローラ20の相対押付力を相当大きくすることが
必要であり、基本的にはローディングカム78の作用下
で、入力トルクに応じた押付が付与されることになる。
【0016】この場合、パワーローラ20の押付力に対
する反力が支持部材24に作用することになり、それぞ
れの支持部材24は、それらの上下の端部分を相互連結
する、耐張部材としてのそれぞれのリンク30,32を
もってその押付反力を支持することになるも、各支持部
材それ自身は、図8に誇張して示すように、それぞれの
リンク30,32との連結部を支点とし、パワーローラ
20との接触面を力点として弓形状に変形することにな
る。
【0017】そして、支持部材24にこのような変形が
生じると、パワーローラそれ自身の同様の変形に比し
て、その支持部材24の長さ方向中央部分が、押付反力
の作用方向にとくに大きく逃げるため、パワーローラ2
0、たとえばそれのベアリングボール20bに作用する
荷重が、図の上下方向位置によって変化し、上下部分で
大きく、中央部分で小さくなる。
【0018】ところで、回転軸線20dの周りに回転運
動を行う、パワーローラ20の内輪20aはこのような
荷重分布に対してもそれの影響をほとんど受けることが
ないも、静止状態にある、パワーローラ20の外輪20
cは、ベアリングボール20bから常に一定の不均一荷
重を受けることになり、図の上下部分での荷重が、中央
部分に比してはるかに大きくなるため、その外輪20c
の、上下各部分の耐久性が低下するという問題があり、
このことは、パワーローラベアリングそれ自体について
も同様である。
【0019】この発明は、従来技術の有するこのような
問題点を解決することを課題として検討した結果なされ
たものであり、この発明の目的は、支持部材の、上述し
たような弓形状の変形は余儀ないものとし、そのような
変形が生じてもなお、パワーローラベアリングのそれぞ
れのボールに作用する荷重を、上下方向の位置のいかん
にかかわらず十分均等ならしめることにより、パワーロ
ーラ、ひいては、その外輪およびパワーローラベアリン
グの耐久性を十分に高めることができるトロイダル型無
段変速装置を提供するにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明は、多くは、相
互に同軸に配置される入力ディスクおよび出力ディスク
と、それらの両ディスクのトロイダル対向面に押付け配
置した複数のパワーローラと、それぞれのパワーローラ
を、偏心軸を介して背面側から支持するそれぞれの支持
部材と、これらの支持部材のそれぞれの端部分を相互連
結するそれぞれのリンクとを具え、パワーローラを回転
させて、入力ディスクから出力ディスクへの動力伝達を
行うとともに、各パワーローラを、それの回転軸線と直
交する傾転軸線の周りに、前記支持部材とともに回動さ
せて無段変速を行うトロイダル型無段変速装置であっ
て、パワーローラの押付反力の作用部分のいずれかに、
パワーローラ側に凸となるクラウニング表面を、傾転軸
線方向では凸状をなすように形成したものである。
【0021】ここで、前記クラウニング表面は、パワー
ローラの押付反力の作用部分である支持部材それ自体に
設けることの他、その支持部材とパワーローラとの間に
配置されて、パワーローラの押付反力を受ける介装部材
に設けることもできる。なおここにおける介装部材は、
パワーローラの回転軸線からオフセットしてそれと平行
に位置する偏心軸線の周りでの、パワーローラ全体の円
滑なる動揺を許容するスラストニードルベアリングのレ
ース板、またはすべり軸受とすることができる。
【0022】ところで、クラウニング表面のクラウニン
グ量は、パワーローラの押付反力が最大の状態、いいか
えれば、入力ディスクへの入力トルクが最大で、変速比
が最ローの状態で、そのクラウニング表面が平坦面とな
るように、または、パワーローラの押付反力が、最大値
の7〜8割の状態でクラウニング表面が平坦面となるよ
うに設定することが好ましい。
【0023】
【作用】この装置では、パワーローラの押付反力の作用
部分にクラウニング表面を設けることによって、支持部
材が図8に示すように弓形状に変形した場合に、パワー
ローラの背面に直接もしくは間接的に接触するそのクラ
ウニング表面が実質的な平坦面となるので、押付反力が
大きいときに、それぞれのベアリングボールに作用す
る、ひいては、外輪の各部に作用する荷重を十分均等な
ものとすることができ、この結果として、パワーロー
ラ、なかでも、外輪およびパワーローラベアリングの耐
久性が有効に向上されることになる。
【0024】ここで、クラウニング表面を支持部材に形
成する場合には、クラウニング加工を容易ならしめ得る
利点がある。この一方において、支持部材とパワーロー
ラとの間への介装部材にクラウニング表面を形成する場
合には、トルク容量その他によって変化する所要のクラ
ウニング量を介装部材によって確保することで、高価な
支持部材の押付反力作用面を常に一定の平坦面として、
その支持部材を、各種装置に共用することが可能とな
り、支持部材コストを十分に低減させることができる。
【0025】また、前記介装部材としては、スラストニ
ードルベアリングのレース板、もしくはすべり軸受を用
いることができ、これらのいずれにあっても、パワーロ
ーラの全体を、それの回転軸線からオフセットしてそれ
と平行に位置する偏心軸線の周りで極めて円滑に揺動さ
せることができる。
【0026】そして、これらのいずれにあっても、クラ
ウニング表面のクラウニング量を、押付反力が最大の状
態で、そのクラウニング表面が平坦面となるよう設定し
た場合には、ベアリングボールに最も大きな荷重が作用
して、耐久性に及ぼす影響もまた最大となるときの、そ
れぞれのボールの荷重分布を十分均一にしてパワーロー
ラの耐久性を大きく向上させることができる。
【0027】また、前記クラウニング量を、押付反力の
最大値の7〜8割の力でクラウニング表面が平坦面とな
るよう設定した場合には、時折発生し得る、実際の運転
状況下での最大押付反力に対して、パワーローラの耐久
性を有効に向上させることができる。
【0028】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1はこの発明の一実施例を、一方のパワーロ
ーラ支持部材について示す拡大縦断面図である。ここに
示すパワーローラ支持部材は、従来技術で述べた支持部
材24とは構造の上での若干の相違はあるも、その支持
部材24と同様に機能するものであり、また、図外の各
構成部材も従来技術のそれらとほぼ同様のものである。
【0029】図中100はこの発明に係る支持部材を示
し、この支持部材100には、パワーローラ20を、従
来技術と同様に偏心軸をもって取付ける。また、図中2
6,28は、支持部材100の上下の端部分を軸受けす
るそれぞれの球面軸受を、そして、30,32は、上部
球面軸受26の相互および、下端球面軸受28の相互を
連結するそれぞれのリンクを示す。
【0030】ここで、この例の支持部材100では、パ
ワーローラ20の背面側に位置して、パワーローラ20
の押付反力が作用するそれの部分に、そのパワーローラ
20の側に凸となって、それに直接的に、好ましくは、
軸受部材を介して間接的に接触するクラウニング表面1
02を設ける。このクラウニング表面102は、図2
(a)の支持部材正面図に斜線を施して示すように、パ
ワーローラ20の押付反力が直接的に入力される領域の
全体にわたって形成するものとし、それの形成態様は、
図2(b)に、図2(a)のb−b線に沿う断面を概念
的に示すように傾転軸線24aの方向では凸状をなし、
支持部材100の幅方向では等しい表面レベルとなるほ
ぼかまぼこ状とする。
【0031】このように形成してなるクラウニング表面
102は、パワーローラ20の押付反力が、たとえば軸
受部材を介して支持部材100に入力されることによっ
て、その支持部材100が図8に示すように変形した場
合に実質的な平坦面となるので、大きな押付反力に対
し、パワーローラベアリングのそれぞれのボール20b
に作用する荷重を十分均等なものとすることができ、こ
れがため、そのパワーローラベアリングおよびパワーロ
ーラ外輪20cの耐久性を有効に向上させることができ
る。
【0032】なおこの一方において、クラウニング表面
102に作用する押付反力が小さい場合には、そのクラ
ウニング表面102は依然としてパワーローラ側へ凸状
となり、それ故に、上下方向の中央部分に位置するベア
リングボール20bが、上下部分に位置する他のベアリ
ングボール20bに比して大きな荷重を受けることにな
るが、かかる場合は、そもそも押付反力が小さいことか
ら、それらのボール20bの荷重分布が耐久性に大きな
影響を及ぼすおそれはない。加えて、この種の装置で
は、入力トルクが零であっても、皿ばねの作用下で、パ
ワーローラ20の初期押付力が付与されており、これに
より、クラウニング表面102には、それを押込む方向
の微小変形が常に生じているので、中央部分のベアリン
グボール20bに作用する荷重を有効に低減させること
もできる。
【0033】また、この例によれば、クラウニング表面
102を比較的大型の支持部材100に形成しているこ
とから、クラウニング加工を、高い精度をもって容易に
行うことができる。
【0034】図3はこの発明の他の実施例を示す縦断面
図である。これは、パワーローラ20と支持部材24と
の間への介装部材である、スラストニードルベアリング
104のレース板106に、クラウニング表面108を
設けたものであり、ここにおけるスラストニードルベア
リング104は、図4に示すところから明らかなよう
に、レース板106と、このレース板上に円弧状に多列
に配置した複数個のニードルローラ110と、これらの
ニードルローラ110のそれぞれを所定位置に保持する
リテーナ112とからなる。ここで、かかるスラストニ
ードルベアリング104は、それのレース板106を支
持部材24にねじ止め固定するとともに、各個のニード
ルローラ110をパワーローラ20の背面に接触させる
ことによって使用に供される。
【0035】この実施例におけるクラウニング表面10
8は、図4(b)に示すところから明らかなように、レ
ース板106の全体にわたって形成されて、これもま
た、傾転軸線方向では凸状をなし、支持部材24の幅方
向、ひいては、レース板106の幅方向では表面レベル
が等しいほぼかまぼこ状をなす。
【0036】このようなクラウニング表面108は、そ
こへの大きな押付反力の作用に際し、前述した実施例と
同様に、実質的な平坦面となり、それぞれのベアリング
ボール20bに対する荷重分布を十分均一ならしめるの
で、パワーローラ20の耐久性を大きく向上させること
ができる。
【0037】またこの実施例では、装置のトルク容量そ
の他によって変化する所要のクラウニング量を、介装部
材としてのレース板106によって確保することができ
るので、構造が複雑で、かつ比較的大型でもある高価な
支持部材24の押付反力作用面を、常に一定の平坦面と
することができ、従って、一種類の支持部材24を、ト
ルク容量等が異なる各種装置に共用することが可能とな
って、支持部材コストの低減が実現されることになる。
【0038】しかもここでは、パワーローラ20と支持
部材24との間に、スラストニードルベアリング104
を配設していることから、パワーローラ20に、それ
を、その回転軸線20dの周りで揺動させる方向の外力
が作用した場合に、そのパワーローラ20の全体を極め
て円滑に揺動させることができる。
【0039】加えて、図示例では、レース板106を支
持部材24に接触させて配設していることから、支持部
材24の反力作用面に対する熱処理、表面仕上げなどの
加工を省略することができる。ところで、上記レース板
は、それをパワーローラ20の外輪20cの背面に取付
けて配設することもでき、この場合には、ニードルロー
ラは支持部材24の反力作用面に接触するので、外輪2
0cの背面に対する熱処理、表面仕上げなどを省略する
ことが可能となる。なお、この場合のクラウニング表面
は、レース板の、ニードルローラとの接触面とは反対側
の面、すなわち、外輪側の面に形成されることになる。
【0040】図5はこの発明のさらに他の実施例を示す
縦断面図である。この例は、パワーローラ20と支持部
材24との間に、介装部材としてのすべり軸受114を
配設し、このすべり軸受114に、パワーローラ側へ凸
となるクラウニング表面116を設けたものである。こ
の例のクラウニング表面116もまた、前述した各実施
例と同様に、すべり軸受114の全体にわたって形成さ
れて、傾転軸線方向で凸状をなし、そして、そのすべり
軸受114の幅方向で表面レベルが等しいほぼかまぼこ
状をなす。
【0041】ここで、クラウニング表面116を設ける
ことによる特有の作用効果は前述したそれぞれの実施例
と同様であり、また、すべり軸受114にクラウニング
表面116を設けることによる固有の作用効果は、図
3,4に示す実施例とほぼ同様である。なおここにおい
てもまた、すべり軸受114を、支持部材24に、図示
のようにねじ止めすることにより、その支持部材24の
反力作用面に対する熱処理、表面仕上げなどを不要なら
しめることができ、一方、そのすべり軸受114を、パ
ワーローラ側に取付けた場合には、外輪20cの背面に
対するそれらの加工を不要ならしめることができる。
【0042】ところで、前述したそれぞれの実施例にお
いて、クラウニング表面102,108,114のクラ
ウニング量は、パワーローラ20の押付反力が最大の状
態、すなわち、入力ディスクへの入力トルクが最大で、
変速比が最低の状態で、クラウニング表面102,10
8,114が平坦面となるように設定すること、また
は、パワーローラ20の押付反力がその最大状態の7〜
8割に達したときに、クラウニング表面102,10
8,114が平坦面となるように設定することが好まし
い。
【0043】すなわち、前者によれば、パワーローラベ
アリングのボール20bに最大荷重が作用し、従って、
それぞれのボール20bに対する作用荷重のばらつき
が、耐久性にとくに重大な影響を与える場合に、そのば
らつきを十分に取り除くことができる。また、後者によ
れば、現実の運転状況下で発生することのある最大押付
反力に対してそれぞれのボール20bに作用する荷重を
均等ならしめて実用上の耐久性を有効に向上させること
ができる。
【0044】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、パワーロ
ーラを入出力ディスクに相対的に押付けることによって
生じる押付反力で、そのパワーローラを背面側から支持
する支持部材に弓形状の変形が生じた場合に、その押付
反力の作用部分に形成されて、パワーローラ側に凸とな
るクラウニング表面を平坦面に変形させることによっ
て、パワーローラ、なかでもパワーローラベアリングお
よびパワーローラ外輪の各部に作用する荷重を実質的に
均等ならしめて、パワーローラの耐久性を大きく向上さ
せることができる。
【0045】なおここで、クラウニング表面を支持部材
それ自体に形成する場合には、所要のクラウニング表面
を高い精度で容易に加工することができる。また、クラ
ウニング表面を、支持部材とパワーローラとの間への介
装部材に形成する場合には、支持部材をトルク容量の異
なる各種装置に汎用化することによって、その支持部材
のコストを有効に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す実施例のクラウニング表面を例示す
る図である。
【図3】この発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図4】図3に示す実施例のクラウニング表面を例示す
る図である。
【図5】この発明のさらに他の例を示す縦断面図であ
る。
【図6】従来例を示す横断面図である。
【図7】従来例を示す縦断面図である。
【図8】支持部材の変形態様を示す図である。
【符号の説明】
14 入力軸 16 入力ディスク 16a,18a トロイダル曲面 18 出力ディスク 20 パワーローラ 20a 内輪 20b ベアリングボール 20c 外輪 20d 回転軸線 22 偏心軸 22a 偏心軸線 24,100 支持部材 24a 傾転軸線 26,28 球面軸受 30,32 リンク 102,108,116 クラウニング表面 104 スラストニードルベアリング 106 レース板 110 ニードルローラ 112 リテーナ 114 すべり軸受

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ディスクおよび出力ディスクと、そ
    れらの両ディスクの対向面に押付けて配設した複数のパ
    ワーローラと、それぞれのパワーローラを、偏心軸を介
    して背面側から支持するそれぞれの支持部材と、これら
    の支持部材のそれぞれの端部分を相互連結するそれぞれ
    のリンクとを具え、 パワーローラを回転させて、入力ディスクから出力ディ
    スクへの動力伝達を行うとともに、各パワーローラを、
    それの回転軸線と直交する傾転軸線の周りに、前記支持
    部材とともに回動させて無段変速を行うトロイダル型無
    段変速装置であって、 パワーローラの押付反力の作用部分のいずれかに、パワ
    ーローラ側に凸となるクラウニング表面を、傾転軸線方
    向で凸状をなすように形成してなるトロイダル型無段変
    速装置。
  2. 【請求項2】 前記クラウニング表面を支持部材それ自
    体に設けてなる請求項1記載のトロイダル型無段変速装
    置。
  3. 【請求項3】 前記クラウニング表面を、支持部材とパ
    ワーローラとの間への介装部材に設けてなる請求項1記
    載のトロイダル型無段変速装置。
  4. 【請求項4】 前記介装部材を、スラストニードルベア
    リングのレース板としてなる請求項3記載のトロイダル
    型無段変速装置。
  5. 【請求項5】 前記介装部材を、すべり軸受としてなる
    請求項3記載のトロイダル型無段変速装置。
  6. 【請求項6】 前記クラウニング表面のクラウニング量
    を、パワーローラの押付反力が最大の状態で、そのクラ
    ウニング表面が平坦面となるよう設定してなる請求項1
    〜5のいずれか一項に記載のトロイダル型無段変速装
    置。
  7. 【請求項7】 前記クラウニング表面のクラウニング量
    を、パワーローラの押付反力が、最大値の7〜8割の状
    態で、そのクラウニング表面が平坦面となるよう設定し
    てなる請求項1〜5のいずれか一項に記載のトロイダル
    型無段変速装置。
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