JP2012180849A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各トラニオン7b、7bの支持梁部55、55の軸方向両端部に、これら各トラニオン7b、7b毎に1対ずつ設けられた各段差面58、58同士の間隔を、各外輪16a、16bの同方向の寸法よりも大きくする。変速比のフィードバック制御に使用するトラニオン7bと、このトラニオン7bに揺動変位可能に支持した外輪16bとの間にのみ、アンカ駒60等によるトルク支承部を設ける。このトルク支承部は、外輪16bと前記支持梁部55との揺動変位を許容するが、この外輪16bがこの支持梁部55の軸方向に変位をする事を阻止する。そして、各ディスクの回転に伴って前記トラニオン7bに支持されたパワーローラ6aに加わるトルクを支承する。
【選択図】図1
Description
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、入力、出力各ディスク2、2a、2b、5、5a、各パワーローラ6a等の弾性変形に基づき、これら各パワーローラ6aをこれら各ディスク2、2a、2b、5、5aの軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラ6aを回転自在に支持している前記スラスト玉軸受13aの外輪16aが、外側面に設けた部分円筒面状の凹部56と支持梁部55の円筒状凸面54との当接面を滑らせつつ、この円筒状凸面54の中心軸イを中心として揺動変位する。この揺動変位に基づき、前記各パワーローラ6aの周面のうちで、前記各ディスク2、2a、2b、5、5aの軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスク2、2a、2b、5、5aの軸方向に変位し、前記接触状態を適正に維持する。
又、これら各スラスト転がり軸受を構成する外輪は、それぞれの外側面に設けられた凹部と、前記各トラニオンの支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により、これら各トラニオンに対し、前記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持している。
又、前記各ディスク同士の間の変速比の調節は、前記各トラニオン毎に設けられたアクチュエータによりこれら各トラニオンを各傾転軸の軸方向に変位させて、これら各トラニオンを、これら各傾転軸を中心として揺動変位させる事により行わせる。
更に、前記変速比に結び付く、前記各傾転軸を中心とする前記各トラニオンの傾斜角度は、前記各アクチュエータへの圧油の給排を制御する変速比制御弁により制御するものであって、この変速比制御弁の開閉状態の調節は、前記各トラニオンのうちの何れか1個のトラニオンの変位を前記変速比制御弁の構成部材に伝達する事により行う。
そして、前記何れか1個のトラニオンと、当該トラニオンに揺動変位可能に支持した前記外輪との間にのみ、トルク支承部を設ける。このトルク支承部は、この外輪と前記支持梁部との揺動変位を許容するが、この外輪がこの支持梁部の軸方向に変位をする事を阻止して、前記各ディスクの回転に伴って前記何れか1個のトラニオンに支持されたパワーローラに加わるトルクを支承する。
このうちのコスト低廉化は、前述の図12〜17に示した従来構造の第3例と同様の理由により、図り易い。
又、変速動作の安定化は、トラニオンの支持梁部と外輪との間に設けたトルク支承部により図れる。このトルク支承部を設ける事で、この支持梁部を中心とする前記外輪の揺動変位を円滑に行わせるべく、この支持梁部の両端部に設けた1対の段差部同士の間隔を前記外輪の同方向の寸法よりも大きくしても、この外輪が前記トラニオンに対し、この支持梁部の軸方向に変位するのを防止できる。そして、この軸方向の変位により、運転者の意図しない不用意な変速動作が行われる事を防止できる。前記トルク支承部を設ける事は、コスト増大に繋がるが、このトルク支承部は、変速比制御弁をフィードバック制御する為のトラニオンにのみ設ければ足りる為、コスト増大は低く抑えられる。
外輪との間に前記トルク支承部を設けないトラニオンに関しては、パワーローラが各ディスクの回転方向に、僅かにずれる可能性はある。但し、前記トルク支承部を設けないトラニオンは、変速比制御に使用せず、又、ずれの量も僅かである為、このトルク支承部を設けたトラニオンの傾転角に追従し、総てのトラニオンの傾転角が一致する。
図1は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の構造の場合、各外輪16a、16bのうち、変速比をフィードバック制御する為に利用する、図1の左側のトラニオン7bに支持した外輪16bの外径(或いは、この外輪16bの径方向反対側2箇所位置に形成した、互いに平行な1対の平坦面同士の間隔)d0を、上記トラニオン7bに1対ずつ設けた段差面58、58同士の間隔Dよりも十分に(次述する各駒59、60の主部61の2個分の厚さよりも大きな寸法分)小さくしている。そして、前記両段差面58、58と前記外輪16bの外周面との間に、押圧駒59とアンカ駒60とを設置している。これら押圧駒59とアンカ駒60とは、前記外輪16bを径方向反対側から挟む状態で、前記トラニオン7bを構成する支持梁部55の両端部に、対として配置している。これに対して、前記フィードバックに利用しない、前述の図1の右側のトラニオン7a及びこのトラニオン7aに支持した外輪16aに関しては、前述の図12〜17に示した、従来構造の第3例と同様のものを使用している。
図2〜4は、請求項1、5〜7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の構造の場合、変速比のフィードバック制御に使用するトラニオン7bに支持された外輪16c側に支持固定したアンカピン70と、このトラニオン7bを構成する支持梁部55の円筒状凸面54に形成したアンカ溝71とを係合させている。前記各トラニオン7bの一部で、前記支持梁部55の両端部に設けた1対の段差面58、58同士の間隔Dは、前記各外輪16cの外径d(図4参照)よりも十分に大きくしている。
図5〜6は、請求項1、8に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、変速比のフィードバック制御に使用するトラニオン7bに支持された外輪16dの外側面に形成した凹部56の幅方向両端部2箇所位置に、それぞれ断面円形で有底の保持孔72a、72aを形成している。これら両保持孔72a、72aを形成する位置は、前記凹部56の中心軸の軸方向に関する位置が互いに一致する部分(同一円周上位置)としている。又、前記両保持孔72a、72aの方向は、前記外輪16dの内側面に設けた支持軸12aの中心軸の方向と同じ(平行)としている。そして、前記両保持孔72a、72aに、それぞれアンカピン70a、70aの基半部を、締り嵌めで圧入して、これら両アンカピン70a、70aを、前記外輪16dに対し固定している。そして、これら両アンカピン70a、70aの先半部で前記凹部56の内周面から突出した部分を、トラニオン16dを構成する支持梁部55の外周面を構成する円筒状凸面54に形成したアンカ溝71に係合させている。
上述の様な本例の構造の場合も、前記両保持孔72a、72a及び前記両アンカピン70a、70aの加工及び組合せを容易に行える。又、これら両アンカピン70a、70aにより、大きな力2Ftを支承できる。
2、2a、2b 入力ディスク
3 出力筒
4 出力歯車
5、5a 出力ディスク
6、6a パワーローラ
7、7a、7b トラニオン
8、8a、8b 傾転軸
9 支持梁部
10 支持板
11、11a、11b ラジアルニードル軸受
12、12a 支持軸
13、13a スラスト玉軸受
14 スラストニードル軸受
15 内輪軌道
16、16a、16b、16c、16d 外輪
17 外輪軌道
18 玉
19 駆動軸
20、20a 押圧装置
21 アクチュエータ
22 トロイダル型無段変速機
23 遊星歯車式変速機
24 入力軸
25 出力軸
26 伝達軸
27 前段ユニット
28 中段ユニット
29 後段ユニット
30 中空回転軸
31 太陽歯車
32 キャリア
33 遊星歯車
34 遊星歯車
35 遊星歯車
36 リング歯車
37 第二太陽歯車
38 第二キャリア
39 低速用クラッチ
40 第三太陽歯車
41 第二リング歯車
42 高速用クラッチ
43 遊星歯車
44 遊星歯車
45 ケーシング
46 変速比制御弁
47 ステッピングモータ
48 プリセスカム
49 スプール
50 スリーブ
51 油圧源
52a、52b 油圧室
53a、53b 同期ケーブル
54 円筒状凸面
55 支持梁部
56 凹部
57 ラジアルニードル軸受
58 段差面
59 押圧駒
60 アンカ駒
61 主部
62 凸部
63 静止側平坦面
64 揺動側平坦面
65 凹曲面
66a、66b 保持孔
67 ロッド
68 盲栓
69 圧縮コイルばね
70 アンカピン
71 アンカ溝
72 保持孔
73 下流側潤滑油流路
74 上流側潤滑油流路
75 リンク腕
Claims (8)
- 少なくとも1対のディスクと、複数のトラニオンと、これら各トラニオンと同数のパワーローラと、同じく同数のスラスト転がり軸受とを備え、
このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されたものであり、
前記各トラニオンは、それぞれの両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも前記各ディスクの径方向に関する内側の側面を、前記両傾転軸の中心軸と平行でこの傾転軸の中心軸よりも前記各ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたもので、軸方向に関して前記各ディスクの軸方向側面同士の間位置の周方向に関して複数箇所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられており、
前記各パワーローラは、前記各トラニオンの内側面に、それぞれスラスト転がり軸受を介して回転自在に支持され、部分球状凸面としたそれぞれの周面を、前記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させており、
前記各スラスト転がり軸受は、前記各トラニオンの支持梁部と前記各パワーローラの外側面との間に設けられたもので、これら各支持梁部側に設けられた外輪と、これら各外輪の内側面に設けられた外輪軌道と前記各パワーローラの外側面に設けられた内輪軌道との間に転動自在に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備えたものであり、
前記各スラスト転がり軸受の外輪は、これら各外輪の外側面に設けられた凹部と前記各支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により、これら各トラニオンに対し、前記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されており、
前記各ディスク同士の間の変速比の調節は、前記各トラニオン毎に設けられたアクチュエータによりこれら各トラニオンを前記各傾転軸の軸方向に変位させて、これら各トラニオンをこれら各傾転軸を中心として揺動変位させる事により行わせるものであり、
前記変速比に結び付く、前記各傾転軸を中心とする前記各トラニオンの傾斜角度は、前記各アクチュエータへの圧油の給排を制御する変速比制御弁により制御するものであって、この変速比制御弁の開閉状態の調節は、前記各トラニオンのうちの何れか1個のトラニオンの変位を前記変速比制御弁の構成部材に伝達する事により行うトロイダル型無段変速機に於いて、
前記各トラニオンの支持梁部の軸方向両端部に、これら各トラニオン毎に1対ずつ設けられた各段差面同士の間隔が、前記各外輪の同方向の寸法よりも大きく、
前記何れか1個のトラニオンと、当該トラニオンに揺動変位可能に支持した前記外輪との間にのみ、この外輪と前記支持梁部との揺動変位を許容するが、この外輪がこの支持梁部の軸方向に変位をする事を阻止して、前記各ディスクの回転に伴って前記何れか1個のトラニオンに支持されたパワーローラに加わるトルクを支承するトルク支承部を設けた事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 前記トルク支承部が、前記何れか1個のトラニオンの外輪を径方向両側から挟む位置に存在する、これら各外輪毎に1対ずつの段差面のうちの一方の段差面又はこの一方の段差面に設置された部材であり、他方の段差面と前記外輪の外周面との間部分に設置された押圧駒を、弾性部材によりこの外輪に向け押圧している、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
- 前記何れか1個のトラニオンに設けた1対の段差面と前記外輪の外周面との間に、互いに同じ形状を有するアンカ駒と前記押圧駒とが設置されており、
前記両段差面に互いに同心の保持孔が設けられており、
前記押圧駒及び前記アンカ駒は、それぞれ、前記両段差面と前記外輪の外周面との間に配置される主部と、この主部のうちで前記パワーローラと反対面に突設された凸部とを備えたものであり、
前記押圧駒及び前記アンカ駒を構成する前記凸部は、前記両保持孔に嵌合されており、前記トラニオン毎に1対ずつ設けられた保持孔のうちの一方の保持孔内に装着された前記各弾性部材により前記押圧駒を前記外輪の外周面に押し付けて、この外輪を前記アンカ駒に向け押圧していて、
前記外輪の外周面と前記アンカ駒との当接部が前記トルク支承部を構成している、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機。 - 前記押圧駒と前記アンカ駒とが低摩擦材製である、請求項2〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
- 前記トルク支承部が、前記外輪の一部に形成された断面円形の保持孔と、この保持孔に締り嵌めで内嵌固定された状態で、一部を前記外輪の凹部の内面から突出させた円柱状のアンカピンと、前記トラニオンの支持梁部の外周面を構成する円筒状凸面に、この円筒状凸面の周方向に形成されたアンカ溝とを備え、前記アンカピンの一部とこのアンカ溝とを係合させたものである、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
- 前記保持孔は、前記凹部の中心軸に対し捩れの位置で、且つ、この中心軸の方向に対し直角方向に形成されたもので、中間部を前記凹部の幅方向中間部に開口しており、
前記アンカピンは、軸方向両端寄り部分を前記保持孔に締り嵌めで内嵌固定した状態で、軸方向中間部を前記凹部の一部に露出させており、
前記アンカ溝は、前記アンカピンの軸方向中間部をがたつきなく係合する断面円弧形であり、
前記トラニオンの支持梁部の軸方向に関して、前記外輪の両端部外周面とこれら各トラニオンの一部とを離隔させると共に、前記アンカピンの軸方向中間部と前記アンカ溝との係合部を前記トルク支承部とした、請求項5に記載したトロイダル型無段変速機。 - 前記外輪の内側面の中心部に前記外輪軌道と同心の支持軸が、この外輪と一体に設けられていて、前記パワーローラはこの支持軸の周囲にラジアルニードル軸受を介して回転自在に設けられており、この支持軸の中心部に設けた下流側潤滑油流路に、前記トラニオンの支持梁部に設けられた上流側潤滑油流路から潤滑油を送り込み可能としており、前記保持孔及び前記アンカ溝は、前記支持軸の中心から前記支持梁部の軸方向に外れた位置に形成されていて、前記アンカピンの軸方向中間部は、前記下流側、上流側両潤滑油流路同士の連通部から外れた部分に存在する、請求項6に記載したトロイダル型無段変速機。
- 前記保持孔は、前記凹部の幅方向2箇所位置で、この凹部の中心軸の軸方向に関する位置が互いに一致する部分に形成されており、それぞれの保持孔に1対のアンカピンが、それぞれの端部が前記凹部の内周面から突出する状態で圧入固定されている、請求項5に記載したトロイダル型無段変速機。
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