JPH08219246A - ハーフトロイダル型無段変速装置 - Google Patents

ハーフトロイダル型無段変速装置

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JPH08219246A
JPH08219246A JP7028088A JP2808895A JPH08219246A JP H08219246 A JPH08219246 A JP H08219246A JP 7028088 A JP7028088 A JP 7028088A JP 2808895 A JP2808895 A JP 2808895A JP H08219246 A JPH08219246 A JP H08219246A
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JP
Japan
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roller
power
power roller
continuously variable
variable transmission
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JP7028088A
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Ken Yamamoto
建 山本
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ローラ支持部材への、パワーローラの押付反
力の作用に対し、パワーローラの構成各部その他の耐久
性の向上をもたらす。 【構成】 パワーローラ120を回転させて、入力ディ
スクから出力ディスクへの動力伝達を行うとともに、各
パワーローラ120を、それの回転軸線120dと直交
する傾転軸線124aの周りに、ローラ支持部材124
とともに回動させて無段変速を行うハーフトロイダル型
無段変速装置である。パワーローラ120とローラ支持
部材124との間で、前記傾転軸線124aの方向にロ
ーラ支持部材124とはヤング率の異なる二種類の介挿
部材134,136を配設し、それらの介挿部材13
4,136のヤング率を、パワーローラ120の回転軸
線124aに近いものほど大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ハーフトロイダル型
無段変速装置、なかでもとくに、パワーローラの押付反
力を受けるローラ支持部材へのパワーローラの取付構造
の改良に関係するものであって、パワーローラの耐久性
の向上をもたらすものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の無段変速装置としては、
たとえば出願人が先に特開平3−89066号として提
案したものがある。図6および7はそれぞれ、その従来
装置を示す横断面図および縦断面図であり、図中10
は、トロイダル型無段変速装置の全体を示す。
【0003】図6の右側に配置される図示しないエンジ
ンの出力は、これもまた図外のトルクコンバータを介し
て入力軸14に伝達される。この入力軸上には入力ディ
スク16および出力ディスク18のそれぞれが配置さ
れ、それらの両ディスク16,18の、相互に対向する
トロイダル曲面16a,18aのそれぞれには、パワー
ローラ20が押付け配置されている。ここで、パワーロ
ーラ20は、入力軸14に対して対称位置に配置した二
個で一対をなす。
【0004】各パワーローラ20は、それぞれのディス
ク16,18に接触する内輪20aと、この内輪20a
に、スラストボールベアリング20bを介して接触する
外輪20cとからなり、このようなパワーローラ20
は、偏心軸22を介してローラ支持部材24に、その背
面側から支持されており、内輪20aは、その中心軸線
の周りに回転自在である。
【0005】また、それぞれのパワーローラ20を支持
するそれぞれのローラ支持部材24は、図7に示すよう
に、パワーローラ20の回転軸線20dと直交する傾転
軸線24aの周りでのそれらの回動(以下「傾転」とい
う)運動を許容すべく、図では上下の端部分をそれぞれ
の球面軸受26,28によって軸受されており、そし
て、上端球面軸受26の相互および、下端球面軸受28
の相互は、主には、両支持部材24の間隔を所期した通
りに維持すべく機能するそれぞれのリンク30,32に
よって連結されている。なおここで、それぞれのリンク
30,32は、それらの中央部をそれぞれのリンクポス
ト34,36によって、装置10のケーシングおよび、
後述する変速制御弁のバルブボディ38のそれぞれに連
結されている。
【0006】各支持部材24の下端部には、傾転軸線2
4aと同軸をなす延長軸部40が設けられ、この延長軸
部には、液圧アクチュエータ42のピストン42aが取
付けられている。このピストン42aは、前記バルブボ
ディ38に設けられたシリンダ内に嵌合されて、それの
上下側に、それぞれの油室42b,42cを区画する。
【0007】さらにまた、両支持部材24のいずれか一
方、図では左側に位置する支持部材24の、延長軸部4
0の下端には、その支持部材24と一体に回動するプリ
セスカム44が取付けられており、このプリセスカム4
4のカム面には、L字状に折曲された中間部を枢支した
カムリンク46の一端が当接されている。なお、そのカ
ムリンク46の他端は、調整ねじ48を介して変速制御
弁50のスプール52に当接されている。
【0008】ここで、バルブボディ38に設けられたこ
の変速制御弁50は、スプール52に加え、変速指令手
段としてのステップモータ54により、ピニオン56を
介して軸線方向に移動されるラック軸58と、このラッ
ク軸58の先端部に連結されてスプール52に摺動可能
に嵌まり合うスリーブ60とを具えている。
【0009】このような変速制御弁50において、ステ
ップモータ54を、増速比方向もしくは減速比方向へ正
もしくは逆回転させると、スリーブ60とスプール52
との協働下で、液圧アクチュエータ42に連通される二
つのポート62,64と、ライン圧導入ポート66との
連通および遮断が行われる。ここにおいて、ポート62
は、図の右側の液圧アクチュエータ42の下側油室42
cおよび、左側液圧アクチュエータ42の上側油室42
bのそれぞれに連通されており、ポート64は、それぞ
れの液圧アクチュエータ42の、上述したとは逆の油室
にそれぞれ連通されている。
【0010】これがため、変速比を変化させるべく、ス
テップモータ54を駆動して、スリーブ60をスプール
52に対して相対変位させると、その変位方向に応じて
ライン圧がポート62,64のいずれか一方に供給さ
れ、そのライン圧は、左右の支持部材24を、図示の中
立位置から上下逆方向へ相対変位させる。そしてこの結
果として、二個一対のパワーローラ20は、傾転軸線2
4aの周りに傾転して、入出力ディスク間での無段変速
が行われる。
【0011】ところで、入出力ディスク16,18を同
軸支持する入力軸14は、図6に示すように、それぞれ
の端部分をボールベアリング68およびニードルベアリ
ング70を介してケーシング72に回転自在に支持され
ており、それぞれのディスク16,18はニードルベア
リング74,76を介して入力軸14に回転可能に装着
されている。
【0012】ここで、入力軸上の、入力ディスク16と
隣接する位置には、入出力ディスク16,18のそれぞ
れのトロイダル曲面16a,18aとパワーローラ20
との接触圧、ひいては、出力ディスク18への伝達トル
クを調整するローディングカム78が配設されている。
一方、出力ディスク18と隣接する位置には、ボールベ
アリング80を介してケーシング72に回転自在に支持
された出力用歯車82が配設されており、この出力用歯
車82は、キー84を介して出力ディスク18に一体に
取付けられている。
【0013】前記ローディングカム78は、入力軸14
にスプライン連結されたカムフランジ86と、このカム
フランジ86と入力ディスク16との対向面に形成され
たそれぞれのカム面間に配置されるカムローラ88とか
らなり、カムフランジ86の、入力ディスク16から離
反する方向の変位は、入力軸14に設けた鍔部90によ
って阻止されている。
【0014】これがため、入力軸14の回転トルクは、
カムフランジ86からカムローラ88を介して入力ディ
スク16に伝達されることになり、その入力ディスク1
6は、前記回転トルクに応じて、パワーローラ20の、
それぞれのトロイダル曲面16a,18aに対する相対
押付力を特定する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】トラクションドライブ
式のこのようなハーフトロイダル型無段変速装置にあっ
ては、動力伝達のために、入出力ディスク16,18に
対するパワーローラ20の相対押付力を相当大きくする
ことが必要であり、基本的にはローディングカム78の
作用下で、入力トルクに応じた押付力が付与されること
になる。
【0016】この場合、パワーローラ20の押付力に対
する反力がローラ支持部材24に作用することになり、
それぞれのローラ支持部材24は、それらの上下の端部
分を相互連結する、耐張部材としてのそれぞれのリンク
30,32をもってその押付反力を支持することになる
も、各支持部材それ自身は、図8に模式図をもって誇張
して示すように、それぞれのリンク30,32との連結
部を支点とし、パワーローラ20との接触面を力点とし
て弓形状に変形することになる。
【0017】そして、ローラ支持部材24にこのような
変形が生じると、パワーローラそれ自身の同様の変形に
比して、そのローラ支持部材24の長さ方向中央部分
が、押付反力の作用方向にとくに大きく逃げることにな
るため、パワーローラ20の、スラストボールベアリン
グ20bのボールに作用する荷重が、図の上下方向位置
によって変化して、上下の各部分で大きく、中央部分で
小さくなる。
【0018】かかる不均一荷重に対し、回転軸線20d
の周りに回転運動を行う、パワーローラ20の内輪20
aはとくに問題を生じることはないが、静止状態にあ
る、パワーローラ20の外輪20cは、スラストボール
ベアリング20bのボールを介して常に不均一な荷重を
受けることになって、上下部分での荷重が、中央部分に
比してはるかに大きくなるため、その外輪20cの、上
下の各部分での耐久性が低下するという大きな問題があ
り、このことは、スラストボールベアリング20bそれ
自体についてもほぼ同様である。
【0019】この発明は、従来技術の有するこのような
問題点を解決することを課題として検討した結果なされ
たものであり、この発明の目的は、ローラ支持部材の、
上述したような弓形状の変形は余儀ないものとし、その
ような変形が生じてもなお、スラストボールベアリング
のそれぞれのボールに作用する荷重を、上下方向位置の
いかんにかかわらず十分均等ならしめ、しかも、ローラ
支持部材に作用するパワーローラの押付反力が、そのロ
ーラ支持部材に弓形状の変形をもたらすほどに大きくな
い場合であってもまた、スラストボールベアリングに作
用する荷重を、上下方向の全体にわたって十分均等なら
しめることにより、パワーローラ、ひいては、その外輪
およびスラストボールベアリングの耐久性を十分に高め
ることができるハーフトロイダル型無段変速装置を提供
するにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明は、多くは、相
互に同軸に配置される入力ディスクおよび出力ディスク
と、それらの両ディスクのトロイダル対向面に押付け配
置した複数のパワーローラと、それぞれのパワーローラ
を背面側から回転自在に支持するそれぞれのローラ支持
部材と、これらのローラ支持部材のそれぞれの端部分を
相互連結するそれぞれのリンクとを具え、パワーローラ
を回転させて、入力ディスクから出力ディスクへの動力
伝達を行うとともに、各パワーローラを、それの回転軸
線と直交する傾転軸線の周りに、前記ロール支持部材と
ともに傾転させて無段変速を行うハーフトロイダル型無
段変速装置であって、パワーローラとローラ支持部材と
の間で、前記傾転軸線の方向に、ローラ支持部材とはヤ
ング率の異なる二種類以上の介挿部材を配設し、それら
の介挿部材のヤング率を、パワーローラの回転軸線に近
いものほど大きくしたものである。
【0021】ここで好ましくは、それぞれの介挿部材
を、パワーローラの回転軸線に対して対称に配設し、ま
た好ましくは、パワーローラとローラ支持部材との間に
二種類の介挿部材を配設し、パワーローラの回転軸線側
の一方の介挿部材のヤング率を他方の介挿部材のよりよ
り大きくし、更に他方の介挿部材のヤング率をローラ支
持部材のそれより小さくする。
【0022】また、他のハーフトロイダル型無段変速装
置は、とくに、ローラ支持部材の、パワーローラの押付
反力を受ける部分に、傾転軸線方向でパワーローラ側に
凸となる、ほぼかまぼこ状のクラウニング表面を設ける
とともに、そのクラウニング表面とパワーローラとの間
に、それらのそれぞれの表面に沿う形状を有し、ローラ
支持部材とはヤング率が相違する介挿部材を配設したも
のである。
【0023】そして、ここにおいても好ましくは、クラ
ウニング表面とパワーローラとの間に、二種類以上の介
挿部材を配設し、それらの介挿部材のヤング率を、パワ
ーローラの回転軸線に近いものほど大きくする。なおこ
こで、介挿部材は、クラウニング表面の、傾転軸線方向
のそれぞれの端部側に偏せて配設することもできる。
【0024】
【作用】以上のような装置のうち、パワーローラとロー
ラ支持部材との間に二種類以上の介挿部材を配設した前
者のものにあっては、装置への負荷がそれほど大きくな
く、従って、ローラ支持部材が、全くもしくはほとんど
弓形状に変形しない状態の下にて動力伝達を行う場合に
は、パワーローラ、とくにはそれの外輪が、それぞれの
介挿部材によりその全体にわたって十分均等に支持され
ることになり、これによって、スラストボールベアリン
グおよび外輪のそれぞれは、上下方向位置のいかんにか
かわらず、ほぼ均一のパワーローラ押付反力を受けるの
で、ここでは、負荷の偏りに起因する、そのスラストボ
ールベアリングおよび外輪の耐久性の低下が生じるおそ
れはない。
【0025】これに対し、装置への負荷が大きく、ロー
ラ支持部材から弓形状に変形した場合には、パワーロー
ラの回転軸線、いいかえれば、ローラ支持部材の最大変
形位置から離れて位置する介挿部材ほど圧縮方向に大き
く変形される一方、その最大変形位置の近傍では、介挿
部材にはほとんど圧縮変形が生じないことから、ローラ
支持部材のその変形は、それぞれの介挿部材によって有
効に吸収され、この結果として、パワーローラの外輪
は、それらの介挿部材にて形成される実質的に平坦な面
上に、これもまたほぼ均等に支持されることになる。従
って、パワーローラの押付反力は、この場合にも、それ
ぞれの介挿部材にほぼ均一に分散されることになって、
その外輪およびスラストボールベアリングへの局部的な
荷重の集中が十分に防止されることになる。
【0026】かくして、この装置によれば、そこへの負
荷の大小にかかわらず、パワーローラの、外輪およびス
ラストボールベアリングへの局部的な荷重の集中を十分
に防止して、それらの耐久性を大きく向上させることが
できる。
【0027】なおこのことは、隣接して位置するそれぞ
れの介挿部材の相互を、隙間なく、接触させて配設した
場合のみならず、若干の隙間をあけて配設した場合にも
またほぼ同様である。
【0028】ところで、この装置において、それぞれの
介挿部材を、パワーローラの回転軸線に対して対称に配
設した場合には、パワーローラの、外輪およびスラスト
ベアリングに作用する荷重をより均一ならしめることが
できる。
【0029】またここで、二種類の介挿部材のうち、パ
ワーローラの回転軸線側に位置する一方の介挿部材のヤ
ング率を、前記回転軸線から離れた外側に位置する他方
の介挿部材のそれより大きくし、更に前記他方の介挿部
材のヤング率をローラ支持部材のそれより小さくした場
合には、ローラ支持部材の、弓形状への変形に当り、そ
れの変形量の多い部分での、介挿部材の圧縮変形量を十
分少ならしめる一方、ローラ支持部材の変形量の少ない
部分での、介挿部材の圧縮変形量を十分大ならしめて、
それらの介挿部材の、パワーローラ支持面をより十分な
平坦面とすることができ、それ故、外輪およびスラスト
ボールベアリングの各部に作用する荷重を一層均等なも
のとすることができる。
【0030】そしてまた、ローラ支持部材にクラウニン
グ表面を設け、そのクラウニング表面とパワーローラと
の間に、それらの両者に面接触する介挿部材を配設した
後者の装置では、ローラ支持部材が、弓形状の変形を生
じないような低負荷状態の下での動力の伝達に際して
は、その介挿部材が、パワーローラの外輪を、それの全
体にわたって、十分な平坦性をもって均等に支持するこ
とで、その外輪およびスラストボールベアリングに作用
する負荷をほぼ均一ならしめることができる。
【0031】ここで、パワーローラの押圧反力が大きい
高負荷にあって、ローラ支持部材に弓形状の変形が生じ
た場合には、クラウニング量を適宜に選択したクラウニ
ング表面が実質的な平坦面となり、そして、そのクラウ
ニング表面と、パワーローラの外輪とのそれぞれに接触
する介挿部材がほぼ均一な厚みに圧縮変形されるので、
この場合にもまた、外輪およびスラストボールベアリン
グのそれぞれに作用する負荷を十分均等なものとして、
それらの耐久性を大きく向上させることができる。
【0032】なおここで、介挿部材は、ローラ支持部材
よりヤング率の小さい一種類の弾性材料により構成する
ことができる他、相互にヤング率の異なる二種類以上の
材料にて構成することもでき、この場合には、パワーロ
ーラの回転軸線に近いものほどヤング率を高くして、ロ
ーラ支持部材の弓形状の変形による、クラウリング表面
の平坦化に当り、パワーローラの回転軸線から離れて位
置するものほど圧縮変形量を大ならしめることにより、
ローラ支持部材の変形状態の下での、パワーローラの押
付反力の、介挿部材による支持を、外輪およびスラスト
ボールベアリングの全体にわたってより一層均一なもの
とすることができる。
【0033】そしてさらに、ここにおける介挿部材は、
パワーローラと、ローラ支持部材のクラウニング表面と
の対向面間の全体にわたって配設し得ることはもちろ
ん、クラウニング表面の、傾転軸線方向のそれぞれの端
部側に偏せて配設することもできる。
【0034】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この発明の一実施例を、一のパワーロ
ーラおよびローラ支持部材について示す略線縦断面図で
あり、ここに示すパワーローラおよびローラ支持部材は
いずれも、従来技術で述べたと同様の構成および機能を
有するものである。
【0035】図中120はパワーローラを、124は、
そのパワーローラ120を回転自在に支持するローラ支
持部材をそれぞれ示し、131,132はそれぞれ、対
をなすローラ支持部材124の上下の端部分を相互連結
するリンクを示す。
【0036】ここでこの例では、内輪120a、スラス
トボールベアリング120bおよび外輪120cを具え
るパワーローラ120と、それの背面側に位置するロー
ラ支持部材124との対向面間で、パワーローラ120
の回転軸線120dと直交して延びる傾斜軸線124d
の方向に、ローラ支持部材124とはヤング率の異なる
二種類の介挿部材134,136のそれぞれを、それら
相互の接触下にて配設するとともに、パワーローラ12
0の回転中心に近く位置する一方の介挿部材134のヤ
ング率を、他方の介挿部材136のそれより大きくす
る。
【0037】これによれば、たとえば、変速比が小さ
く、ローラ支持部材124に弓形状の変形が、全くもし
くはほとんど生じない程度の低負荷状態の下での動力伝
達に当っては、パワーローラ120の押付反力は、前述
したように、それと、ローラ支持部材124とのそれぞ
れに面接触する両介挿部材134,136をもって十分
均等に支持されることになるので、パワーローラ120
の外輪120cおよびスラストボールベアリング120
bのそれぞれに作用する負荷はそれらの全体にわたって
ほぼ均一となる。
【0038】一方、変速比が大きく、ローラ支持部材1
24に弓形状の変形が生じるほどの高負荷状態での動力
伝達に際しては、図2に示すように、パワーローラ12
0の回転軸線120dから離れて位置する介挿部材13
6には大きな圧縮変形が生じるも、パワーローラ120
の回転軸線側の介挿部材134には、ほとんどもしくは
全く圧縮変形が生じないことにより、ローラ支持部材1
24の変形は、それらの介挿部材134,136をもっ
て十分に吸収されることになる。従って、両介挿部材1
34,136と、パワーローラ120との接触面は実質
的な平坦面となり、それ故に、パワーローラ120の押
付反力は、上述の場合と同様に、それらの両介挿部材1
34,136によってほぼ均等に支持されることになっ
て、外輪120cおよびスラストボールベアリング12
0bに作用する負荷もまた、それらの全体にわたってほ
ぼ均一なものとなる。
【0039】かくしてここでは、パワーローラ120の
押圧反力の大小にかかわらず、外輪120C、スラスト
ボールベアリング120bへの、荷重の局部的な集中を
防止してそれらの耐久性を有効に向上させることができ
る。
【0040】またこの装置において、それぞれの介挿部
材134,136の配設態様を、図示のように、パワー
ローラ120の回転軸線120dに対して対称とした場
合には、その回転軸線120dの、図の上下方向の各位
置への作用荷重をもまた実質的に対称ならしめて、上下
方向のいずれか一方への荷重の集中のおそれを除去する
ことができる。
【0041】そしてさらに、回転軸線側の介挿部材13
4のヤング率を、他方の介挿部材136のそれより大き
くし、更に他方の介挿部材136のヤング率を、ローラ
支持部材124のそれより小さくした場合、たとえば、
ローラ支持部材124を鋼 (E=21000kgf/mm2)に
より、介挿部材134をタングステン (E=37000
kgf/mm2)により、そして、介挿部材136をゴム (E=
15kgf/mm2)により構成した場合には、ローラ支持部材
124が弓形状に変形したときの、介挿部材134の変
形量を十分小さく、また、他方の介挿部材136の変形
量を十分大きくして、それらの介挿部材134,136
による、パワーローラ120の支持面を平坦面に一層近
づけることができ、これがため、外輪120cおよびス
ラストボールベアリング120bの耐久性をより有効に
向上させることができる。
【0042】図3は他の実施例を示す略線縦断面図であ
る。この例は、ローラ支持部材124の、パワーローラ
120の押付反力を受ける部分に、傾転軸線124aの
方向でパワーローラ120側に凸となる、ほぼかまぼこ
状のクラウニング表面138を設け、その表面138の
クラウニング量を、たとえば、押付反力が最大のとき、
または、その最大押付反力の7〜8割の力が作用した時
に、クラウニング表面138が実質的な平坦面となるよ
う選択するとともに、そのクラウニング表面138とパ
ワーローラ120との間に、それらのそれぞれの表面に
沿う形状を有する、ローラ支持部材124よりヤング率
の小さい介挿部材140を配設したものである。ここ
で、ローラ支持部材124を鋼製とした場合には、介挿
部材140は、たとえばテフロン(商標名) (E=48
kgf/mm2)製とすることができる。
【0043】ここにおいて、パワーローラ120の押付
反力が、ローラ支持部材124に弓形状のの変形をもた
らすほどに大きくない場合は、パワーローラ120は、
それと、クラウニング表面138との両者に面接触する
介挿部材140によって、初期設定時とほぼ同様に、十
分均等に支持されることから、外輪120cおよびスラ
ストボールベアリング120bに作用する負荷は、その
全体にわたって有効に分散されることになる。
【0044】これに対し、パワーローラ120の押付反
力が大きく、ローラ支持部材124が、図4に示すよう
に弓形状に変形した場合には、クラウニング表面138
がほぼ平坦面となり、それにつれて、介挿部材140
の、図の上下方向の端部分がとくに大きく圧縮変形され
ることになって、介挿部材140は、その全体にわたっ
てほぼ均一な厚みとされるので、この場合にもまた、介
挿部材140の、パワーローラ120への接触面は十分
な平坦面となり、介挿部材140によって支持されるパ
ワーローラ120に作用する負荷は、それの全体にわた
って十分均等なものとなる。従って、この例によっても
またパワーローラ120の、外輪120cおよびスラス
トボールベアリング120bの耐久性を十分に高めるこ
とができる。
【0045】なお、この例の装置において、パワーロー
ラ120の回転軸線120dの近傍位置に、図1,2に
ついて述べたと同様に、介挿部材140よりヤング率の
大きい他の種類の介挿部材を配設することもでき、この
ことによってもまた、上述したとほぼ同様の作用効果を
もたらすことができる。
【0046】図5に示す実施例は、介挿部材142を、
クラウニング表面138の、傾転軸線方向のそれぞれの
端部側に偏せて配設するとともに、パワーローラ120
を、スラストニードルベアリング144を介してその介
挿部材142に間接的に支持させたものであり、ここで
は、スラストニードルベアリング144は、それのレー
ス板144aによって、相互に間隔をおいて位置する介
挿部材142に接触するとともに、そのレース板144
aの中央部分で、クラウニング表面138の頂部に接触
する。なお、ここでの介挿部材142の配設間隔およ
び、介挿部材142の、レース板144aとの接触面積
は、所要に応じて適宜に選択することができる。
【0047】ところで、ここにおけるスラストニードル
ベアリング144は、パワーローラ120の内輪120
aを回転軸線120d上で回転可能に支持するととも
に、その回転軸線120dに対して、たとえば図の下方
に幾分オフセットした揺動軸線120eの周りで、その
パワーローラ120の全体を揺動可能に支持する偏心軸
をもって、パワーローラ120をローラ支持部材124
に取り付けた場合に、出力ディスクの変形その他に起因
して、パワーローラ120が揺動運動を行う際の摩擦力
を有効に低減させるべく機能する。なお、このような摩
擦力の低減はスラストニードルベアリング144に代え
て、いわゆるメタルのようなすべり軸受部材を配設する
ことによってもまたもたらすことができる。
【0048】またここで、スラストニードルベアリング
144を図示のように配置して、ニードルとローラ支持
部材124との直接接触を回避することにより、そのロ
ーラ支持部材124の熱処理および表面処理を不要なら
しめて、ローラ支持部材124の加工コストを有効に低
減させることができる。
【0049】この実施例によれば、ローラ支持部材12
4に弓形状の変形が生じない状態の下での動力伝達に際
しては、レース板144aが介挿部材142およびクラ
ウニング表面138のそれぞれによってほぼ均等に支持
されるので、スラストボールベアリング120b、外輪
120cおよびスラストニードルベアリング144のそ
れぞれに作用する、パワーローラ120の押付反力は、
それらの各支持部に十分に分散されることになり、これ
がため、それらの構成部分への、荷重の局部的な集中を
有効に防止することができる。
【0050】また、パワーローラ120の押付反力が大
きく、ローラ支持部材124が弓形状に変形した場合に
は、クラウニング表面138の平坦化に伴って、たとえ
ばテフロン(商標名)にて構成することができる介挿部
材142が大きく圧縮変形され、この結果として、レー
ス板144aは、介挿部材142およびクラウニング表
面138からなる実質的な平坦面上に支持されることに
なるので、上述したような構成各部に作用する荷重を、
より一層均等に分散させることができる。従って、この
例によってもまた、パワーローラ120およびスラスト
ニードルベアリング144の耐久性を有効に向上させる
ことができる。
【0051】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、パワーロ
ーラとローラ支持部材との間に、一種類もしくは二種類
以上の介挿部材を配設し、その介挿部材のヤング率を適
宜に選択することにより、装置の低負荷運転から高負荷
運転までの広い範囲にわたって、パワーローラの外輪、
スラストボールベアリング等の装置構成部材に、局部的
な荷重の集中が生じるのを十分に防止して、それらの構
成部材の耐久性を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す略線縦断面図である。
【図2】図1に示す介挿部材の作用例を示す略線縦断面
図である。
【図3】この発明の他の実施例を示す略線縦断面図であ
る。
【図4】図3に示す介挿部材の作用例を示す略線縦断面
図である。
【図5】さらに他の実施例を示す略線縦断面図である。
【図6】装置の要部を例示する要部横断面図である。
【図7】図6に示す装置の縦断面図である。
【図8】ローラ支持部材の変形態様を例示する略線縦断
面図である。
【符号の説明】
14 入力軸 16 入力ディスク 16a,18a トロイダル曲面 18 出力ディスク 120 パワーローラ 120a 内輪 120b スラストボールベアリング 120c 外輪 120d 回転軸線 124 ローラ支持部材 124a 傾転軸線 130,132 リンク 134,136,140,142 介挿部材 138 クラウニング表面 144 スラストニードルベアリング 144a レース板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ディスクおよび出力ディスクと、こ
    れらの両ディスクの対向面に押付け配置した複数のパワ
    ーローラと、それぞれのパワーローラを回転自在に支持
    するそれぞれのローラ支持部材と、これらのローラ支持
    部材のそれぞれの端部分を相互連結するそれぞれのリン
    クとを具え、 パワーローラを回転させて、入力ディスクから出力ディ
    スクへの動力伝達を行うとともに、各パワーローラを、
    それの回転軸線と直交する傾転軸線の周りに、ローラ支
    持部材とともに回動させて無段変速を行うハーフトロイ
    ダル型無段変速装置であって、 パワーローラとローラ支持部材との間で、前記傾転軸線
    の方向にローラ支持部材とはヤング率の異なる二種類以
    上の介挿部材を配設し、それらの介挿部材のヤング率
    を、パワーローラの回転軸線に近いものほど大きくして
    なるハーフトロイダル型無段変速装置。
  2. 【請求項2】 それぞれの介挿部材を、パワーローラの
    回転軸線に対して対称に配設してなる請求項1記載のハ
    ーフトロイダル型無段変速装置。
  3. 【請求項3】 パワーローラとローラ支持部材との間に
    二種類の介挿部材を配設し、パワーローラの回転軸線側
    の一方の介挿部材のヤング率を、他方の介挿部材のそれ
    より大きくし、更に他方の介挿部材のヤング率を、ロー
    ラ支持部材のそれより小さくしてなる請求項1もしくは
    2記載のハーフトロイダル型無段変速装置。
  4. 【請求項4】 入力ディスクおよび出力ディスクと、こ
    れらの両ディスクの対向面に押付け配置した複数のパワ
    ーローラと、それぞれのパワーローラを回転自在に支持
    するそれぞれのローラ支持部材と、これらのローラ支持
    部材のそれぞれの端部分を相互連結するそれぞれのリン
    クとを具え、 パワーローラを回転させて、入力ディスクから出力ディ
    スクへの動力伝達を行うとともに、各パワーローラを、
    それの回転軸線と直交する傾転軸線の周りに、ローラ支
    持部材とともに回動させて無段変速を行うハーフトロイ
    ダル型無段変速装置であって、 ローラ支持部材の、パワーローラの押付反力を受ける部
    分に、傾転軸線方向でパワーローラ側に凸となるクラウ
    ニング表面を設けるとともに、そのクラウニング表面と
    パワーローラとの間に、それらのそれぞれの表面に沿う
    形状を有し、ローラ支持部材とはヤング率の異なる介挿
    部材を配設してなるハーフトロイダル型無段変速装置。
  5. 【請求項5】 前記クラウニング表面とパワーローラと
    の間に、二種類以上の介挿部材を配設し、それらの介挿
    部材のヤング率を、パワーローラの回転軸線に近いもの
    ほど大きくしてなる請求項4記載のハーフトロイダル型
    無段変速装置。
  6. 【請求項6】 前記介挿部材を、クラウニング表面の傾
    転軸線方向のそれぞれの端部側に偏せて配設してなる請
    求項4もしくは5記載のハーフトロイダル型無段変速装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002070974A (ja) * 2000-08-29 2002-03-08 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機

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