JPH07247679A - コンクリート用型枠およびコンクリート用型枠の製造方法 - Google Patents

コンクリート用型枠およびコンクリート用型枠の製造方法

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JPH07247679A
JPH07247679A JP4273494A JP4273494A JPH07247679A JP H07247679 A JPH07247679 A JP H07247679A JP 4273494 A JP4273494 A JP 4273494A JP 4273494 A JP4273494 A JP 4273494A JP H07247679 A JPH07247679 A JP H07247679A
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JP
Japan
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filler
weight
concrete
glass
concrete formwork
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Application number
JP4273494A
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English (en)
Inventor
Takeo Yamaoka
武男 山岡
Toru Shima
徹 嶋
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 コンクリート用型枠は、ポリオレフィン樹脂
50〜90重量%と、板状無機フィラーおよびガラス長
繊維フィラーを有し、ガラス長繊維フィラーの混入比率
が5〜95重量%である混合フィラー50〜10重量%
とを含有する樹脂組成物の発泡成形体であることを特徴
とする。 【効果】 前記構成により、ベニヤ合板に近い比重を有
し、軽量で高剛性であり、釘打ちや鋸切断性等の作業性
に優れ、ベニヤ合板の代替品として建設分野をはじめと
する各種分野において好適に使用することのできる安価
なコンクリート用型枠を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンクリート用型枠
に関し、さらに詳しくは、軽量で高剛性であり、作業性
が良好で、ベニヤ合板の代替品として建設分野をはじめ
とする各種分野において好適に使用することのできる安
価なコンクリート用型枠に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近時、森
林保護等の見地より、コンクリート用型枠を従来のベニ
ヤ合板製からプラスチック製に代えることが検討されて
いる。一般に、コンクリート用型枠としては、軽量で安
価であり、曲げ弾性率等の剛性や作業性に優れること等
の諸特性が要求される。前記諸特性を備えるプラスチッ
ク製のコンクリート用型枠として、たとえば、繊維長が
3mm未満のガラス短繊維やタルクやウイスカー等のフ
ィラーを含有するポリプロピレンを発泡成形してなるコ
ンクリート用型枠が検討されている。
【0003】しかしながら、これらのコンクリート用型
枠においては以下のような問題がある。即ち、前記発泡
成形は、作業性に優れるコンクリート用型枠を得るのに
必要であるにもかかわらず、前記発泡成形するとコンク
リート用型枠の曲げ弾性率等の曲げ剛性が急激に低下し
てしまう。特に、前記発泡成形における発泡倍率を1.
5〜2.0に上げると、曲げ剛性の低下が著しく、前記
諸特性を備えるコンクリート用型枠を製造することがで
きないという問題がある。そこで、前記フィラーの含有
量を多くすることも考えられるが、この場合、曲げ弾性
率は大きくなるものの、型枠の重量も製造コストも大き
くなってしまい、さらに発泡成形性も悪化してしまうと
いう問題がある。
【0004】この発明の目的は、前記課題を解決するこ
とにある。この発明の目的は、ベニヤ合板に近い比重を
有する合成樹脂製のコンクリート用型枠を提供すること
にある。この発明の目的は、軽量で高剛性であり、釘打
ちや鋸切断性等の作業性に優れ、ベニヤ合板の代替品と
して建設分野をはじめとする各種分野において好適に使
用することのできる安価なコンクリート用型枠を提供す
ることにある。この発明の目的は前記目的を一挙に達成
することのできるコンクリート用型枠を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の前記請求項1に記載の発明は、ポリオレフィン樹脂5
0〜90重量%と、板状無機フィラーおよびガラス長繊
維フィラーを有し、ガラス長繊維フィラーの混入比率が
5〜95重量%である混合フィラー50〜10重量%と
を含有する樹脂組成物の発泡成形体であることを特徴と
するコンクリート用型枠であり、前記請求項2に記載の
発明は、前記板状無機フィラーが、タルクまたはマイカ
である前記請求項1に記載のコンクリート用型枠であ
り、前記請求項3に記載の発明は、板状無機フィラーと
ポリオレフィン樹脂とを含有する板状無機フィラー含有
マスターバッチ、およびガラス長繊維フィラーとポリオ
レフィン樹脂とを含有するガラス長繊維フィラー含有マ
スターバッチを調製し、これらをポリオレフィン樹脂と
混合した後、発泡成形することを特徴とするコンクリー
ト用型枠の製造方法である。
【0006】以下、この発明に係るコンクリート用型枠
につき、コンクリート用型枠の製造方法と共に詳述す
る。
【0007】この発明のコンクリート用型枠は、(1)
ポリオレフィン樹脂と(2)混合フィラーとを含有し、
さらに必要に応じて(3)添加剤を含有する樹脂組成物
を(4)発泡成形してなる。
【0008】(1)ポリオレフィン樹脂 前記ポリオレフィン樹脂としては、射出成形をすること
ができれば特に制限がなく、たとえば、高密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、およ
び直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、アイソ
タクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプ
ロピレン、およびアタクチックポリプロピレン等のポリ
プロピレン、ポリブテン、ならびに4−メチルペンテン
−1樹脂などを挙げることができる。また、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−
1三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−塩化ビニル共重合体、およびプロピレン−塩化ビ
ニル共重合体などのオレフィンと他のビニルモノマーと
の共重合体を挙げることができる。
【0009】これらのポリオレフィン樹脂は、一種単独
で使用してもよいし、二種以上を混合して用いていもよ
い。
【0010】前記ポリオレフィン樹脂のメルトインデッ
クス(以下、MIと称する。)としては、通常0.3〜
60g/10分であり、0.5〜40g/10分が好ま
しい。なお、前記ポリオレフィン樹脂を含有する前記樹
脂組成物を、射出成形する場合には前記MIが8〜40
であるのが好ましく、押出成形の場合には前記MIが
0.5〜10であるのが好ましい。前記MIが、前記範
囲外であると剛性と耐衝撃性と成形性とのバランスが悪
いことがある。一方、前記範囲内であるとそのようなこ
とはなく、0.5〜40g/10分であると成形性と物
性とのバランスが良好である点で有利である。
【0011】前記ポリオレフィン樹脂の前記樹脂組成物
における含有量としては、通常50〜90重量%であ
り、55〜70重量%が好ましく、特に60〜68重量
%が好ましい。前記含有量が、50重量%未満である
と、成形性が悪化し、また、比重が大きくなりコンクリ
ート用型枠の重量が増すので、簡便にかつ安価にコンク
リート用型枠を得ることができないことがある。また、
90重量%を越えると、剛性が低下し、コンクリート用
型枠としての必要な特性を備えていないコンクリート用
型枠しか得られないことがある。一方、前記含有量が前
記範囲内にあると、そのようなことはなく、55〜70
重量%であると、軽量で高剛性なコンクリート用型枠を
簡便かつ安価に得ることができる点で有利であり、特に
60〜68重量%であると、重量と剛性とコストとのバ
ランスが良好である点でさらに有利である。
【0012】この発明においては、前記ポリオレフィン
樹脂の中でも、ポリプロピレン樹脂および高密度ポリエ
チレン特に直鎖状高密度ポリエチレンが好ましい。これ
らを用いると、成形性および剛性と耐衝撃性とコストと
のバランスが良好である点で有利である。
【0013】前記ポリプロピレン樹脂としては、結晶性
プロピレン−エチレン共重合体を単独で用いるか、また
は、プロピレン単独共重合体と結晶性プロピレン−エチ
レン共重合体とのブレンド物を用いるのが好ましい。特
に、エチレンを2〜15重量%、好ましくは3〜10重
量%含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体を
用いると、衝撃強度や剛性等の機械的性質および耐熱性
に著しく優れるコンクリート用型枠を提供することがで
きる点で有利である。前記ポリプロピレン樹脂のMIと
しては、通常0.3〜60g/10分であり、好ましく
は0.5〜40g/10分である。前記MIが、前記範
囲外であると剛性と耐衝撃性とのバランスが悪いことが
ある。一方、前記範囲内であるとそのようなことはな
く、0.5〜40g/10分であると、成形性と物性と
のバランスが良好である点で有利である。
【0014】前記高密度ポリエチレン、特に直鎖状高密
度ポリエチレンは、寒冷地での使用に適しているので、
この発明のコンクリート用型枠を寒冷地で使用する場合
には、前記高密度ポリエチレンを用いるのが有利であ
る。前記高密度ポリエチレンのMIとしては、通常0.
1〜30g/10分であり、好ましくは0.2〜20g
/10分である。前記MIが、前記範囲外であると剛性
と耐衝撃性とのバランスが悪いことがある。一方、前記
範囲内であるとそのようなことはなく、0.2〜20g
/10分であると、成形性と物性とのバランスが良好で
ある点で有利である。
【0015】(2)混合フィラー 前記混合フィラーは、板状無機フィラーおよびガラス長
繊維フィラーを有する。この発明においては、前記ガラ
ス長繊維フィラーと組み合わせる無機フィラーとして、
前記板状無機フィラーを用いることが重要である。たと
えば、前記ガラス長繊維フィラーと、粒状無機フィラー
などとを組み合わせて混合フィラーとしてもこの発明の
目的を達成することができない。
【0016】前記混合フィラーにおける前記ガラス長繊
維フィラーの混入比率は、通常5〜95重量%であり、
8〜70重量%が好ましく、特に10〜50重量%が好
ましい。前記混入比率が、5重量%未満であるとコンク
リート用型枠の剛性の向上が少なく、あるいは低下し、
95重量%を越えるとコンクリート用型枠の反りや変形
が大きくなり、成形性も低下し、また安価に製造するこ
とができないことがある。一方、前記混入比率が前記範
囲内であると、そのようなことはなく、8〜70重量%
であると剛性と成形性との点で有利であり、特に10〜
50重量%であると、成形性と物性とコストとのバラン
スが良好である点で好ましい。
【0017】−板状無機フィラー− 前記板状無機フィラーとしては、たとえばタルク、マイ
カ、アルミナ、カオリンクレー、酸化鉄、水酸化アルミ
ニウム、二硫化モリブデン、バライト、蛭石、ロウ石ク
レーなどを挙げることができる。これらは一種単独で用
いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中で
も、タルクあるいはマイカが好ましい。これらを用いる
と、軽量化されたコンクリート用型枠を得ることができ
る点で有利である。
【0018】前記板状無機フィラーの比重としては、通
常2〜6であり、好ましくは2.5〜2.9である。前
記比重が前記範囲外であると、コンクリート用型枠が重
量化することがある。一方、前記範囲内であるとそのよ
うなことはなく、特に2.5〜2.9であるとコンクリ
ート用型枠を軽量化することができる点で有利である。
【0019】前記板状無機フィラーの平均粒径として
は、通常0.1〜1,000μmであり、0.1〜50
μmが好ましく、特に0.5〜20μmが好ましい。前
記平均粒径が前記範囲外であると、成形性と物性とのバ
ランスが悪化することがある。一方、前記範囲内である
とそのようなことはなく、0.1〜50μmであると、
成形性と物性とのバランスが確保することができ、特に
0.5〜20μmであると,さらに成形性と物性とのバ
ランスが向上する点で有利である。なお、前記板状無機
フィラーとしてタルクあるいはマイカを用いるときは、
特にその平均粒径が0.5〜20μmであるのが好まし
く、さらに0.8〜10μmであるのが好ましい。前記
平均粒子径が0.5〜20μmであると、タルクあるい
はマイカの前記樹脂組成物中での分散性が良好になり、
衝撃強度と剛性とに特に優れるコンクリート用型枠を提
供することができる点で有利である。
【0020】−ガラス長繊維フィラー− 前記ガラス長繊維フィラーの平均繊維径としては、通常
3〜40μmであり、6〜30μmが好ましく、特に9
〜15μmが好ましい。前記平均繊維径が前記範囲外で
あると、ガラス長繊維フィラーの分散性が悪く、衝撃強
度および剛性が低下し、耐熱性や外観も十分でないコン
クリート用型枠しか得られないことがある。一方、前記
範囲内であるとそのようなことはなく、6〜30μmで
あると、ガラス長繊維フィラーの分散性がよく、十分な
諸特性を有するコンクリート用型枠を得ることができ、
特に9〜15μmであると衝撃強度および剛性が向上す
る点で有利である。
【0021】前記ガラス長繊維フィラーの平均繊維長と
しては、通常3〜15mmであり、5〜12mmが好ま
しく、特に6〜10mmが好ましい。前記平均繊維長が
前記範囲外であると、十分な特性を備えたコンクリート
用型枠を得ることができないことがる。一方、前記範囲
内であるとそのようなことはなく、5〜12mmである
と衝撃強度および剛性に特に優れると共に耐熱性も改良
されたコンクリート用型枠を提供することができ、特に
6〜10mmであると、衝撃強度および剛性に加えて成
形性が良好である点で有利である。
【0022】前記ガラス長繊維フィラーの前記樹脂組成
物における含有量としては、通常3〜45重量%であ
り、4〜20重量%が好ましく、特に5〜15重量%が
好ましい。前記含有量が、前記範囲外であると、剛性や
成形性が十分でないことがある。一方、前記範囲内であ
るとそのようなことはなく、4〜20重量%であると成
形性が良好で、剛性等が十分なコンクリート用型枠を得
ることができ、特に5〜15重量%であると、成形性と
物性とコストとのバランスが良好である点で有利であ
る。
【0023】前記混合フィラーの前記樹脂組成物におけ
る含有量としては、通常10〜50であり、30〜45
重量%が好ましく、特に32〜40重量%が好ましい。
前記含有量が、10重量%未満であると剛性の改良効果
が小さく、50重量%を越えると成形性が著しく低下
し、成形品の外観が悪化することがある。一方、前記範
囲内であるとそのようなことはなく、30〜45重量%
であると、剛性と成形性とのバランスがよく、特に32
〜40重量%であると前記バランスが良好である点で有
利である。
【0024】(3)添加剤 前記添加剤は、この発明の目的を害しない範囲内におい
て必要に応じて前記樹脂組成物に配合させることができ
る。前記添加剤としては、たとえば滑剤、酸化防止剤、
帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤、着色剤な
どを挙げることができる。
【0025】前記滑剤としては、たとえば、流動パラフ
ィン、天然パラフィン、ワックス等の炭化水素系滑剤;
ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミリスチン
酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸あるいはオキシ脂肪酸
等の脂肪酸系滑剤;ステアリン酸、パルミチン酸、オレ
イン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸の
メチル、エチル、プロピル、ブチルなどの低級アルキル
エステルである脂肪酸エステル系;脂肪族の高級あるい
は低級アルコール、ポリグリコール等のアルコール系滑
剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム等
の金属石ケン;シリコンオイル、変性シリコン等のシリ
コンなどを挙げることができる。
【0026】前記酸化防止剤としては、たとえば、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロ
キシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチル
フェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)、4,4−チオビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビ
ス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テト
ラキス{メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、1,
1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェニル)ブタンのようなフェノール系化合
物、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N−ジフェニ
ル−p−フェニレンジアミンのようなアミン系化合物、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニル
フォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、ジ
フェニルイソデシルフォスファイトのようなリン系化合
物、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチ
オジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネー
トのような硫黄化合物などを挙げることができる。
【0027】前記帯電防止剤としては、たとえば、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンア
ルキルアミドのような非イオン系帯電防止剤、アルキル
スルホネート、アルキルベンゼンスルホネートのような
アニオン系帯電防止剤、第4級アンモニウムクロライ
ド、第4級アンモニウムサルフェートのようなカチオン
系帯電防止剤、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾ
リン型のような両性帯電防止剤などを挙げることができ
る。
【0028】前記紫外線吸収剤としては、たとえば、フ
ェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレ
ート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−
(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などを挙げるこ
とができる。
【0029】前記難燃剤としては、たとえば、ポリトリ
ブロモスチレン、デカブロモジフェニルエーテル、テト
ラブロモビスフェノールAのようなハロゲン系難燃剤、
リン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェート、トリ
エチルホスフェート、酸性リン酸エステル等のリン系難
燃剤、酸化スズ、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤な
どを挙げることができる。
【0030】前記離型剤としては、たとえば、カルナバ
ワックス、パラフィンワックス、シリコーン油などを挙
げることができる。
【0031】前記着色剤としては、プラスチックの着色
に使用される通常の着色剤を使用することができ、たと
えば、アントラキノン系、インジゴイド系、アゾ系等の
染料;Zn、Pb、Ti、Fe、As、Mg、Al、C
o、Cr等の酸化物、硫化物、硫酸塩、酸化チタン、ベ
ンガラ、黄鉛、カドミウム系顔料、カーボンブラック等
の無機顔料;不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ
顔料、フタロシアニン系顔料、建染染料系顔料、キナク
リドン系顔料等の有機顔料などを挙げることができる。
【0032】(4)発泡成形 前記発泡成形に先立ち、前記ポリオレフィン樹脂と前記
混合フィラーとを含有し、必要に応じて前記添加剤を含
有する樹脂組成物を得る。前記樹脂組成物は、たとえ
ば、前記混合フィラーおよび必要な前記添加剤を前記ポ
リオレフィン樹脂に添加し、それ自体公知の混練機を用
いて混合することにより得ることができる。
【0033】前記混練機としては、たとえば、バンバリ
ーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押
出機、二軸混練機などを挙げることができる。
【0034】この発明においては、前記樹脂組成物を、
板状無機フィラーとポリオレフィン樹脂とを含有する板
状無機フィラー含有マスターバッチ、およびガラス長繊
維フィラーとポリオレフィン樹脂とを含有するガラス長
繊維フィラー含有マスターバッチを前記混練機を用いて
調製し、これらをさらに前記ポリオレフィン樹脂と混合
して得るのが好ましい。このようにガラス長繊維フィラ
ーを高濃度で含有するガラス長繊維フィラー含有マスタ
ーバッチおよび板状無機フィラーを高濃度で含有する板
状無機フィラー含有マスターバッチを予め調製してお
き、これらのマスターバッチとポリオレフィン樹脂とを
混合すると、前記樹脂組成物中における前記各フィラー
成分の分散性がよく、その結果として曲げ弾性率および
剛性等の機械的特性に優れたコンクリート用型枠を容易
に製造することができるようになり、樹脂組成物の生産
性とコストの面で有利である。
【0035】前記板状無機フィラー含有マスターバッチ
における前記板状無機フィラーの含有量としては、通常
50〜85重量%であり、好ましくは65〜80重量%
である。また、前記ガラス長繊維フィラー含有マスター
バッチにおける前記ガラス長繊維フィラーの含有量とし
ては、通常40〜80重量%であり、好ましくは50〜
70重量%である。これらの含有量が前記範囲外である
と前記樹脂組成物中における前記各成分の分散性が悪く
なる、あるいは、得られるコンクリート用型枠の曲げ強
度等の剛性をはじめとする諸特性が劣化することがあ
る。一方、前記範囲内であるとそのようなことはない。
【0036】前記混合は、溶剤を用いて混合する方法に
より行ってもよく、溶剤を用いないで混合を行うドライ
ブレンド法により行ってもよい。この発明においては、
前記ドライブレンド法により前記混合を行うのが好まし
い。この場合、溶剤を用いないので、簡便な工程で前記
混合を行うことができ、製造コストの低下を図ることが
できる点で有利である。
【0037】次に、得られた樹脂組成物を発泡成形す
る。前記発泡成形は、たとえば、前記樹脂組成物を物理
発泡あるいは化学発泡により発泡した後、それ自体公知
の成形方法に従って行うことができる。
【0038】前記物理発泡の場合、蒸発型発泡剤あるい
は揮発性発泡剤と称される物理的発泡剤を使用し、圧縮
ガスの放圧あるいは蒸発性気体の気化などで物理的変化
を利用して発泡させる。前記物理的発泡剤としては、た
とえば、脂肪族炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素、弗素
化脂肪族炭化水素、不活性ガスなどを挙げることができ
る。
【0039】前記化学発泡の場合、分解型発泡剤とも称
される発泡剤を使用し化学分解により発生するガスを利
用して発泡を行う。前記分解型発泡剤としては、たとえ
ば、重炭酸ナトリウムなどの無機発泡剤、ならびに、ア
ゾ系発泡剤、ニトロソ系発泡剤、ヒドラジド系発泡剤、
およびトリアジン系発泡剤などの有機発泡剤を挙げるこ
とができる。これらの中でも、前記有機発泡剤が好まし
く、その市販品として特に永和化成工業(株)製のポリ
スレンTS−182やポリスチレンEE206等を好適
例として挙げることができる。
【0040】前記物理的発泡剤あるいは分解型発泡剤の
使用量としては、その種類に応じて発泡倍率を考慮して
適宜に決定される。
【0041】前記発泡倍率は、成形品であるコンクリー
ト用型枠の目標とする比重と剛性とを考慮して任意に調
節することができる。前記発泡倍率としては、通常1.
5〜2.2倍であり、好ましくは1.8〜2.0倍であ
る。前記発泡倍率が、1.5倍未満であるとコンクリー
ト用型枠の重量が重くなり、軽量で安価なベニヤ板代替
コンクリート用型枠を製造することができないことがあ
る。また、2.2倍を越えると、コンクリート用型枠の
剛性が劣化し、高品質のコンクリート用型枠を製造する
ことができないことがある。一方、前記範囲内であると
そのようなことはなく、特に1.8〜2.0倍である
と、ベニヤ合板とほぼ同じかあるいは小さい比重を有
し、鋸による切断や釘打ちが容易で作業性が良好なコン
クリート用型枠の成形品が得られ、かつ、成形材料の射
出発泡性もよい点で有利である。
【0042】前記成形方法としては、特に制限はない
が、たとえば、押出成形、射出成形、射出圧縮成形およ
びプレス成形などを挙げることができる。
【0043】なお、以下にこの発明の好ましい態様を列
挙する。
【0044】前記コンクリート用型枠としては、(1) 前
記ポリオレフィン樹脂のメルトインデックスが0.5〜
40g/10分である前記請求項1に記載のコンクリー
ト用型枠、(2) 前記ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピ
レン樹脂または高密度ポリエチレンである前記請求項1
に記載のコンクリート用型枠、(3) 前記高密度ポリエチ
レンが、直鎖状高密度ポリエチレンである上記コンクリ
ート用型枠、(4) 前記ポリプロピレン樹脂が、そのメル
トインデックスが0.5〜40g/10分である上記コ
ンクリート用型枠、(5) 前記ポリプロピレン樹脂が、そ
のメルトインデックスが8〜40g/10分である上記
コンクリート用型枠、(6) 前記高密度ポリエチレンが、
そのメルトインデックスが0.1〜30g/10分であ
る上記コンクリート用型枠、(7) 前記高密度ポリエチレ
ンが、そのメルトインデックスが0.2〜20g/10
分である上記コンクリート用型枠、(8) 前記ポリプロピ
レンが、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、また
は、プロピレン単独共重合体と結晶性プロピレン−エチ
レン共重合体とのブレンド物である上記コンクリート用
型枠、(9) 前記結晶性プロピレン−エチレン共重合体
が、エチレンを2〜15重量%含有するプロピレン−エ
チレンブロック共重合体である上記コンクリート用型
枠、(10)前記結晶性プロピレン−エチレン共重合体が、
エチレンを3〜10重量%含有するプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体である上記コンクリート用型枠、(1
1)前記ガラス長繊維フィラーの混入比率が、8〜70重
量%である上記コンクリート用型枠、(12)前記板状無機
フィラーが、タルク、マイカまたはカリオンクレーであ
る上記コンクリート用型枠、(13)前記タルク、マイカま
たはタリオンクレーが、その平均粒径が0.5〜20.
0μmである前記請求項1に記載のコンクリート用型
枠、(14)前記板状無機フィラーが、その比重が2〜6で
ある前記請求項1に記載のコンクリート用型枠、(15)前
記板状無機フィラーが、その比重が2.5〜2.9であ
る前記請求項1に記載のコンクリート用型枠、(16)前記
板状無機フィラーが、その平均粒径が0.1〜1,00
0μmである前記請求項1に記載のコンクリート用型
枠、(17)前記板状無機フィラーが、その平均粒径が0.
1〜50μmである前記請求項1に記載のコンクリート
用型枠、(18)前記ガラス長繊維フィラーが、その平均繊
維径が6〜30μmである前記請求項1に記載のコンク
リート用型枠、(19)前記ガラス長繊維フィラーが、その
平均繊維径が9〜15μmである前記請求項1に記載の
コンクリート用型枠、(20)前記ガラス長繊維フィラー
が、その平均繊維長が3〜15mmである前記請求項1
に記載のコンクリート用型枠、(21)前記ガラス長繊維フ
ィラーが、その平均繊維長が5〜12mmである前記請
求項1に記載のコンクリート用型枠、(22)ポリオレフィ
ン樹脂55〜70重量%と、板状無機フィラーおよびガ
ラス長繊維フィラーを有し、ガラス長繊維フィラーの混
入比率が5〜95重量%である混合フィラー45〜30
重量%とを含有する樹脂組成物の発泡成形体であること
を特徴とするコンクリート用型枠、ポリオレフィン樹脂
60〜68重量%と、板状無機フィラーおよびガラス長
繊維フィラーを有し、ガラス長繊維フィラーの混入比率
が5〜95重量%である混合フィラー32〜40重量%
とを含有する樹脂組成物の発泡成形体であることを特徴
とするコンクリート用型枠、(23)前記ガラス長繊維フィ
ラーの前記樹脂組成物における含有量が4〜20重量%
である上記コンクリート用型枠、などが挙げられる。
【0045】また、前記発泡成形が、(a) 1.5〜2.
2倍の発泡倍率にて行われる前記請求項3に記載のコン
クリート用型枠の製造方法、(b) 前記発泡成形が、1.
8〜2.0倍の発泡倍率にて行われる前記請求項3に記
載のコンクリート用型枠の製造方法、(c) 前記板状無機
フィラー含有マスターバッチが、前記無機板状フィラー
を65〜80重量%含有する前記請求項3に記載のコン
クリート用型枠の製造方法、(d) 前記ガラス長繊維フィ
ラー含有マスターバッチが、前記ガラス長繊維フィラー
を40〜80重量%含有する前記請求項3に記載のコン
クリート用型枠の製造方法、(e) 前記混合が、ドライブ
レンド法にて行われる前記請求項3に記載のコンクリー
ト用型枠の製造方法、などが挙げられる。
【0046】
【実施例】以下に、この発明の実施例および比較例につ
き説明する。なお、この発明は、これらの実施例および
比較例に何等限定されるものではない。
【0047】(実施例1〜3)表1に示す板状無機フィ
ラー含有マスターバッチ(HMB−78F、浅田製粉
(株)製)およびガラス長繊維フィラー含有マスターバ
ッチ(モストロンL6010、出光石油化学(株)製)
と、ポリプロピレン(J785H;MI=10g/10
分、出光石油化学(株)製)とを表1に示す重量割合に
て配合し、混練した後、押出機により成形用ペレットを
製造した。
【0048】一方、発泡剤であるEE206(永和化成
工業(株)製)を樹脂に高濃度に練り込んでペレットを
製造し、これを発泡剤のマスタ−バッチとした。得られ
た成形用ペレットにこの発泡剤のマスターバッチを3重
量%添加混合し、表1に示す発泡倍率で、600x1,
800x12mmのコンクリート用型枠試験片を発泡成
形した。得られた試験片を以下の項目で評価し、その結
果を表1に示した。
【0049】<型枠曲げ弾性率>JIS K−7203
に準拠して評価した。
【0050】<型枠としての剛性>曲げ弾性率24,0
00kg/cm2 以上を合格として、次の2段階で評価
した。○・・・合格、×・・・不合格、 <型枠作業性>9kg以下を合格として、次の2段階で
評価した。○・・・合格、×・・・不合格、 (比較例1〜2)実施例1において、ガラス長繊維フィ
ラー含有マスターバッチ(モストロンL6010、出光
石油化学(株)製)に代えて、表1に示す量の塩基性マ
グネシウムオキシサルフェートウイスカー含有樹脂組成
物(MF−IBM、出光石油化学(株)製)を用い、表
1に示す発泡倍率にした外は、実施例1と同様にコンク
リート用型枠試験片の製造を行ない、実施例1と同様の
評価を行った。結果を表1に示す。
【0051】(比較例3)実施例1において、ガラス長
繊維フィラー含有マスターバッチ(モストロンL601
0、出光石油化学(株)製)に代えて、表1に示す量の
ガラス短繊維フィラー含有樹脂組成物(R350G、出
光石油化学(株)製)を用いた外は、実施例1と同様に
コンクリート用型枠試験片の製造を行ない、実施例1と
同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】この発明によると、ベニヤ合板に近い比
重を有し、軽量で高剛性であり、釘打ちや鋸切断性等の
作業性に優れ、ベニヤ合板の代替品として建設分野をは
じめとする各種分野において好適に使用することのでき
る安価なコンクリート用型枠を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂50〜90重量%
    と、板状無機フィラーおよびガラス長繊維フィラーを有
    し、ガラス長繊維フィラーの混入比率が5〜95重量%
    である混合フィラー50〜10重量%とを含有する樹脂
    組成物の発泡成形体であることを特徴とするコンクリー
    ト用型枠。
  2. 【請求項2】 前記板状無機フィラーが、タルクまたは
    マイカである前記請求項1に記載のコンクリート用型
    枠。
  3. 【請求項3】 板状無機フィラーとポリオレフィン樹脂
    とを含有する板状無機フィラー含有マスターバッチ、お
    よびガラス長繊維フィラーとポリオレフィン樹脂とを含
    有するガラス長繊維フィラー含有マスターバッチを調製
    し、これらをポリオレフィン樹脂と混合した後、発泡成
    形することを特徴とするコンクリート用型枠の製造方
    法。
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