JP2006016418A - ポリオレフィン組成物及びその成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で、サーマルリサイクル性に適し、機械的物性に優れ、特に平板状の成形品の面衝撃強度が高く、かつ曲げ強度等の様々なモードでの耐衝撃性に優れたポリオレフィン組成物及びその成形品を提供すること。
【解決手段】特定の有機フィラーと無水マレイン酸変性ポリプロピレンをポリオレフィン樹脂と複合化することにより、優れた特性のポリオレフィン組成物を作成し、該組成物を用いて成形品とする。
【選択図】なし。
【解決手段】特定の有機フィラーと無水マレイン酸変性ポリプロピレンをポリオレフィン樹脂と複合化することにより、優れた特性のポリオレフィン組成物を作成し、該組成物を用いて成形品とする。
【選択図】なし。
Description
本発明は、合成樹脂フィラー及び再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の有機フィラーで強化されたポリオレフィン組成物及びその成形品に関する。
繊維強化熱可塑性樹脂は、各種の繊維状補強材を配合することにより、強度、剛性を大幅に向上させて、電気・電子部品、機械部品、自動車部品や建材等の分野に広く用いられている。しかしながら、繊維状補強材としてガラス繊維を配合したガラス繊維強化樹脂組成物は、成形品としたときの該成形品の高剛性化は達成されるものの比重が大きくなり、軽量化に限界がある。また、ガラス繊維は無機物であるため、焼却した際に、産業廃棄物としてガラス繊維の灰分が残り、サーマルリサイクル性に適さないという欠点もあった。さらに、成形品内部で繊維が樹脂の流れ方向に配向するため、シャルピー衝撃強度、アイゾット衝撃強度は高くなり、構造材に用いられる成形品には適するが、その反面、樹脂の流れ方向での繊維配向のために面衝撃強度が著しく低下し、板状の成形品(例えば、自動車用外板)では容易に破壊し、繊維強化樹脂組成物はかかる成形品の製造には適さないといった欠点がある。
このような問題を解決するために、ガラス繊維を他の強化材で代替しようとする試みがなされている。代替用強化材として、ポリエステル繊維やポリアミド繊維は軽量であり、しかもサーマルリサイクル性に優れている。例えば、ポリエステル繊維/ポリプロピレン樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、いずれも繊維を強化材として使用しているため、上記のように平板状の成形品では容易に破壊するといった欠点がある。
アラミド繊維強化材及び炭素繊維強化材は、成形品の軽量化、高剛性化が可能であり、サーマルリサイクル性にも優れているが、成形加工時の溶融樹脂の流動性が低く、また、上記したように、得られた平板状の成形品は容易に破壊するといった欠点は解消されない。
更に、綿、麻、絹やセルロース繊維などの天然繊維強化材は、軽量化、サーマルリサイクル性があるが、補強効果が十分でないばかりでなく、成形時に臭気があり、また、成形機のスクリューを汚すため、長期に連続運転することができないといった問題があった。さらに、かかる天然繊維は品質が安定していないため、品質の安定性した天然繊維強化材を製造することが困難である。
再生セルロース繊維強化材料も補強効果が十分でないといった問題がある。例えば、セルロース繊維強化PP複合材料が提案されている(例えば、特許文献4参照)が、成形品の剛性が改良されるのみで、強度に対する改良効果は見られない。また、セルロース繊維強化PP複合材料も提案されている(例えば、特許文献5,6)が、弾性率、引張り強度が小さいといった欠点がある。
繊維以外の強化材として、従来からタルク、マイカ等の無機充填剤を用いることが知られている。かかる無機充填剤は補強効果はあるが、軽量化に限界があり、添加剤が無機物であるためサーマルリサイクル性を付与できないといった欠点がある。
最近、少量のナノクレイを用いたポリオレフィン系強化材が提案されている。例えば、比重増加を抑え、機械的特性、荷重たわみ温度に優れるポリオレフィン樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、無機物であるクレイを添加しているため、サーマルリサイクル性に適さないという欠点がある。また、耐衝撃性が低いという欠点もある。
このような問題を解決するために、ガラス繊維を他の強化材で代替しようとする試みがなされている。代替用強化材として、ポリエステル繊維やポリアミド繊維は軽量であり、しかもサーマルリサイクル性に優れている。例えば、ポリエステル繊維/ポリプロピレン樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、いずれも繊維を強化材として使用しているため、上記のように平板状の成形品では容易に破壊するといった欠点がある。
アラミド繊維強化材及び炭素繊維強化材は、成形品の軽量化、高剛性化が可能であり、サーマルリサイクル性にも優れているが、成形加工時の溶融樹脂の流動性が低く、また、上記したように、得られた平板状の成形品は容易に破壊するといった欠点は解消されない。
更に、綿、麻、絹やセルロース繊維などの天然繊維強化材は、軽量化、サーマルリサイクル性があるが、補強効果が十分でないばかりでなく、成形時に臭気があり、また、成形機のスクリューを汚すため、長期に連続運転することができないといった問題があった。さらに、かかる天然繊維は品質が安定していないため、品質の安定性した天然繊維強化材を製造することが困難である。
再生セルロース繊維強化材料も補強効果が十分でないといった問題がある。例えば、セルロース繊維強化PP複合材料が提案されている(例えば、特許文献4参照)が、成形品の剛性が改良されるのみで、強度に対する改良効果は見られない。また、セルロース繊維強化PP複合材料も提案されている(例えば、特許文献5,6)が、弾性率、引張り強度が小さいといった欠点がある。
繊維以外の強化材として、従来からタルク、マイカ等の無機充填剤を用いることが知られている。かかる無機充填剤は補強効果はあるが、軽量化に限界があり、添加剤が無機物であるためサーマルリサイクル性を付与できないといった欠点がある。
最近、少量のナノクレイを用いたポリオレフィン系強化材が提案されている。例えば、比重増加を抑え、機械的特性、荷重たわみ温度に優れるポリオレフィン樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、無機物であるクレイを添加しているため、サーマルリサイクル性に適さないという欠点がある。また、耐衝撃性が低いという欠点もある。
本発明は、上記の課題を鑑み、軽量で、サーマルリサイクル性に適し、機械的物性に優れ、特に平板状の成形品の面衝撃強度が高く、かつ曲げ強度等の様々なモードでの耐衝撃性に優れたポリオレフィン組成物及びその成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、ある特定の有機フィラーと無水マレイン酸変性ポリプロピレンをポリオレフィン樹脂、特にポリプロピレン樹脂と複合化することにより、優れた特性のポリオレフィン組成物が容易に得られることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記から構成される。
(1)(A)ポリオレフィン樹脂を98.9〜45質量%、(B)合成樹脂フィラー及び再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の有機フィラーを20〜1質量%、(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を0.1〜35質量%の割合で含有するポリオレフィン組成物であって、該有機フィラーの平均粒径が18μm以下であることを特徴とするポリオレフィン組成物。
(2)(A−1)ポリプロピレン樹脂を90〜20質量%、(A−2)エチレン・α−オレフィン共重合体を5〜35質量%、(B)合成樹脂フィラー及び再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の有機フィラーを20〜1質量%、(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を0.1〜35質量%の割合で含有するポリオレフィン組成物であって、該有機フィラーの平均粒径が18μm以下であり、かつ、(A−1)成分と(A−2)成分の合計含有量が98.9〜45質量%、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が900kg/m3以下であり、有機フィラー含有量/エチレン・α−オレフィン共重合体含有量の質量比が0.05〜1であることを特徴とするポリオレフィン組成物。
(3)上記(1)又は(2)に記載のポリオレフィン組成物を成形して得られる成形品。
(4)上記(1)又は(2)に記載のポリオレフィン組成物を成形して得られる自動車用部材。
(1)(A)ポリオレフィン樹脂を98.9〜45質量%、(B)合成樹脂フィラー及び再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の有機フィラーを20〜1質量%、(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を0.1〜35質量%の割合で含有するポリオレフィン組成物であって、該有機フィラーの平均粒径が18μm以下であることを特徴とするポリオレフィン組成物。
(2)(A−1)ポリプロピレン樹脂を90〜20質量%、(A−2)エチレン・α−オレフィン共重合体を5〜35質量%、(B)合成樹脂フィラー及び再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の有機フィラーを20〜1質量%、(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を0.1〜35質量%の割合で含有するポリオレフィン組成物であって、該有機フィラーの平均粒径が18μm以下であり、かつ、(A−1)成分と(A−2)成分の合計含有量が98.9〜45質量%、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が900kg/m3以下であり、有機フィラー含有量/エチレン・α−オレフィン共重合体含有量の質量比が0.05〜1であることを特徴とするポリオレフィン組成物。
(3)上記(1)又は(2)に記載のポリオレフィン組成物を成形して得られる成形品。
(4)上記(1)又は(2)に記載のポリオレフィン組成物を成形して得られる自動車用部材。
本発明によれば、軽量で、サーマルリサイクル性に適し、機械的物性に優れ、特に平板状の成形品の面衝撃強度が高く、かつ曲げ強度等の様々なモードでの耐衝撃性に優れた成形品が得られるポリオレフィン組成物及びその成形品を提供できる。
以下、本発明のポリオレフィン組成物等を詳細に説明する。
本発明のポリオレフィン組成物は、(A)ポリオレフィン樹脂、(B)有機フィラー、(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の特定割合からなる。以下、本発明の構成成分を説明する。
本発明のポリオレフィン組成物は、(A)ポリオレフィン樹脂、(B)有機フィラー、(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の特定割合からなる。以下、本発明の構成成分を説明する。
(I)ポリオレフィン樹脂
ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンブロック共重合体、エチレン・αーオレフィン共重合体が挙げられる。該ポリオレフィン樹脂の含有割合は、組成物全量に基づいて、45〜98.9質量%であり、好ましくは50〜95質量%、更に好ましくは55〜90質量%である。45質量%未満では、溶融流動性が劣り、98.9質量%を超えると得られる成形品の曲げ強度が劣る。
ポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体及びプロピレン・αーオレフィン共重合体が挙げられるが、プロピレン単独重合体が好ましい。プロピレン・αーオレフィン共重合体の場合、αーオレフィンとして、エチレン、1−ブテン、1−ペンテンなどが挙げられ、これらαーオレフィンの共重合体中の含有割合は0.1〜20モル%である。かかる共重合体の製造方法は特に限定されず、プロピレンとα―オレフィンとの通常の共重合方法で製造することができる。これらポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(MFR、230℃、荷重21.18N)は、1〜200g/10分が好ましく、より好ましくは5〜100g/10分、更に好ましくは10〜60g/10分である。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンブロック共重合体、エチレン・αーオレフィン共重合体が挙げられる。該ポリオレフィン樹脂の含有割合は、組成物全量に基づいて、45〜98.9質量%であり、好ましくは50〜95質量%、更に好ましくは55〜90質量%である。45質量%未満では、溶融流動性が劣り、98.9質量%を超えると得られる成形品の曲げ強度が劣る。
ポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体及びプロピレン・αーオレフィン共重合体が挙げられるが、プロピレン単独重合体が好ましい。プロピレン・αーオレフィン共重合体の場合、αーオレフィンとして、エチレン、1−ブテン、1−ペンテンなどが挙げられ、これらαーオレフィンの共重合体中の含有割合は0.1〜20モル%である。かかる共重合体の製造方法は特に限定されず、プロピレンとα―オレフィンとの通常の共重合方法で製造することができる。これらポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(MFR、230℃、荷重21.18N)は、1〜200g/10分が好ましく、より好ましくは5〜100g/10分、更に好ましくは10〜60g/10分である。
プロピレンーエチレンブロック共重合体は、その製造方法は限定されない。例えば、1段目で分子量の異なる2種類以上のホモポリプロピレンを製造し、次いで、2段目以降で1段目で得られた分子量の異なる2種類以上のホモポリプロピレンの存在下に、エチレン及びプロピレンを共重合させる多段重合プロセスで製造する方法を挙げることができる。また、別々に製造したホモポリプロピレンとエチレン−プロピレン共重合体を通常の溶融混練又は溶液混合などの方法で混合することによって製造しても良い。プロピレンーエチレンブロック共重合体のMFR(230℃、荷重21.18N)は1〜200g/10分が好ましく、より好ましくは5〜100g/10分、更に好ましくは10〜60g/10分である。プロピレンーエチレンブロック共重合体は、通常、ポリプロピレン樹脂とエチレン・プロピレン共重合体とに分けられる。従って、このブロック共重合体を用いる場合は、エチレン・プロピレン共重合体をエチレン・αーオレフィン共重合体とみなしてその含有割合を見積もり、下記する所定の組成割合の範囲内にすることが好ましい。
エチレン・αーオレフィン共重合体はその製造方法は特に限定されない。該共重合体の製造に用いるαーオレフィンの炭素数は3〜20個のものであるが、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが特に好ましい。該α−オレフィンの共重合体中の含有割合は、通常、0〜20モル%であり、好ましくは4〜20モル%である。密度は860〜900kg/m3(ASTM D1505に準拠して測定)であり、更に好ましくは、860〜880kg/m3である。密度が900kg/m3を超えると、耐衝撃性が低下する。
ポリオレフィン樹脂の構成として、ポリプロピレン樹脂とエチレン・α―オレフィン共重合体を用いる場合は、ポリプロピレン樹脂90〜20質量%、エチレン・α−オレフィン共重合体5〜35質量%の含有割合で用いられ、好ましくは、ポリプロピレン樹脂85〜25質量%、エチレン・αーオレフィン共重合体10〜30質量%である。ポリプロピレン樹脂の割合が90質量%を超えたり、エチレン・α−オレフィン共重合体の割合が5質量%未満になると得られた組成物を成形したときの該成形品の耐衝撃性が低下し、エチレン・α−オレフィン共重合体が35質量%を超えると剛性が低下する。
(II)有機フィラー
有機フィラーとしては、粒状合成樹脂フィラー及び粒状再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の粒状有機フィラーが用いられ、かかる粒状有機フィラーとしては、例えば、粒状再生セルロースフィラー、粒状熱硬化性樹脂フィラー、粒状熱可塑性樹脂フィラー等を挙げることができ、好ましくは、粒状再生セルロースフィラー、粒状熱硬化性樹脂フィラーである。一般に粒状熱可塑性樹脂フィラーよりも粒状再生セルロースフィラーや粒状熱硬化性樹脂フィラーが硬いためである。粒状熱硬化性樹脂フィラーとして、粒状フェノール樹脂フィラーなどの剛性の高い樹脂が挙げられる。粒状熱可塑性樹脂フィラーとして、粒状ポリフェニレンサルファイド樹脂フィラー、粒状アラミド樹脂フィラーなどが挙げられる。
本発明に係る有機フィラーには、天然セルロースフィラー(例えば、綿、亜麻、黄麻、羊毛、絹など)は含まれない。天然セルロースフィラーを用いると、ポリオレフィン組成物を溶融混練する際に、着色し、また、異臭、発煙等が起きる恐れがあるからである。また、有機質繊維(例えば、セルロール繊維、アラミド繊維など)は含まれない。特に、100μm以上の長さの繊維状のフィラーを用いると低温面衝撃強度が著しく低下する。
かかる有機フィラーの平均粒径は18μm以下であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは6μm以下、特に好ましくは4μm以下である。平均粒径の下限については特に制限はないが、通常0.5μm程度である。かかる粒状有機フィラーは、再生セルロース、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂等を粉砕するなどの方法によって得ることができる。平均粒径が18μmを超える粒状フィラ−を用いると、得られるポリオレフィン組成物を成形したときの該成形品の面衝撃強度が低下する。
有機フィラーとしては、粒状合成樹脂フィラー及び粒状再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の粒状有機フィラーが用いられ、かかる粒状有機フィラーとしては、例えば、粒状再生セルロースフィラー、粒状熱硬化性樹脂フィラー、粒状熱可塑性樹脂フィラー等を挙げることができ、好ましくは、粒状再生セルロースフィラー、粒状熱硬化性樹脂フィラーである。一般に粒状熱可塑性樹脂フィラーよりも粒状再生セルロースフィラーや粒状熱硬化性樹脂フィラーが硬いためである。粒状熱硬化性樹脂フィラーとして、粒状フェノール樹脂フィラーなどの剛性の高い樹脂が挙げられる。粒状熱可塑性樹脂フィラーとして、粒状ポリフェニレンサルファイド樹脂フィラー、粒状アラミド樹脂フィラーなどが挙げられる。
本発明に係る有機フィラーには、天然セルロースフィラー(例えば、綿、亜麻、黄麻、羊毛、絹など)は含まれない。天然セルロースフィラーを用いると、ポリオレフィン組成物を溶融混練する際に、着色し、また、異臭、発煙等が起きる恐れがあるからである。また、有機質繊維(例えば、セルロール繊維、アラミド繊維など)は含まれない。特に、100μm以上の長さの繊維状のフィラーを用いると低温面衝撃強度が著しく低下する。
かかる有機フィラーの平均粒径は18μm以下であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは6μm以下、特に好ましくは4μm以下である。平均粒径の下限については特に制限はないが、通常0.5μm程度である。かかる粒状有機フィラーは、再生セルロース、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂等を粉砕するなどの方法によって得ることができる。平均粒径が18μmを超える粒状フィラ−を用いると、得られるポリオレフィン組成物を成形したときの該成形品の面衝撃強度が低下する。
本発明のポリオレフィン組成物は、該有機フィラーを1〜20質量%の割合で含有するものであり、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%の割合で含有するものである。該有機フィラーが1質量%未満であると、物性改良効果が小さくなり、20質量%を超えると、樹脂組成物の溶融流動性が低下し、得られる成形品の面衝撃強度も低下するからである。
また、該有機フィラー含有量とエチレン・α−オレフィン共重合体含有量の比は質量比で0.05〜1であり、0.1〜0.8が好ましい。0.05未満では剛性が低下するし、1を超えると面衝撃強度が低下するからである。
また、該有機フィラー含有量とエチレン・α−オレフィン共重合体含有量の比は質量比で0.05〜1であり、0.1〜0.8が好ましい。0.05未満では剛性が低下するし、1を超えると面衝撃強度が低下するからである。
(III)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂
無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂は、無水マレイン酸をポリプロピレンにグラフト共重合して変性したポリプロピレンである。該無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の製造方法は特に制限はなく、公知の溶融法や溶液法などの製造方法を挙げることができる。該変性ポリプロピレン樹脂における無水マレイン酸のグラフト量は、ポリプロピレンに対して0.2〜20質量%程度であり、より好ましくは、1〜15質量%程度、更に好ましくは3〜12質量%程度である。グラフト量が0.2質量%未満では得られたポリオレフィン組成物を用いて成形したときの該成形品の強度が低下し、20質量%を超えるとポリプロピレン樹脂との相溶性が低下し、物性が低下する恐れがある。
該無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂のMFRは、1〜1000g/10分(温度190℃、荷重21.18Nの測定条件下)が好ましく、1〜500g/10分がより好ましい。
無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の含有割合は、組成物全量に基づいて、0.1〜35質量%であり、好ましくは、0.1〜10質量%、より好ましくは、0.5〜5質量%である。0.1質量%未満では物性改良効果が発現しないし、35質量%を超えると強度が低下する。
無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂は、無水マレイン酸をポリプロピレンにグラフト共重合して変性したポリプロピレンである。該無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の製造方法は特に制限はなく、公知の溶融法や溶液法などの製造方法を挙げることができる。該変性ポリプロピレン樹脂における無水マレイン酸のグラフト量は、ポリプロピレンに対して0.2〜20質量%程度であり、より好ましくは、1〜15質量%程度、更に好ましくは3〜12質量%程度である。グラフト量が0.2質量%未満では得られたポリオレフィン組成物を用いて成形したときの該成形品の強度が低下し、20質量%を超えるとポリプロピレン樹脂との相溶性が低下し、物性が低下する恐れがある。
該無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂のMFRは、1〜1000g/10分(温度190℃、荷重21.18Nの測定条件下)が好ましく、1〜500g/10分がより好ましい。
無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の含有割合は、組成物全量に基づいて、0.1〜35質量%であり、好ましくは、0.1〜10質量%、より好ましくは、0.5〜5質量%である。0.1質量%未満では物性改良効果が発現しないし、35質量%を超えると強度が低下する。
(IV)ポリオレフィン組成物の製造方法
本発明のポリオレフィン組成物の製造方法は、特に限定されず、ポリオレフィン樹脂、合成樹脂フィラー及び再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の有機フィラー及び無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の各所定量を、ヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、タンブラーミキサー、リボンブレンダー等の通常、ポリオレフィンの混合に用いる撹拌混合器を用いて混合したのち、得られた混合物を、例えば、押出機、バンバリーミキサー、ロールなどにより溶融混練する方法を挙げることができる。
生産性の観点から押出機を用いる方法が好ましい。溶融混練時の樹脂温度としては、180〜280℃程度であり、好ましくは、190〜270℃程度、より好ましくは200〜240℃程度である。樹脂温度が180℃未満では、樹脂組成物の溶融流動性が低下し、生産性が低下するし、280℃を超えると樹脂組成物が変色するからである。
押出機としては、単軸押出機でもよいが、同方向回転二軸押出機,異方向回転二軸混練機など、二軸スクリューを持つものが好ましい。同方向回転二軸押出機の例としては、日本製鋼所製TEX,CMP−X,CMP−XII、東芝機械製TEM、
神戸製鋼所製KTX,KRUPP WERNER&PFLEIDERER製ZSKなどがその代表例である。異方向回転二軸混練機の例としては、日本製鋼所CIM,CIM−P,CIM−PII、神戸製鋼所FCM,LCM−G,LCM−Hなどを
例示することができる。また、これら押出機の複数の組み合せ(二段目が単軸押出機も含む)であるタンデム型押出機を用いることもできる。
本発明のポリオレフィン組成物の製造方法は、特に限定されず、ポリオレフィン樹脂、合成樹脂フィラー及び再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の有機フィラー及び無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の各所定量を、ヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、タンブラーミキサー、リボンブレンダー等の通常、ポリオレフィンの混合に用いる撹拌混合器を用いて混合したのち、得られた混合物を、例えば、押出機、バンバリーミキサー、ロールなどにより溶融混練する方法を挙げることができる。
生産性の観点から押出機を用いる方法が好ましい。溶融混練時の樹脂温度としては、180〜280℃程度であり、好ましくは、190〜270℃程度、より好ましくは200〜240℃程度である。樹脂温度が180℃未満では、樹脂組成物の溶融流動性が低下し、生産性が低下するし、280℃を超えると樹脂組成物が変色するからである。
押出機としては、単軸押出機でもよいが、同方向回転二軸押出機,異方向回転二軸混練機など、二軸スクリューを持つものが好ましい。同方向回転二軸押出機の例としては、日本製鋼所製TEX,CMP−X,CMP−XII、東芝機械製TEM、
神戸製鋼所製KTX,KRUPP WERNER&PFLEIDERER製ZSKなどがその代表例である。異方向回転二軸混練機の例としては、日本製鋼所CIM,CIM−P,CIM−PII、神戸製鋼所FCM,LCM−G,LCM−Hなどを
例示することができる。また、これら押出機の複数の組み合せ(二段目が単軸押出機も含む)であるタンデム型押出機を用いることもできる。
(V)添加剤
本発明のポリオレフィン組成物にはその特徴を損なわない範囲で、無機充填剤、酸化防止剤、顔料、核剤、可塑剤、難燃剤、中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤などを公知の方法に従い適宜添加することができる。用途によってサーマルリサイクル性の要求度が異なることから、要求される灰分量に応じて上記成分の添加量を調整する必要がある。例えば、灰分量の要求値が1質量%未満であれば、無機充填剤の添加量は、少なくとも1質量%未満となる。
無機充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、マイカ、カオリン、アパタルジャイト、ワラストナイト、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系安定剤,有機ホスファイト系安定剤,チオエーテル系安定剤,ヒンダードアミン系安定剤などが挙げられる。
本発明のポリオレフィン組成物にはその特徴を損なわない範囲で、無機充填剤、酸化防止剤、顔料、核剤、可塑剤、難燃剤、中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤などを公知の方法に従い適宜添加することができる。用途によってサーマルリサイクル性の要求度が異なることから、要求される灰分量に応じて上記成分の添加量を調整する必要がある。例えば、灰分量の要求値が1質量%未満であれば、無機充填剤の添加量は、少なくとも1質量%未満となる。
無機充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、マイカ、カオリン、アパタルジャイト、ワラストナイト、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系安定剤,有機ホスファイト系安定剤,チオエーテル系安定剤,ヒンダードアミン系安定剤などが挙げられる。
(VI)成形方法
本発明のポリオレフィン組成物は、射出成形法、押出成形法(フィルム、シート、繊維などに成形する方法)、中空成形法、真空成形法、圧空成形法、発泡成形法などの各種成形法により目的とする各種用途の成形品の製造に供することができる。
本発明のポリオレフィン組成物は、射出成形法、押出成形法(フィルム、シート、繊維などに成形する方法)、中空成形法、真空成形法、圧空成形法、発泡成形法などの各種成形法により目的とする各種用途の成形品の製造に供することができる。
(VII)用途
本発明に係るポリオレフィン組成物は、面衝撃性強度、曲げ強度等に優れているので、各種の分野の成形品の製造に好適に用いることができる。特に自動車の外装材、内装材等の自動車用部材に好適に用いることができ、特に、フェンダー、バンパーなどの平板状の成形品に好適である。
本発明に係るポリオレフィン組成物は、面衝撃性強度、曲げ強度等に優れているので、各種の分野の成形品の製造に好適に用いることができる。特に自動車の外装材、内装材等の自動車用部材に好適に用いることができ、特に、フェンダー、バンパーなどの平板状の成形品に好適である。
以下に実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、組成物の物性は、下記の方法に従って測定した。
(I)MFR(g/10分)
ISO 1133(JIS K7210−1999)に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(II)密度
ISO 1183(JIS K7112−1999)に準拠して、射出成形品を用いて水中置換法により密度を測定した。
(III)曲げ試験
幅10mm、厚さ4mmの試験片を作成し、ISO 178(JIS K7171−1994)に準拠して測定した。試験速度は2.0mm/分に設定した。
(IV)引張試験
ISO527−2(JIS K7162−1994)に準拠して測定した。試験形状はJIS A形で、引張試験速度は5mm/分である。
なお、組成物の物性は、下記の方法に従って測定した。
(I)MFR(g/10分)
ISO 1133(JIS K7210−1999)に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(II)密度
ISO 1183(JIS K7112−1999)に準拠して、射出成形品を用いて水中置換法により密度を測定した。
(III)曲げ試験
幅10mm、厚さ4mmの試験片を作成し、ISO 178(JIS K7171−1994)に準拠して測定した。試験速度は2.0mm/分に設定した。
(IV)引張試験
ISO527−2(JIS K7162−1994)に準拠して測定した。試験形状はJIS A形で、引張試験速度は5mm/分である。
(V)耐衝撃性
(a)シャルピー衝撃試験:幅8mm、厚み4mmの射出成形品を作成し、ノッチを入れた後、ISO179(JIS K7111−1996)に準拠して衝撃強さを測定した。測定温度は、23℃、−30℃に設定した。
デュポン衝撃強度;冷凍機で冷却した、−30℃の99%イソプロピルアルコール変性アルコール(今津薬品工業(株)製)に70×70×3mmの平板状の試験片を
予め冷却しておき、そこから試験片を取り出し、デュポン衝撃試験機に設置した受け台(内径44mm)の上に置き、直ちに重り(撃芯先端R 1.27cm)を高さ10cmの場所から落とした。同じ条件を5回繰り返して実験した。このとき平板状の試験片に一度もヒビが観測されない場合、落下場所を10cm高くして、同様に5回繰り返して実験した。試験片に試験回数5回のうち少なくとも1回ヒビが入るまで、高さを高くして試験した。(b)デュポン衝撃強度は、平板状の試験片にヒビが一度も入らないときの高さと重りの荷重を掛けた値(kg・cm)と定義した。
(a)シャルピー衝撃試験:幅8mm、厚み4mmの射出成形品を作成し、ノッチを入れた後、ISO179(JIS K7111−1996)に準拠して衝撃強さを測定した。測定温度は、23℃、−30℃に設定した。
デュポン衝撃強度;冷凍機で冷却した、−30℃の99%イソプロピルアルコール変性アルコール(今津薬品工業(株)製)に70×70×3mmの平板状の試験片を
予め冷却しておき、そこから試験片を取り出し、デュポン衝撃試験機に設置した受け台(内径44mm)の上に置き、直ちに重り(撃芯先端R 1.27cm)を高さ10cmの場所から落とした。同じ条件を5回繰り返して実験した。このとき平板状の試験片に一度もヒビが観測されない場合、落下場所を10cm高くして、同様に5回繰り返して実験した。試験片に試験回数5回のうち少なくとも1回ヒビが入るまで、高さを高くして試験した。(b)デュポン衝撃強度は、平板状の試験片にヒビが一度も入らないときの高さと重りの荷重を掛けた値(kg・cm)と定義した。
(VI)荷重たわみ温度(HDT)
ISO 75−2(JIS K7191−1996)に準拠して曲げ応力0.45MPaで測定した。
ISO 75−2(JIS K7191−1996)に準拠して曲げ応力0.45MPaで測定した。
(VII)原料
(A)ポリプロピレン樹脂PP;J−3000GV(出光石油化学株式会社製)、MFR=31g/10分(230℃、21.18N)
(B)無水マレイン酸変性ポリプロピレン:MAH−PP;H−1000P(東洋化成工業株式会社製)、マレイン酸付加量6質量%、MFR=102g/10分(190℃、21.18Nの測定条件下)
(C)エチレン・1−ブテン共重合体;タフマー A−1050S(三井化学株式会社製)MFR=1.2g/10分(190℃、21.18Nの測定条件下)
(D)有機フィラー
(ア)フェノール樹脂の微粒子(カネボウ株式会社製ベルパール)、(I)R800(二次凝集平均粒径18μm、一次平均粒径3μm)、(II)R600(二次凝集平均粒径10μm、一次平均粒径3μm)
(イ)粒状セルロースフィラー(旭化成ケミカルズ株式会社製アビセル)、(I)TG101(平均粒径40μm)、(II)F05(平均粒径5μm)、(III)F20(平均粒径20μm)
(ウ)粒状セルロースフィラー((株)トスコ中央研究所製) 粉状天然ラミー繊維
平均粒径18μm
(E)無機フィラー
(ア)ガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製) GLASRON 商品記号 CS
03 JA FT17
繊維長さ13mm、繊維径10μm,ウレタン収束剤使用
(A)ポリプロピレン樹脂PP;J−3000GV(出光石油化学株式会社製)、MFR=31g/10分(230℃、21.18N)
(B)無水マレイン酸変性ポリプロピレン:MAH−PP;H−1000P(東洋化成工業株式会社製)、マレイン酸付加量6質量%、MFR=102g/10分(190℃、21.18Nの測定条件下)
(C)エチレン・1−ブテン共重合体;タフマー A−1050S(三井化学株式会社製)MFR=1.2g/10分(190℃、21.18Nの測定条件下)
(D)有機フィラー
(ア)フェノール樹脂の微粒子(カネボウ株式会社製ベルパール)、(I)R800(二次凝集平均粒径18μm、一次平均粒径3μm)、(II)R600(二次凝集平均粒径10μm、一次平均粒径3μm)
(イ)粒状セルロースフィラー(旭化成ケミカルズ株式会社製アビセル)、(I)TG101(平均粒径40μm)、(II)F05(平均粒径5μm)、(III)F20(平均粒径20μm)
(ウ)粒状セルロースフィラー((株)トスコ中央研究所製) 粉状天然ラミー繊維
平均粒径18μm
(E)無機フィラー
(ア)ガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製) GLASRON 商品記号 CS
03 JA FT17
繊維長さ13mm、繊維径10μm,ウレタン収束剤使用
実施例1
80℃で、12時間乾燥したフェノール樹脂の微粒子R800、5質量%とポリプロピレン樹脂(出光石油化学株式会社製J−3000GV)60質量%、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(東洋化成株式会社製H−1000P、無水マレイン酸付加量:6質量%)5質量%及びエチレン・1−ブテン共重合体(三井化学株式会社製タフマーA−1050S)30質量%を混合し、二軸押出機(東芝機械株式会社製、TEM−35B、スクリュー径35mmφ)を用いて設定温度200℃で溶融混練し、ダイスから吐出したストランドを水冷固化し、ストランドカッターを用いてペレタイズした。このペレットを100℃、12時間乾燥し、射出成形機(ファナック株式会社製ロボショット α−100B)で、シリンダー設定温度約190℃、金型温度38℃の条件で試験片を射出成形法により調製し、その物性を評価した。その結果を表1に示した。また、透過型電子顕微鏡を用いて当該組成物のモルホロジーを観察した結果、フェノール樹脂微粒子が一次粒径まで分散していることを確認した。
80℃で、12時間乾燥したフェノール樹脂の微粒子R800、5質量%とポリプロピレン樹脂(出光石油化学株式会社製J−3000GV)60質量%、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(東洋化成株式会社製H−1000P、無水マレイン酸付加量:6質量%)5質量%及びエチレン・1−ブテン共重合体(三井化学株式会社製タフマーA−1050S)30質量%を混合し、二軸押出機(東芝機械株式会社製、TEM−35B、スクリュー径35mmφ)を用いて設定温度200℃で溶融混練し、ダイスから吐出したストランドを水冷固化し、ストランドカッターを用いてペレタイズした。このペレットを100℃、12時間乾燥し、射出成形機(ファナック株式会社製ロボショット α−100B)で、シリンダー設定温度約190℃、金型温度38℃の条件で試験片を射出成形法により調製し、その物性を評価した。その結果を表1に示した。また、透過型電子顕微鏡を用いて当該組成物のモルホロジーを観察した結果、フェノール樹脂微粒子が一次粒径まで分散していることを確認した。
実施例2〜4
各成分の配合比を表1に記載のように変えた以外は、実施例1に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を評価した。結果を表1に示した。
各成分の配合比を表1に記載のように変えた以外は、実施例1に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を評価した。結果を表1に示した。
実施例5〜7
フェノール樹脂の微粒子R800の代わりにフェノール樹脂微粒子R600(一次平均粒径3μm、二次凝集平均粒径10μm)を用いて、表1の配合比にしたがって、実施例1に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を評価した。その結果を表1に示した。
フェノール樹脂の微粒子R800の代わりにフェノール樹脂微粒子R600(一次平均粒径3μm、二次凝集平均粒径10μm)を用いて、表1の配合比にしたがって、実施例1に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を評価した。その結果を表1に示した。
比較例1〜4
配合比を表1に記載のように変えた以外は、実施例に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を評価した。結果を表2に示した。
有機フィラー/EBR質量比が1を超え、デュポン衝撃強度(−30℃)が低下した。
配合比を表1に記載のように変えた以外は、実施例に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を評価した。結果を表2に示した。
有機フィラー/EBR質量比が1を超え、デュポン衝撃強度(−30℃)が低下した。
実施例8
100℃、15時間にて乾燥した旭化成ケミカルズ株式会社製セルロース微粒子F05「商品名、アビセル」(平均粒径5μm)15質量%、ペレット状ポリプロピレン(出光石油化学株式会社製J−3000GV、MFR=31g/10分(230℃、21.18N))50質量%、マレイン酸変性ポリプロピレン(東洋化成株式会社製H−1000P、マレイン酸付加=5質量%)5質量%、エチレン・1−ブテン共重合体(三井化学株式会社製A−1050S)30質量%を混合し、二軸押出機(東芝機械株式会社製、TEM−35B、スクリュー径35mmφ)を用いて設定温度200℃で溶融混練し、ダイスから吐出したストランドを水冷固化し、ストランドカッターを用いてペレタイズした。このペレットを100℃、12時間の条件下で乾燥し、得られたペレットを用いて射出成形機(ファナック株式会社製ロボショット α−100B)で、シリンダー設定温度約190℃、金型温度38℃の条件で試験片を成形し、物性を評価した。その結果を表3に示した。
100℃、15時間にて乾燥した旭化成ケミカルズ株式会社製セルロース微粒子F05「商品名、アビセル」(平均粒径5μm)15質量%、ペレット状ポリプロピレン(出光石油化学株式会社製J−3000GV、MFR=31g/10分(230℃、21.18N))50質量%、マレイン酸変性ポリプロピレン(東洋化成株式会社製H−1000P、マレイン酸付加=5質量%)5質量%、エチレン・1−ブテン共重合体(三井化学株式会社製A−1050S)30質量%を混合し、二軸押出機(東芝機械株式会社製、TEM−35B、スクリュー径35mmφ)を用いて設定温度200℃で溶融混練し、ダイスから吐出したストランドを水冷固化し、ストランドカッターを用いてペレタイズした。このペレットを100℃、12時間の条件下で乾燥し、得られたペレットを用いて射出成形機(ファナック株式会社製ロボショット α−100B)で、シリンダー設定温度約190℃、金型温度38℃の条件で試験片を成形し、物性を評価した。その結果を表3に示した。
比較例5〜7
セルロース微粒子F05の代わりに旭化成ケミカルズ株式会社製セルロース微粒子TG101(平均粒径40μm)、F20(平均粒径20μm)を用いた以外は、実施例8に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を測定した。結果を表3に示した。
平均粒径18μmを超えた有機フィラーを用いると、デュポン衝撃強度(−30℃)が低下することが分かる。
セルロース微粒子F05の代わりに旭化成ケミカルズ株式会社製セルロース微粒子TG101(平均粒径40μm)、F20(平均粒径20μm)を用いた以外は、実施例8に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を測定した。結果を表3に示した。
平均粒径18μmを超えた有機フィラーを用いると、デュポン衝撃強度(−30℃)が低下することが分かる。
比較例9〜12
有機フィラーとしてラミー繊維(平均粒径18μm)を用いた以外は、実施例8に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を測定した。結果を表4に示した。デュポン衝撃強度(−30℃)が低いだけでなく、混練によって得られたペレットが著しく着色していた。
有機フィラーとしてラミー繊維(平均粒径18μm)を用いた以外は、実施例8に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を測定した。結果を表4に示した。デュポン衝撃強度(−30℃)が低いだけでなく、混練によって得られたペレットが著しく着色していた。
比較例13〜15
有機フィラーの代わりに、ガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会社製)を用い、乾燥しないで、実施例8に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を測定した。結果を表5に示した。ガラス繊維を用いると、デュポン衝撃強度が低くなった。
有機フィラーの代わりに、ガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会社製)を用い、乾燥しないで、実施例8に準拠してポリオレフィン組成物の調製、試験片の作成を行い、その物性を測定した。結果を表5に示した。ガラス繊維を用いると、デュポン衝撃強度が低くなった。
Claims (4)
- (A)ポリオレフィン樹脂を98.9〜45質量%、(B)合成樹脂フィラー及び再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の有機フィラーを20〜1質量%、(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を0.1〜35質量%の割合で含有するポリオレフィン組成物であって、該有機フィラーの平均粒径が18μm以下であることを特徴とするポリオレフィン組成物。
- (A−1)ポリプロピレン樹脂を90〜20質量%、(A−2)エチレン・α−オレフィン共重合体を5〜35質量%、(B)合成樹脂フィラー及び再生セルロースフィラーの中から選ばれる少なくとも一種の有機フィラーを20〜1質量%、(C)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を0.1〜35質量%の割合で含有するポリオレフィン組成物であって、該有機フィラーの平均粒径が18μm以下であり、かつ、(A−1)成分と(A−2)成分の合計含有量が98.9〜45質量%、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が900kg/m3以下、有機フィラーの含有量/エチレン・α−オレフィン共重合体の含有量の質量比が0.05〜1であることを特徴とするポリオレフィン組成物。
- 請求項1又は2に記載のポリオレフィン組成物を成形して得られる成形品。
- 請求項1又は2に記載のポリオレフィン組成物を成形して得られる自動車用部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004192695A JP2006016418A (ja) | 2004-06-30 | 2004-06-30 | ポリオレフィン組成物及びその成形品 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2004192695A Pending JP2006016418A (ja) | 2004-06-30 | 2004-06-30 | ポリオレフィン組成物及びその成形品 |
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---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009063972A1 (ja) * | 2007-11-14 | 2009-05-22 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 複合樹脂ペレット、成形品、および、複合樹脂ペレットの製造方法 |
WO2011049162A1 (ja) * | 2009-10-23 | 2011-04-28 | 国立大学法人京都大学 | ミクロフィブリル化植物繊維を含む組成物 |
JPWO2013151188A1 (ja) * | 2012-04-05 | 2015-12-17 | 協和化学工業株式会社 | 樹脂組成物 |
JP2018527447A (ja) * | 2015-09-17 | 2018-09-20 | エイピーアイ インテレクチュアル プロパティー ホールディングス,リミテッド ライアビリティー カンパニーAPI Intellectual Property Holdings,LLC | ポリマー−ナノセルロース複合材料用の相溶化剤 |
-
2004
- 2004-06-30 JP JP2004192695A patent/JP2006016418A/ja active Pending
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