JPH07247638A - 屋根材取付具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は施工性、取付強度、外観等を従来に
比して大きく向上する屋根を形成するための屋根材取付
具に係るものである。 【構成】 水平面状の固定片１と、固定片１の一端を略
９０度で外方に突出した立ち上がり片３と、立ち上がり
片３の先端を内方に立ち上がり片３と略平行に屈曲した
係合片４と、係合片４の先端を外方に傾斜して突出した
挿入片５と、挿入片５の根本部分を外方に傾斜して突出
した支持片６と、支持片６の先端を内方に突出した当接
片７とから形成した屋根材取付具Ａである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は施工性、取付強度、外観
等を従来に比して大きく向上する屋根を形成するための
屋根材取付具に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の屋根材取付具として使用する吊子
は、実開昭５９−１１７７２５号公報、実開昭６０
−１５５２２号公報、実開昭６１−１１８２１号公
報、等がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜は施工性が劣る、屋根材と吊子の一体化が確実で無
く取付強度、連結強度が弱い、屋根材本体が施工時に変
形し、働き幅が異なってしまう。等の欠点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するために、水平面状の固定片と、固定片の一端
を上方に突出した立ち上がり片と、立ち上がり片の先端
を内方に立ち上がり片と略平行に屈曲した係合片と、係
合片の先端を下方に傾斜して突出した挿入片と、挿入片
の根本部分を外方に傾斜して突出した支持片と、支持片
の先端を下方に突出した当接片とから形成した屋根材取
付具を提供するものである。

【０００５】

【実施例】以下に、図面を用いて本発明に係る屋根材取
付具について詳細に説明する。図１は本発明に係る屋根
材取付具の施工状態を説明する一部切り欠き断面図であ
り、屋根材取付具Ａ、屋根材Ｂ、屋根下地α、固定具β
よりなるものである。また、図２は本発明に係る屋根材
取付具Ａを示す斜視図で、図３（図２の正面図）、図４
（図２の平面図）、図５（図２の底面図）、図６（右側
面図）、図７（左側面図）、図８（図２の断面図）に示
すようなものである。

【０００６】さらに詳説すると、屋根材取付具Ａは水平
面状の固定片１と、固定片１の一端を上方に突出すると
共に角部を内方に面取り状に形成した凹部２と、凹部２
の先端を外方に突出した立ち上がり片３と、立ち上がり
片３の先端を内方に立ち上がり片３と略平行に屈曲した
係合片４と、係合片４の先端を下方に傾斜して突出した
挿入片５と、挿入片５の根本部分を外方に傾斜して突出
した支持片６と、支持片６の先端を下方に屈曲した当接
片７とからなるものであり、図９に示すような屋根材Ｂ
を図１に示すように屋根下地α上に固定具βを介して固
定するためのものである。

【０００７】固定片１は、固定具βにより屋根下地αに
固定されることにより、図９に示すような屋根材Ｂを屋
根下地α上に施工する部分である。また、係合片４は屋
根材Ｂの上部連結部９の突出部１４部分に係合され、屋
根材Ｂを屋根下地α上に固定する部分である。

【０００８】係合片４と挿入片５は、屋根材Ｂの上部連
結部９の突出部１４、係止溝１６に挿入されて屋根材Ｂ
と屋根材取付具Ａを一体化し、屋根材Ｂと屋根材取付具
Ａがはずれないようにするためのものであり、２重の連
結により取付強度を大幅に強化したものである。

【０００９】支持片６は図１に示すように上部の屋根材
Ｂの下部連結部１９の裏面８ａをバックアップし、連結
部分の強度の向上を図ると共に、屋根材取付具Ａの納ま
りを良くし、施工後の屋根材取付具Ａが外力で移動した
りしないように形成したものである。また、屋根材取付
具Ａの素材としては、鉄、アルミニウム、銅、ステンレ
ス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ホーロー鋼
板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板（塩ビ鋼板等）、サ
ンドイッチ鋼板（制振鋼板等）等（勿論、これらを各種
色調に塗装したカラー金属板を含む）の一種をプレス成
形、ロール成形、射出成形、押出成形等によって各種形
状に成形したものである。

【００１０】当接片７は図１に示すように屋根材Ｂの段
差化粧面２０に略当接するように形成されるものであ
る。これは、図１０に示すように、屋根材Ｂは施工時に
矢印イ方向に引っ張られ、この力により、図９に示す屋
根材Ｂが図１０に示すように段差化粧面２０、化粧面８
をアール状に変形するために、この変形を防止するため
に形成したものである。このように、屋根材取付具Ａの
当接片７は、段差化粧面２０の変形を防止すると共に、
化粧面８の変形を防止し、施工時の屋根材Ｂの働き幅の
変化を抑制し、働き幅の違いを無くすものである。

【００１１】１ａは面取り部であり、屋根材取付具Ａに
より怪我をしないようにするために形成したものであ
る。１ｂは固定孔であり、屋根材取付具Ａを固定する際
の固定具βの固定位置を示すものである。１ｃは補強突
起であり、強度の向上のために、プレス加工時に凹凸状
を形成したものである。

【００１２】屋根材Ｂは、略水平面状の化粧面８と、化
粧面８の一端縁には外方に半円弧状に屈曲した係合溝１
０と、係合溝１０の先端を内方に化粧面８に対して略９
０゜で屈曲した側面１１と、側面１１の先端を空間１２
を有して外方に側面１１と略平行に屈曲した外面１３
と、側面１１と外面１３よりなる突出部１４と、外面１
３の先端を内方に図では傾斜して屈曲した支持面１５
と、支持面１５の先端を内方に屈曲し係止溝１６を有す
る係止面１７と、化粧面８と支持面１５により囲まれた
嵌合溝１８とから形成した上部連結部９を形成し、化粧
面８の他端縁には内方に屈曲した段差化粧面２０と、段
差化粧面２０の先端を内方に化粧面８に対して傾斜して
屈曲した傾斜面２１と、傾斜面２１の先端を外方に半円
弧状に屈曲した突起２２と、突起２２の先端を内方に化
粧面８と略平行に突出した係合面２３とからなる下部連
結部１９を形成したものである。

【００１３】化粧面８は屋根を形成した際に、外観を形
成する部分であり、図では略水平面状に形成している
が、各種形状に形成することができるものである。

【００１４】係合溝１０は図１に示すよう係合面２３の
先端部分を嵌合し、屋根材Ｂ同士を連結する最奥部分で
あり、係合面２３の先端をこの係合溝１０で係止するこ
とにより、係合面２３の施工後のバタつきを防止し、防
水性、取付強度を向上するためのものである。

【００１５】側面１１と外面１３により形成された空間
１２は、万が一に嵌合溝１８内に浸入した雨水等がこの
空間１２よりも内部に浸入しないようにするための毛細
管現象防止用の空隙である。また、突出部１４は図１に
示すように化粧面８の裏面８ａをバックアップし、施工
後の連結部の強度を向上し、連結部が外力ではずれた
り、変形したりしないようにしたものである。

【００１６】下方に傾斜した支持面１５は、図１に示す
ように傾斜して形成することにより突起２２を押圧し、
連結部の係合力を強化することにより、施工性、防水性
等を強化するものである。

【００１７】係止溝１６と係止面１７は図１に示すよう
に図２に示すような屋根材取付具Ａの挿入片５を係止
し、屋根材Ｂの上部連結部９に一体化され、屋根材Ｂを
屋根材取付具Ａにより屋根下地αに取り付ける強度を強
化するものである。

【００１８】段差化粧面２０は、屋根材Ｂ同士に段差を
形成し、外観を段差がついた横のラインとし、意匠性を
向上するためのものである。

【００１９】傾斜して形成した傾斜面２１は、図１に示
すように連結部内に空間２４を形成し、連結部内の毛細
管現象を防止し、防水性を向上するものである。また、
支持面１５と弾性が付加された状態で連結されているた
めに、連結部のバタつきの防止にも役立つものである。

【００２０】さらに、突起２２、突出部１４により連結
部内に空間２５、空間２６を形成し、連結部内の毛細管
現象を防止し、防水性を従来に比して大幅に向上するも
のである。

【００２１】このように、屋根材Ｂ同士の連結部内には
４つの空間１２、２４、２５、２６が形成され、従来に
比して大きく防水性を向上した屋根材Ｂである。

【００２２】次に本発明に係る屋根材取付具の使用方法
について簡単に説明する。なお、第１段目の施工には図
示しないがスタート材が使用されている。そこで、第ｎ
段目の屋根材Ｂの上部連結部９を複数個の屋根材取付具
Ａにより屋根下地α上に固定する。

【００２３】次に第ｎ＋１段目の屋根材Ｂの係合面２３
を第ｎ段目の屋根材Ｂの嵌合溝１８に挿入し、上部連結
部９の係止溝１６に屋根材取付具Ａの挿入片５を挿入す
ると共に、上部連結部９の突出部１４に屋根材取付具Ａ
の係合片４を挿入し、屋根材取付具Ａの固定片１を固定
具βにより屋根下地α上に固定し、複数個の屋根材取付
具Ａにより屋根材Ｂを屋根下地α上に固定するものであ
る。以上のような工程を順次繰り返して行うことによ
り、軒から棟方向に屋根材Ｂを施工するものである。

【００２４】以上説明したのは本発明に係る屋根材取付
具Ａの一実施例にすぎず、図１１（ａ）〜（ｆ）、図１
２（ａ）〜（ｆ）に示すように屋根材取付具Ａを形成す
ることができる。

【００２５】また、図１３（ａ）〜（ｆ）、図１４
（ａ）、（ｅ）は屋根材Ｂのその他の実施例を示すもの
であり、化粧面８、上部連結部９、下部連結部１９を各
種形状に変形した屋根材Ｂである。

【００２６】さらに、図１５は屋根材取付具Ａのその他
の使用状態を示す断面図であり、下地材Ｃを屋根材Ｂの
裏面８ａに形成し、屋根材Ｂの主に変形防止（バックア
ップ材）、断熱性の向上、遮音性の向上、等を図ったも
のである。下地材Ｃとしては、例えばポリウレタンフォ
ーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォ
ーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポ
リスチレンフォーム、ユリアフォーム等の合成樹脂発泡
体よりなるボード、あるいはこれら合成樹脂発泡体をシ
ート材でサンドイッチした複合板、もしくはシージング
ボード、シージングインシュレーションボード、石膏ボ
ード、セメント板、炭酸カルシウム板、珪酸カルシウム
板、セラミック板、木片セメント板、炭酸マグネシウム
板、合板等よりなるもの、さらにはこれらの複合板より
なるものである。勿論、使用する素材により断熱性、遮
音性、防水性、調湿性、耐火性、蓄熱性、高強度等の性
能を有するものである。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る屋根材
取付具によれば、屋根材取付具の挿入片と係合片が屋
根材の上部連結部に形成した突出部と係止溝に係合され
るために、２重の係合になり一体化が強化され、屋根材
を固定する強度が格段に向上する。屋根材取付具の支
持片により上段の屋根材の下部連結部の裏面がバックア
ップされると共に、屋根材の突出部からも裏面が支持さ
れるために、連結部の強度が向上する。屋根材取付具
の当接片は、屋根材の段差化粧面の変形を防止すると共
に、屋根材の化粧面の変形を防止し、施工時の屋根材の
働き幅の変化を抑制し、働き幅の違いを無くすことがで
きる。施工が確実になり、施工性、安全性が向上す
る。補強突起の形成により、薄い素材を使用しても強
度が保てる。等の特徴、効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る屋根材取付具の使用状態を示す断
面図である。

【図２】本発明に係る屋根材取付具の一実施例を示す斜
視図である。

【図３】図２の正面図である。

【図４】図２の平面図である。

【図５】図２の底面図である。

【図６】図２の右側面図である。

【図７】図２の左側面図である。

【図８】図２の断面図である。

【図９】本発明に係る屋根材取付具により固定される屋
根材の一実施例を示す断面図である。

【図１０】従来の屋根材取付具により固定された場合の
屋根材の施工状態を示す断面図である。

【図１１】本発明に係る屋根材取付具のその他の実施例
を示す断面図である。

【図１２】本発明に係る屋根材取付具のその他の実施例
を示す断面図である。

【図１３】本発明に係る屋根材取付具により固定される
屋根材のその他の実施例を示す断面図である。

【図１４】本発明に係る屋根材取付具により固定される
屋根材のその他の実施例を示す断面図である。

【図１５】本発明に係る屋根材取付具のその他の使用状
態を示す断面図である。

【符号の説明】

Ａ 屋根材取付具 Ｂ 屋根材 Ｃ 下地材 １ 固定片 １ａ 面取り部 １ｂ 固定孔 １ｃ 補強突起 ２ 凹部 ３ 立ち上がり片 ４ 係合片 ５ 挿入片 ６ 支持片 ７ 当接片 ８ 化粧面 ８ａ 裏面 ９ 上部連結部 １０ 係合溝 １１ 側面 １２ 空間 １３ 外面 １４ 突出部 １５ 支持面 １６ 係止溝 １７ 係止面 １８ 嵌合溝 １９ 下部連結部 ２０ 段差化粧面 ２１ 傾斜面 ２２ 突起 ２３ 係合面 ２４ 空間 ２５ 空間 ２６ 空間 α 屋根下地 β 固定具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平面状の固定片と、該固定片の一端を
   略９０°で外方に突出した立ち上がり片と、該立ち上が
   り片の先端を内方に立ち上がり片と略平行に屈曲した係
   合片と、該係合片の先端を外方に傾斜して突出した挿入
   片と、該挿入片の根本部分を外方に傾斜して突出した支
   持片と、該支持片の先端を内方に突出した当接片とから
   形成したことを特徴とする屋根材取付具。