JPH07247157A - 陶芸用焼成炉の燃焼制御方法 - Google Patents

陶芸用焼成炉の燃焼制御方法

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JPH07247157A
JPH07247157A JP4437494A JP4437494A JPH07247157A JP H07247157 A JPH07247157 A JP H07247157A JP 4437494 A JP4437494 A JP 4437494A JP 4437494 A JP4437494 A JP 4437494A JP H07247157 A JPH07247157 A JP H07247157A
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隆之 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 陶芸用焼成炉内の温度を焼成に適した温度に
制御したり、同一条件の焼成を容易に再現できるように
して、陶芸作品の歩留りを向上させる。 【構成】 焼成用陶芸作品を焼成炉内に配置して複数本
のバーナーを用いて、陶芸用焼成炉内を加熱し焼成温度
に所定時間維持することにより前記焼成用陶芸作品を焼
成する焼成方法において、前記焼成用陶芸作品を陶芸用
焼成炉内に配置した後、前記陶芸用焼成炉内を予め設定
された経時的に変化する設定温度を保つように燃焼制御
される第1のバーナーで燃焼し、該陶芸用焼成炉内の温
度が所定温度に達すると、第2のバーナーを自動点火
し、第2のバーナーを全開動作により連続運転すると共
に、第1のバーナーを前記設定温度を保つように燃焼制
御を行い、該陶芸用焼成炉内の温度を経時的に変化する
設定温度に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陶芸用焼成炉の制御方
法に係り、特に陶芸用焼成炉の焼成時の燃料供給量を制
御して炉内温度を特定の温度に保持するように制御した
り、陶芸用焼成炉の焼成時の炉内の酸素濃度又は一酸化
炭素濃度を所定値に制御して自動的に焼成する陶芸用焼
成炉制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、陶磁器の制作は、土作り、土練
り、成形、乾燥、素焼き(しないものもある)、装飾、
釉薬がけ、焼成の工程によって行われる。素焼き、焼成
は、土練りした粘土を用いてやきものに仕上げる形に整
える成形を行い、乾燥させた後に、陶芸用焼成炉内で行
う。陶芸品の出来・不出来は、陶芸用焼成炉の炉内条件
である温度と、酸素濃度又は一酸化炭素濃度により大き
く変わってくる。例えば、釉薬の着色剤として基本とな
る灰釉に酸化鉄を微量混入させて酸化雰囲気(炉内の酸
素濃度が過剰な状態で酸化炎となる)で焼けば茶褐色か
ら黒褐色となり、還元雰囲気(炉内に一酸化炭素や炭素
が残存している状態で還元炎となる)で焼けば青磁色が
でる。また、織部釉として有名な酸化銅を添加して酸化
雰囲気で焼けば緑色を呈し、還元雰囲気で焼けば酸化銅
が金属銅に還元して銅本来の赤色や青紫色を発色する。
そして、これらの化学反応は経時的に炉内の温度や雰囲
気を変化させることによってその微妙な色合いを発生さ
せるものである。
【0003】このような陶芸用焼成炉は、従来、図21
〜23に示す如く、焼成炉内の燃焼熱量、炉内の雰囲気
の調整は、手動で制御するものであった。すなわち、陶
芸用焼成炉100は、焼成用陶芸作品を配置する棚板を
備えた炉本体110を有している。120は扉で、炉本
体110内に焼成用陶芸作品出入りする入口を開閉する
ものである。121は扉120に取り付けられた窓で、
耐熱ガラスがはめ込まれ、炉本体110内の様子を外部
から観察できるようになっている。130、140は焼
成用バーナーで、炉本体110内の棚板に配置された焼
成用陶芸作品を焼成するときに火炎を吹き出し炉本体1
10内を加熱するためのものである。この焼成用バーナ
ー130、140は、例えば、ブンセンバーナーで手動
燃料流量調節バルブ135、145を介して燃料供給管
が接続されている。150は炉本体110内の床板に形
成される排気孔で、炉本体110下部に向かって下降し
てきた炉本体110内上部に達した焼成用バーナー13
0、140の炎口の炎を排気するためのものである。1
60はダンパー室で、この排気孔150に接続されてい
る。170は煙突で、ダンパー室160に立設されてい
る。180はダンパーレンガで、酸化焼成か還元焼成に
よって開度割合によって決定するものである。
【0004】この図21〜23に示される従来の陶芸用
焼成炉は、ガス(気体燃料)を使用し空気を吸い込んで
燃焼させるブンセンバーナーによっているが、液体燃料
を用いても手動操作で燃焼熱量を可変させていることに
なり同様といえる。手動燃料流量調節バルブ135、1
45で手動調節された燃料は、ベンチュリー管等で一次
空気と混合され焼成用バーナー130、140の炎口で
炎となる。焼成用バーナー130、140の炎口から排
出される炎は、炉本体110内上部に達し、下部の排気
孔150に向けて下降してくる。ダンパー室160を通
り、煙突170から炉本体110外に排気される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来の陶芸用焼成
炉の運転は、陶芸品の出来・不出来が陶芸用焼成炉の炉
内条件である温度の適否と、酸素濃度又は一酸化炭素濃
度の制御に大きく左右されるところから、極めて高度な
経験的技能が必要である。そのため、従来の陶芸用焼成
炉にあっては、炉内の雰囲気は、主として炎の色を目視
しながら燃焼用の空気量もしくは排気用ダンパーを手動
調整して制御している。また、炉内の温度は、熱電対温
度計、オプティカルパイロメーター、またはゼーゲルコ
ーン等を用いて測定するか目視により判断して燃料を自
動あるいは手動で調整するようにして制御している。こ
のように従来の陶芸用焼成炉の場合、陶芸用焼成炉に供
給する燃料の供給量を手動操作で可変させて燃焼熱量を
得ているため、陶芸用焼成炉を使いこなすためには、相
当な習熟を必要とし、習熟していない者が陶芸用焼成炉
で焼成用陶芸作品を焼成すると陶芸品の表面にひび割れ
が生じたり、陶芸品そのものが割れるというような事態
が生じるという問題点を有している。
【0006】また、従来の陶芸用焼成炉の場合、酸化焼
成又は還元焼成の状態が実現しているか否かは、扉12
0に取り付けられた窓121から炉本体110内の様子
を観察して判定している。還元の判定は炉壁を貫通する
穴から炉内COが吹き出し大気中のO2 と反応して炎と
なる(一般に、ローソクが立つという)ことで確認して
いる。このため、従来は、長期間の体験によって、陶芸
用焼成炉を適確に運転することができる(習熟してい
く)ようになっていくため、同一条件で繰り返して再現
することが難しく、再現性が悪いという問題点を有して
いる。
【0007】請求項1記載の発明の目的は、陶芸用焼成
炉内の温度を焼成に適した温度に制御したり、同一条件
の焼成を容易に再現できるようにして、陶芸作品の歩留
りを向上させることである。請求項2記載の発明の目的
は、酸化焼成又は還元焼成における酸化雰囲気濃度又は
還元雰囲気濃度を各焼成に適したガス濃度に制御した
り、同一条件の焼成を容易に再現できるようにして、陶
芸作品の歩留りを向上させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の陶芸
用焼成炉の燃焼制御方法は、焼成用陶芸作品を焼成炉内
に配置して複数本のバーナーを用いて、陶芸用焼成炉内
を加熱し焼成温度に所定時間維持することにより前記焼
成用陶芸作品を焼成する焼成方法において、前記焼成用
陶芸作品を陶芸用焼成炉内に配置した後、前記陶芸用焼
成炉内を予め設定された経時的に変化する設定温度を保
つように燃焼制御される第1のバーナーで燃焼し、該陶
芸用焼成炉内の温度が所定温度に達すると、第2のバー
ナーを自動点火し、第2のバーナーを全開動作により連
続運転すると共に、第1のバーナーを前記設定温度を保
つように燃焼制御を行い、該陶芸用焼成炉内の温度を経
時的に変化する設定温度に保持するようにしたものであ
る。
【0009】本願請求項2記載の陶芸用焼成炉の燃焼制
御方法は、請求項1の陶芸用焼成炉の燃焼制御方法に酸
化焼成又は還元焼成のいずれかの選択により、陶芸用焼
成炉内雰囲気が酸化雰囲気か還元雰囲気かを決定し、こ
の選択によって陶芸用焼成炉内雰囲気を検出するO2
ンサ又はCOセンサのいずれかが作動し、該O2 センサ
又はCOセンサからの検出値と予め設定してある酸化焼
成状態の酸素濃度又は還元焼成状態の一酸化炭素濃度の
値とを比較し、陶芸用焼成炉に取り付けられた煙突に開
口する開閉弁の開度を調整することにより陶芸用焼成炉
内のO2 又はCOの濃度が設定値になるようにしたもの
である。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明によると、まず、陶芸用焼
成炉内に焼成用陶芸作品を配置し第1のバーナーに点火
して焼成を開始する。このとき第1のバーナーは予め設
定された経時的に変化する設定温度を保つように比例制
御あるいは断続制御で燃焼させる。この第1のバーナー
の燃焼で陶芸用焼成炉内の温度を上昇させ、陶芸用焼成
炉内の温度が所定温度にまで上昇すると第2のバーナー
を自動的に点火させる。この第2のバーナーの点火によ
って陶芸用焼成炉内の温度は、第1のバーナーに代わっ
て第2のバーナーによって設定温度に保持される。設定
温度が経時変化によって上昇し、第2のバーナーだけで
は設定温度に保持できなくなると、第1のバーナーが設
定温度を保持するように燃焼制御され、全開動作で燃焼
される第2のバーナーと、設定温度を保持するように制
御される第1のバーナーとで炉内温度は、上昇する設定
温度を追従するようになる。第1のバーナーの燃焼で陶
芸用焼成炉内の温度が所定温度に上昇したときに自動的
に点火する第2のバーナーは、全開動作又は全閉動作の
みができるように構成されており、焼成用陶芸作品の焼
成が完了するまで全開のままで連続動作を行う。この第
2のバーナーの全開と第1のバーナーの燃焼動作によっ
て陶芸用焼成炉内の温度は、所定温度よりさらに上昇
し、焼成温度にまで昇温することができる。この第2の
バーナーに供給される燃料を予め設定されている空燃比
で供給し、予め設定されている流量で供給すると、第2
のバーナーの燃焼火力は、常に一定となり、第1のバー
ナーの燃焼の制御を適当に行うことにより容易に焼成用
陶芸作品に合った焼成温度に制御することができる。
【0011】請求項2に記載の発明によると、まず、陶
芸用焼成炉内に配置される焼成用陶芸作品の焼成が酸化
焼成か、又は還元焼成かいずれかの選択を予めしてお
く。そして、陶芸用焼成炉内に焼成用陶芸作品を配置し
第1のバーナーに点火して焼成を開始する。この第1の
バーナーの燃焼で陶芸用焼成炉内の温度を上昇させ、陶
芸用焼成炉内の温度が所定温度にまで上昇すると第2の
バーナーを自動的に点火させる。この第2のバーナーを
自動的に点火すると共に、予め設定した酸化焼成又は還
元焼成のいずれかの選択により、陶芸用焼成炉内雰囲気
が酸化雰囲気か還元雰囲気かが決定される。酸化雰囲気
の場合は、陶芸用焼成炉内雰囲気を検出するO2 センサ
が作動し、該O2 センサからの検出値と予め設定してあ
る酸化焼成状態の酸素濃度の値とを比較し、陶芸用焼成
炉に取り付けられた煙突に開口する開閉弁の開度を調整
することにより陶芸用焼成炉内のO2 の濃度が設定値に
なるように酸化焼成を行う。また、還元焼成が選択され
ている場合は、陶芸用焼成炉内雰囲気を検出するCOセ
ンサが作動し、該COセンサからの検出値と予め設定し
てある還元焼成状態の酸素濃度の値とを比較し、陶芸用
焼成炉に取り付けられた煙突に開口する開閉弁の開度を
調整することにより陶芸用焼成炉内のCOの濃度が設定
値になるように還元焼成を行う。したがって、酸化焼成
又は還元焼成における酸化雰囲気濃度又は還元雰囲気濃
度を各焼成に適したガス濃度に制御したり、同一条件の
焼成を容易に再現できるようにして、陶芸作品の歩留り
を向上させることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る陶芸用焼成炉の燃焼制御
方法の実施例について説明する。図1には、本発明に係
る陶芸用焼成炉の炉内温度制御方法及び炉内燃焼ガス制
御方法の一実施例が示されている。図において、1は陶
芸用焼成炉で、基本的構成は、図21〜23に示す陶芸
用焼成炉100と同様で、焼成用陶芸作品を配置する棚
板を備え、外壁には焼成用陶芸作品を出し入れする扉が
設けられている。この陶芸用焼成炉1は、通常は箱型に
形成されている。2は第1のバーナー、3は第2のバー
ナーで、共に焼成用バーナーであり、陶芸用焼成炉1の
床面に取り付けられている。この第1のバーナー2及び
第2のバーナー3は、共に陶芸用焼成炉1内の棚板(図
示していない)に配置された焼成用陶芸作品を焼成する
ときに陶芸用焼成炉1の床面から内部に火炎を吹き出
し、陶芸用焼成炉1内を加熱するためのものである。こ
の第1のバーナー2の最大燃焼能力は15000kca
lで、最小燃焼能力は5000kcalである。また、
第2のバーナー3の最大燃焼能力は15000kcal
で、この第2のバーナー3は、常時の最大燃焼能力15
000kcalで運転される。そして、最大燃焼能力1
5000kcalで燃焼したときの第1のバーナー2、
第2のバーナー3単独での昇温能力は、共に0℃〜80
0℃である。
【0013】4はダンパー室で、陶芸用焼成炉1内の床
板に形成される排気孔に連通して設けられている。5は
煙突で、ダンパー室4に立設されている。この煙突5
は、第1のバーナー2、第2のバーナー3の火勢を助長
する作用を有し、ドラフト効果を有している。6は開閉
弁で、還元焼成を行う際の二次空気を導入するためのも
のである。この開閉弁6は、ダンパー室4に連設し大気
に開放される管路41内に設けられている。そして、こ
の開閉弁6は、全閉で管路41を閉塞し、開度を大きく
していくにしたがって大気の量を調整して導入できるよ
うになっている。すなわち、この開閉弁6は、煙突5の
ドラフト効果の調整を行うものである。7はモータで、
開閉弁6の開閉動作を行うものである。8は温度センサ
で、陶芸用焼成炉1の炉内温度を検出して電気信号に変
換して出力するものである。9はO2 センサで、陶芸用
焼成炉1の炉内酸素濃度を検出するものである。10は
COセンサで、陶芸用焼成炉1の炉内一酸化炭素濃度を
検出するためのものである。
【0014】11はメインバルブで、図示されていない
燃料タンクに接続されるパイプに取り付けられている。
このメインバルブ11は、手動によって開閉するように
構成されており、陶芸用焼成炉1を運転する際に、手動
で開にする。いわゆる、運転開始/停止バルブである。
メインバルブ11を開にすることによって燃料タンクの
燃料がメインバルブ11を通って下流に送られる。12
は断続制御バルブで、メインバルブ11の下流側に取り
付けられ、メインバルブ11を通って燃料タンクから供
給されてくる燃料の供給を断続制御するためのバルブで
ある。すなわち、断続制御バルブ12は、図5に示す如
き経時目標温度特性に基づいて設定された目標値に対
し、陶芸用焼成炉1内の温度が変動許容温度幅の上限温
度(+10℃)を超えたときに第1のバーナー2への燃
料供給を遮断するためにOFFするように作動する。そ
して、断続制御バルブ12は、陶芸用焼成炉1内の温度
が変動許容温度幅の上限(+10℃)から2℃のヒステ
リシスを持ってON/OFF制御される。このように断
続制御バルブ12は、燃料供給パイプを全開/全閉する
バルブである。したがって、断続制御バルブ12を閉に
するとメインバルブ11を通って燃料タンクから供給さ
れてくる第1のバーナー2への燃料の供給は停止し、断
続制御バルブ12を開にするとメインバルブ11を通っ
て燃料タンクから第1のバーナー2へ燃料が供給され
る。
【0015】13は比例制御バルブで、断続制御バルブ
12の下流側に取り付けられ、断続制御バルブ12を通
って燃料タンクから供給されてくる燃料を一定の割合で
弁を開閉(比例制御)して通過させるものである。この
比例制御バルブ13はモータ16によって開閉動作が行
われるようになっている。すなわち、比例制御バルブ1
3は、開弁制御信号に基づいて一定の割合で燃料通過量
を変化させて全体の燃料供給量を制御するものである。
この比例制御バルブ13を通過した燃料が第1のバーナ
ー2の空燃混合部へ送られる。比例制御バルブ13の弁
開度は、モータ16の作動信号である入力信号電圧
(V)に応じて図2に示す如く0%〜100%ほぼリニ
アに変化する。14は送風機で、外部から空気を取り入
れ送風するためのものである。15はバタフライ弁で、
比例制御バルブ13の開度と一定比で開閉するようにな
っている。すなわち、比例制御バルブ13とバタフライ
弁15とはリンクして開閉するようになっている。16
はモータで、比例制御バルブ13の弁開度の調整と、バ
タフライ弁15の開度調整を行う駆動源である。このモ
ータ16は、温度調節器21において図3に示す如き温
度特性に基づいて出力される一定の比例帯を有する図2
に示す如き連続操作信号S1 によって制御される。すな
わち、モータ16は、温度調節器21から送出されてく
る連続操作信号S1 に基づいて比例制御バルブ13とバ
タフライ弁15を開閉する。このように第1のバーナー
2の空燃混合部への燃料供給は、燃料タンクからメイン
バルブ11を経て断続制御バルブ12、モータ16によ
って開度制御された比例制御バルブ13を経て行われ
る。また、第1のバーナー2の空燃混合部への燃焼空気
の供給は、送風機14によって外部から取り入れた空気
をモータ16によって開度制御されたバタフライ弁15
を経て送風して行われる。そして、バタフライ弁15を
通過した空気は、第1のバーナー2の空燃混合部に入
り、比例制御バルブ13を通って供給される燃料と混合
して一次空気となる。
【0016】17は自動点火安全装置で、断続制御バル
ブ12、送風機14を制御するものである。この自動点
火安全装置17には、温度調節器21からの断続信号S
2 及び点火の確認のための炎電流FLが入力するように
なっている。この自動点火安全装置17は、第1のバー
ナー2の点火・消火の断続制御を行うもので、温度調節
器21から送出されてくる比例帯の下限値において一定
の動作隙間(ヒステリシス)を有してON/OFFする
断続信号S2 によって点火指示(消火指示)がなされ
る。すなわち、温度調節器21から送出される点火指示
の断続信号S2 が自動点火安全装置17に入力される
と、自動点火安全装置17は、火花放電IGを出力し第
1のバーナー2を点火する。この第1のバーナー2の点
火の確認は第1のバーナー2の燃焼炎を検知して出力さ
れる炎電流FLが自動点火安全装置17に入力されるこ
とによって行われる。また、点火している第1のバーナ
ー2は、温度調節器21から送出されてくる消火指示の
断続信号S2 が自動点火安全装置17に入力されること
によって、自動点火安全装置17は、断続制御バルブ1
2を全閉して燃料の供給を停止すると同時に送風機14
を停止し空気の供給を停止する。この第1のバーナー2
の消火の確認は自動点火安全装置17に入力されていた
炎電流FLが入力されなくなることによって行われる。
【0017】18は燃料制御バルブで、手動バルブ11
を介して燃料タンクから供給されてくる燃料を第2のバ
ーナー3へ供給したり、第2のバーナー3への供給を遮
断したりする開閉バルブである。この燃料制御バルブ1
8は、図4に示す如く、陶芸用焼成炉1内の温度が80
0℃に達すると、ON(開)し、焼成用陶芸作品を焼成
している間OFF(閉)することはない。また、陶芸用
焼成炉1内の温度が800℃を下回り、所定温度(80
0℃)の許容下限温度790℃に達したときにOFFす
るようになっている。19は送風機で、第2のバーナー
3の空燃混合部への燃焼空気を供給するものである。し
たがって、第2のバーナー3の空燃混合部においては、
燃料制御バルブ18を介して供給されてくる燃料と送風
機19を介して供給されてくる空気とを混合する。この
ように第2のバーナー3の空燃混合部への燃料供給は、
燃料タンクから手動バルブ11を経て燃料制御バルブ1
8を経て行われる。また、第2のバーナー3の空燃混合
部への燃焼空気の供給は、送風機19によって外部から
取り入れられることによって行われ、第2のバーナー3
の空燃混合部に入った燃料と燃焼空気とを混合して一次
空気となる。
【0018】20は自動点火安全装置で、燃料制御バル
ブ18、送風機19を制御するものである。この自動点
火安全装置20には、温度調節器21からの断続信号S
3 及び点火の確認のための炎電流FLが入力するように
なっている。この自動点火安全装置20は、第2のバー
ナー3の点火・消火の断続制御を行うもので、温度調節
器21から送出されてくる第1のバーナー2の点火燃焼
によって加熱される陶芸用焼成炉1内の温度が所定温度
(例えば、800℃)に達したときに第2のバーナー3
を点火させるONの指示を示し、焼成用陶芸作品の焼成
の完了後、第2のバーナー3を消火するときにOFFの
指示を示す断続信号S3 によって点火指示(消火指示)
がなされる。すなわち、温度調節器21から送出される
点火指示の断続信号S3 が自動点火安全装置20に入力
されると、火花放電IGによって第2のバーナー3を点
火する。この第2のバーナー3の点火の確認は、第2の
バーナー3の燃焼炎を検知して出力する炎電流FLが自
動点火安全装置20に入力されることによって行われ
る。また、点火している第2のバーナー3は、焼成用陶
芸作品の焼成が完了することによって温度調節器21か
ら送出される消火指示の断続信号S3 が自動点火安全装
置20に入力されることによって、自動点火安全装置2
0は、燃料制御バルブ18を全閉して燃料の供給を停止
すると同時に送風機19を停止し空気の供給を停止す
る。この消火の確認は、炎電流FLが自動点火安全装置
20に入力されないことによって行われる。
【0019】21は温度調節器で、温度センサ8によっ
て測定された陶芸用焼成炉1内の温度に基づいて以下の
4点の信号を得るものである。すなわち、この4つの信
号は、予め経時的にプログラム設定された目標温度に対
して、一定の比例制御帯を有する連続操作信号S1 、連
続操作信号S1 の比例帯の下限値において一定の動作隙
間(ヒステリシス)を有してON/OFFする断続信号
2 、第1のバーナー2の燃焼によって加熱される陶芸
用焼成炉1内の温度が所定温度(例えば、800℃)に
達したときにONし焼成用陶芸作品の焼成の完了により
陶芸用焼成炉1用第2のバーナー3を消火するときにO
FFする断続信号S3 、還元焼成運転を行うに有効な温
度(例えば、900℃)を下回ったときに手動スイッチ
23を酸化焼成側にスイッチングさせる操作信号S4
ある。
【0020】次に、本実施例の作用について説明する。
まず、陶芸用焼成炉1内に焼成用陶芸作品を配置し焼成
用陶芸作品の焼成を開始する。この第1のバーナー2に
点火して焼成を開始する。焼成の開始によって自動点火
安全装置17は、火花放電IGを出力し第1のバーナー
2を点火する。この第1のバーナー2の点火の確認は第
1のバーナー2の燃焼炎を検知して出力される炎電流F
Lが自動点火安全装置17に入力されることによって行
われる。このとき第1のバーナー2は、連続操作信号S
1 の出力値に応じて燃焼される。この第1のバーナー2
が点火され、燃焼することによって陶芸用焼成炉1内の
温度が上昇していく。この陶芸用焼成炉1内の温度は、
温度センサ8によって検出され温度調節器21に入力さ
れる。そして温度調節器21から出力される連続操作信
号S1 によってモータ16を制御する。このモータ16
は、温度調節器21から出力される連続操作信号S1
基づき比例制御バルブ13とバタフライ弁15の開閉を
制御し、第1のバーナー2の燃焼を制御して焼成温度を
目標値の変動許容温度幅(目標温度の±10℃)に制御
する。この第1のバーナー2による焼成温度の制御は、
断続信号S2 に応じた第1のバーナー2の点火/消火、
連続操作信号S1 に応じた燃焼火力の調整を行うことに
よって行われる。陶芸用焼成炉1内の温度が、所定温度
である高温域(800℃)に達すると、温度調節器21
から自動点火安全装置20に、第2のバーナー3を点火
燃焼させる断続信号S3 が出力される。自動点火安全装
置20は、温度調節器21から出力される断続信号S3
を受けると、燃料制御バルブ18を開き、送風機19を
作動すると同時に火花放電IGによって第2のバーナー
3を点火する。この第2のバーナー3の点火の確認は、
第2のバーナー3の燃焼炎を検知して出力する炎電流F
Lの自動点火安全装置20への入力によって行う。第2
のバーナー3の点火によって陶芸用焼成炉1内の温度
は、第1のバーナー2の燃焼とによって、所定温度(8
00℃)からさらに上昇していく。
【0021】ここで上記第1のバーナー2及び第2のバ
ーナー3の燃焼制御を図5から図17を使って詳細に説
明する。陶芸用焼成炉1内の温度は、図5に示す如き温
度時間特性に基づいて予めプログラム設定される。この
図5に図示の設定値は、時間の経過と共に逐次設定され
ていく。この設定値(目標値)の経時変更は、約1分間
隔位で行う。そして、陶芸用焼成炉1内の温度は、第1
のバーナー2によって経時的に上昇する目標値を追従し
て上昇するよう制御される。このときの第1のバーナー
2に供給される燃料は、空燃比140%の燃料が供給さ
れる。第1のバーナー2の点火後、陶芸用焼成炉1内の
温度は、図5に示す如き温度時間特性に基づいて制御さ
れ、図6に図示の如く上昇していく。陶芸用焼成炉1内
の温度が図6に図示の所定温度(800℃)に達する
と、第2のバーナー3を点火させて、最大燃焼能力15
000kcalで、燃焼させる。このとき第2のバーナ
ー3は、常時全開で燃焼する。ここで、第1のバーナー
2と第2のバーナー3との関係について説明する。第1
のバーナー2は、図7に示す如き特性で比例制御されて
おり、目標値が予め温度調節器21にプログラムされて
おり、この設定された目標値は、図5に示す如く経時的
に上昇していくものとなっている。そして、温度調節器
21は、設定されている目標値と温度センサ8で測定さ
れる現在の温度との偏差が−10℃以下の場合は、燃料
流量が100%となるような連続操作信号S1 を出力
し、−10℃から+10℃の間では図3で示されるよう
に偏差量に比例した燃料流量%となるような連続操作信
号S1 を出力し、+10℃以上の場合は、第1のバーナ
ー2をOFFする断続信号S2 を出力する。その結果、
経時的に上昇する温度として設定された目標値にしたが
って第1のバーナー2が図7に示す特性のように追従し
ていく。
【0022】第2のバーナー3のON条件、すなわち、
温度調節器21から出力される断続信号のON条件は、
炉内温度制御運転ONと炉内温度が800℃となったと
きのAND条件による。また、第2のバーナー3のOF
F条件は、炉内温度制御運転を停止するときである。
【0023】いま、設定された目標値が図5に示す如き
経時目標温度特性におけるある温度例えば、50℃であ
るとすると、第1のバーナー2の燃焼量は、目標温度5
0℃に対しては、図8に示す如き特性に基づき制御され
る。すなわち、第1のバーナー2は、陶芸用焼成炉1内
の温度が40℃になるまでは最大燃焼量15000kc
alで燃焼され、40℃を超えてからは目標温度50℃
との偏差量に比例した燃焼量で燃焼される。そして、炉
内温度が許容上限温度60℃を超えた場合は、第1のバ
ーナー2は、停止し、再び炉内温度が下がって58℃に
なると燃焼を再開する。このように目標温度が50℃と
低いと、陶芸用焼成炉1内の温度負荷に比して第1のバ
ーナー2の燃焼量が多いので、陶芸用焼成炉1内の温度
は、図9に示す如く、0.5〜1分で目標温度50℃よ
り高い温度領域で安定することになる。図5に示す如き
経時目標温度特性に基づいて、目標温度が上昇し、設定
された目標値が例えば、400℃になったとすると、第
1のバーナー2の燃焼量は、目標温度400℃に対して
は、図10に示す如き特性に基づき図8の場合と同様に
制御され、陶芸用焼成炉1内の温度は、図11に示す如
く、目標温度400℃近辺でほぼ一定となる。
【0024】そして、図5に示す如き経時目標温度特性
に基づいて、目標温度が上昇し、設定された目標値が、
所定温度(800℃)の近傍の790℃になったとする
と、第1のバーナー2の燃焼量は、目標温度790℃に
対しては、図12に示す如き特性に基づき図8、図10
の場合と同様に制御される。このように目標温度が79
0℃と高いと、陶芸用焼成炉1内の熱負荷が重くなって
きているので、陶芸用焼成炉1内の温度は、図13に示
す如く、目標温度790℃より低い780℃近辺で収束
することになる。
【0025】このようにして陶芸用焼成炉1内の温度
は、所定温度(800℃)に近付いてくる。陶芸用焼成
炉1内の温度が所定温度(800℃)になると、第2の
バーナー3が点火される。この第2のバーナー3は、最
大燃焼能力15000kcalを有しており、第2のバ
ーナー3は、常時全開(最大燃焼能力15000kca
l)で燃焼するようになっているので、第2のバーナー
3それだけで800℃を保持する能力を持っている。し
たがって、第2のバーナー3が点火されると、第2のバ
ーナー3の燃焼によって陶芸用焼成炉1内の温度が急激
に上昇し、第1のバーナー2用に設定されている目標値
の変動許容温度幅の上限を超えるので、第1のバーナー
2はOFFする。
【0026】このようにして陶芸用焼成炉1内の所定温
度(800℃)の維持は、第2のバーナー3によって行
われる。陶芸用焼成炉1内の温度が所定温度(800
℃)に達した後、設定された目標値は、さらに図5に示
す如き経時目標温度特性にしたがって第2の目標値であ
る焼成温度(1350℃)まで経時的に変化していく。
いま、図5に示す如き経時目標温度特性に基づいて、目
標温度が上昇し、設定された目標値が、所定温度(80
0℃)を超えて900℃になったとすると、第2のバー
ナー3の燃焼量は、最大燃焼量15000kcalで燃
焼し、第1のバーナー2の燃焼量は、目標温度900℃
に対しては、図14に示す如き特性に基づき制御され
る。すなわち、第1のバーナー2の燃焼は、陶芸用焼成
炉1内の温度が890℃になるまでは最大燃焼量150
00kcalで燃焼され、890℃を超えてからは目標
温度900℃との偏差量に比例した燃焼量で燃焼され
る。そして炉内温度が許容上限温度910℃を超えた場
合は、第1のバーナー2は停止し、再び温度が下がって
908℃になると燃焼を再開する。このように、図15
の斜線で示す800℃を下回る部分は、第2のバーナー
3によって得られ、図15の斜線で示す800℃を超え
る部分は、第1のバーナー2によって得られる温度であ
る。
【0027】そして、図5に示す如き経時目標温度特性
に基づいて、目標温度が上昇し、設定された目標値が、
最終目標である焼成温度(1350℃)になったとする
と、第2のバーナー3の燃焼量は最大燃焼量15000
kcalで燃焼し、これに対し第1のバーナー2の燃焼
量は、目標温度1350℃に対しては、図16に示す如
き特性に基づき図14と同様に制御され、陶芸用焼成炉
1内の温度は図17に示す如く、目標温度1350℃を
少し下回った温度に収束する。このようして陶芸用焼成
炉1内の温度は、図6に示す如き結果が得られる。
【0028】以上のような燃焼制御方法によれば、設定
温度に保持する制御は第1のバーナー2だけであるの
で、比例制御バルブ及び制御装置が1つで低温から高温
まで制御できると共に、酸化・還元反応が始まる高温
(800℃以上)においては、第1のバーナー2、第2
のバーナー3の両方で燃焼されるため炉内の温度・ガス
分布が均一化されるという利点がある。なお、第1のバ
ーナー2を制御して焼成温度幅を一定に制御する場合、
第1のバーナー2を1本用いて行うこともできるが、陶
芸用焼成炉内の主要箇所に2〜4本設けることもでき
る。このように第1のバーナーを2〜4本設けると、第
1のバーナー2を点火した後、陶芸用焼成炉1内の焼成
温度を陶芸用焼成炉1内で均一に、かつ小さい焼成温度
幅に制御することができる。
【0029】また、第1のバーナー2を制御して焼成温
度幅を一定にする制御を、第1のバーナー2を消火して
いる閉弁時間と第1のバーナー2を点火している開弁時
間との比を変化させる比例制御バルブ13の開閉時間を
変化させることにより行うことができる。このように第
1のバーナー2の制御を弁開閉時間制御によって行う
と、第1のバーナー2の空燃比を変える必要がなく、陶
芸用焼成炉1内の温度を比例制御バルブ13の弁開閉の
みによって行うことができ、第1のバーナー2による陶
芸用焼成炉1内の温度制御を容易に行うことができる。
また、陶芸用焼成炉内の温度が所定温度に上昇した後、
焼成温度に上昇させる場合、第2のバーナー3を1本用
いて行うこともできるが、陶芸用焼成炉内の主要箇所に
2〜4本設けて行うことも可能であり、第2のバーナー
3を2〜4本設けることもできる。このように第2のバ
ーナー3を2〜4本設けると、陶芸用焼成炉1内の温度
を炉内均一に上昇することができる。
【0030】また、図18には、前述した本発明に係る
陶芸用焼成炉の炉内温度制御方法及び炉内燃焼ガス制御
方法の実施例とは異なる別な実施例が示されている。本
実施例は、陶芸用焼成炉内に配置される焼成用陶芸作品
の焼成を酸化焼成又は還元焼成のいずれかの選択をして
行うものである。すなわち、本実施例が前述の実施例と
異なる点は、ガス濃度調節器22を設けると共に、手動
スイッチ23によって酸化焼成又は還元焼成のいずれか
の選択を行えるようにしてある点である。図18におい
て、22はガス濃度調節器で、予め作業者が酸化焼成の
場合の陶芸用焼成炉1内のO2 濃度特性値及び還元焼成
の場合の陶芸用焼成炉1内のCO濃度特性値を設定する
ものである。すなわち、このガス濃度調節器22は、作
業者が予め設定したO2 濃度設定値又はCO濃度設定値
とO2 センサ9による測定値又はCOセンサ10による
測定値とを比較し、陶芸用焼成炉1内の雰囲気が設定し
た値に一致するように制御信号を発するものである。2
3は手動スイッチで、陶芸用焼成炉1内で行う焼成を酸
化雰囲気内で行うか、還元雰囲気内で行うかを決定する
ためのスイッチである。すなわち、酸化焼成か還元焼成
かの選択は、手動スイッチ23による作業者の選択によ
る。すなわち、手動スイッチ23の選択によっていずれ
か一方に決定された雰囲気に基づいて、陶芸用焼成炉1
内に取り付けられたO2 センサ9又はCOセンサ10の
いずれかが作動し、陶芸用焼成炉1内の雰囲気中のO2
濃度又はCO濃度が検出され、ガス濃度調節器22に入
力される。
【0031】次に、本実施例の作用について説明する。
陶芸用焼成炉1を用いて焼成用陶芸作品を焼成する者
は、陶芸用焼成炉1内に配置される焼成用陶芸作品の焼
成を酸化焼成するのか、又は還元焼成するのかの選択を
予め選択しておく。そして、陶芸用焼成炉1内に焼成用
陶芸作品を配置し第1のバーナー2に点火して焼成を開
始する。このとき第1のバーナー2は全開で燃焼させ
る。このとき第1のバーナー2に供給される空気に対す
る燃料の割合を示す空燃比(燃料/空気)は、150%
位の高空燃比に設定する。この第1のバーナー2の燃焼
で陶芸用焼成炉1内の温度を上昇させ、陶芸用焼成炉1
内の温度が所定温度(800℃)にまで上昇すると第1
のバーナー2を消火して第2のバーナー3を自動的に点
火させる。この第2のバーナー3を自動的に点火すると
共に、酸化焼成又は還元焼成のいずれかの選択により、
陶芸用焼成炉1内雰囲気が酸化雰囲気か還元雰囲気かを
決定する。
【0032】手動スイッチ23の選択によって還元焼成
が選択されている場合は、陶芸用焼成炉1内雰囲気を検
出するCOセンサ10が作動し、該COセンサ10から
の検出値と図19に図示の如き予め設定された還元焼成
状態の一酸化炭素濃度特性の値とを比較し、陶芸用焼成
炉1に取り付けられた煙突5に開口する開閉弁6の開度
を調整することにより陶芸用焼成炉1内のCOの濃度が
図19に図示の一酸化炭素濃度特性に基づいて還元焼成
を行う。また、手動スイッチ23の選択によって酸化焼
成が選択されている場合は、陶芸用焼成炉1内雰囲気を
検出するO2 センサ9が作動し、該O2 センサ9からの
検出値と図20に図示の如き予め設定された酸化焼成状
態の酸素濃度特性の値とを比較し、陶芸用焼成炉1に取
り付けられた煙突5に開口する開閉弁6の開度を調整す
ることにより陶芸用焼成炉1内のO2 の濃度が図20に
図示の酸素濃度特性に基づいて酸化焼成を行う。
【0033】陶芸用焼成炉1内のO2 ガス濃度又はCO
ガス濃度の制御は、ガス濃度調節器22によって行われ
る。すなわち、温度調節器21の出力として得られる操
作信号S4 と手動スイッチ23とによって選定されたO
2 センサー9又はCOセンサー10の検出値とガス濃度
調節器22に予め設定される酸化焼成有効濃度又は還元
焼成有効濃度と比較して、陶芸用焼成炉1内のO2 ガス
濃度又はCOガス濃度が設定値に一致するように開閉弁
6を開閉制御して行われる。ガス濃度調節器22から
は、還元焼成の場合に図19の出力が得られ、酸化焼成
の場合に図20の出力が得られ、これらの出力に基づい
てモータ7を駆動して開閉弁6を開閉制御する。この開
閉弁6の動作は、全閉することで、煙突5のドラフト効
果が得られ、第2のバーナー3の炎口からの一次空気を
十分吸引する(酸化焼成)ものであるが、開閉弁6を開
閉制御して次第に開口していくにしたがい、開閉弁6の
開口部から大気が流入し、煙突5のドラフト効果が減少
して第2のバーナー3の炎口からの一次空気の吸引が少
なくなり、全開になると、開口部からの大気の流入によ
って煙突5のドラフト効果が期待できず、一次空気だけ
で燃焼していく(還元焼成)ことになる。この開閉弁6
の開閉による濃度制御の方法は、二次空気の流量調整で
炉内の燃焼ガス中のO2 濃度とCO濃度を制御していく
ものである。
【0034】なお、図18に図示の如く、ガス濃度調節
器22の検出値入力側と手動スイッチ23との間に温度
スイッチ24を挿入接続してもよい。この温度スイッチ
24は、常時手動スイッチ23の出力端とスイッチング
なされており、温度センサ8によって測定された陶芸用
焼成炉1内の温度に基づいて還元焼成運転を行うに有効
な温度(例えば、900℃)に達したときにONし酸化
焼成又は還元焼成可能温度を下回った時に温度調節器2
1から出力される操作信号S4 によって酸化焼成運転側
にスイッチングされるものである。したがって、手動ス
イッチ23によってガス濃度調節器22に入力されるO
2センサ9又はCOセンサ10からの検出値を一方に選
択しても、温度調節器21から出力される操作信号S4
によって、陶芸用焼成炉1内の温度が、例えば900℃
以下では強制的にO2 制御に選択され、陶芸用焼成炉1
内の温度が、例えば901℃を超えると手動スイッチ2
3によって選択されたセンサからの検出値がガス濃度調
節器22に入力されることになる。ガス濃度調節器22
では、陶芸用焼成炉1内の雰囲気の測定濃度が設定濃度
と比較され陶芸用焼成炉1内の雰囲気が設定した値に一
致するようにモータ7に制御信号を発する。このように
酸化焼成又は還元焼成における酸化雰囲気濃度又は還元
雰囲気濃度を各焼成に適したガス濃度に制御したり、同
一条件の焼成を容易に再現できるようにすることによ
り、陶芸作品の歩留りを向上させることができる。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、焼成用陶
芸作品を陶芸用焼成炉内に配置した後、陶芸用焼成炉内
を予め設定された経時的に変化する設定温度を保つよう
に燃焼制御される第1のバーナーで燃焼し、該陶芸用焼
成炉内の温度が所定温度に達すると、第2のバーナーを
自動点火し、第2のバーナーを全開動作により連続運転
すると共に、第1のバーナーを前記設定温度を保つよう
に燃焼制御を行い、該陶芸用焼成炉内の温度を経時的に
変化する設定温度に保持できるようにしてあるため、陶
芸用焼成炉内の温度を焼成に適した温度に容易に制御で
き、同一条件の焼成を容易に再現することができ、陶芸
作品の歩留りを向上させることができる。
【0036】請求項2記載の発明によれば、酸化焼成又
は還元焼成のいずれかの選択により、陶芸用焼成炉内雰
囲気が酸化雰囲気か還元雰囲気かを決定し、この選択に
よって陶芸用焼成炉内雰囲気を検出するO2 センサ又は
COセンサのいずれかが作動し、該O2 センサ又はCO
センサからの検出値と予め設定してある酸化焼成状態の
酸素濃度又は還元焼成状態の一酸化炭素濃度の値とを比
較し、陶芸用焼成炉に取り付けられた煙突に開口する開
閉弁の開度を調整することにより陶芸用焼成炉内のO2
又はCOの濃度が設定値になるように構成してあるた
め、酸化焼成又は還元焼成における酸化雰囲気濃度又は
還元雰囲気濃度を各焼成に適したガス濃度に制御するこ
とができ、同一条件の焼成を容易に再現することがで
き、陶芸作品の歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る陶芸用焼成炉の燃焼制御方法の実
施例を示す系統図である。
【図2】図1に図示のモータ入力信号電圧に対する弁開
度特性を示す図である。
【図3】図1に図示の第1のバーナーの温度に対する燃
料供給量を示す特性図である。
【図4】図1に図示の第2のバーナー点火状態を示す図
である。
【図5】図1に図示の陶芸用焼成炉内の温度設定値の経
過時間対する変化特性を示す図である。
【図6】図1に図示の燃焼経過時間に対する陶芸用焼成
炉内温度の変化特性を示す図である。
【図7】陶芸用焼成炉内温度の目標温度に対する燃焼量
の変化状態を示す図である。
【図8】陶芸用焼成炉内温度の目標値50℃に対する変
動許容温度幅を示した特性図である。
【図9】目標値50℃のときの陶芸用焼成炉内温度の収
束状態を示す図である。
【図10】陶芸用焼成炉内温度の目標値400℃に対す
る変動許容温度幅を示した特性図である。
【図11】目標値400℃のときの陶芸用焼成炉内温度
の収束状態を示す図である。
【図12】陶芸用焼成炉内温度の目標値790℃に対す
る変動許容温度幅を示した特性図である。
【図13】目標値790℃のときの陶芸用焼成炉内温度
の収束状態を示す図である。
【図14】陶芸用焼成炉内温度の目標値900℃に対す
る変動許容温度幅を示した特性図である。
【図15】目標値900℃のときの陶芸用焼成炉内温度
の収束状態を示す図である。
【図16】陶芸用焼成炉内温度の目標値1350℃に対
する変動許容温度幅を示した特性図である。
【図17】目標値1350℃のときの陶芸用焼成炉内温
度の収束状態を示す図である。
【図18】図1に図示のガス濃度調節器への信号入力の
スイッチの回路構成図である。
【図19】図1に図示の第2のバーナー点火後のCO濃
度に対する開閉弁開度を示す図である。
【図20】図1に図示の第2のバーナー点火後のO2 濃
度に対する開閉弁開度を示す図である。
【図21】従来の陶芸用焼成炉の平面図である。
【図22】図21に図示の従来の陶芸用焼成炉の正面図
である。
【図23】図21に図示の従来の陶芸用焼成炉の断面側
面図である。
【符号の説明】
1…………………………………………………陶芸用焼成
炉 2…………………………………………………第1のバー
ナー 3…………………………………………………第2のバー
ナー 4…………………………………………………ダンパー室 5…………………………………………………煙突 6…………………………………………………開閉弁 7…………………………………………………モータ 8…………………………………………………温度センサ 9…………………………………………………O2 センサ 10………………………………………………COセンサ 11………………………………………………手動バルブ 12………………………………………………断続制御バ
ルブ 13………………………………………………比例制御バ
ルブ 14………………………………………………送風機 15………………………………………………バタフライ
弁 16………………………………………………モータ 17………………………………………………自動点火安
全装置 18………………………………………………燃料制御バ
ルブ 19………………………………………………送風機 20………………………………………………自動点火安
全装置 21………………………………………………温度調節器 22………………………………………………ガス濃度調
節器 23………………………………………………手動スイッ
チ 24………………………………………………温度スイッ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成用陶芸作品を焼成炉内に配置して複
    数本のバーナーを用いて、陶芸用焼成炉内を加熱し焼成
    温度に所定時間維持することにより前記焼成用陶芸作品
    を焼成する焼成方法において、前記焼成用陶芸作品を陶
    芸用焼成炉内に配置した後、前記陶芸用焼成炉内を予め
    設定された経時的に変化する設定温度を保つように燃焼
    制御される第1のバーナーで燃焼し、該陶芸用焼成炉内
    の温度が所定温度に達すると、第2のバーナーを自動点
    火し、第2のバーナーを全開動作により連続運転すると
    共に、第1のバーナーを前記設定温度を保つように燃焼
    制御を行い、該陶芸用焼成炉内の温度を経時的に変化す
    る設定温度に保持するようにしたことを特徴とする陶芸
    用焼成炉の燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の陶芸用焼成炉の燃焼制御方法
    であって、更に酸化焼成又は還元焼成のいずれかの選択
    により、陶芸用焼成炉内雰囲気が酸化雰囲気か還元雰囲
    気かを決定し、この選択によって陶芸用焼成炉内雰囲気
    を検出するO2 センサ又はCOセンサのいずれかが作動
    し、該O2 センサ又はCOセンサからの検出値と予め設
    定してある酸化焼成状態の酸素濃度又は還元焼成状態の
    一酸化炭素濃度の値とを比較し、陶芸用焼成炉に取り付
    けられた煙突に開口する開閉弁の開度を調整することに
    より陶芸用焼成炉内のO2 又はCOの濃度が設定値にな
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の陶芸用焼
    成炉の燃焼制御方法。
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