JP5492340B1 - 陶芸窯 - Google Patents

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Abstract

【課題】窯の焼成室内が還元雰囲気となった初期でも、黒煙及び異臭が煙道から排出され難い陶芸窯を提供する。
【解決手段】載置された粘土成形物の方向に火炎が延びる焼成室Aと、焼成室Aと熱交換可能の隔壁としての仕切天井6で仕切られ、焼成室Aで発生した一次燃焼ガスと内壁面に開口された空気導入路8aを経由して導入された空気とが混合され、前記一次燃焼ガス中の可燃性成分が二次燃焼する二次燃焼室Cと、焼成室Aと二次燃焼室Cとを連結する煙道部Bと、二次燃焼室Cの内壁面に開口され、二次燃焼ガスが外部に排出される煙突Dとを具備し、焼成室A内の前記火炎の一部が二次燃焼室C内に進入するように仕切天井6を貫通する火炎孔14が形成され、且つ二次燃焼室C内には、火炎孔14から煙突Dの開口部に至る部分よりも幅狭の内壁面に空気導入路8aが開口されている絞り部C2が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、陶芸品を焼成する際に、排出される燃焼ガスを可及的に無煙とすることができる陶芸窯に関するものである。
一般的に、陶芸用の窯には、使用する燃料材により薪窯、灯油窯、ガス窯、電気窯等がある。また、焼成方法としては、十分な空気を窯の焼成室内に供給して燃料材を完全燃焼させて、焼成室内を酸化雰囲気とする酸化焼成と、焼成室内に供給する空気を調整して燃料材を不完全燃焼させて、焼成室内を還元雰囲気とする還元焼成とがある。
酸化焼成を行った場合と、還元焼成を行った場合とでは、同じ釉薬を用いたとしても作品の仕上がり(色、つや、窯変模様等)に劇的な差が生じることになる。また、無釉で焼締の場合、燃料材として薪を用いることにより生じる降灰が自然釉の素となる。この降灰が付着した粘土成形品を還元雰囲気内で昇温することにより、降灰が発色し、得られる作品に独特の模様等を付与する。
このように陶芸品の焼成方法では、還元焼成は必要であるが、焼成室内温度が850℃以上とならない限りは、焼成室内を還元雰囲気にしても還元焼成の効果は得られない。このため、還元焼成を採用する場合でも、開始後、焼成室内温度が850℃となるまでの間は、焼成室内に十分な空気を供給して燃料材を完全燃焼させて酸化焼成を行い、850℃(或いは900℃)を超えた後に空気供給量を抑制し、焼成室内を還元雰囲気に切り換える、という手法が採られている。
ところで、酸化焼成を行う場合、燃料材は焼成室内にて完全燃焼するため、焼成室内より外部へ排出される燃焼ガスは無色透明となるが、還元焼成を行う場合、特に、燃料材として薪を使用して還元焼成を行う場合には、黒煙及び異臭が外部に排出されることになる。従って、使用される陶芸窯が、住宅地などのように近隣に民家が密集している場所に設置されている場合には、還元焼成を行うことは困難である場合が多い。
このように還元焼成を行う場合に生じる黒煙及び異臭を無煙化・無臭化する陶芸窯として、下記特許文献1には、煙道と炉室とを隔てる炉壁の一部を、部分的に薄層とすることにより、或いは、炉壁に用いられている材料よりも熱伝導率の高い材料の部材と置換することにより、炉室内の熱が煙道の一部に積極的に伝わるように構成され、前記炉室から排出され、前記煙道へ向かって流下する燃焼ガスに、空気が混入するように構成されている無煙陶芸窯が記載されている。
特許第4335831号公報
特許文献1記載の陶芸窯によれば、還元焼成の際に、発生する黒煙及び異臭を可及的に無煙化・無臭化できる。しかしながら、炉室内が還元雰囲気となった初期に、黒煙及び異臭が煙道から排出され易いことがある。
そこで、本発明は、窯の焼成室内が還元雰囲気となった初期でも、黒煙及び異臭が煙道から排出され難い陶芸窯を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた本発明は、載置された粘土成形物の方向に火炎が延びる焼成室と、前記焼成室と熱交換可能の隔壁で仕切られ、前記焼成室で発生した一次燃焼ガスと内壁面に開口された空気導入路を経由して導入された空気とが混合され、前記一次燃焼ガス中の可燃性成分が二次燃焼する二次燃焼室と、前記焼成室と前記二次燃焼室とを連結する煙道部と、前記二次燃焼室の内壁面に開口され、二次燃焼ガスが外部に排出される煙突とを具備し、前記焼成室内の前記火炎の一部が前記二次燃焼室内に進入するように前記隔壁を貫通する火炎孔が形成され、且つ前記二次燃焼室内には、前記火炎孔から前記煙突の開口部に至る部分よりも幅狭の内壁面に前記空気導入路が開口されている絞り部が形成されていることを特徴とする陶芸窯にある。
かかる本発明において、前記隔壁が、前記二次燃焼室側に突出するアーチ状の湾曲部に形成され、前記湾曲部の最も前記二次燃焼室側に突出する部分に前記火炎孔が形成されていることが、焼室内で最も高温となる箇所に火炎孔を形成でき、二次燃焼室内で確実に二次燃焼を惹起できる。
また、前記焼成室の上方に前記隔壁を介して前記二次燃焼室が形成されており、前記隔壁の前記焼成室側には、前記焼成室の前記火炎の対流方向に沿って凹溝が形成され、且つ前記凹溝の底部に前記火炎孔が貫通していることが、焼成室内の温度を急速に昇温し、火炎孔から進入する焼成室内の火炎の一部により二次燃焼を簡単に惹起できる。
更に、前記絞り部の出口近傍に突起部が形成されていることにより、火炎孔から焼成室内の火炎の一部を確実に二次燃焼室内に進入させることができる。
また、前記煙突には、その吸引力を調整する調整手段が設けられていることにより、焼成室及び二次燃焼室の燃焼程度を調整でき、且つ焼成を一時中断することも可能である。
本発明に係る陶芸窯によれば、焼成室が還元雰囲気となった初期においても、焼成室から排出された一次燃焼ガスは、二次燃焼室内で隔壁を貫通する火炎孔を介して進入した燃焼室内の火炎の一部により確実に着火されて燃焼でき、煙突から排出される燃焼ガスを無煙化・無臭化できる。また、二次燃焼室内での一次燃焼ガスと空気との混合ガスの燃焼による熱により、燃焼室内の昇温速度を速めることができ、焼成時間の短縮を図ることができる。
本発明に係る陶芸窯の一例を示す断面斜視図である。 図1に示す二次燃焼室CのX−X面での水平断面図である。 図2に示す陶芸窯のY−Y面での横断面図である。 図1に示す陶芸窯の二次燃焼室内の二次燃焼ガスの流れを説明する説明図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明に係る陶芸窯の一例として薪窯の断面斜視図を図1に示す。図1の陶芸窯は長形状であって、外壁面が天井側を形成する炉天井3と、長辺側の両側面を形成する炉壁2bと、短辺側の側面を形成する炉壁2a,2cと、床面を形成する炉床4とで囲まれている。この陶芸窯は、焼成室A、煙道B、二次燃焼室C及び煙突Dとから構成される。
焼成室Aは、長形であって、炉床4と、短辺側の一方側面を形成する炉壁2aと、長辺側の両側面を形成する炉壁2b,2b(図2参照)と、短辺側の他方側面を形成する仕切壁5と、仕切天井6とで囲まれた空間である。炉壁2aには、その上端部近傍に二次燃焼室C内の燃焼状況を観察する観察孔9と、下端部近傍に開口された空気口19と、観察孔9と空気口19との間に焼成室Aに薪を投入する薪投入口16とが形成されている。薪投入口16には、図示しない開閉板で閉じられており、薪を投入するときに解放される。観察孔9も、通常、閉じられており、二次燃焼室C内を観察するときに解放される。空気口19は、通常、解放されており、焼成室Aへの空気量を調整する際に、耐火レンガ等で解放面積を調整することが行われる。炉床4には、ロストル桟18が設けられている。ロストル桟18は、空気口19と共に空気吸入室Eを構成している。また、仕切壁5は、その下端部の排出口7から排出された一次燃焼ガスを、二次燃焼室Cに導く煙道Bと焼成室Aとを仕切っているものである。仕切天井6は、焼成室Aと二次燃焼室Cとの隔壁であり、二次燃焼室C側に突出するアーチ状の湾曲部に形成されている。
煙道Bは、仕切壁5と炉壁2cとの間に挟まれた空間であって、その一端部が仕切壁5の下端部の複数の排出口7に接続されており、他端部が二次燃焼室Cの一端部側に開口されている。この煙道Bの幅は、焼成室Aの幅と略等しい。
二次燃焼室Cは、図1及び図2(図1に示す二次燃焼室CのX−X面での水平断面図)に示すように、平坦な炉天井3とアーチ状の仕切天井6とに挟まれた空間であって、炉壁2a側に焼成室Aの幅と略等しい幅広部C1が形成され、炉壁2c側に幅広部C1及び煙道Bよりも幅狭の絞り部C2が形成されている。このように二次燃焼室Cはアーチ状の仕切天井6で焼成室Aと仕切られているため、炉壁2c側に幅広部C1の他部よりも広い広空間部S1が形成されている。また、絞り部C2は、煙道Bと接続されており、仕切天井6及び側壁部17,17に囲まれている。側壁部17,17は、図2に示すように先端部が先端ほど幅狭となる先細状に形成されており、先端部の炉壁2b,2b側に切欠部S2が形成されている。また、仕切天井6及び側壁部17,17の内壁には、一端が炉壁2cに開口されている空気孔8a,8b,8cの他端が開口されている。空気孔8a,8b,8cは、絞り部C2内に空気を流入させるものである。空気孔8a,8b,8cからの空気流入量は、炉壁2c側の各開口部にスライド可能に設けられた開閉板10a,10b,10cで調整可能となっている。
煙突Dは、二次燃焼室Cの他端側に形成されており、二次燃焼室Cの幅広部C1に接続されている。煙突Dの入口部には、エアーダンパー12が貫通しており、煙突D内に空気が流入可能となっている。エアーダンパー12からの煙突D内への空気流入量は、スライド可能に設けられた開閉板11により調整可能である。更に、エアーダンパー12には、煙突Dを開閉する煙突開閉板13がスライド可能に設けられている。この煙突開閉板13を閉じることにより、燃焼ガスや熱気の窯からの排出を停止して窯内の温度等を保持できる。
図1及び図2に示す陶芸窯の焼成室Aと二次燃焼室Cとは、アーチ状の仕切天井6を介して熱交換可能である。この仕切天井6は、図3(図2に示す陶芸窯のY−Y面での横断面図)に示すように耐火レンガを用いた耐熱層6aと、耐熱層6aよりも薄層であって、耐火レンガよりも熱伝導率の高い炭化ケイ素板等の材料で形成された熱伝導層6bとが積層されている。熱伝導層6bは、二次燃焼室C側となるように積層されている。更に、仕切天井6の焼成室A側には、薪投入口16から仕切壁5の方向に凹溝6cが形成されており、凹溝6cの底部に熱伝導層6bが露出している。この凹溝6cは、焼成室Aの薪投入口16から仕切壁5側方向に延出されている。凹溝6cの延出方向は、薪投入口16から焼成室Aに投入された薪が燃焼した際に、火炎の対流方向に倣っている。このように凹溝6cの底部に熱伝導層6bが露出していることから、焼成室Aと二次燃焼室Cとの熱交換を迅速に行うことができる。
かかる仕切天井6の最も二次燃焼室C側に突出する部分であって、凹溝6cの底部に露出する熱伝導層6bを貫通する火炎孔14が形成されている。火炎孔14は、絞り部C2の出口近傍の幅広部C1に開口されおり、焼成室Aの火炎の一部が二次燃焼室C内に進入する孔である。
また、図1に示すように、絞り部C2の出口近傍であって、火炎孔14に近接して突起部15が形成されている。突起部15はカマボコ状であって、図2に示すように絞り部C2の幅方向に延出されている。
図1〜図3に示す陶芸窯の薪投入口16からロストル桟18上に投入した薪の燃焼は、開閉板11によるエアーダンパー12の開度調整及び/又は煙突開閉板13による煙突Dの開度調整により、空気口19から空気吸入室Eを経由して焼成室A内に流入する空気量を調整して行われる。焼成室Aの燃焼状態が還元燃焼である場合、薪の燃焼で発生する火炎及び可燃ガスを含有する一次燃焼ガスは焼成室A内を対流しつつ、一次燃焼ガスは仕切壁5の下端部の排出口7,7,7から煙道Bに排出される。この火炎及び一次燃焼ガスの対流方向は、アーチ状の仕切天井6に形成された凹溝6cの延出方向と同一方向である。このような焼成室Aでは、仕切天井6の最も二次燃焼室C側に突出する部分が最も高温部となる。この高温部となる部分の凹溝6cの底部に火炎孔14が貫通されている。火炎孔14の直径は2〜3cm程度とすることが好ましい。火炎孔14の直径が2cm未満であると、焼成室Aの火炎が二次燃焼室C内に進入し難くなる傾向にあり、直径が3cmを超えると、焼成室Aの熱が二次燃焼室Cを経由して煙突Dにバイパスし易くなる傾向にある。また、凹溝6cの底部は、炭化ケイ素板等の耐火レンガよりも熱伝導率の高い材料で形成された熱伝導層6bで形成されており、焼成室Aの熱は主として熱伝導層6bを介して二次燃焼室Cに効率的に伝熱される。
煙道Bに流入した一次燃焼ガスは、二次燃焼室Cの絞り部C2に導かれる。絞り部C2は、幅広部C1及び煙道Bよりも幅狭に形成されていることから、絞り部C2を通過する一次燃焼ガスの流速は幅広部C1及び煙道Bよりも速くなり、絞り部C2の圧力が幅広部C1及び煙道Bよりも低圧となる。このため、空気孔8a,8b,8cから空気を絞り部C2内に吸い込むことができ、一次燃焼ガスに充分な空気を混合できる。尚、空気孔8a,8b,8cからの空気流入量は、各開口部の開度を開閉板10a,10b,10cで調整することにより調整可能である。
このように空気と一次燃焼ガスとが混合された混合ガスは、絞り部C2の出口近傍に形成された突起部15によって更に加速されて幅広部C1内に噴出し、幅広部C1の絞り部C2の出口近傍での圧力が低下し、火炎孔14から焼成室A内の火炎の一部が幅広部C1内に簡単に進入できる。
幅広部C1では、主として凹溝6cの底部を形成する熱伝導層6bを介して伝熱された焼成室Aの熱で加熱されつつ、火炎孔14から幅広部C1内に進入した火炎により、流入した混合ガスに確実に着火し、混合ガス中の可燃性ガスを燃焼して無煙・無臭状態の二次燃焼ガスにできる。このような二次燃焼室Cの燃焼は、二次燃焼室C内が十分に昇温されていなくても、火炎孔14からの火炎によって混合ガスに確実に着火できる。また、二次燃焼室Cでの二次燃焼の熱により、焼成室Aを昇温できる。無煙・無臭状態の二次燃焼ガスは、煙突Dから外部に排出される。
二次燃焼室Cの幅広部C1での二次燃焼ガスの流速は、絞り部C2よりも幅広であるため、絞り部C2のガス流速よりも遅くなる。また、二次燃焼室Cの底面がアーチ状の仕切天井6で形成されていることから、図4(a)に示すように、煙突Dの開口部下方に形成された広空間部S1では、仕切天井6側に廻り込む二次燃焼ガス流が発生して二次燃焼ガスが滞留する。更に、二次燃焼室Cの切欠部S2でも、図4(b)に示すように、切欠部S2に廻り込む二次燃焼ガス流が発生して二次燃焼ガスが滞留する。このため、広空間部S1及び切欠部S2には、二次燃焼ガスに同伴していた火の粉や灰が滞留する。このように二次燃焼室C内での二次燃焼は、広空間部S1及び切欠部S2に火の粉や灰が滞留しつつ続行され、煙突Dから火の粉や灰が外部に飛散することを防止できる。また、陶芸品の焼成が終了してから、焼成窯を清掃する際にも、二次燃焼室Cでは、灰が広空間部S1及び切欠部S2に主として堆積しており、その箇所を掃除することで足りる。
焼成室Aから煙突Dへの燃焼ガスの流速等は、煙突Dの下端部に設けられたエアーダンパー12の開口程度を開閉板11で調整することにより制御できる。また、エアーダンパー12の煙突開閉板13をスライドすることによっても、焼成室Aから煙突Dへの燃焼ガスの流速等を調整できる。更に、空気口19の開口部を部分的にレンガ等で塞ぐことによっても煙突Dへの燃焼ガスの流速等を調整できる。
図1〜図4に示す陶芸窯を用いて陶芸品を焼成するには、焼成室Aの仕切壁5から炉壁2a方向に粘土成形物を載置した後、薪投入口16からロストル桟18上に投入した薪に着火して粘土成形物の焼成を開始する。焼成は、開閉板11によるエアーダンパー12の開度調整及び/又は煙突開閉板13による煙突Dの開度調整により、空気口19から空気吸入室Eを経由して焼成室A内に流入する空気量を調整つつ、薪投入口16から薪を焼成室A内に適宜投入して続行する。先ず、焼成室Aを所定温度まで昇温する炙り焼成を行う。炙り焼成では、薪投入口16及び空気口19から焼成室A内に十分な空気量を供給して酸化焼成を行う。酸化焼成では、焼成室A内は完全燃焼状態であるため、焼成室Aから排出される一次燃焼ガス中には可燃性ガスは殆ど含有されていない状態であり、火炎孔14から火炎が二次燃焼室C内に進入しても二次燃焼は惹起されない。
焼成室Aの温度が850℃(或いは900℃)を超えた後に、投入する薪量及び/又は空気口19からの焼成室Aへの空気供給量を抑制し還元焼成を行い、粘土成形物に降灰を付着し発色させる。このような還元焼成では、焼成室A内は不全燃焼状態であり、焼成室Aから排出される一次燃焼ガス中には多量の可燃性ガスが含有されており、いわゆる黒煙状態である。この一次燃焼ガスは、仕切壁5の下端部の排出口7,7,7から煙道Bに排出され、仕切天井6、特に凹溝6cの底部を介して焼成室Aの熱で加熱されている二次燃焼室Cに導入される。二次燃焼室Cに導入された一次燃焼ガスは、絞り部C2を通過しつつ空気孔8a,8b,8cからの空気と十分に混合された混合ガスとなって幅広部C1内に噴出される。焼成室Aの温度が850℃(或いは900℃)〜1200℃の範囲では、二次燃焼室Cの内温が十分に昇温されておらず混合ガスに着火し難い。
図1〜図4に示す陶芸窯では、幅広部C1内の混合ガスは、仕切天井6に形成された火炎孔14から焼成室A内の火炎の一部が進入し混合ガスに確実に着火して二次燃焼される。二次燃焼室Cで燃焼されて無煙・無臭状態の二次燃焼ガスは煙突Dから排出される。二次燃焼室C内での二次燃焼状態は観察孔9から観察できる。二次燃焼状態は、開閉板10a,10b,10cの空気孔8a,8b,8cの開口度を調整して空気吸い込み量及び/又は開閉板11や煙突開閉板13による煙突Dによる二次燃焼室Cからの吸い込み量を調整して最適状態とすることができる。
幅広部C1での二次燃焼は、幅広部C1内の空間部S1及び切欠部S2に火の粉や灰が滞留しつつ続行され、煙突Dから火の粉や灰が外部に飛散することを防止できる。更に、二次燃焼によって仕切天井6を介して焼成室A内も加熱され、焼成室A内の昇温速度を速めることができ、還元焼成時間の短縮化を図ることができる。
焼成室Aが1200℃以上では、粘土成形物に付着した降灰を十分に発色させる仕上げ焼成となる。仕上げ焼成では、二次燃焼室Cが十分に昇温されており、二次燃焼室C内で混合ガスに着火し燃焼している。このため、煙突Dからは無煙・無臭状態の二次燃焼ガスが排出される。この仕上げ焼成は、焼成室Aが1250〜1300℃に到達するまで続行される。仕上げ焼成が終了したとき、煙突開閉板13で煙突Dを閉じ且つ開閉板11を開くことにより、薪投入口16及び空気口19からの焼成室Aへの空気を遮断して消火し放冷する。放冷の際に、煙突開閉板13及び/又は開閉板11の開度を調整して、焼成室Aの放冷速度を調整することも可能である。
図1〜図4に示す陶芸窯を用いた陶芸品の焼成では、焼成時間を32〜35時間程度とすることができ、煙突Dからの黒煙や異臭の排出を防止できる。このため、図1〜図4に示す陶芸窯は民家の近くであっても設置可能である。一方、従来の二次燃焼室Cを有しない一般の陶芸窯では、焼成時間は約60時間程度を必要とし、還元焼成では煙突から黒煙や異臭が排出される。このため、民家の近くには設置できず、山中等の人里離れた場所にしか設置できない。また、図1〜図4に示す陶芸窯では、還元焼成の途中で焼成室Aの温度を保持しつつ焼成を中断できる。この焼成の中断は、煙突開閉板13で煙突Dを閉じ且つ開閉板11を開くことにより、空気口19からの焼成室Aへの空気を遮断して焼成室Aの温度を保持しつつ行うことができる。このため、焼成作業を一時中断して焼成者の休憩を取ることができる。尚、図1〜図4に示す陶芸窯では、釉薬を用いた陶芸品であっても、無釉薬の焼締の陶芸品であっても焼成できる。
以上、本発明の陶芸窯について、薪窯を例示して説明してきたが、灯油窯、ガス窯にも本発明を適用できる。電気窯でも、ガスを導入して不完全燃焼を惹起させて還元燃焼を行う場電気窯にも本発明を適用できる。また、仕切天井6に凹溝6cを形成しなくても、仕切天井6の厚さを薄くすることにより、仕切天井6の全体から焼成室Aの熱を二次燃焼室C内に伝熱できる。更に、仕切天井6を平坦状に形成した場合であっても、二次燃焼室C内での燃焼を、煙突開閉板13及び/又は開閉板11の開度を調整して煙突Dから火の粉等が排出しないように制御できる。尚、図1〜図3に示す陶芸窯では、焼成室Aと二次燃焼室Cとを仕切天井6を介して上下方向に積層しているが、焼成室Aと二次燃焼室Cとを熱交換可能の隔壁で仕切って側方向に配置してもよい。
本発明に係る陶芸窯は、陶芸品の焼成に好適に用いることができる。
2a, 2b,2b 炉壁
3 炉天井
4 炉床
5 仕切壁
6 仕切天井
6a 耐熱層
6b 熱伝導層
6c 凹溝
7 排出口
8a,8b,8c 空気孔
9 観察孔
10a,10b,10c 開閉板
11 開閉板
12 エアーダンパー
13 煙突開閉板
14 火炎孔
15 突起部
16 薪投入口
17 側壁部
18 ロストル桟
19 空気口
A 焼成室
B 煙道
C 二次燃焼室
C1 幅広部
C2 絞り部
D 煙突
E 空気吸入室
S1 広空間部
S2 切欠部

Claims (5)

  1. 載置された粘土成形物の方向に火炎が延びる焼成室と、前記焼成室と熱交換可能の隔壁で仕切られ、前記焼成室で発生した一次燃焼ガスと内壁面に開口された空気導入路を経由して導入された空気とが混合され、前記一次燃焼ガス中の可燃性成分が二次燃焼する二次燃焼室と、前記焼成室と前記二次燃焼室とを連結する煙道部と、前記二次燃焼室の内壁面に開口され、二次燃焼ガスが外部に排出される煙突とを具備し、
    前記焼成室内の前記火炎の一部が前記二次燃焼室内に進入するように前記隔壁を貫通する火炎孔が形成され、
    且つ前記二次燃焼室内には、前記火炎孔から前記煙突の開口部に至る部分よりも幅狭の内壁面に前記空気導入路が開口されている絞り部が形成されていることを特徴とする陶芸窯。
  2. 前記隔壁が、前記二次燃焼室側に突出するアーチ状の湾曲部に形成され、前記湾曲部の最も前記二次燃焼室側に突出する部分に前記火炎孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の陶芸窯。
  3. 前記焼成室の上方に前記隔壁を介して前記二次燃焼室が形成されており、前記隔壁の前記焼成室側には、前記焼成室の前記火炎の対流方向に沿って凹溝が形成され、且つ前記凹溝の底部に前記火炎孔が貫通していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の陶芸窯。
  4. 前記火炎孔の前記絞り部の出口近傍に突起部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の陶芸窯。
  5. 前記煙突には、その吸引力を調整する調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の陶芸窯。
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