JPH07246472A - 回転アーク溶接トーチ - Google Patents

回転アーク溶接トーチ

Info

Publication number
JPH07246472A
JPH07246472A JP3878394A JP3878394A JPH07246472A JP H07246472 A JPH07246472 A JP H07246472A JP 3878394 A JP3878394 A JP 3878394A JP 3878394 A JP3878394 A JP 3878394A JP H07246472 A JPH07246472 A JP H07246472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eccentric ring
ring
eccentric
arc
welding torch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3878394A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2684987B2 (ja
Inventor
Masao Kobayashi
征夫 小林
Yuji Sugitani
祐司 杉谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP3878394A priority Critical patent/JP2684987B2/ja
Publication of JPH07246472A publication Critical patent/JPH07246472A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2684987B2 publication Critical patent/JP2684987B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二重偏心リングによる回転アーク溶接トーチ
のアーク回転径の自動変更機構の信頼性を向上させる。 【構成】 電極10の基端を支点として電極中間部を二
重偏心リング20にて回転可能に支持し、その外側偏心
リング1を高速回転モータ31で回転させることにより
電極に歳差運動をさせるとともに、アーク回転径の変更
の際、内側偏心リング2のギヤ13に着脱可能に結合し
てこれを低速回転させる減速機付き小型モータ31を設
け、エアシリンダ51のロッド52を外側偏心リング1
の挿入孔47に挿入して該リングの固定とボールロック
機構40のロック解除を同時に行い、外側偏心リングと
の位相角を自動変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転アーク溶接に使用
する溶接トーチに関し、特に溶接アークの回転直径の自
動変更を可能にした回転アーク溶接トーチに関する。
【0002】
【従来の技術】溶接トーチの電極に歳差運動をさせるこ
とにより、溶接アークが円運動をするものは、例えば特
開昭62−104684号公報に記載されている。その
構成は、電極の上部を自動調心玉軸受により支持すると
ともに、電極中間部を自動調心玉軸受を介して偏心リン
グにより支持し、その偏心リングに取り付けられたギヤ
機構をモータで回転駆動するものである。偏心リングを
モータにより回転駆動すると、電極はその上部の自動調
心玉軸受を支点として歳差運動をするので、溶接ワイヤ
の先端にて発生する溶接アークが所定の直径を持つ円運
動をする。これによって、溶接アークを高速度で回転さ
せながら溶接をすることができる。いわゆる高速回転ア
ーク溶接が可能である。
【0003】また、溶接アークの回転直径(以下、アー
ク回転径という)を変更する必要がある場合には、上部
及び下部の自動調心玉軸受間の距離を変更するか、もし
くは異なる偏心量を持つ偏心リングと交換しなければな
らない。
【0004】しかし、偏心リングの交換は手作業によら
ざるを得ず、交換に時間がかかる。一方、自動調心玉軸
受間の距離の変更は自動変更が可能であるが、この距離
調節装置を上部及び下部の自動調心玉軸受間に装着しな
ければならないので、電極が長くなり、装置が大形にな
る欠点がある。
【0005】また、例えば特開平4−182073号公
報に示されるように内外二重に組み合わせた二重偏心リ
ングにより偏心量可変に構成し、両偏心リングの間に相
対的な位相角を与えることによってアーク回転径を自動
変更することができる。この場合、アーク回転径の変更
の際には一方の偏心リングを固定し、そのうえで他方の
偏心リングを回転させる必要がある。また、アーク回転
径の変更終了後には両偏心リングを一体的に固定する必
要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記特開平
4−182073号公報に示された技術に更に改良を加
えたものである。基本的な考え方は同じであるが、特に
アーク回転径の変更の際における一方の偏心リングの固
定と他方の偏心リングの回転方法について、リングロッ
ク手段との位置合わせ及び両偏心リングの割り出しをよ
り容易・確実にし、アーク回転径の自動変更の信頼性を
高めることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る回転アーク
溶接トーチは、基端を支点とし、中間部を偏心量可変の
二重偏心リングにより支持し、その外側偏心リングを回
転駆動することにより歳差運動をする電極と、内側偏心
リング及び外側偏心リングの間の相対的な位相角を割り
出し可能に保持する位相差保持手段と、アーク回転径の
変更の際いずれか一方の偏心リングを固定するリングロ
ック手段とを備えた回転アーク溶接トーチにおいて、前
記外側偏心リングの回転駆動手段とは別に設けられ、前
記内側偏心リングまたは外側偏心リングを低速度で回転
駆動するリング低速回転駆動手段と、前記リング低速回
転駆動手段をアーク回転径の変更の際にのみ前記内側偏
心リングまたは外側偏心リングに駆動連結するリング結
合着脱手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】ここで、リング低速回転駆動手段とは、減
速比の大きい通常の減速機付きモータだけでなくステッ
ピングモータ(パルスモータ)のように内側偏心リング
または外側偏心リングを一定の角度ずつ回転させる手段
を含むものである。また、リング結合着脱手段とは、前
記のような減速機付きモータやステッピングモータをア
ーク回転径の変更の際にのみスライドまたは旋回させて
回転駆動すべき内側偏心リングまたは外側偏心リングを
駆動するように結合(駆動連結)する手段であり、クラ
ッチによる切り替え手段を含むものである。
【0009】本発明における電極は消耗電極、非消耗電
極を問わない。一般には消耗電極として溶接ワイヤを用
いるMIG溶接トーチに適用されるが、非消耗電極であ
るTIG溶接トーチにも本発明を適用することができ
る。
【0010】割り出し可能な位相差保持手段は、内側偏
心リングと外側偏心リングの間に設けられた、例えばバ
ネ加圧式のボールロック機構またはプランジャーロック
機構により構成され、両偏心リングの一方の接触面には
そのボールまたはプランジャーが位相角を割り出し可能
に係合するよう凹部を円周方向に所定角度で複数設けた
構成となっている。
【0011】また、本発明は、前記リングロック手段が
前記一方の偏心リングの壁に挿入するロッドを有し、該
ロッドの挿入により該偏心リングの固定と前記位相差保
持手段のロック解除を同時に行う構成となっていること
を特徴とする。
【0012】また、前記リング低速回転駆動手段が前記
固定された一方の偏心リングに対し他方の偏心リングの
位相角を設定する位相角設定器を有することを特徴とす
る。
【0013】
【作用】まず、本発明のアーク回転径可変の原理を図
9、図10に従って説明する。一般に、アーク回転径D
は、次式(1)で表わされる。 D=(L/K)×d …(1) ただし、d:偏心リングの偏心量 K:電極の支点から偏心リングの電極支持部までの距離 L:電極の支点から溶接アーク発生点の電極先端までの
距離
【0014】そこで、図9に示すように、偏心リング
を、偏心量d1 を持つ外側偏心リング1と、偏心量d2
を持つ内側偏心リング2の組み合わせによる二重偏心リ
ングにて構成し、両リングの組み合わせ角度を変える
と、二重偏心リングの偏心量dを変化させることができ
る。ここでは簡単のため、各々の偏心量d1 とd2 は等
しくd1 =d2 =d0 として説明する。例えば、図9の
(a)は外側偏心リング1及び内側偏心リング2の偏心
方向を共に上向きに一致させた場合であり、両リングの
位相差(相対回転角)θは0°である。このとき二重偏
心リングの偏心量dは最大に2d0 となる。またその偏
心方向は上向きで、外側偏心リングの偏心方向を基準と
する偏心方向角度αは0°となる。(b)は外側偏心リ
ング1の偏心方向を上向き、内側偏心リング2の偏心方
向を左向きにした場合で、両リングの位相差θは90°
である。このとき二重偏心リングの偏心量d=21/2 ×
0 となり、偏心方向及び角度は左45°斜め上向きと
なる。また(c)は外側偏心リング1の偏心方向を上向
き、内側偏心リング2の偏心方向を下向きとした場合
で、両リングの位相差θは180°である。このとき二
重偏心リングの偏心量d=0(最小値)となり、偏心方
向及び角度は現れず、二重偏心リングは真円となる。こ
のように二重偏心リングの偏心量dは、0≦d≦2d0
の範囲で変化する。
【0015】図10は二重偏心リングの偏心量d及び偏
心方向角度αを求めるための説明図である。図におい
て、A点は外側偏心リングの外径aの中心、B点は外側
偏心リングの内径bの中心で、かつ内側偏心リングの外
径bの中心、C点は内側偏心リングの内径cの中心、す
なわち電極の中心とし、また外側偏心リングと内側偏心
リングの偏心方向のズレ、すなわち位相差をθ(0°≦
θ≦180)、外側偏心リングの偏心量をd1 ,内側偏
心リングの偏心量をd2 とすると、二重偏心リングの偏
心量dは d={(d2 sin θ)2 +(d1 +d2 cos θ)2 1/2 =(d1 2 +d2 2 +2d1 2 cos θ)1/2 …(2) また、d1 =d2 =d0 のときは d=d0 {2(1+cos θ)}1/2 …(2a) となる。偏心方向角度αは α=tan -1{(d2 sin θ)/(d1 +d2 cos θ)} …(3) また、d1 =d2 =d0 のときは α=tan -1{sin θ/(1+cos θ)} …(3a) となる。ここで、d1 ,d2 は定数(既知)であるか
ら、位相差θが分かれば、二重偏心リングの偏心量d及
び偏心方向角度αが求まる。(2)式、(3)式より位
相差θを変えたときの偏心量d及び偏心方向角度αを計
算すると、表1のようになる。
【0016】
【表1】
【0017】そこで、本発明では、アーク回転径を変更
する際、まず、リング結合着脱手段によりリング低速回
転駆動手段を二重偏心リングの一方の偏心リングに駆動
連結し、該偏心リングを低速回転させる。二重偏心リン
グは位相差保持手段により一体的に固定されているの
で、他方の偏心リングも同調して低速回転する。このよ
うに二重偏心リングを低速回転することによりリングロ
ック手段の位置合わせが容易かつ確実にできる。
【0018】次に、リングロック手段により一方の偏心
リングを固定した状態で他方の偏心リングを所要の位相
角となるように回転する。位相角はリング低速回転駆動
手段に設けられた位相角設定器により設定し、かつ位相
差保持手段がその位相角の位置に両リングを固定し保持
する。位相角設定器の出力基準値は、リング低速回転駆
動手段を偏心リングから開離させている期間中に、変更
前の偏心量に合致した値に合わせておけば良い。また、
リングロック手段をロッドの挿入により偏心リングの固
定と位相差保持手段のロック解除を同時に行う構成とす
ることにより、他方の偏心リングが回転フリーの状態に
なるので、位相角の変更が容易・確実にできる。位相角
の変更後は、リング低速回転駆動手段及びリングロック
手段を元の位置に戻し、回転駆動手段で外側偏心リング
を高速回転する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に従って説明す
る。 (実施例1)図1は本発明の溶接トーチの実施例1を示
す正面断面図、図2は上面図、図3は図1のA−A線断
面図、図4は図1のB−B線断面図で、(a)は内側偏
心リングの非駆動連結時、(b)は同リングの駆動連結
時の図である。図5は図3のC−C線断面図である。こ
の実施例1は、高速回転アーク溶接に使用するMIG溶
接トーチの例を示すものであり、電極10の上部(基
端)を電極1の支点を構成する自動調心玉軸受11によ
り支持するとともに、電極中間部を自動調心玉軸受12
を介して二重偏心リング20により回転可能に支持する
構成となっている。二重偏心リング20の外側偏心リン
グ1と内側偏心リング2はそれぞれ偏心部1a,2aと
同軸円筒部1b,2bを有し、両リングの外側偏心部1
aと内側偏心部2aが図9と同様の関係で密接に嵌合さ
れ、両偏心部の間に後述する位相差保持機構が設けられ
ている。また、内側偏心部2a内に上記自動調心玉軸受
12が装着されている。内側偏心リング2の同軸円筒部
2bは外側偏心リング1の上方に突出しており、この同
軸円筒部2bに後述するリング低速回転駆動装置と駆動
連結されるギヤ13を設けている。図中、3は電極10
の中心を通る溶接ワイヤ、4は溶接アーク、5は被溶接
材である。また、14はそれぞれの自動調心玉軸受1
1,12と電極1の間に装着された絶縁ブッシュであ
る。
【0020】外側偏心リング1の同軸円筒部1bに回転
駆動装置30を装着する。この回転駆動装置30は、高
速回転モータ31と、ベルト・プーリ伝動機構32と、
ギヤ伝動機構33からなっており、ギヤ伝動機構33の
従動ギヤ33aが同軸円筒部1bに取り付けられてい
る。また同軸円筒部1bは軸受34により回転自在にギ
ヤボックス35に支持されている。したがって、高速回
転モータ31の回転力はベルト・プーリ伝動機構32,
ギヤ伝動機構33を経て同軸円筒部1bに伝達され、外
側偏心リング1を高速回転させる。また、内側偏心リン
グ2は位相差保持機構により外側偏心リング1と一体的
に固定されているため、外側偏心リング1と一体回転す
る。
【0021】位相差保持機構40は、図3、図5に示す
ようにボールロック機構の例で示されている。このボー
ルロック機構は、両偏心部1a,2aの間に介入された
ボール41と、ボール41が嵌合するように内側偏心部
2aの外周に等間隔に設けられた凹部42と、ボール4
1のロック及びロック解除をするように外側偏心部1a
の穴43に装着された押当て板44と、押当て板44を
加圧しボール41をロック状態に保持するバネ45から
構成されている。さらに、押当て板44の内面の先端部
にはボール41のロック解除を可能にするよう段差部4
6を設けている。また、外側偏心部1aの上面には次に
述べるリングロック装置のロッドが挿入する挿入孔47
が設けられ、そのロッド先端で押当て板44を押し下
げ、ボール41のロック解除とリングロックを同時に行
うようになっている。なお、押当て板44は円弧状また
は角形に形成されている。位相差保持機構40はバネ加
圧式のプランジャーロック機構でも良い。
【0022】図3、図6に示すように、リングロック装
置50は、外側偏心リング1のロックと位相差保持機構
40のロック解除を同時に果たすエアシリンダ装置の例
で示されている。図6はロッド挿入時の断面図である。
それぞれのエアシリンダ51のロッド52を外側偏心部
1aの挿入孔47に挿入し、外側偏心リング1を固定す
るとともに、ロッド52の先端で押当て板44を押し下
げ、ボール41のロックを解除する。押当て板44を押
し下げると、ボール41は押当て板44の段差部46に
落ち込むので、ボール41のロックが解除される。これ
によって内側偏心リング2は外側偏心リング1に対し回
転フリーとなる。53,54は圧縮空気の給排気口、5
5は上記ギヤボックス35上に取り付けられたケーシン
グで、エアシリンダ装置はこのケーシング55内に装着
されている。56は押当て板44のロック位置を検出す
る反射型のセンサーで、外側偏心部1aの窓57を通し
て押当て板44の下端位置を検出する。なお、本実施例
はボールロック機構を180°間隔で2個配置したもの
であるが、1個でも機能するものであり、その場合エア
シリンダ装置も1個となる。また、押当て板44をリン
グにした場合にはエアシリンダ装置は最低限2個必要で
ある。
【0023】次に、リング低速回転駆動装置60は、図
1に示すように減速機付き小型モータの例で示されてい
る。この減速機62にギヤ駆動機構63が取り付けられ
ており、溶接中は図4(a)のようにギヤ駆動機構63
は内側偏心リング2のギヤ13から離れており、アーク
回転径の変更の際にのみ図4(b)のようにスライドし
てギヤ13に結合する。小型モータ61の回転を減速機
62で減速し、内側偏心リング2を0.5〜1rpm 程度
で回転させるようにしている。64はギヤ駆動機構63
に結合された位相角設定器で、ポテンショメータ、エン
コーダなどからなる。また、リング低速回転駆動装置6
0はステッピングモータでも良い。
【0024】また、この減速機付き小型モータは、ケー
シング55にスライド可能に装着されており、ケーシン
グ55上にリング結合着脱装置70が設置されている。
リング結合着脱装置70はエアシリンダ装置の例で示さ
れている。ケーシング55の上面部にガイド用の開口部
56を設け、減速機62の上部スライド板65にて開口
部56内で減速機付き小型モータ61を摺動自在に支持
するとともに、エアシリンダ71のロッド72を上部ス
ライド板65に連結し、減速機付き小型モータ61をス
ライドさせる構成となっている。また、図示は省略する
が、ガイドローラやガイド棒などのガイド機構を設けて
も良い。リング結合着脱装置70には送りネジによるス
ライド機構、アームの旋回により駆動連結の開閉をする
旋回機構、クラッチにより駆動連結の入り・切りをする
切り替え機構などを使用することができる。
【0025】図7は内側偏心リングの基準位置を検出す
る方法の一例を示したものである。停電などにより内側
偏心リング2の偏心位置が不明になった場合に対処する
ものである。この位置検出器80は発光素子81と受光
素子82からなり、発光素子81から発せられたレーザ
ビーム83が内側偏心リング2の同軸円筒部2bに水平
に貫通させた貫通孔84を通して受光素子82に達した
時に内側偏心リング1の回転を停止することにより、内
側偏心リング1の基準偏心位置(例えば、偏心方向角度
α=0°の位置)を検出する。
【0026】この実施例1は、以上のように構成されて
おり、回転駆動装置30により外側偏心リング1を回転
駆動すれば、図1のように電極10が上部を支点とする
歳差運動をするので、溶接アーク4を高速回転させるこ
とができる。このときのアーク回転径Dは、前述のよう
に二重偏心リング20の偏心量dにより(1)式から求
めることができる。
【0027】アーク回転径を変更する際の手順は以下の
とおりである。 (1)基準位置合わせ まず、外側偏心リング1を固定するためにエアシリンダ
51のロッド52と挿入孔47の位置合わせをする。そ
れには、電極10の回転を停止した後、減速機付き小型
モータ61をエアシリンダ71で前進させ、そのギヤ駆
動機構63を内側偏心リング2のギヤ13に噛み合わ
せ、小型モータ61を駆動して内側偏心リング2を低速
回転させる。このとき位相差保持機構40のボール41
はロック状態にあるため、内側偏心リング2と共に外側
偏心リング1が同時に低速回転し、回転モータ31のエ
ンコーダ(図示せず)の停止信号で両リング1,2の回
転を停止させる。これによって、ロッド52と挿入孔4
7の位置合わせができるとともに、外側偏心リング1の
基準位置が決まる。 (2)内外リングの分離 次に、エアシリンダ51のロッド52を挿入孔47に挿
入し、外側偏心リング1を固定すると同時に、ロッド5
2の先端で押当て板44を押し下げ、ボール41のロッ
クを解除する。このロック解除により内側偏心リング2
は外側偏心リング1から分離され、回転フリーの状態と
なる。 (3)位相角設定器の出力合わせ 減速機付き小型モータ61をエアシリンダ71で元の位
置に戻し、ギヤ駆動機構63を内側偏心リング2のギヤ
13から外した後、ギヤ駆動機構63に結合している位
相角設定器64の出力を変更前の偏心量に合致した出力
値(プログラム値)に合わせるため、小型モータ61
を回転しそのプログラム値で停止させる。これは、位
相角設定器64の出力が前記(1)の基準位置合わせ時
の回転操作で変化しているため、二重偏心リング20の
偏心量を変更するためには位相角設定器64の出力の基
準値を求める必要があるからである。 (4)偏心量の変更 再びギヤ駆動機構63をエアシリンダ71で内側偏心リ
ング2のギヤ13に結合し、内側偏心リング2を回転さ
せ、外側偏心リング1との位相角を変更し、その位相角
に対応する位相角設定器64の出力値(プログラム値
)に合わせて停止する。これによって二重偏心リング
20の偏心量の変更・設定が終了する。 (5)正常復帰 ギヤ駆動機構63の内側偏心リング2との結合をエアシ
リンダ71で外し、またエアシリンダ51のロッド52
を挿入孔47から脱却させて外側偏心リング1の固定を
解除する。かつ、このロッド52の脱却により、ボール
41をバネ45により復帰した押当て板44により押し
付け、内側偏心リング2の上記位相角に対応する位置の
凹部42に嵌合させて、外側偏心リング1と内側偏心リ
ング2を固定する。ボール41のロック完了位置を押当
て板44の位置検出用の反射型のセンサー56で検出
し、またエアシリンダ71の戻りをセンサー(図示せ
ず)で検出して正常復帰を確認する。
【0028】(実施例2)図8は本発明の実施例2を示
す概略部分断面図である。この実施例2は外側偏心リン
グ1をリング低速回転駆動装置60で低速回転させる場
合を示している。そのため、リングロック装置50のシ
リンダロッド52を内側偏心リング2の上面に設けた挿
入孔47に挿入することにより、内側偏心リング2の固
定と位相差保持機構40のボール41のロック解除を同
時に行う構成となっている。また、リング低速回転駆動
装置60のギヤ駆動機構63は外側偏心リング1の偏心
部1aに設けられたギヤ13と実施例1と同様のリング
結合着脱装置(図示せず)により着脱可能に結合するよ
うになっている。また、外側偏心部1aには円周方向に
等間隔に貫通孔48が設けられ、ボール41をこの貫通
孔48の内縁に嵌合させることによって位相角を割り出
す構成となっている。ボール41,押当て板44,バネ
45は内側偏心リング2の偏心部2aに装着されてい
る。このような実施例2の構成によっても、実施例1と
同様に二重偏心リング20の偏心量の自動変更が可能で
ある。
【0029】また、本発明はTIG溶接トーチのアーク
回転径を自動変更する場合にも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明は、アーク回転径の
変更の際にのみ一方の偏心リングにリング低速回転駆動
手段を駆動連結して該偏心リングを低速回転させる構成
となっているので、他方の偏心リングを固定するための
リングロック手段との固定位置の位置合わせを極めて容
易・確実にできる効果が得られる。
【0031】また、リングロック手段のロッドの挿入に
より、偏心リングの固定と位相差保持手段のロック解除
を同時に行うので、他方の偏心リングが回転フリーの状
態になるため、その他方の偏心リングの位相角を容易・
確実に変更することができる効果が得られる。
【0032】また、位相角設定器をリング低速回転駆動
手段に設けているので、偏心リングの非駆動連結時に位
相角設定器の出力の基準合わせができ、偏心量変更時の
位相角の設定が容易にできる効果がある。以上の結果、
アーク回転径の自動変更の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の断面正面図である。
【図2】図1の上面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】図3のC−C線断面図である。
【図6】リングロック手段のロッドの挿入時の断面図で
ある。
【図7】内側偏心リングの基準位置を検出する方法を示
す説明図である。
【図8】本発明の実施例2の概略部分断面図である。
【図9】本発明における二重偏心リングの偏心量可変の
原理を示す説明図である。
【図10】二重偏心リングの偏心量及び偏心方向角度を
求めるための説明図である。
【符号の説明】
1 外側偏心リング 2 内側偏心リング 3 溶接ワイヤ 4 溶接アーク 10 電極 11,12 自動調心玉軸受 13 ギヤ 20 二重偏心リング 30 回転駆動装置 40 位相差保持機構 41 ボール 42 凹部 43 穴 44 押当て板 45 バネ 46 段差部 47 挿入孔 48 貫通孔 50 リングロック装置 51 エアシリンダ 52 ロッド 60 リング低速回転駆動装置 61 減速機付き小型モータ 63 ギヤ駆動機構 64 位相角設定器 70 リング結合着脱装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基端を支点とし、中間部を偏心量可変の
    二重偏心リングにより支持し、その外側偏心リングを回
    転駆動することにより歳差運動をする電極と、内側偏心
    リング及び外側偏心リングの間の相対的な位相角を保持
    する割り出し可能な位相差保持手段と、溶接アークの回
    転直径の変更の際いずれか一方の偏心リングを固定する
    リングロック手段とを備えた回転アーク溶接トーチにお
    いて、 前記外側偏心リングの回転駆動手段とは別に設けられ、
    前記内側偏心リングまたは外側偏心リングを低速度で回
    転駆動するリング低速回転駆動手段と、 前記リング低速回転駆動手段を溶接アークの回転直径の
    変更の際にのみ前記内側偏心リングまたは外側偏心リン
    グに駆動連結するリング結合着脱手段と、を備えたこと
    を特徴とする回転アーク溶接トーチ。
  2. 【請求項2】 前記リングロック手段が前記一方の偏心
    リングの壁に挿入するロッドを有し、該ロッドの挿入に
    より該偏心リングの固定と前記位相差保持手段のロック
    解除を同時に行う構成となっていることを特徴とする請
    求項1記載の回転アーク溶接トーチ。
  3. 【請求項3】 前記リング低速回転駆動手段が前記固定
    された一方の偏心リングに対し他方の偏心リングの位相
    角を設定する位相角設定器を有することを特徴とする請
    求項1記載の回転アーク溶接トーチ。
JP3878394A 1994-03-09 1994-03-09 回転アーク溶接トーチ Expired - Fee Related JP2684987B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3878394A JP2684987B2 (ja) 1994-03-09 1994-03-09 回転アーク溶接トーチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3878394A JP2684987B2 (ja) 1994-03-09 1994-03-09 回転アーク溶接トーチ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07246472A true JPH07246472A (ja) 1995-09-26
JP2684987B2 JP2684987B2 (ja) 1997-12-03

Family

ID=12534900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3878394A Expired - Fee Related JP2684987B2 (ja) 1994-03-09 1994-03-09 回転アーク溶接トーチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2684987B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102229020A (zh) * 2011-06-21 2011-11-02 华南理工大学 一种熔化极气体保护焊枪
US20150190878A1 (en) * 2013-07-09 2015-07-09 Weld Revolution, LLC Apparatus and Method for use of Rotating Arc Process Welding
CN106041261A (zh) * 2016-08-02 2016-10-26 无锡研奥电子科技有限公司 具有防尘作用的旋转电弧传感器
CN106077903A (zh) * 2016-08-02 2016-11-09 无锡研奥电子科技有限公司 一种旋转电弧传感器
CN106112209A (zh) * 2016-08-02 2016-11-16 无锡研奥电子科技有限公司 旋转电弧传感器壳体
CN106141377A (zh) * 2016-08-02 2016-11-23 无锡研奥电子科技有限公司 旋转电弧传感器的信号采集装置
CN117943767A (zh) * 2024-03-22 2024-04-30 广东博盈特焊技术股份有限公司 一种圆弧式焊枪摆动器装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102229020A (zh) * 2011-06-21 2011-11-02 华南理工大学 一种熔化极气体保护焊枪
US20150190878A1 (en) * 2013-07-09 2015-07-09 Weld Revolution, LLC Apparatus and Method for use of Rotating Arc Process Welding
JP2016528045A (ja) * 2013-07-09 2016-09-15 ウェルド レボリューション リミテッド ライアビリティー カンパニーWeld Revolution LLC 回転アークプロセス溶接を使用するための装置および方法
CN106041261A (zh) * 2016-08-02 2016-10-26 无锡研奥电子科技有限公司 具有防尘作用的旋转电弧传感器
CN106077903A (zh) * 2016-08-02 2016-11-09 无锡研奥电子科技有限公司 一种旋转电弧传感器
CN106112209A (zh) * 2016-08-02 2016-11-16 无锡研奥电子科技有限公司 旋转电弧传感器壳体
CN106141377A (zh) * 2016-08-02 2016-11-23 无锡研奥电子科技有限公司 旋转电弧传感器的信号采集装置
CN117943767A (zh) * 2024-03-22 2024-04-30 广东博盈特焊技术股份有限公司 一种圆弧式焊枪摆动器装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2684987B2 (ja) 1997-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0685296B1 (fr) Machine pneumatique d'usinage
JP2684987B2 (ja) 回転アーク溶接トーチ
US6331133B1 (en) Automatic drill bit re-pointing apparatus and method
US4832474A (en) Microscope apparatus for examining wafer
KR20200048395A (ko) 정회전과 역회전이 가능한 용접용 턴테이블 장치
EP3275579A1 (fr) Dispositif de perçage à vitesse d'avance automatique ou contrôlée à broche auto alignante
JP4016426B2 (ja) 被加工物に円錐形又は所定形状の穴を穿孔するための方法及び装置
JP3733549B2 (ja) 光ファイバ調芯固定装置
KR20020001560A (ko) 선삭가공공구
JPH0822485B2 (ja) 等速ボ−ルジヨイントのボール挿入装置
KR102316546B1 (ko) 휴대가 용이한 용접용 척 디바이스
JPH11514594A (ja) 回転ヘッドを備える切削装置
JP4159747B2 (ja) 非平面軌道溶接機
NO149493B (no) Apparat til flerestrengssveising av to roterende emner
JPH05329702A (ja) 刃先位置検出装置
GB2086778A (en) Method and apparatus for indexing of a crankshaft
SU1286386A1 (ru) Устройство дл сборки и сварки металлоконструкций
WO2020035422A1 (fr) Dispositif de percage orbital
GB2128116A (en) Reamer support
JPH0760613A (ja) クランクピン研削盤における位相割出し装置
JP2005022006A (ja) 自動ねじ締め装置
CN112828514B (zh) 一种开关电机用齿轮轴套及齿轮定位工装及焊接设备
JP2506755B2 (ja) レ−ザ加工用ト−チ
JPS6138806A (ja) タ−レットヘッドユニット
JP2562796Y2 (ja) 回転工具における工具駆動軸の位置決め装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees