JPH07244293A - ライトバルブ装置および該装置を用いた表示装置 - Google Patents

ライトバルブ装置および該装置を用いた表示装置

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JPH07244293A
JPH07244293A JP6035656A JP3565694A JPH07244293A JP H07244293 A JPH07244293 A JP H07244293A JP 6035656 A JP6035656 A JP 6035656A JP 3565694 A JP3565694 A JP 3565694A JP H07244293 A JPH07244293 A JP H07244293A
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JP
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light
liquid crystal
panel
crystal panel
light valve
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JP6035656A
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English (en)
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Mitsuhiro Wada
充弘 和田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光散乱状態の変化として光学像を形成するラ
イトバルブ装置とそれを用いる表示装置に関するもの
で、小型、軽量かつ明るく高コントラストの表示装置を
得ることを目的とする。 【構成】 高分子分散液晶パネル14の入射側11か出
射側12の少なくとも一方に透明結合体15を介しGH
液晶パネル19を結合する。GH液晶18は、ツイスト
ネマティック液晶9中に2色性色素10を含有したもの
である。 【効果】 GH液晶パネル19により高分子分散液晶パ
ネル14の内部反射光を吸収し、輝度の上昇を抑制でき
るため、表示画像のコントラストが向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光散乱状態の変化として
光学像を形成するライトバルブ装置およびこのライトバ
ルブ装置を用いた表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大画面映像を得るために、ライトバルブ
に映像信号に応じた光学像を形成し、その光学像に光を
照射し、投写レンズによりスクリーン上に拡大投写すす
表示装置(以後、投写型表示装置と呼ぶ)がよく知られ
ている。最近では、ライトバルブとして液晶パネルを用
いる投写型表示装置(以後、液晶投写型表示装置と呼
ぶ)が注目され、各社研究開発が行われている。また、
液晶パネルはその小型、軽量の利点を活かし、ビデオカ
メラ等の表示装置(以後、ビューファインダー装置と呼
ぶ)としても応用され、商品化されている。
【0003】ライトバルブ等に用いられる液晶パネルに
は多くの種類があり、光学特性が電気的に変化する現象
として、旋光性の変化、複屈折性の変化、光散乱状態の
変化、光吸収の割合の変化がある。ツイストネマティッ
ク(TN)液晶の旋光性が電界により変化する現象を用
いた液晶投写型表示装置は既に商品化されている。TN
液晶を用いる液晶パネルは、光の変調のために入射側と
出射側に偏光板が必要であり、そのために光利用効率が
低いという問題があった。
【0004】また、TN液晶を所定の状態に配向させる
必要があり、そのために、配向膜が必要であり、配向膜
をラビング処理する必要があった。光散乱状態の変化に
より光学像を形成する液晶パネルとして、例えば、熱書
き込みモード、動的散乱モード、高分子分散液晶、強誘
電性液晶を利用するものがある。また、PLZTも光散
乱状態の変化として光学像を形成できることが知られて
いる。光散乱状態の変化を利用する液晶パネルは、TN
液晶のように光の変調に偏光板が不要であるため、光出
力を大きくできると期待でき、また配向膜のラビング処
理が不要であるため製造が比較的容易である。
【0005】散乱状態の変化により光学像を形成する液
晶パネルとして、高分子分散液晶パネルが近年注目され
ている。高分子分散液晶パネルの基本構成と動作のモデ
ルを(図15(a))、(図15(b))に示す。ガラ
ス基板220,221の間に高分子分散液晶222が狭
持されている。2つのガラス基板220,221の内側
の面にはそれぞれ透明電極223,224が設けられて
いる。高分子分散液晶222は水滴状の液晶225が高
分子樹脂材料226中に分散した構造となっている。液
晶225の常光屈折率と高分子樹脂材料226の屈折率
とはほぼ等しい。
【0006】液晶層222に電圧を印加しない場合、
(図15(a))に示すように、液晶分子227はラン
ダムな方向に向く。液晶層222に垂直に入射する光線
228に対して液晶225と高分子樹脂材料226との
境界面で屈折率差を生じるので、光線228は屈折率差
を有する境界面で屈折を繰り返し、散乱光となって出射
する。液晶層222に十分な電圧を印加すると、(図1
5(b))に示すように、液晶分子227はガラス基板
220,221と垂直な方向に向き、入射光線228に
対して液晶225と高分子樹脂材料226の屈折率が等
しくなるため、入射光線228は散乱されることなく直
進して出射する。
【0007】高分子分散液晶パネルを用いた投写型表示
装置の構成例を(図16)に示す。ランプ230から出
た光は、凹面鏡231により集光されて液晶パネル23
2に入射する。液晶パネル232がない場合には、凹面
鏡231から出て液晶パネル232に入射した光は全て
投写レンズ233に入射するようにしてある。液晶パネ
ル232は高分子分散液晶パネルであり、ガラス基板2
34,235により高分子分散液晶236が狭持されて
いる。ガラス基板234,235の液晶層236側の面
にはマトリクス状の画素電極が設けられており、高分子
分散液晶パネル232に映像信号に応じて散乱状態の変
化として光学像を形成することができる。
【0008】十分な電圧を印加された画素から出る光は
全て投写レンズ233に入射してスクリーン237上に
到達するので、スクリーン237上の対応する位置には
明るい画像が表示される。電圧が印加されない画素から
は散乱光が出射し、その一部の光だけが投写レンズ23
3に入射するので、スクリーン237上の対応する位置
には暗い画素が表示される。このようにして、液晶パネ
ル232上に散乱状態の変化として形成された光学像
は、投写レンズ233によりスクリーン237上に拡大
投写される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】(図2)に高分子分散
液晶パネルのモデルを示す。2枚の透明基板21,22
の間に高分子分散液晶23が狭持されているものとし、
液晶層23で前方と後方に光が拡散すると仮定する。液
晶層23に電圧を印加しないで、表示領域内の点Aを中
心とする微小領域だけに入射側から細い平行光24を照
射する場合を考える。液晶層23からの前方散乱光の出
射角(液晶層の法線方向となす角)をθ0とすると、点
Aからθ0方向に出射した光線25は、出射側透明基板
22の出射面26上の点Bで透過光線27と反射光線2
8に分かれる。出射側透明基板22の屈折率をn、透過
光線27の出射角をθ1とすると、スネルの法則から、
【0010】
【数1】
【0011】の関係が成り立つ。液晶層23からの前方
散乱光が自然光であるとすると、出射面26における反
射率R(θ0)は次のように表せる。
【0012】
【数2】
【0013】ただし、θ0Tは全反射の臨界角であり、
【0014】
【数3】
【0015】と表せる。全反射した光は全て液晶層23
に戻る。点Bで反射した光線28の液晶層23への入射
点を点Cとする。反射光線28が液晶層23に入射する
と、後方散乱により液晶層23から再び散乱光29が前
方に出射する。これは、液晶層23に2次光源が形成さ
れることに相当する。それゆえ、ある画素から出た散乱
光が本来黒表示となるべき他の画素にも入射すると、そ
こに拡散反射による2次光源が形成されるので、本来黒
表示となるべき画素の輝度が高くなってしまう。
【0016】以上から、高分子分散液晶パネルを用いた
投写型表示装置の投写画像のコントラストが良くないと
いう問題は、液晶パネルの電圧無印加時の散乱特性が良
くないことも原因の1つであるが、上記のメカニズムが
原因となっていることが分かる。
【0017】この問題は、光散乱状態の変化として光学
像を形成するライトバルブでは共通の問題であった。
【0018】この問題を解決するため、パネルの入射側
および出射側に透明基板を結合するような構成が、特願
平4−145277号に提案されている。しかし、パネ
ルの内部反射光を十分に抑制するために要する透明基板
の厚さがパネルのサイズに比例する。したがって、パネ
ルサイズが大きくなれば透明基板の厚さも著しく厚くな
り、ライトバルブの重量が大きくなる。また、透明基板
を付加した構成のライトバルブを投写型表示装置に用い
る場合、投写レンズには非常に長いバックフォーカスが
要求されることになる。バックフォーカスが長い投写レ
ンズは、設計上の制約が多く、高コストにつながる。ま
た、光学系も大きくなり液晶投写型表示装置の特徴であ
るコンパクト性が失われる。
【0019】本発明は、光散乱状態の変化として光学像
を形成するライトバルブを用いた液晶投写型表示装置の
小型、軽量化かつコントラストを改善することを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明のライトバルブ装置は、光散乱状態の変化として
光学像を形成する光変調手段と、光変調手段の光入射面
と出射面のうち少なくとも一方に2色性色素を含有する
層が配置されていることを特徴とするものである。
【0021】本発明の他のライトバルブ装置は、光散乱
状態の変化として光学像を形成する光変調手段と、2色
性色素を含有する層を有する第1および第2のパネル
と、光の偏光軸を略90度回転させる偏光変換手段とを
備え、前記第1のパネルと前記第2のパネル間に前記偏
光変換手段が配置され、前記パネルと前記偏光変換手段
とが光学的に結合され、かつ前記第1または第2のパネ
ルが前記光変調手段の入射面と出射面に光学的に結合さ
れることを特徴とするものである。
【0022】また、以上の構成において光変調手段の出
射側に光反射手段を設ければ、反射型のライトバルブ装
置を実現できる。
【0023】本発明の液晶投写型表示装置は、光源と、
前記光源からの出射光が入射し光散乱状態の変化として
光学像を形成するライトバルブ装置と、その光学像をス
クリーン上に投写する投写レンズとを備え、ライトバル
ブ装置として上記ライトバルブ装置を用いたものであ
る。
【0024】本発明の他の液晶投写型表示装置は、光源
と、前記光源からの白色光を赤、緑、青の色成分の3原
色の光路に分離する色分離手段と、前記3つの光路の光
を変調し光散乱状態の変化として光学像を形成する3つ
の本発明のライトバルブ装置と、前記各ライトバルブ装
置からの出射光を1つの光路に合成する色合成手段と、
前記合成された光路の光を受けスクリーン上に投写する
投写レンズとを備えたものである。
【0025】本発明のさらに他の液晶投写型表示装置
は、光源と、前記光源からの白色光を赤、緑、青の3原
色の光路に分離する色分離手段と、前記色分離手段から
の出射光が入射し光散乱状態の変化として光学像を形成
する3原色の光路にそれぞれ配置された請求項1から請
求項4のいずれかに記載の第1、第2および第3のライ
トバルブ装置と、前記各ライトバルブ装置からの出射光
をスクリーン上に投写する第1、第2および第3の投写
レンズを備え、前記3つのライトバルブ装置のうち少な
くとも2つのライトバルブ装置は、その画面中心が対応
する投写レンズの光軸からずらして配置されたことを特
徴とするものである。
【0026】本発明のビューファインダー装置は、光源
と、前記光源からの出射光が入射し光散乱状態の変化と
して光学像を形成する本発明のライトバルブ装置と、そ
の光学像の虚像をつくる拡大レンズとを備えたものであ
る。
【0027】
【作用】本発明のライトバルブ装置の作用を(図3)を
用いて説明する。2枚の透明基板31,32の間に高分
子分散液晶33が狭持されており、さらに透明基板3
2,34の間にはゲストホスト(GH)モードの液晶層
35が狭持されている。高分子分散液晶層33に電圧を
印加しないで、表示領域内の点Aを中心とする微小領域
だけに細い平行光36を照射する場合を考える。透明基
板31側から入射する平行光36は自然光であり、入射
平面(高分子分散液晶層の法線と光軸を含む平面)に対
して平行な偏光成分Lpと垂直な偏光成分Lsに分離して
考えられる。高分子分散液晶層33の点Aからθ0方向
に散乱した光は、透明基板32を透過しGH液晶層35
に入射する。GH液晶層35において、ゲストである2
色性色素はその分子軸が高分子分散液晶層に対して垂直
となる方向、すなわちx軸方向に配列するように制御さ
れているものとする。2色性色素は、分子軸にほぼ平行
な吸収軸を持っており、分子軸に平行な偏光成分を強く
吸収し、それに垂直な偏光成分はほとんど吸収しない。
それゆえ、散乱光37の偏光成分のうちLs成分は吸収
されずにGH液晶層35を透過する。一方、Lp成分は
分子軸(x軸)と偏光方向との間の角がθ1となり、θ1
が小さいほど吸収度は大きくなる。θ1とθ0の間には、
【0028】
【数4】
【0029】の関係があるため、散乱角θ0が大きくな
るほど吸収度が大きくなるといえる。GH液晶層35を
透過した光のうち出射面38上の点Bで反射した光39
は、再びGH液晶層35を通過し、高分子分散液晶層3
3の点Cに入射する。高分子分散液晶層33の点Aを出
射した散乱光37が、出射面38上の点Bで反射し、再
び高分子分散液晶層33の点Cに到達するまでに、GH
液晶層35を2度通過することになる。そのため、内部
反射光のうちLp成分はほとんど吸収され、Ls成分のみ
が再び高分子分散液晶層33に入射する。したがって、
高分子分散液晶層33の輝度上昇は、GH液晶層35を
付加しない場合の約半分に抑えられる。一方、高分子分
散液晶層33に電圧が印加され、透過状態の場合にはL
p、Ls成分ともほとんど吸収されることなくGH液晶
パネル35を透過する。
【0030】(図4)に示すように2層のGH液晶層3
5,41の間に偏光状態を略90度回転させる偏光変換
手段40を配置した構成では、第1層目のGH液晶層3
5で吸収できなかったLs成分の偏光状態を、偏光変換
手段40により略90度回転し、Lp成分とした上で第
2層目のGH液晶層41で吸収することができ、内部反
射光による輝度の増加を大幅に抑制することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0032】本発明の第1の実施例におけるライトバル
ブ装置の断面図を(図1)に示す。ここで14は高分子
分散液晶パネル、19はGH液晶パネル、15は透明体
である。
【0033】高分子分散液晶パネル14は、入射側およ
び出射側のガラス基板11,12により高分子分散液晶
層13を狭持したものである。入射側ガラス基板11の
高分子分散液晶層13側には、ITO等の透明導電性膜
による共通電極1が形成されている。出射側ガラス基板
12の高分子分散液晶層13側には、画素電極2がマト
リクス状に形成され、各画素電極2の近傍にはスイッチ
ング素子として薄膜トランジスタ3(以後、TFTと呼
ぶ)が設けられている。各TFT3は、ソース電極4が
信号線に接続され、ゲート電極5が走査線に接続され、
ドレイン電極6が画素電極2に接続されている。信号線
は信号供給回路に接続され、走査線は走査回路に接続さ
れている。信号供給回路と走査線回路により、各画素に
信号電圧が供給される。高分子分散液晶層13は、十分
な電圧が印加されると入射光を直進させ、電界が印加さ
れない場合には入射光を散乱させるので、各画素の高分
子分散液晶層13は印加電圧により光散乱状態を制御す
ることができる。こうして、高分子分散液晶パネル14
に映像信号に応じて散乱状態の変化として光学像を形成
することができる。
【0034】高分子分散液晶パネル14の出射側ガラス
基板12には、透明体15を介してGH液晶パネル19
が光学的に結合されている。GH液晶パネル19は、2
枚のガラス基板16,17によりGH液晶層18を封入
したものである。GH液晶18は、ネマティック液晶9
(ホスト)中にアゾ系でポジ型の黒色2色性色素10
(ゲスト)を溶かし込んだものである。ガラス基板1
6,17のGH液晶層18側には、透明導電性膜による
共通電極7,8が形成されており、共通電極7,8によ
り電界を印加することでネマティック液晶9の分子を垂
直に配向させることができる。色素10の分子はネマテ
ィック液晶9の分子と略平行に配向するため、色素10
の分子もガラス基板16,17に対してほぼ垂直に配向
することになる。
【0035】もちろん、ネマティック液晶9が電圧を無
印加状態で垂直配向のときは、共通電極7,8は必要な
い。しかし、共通電極7,8がないと静電気等により配
向状態に乱れが生じるので、付加しておく方が好まし
い。いずれにしても、画素電極2に垂直方向に進む光を
透過し、略平行方向に進む光を吸収するように色素10
の分子を配向させればよい。
【0036】GH液晶パネル19には画素を形成する必
要はなく、製作工程数が削減され、容易に作製すること
ができる。
【0037】ネマティック液晶9のかわりに、スメクテ
ィック液晶、コレステリック液晶、カイラルネマティッ
ク液晶などを用いてもよい。また色素10として、メロ
シアニン系、アントラキノン系、アゾメチン系色素など
を用いてもよい。いずれの場合も、色素10としては、
2色性比が大きいものほど好ましく、内部散乱光を抑制
する効果も大きくなる。もちろん、黒色2色性色素であ
る必要はなく、入射波長の光を吸収する色相を有するも
のであれば良い。
【0038】透明体15は信越化学工業(株)製の透明
シリコーン樹脂KE1051であり、屈折率は1.40
である。これは2種類の液体で供給されており、2液を
混合して室温放置または加熱すると、付加重合反応によ
りゲル状に硬化する。
【0039】透明体15は透明であればよく、エチレン
グリコールなどの液体、エポキシ系透明接着剤、紫外線
照射によりゲル状に硬化する透明シリコーン樹脂などを
用いることができる。いずれの場合も、ガラス基板12
とガラス基板16との間に空気層があると、そこで画質
異常を生じるので空気層を含まないようにする必要があ
る。
【0040】高分子分散液晶パネル14は、電圧無印加
の場合、出射側に散乱(前方散乱)するだけでなく、入
射側にも散乱(後方散乱)を生じる。そのため、(図
1)に示した構成では、後方散乱光は入射側ガラス基板
11の入射面20で反射して再び高分子分散液晶層13
に再入射する。再入射した光は、黒表示部における輝度
を高くするので、投写画像のコントラストを低下させる
ことになる。そのため、GH液晶パネル19を高分子分
散液晶パネル14の入射側ガラス基板11に結合する
と、後方散乱の再入射光による輝度の上昇を抑制するこ
とができる。
【0041】本発明の第2の実施例におけるライトバル
ブ装置の断面図を(図5)に示す。ここで51は高分子
分散液晶パネル、52,53はGH液晶パネル、54,
55,56は透明体、57は1/2波長板である。
【0042】高分子分散液晶パネル51、GH液晶パネ
ル52,53、透明体54,55,56は(図1)に示
したものと同一である。(図5)に示すように、高分子
分散液晶パネル51の出射側58には2つのGH液晶パ
ネル52が1/2波長板57を介して配置されており、
各々は透明体54,55,56により光学的に結合され
ている。高分子分散液晶パネル51からの出射光は、透
明体54、GH液晶パネル52、透明体55、1/2波
長板57、透明体56、GH液晶パネル53の順に通過
することになる。したがって作用の項で説明したよう
に、散乱光のうち(図1)に示す構成では吸収できなか
った偏光成分もGH液晶パネル53内で吸収することが
できるため、内部反射光による輝度の上昇を抑制し、コ
ントラストを大幅に向上することができる。
【0043】第1の実施例と同様に、GH液晶パネル5
2,53、1/2波長板57は高分子分散液晶パネル5
1の入射側59に配置すると、後方散乱の再入射光によ
る輝度の上昇を抑制することができる。
【0044】本発明の第3の実施例におけるライトバル
ブ装置の断面図を(図6)に示す。61は高分子分散液
晶パネル、63はGH液晶層、65はガラス基板であ
る。高分子分散液晶パネル61、GH液晶63は(図
1)に示したものと同一である。
【0045】本実施例と第1の実施例との相違点は、高
分子分散液晶層62からGH液晶層63までを1枚のガ
ラス基板64で構成していることである。このような構
成にすることにより、高分子分散液晶パネルとGH液晶
パネルとを透明体により結合する工程が不要となる。ま
た、ガラス基板数が削減されるため、ライトバルブ装置
の薄型化を図ることができる。
【0046】高分子分散液晶パネル61の出射側ガラス
基板64とガラス基板65のGH液晶層63側には、I
TO等の透明導電性膜による共通電極66,67が形成
されており、共通電極66,67により電界を印加する
ことでネマティック液晶68の分子を垂直に配向させる
ことができる。色素69の分子はネマティック液晶68
の分子と略平行に配向するため、色素69の分子もガラ
ス基板64,65に対してほぼ垂直に配向することにな
る。
【0047】もちろん、ネマティック液晶68が電圧を
無印加状態で垂直配向のときは、共通電極66,67は
必要ない。しかし、共通電極66,67がないと静電気
等により配向状態に乱れが生じるので、付加しておく方
が好ましい。いずれにしても、画素電極に垂直方向に進
む光を透過し、略平行方向に進む光を吸収するように色
素69の分子を配向させればよい。
【0048】第1の実施例と同様に、GH液晶層63は
高分子分散液晶パネル61の入射側70に配置すると、
後方散乱の再入射光による輝度の上昇を抑制することが
できる。
【0049】(図5)に示す第2の実施例についても、
ライトバルブ装置の高分子分散液晶層からGH液晶層ま
でを1枚のガラス基板で構成してもよい。
【0050】上述の実施例を組み合わせると、(図7
(a))から(図7(h))に示すような多くの変形が
考えられる。いずれも図面の右側が入射側であり、高分
子分散液晶パネル71、GH液晶パネル72、1/2波
長板73はそれぞれ透明接着剤などにより結合されてい
る。(図7(a))から(図7(h))に示したいずれ
の構成も、前述の実施例と同様に、従来の構成と比較し
てコントラストの良好な投写画像が得られる。なお、ラ
イトバルブ装置の高分子分散液晶層からGH液晶層まで
を1枚のガラス基板で構成してもよい。
【0051】本発明の第4の実施例の投写型表示装置の
構成を(図8)に示す。81はライトバルブ装置、86
は光源、87は投写レンズ、88はスクリーンである。
【0052】ライトバルブ装置81は、高分子分散液晶
パネル82、GH液晶パネル83,84、1/2波長板
85で構成され、各々は透明接着剤などにより光学的に
結合されている。高分子分散液晶パネル82、GH液晶
パネル83,84は(図1)に示したものと同一であ
る。
【0053】光源86はランプ90と凹面鏡91で構成
され、ランプ90から出た光は凹面鏡91により集光さ
れて、指向性の比較的狭い光が出射する。光源86から
の出射光は、フィールドレンズ89を透過し、ライトバ
ルブ装置81に入射する。ライトバルブ装置81の高分
子分散液晶パネル82には、映像信号に応じて散乱状態
の変化として光学像が形成される。投写レンズ87は、
高分子分散液晶パネル82の各画素から出射する光のう
ちある立体角に含まれる光を取り込む。各画素からの出
射光の散乱状態が変化すれば、その立体角に含まれる光
量が変化するので、高分子分散液晶パネル82上に散乱
状態の変化として形成された光学像はスクリーン88上
で照度の変化に変換される。こうして高分子分散液晶パ
ネル82に形成された光学像は、投写レンズ87により
スクリーン88上に拡大投写される。
【0054】投写レンズ87の瞳の大きさは、高分子分
散液晶パネル82の画面中心にある画素が透明状態の場
合に、その画素から拡がって出射する光量のうち約90
%が入射する大きさにしている。フィールドレンズ89
は、高分子分散液晶パネル82の表示領域の周辺部を通
過する光を内側に屈折させて投写レンズ87の瞳に入射
させ、投写画像の周辺部が暗くならないようにするため
に用いる。投写画像のフォーカス調整は、投写レンズ8
7を光軸92に沿って移動することにより行う。
【0055】(図8)に示した構成にすると、高分子分
散液晶層に電圧を印加しない場合、前方散乱光がGH液
晶パネル83、1/2波長板85、GH液晶パネル84
を通過し、出射面80で反射されて高分子分散液晶層に
戻る内部反射光は、GH液晶パネル83,84および1
/2波長板85がない場合に比較して減少する。したが
って、内部反射光による輝度の上昇を抑制することがで
き、投写画像のコントラストが向上する。
【0056】(図8)に示した構成において、ライトバ
ルブ装置81の構成を(図1),(図5),(図6)に
示したライトバルブ装置、あるいは(図7)に示した他
のライトバルブ装置に置き換えることもできる。ライト
バルブ装置81は、投写型表示装置の用途、制約条件な
どに応じて最適な構成を選択するとよい。
【0057】本発明の第5の実施例の投写型表示装置の
構成を(図9)に示す。100,101,102はライ
トバルブ装置、103,104,105は高分子分散液
晶パネル、106,107,108はGH液晶パネル、
109は光源、110,111はそれぞれ赤反射,緑反
射のダイクロイックミラー、112は平面ミラー、11
3,114,115はフィールドレンズ、116,11
7はそれぞれ緑反射、青反射のダイクロイックミラー、
118は平面ミラー、119は投写レンズである。
【0058】ライトバルブ装置100,101,102
は、それぞれ高分子分散液晶パネル103,104,1
05、GH液晶パネル106,107,108で構成さ
れる。高分子分散液晶パネル103,104,105
は、いずれも(図1)に示したものと同一である。高分
子分散液晶パネル103,104,105、GH液晶パ
ネル106,107,108は、それぞれ透明接着剤等
を用いて結合されている。
【0059】GH液晶パネル106には、ネマティック
液晶中に赤色帯域の光を吸収するアゾ系でポジ型の2色
性色素を溶かし込んだものが封入されている。GH液晶
パネル107にはネマティック液晶中に緑色帯域の光を
吸収するアゾ系でポジ型の2色性色素を溶かし込んだも
のが封入されている。GH液晶パネル108にはネマテ
ィック液晶中に青色帯域の光を吸収するアゾ系でポジ型
の2色性色素を溶かし込んだものが封入されている。し
たがって、各ライトバルブ装置100,101,102
では、それぞれ赤色光、緑色光、青色光の内部反射光が
吸収される。
【0060】色素としては、メロシアニン系、アントラ
キノン系、アゾメチン系色素などを用いてもよい。いず
れの場合も、ゲスト色素としては、入射波長に応じた色
相を有し、2色性比が大きいものほど好ましく、内部散
乱光を抑制する効果も大きくなる。もちろん黒色2色性
色素を用いてもよいが、その場合には赤味を消すために
700nm付近の長波長部分を吸収する色素成分がさら
に必要になる場合がある。
【0061】光源109はランプ120、凹面鏡12
1、フィルタ122で構成される。ランプ120は、メ
タルハライドランプであり、赤、緑、青の3原色の色成
分を含む光を出射する。凹面鏡121はガラス製で、反
射面に可視光を反射し、赤外光を透過させる多層膜を蒸
着したものである。ランプ120からの放射光に含まれ
る可視光は、凹面鏡121の反射面により反射し、その
反射光は略平行光になる。凹面鏡121から出射する反
射光は、フィルタ122により赤外光と紫外光とが除去
されて出射する。
【0062】光源109からの略平行光は、ダイクロイ
ックミラー110,111と平面ミラー112を組み合
わせた色分離光学系に入射し、3つの3原色光に分離さ
れる。各原色光のうち赤色成分光はフィールドレンズ1
13、緑色成分光はフィールドレンズ114、青色成分
光はフィールドレンズ115を透過して、それぞれライ
トバルブ装置100,101,102に入射する。ライ
トバルブ装置100,101,102から出射する光
は、ダイクロイックミラー116,117と平面ミラー
118を組み合わせた色合成光学系により1つの光に合
成された後、投写レンズ119に入射する。高分子分散
液晶パネル103,104,105には、それぞれ映像
信号に応じて散乱状態の変化として光学像が形成され、
その光学像は投写レンズ119によりスクリーン上に拡
大投写される。各ライトバルブ装置100,101,1
02では、作用の項にしたがい、内部反射光による輝度
の上昇が抑制されるため、高コントラストな投写画像を
得ることができる。
【0063】(図9)に示した構成において、ライトバ
ルブ装置100,101,102の構成を(図1),
(図5),(図6)に示したライトバルブ装置、あるい
は(図8)に示した他のライトバルブ装置に置き換える
こともできる。ライトバルブ装置100,101,10
2は、投写型表示装置の用途、制約条件などに応じて最
適な構成を選択するとよい。
【0064】本発明の第6の実施例の投写型表示装置の
構成を(図10)に示す。130,131,132はラ
イトバルブ装置、133,134,135はGH液晶パ
ネル、136,137,138は高分子分散液晶パネ
ル、139,140,141はGH液晶パネル、142
は光源、143,144、145はそれぞれ赤反射,緑
反射、青反射のダイクロイックミラー、146,14
7,148はフィールドレンズ、149,150,15
1は投写レンズである。
【0065】ライトバルブ装置130,131,132
は、それぞれGH液晶パネル133,134,135、
高分子分散液晶パネル136,137,138、GH液
晶パネル139,140,141で構成される。高分子
分散液晶パネル136,137,138は、いずれも
(図1)に示したものと同一である。GH液晶パネル1
33,134,135、高分子分散液晶パネル136,
137,138、GH液晶パネル139,140,14
1は、それぞれ透明接着剤等を用いて結合されている。
【0066】GH液晶パネル133,139には、ネマ
ティック液晶中に赤色帯域の光を吸収するアゾ系でポジ
型の2色性色素を溶かし込んだものが封入されている。
GH液晶パネル134,140にはネマティック液晶中
に緑色帯域の光を吸収するアゾ系でポジ型の2色性色素
を溶かし込んだものが封入されている。GH液晶パネル
135,141にはネマティック液晶中に青色帯域の光
を吸収するアゾ系でポジ型の2色性色素を溶かし込んだ
ものが封入されている。したがって、各ライトバルブ装
置130,131,132では、それぞれ赤色光、緑色
光、青色光の内部反射光が吸収される。
【0067】光源142は(図9)のものと同一であ
り、光源142からの略平行光は、ダイクロイックミラ
ー143,144,145により構成された色分離光学
系に入射し、3つの3原色光に分離される。各原色光の
うち赤色成分光はフィールドレンズ146、緑色成分光
はフィールドレンズ147、青色成分光はフィールドレ
ンズ148を透過して、それぞれライトバルブ装置13
0,131,132に入射する。ライトバルブ装置13
0,131,132から出射する光は、それぞれ投写レ
ンズ149,150,151に入射し、スクリーン上に
拡大投射される。ライトバルブ装置130,132は、
投写レンズ149,151の光軸152,153からず
らして配置されており、各投写レンズ149,150,
151からの赤、緑、青の各投写画像はスクリーン上で
重ね合わせられる。各ライトバルブ装置130,13
1,132では、作用の項にしたがい、内部反射光によ
る輝度の上昇が抑制されるため、高コントラストな投写
画像を得ることができる。
【0068】なお、ライトバルブ装置130,131,
132の構成は、(図9)に示したような多くの変形が
考えられ、いずれの構成もコントラストの良好な画像を
得ることができる。ライトバルブ装置130,131,
132は、投写型表示装置の用途、制約条件などに応じ
て最適な構成を選択するとよい。
【0069】本発明の第7の実施例の構成を(図11)
に示す。160はライトバルブ装置、161は高分子分
散液晶パネル、162はGH液晶パネル、163は光
源、164は投写レンズである。光源163は、(図
8)に示したものと同一である。
【0070】本実施例は、上述してきた実施例の高分子
分散液晶パネルとは異なり、反射型の高分子分散液晶パ
ネル161を用いており、このパネル161と、GHモ
ード液晶パネル162で構成されている。高分子分散液
晶パネル161は、2枚のガラス基板165,166と
シール部材167により密閉空間を形成し、内部に高分
子分散液晶168を封入したものである。(図12)に
示すように、第1のガラス基板165の上にはマトリク
ス状にTFT180が形成され、その上には絶縁層18
1を挟んでアルミニウムによる画素電極182が形成さ
れている。各画素電極182は各TFT180のドレイ
ン電極183に接続されている。第2のガラス基板16
6の上には、ITO等の透明導電膜による共通電極18
4が形成されている。
【0071】GH液晶パネル162は、(図1)に示し
たものと同一であり、透明接着剤などにより高分子分散
液晶パネル161と光学的に結合されている。
【0072】投写レンズ164は、ライトバルブ装置1
60側の第1レンズ群169とスクリーン側の第2レン
ズ群170とで構成され、第1レンズ群169と第2レ
ンズ群170との間には平面ミラー171が配置されて
いる。高分子分散液晶パネル161の画面中心にある画
素から出射する散乱光は、第1レンズ群169を透過し
た後、約半分が平面ミラー171に入射し、残りが平面
ミラー171に入射せずに第2レンズ群170に入射す
る。平面ミラー171の反射面の法線は投写レンズ16
4の光軸172に対して45度傾いている。光源163
からの光は、平面ミラー171で反射されて第1レンズ
群169を透過し、GH液晶パネル162を透過して高
分子分散液晶パネル161に入射する。高分子分散液晶
パネル161からの反射光は、GH液晶パネル162、
第1レンズ群169、第2レンズ群170の順に透過し
てスクリーンに到達する。投写レンズ164の絞りの中
心から出て高分子分散液晶パネル161に向かう光線
は、高分子分散液晶層168に垂直に入射するように、
つまりテレセントリックとしている。
【0073】GH液晶パネル162には、画素を形成す
る必要はない。また、(図5)に示すように1/2波長
板を介して2枚のGH液晶パネルを用いた構成にしても
よい。さらに(図6)に示すように高分子分散液晶層か
らGH液晶層までを1枚のガラス基板で構成してもよ
い。
【0074】高分子分散液晶パネルを用いた投写型表示
装置において投写画像のコントラストを良好にするに
は、散乱特性を向上させる必要がある。その散乱特性を
向上させるには液晶層を厚くすればよいが、液晶層が厚
くなると透明状態となる電圧が高くなるので、駆動IC
の出力電圧を高くする必要がある。駆動ICの出力電圧
が高くなると、駆動IC等の発熱量が非常に大きくなる
ため、液晶層の温度均一性を確保できなくなり、画質の
均一性が劣化するという問題を生じる。液晶パネルが反
射型の場合、光は液晶層を2回通過するので、液晶層の
厚さが同一の透過型液晶パネルの場合に比較して散乱特
性を向上させることができる。そのため投写画像のコン
トラストは、反射型の方が透過型に比べて有利である。
つまり、駆動ICの出力を低くして、コントラストの良
好な投写画像を得ることができる。しかも(図11)に
示した構成の場合には、高分子分散液晶パネル161の
投写レンズ164側のみにGH液晶パネル162を結合
すれば十分なコントラスト向上の効果が得られるので、
ライトバルブ装置160の構成が容易になるだけでな
く、部品数の削減により低コスト化も図れる。
【0075】次に、本発明のライトバルブ装置をビュー
ファインダ装置に応用した実施例について説明する。
(図13)はその構成を示したものであり、190はラ
イトバルブ装置、191は高分子分散液晶パネル、19
2,193はGH液晶パネル、194は接眼レンズ、1
95はランプ、196は集光レンズである。
【0076】ライトバルブ装置190は、高分子分散液
晶パネル191、GH液晶パネル192,193で構成
される。高分子分散液晶パネル191は、表示画面寸法
が0.7インチであり、2枚のガラス基板197,19
8とシール部材199により密閉空間を形成し、内部に
高分子分散液晶200を封入したものである。高分子分
散液晶パネル191の入射側および出射側には、透明接
着剤等を用いてGH液晶パネル192,193を光学的
に結合し、GH液晶パネル193の出射側には接眼レン
ズ194を配置している。観察者が眼を接眼レンズ19
4に近接させて覗き込むと、高分子分散液晶パネル19
1上の光学像に対応する虚像が明視距離の位置に形成さ
れるようにしている。
【0077】ランプ195は、直径が7mm,長さが2
0mmの直流点灯の蛍光管である。ランプ195から拡
がって出射する光は、ピンホール201と集光レンズ1
96により指向性の狭い光に変換され、GH液晶パネル
192を透過して高分子分散液晶層200に入射する。
このときGH液晶パネル192,193によって、前述
の作用にしたがい、コントラストの低下が抑制さる。そ
の結果、接眼レンズ194を通してコントラストの良好
な画像が得られる。以上の構成要素はすべて1つの匡体
に収納されている。ランプ195としてLED、ハロゲ
ンランプ、陰極線管など、発光体が小さく高輝度の光源
を用いるとよい。なお、ライトバルブ装置190の構成
は、(図9)に示したような多くの変形が考えられ、い
ずれの構成もコントラストの良好な画像を得ることがで
きる。
【0078】本発明のビューファインダ装置は、液晶パ
ネルに偏光板を用いないので光利用効率が高く、そのた
めビデオカメラに装着している場合には、TN液晶パネ
ルを用いる場合に比較して、1回の電池充電における連
続使用時間が長くなる。
【0079】本発明のライトバルブ装置を表示装置に応
用した実施例の構成を(図14)に示す。210はライ
トバルブ装置、211は高分子分散液晶パネル、21
2,213はGH液晶パネル、214はランプ、215
はフレネルレンズである。
【0080】ライトバルブ装置210は、高分子分散液
晶パネル211、GH液晶パネル212,213で構成
されている。高分子分散液晶パネル211は、有効表示
領域の対角長が10インチであり、2枚の透明基板21
6,217の間に高分子分散液晶を狭持したものであ
り、各透明基板216,217の液晶層側の面にはマト
リクス状に透明電極が設けられている。透明電極に映像
信号に応じた電圧を印加することにより、高分子分散液
晶層には光散乱状態の変化として光学像が形成される。
高分子分散液晶パネル211の入射側と出射側には、そ
れぞれGH液晶パネル212,213が透明接着剤等に
より結合されている。ランプ214は直径20mm,長
さ40mmの直流点灯の蛍光管であり、ランプ214か
らの出射光は平面ミラー218で反射された後、フレネ
ルレンズ215により指向性の狭い光に変換されて、ラ
イトバルブ装置210に入射する。2枚のGH液晶パネ
ル212,213により、高分子分散液晶層からの再出
射光を抑制できるので、コントラストの良好な画像を得
ることができる。視野角範囲が限定されるが、所定の方
向から見ると明る高コントラストな画像を観察すること
ができ、店頭用ディスプレイとして用いることができ
る。
【0081】以上の実施例において、高分子分散液晶パ
ネルのかわりに、相変化液晶を用いた熱書き込み液晶パ
ネル、散乱状態の変化を用いる強誘電性液晶パネルなど
の液晶パネルや、PLZTなど、光散乱状態の変化とし
て光学像を形成するものであれば用いることができる。
【0082】なお、本発明のライトバルブ装置の技術的
思想は、光書き込み型空間変調器にも応用展開できる。
前記変調器の光入射面もしくは出射面に2色性色素を有
する層を配置すればよい。したがって、本発明の秘術的
範囲はこれらを含む。空間変調器の一例としては、特願
平2−93519号公報、特願平3−208015号公
報、特願平2−287120号公報等が該当する。
【0083】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、散乱状態
の変化として光学像を形成するライトバルブ装置におい
て、GH液晶パネルを用いることにより、ライトバルブ
の内部反射光による輝度の上昇を抑制し、明るくコント
ラストの良好な画像を表示するライトバルブ装置を提供
することができる。また、このライトバルブ装置を用い
ることにより、小型、軽量かつ明るく高コントラストの
画像を提供できる表示装置を提供することができ、非常
に大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライトバルブ装置の第1の実施例にお
ける構成を示す断面図
【図2】本発明のライトバルブ装置の作用を説明する説
明図
【図3】本発明のライトバルブ装置の作用を説明する説
明図
【図4】本発明のライトバルブ装置の作用を説明する説
明図
【図5】本発明のライトバルブ装置の第2の実施例にお
ける構成を示す断面図
【図6】本発明のライトバルブ装置の第3の実施例にお
ける構成を示す断面図
【図7】本発明のライトバルブ装置の種々の構成を示す
構成図
【図8】本発明の投写型表示装置の第4の実施例におけ
る構成図
【図9】本発明の投写型表示装置の第5の実施例におけ
る構成図
【図10】本発明の投写型表示装置の第6の実施例にお
ける構成図
【図11】本発明の投写型表示装置の第7の実施例にお
ける構成図
【図12】(図11)に示した高分子分散液晶パネルの
主要部拡大図
【図13】本発明のビューファインダ装置の構成を示す
構成図
【図14】本発明の表示装置の構成を示す構成図
【図15】高分子分散液晶パネルの作用を説明するため
の説明図
【図16】従来の投写型表示装置の構成を示す構成図
【符号の説明】 14,51,71,82,103,104,105,1
36,137,138,161,191,211 高分
子分散液晶パネル 19,52,53,72,83,84,106,10
7,108,133,134,135,139,14
0,141,162,192,193,212,213
GH液晶パネル 15,54,55,56 透明体 57,73,85 1/2波長板 81,100,101,102,130,131,13
2,160,190,210 ライトバルブ装置 86,109,142,163 光源 87,119,149,150,151,164 投写
レンズ 88 スクリーン 110,111,116,117,143,144,1
45 ダイクロイックミラー 112,118,217 平面ミラー 194 接眼レンズ 195,214 ランプ 196 集光レンズ 215 フレネルレンズ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光散乱状態の変化として光学像を形成する
    光変調手段と、光変調手段の入射面と出射面のうち少な
    くとも一方に2色性色素を含有する層が配置されている
    ことを特徴とするライトバルブ装置。
  2. 【請求項2】光散乱状態の変化として光学像を形成する
    光変調手段と、2色性色素を含有する層を有する第1お
    よび第2のパネルと、光の偏光軸を略90度回転させる
    偏光変換手段とを備え、前記第1のパネルと前記第2の
    パネル間に前記偏光変換手段が配置され、前記パネルと
    前記偏光変換手段とが光学的に結合され、かつ前記第1
    または第2のパネルが前記光変調手段の入射面と出射面
    のうち少なくとも一方と光学的に結合されていることを
    特徴とするライトバルブ装置。
  3. 【請求項3】光散乱状態の変化として光学像を形成する
    光変調層を透明電極基板と反射電極基板間に狭持した光
    変調手段と、前記光変調手段の透明電極基板への光入射
    面に2色性色素を含有する層が配置されていることを特
    徴とするライトバルブ装置。
  4. 【請求項4】光散乱状態の変化として光学像を形成する
    光変調層を透明電極基板と反射電極基板間に狭持した光
    変調手段と、2色性色素を含有する層を有する第1およ
    び第2のパネルと、光の偏光軸を略90度回転させる偏
    光変換手段とを備え、前記第1のパネルと前記第2のパ
    ネル間に前記偏光変換手段が配置され、前記パネルと前
    記偏光変換手段とが光学的に結合され、かつ前記第1ま
    たは第2のパネルと前記光変調手段の透明電極基板への
    入射面とが光学的に結合されていることを特徴とするラ
    イトバルブ装置。
  5. 【請求項5】光変調手段は、高分子分散液晶パネルであ
    る請求項1から請求項4記載のいずれかに記載のライト
    バルブ装置。
  6. 【請求項6】2色性色素を含有する層は、ゲストホスト
    液晶である請求項1から請求項4記載のいずれかに記載
    のライトバルブ装置。
  7. 【請求項7】光源と、前記光源からの出射光が入射し光
    散乱状態の変化として光学像を形成する請求項1から請
    求項4のいずれかに記載のライトバルブ装置と、前記光
    学像をスクリーン上に投写する投写レンズを具備するこ
    とを特徴とする表示装置。
  8. 【請求項8】光源と、前記光源からの白色光を赤、緑、
    青の3原色の光路に分離する色分離手段と、前記色分離
    手段からの出射光が入射し光散乱状態の変化として光学
    像を形成する3原色の光路にそれぞれ配置された請求項
    1から請求項4のいずれかに記載の第1、第2および第
    3のライトバルブ装置と、前記各ライトバルブ装置から
    の出射光を1つの光路に合成する色合成手段と、前記色
    合成手段で合成された光をスクリーン上に投写する投写
    レンズを具備することを特徴とする表示装置。
  9. 【請求項9】光源と、前記光源からの白色光を赤、緑、
    青の3原色の光路に分離する色分離手段と、前記色分離
    手段からの出射光が入射し光散乱状態の変化として光学
    像を形成する3原色の光路にそれぞれ配置された請求項
    1から請求項4のいずれかに記載の第1、第2および第
    3のライトバルブ装置と、前記各ライトバルブ装置から
    の出射光をスクリーン上に投写する第1、第2および第
    3の投写レンズを備え、前記3つのライトバルブ装置の
    うち少なくとも2つのライトバルブ装置は、その画面中
    心が対応する投写レンズの光軸からずらして配置される
    ことを特徴とする表示装置。
  10. 【請求項10】光源と、前記光源からの出射光が入射し
    光散乱状態の変化として光学像を形成する請求項1から
    請求項4のいずれかに記載のライトバルブ装置と、その
    光学像の虚像をつくる拡大レンズとを具備することを特
    徴とする表示装置。
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JP2020518032A (ja) * 2017-04-28 2020-06-18 エルジー・ケム・リミテッド 透過率可変装置
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