JPH07244288A - 液晶素子とその製法 - Google Patents

液晶素子とその製法

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JPH07244288A
JPH07244288A JP3353594A JP3353594A JPH07244288A JP H07244288 A JPH07244288 A JP H07244288A JP 3353594 A JP3353594 A JP 3353594A JP 3353594 A JP3353594 A JP 3353594A JP H07244288 A JPH07244288 A JP H07244288A
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liquid crystal
cell
injection hole
sealant
seal
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JP3353594A
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Masahito Ando
雅仁 安藤
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セルに液晶を注入した後の注入孔の封止方法
を改善し、経時劣化を防止しかつ生産歩留まりを改善し
た液晶素子およびその製法を得る。 【構成】 液晶素子11が、2枚の基板12とその間に
介在する枠形のシール13とでセル14が形成され、シ
ール13に液晶の注入孔15が形成され、注入孔15の
セル内近傍にバリヤシール16が形成され、バリヤシー
ル16の注入孔側に独立気泡発泡性の封止剤17が添着
され、注入孔15からセル内に液晶が注入された後に封
止剤17が発泡され、発泡した封止剤17で注入孔15
がセル内側から封止されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルに液晶を注入した
後の注入孔の封止方法を改善することによって得られる
防湿性が高く、経時劣化が防止され、かつ生産歩留まり
のよい液晶素子、およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶素子としては、図4ないし図
8に示すようなものが知られている。図中符号1は液晶
素子であり、この液晶素子1は、少なくとも一方が透明
な電極を有する2枚の基板2a,2bと、その間に介在
する枠形のシール3とで液晶セル4が形成されてなって
いる。このセル4に液晶を注入するために、シール3の
少なくとも一部が切り欠かれることにより液晶の注入孔
5が形成されている。
【0003】そして、図6に示すように、上記注入孔5
を通じて液晶がセル4内に充填されるが、充填の際に注
入速度を速くすると基板2a,2bの内面に液晶の流線
が現れ、このために液晶分子の配向が乱れることがある
ので、この場合には注入孔5のセル4内近傍に、注入さ
れる液晶の流れを左右に振り分けるバリヤシール6を形
成し、これによって液晶の流れを制御する方法が用いら
れる。
【0004】そして、液晶が充填されたセル4には、図
8に示すように、液晶の漏出を防止し、かつ湿気などが
外部から侵入することを防ぐために、注入孔が封止剤7
によって封止される。この封止剤7は未硬化の状態では
流動性であり、この流動性の封止剤が注入孔5の内部に
引き込まれて注入孔5を閉塞した後硬化され、その内壁
に接着される。封止剤7を注入孔5の内部に引き込む方
法としては、図7に示すように、液晶素子1を加熱炉8
の内部に配置して、セル4内の液晶の温度を一旦高め、
このとき封止剤7を注入孔5に塗布し、次いで液晶を冷
却し、この温度変化に伴う液晶の体積変化を利用して引
き込む方法、またはセル4の基板2a,2bを外から押
圧してセル4内容積を縮小させたり、気圧差で吸引して
増大させたりしてセル4内容積を変化させ、このセル4
内容積の変化を利用して引き込む方法などが用いられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、封止の際には
注入孔5の内壁およびその周辺に液晶が付着しているの
で、液晶が付着したまま封止しても封止剤7は注入孔5
の内壁に緊密に接着せず、完全な封止は困難である。こ
のため、注入孔5の壁面と封止剤7との微細な間隙から
湿気などが侵入し、液晶の経時的な劣化の原因となる。
また、一時的には接着しても、高温高湿下のヒートサイ
クルなどにより接着面が剥離する可能性があり信頼性に
問題がある。
【0006】また、未硬化の封止剤7を注入孔5の中へ
引き込むに際して、特に小型の液晶素子の場合、セル4
の容積変化を基板2a,2bの押引によって行うことは
困難であるので、液晶の温度差による体積変化が利用さ
れる。しかし、封止剤7の所要量を引き込むに十分な容
積に液晶を膨脹させる温度まで加温すると、引き込まれ
た封止剤7も加温されて流動性を増し、これが液晶の表
示部にまで流入して表示部に欠陥をもたらしたり、また
注入孔5の外部に溢れ出て、液晶素子1の電極端子部に
まで回り込んで絶縁障害を起こしたり、隣接する他の液
晶素子との間隙に侵入して相互接着を起こすなどの問題
が生じて生産歩留まりを低下させる。
【0007】封止剤7の密着性を改善するために、従来
から種々な提案がなされている。従来の提案は大別して
次の二つに類別できる。すなわち、注入孔5の壁面に付
着した液晶を洗浄または払拭して除去する方法(例えば
特開昭49−4548号公報参照)と、注入孔5を性質
の異なる2種以上の封止剤7で多重に封止する方法(例
えば特開平5−40255号公報参照)である。しか
し、洗浄または払拭による方法は、セル4内部に充填さ
れた液晶が溢れ出ないように仮止めする必要があり工程
が繁雑になるばかりでなく、実際上微細な注入孔5の壁
面を完全に洗浄または払拭することは困難であり、また
この過程で溶剤などによる汚染の可能性もある。また、
多重に封止する方法も、工程が繁雑であり、しかも注入
孔5が液晶で濡れていることによる接着不良は必ずしも
回避できない。
【0008】しかもこれらのいずれの方法によっても、
未硬化封止剤を注入孔に引き込む時の溢れなどによる生
産歩留まりの低下を避けることはできない。
【0009】従って本発明が解決しようとする課題は、
液晶注入後の注入孔の封止方法を改善することによって
防湿性が高く、経時劣化が防止され、かつ生産歩留まり
の改善された液晶素子およびその製法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、2枚の基板とその間に介在する枠形のシー
ルとでセルが形成され、前記シールに液晶を導入するた
めの注入孔が形成された液晶素子において、この注入孔
のセル内近傍に、注入される液晶の流れを左右に振り分
けるバリヤシールが設けられ、さらに、このバリヤシー
ルの注入孔側には、発泡させることにより前記注入孔を
セルの内部から封止する独立気泡発泡性の封止剤が設け
られていることを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明は、封止剤が加熱によ
り独立気泡を生成するものであることを特徴としてい
る。
【0012】請求項3記載の発明は、封止剤が封止用樹
脂に発泡剤が添加されたものであることを特徴としてい
る。
【0013】請求項4記載の発明は、注入孔が、さらに
非発泡性封止剤によって外側から封止されていることを
特徴としている。
【0014】請求項5記載の発明は、2枚の基板とその
間に介在する枠形のシールとでセルを形成し、前記シー
ルに形成された注入孔から液晶を注入する液晶素子の製
法において、この注入孔のセル内近傍に、注入される液
晶の流れを左右に振り分けるバリヤシールを形成し、こ
のバリヤシールの注入孔側に独立気泡発泡性の封止剤を
添着し、この注入孔からセル内に液晶を注入した後に封
止剤を発泡させ、この発泡した封止剤で注入孔をセル内
側から封止することを特徴としている。
【0015】請求項6記載の発明は、封止剤として加熱
により独立気泡を生成するものを用い、かつこの封止剤
をセルの外部から加熱して発泡させることを特徴として
いる。
【0016】請求項7記載の発明は、発泡した光加熱に
よって発泡させることを特徴としている。
【0017】請求項8記載の発明は、発泡した封止剤で
注入孔をセル内側から封じた後に、注入孔を非発泡性封
止剤によって外側から封止することを特徴としている。
【0018】
【作用】本発明の液晶素子においては、バリヤシールに
添着された独立気泡発泡性の封止剤が発泡して膨脹し、
注入孔をセル内側から封止するので、注入孔に液晶が付
着していても、この液晶は、封止剤が発泡して注入孔の
内部をその壁面に沿って内側から外側に向けて膨脹する
過程で外側に押し出され、注入孔の壁面に残留すること
がない。従って、封止剤はその壁面に緊密かつ強固に接
着し、外部の湿気などを完全に遮断する。
【0019】この封止剤が、加熱により独立気泡を生成
するものであれば、液晶素子の基板の外部からこれを加
熱して発泡させることができる。この加熱を、少なくと
も一方の透明基板の側からの光加熱により行えば、スポ
ット状に封止剤の部分のみを短時間で加熱することがで
き、液晶素子の他の部分に熱による障害を与えることが
ない。
【0020】この封止剤が封止用樹脂に発泡剤が添加さ
れたものであれば、発泡性でありながら接着性、防湿性
など封止剤として満足すべき特性を保有するものとな
る。
【0021】この注入孔が、さらに非発泡性封止剤によ
って外側から封じられていれば、注入孔の外側開口部が
剛性の高い非発泡性封止剤で保護され、衝撃にも強い封
止層が得られる。
【0022】
【実施例】次に図1ないし図3を用いて本発明を詳しく
説明する。図1は、本発明の液晶素子の一実施例を示す
ものである。この液晶素子11は、2枚の基板12a,
12b(図1では、説明のため、このうちの1枚12b
を省略して示している)とその間に介在する枠形のシー
ル13とがセル14を形成している。このセル14には
液晶が充填されている。シール13には、液晶の注入孔
となる切欠が形成され、この切欠により形成された注入
孔15のセル内近傍に、注入される液晶の流れを左右に
振り分けるバリヤシール16が形成されている。このバ
リヤシール16の注入孔15側には、独立気泡発泡性の
封止剤17が添着されている。この封止剤17は発泡し
ていて、この発泡した封止剤17によって注入孔15が
セル14の内側から封止されている。
【0023】この液晶素子は、図2に示すようにして製
造することができる。図2において、まず1枚の基板1
2aの一方の面に枠形のシール13と注入される液晶の
流れを左右に振り分けるバリヤシール16とを形成す
る。このシール13には、後に液晶を注入する注入孔1
5となる切欠15aが形成される。また、バリヤシール
16は、この切欠15aの内側近傍に形成される。
【0024】このバリヤシール16の切欠15a側に
は、独立気泡発泡性の封止剤17aを添着する。このと
き封止剤17aは未だ発泡も硬化もしていない。
【0025】次いで、シール13およびバリヤシール1
6の基板12aと接着していない面に、他方の基板12
b(図示せず)を重ね合わせて接着する。ここに液晶セ
ル14が形成され、同時に注入孔15も形成される。次
に、この注入孔15からセル14内に液晶を注入する。
【0026】液晶の注入が終了した後に、セル内の封止
剤17aを発泡させる。発泡した封止剤17は注入孔1
5の内部をその壁面に沿って内側から外側に向けて膨脹
し、注入孔15を閉塞しかつ注入孔15の周囲の壁面に
強固に接着して硬化する。発泡した封止剤17が硬化し
たとき、図1に示す液晶素子が得られる。
【0027】この液晶素子11は、注入孔15の壁面か
ら、これに付着していた液晶が排除されているので、封
止剤が注入孔15の壁面に密に接着しており、外部から
湿気などが侵入する通路が生じないので、長期にわたっ
て液晶素子の経時劣化が防止される。この封止剤は発泡
体であるが、独立気泡であるから、この気泡を通路とし
て湿気などが侵入することはない。また、この封止剤
は、発泡に際してバリヤシール16によって膨脹の方向
が注入孔15の方向に制御されており、液晶表示部に侵
入することはなく、発泡した封止剤は適度な粘性を有す
るため、注入孔15から溢れ出て電極端子部を侵食した
り隣接する他の液晶素子との相互接着を起こすなどの障
害をもたらすこともない。
【0028】図1の液晶素子において、基板12a,1
2b(図示せず)は、従来から液晶用として用いられて
いるいずれのものであってもよい。すなわち、セグメン
ト表示用、ドットマトリクス用、薄膜トランジスタ液晶
用、または単なる光シャッタ用のものであってもよい。
これらはいずれも、それぞれの電極層を有し、またその
少なくとも一方が透明体で構成されている。またその少
なくとも一方に配向膜層、トランジスタ回路層、カラー
フィルタ層、偏光板層、位相差板層、保護膜層などが形
成されていてもよい。
【0029】シール13とバリヤシール16とは、従来
公知の方法で2枚の基板12a,12bの間に介在させ
ることができる。例えば、一方の基板12a上に未硬化
のシール組成物およびバリヤシール組成物をスクリーン
印刷、ディスペンサなどによって、またはフィルム貼付
技術によって施して一定厚みの所望のパターンを形成
し、他方の基板12bをこれに貼り合わせた後、シール
組成物およびバリヤシール組成物を硬化させるなどの方
法が採用できる。シール組成物によるシール13のパタ
ーン形成に際しては、少なくとも一部に注入孔15とな
る切欠15aが形成される。また、他方の基板12bを
貼り合わせる工程の前に、貼り合わせた後の2枚の基板
のギャップを常に一定に保つために、一方の基板12a
上に散布スペーサが散布されていてもよい。
【0030】シール組成物およびバリヤシール組成物
は、それぞれ独立に、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリアミド樹脂、光硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂など
からなり、2枚の基板12a,12bのギャップを一定
に保つために、所定の直径の円柱状ガラススペーサなど
が混入されていてもよい。また、これらの組成物は、そ
れぞれ独立に、架橋剤、硬化促進剤、カップリング剤な
どを含むことができる。
【0031】シール13およびバリヤシール16によっ
て、2枚の基板12a,12bは一定のギャップを隔て
て平行に配列固定され、また2枚の基板12a,12b
と、その間に介在するシール13とによって、液晶を充
填するセル14および注入孔15が形成される。
【0032】バリヤシール16は、元来、セル14内に
注入される液晶の流れを左右に振り分けるために形成さ
れるものである。これは、液晶を充填する際に基板の内
面に液晶の流線が現れる場合があり、これにより液晶分
子の配向が乱れることを避けるために設けられた衝立状
の流れ制御板であり、注入孔15のセル内近傍に設けら
れる。本発明の液晶素子では、その本来の目的に加え
て、独立気泡発泡性の封止剤を添着しその発泡方向を制
御する基台としても用いられる。バリヤシール16の形
状は任意であるが、発泡性封止剤が発泡するに際してそ
の膨脹の方向を制御するために、注入孔15の側が凹部
となるように形成されることが好ましい。
【0033】従って、本発明の液晶素子にあっては、好
ましくは他方の基板12bが貼り合わされる以前に、こ
のバリヤシール16の、好ましくは凹部をなした部位
に、独立気泡発泡性の封止剤17aが添着される。この
添着の方法は、印刷法、スポッティング法などいずれで
もよい。
【0034】独立気泡発泡性の封止剤17aとしては、
加熱、光照射、電子線照射、自己発泡、その他のいずれ
かの方法によって独立気泡を生じ、かつ硬化し得て、液
晶を汚染しないものであればいずれのものを用いてもよ
い。例えば、自己発泡性のポリウレタン樹脂なども使用
可能である。しかし、発泡の程度と硬化の制御とを容易
にするためには、加熱により独立気泡を生成して発泡す
るものが好ましい。このような発泡性の封止剤は、封止
用の樹脂に、加熱によって分解して不活性ガスを生成す
る分解性発泡剤または揮発性ガス発泡剤を添加すること
によって得ることができる。
【0035】発泡性封止剤に用いる封止用の樹脂として
は、一般に封止や接着の目的で使用されるいずれのもの
であってもよい。特に好ましい樹脂の例としては、ポリ
エチレン、ポリエチレン/酢酸ビニル、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリ
ア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂(シリコーンゴムを含む)お
よび光硬化性樹脂組成物からなる群から選ばれたいずれ
か1種、またはこれらの混合物を挙げることができる。
これらはまた、これらを形成するモノマーと、他のモノ
マー例えばα−オレフィン、(メタ)アクリル酸エステ
ル、アクリロニトリル、ブタジェン、無水マレイン酸な
どとの共重合物、またはこれらを形成するモノマーのい
ずれか2種またはそれ以上の共縮重合物であってもよ
い。また、これらの組成物は、必要に応じて架橋剤、硬
化促進剤、発泡核剤などを含むことができる。
【0036】封止用の樹脂として特に好ましいものはエ
ポキシ樹脂またはシリコーン樹脂である。これらの硬化
物は耐水性、耐湿性、耐熱性、寸法安定性、接着性、電
気絶縁性、かつ非汚染性であり、総合的な観点から液晶
セルの封止に好適であることがわかった。エポキシ樹脂
としてはクレゾールノボラック型のものがとくに好適で
ある。
【0037】発泡剤は、使用される封止用の樹脂をこれ
によって発泡させたときに独立気泡が生成するものを選
択するべきである。発泡剤としては、分解性発泡剤、揮
発性ガス発泡剤のいずれも使用可能である。好ましい分
解性発泡剤の例としては、炭酸アンモニウム、炭酸水素
ナトリウムなどの無機系発泡剤、2,2’−アゾイソブ
チロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、アゾ
ジカルボンアミド、シアゾアミノベンゼンなどのアゾ系
発泡剤、p,p’−ヒドロキシビス(ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド)、ベンゼンスルホヒドラジド、ベンゼン
−1,3−ジスルホヒドラジド、ジフェニルスルホン−
3,3’−ジスルホヒドラジド、ジフェニルオキシド−
4,4’−ジスルホヒドラジドなどのスルホヒドラジド
系発泡剤を挙げることができる。特に、常温での安定性
が高く、発生ガスが窒素であり、ジカルボンアミド、ベ
ンゼンスルホヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホ
ヒドラジドなどは好ましい分解性発泡剤である。
【0038】加熱により揮発して不活性ガスを生成する
揮発性ガス発泡剤の例としてはヘキサン、シクロヘキサ
ンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳
香族炭化水素、およびハロゲン化炭化水素類を挙げるこ
とができる。特に、安定性、非汚染性などの観点からフ
ッ化炭化水素類が好ましい。発泡剤の選択、およびその
封止用樹脂への配合量は特に限定されるものではなく、
独立気泡の維持と所望の発泡倍率、および使用できる発
泡方法または発泡温度などを考慮して実験的に決定され
る。
【0039】バリヤシール16の注入孔側に独立気泡発
泡性の封止剤7が添着された後、シール13およびバリ
ヤシール16の面に基板12bが接着され、注入孔15
を有する液晶セル14が形成される。次にこの注入孔1
5を通してセル14内に液晶が注入される。この注入方
法としては種々な方法が知られており、そのいずれの方
法を採用してもよい。一般に、セル14の基板12a,
12b間のギャップは数μmないし+数μm程度と狭い
ものであるから、加温して流動性が高められた液晶は、
真空系において毛細管現象によって吸引されセル内に進
入する。その後にセル外部を加圧するなどすれば、液晶
は空洞を残さずにセル内に充填される。
【0040】次に、バリヤシール16に添着された発泡
性封止剤を発泡させる。これは、発泡性封止剤が熱発泡
性のものであれば、外部から加熱することによって行う
ことができる。その加熱方法としては、基板の外側面に
発熱体を接触させる方法、熱風を噴射する方法、または
電磁誘導加熱による方法なども可能であるが、液晶素子
の基板は少なくとも一方が透明であるから、この透明基
板の側から赤外線ビームを照射することによって、封止
剤のみを選択的に、かつ急速に発泡温度まで加熱するこ
とができる。
【0041】発泡した封止剤17はセル内を注入孔15
に向けて膨脹し、注入孔15に付着している液晶を外法
へ排除しつつその壁面に沿って進行し、実質的に注入孔
15を閉塞するに至る。
【0042】封止剤17が膨脹を停止し硬化したとき、
封止剤17と注入孔15との界面は緊密に接着され、こ
れで封止は完了する。しかし、一般に、発泡した封止剤
は外部からの衝撃やヒートサイクルなどで陥没などを起
こす可能性もあるので、必要なら、図3に示すように、
発泡性封止剤17で封止した後に、この注入孔15を非
発泡性封止剤18によって外側から封止することもでき
る。非発泡性封止剤18は一般に硬化物の剛性が高いの
で、基板12a,12b、シール13、および発泡性封
止剤17との接着性に優れたものを選択することによっ
て、注入孔15の外側に強固に密着した蓋壁を形成し、
耐衝撃性が改善され、さらに耐久性に優れた液晶素子を
得ることができる。
【0043】つぎに、上記実施例の液晶素子を実際に製
作した場合の説明を記載する。
【0044】まず、30mm×20mmの2枚の透明基
板2a,2b(図示せず)のそれぞれの片面に順次、I
TO電極および配向膜を形成した。一方の基板2aの電
極および配向膜を形成した面の、周辺から2mm内側
に、市販のシール剤(DSA−001;ロディック社
製、ガラススペーサ配合)を用いて、スクリーン印刷に
よって、図2の切欠5aを設けたシール3とバリヤシー
ル6とを形成した。このバリヤシール6は切欠5aの内
側近傍に形成され、切欠5aの方向に凹部が形成されて
いる。このバリヤシール6の上記凹部には、クレゾール
ノボラック型の熱硬化型封止剤に2,2’−アゾイソブ
チロニトリルを3重量%配合した未発泡の発泡性封止剤
7a(図2)を添着した。
【0045】次にこれに他方の基板2bの電極と配向膜
とを形成した面を重ね合わせ、接着した。得られた液晶
セルのセルギャップは10μmであった。この液晶セル
の注入孔5から、真空中で液晶を注入した。次いで透明
基板の外側から発泡性封止剤7aに赤外線ビームを照射
して加熱した。すると、発泡性封止剤7aは発泡して膨
脹し、注入孔5の空隙を充填し硬化した。これによって
注入孔5は封止され、耐湿性に優れた液晶素子が得られ
た。
【0046】さらに、液晶素子の、発泡性封止剤7で封
止された注入孔5とその周辺の部分に外側から非発泡性
封止剤(ハイロック200;東邦化成社製、光硬化型)
を塗布し、光硬化させた。これによって耐衝撃性が改善
された液晶素子が得られた。
【0047】
【発明の効果】本発明の液晶素子は、上に詳しく述べた
ように、注入孔が内側から独立気泡発泡性の封止剤で封
止されているので、この封止剤の膨脹の過程で注入孔の
壁面に付着した液晶が排除され、封止剤がその壁面に密
に接着し、長期間にわたって湿気などの侵入を阻止す
る。従って、耐久性に優れた液晶素子が得られる。しか
も発泡に際してこの封止剤は液晶表示部に侵入せず、ま
た注入孔から溢れ出て電極端子部を侵食したり隣接する
他の液晶素子との相互接着を起こすなどの障害をもたら
すこともなく、生産歩留まりが著しく向上する。
【0048】封止剤が、加熱により独立気泡を生成する
ものであれば、液晶素子は基板の少なくとも一方が透明
であるから、この面からの光照射によって加熱発泡させ
ることができ、液晶などに熱による影響を与えることな
く、しかも高い生産効率で封止を行うことができる。
【0049】発泡した封止剤で注入孔をセル内側から封
止した後に、非発泡性封止剤を用いてこの注入孔を外側
からさらに封止すれば、耐衝撃性が向上し、きわめて耐
久性に優れた液晶素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一実施例を示し、一方の基
板を除去した平面図である。
【図2】本発明の液晶素子の一実施例の製作過程を示す
平面図である。
【図3】本発明の液晶素子の一実施例を示し、一方の基
板を除去した平面図である。
【図4】従来の液晶素子の模式的な断面図である。
【図5】従来の液晶素子の模式的な一方の基板を除去し
た平面断面図である。
【図6】従来の液晶素子のセルに液晶を注入した状態の
模式的平面断面図である。
【図7】従来の液晶素子を加熱炉に配設した状態の模式
的説明図である。
【図8】従来の液晶素子の注入孔に封止剤を設けた模式
的説明図である。
【符号の説明】
11 液晶素子 12a,12b 基板 13 シール 14 セル 15 注入孔 15a 注入孔となる切欠 16 バリヤシール 17 独立気泡発泡性封止剤 17a 未発泡封止剤 18 非発泡性封止剤

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の基板とその間に介在する枠形のシ
    ールとでセルが形成され、前記シールに液晶を導入する
    ための注入孔が形成された液晶素子において、この注入
    孔のセル内近傍に、注入される液晶の流れを左右に振り
    分けるバリヤシールが設けられ、さらに、このバリヤシ
    ールの注入孔側には、発泡させることにより前記注入孔
    をセルの内部から封止する独立気泡発泡性の封止剤が設
    けられていることを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 封止剤が、加熱により独立気泡を生成す
    るものであることを特徴とする請求項1記載の液晶素
    子。
  3. 【請求項3】 封止剤が、封止用樹脂に発泡剤が添加さ
    れたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の
    液晶素子。
  4. 【請求項4】 注入孔が、非発泡性封止剤によって外側
    から封止されたことを特徴とする請求項1,2又は3記
    載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 2枚の基板とその間に介在する枠形のシ
    ールとでセルを形成し、前記シールに形成された注入孔
    から液晶を注入する液晶素子の製法において、前記注入
    孔のセル内近傍に、注入される液晶の流れを左右に振り
    分けるバリヤシールを形成し、このバリヤシールの注入
    孔側に独立気泡発泡性の封止剤を添着し、この注入孔か
    らセル内に液晶を注入した後に封止剤を発泡させ、この
    発泡した封止剤で注入孔をセル内側から封止することを
    特徴とする液晶素子の製法。
  6. 【請求項6】 封止剤として加熱により独立気泡を生成
    するものを用い、かつこの封止剤をセルの外部から加熱
    により発泡させることを特徴とする請求項5記載の液晶
    素子の製法。
  7. 【請求項7】 封止剤を光照射により加熱発泡させるこ
    とを特徴とする請求項6記載の液晶素子の製法。
  8. 【請求項8】 発泡した封止剤で注入孔をセル内側から
    封止した後に注入孔を非発泡性封止剤によって外側から
    封止することを特徴とする請求項5,6又は7記載の液
    晶素子の製法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0911144A2 (en) * 1997-10-22 1999-04-28 Micro Optics Company Ltd. Stamper for use in forming planar micro-lens array and method of forming thereof
CN106292081A (zh) * 2016-10-27 2017-01-04 南京华日触控显示科技有限公司 带有挡流板的液晶注入口改善液晶冲刷的方法

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