JPH07243867A - 磁気スケールおよびこれを備えた磁気式検出装置 - Google Patents

磁気スケールおよびこれを備えた磁気式検出装置

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JPH07243867A
JPH07243867A JP3513894A JP3513894A JPH07243867A JP H07243867 A JPH07243867 A JP H07243867A JP 3513894 A JP3513894 A JP 3513894A JP 3513894 A JP3513894 A JP 3513894A JP H07243867 A JPH07243867 A JP H07243867A
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poles
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雅之 外川
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勝 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、磁極上とは反対向きとなる磁化の
回り込みを磁極間検出高さ近傍において実効的に除去
し、磁界強度検出素子と磁極との配置間隔を狭め得る磁
気スケールを提供することを第1の目的とし、それによ
りS/N比と分解能を向上させた磁気式検出装置を提供
することを第2の目的とする。 【構成】 複数の磁界発生手段12からなる所定磁界強度
分布の磁気パターン13を備え、該磁気パターン13側の磁
界強度がx方向で規則的に変化する磁気スケールにおい
て、x方向と略直交するy方向で互いに近接し同一面側
に表出するN極およびS極少なくとも2つの磁極12a、
12bを1組として、少なくとも1組の磁極12a、12bを
x方向の所定位置に設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気スケールおよびこ
れを備えた磁気式検出装置に係り、例えばエンコーダ等
のような変位を検出するのに好適な磁気スケールおよび
それを用いて所定方向における変位、速度又は角速度等
を検出する磁気式検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気スケールは磁気式エンコーダ
等に使用されており、その磁気の読取方式としては次の
、のような2つの方式がある。 磁気記録再生用ヘッドと同等のヘッドを用い、磁束
が変化したとき高透磁率材に巻き付けたコイルで誘起さ
れる電流(ビオサバールの法則)の変化を読み取って磁
気スケール上の磁界分布を読み取る。
【0003】 磁気抵抗効果素子又はホール効果素子
を磁界強度の検出に用いる方式。近時の小型・高分解能
を要求されるものに多用されているのはの方式で、こ
の方式では所定の磁極表出面側に所定の磁極が表出す
る。例えばN極(正極)のみを並べた磁気スケールを用
い、磁気スケールが発生する磁界の強度を磁気抵抗効果
素子又はホール効果素子の何れかによって電気信号に変
換し、これを読み取っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の磁気式エンコーダ等にあっては、磁気抵抗効
果素子又はホール効果素子と、これに対向する磁極表出
面側に所定の磁極のみを表出させた磁気スケールとによ
って変位等の検出を行なっていたため、磁気抵抗素子や
ホール効果素子を磁気スケールに近接して配置すると、
実効的なノイズレベルが高くなってS/N比が低下する
という問題があった。すなわち、図15(a)に示すよ
うに、磁極上のP点およびR点から上向き(+z向き)
に出た磁化ベクトルは、磁極表出面と同一高さに位置す
る磁極間の中間点(O点)近傍で下向き(−z向き)に
なり、この下向きの磁化ベクトルが磁気抵抗効果素子又
はホール効果素子に作用した場合であっても、その素子
の電気抵抗又は発生電圧が増大することから、図15
(b)中に示す読取信号波形の小さなピークが生じてし
まう。したがって、磁気スケールの表面(磁極表出面)
近傍では、検出すべき+側の磁化ベクトルとこれとは逆
向きの−側の磁化ベクトルとが等価に検出され、実効的
なノイズレベルが増大するのである。
【0005】このような問題を回避するために、従来、
磁気抵抗効果素子やホール効果素子を磁気スケールから
ある程度離し、−z向きの磁化が発生しないような領域
でスライドさせて、磁界検出(位置、変位等の検出)を
行っている。そのため、読取信号レベルが低下したり分
解能が低下したりするばかりか、高度な小型化の要求に
も応えられなかった。
【0006】分解能を向上させるためには、次のような
ことが考えられる。 イ)磁気スケールの磁気パターンのピッチを細かくする
とともに、磁気スケールと磁気抵抗効果素子又はホール
効果素子との間隔を狭める。 ロ)出力されるサインカーブを電子回路で分周する。 一般には、ロ)の方法が採られているが、電子回路が複
雑になり、信号レベルが大きく変動すると分割がし難く
なる。
【0007】このように、従来の磁気式エンコーダ等に
あっては、磁極間における磁化ベクトルの反対方向への
回り込みがあるため、磁極間隔を狭めることができず、
検出精度の大幅な向上が期待できなかった。そこで、本
発明は、磁極上とは反対向きとなる磁化の回り込みを磁
極間検出高さにおいて実効的に除去して、磁界強度検出
素子との配置間隔を狭めることの可能な磁気スケールを
提供することを第1の目的とし、それにより実効的にS
/N比を向上させた各種の磁気式検出装置を提供するこ
とを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1〜3記載の発明は、複数の磁界発生手段からなる
所定磁界強度分布の磁気パターンを備え、該磁気パター
ン側の磁界強度が所定検出方向で規則的に変化する磁気
スケールにおいて、前記検出方向と略直交する方向で互
いに近接し同一面側に表出するN極およびS極少なくと
も2つの磁極を1組として、少なくとも1組の磁極を前
記検出方向の所定位置に設けたことを特徴とするもので
ある。このような磁極の配置は、例えば略馬蹄形(例え
ばU字型やコの字型)の磁石を用いることで実現できる
し、磁石と高透磁性材料とを組み合せて馬蹄形磁石と同
様な磁路を構成することでも実現することができる。
【0009】前記少なくとも1組の磁極は、例えば前記
検出方向に配列された複数組の磁極であり、請求項2記
載のように該複数組の磁極のうち同一列の磁極の極性が
交互に変化するよう複数組の磁極の極性配置を異ならせ
るか、あるいは、請求項3記載のように該複数組の磁極
のうち同一列の磁極の極性が所定の順番で変化するよう
複数組の磁極の極性配置を異ならせることができる。
【0010】前記複数組の磁極又は同一列に配列された
N極およびS極少なくとも2つの磁極は、請求項4記載
のように、前記検出方向で長さの異なる磁極を含み、該
磁極の表出面が前記検出方向における該表出面の長さに
応じて異なる高さに位置するもの、あるいは、請求項5
記載のように、該磁極の表出面が前記検出方向における
該表出面の長さに応じて検出方向と直交する幅を変化さ
せたものであってもよい。
【0011】また、請求項6記載のように、前記検出方
向と直交する方向に複数の磁石を並列に配置し、該複数
の磁石の対向部により、前記複数組の磁極を、磁石の並
列数から1を引いた列数だけ構成することができる。な
お、勿論、同一列に配列されたN極およびS極少なくと
も2つの磁極を、前記複数の磁石の並列数から1を引い
た列数だけ構成することもできる。
【0012】さらに、前記複数組の磁極は、請求項7記
載のように、前記検出方向である円周方向に所定角度間
隔を隔てるよう配列されたものであってもよい。請求項
8記載の発明に係る磁気式検出装置は、上記構成を有す
る何れかの磁気スケールと、光信号を出力する光出射手
段と、前記磁気スケールの磁極表出面側に設けられ、各
組のN極およびS極の磁極により形成される磁界の強度
に応じて前記光信号の偏光方向を回転させる偏光回転手
段と、特定方向の偏光のみを透過させる偏光制御手段
と、偏光制御手段透過後の光強度信号を電気信号に変換
する光電気変換手段と、光電変換手段からの電気信号を
処理して該信号に応じた特定の物理量を求める電気信号
処理手段と、を備えている。また、その電気信号処理手
段は、請求項9記載のように、前記光電変換手段からの
電気信号に基づいて、前記磁気スケールと前記偏光回転
手段との相対的な変位、速度および加速度のうち何れか
を求める手段とすることができる。
【0013】請求項10記載の発明に係る磁気式検出装
置は、請求項7記載のように円周方向に所定角度間隔を
隔てるよう配列された磁極を有する磁気スケールと、光
信号を出力する光出射手段と、前記磁気スケールの磁極
表出面側に設けられ、各組のN極およびS極の磁極によ
り形成される磁界の強度に応じて前記光信号の偏光方向
を回転させる偏光回転手段と、特定方向の偏光のみを透
過させる偏光制御手段と、偏光制御手段透過後の光強度
信号を電気信号に変換する光電気変換手段と、光電変換
手段からの電気信号を処理して該信号に応じた特定の物
理量を求める電気信号処理手段と、を備えている。ま
た、その電気信号処理手段は、請求項11記載のよう
に、前記光電変換手段からの電気信号に基づいて、前記
磁気スケールと前記偏光回転手段との相対的な角変位、
角速度および角加速度のうち何れかを求める手段とする
ことができる。
【0014】上記構成の磁気式検出装置においては、請
求項12記載のように、前記磁気スケールが、複数組の
磁極を複数列に並列させたものであり、前記偏光回転手
段が、該複数列の各列の磁極により形成される磁界の強
度に応じて前記光信号の偏光方向を回転させる複数の偏
光回転素子を有し、前記光電変換手段が、偏光制御手段
透過後の複数の光強度信号を複数の電気信号に変換する
ものであってもよい。
【0015】また、請求項13記載の発明に係る磁気式
検出装置は、複数の磁界発生手段からなる所定磁界強度
分布の磁気パターンを備え、該磁気パターン側の磁界強
度が所定検出方向で規則的に異なるとともに、前記検出
方向で互いに近接し同一面側に表出するN極およびS極
少なくとも2つの磁極を前記検出方向に同一列に配列し
た磁気スケールと、光信号を出力する光出射手段と、前
記磁気スケールの磁極表出面側に設けられ、各組のN極
およびS極の磁極により形成される磁界の強度に応じて
前記光信号の偏光方向を回転させる偏光回転手段と、特
定方向の偏光のみを透過させる偏光制御手段と、偏光制
御手段透過後の光強度信号を電気信号に変換する光電気
変換手段と、光電変換手段からの電気信号を処理し、該
信号に応じて前記磁気スケールと前記偏光回転手段との
相対的な変位、速度、加速度、角変位、角速度および角
加速度のうち少なくとも何れかを求める電気信号処理手
段と、を備えたことを特徴とするものであり、請求項1
4記載の発明のように、前記磁気スケールが、前記同一
列に配列されたN極およびS極少なくとも2つの磁極を
複数列に並列させたものであり、前記偏光回転手段が、
該複数列の各列の磁極により形成される磁界の強度に応
じて前記光信号の偏光方向を回転させる複数の偏光回転
素子を有し、前記光電変換手段が、偏光制御手段透過後
の複数の光強度信号を複数の電気信号に変換する(すな
わち、複数ビットの光強度信号に対応する)ようにした
ことを特徴とするものでもよい。このような検出装置に
おける磁気スケールの磁極配置は、例えばクシ(櫛)形
の磁石を対向させるなどして実現することができる。
【0016】さらに、上記構成の磁気スケールを他の磁
界強度検出素子と組み合せた磁気式検出装置としてもよ
い。すなわち、請求項15又は17記載のように、上記
構成の何れかを有する磁気スケールと、磁気スケールの
磁極表出面側に設けられ、該磁気スケールのN極および
S極の磁極により形成される磁界の強度に応じた電圧を
発生する磁気電気変換素子からなる磁界強度検出素子
と、該磁界強度検出素子の発生電圧に対応する電気信号
を処理して特定の物理量を求める電気信号処理手段と、
を備えたことを特徴とする磁気式検出装置とすることが
できる。
【0017】これらの場合にも、前記電気信号処理手段
は、請求項16記載のように、前記電気信号に基づい
て、前記磁気スケールと前記磁界強度検出素子との相対
的な変位、速度および加速度のうち何れかを求める手段
とすることができるし、請求項18記載のように、前記
電気信号に基づいて、前記磁気スケールと前記磁界強度
検出素子との相対的な角変位、角速度および角加速度の
うち何れかを求める手段とすることもできる。
【0018】なお、上記磁気電気変換素子としては、ホ
ール効果素子や磁気抵抗効果素子を用いることができ
る。また、上記磁気式検出装置の偏光回転手段として
は、磁気光学効果素子を用いるのが好ましい。その場
合、特定方向の偏光(直線偏光)を磁気光学効果素子に
入射させ、該光に対し略直交するよう外部磁界を印加さ
せることで、磁気光学効果素子内部に発生していた磁区
構造は消失し、偏光方向が回転しない状態で直進した前
記光が偏光子(偏光制御手段)を透過して、光出力が得
られる。また、外部に磁界が無いとき、自ら磁気的に飽
和した磁気光学効果素子中の磁区によって、前記光は、
磁気光学効果素子を通過する間にその偏光面を90度回
転し、偏光子を透過できないので、光出力はない。さら
に、磁界発生手段を磁石とするとき、変位方向(所定検
出方向)に対し直交する方向となるよう磁石を配置する
もの(並列型)と、変位方向に対し平行となるよう磁石
を配置するもの(直列型)とのうち何れのタイプでも採
用可能である。
【0019】
【作用】請求項1〜3記載の発明では、所定検出方向と
略直交する方向で互いに近接し同一面側に表出するN極
およびS極少なくとも2つの磁極が、所定検出方向の所
定位置に設けられるから、一方の磁極から磁極表出面上
に出た磁化ベクトルはこの一方の磁極と同一高さに位置
する他方の磁極の近傍で下向きになるが、検出場所での
磁化の向きは水平方向である。したがって、従来なら所
定検出方向で近接する磁極間に生じていたであろう反対
向きの磁化が実効的に除去され、反対向きの磁化による
実効的なノイズレベルの増大という問題が解消する。
【0020】また、請求項2又は3記載のように、前記
検出方向に配列された複数組の磁極のうち同一列の磁極
の極性が交互に又は所定の順番で変化するよう複数組の
磁極の極性配置を異ならせると、所定検出方向で近接す
るN極およびS極の磁極の中間位置近傍において下向き
の磁化ベクトルが生じないとともに、磁化ベクトルの向
きが変位方向と平行になる。したがって、反対方向の磁
化がより確実に除去される。さらに、磁極上の磁界のみ
ならず、変位方向で隣合う磁極間に生ずる変位方向の磁
化をも積極的に活用できるセンサヘッドを使用すること
で、検出精度の優れた変位検出および他の制御信号を同
一スケール上に記録することが可能になる。
【0021】請求項4、5記載の発明では、前記複数組
の磁極又は同一列に配列されたN極およびS極少なくと
も2つの磁極が、前記検出方向で長さの異なるものを含
み、その表出面の長さに応じて異なる高さに位置し、又
は異なる幅を有する。したがって、磁極表出面積の大小
に拘らず検出高さにおける磁界強度を均一化することが
できる。
【0022】請求項6記載の発明では、並列に配置した
複数の磁石の対向部によって、複数組の磁極又は同一列
に配列されたN極およびS極少なくとも2つの磁極が、
前記複数の磁石の並列数から1を引いた列数だけ構成さ
れる。したがって、マルチチャンネルの磁気スケールを
小型化することができるとともに、その製造上の歩留り
も向上する。
【0023】請求項7記載では、前記複数組の磁極が円
周方向に所定角度間隔を隔てるよう配列される。したが
って、角変位、角速度、角加速度等が検出可能な磁気ス
ケールとなる。請求項8、9記載の発明では、N極およ
びS極の磁極を所定検出方向と直交する方向に近接させ
た磁気スケールの磁極表出面側に偏光回転手段が設けら
れ、光出射手段から該偏光回転手段に送られた光信号
が、前記磁極により形成される磁界の強度に応じてその
偏光方向を回転させる。そして、特定方向の偏光のみを
透過させる偏光制御手段を光信号の経路に介在させるこ
とで、磁界強度に応じた光強度信号を生成し、これを電
気信号に変換し信号処理すると、特定の物理量である磁
気スケールと前記偏光回転手段との相対的な変位(一方
を固定した場合の固定側を基準とする位置を含む)、速
度又は加速度等が求まる。このとき、正の磁極から磁極
表出面上に出た磁化ベクトルはこの磁極と同一高さに位
置する負の磁極の近傍で反対向きになるが、検出方向で
の位置は同じであり、検出方向で近接する磁極との中間
位置近傍で反対向きの磁化が生ずることはない。したが
って、反対向きの磁化による実効的ノイズレベルの増大
という問題が解消され、S/N比および分解能に優れた
検出装置となる。
【0024】請求項10、11記載の発明では、磁極を
円周方向に配列させた磁気スケールの磁極表出面側に偏
光回転手段が設けられ、光出射手段から該偏光回転手段
に送られた光信号が、前記磁極により形成される磁界の
強度に応じてその偏光方向を回転させる。そして、特定
方向の偏光のみを透過させる偏光制御手段を光信号の経
路に介在させることで、磁界強度に応じた光強度信号を
生成し、これを電気信号に変換し信号処理すると、特定
の物理量である磁気スケールと前記偏光回転手段との相
対的な変位角(一方を固定した場合の固定側を基準とす
る角度位置を含む)、角速度又は角加速度等が求まる。
このとき、正の磁極から磁極表出面上に出た磁化ベクト
ルはこの磁極と同一高さに位置する負の磁極の近傍で反
対向きになるが、検出方向での位置は同じであり、検出
方向で近接する磁極との中間位置近傍で反対向きの磁化
が生ずることはない。したがって、反対向きの磁化によ
る実効的ノイズレベルの増大という問題が解消され、S
/N比および分解能に優れた検出装置となる。
【0025】請求項12記載の発明では、複数組の磁極
を並列させた又は同一列に配列されたN極およびS極少
なくとも2つの磁極を複数列に並列させた磁気スケール
と、該複数列の各列の磁極により形成される磁界の強度
に応じて光信号の偏光方向を回転させる複数の偏光回転
素子を有する偏光回転手段とを用い、複数の光強度信号
を複数の電気信号に変換することで、S/N比および分
解能に優れた所謂アブソリュート型の検出装置や磁気パ
ターンの位相を90度ずらす2組の磁石列を用いること
で変位方向が検出可能なインクリメンタル型検出装置を
実現できる。
【0026】請求項13、14記載の発明では、所定検
出方向で互いに近接し同一面側に表出するN極およびS
極少なくとも2つの磁極が、所定検出方向に配列される
から、所定検出方向で近接するN極およびS極の磁極の
中間位置近傍において下向きの磁化ベクトルが生じない
とともに、磁化ベクトルの向きが検出方向となる。した
がって、所定検出方向における磁極の中間位置近傍で反
対向きの磁化が生じないことになり、これによる実効的
なノイズレベルの増大を回避することができる。
【0027】請求項15、17記載の発明では、磁気ス
ケールの磁極表出面側に、該磁気スケールのN極および
S極の磁極により形成される磁界の強度に応じた電圧を
発生する磁気電気変換素子からなる磁界強度検出素子が
設けられ、該素子の発生電圧に対応する電気信号を処理
して特定の物理量が求められる。したがって、センサヘ
ッドから電気信号処理手段までの構成を簡素で低コスト
のものとすることができる。
【0028】また、請求項16、18記載の発明によう
に、磁気抵抗効果素子やホール効果素子等の磁気電気変
換素子を用いる請求項15、17記載の発明において
も、前記電気信号に基づいて磁気スケールと磁界強度検
出素子との相対的な変位、速度および加速度のうち何れ
か、あるいは、前記磁気スケールと前記磁界強度検出素
子との相対的な角変位、角速度および角加速度のうち何
れかを求めることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。 <第1実施例>図1、図2は、請求項1記載の発明に係
る第1実施例の磁気スケールを示す図で、直線型位置セ
ンサ(リニア位置センサ)としての磁気式エンコーダに
適用した例を示している。
【0030】まず、その構成を説明する。図1(a)〜
(c)において、1はセンサヘッド、10は磁気スケール
である。センサヘッド1は、例えば磁気スケール10が軸
19を介して図外の変位検出対象物と一体にx方向(所定
検出方向)に移動することで、磁気スケール10に対し相
対的に変位るものである。詳細は図示しないが、このセ
ンサヘッド1は、例えばキャリッジを兼ねたヘッド本体
に、公知の磁気電気変換素子、例えばホール効果素子又
は磁気抵抗効果素子からなる検出部(磁界強度検出素
子)を装着したもので、検出部に作用する磁界の強度に
応じた発生電圧又は電気抵抗を生ずるようになってい
る。勿論、磁界強度検出素子を有する他方式のセンサヘ
ッド(例えば第7実施例として後述する磁気光学効果素
子を用いるセンサヘッド)を使用してもよいことはいう
までもない。
【0031】磁気スケール10は、図1のx方向(所定検
出方向)と略直交するy方向で所定厚さtの非磁性体14
(厚さ:t)を挟んで互いに近接し、かつ、そのスケー
ル面10a(磁極表出面)上に表出するN極およびS極の
少なくとも2つの磁極12a、12bを1組として、複数組
(少なくとも1組)の磁極12a、12bを、x方向で所定
間隔p(但しp>t)を隔てる複数の所定位置に設けた
ものであり、各組の磁極12a、12bの配置を、例えば図
2(a)〜(e)に示すような各種態様の磁界発生手段
12により実現している。
【0032】図2(a)に示す磁界発生手段12は、略馬
蹄形(U字型又はコの字型)の磁石121の両端部を磁極1
2a、12bとして利用するものである。図2(b)に示
す磁界発生手段12は、長手方向に磁化した棒磁石122の
磁気スケール表面10a側とは反対側にL字形の高透磁率
材123を近接配置することで、棒磁石122とは反対側の高
透磁率材123の端部にS極の磁極を誘起させるものであ
る。図2(c)に示す磁界発生手段12は、長手方向(y
方向)に磁化した棒磁石124の両端に高透磁率材125、12
6を垂直に配置してN、Sの磁極12a、12bを誘起させ
るものである。また、図2(d)に示す磁界発生手段12
は、磁極を逆向きに配置した2つの棒磁石127、128の間
に非磁性体14を挟み、両磁石127、128のスケール面10a
側の磁極をN、Sの磁極12a、12bとして利用するもの
である。図2(e)に示す磁界発生手段12は、y方向に
向けた棒磁石129のスケール面10a側の壁面部に溝129a
を形成してその両側を磁極12a,12bとして利用するよ
うにしたものである。
【0033】すなわち、磁気スケール10は、非磁性体か
らなるそのスケール本体11に上述した複数の磁界発生手
段12を所定間隔で埋設した所定磁界強度分布の磁気パタ
ーンを備えており、センサヘッド1が磁気スケール10と
相対変位するとき、そのz方向の高さ(以下、検出高さ
という)において、前記磁気パターンからの磁界の強度
がx方向で規則的に変化するようになっている。
【0034】なお、このような磁気スケール10を作製す
る際には、まず、非磁性体からなるスケール本体11に、
x方向に所定間隔pで複数の磁界発生手段12を装着する
複数の凹部を形成し、その複数の凹部内に、Nの磁極が
x方向に所定間隔で一列現れるとともに、この一列のN
の磁極に対してy方向に所定の間隔tをあけて複数のS
の磁極が現れるように、複数の磁界発生手段12をx方向
に所定間隔pで1列に並べる。次いで、スケール面10a
上にNとSの磁極を表出した磁界発生手段12の凹部内
に、非磁性体14を装填する。次いで、磁界発生手段12の
周囲を非磁性材質の接着剤等により固定し、所定の信号
を必要とする領域を残して磁極12a、12b近傍の不要な
部分を切削加工等によって削除し、図示形状の磁気スケ
ール10とする。非磁性体14は空気又は真空であってもよ
い。また、本実施例では磁界発生手段12に永久磁石を用
いているが、電磁石であってもよいことはいうまでもな
い。
【0035】次に、作用を説明する。本実施例では、y
方向で互いに近接し同一スケール面10a上に表出するN
極およびS極少なくとも2つの磁極12a、12bが、所定
間隔を隔てるx方向の複数の所定位置に設けられるか
ら、そのそれぞれの位置で、一方の磁極12aからスケー
ル面10a上に出た磁化ベクトルはこの一方の磁極12aと
同一高さに位置する他方の磁極12bの近傍で反対向き
(下向き)になるが、検出方向(x方向)での位置は同
じである。したがって、センサヘッド1の検出部に作用
する磁化は、ほとんどy方向のベクトルを持つ。x方向
で磁極12a同士の中間となり、かつy方向で磁極12a,
12bの中間となる位置付近では、センサヘッド1に実効
的にz方向の磁化は生じない。すなわち、磁界発生手段
12のN、Sの磁極12a、12bがy方向に近接しているか
ら、従来であればx方向に近接する単極間の中間位置近
傍で生じたであろう反対向きの磁化(+z向きの磁化を
検出する磁界強度検出素子に作用する−z向きの磁化に
相当する)が生じ難くなり、これが実効的に除去され
る。したがって、センサヘッド1の検出部に磁気抵抗効
果素子やホール効果素子といった磁気電気変換素子を用
い、センサヘッド1と磁気スケール10をz方向で近接す
る配置にしたとしても、前記反対向きの磁化により実効
的なノイズレベルが増大してS/N比が低下するといっ
た従来のような問題はなく、高分解能で出力の安定した
高制度な位置又は変位の検出が可能(勿論、信号処理す
れば速度や加速度検出も可能)になる。 <第2実施例>図3(a)は、請求項1、2記載の発明
に係る第2実施例の磁気スケールを示す図である。
【0036】本実施例は、磁極配置以外は第1実施例と
全く同様のものである。すなわち、図3(a)に示すよ
うに、x方向に配列された複数組の磁極12a、12bのう
ち一方の列(同一列)にある複数の磁極12aと、他の列
(同一列)にある複数の磁極12bとの極性が、それぞれ
x方向にN、S、N、Sと変化するよう、複数組の磁極
12a、12bの極性配置を交互に異ならせている。
【0037】本実施例では、第1実施例と同様な効果が
得られるとともに、x方向に配列された複数組の磁極12
a、12bのうち同一列の磁極12a又は12bの極性が交互
に変化していることで、x方向で近接するN、Sの磁極
の中間位置近傍において、反対向き(−z方向)への磁
化ベクトルがより生じ難くなる。さらに、磁極12a、12
b上のy方向の磁界と、x方向で隣合う磁極12a同士、
磁極12b同士の間に生ずるx方向の磁化を共に積極的に
利用し、磁気光学効果素子を有するセンサヘッドによっ
て光のスイッチングを行なうようにすれば、分解能や方
向検出等の機能を更に高めることができる(その実施例
は後述する)。
【0038】ここで、変位方向検出や高分解能化の工程
を図4(a)を用いて補足説明すると、同一列上の複数
の磁極12aが交互に逆極性となる場合、同図(a)のB
4−B4上空では、x方向の磁化ベクトル(Hx)はx方
向で隣合う2つの磁極12aの間で最大値又は最小値をと
る。一方、y方向で隣合う磁極12a,12bの中間である
C4−C4上空では、y方向の磁化ベクトル(Hy)は磁
極12a,12bの位置で最大値又は最小値をとる。したが
って、y方向の複数の場所で磁界強度を検出しながら磁
気スケール10とセンサヘッド1をx方向(検出方向)に
相対変位させると、図4(b)および図4(c)に示し
た磁界強度分布に対応して90度だけ位相のずれた信号
が得られ、両信号の検出タイミングから変位の方向(+
x又は−x)が検出できる。なお、分周により1周期の
信号を多分割する技術は、方向検出又は他の検出を行な
う一般的な産業用エンコーダ等に広く採用されている公
知の技術であり、ここでは詳述しない。 <第3実施例>図3(b)は、請求項1、3記載の発明
に係る第3実施例の磁気スケールを示す図である。
【0039】本実施例は磁極12a、12bの配置以外は第
2実施例と全く同様のものである。すなわち、x方向に
配列された複数組の磁極12a、12bは、図3(b)に示
すように、これらのうち一方の列(同一列)の複数の磁
極12aと他の列(同一列)の複数の磁極12bとの極性
が、それぞれx方向に所定の順番(図ではN、N、S、
N……N、N)で変化するよう、複数組の磁極12a、12
bの極性配置を異ならせている。
【0040】本実施例では、第1実施例と同様な効果が
得られるとともに、検出方向であるx方向に配列された
複数組の磁極12a、12bのうち同一列の磁極12a又は12
bの極性が所定の順番で変化することで、任意の信号周
期を得ることが可能になり、y方向の位置信号に加え、
他の制御信号(例えば流体圧アクチュエータ等と併用さ
れるバルブの制御信号、流量制御信号等)を同一スケー
ル上に記録することができるという利点がある。
【0041】また、図4(d)に示すように、同極性の
磁極が並ぶ数を変化させると、x方向の基準位置からの
磁石列の個数、すなわちx方向における基準位置からの
距離がわかることになる。例えば、連続してN極が3個
存在する場合、基準位置から7〜9のピーク位置である
ことがわかるし、複数の磁極を同一ピッチで並べていれ
ば、同一極が何個連続しているかもわかる。また、前後
に複数個のピークが検出されるようx方向に変位させる
ことで、前後の同一極性の磁極の個数を検出することも
できる。さらに、殆どの磁極12a,12bをx方向で交互
に逆極性となるよう配置し、機械的にこれ以上変位する
と故障が生ずる、あるいは危険であるという位置付近に
同一極性の磁極を連続させることで、危険信号としての
前記制御信号を発生させることもできる。 <第4実施例>図5は、請求項1、7、13記載の発明
に係る第4実施例の磁気スケールおよび磁気式検出装置
を示す図であり、角度センサとしての磁気式ロータリー
エンコーダに適用した例を示している。
【0042】図5に示すように、本実施例の磁気スケー
ル30では、複数組の磁極12a、12bが、所定検出方向で
あるR方向(円周方向)に所定角度間隔を隔てるよう配
列されており、複数組の磁極12a、12bの間に挟まれた
複数の非磁性体14は同一円周上にある。また、複数組の
磁極12a、12bは、これらのうち外側の列(同一列)の
複数の磁極12a同士、内側の列(同一列)の複数の磁極
12b同士が同一極性となるよう、複数組の磁極12a、12
bの極性配置を一定にしている。すなわち、本実施例の
磁気スケール30は、スケール本体31に複数の磁界発生手
段12を所定の角度間隔で同一極性配置となるよう埋設し
た円板形のものであり、第1実施例の磁気スケール10と
ほぼ同様な手順で作製される。
【0043】このように複数組の磁極12a、12bが円周
方向に所定角度間隔を隔てるよう配列されるから、角度
位置や角変位が検出可能(勿論、信号処理すれば角速度
や角加速度検出も可能)で、しかも、第1実施例と同様
な作用効果により高精度な検出が可能になる。なお、図
5では、円板上に磁極面が配置される例を示したが、円
柱の側面に磁極を表出させてもよいことはいうまでもな
い。 <第5実施例>図6(a)は、請求項1、2、7記載の
発明に係る第5実施例の磁気スケールを示す図で、第4
実施例とは磁極の極性配置を異ならせたものである。
【0044】同図に示すように、本実施例では、第4実
施例と同様に、複数組の磁極12a、12bが、所定検出方
向であるR方向(円周方向)に所定角度間隔を隔てるよ
う配列されており、複数組の磁極12a、12bの間に挟ま
れた複数の非磁性体14は同一円周上にある。また、複数
組の磁極12a、12bは、これらのうち外側の列(同一
列)の複数の磁極12aと内側の列(同一列)の複数の磁
極12bとの極性が、それぞれR方向に交互にN、S、
N、Sと変化するよう、複数組の磁極12a、12bの極性
配置を交互に異ならせている。すなわち、本実施例の磁
気スケール30は、スケール本体31に複数の磁界発生手段
12を所定の角度間隔で交互に逆極性となるよう埋設した
円板形のものであり、第1実施例の磁気スケール10とほ
ぼ同様な手順で作製される。
【0045】このように複数組の磁極12a、12bが円周
方向に所定角度間隔を隔てるよう配列されるから、第4
実施例と同様に角度位置や角変位等が検出可能で、しか
も、第1、第2実施例と同様な作用効果により高精度な
検出が可能になる。 <第6実施例>図6(b)は、請求項1、3、7記載の
発明に係る第6実施例の磁気スケールを示す図で、第
4、第5実施例とは磁極の極性配置を異ならせたもので
ある。同図に示すように、本実施例では、複数組の磁極
12a、12bが、第4、第5実施例と同様にR方向(円周
方向)に所定角度間隔を隔てるよう配列されている。ま
た、複数組の磁極12a、12bは、これらのうち外側の列
(同一列)の複数の磁極12aと内側の列(同一列)の複
数の磁極12bとの極性が、それぞれR方向に所定の順番
(例えばN、N、S、N、N、S……)で変化するよ
う、複数組の磁極12a、12bの極性配置を異ならせてい
る。すなわち、本実施例の磁気スケール30はスケール本
体41に複数の磁界発生手段12を所定の順番に極性が変化
するよう所定角度間隔で埋設した円板形のものである。
【0046】このように複数組の磁極12a、12bが円周
方向に所定角度間隔を隔てるよう配列されるから、第
4、第5実施例と同様に角度位置や角変位等が検出可能
で、しかも、第1、第3実施例と同様な作用効果により
高精度な検出が可能になる。 <第7実施例>図7は、請求項1、2、3、8、9記載
の発明に係る第7実施例を示す図で、リニア位置センサ
としての磁気式エンコーダに適用した例を示している。
【0047】本実施例では、複数組の磁極12a、12bを
y方向に一定の間隔を隔てて複数の所定列数だけ並列さ
せた磁気スケール10Aと、磁気光学効果を利用して光磁
気変調を行うセンサヘッド21とを用いている。ここで、
磁気スケール10Aは、詳細を図示していないが、例えば
第1、第2又は第3実施例の磁気スケール10を複数並設
してそれらのスケール本体11のみを一体化したものであ
る。
【0048】また、センサヘッド21は、基板上に所定パ
ターンの導波路(光の通路)を形成した光導波路形成素
子22(以下、単に光導波路という)と、その光導波路22
に光の進行経路中に介在するよう一体に装着され入射光
から特定方向の偏光を透過させる偏光子23と、光導波路
22の先端部に一面側で接合された磁気光学効果素子25
と、その磁気光学効果素子25の他面側に形成された反射
ミラー部26と、から構成されている。磁気光学効果素子
25は、例えば軟磁性体からなり、光の進行方向と略平行
な方向に自発磁化を持ちその自発磁化により内部では磁
気的に飽和している。そして、偏光子23を透過した直線
偏光の偏光方向は、この磁気光学効果素子25によって回
転させられる。したがって、この磁気光学効果素子25に
光の進行方向(x方向)と略直交するy方向に内部磁化
を配向させるよう磁極12a、12bによって磁界を作用さ
せ、前記直線偏光の偏光方向の回転が最小となるように
することができる。また、詳細を図示していないが、こ
のセンサヘッド21は、所定形状(例えば長さ50mm程度
で、幅が5〜20mm程度の大きさ)の基板上に所定チャ
ンネル数(例えば2〜16ch)分だけ並列に一体的に設
けられている。すなわち、センサヘッド21はマルチチャ
ンネルヘッドの1ch分のセンサヘッドとなっており、
その光導波路22は例えば入射側の複数の(あるいは途中
で複数に分岐する)導波路と、出射側の複数の(あるい
は途中で単一に結合される)導波路とを形成したものと
なっている。
【0049】このセンサヘッド21は、次のように動作す
る。まず、図外の光出射手段から出射された光が光導波
路22に入るとともに偏光子23を透過すると、特定方向の
偏光(直線偏光)が生成され、この光が一定の方向に自
発磁化している磁気光学効果素子25に入射すると、その
自発磁化によって偏光方向の回転(ファラデー回転)を
生ずる。また、磁気スケール10によって磁気光学効果素
子25に対し図1のy方向に外部磁界が印加されると、前
記直線偏光はその偏光方向を回転しないまま前進する。
そして、反射ミラー部26により反射されながら所定の確
率で出射側の導波路に達した前記光が、その偏光方向に
応じて検光子としての偏光子23(偏光制御手段)を透過
し、あるいは遮光される。すなわち、センサヘッド21と
磁気スケール10とが相対変位するとき、磁気光学効果素
子25に作用していた磁界の強度が所定レベルより低下す
れば、前記光は自ら磁気的に飽和した磁気光学効果素子
25内の磁区により、磁気光学効果素子25を通過する間に
その偏光方向を約90度回転させ、その後は偏光子23を
透過することができないので、センサヘッド21は光信号
を出力しない。一方、センサヘッド21と磁気スケール10
の相対変位に伴い、磁気スケール10によって磁気光学効
果素子25にy方向の磁界が印加されると、磁気光学効果
素子25の内部に発生していた磁区構造が消失し、前記直
線偏光は、その偏光方向を回転しないまま前進するの
で、センサヘッド21は光信号を出力する(勿論、検光子
を異なる向きに配置して出力の有無を逆にすることもで
きる)。このように、磁気スケール10とセンサヘッド21
との相対変位に応じて、センサヘッド21から図外の光信
号処理回路(図示しない光電気変換手段および信号処理
手段からなる)に光信号が出力される。なお、前記光信
号処理回路は、後述の第12〜16実施例で詳述するセ
ンサヘッド1に接続するコントローラ、あるいはセンサ
ヘッド21に接続するレーザダイオード、フォトダイオー
ドおよびコントローラに相当するものであり、ここでの
詳細な説明は磁気スケールのみにとどめる。
【0050】本実施例では、磁気スケール10Aの磁極12
a、12bの極性配置に応じて第1〜第3実施例の何れか
と同様な作用効果が得られるのに加え、センサヘッド21
が、光導波路22、偏光子23、磁気光学効果素子25および
反射ミラー部26を同一基板に一体化したマルチチャンネ
ルヘッドとして構成されることから、多チャンネルでも
小型・軽量なセンサヘッドを容易に作製することができ
る。
【0051】また、本実施例では、磁極12a、12bのう
ちNの磁極から磁極表出面10a上に出た磁化ベクトルは
この磁極と同一高さに位置するSの磁極の近傍で下向き
になるまでx方向の略同一位置でy方向一方側に向か
う。また、x方向で近接する磁極12a間、磁極12b間の
間隔pはy方向で隣接する磁極12a、12b(N、S)の
磁極間の間隔tより十分に大きく、x方向で近接する磁
極12a同士、12b同士の中間位置近傍に磁極12a、12b
と反対向き(y方向他方側)への磁化の回り込みが生じ
難い。したがって、x方向で近接する磁極12a同士、12
b同士の中間位置近傍でy方向の磁界がセンサヘッド21
の磁気光学効果素子25に実効的に作用することがなく、
反対向きの磁化による実効的ノイズレベルの増大という
従来の問題が確実に解消され、S/N比および分解能に
優れた検出装置となる。
【0052】さらに、磁気スケール10Aの磁極の極性配
置を第2実施例又は第3実施例と同様にした場合、磁極
12a、12b上のy方向の磁界と、x方向で隣合う磁極12
a同士、磁極12b同士の間に生ずるx方向の磁化を共に
積極的に利用して、センサヘッド21の光変調機能(光の
スイッチング機能)を行わせ、分解能を更に向上させる
ことができる。 <第8実施例>図8(a)、(b)は、請求項1、2、
3、4、13、14記載の発明に係る第8実施例を示す
図である。
【0053】同図(a)、(b)に示すように、本実施
例では複数組の磁極12a、12b(後述する第10実施例
のように同一列に配列されたN極およびS極少なくとも
2つの磁極であってもよい)が、y方向で同一幅を有し
x方向(所定検出方向)で長さの異なる磁極12a1、12
2、12b1、12b2を含んでおり、これら磁極12a、12
bの表出面e1、e2が前記検出方向における長さL1
2の比(面積の比)に応じて段差hだけ異なる高さに
位置している。具体的には、長い方の磁極12a2、12b2
を形成する磁石に高さ寸法の小さいものを用いたり、ス
ケール本体11に埋設した後の切削量を相違させること
で、長いもの(大面積のもの)ほど高さを低く設定して
いる。検出側には、上述のセンサヘッド1又は21と、こ
れに接続する前記光信号処理回路(図示しない光電気変
換手段および信号処理手段からなる)を用いている。
【0054】本実施例では、第1実施例と同様の効果が
得られるのに加えて、複数組の磁極12a、12b(又は同
一列に配列されたN極およびS極少なくとも2つの磁
極)がx方向で長さの異なる磁極12a1、12a2、12
1、12b2を含み、それらの磁極の表出面e1、e2がx
方向における長さL1、L2(L1<L2)に応じて異なる
高さに位置しているから、例えば磁極12a2、12b2から
の印加磁界に対応するセンサヘッド1の出力信号レベル
が、段差h分だけ低くなり、図8(a)に示す仮想線の
信号レベルから同図中の実線の信号レベルまで変化す
る。このように、磁極表出面積の大小に拘らず、センサ
ヘッド1又は21の検出高さ近傍に生じる磁界強度を均一
化することができるので、検出精度を安定させることが
できる。 <第9実施例>図8(c)は、請求項1、2、3、6、
13、14記載の発明に係る第9実施例を示す図であ
る。
【0055】同図(c)に示すように、本実施例では複
数組の磁極12a、12b(後述する第10実施例のように
同一列に配列されたN極およびS極少なくとも2つの磁
極であってもよい)が、y方向で異なる幅を有する磁極
12a1、12a2、12b1、12b2を含んでおり、これら磁極
12a、12bの表出面が前記検出方向における長さL1
2(L1<L2)の比(面積の比)に応じて異なる幅
1、w2(w1>w2)に設定されている。具体的には、
長い方の磁極12a2、12b2を形成する磁石に幅寸法の小
さいものを用いたり、スケール本体11に埋設した後の幅
方向切削量を相違させることで、長いもの(大面積のも
の)ほど幅を狭くしている。検出側の構成は第8実施例
と全く同様である。
【0056】本実施例でも、第8実施例と同様の効果が
得られる。なお、磁極表出面積に応じて第8実施例のよ
うにz方向の高さを調節し、これと併せてy方向の幅を
調節してもよい。 <第10実施例>図9(a)〜(c)は、それぞれ請求
項13、14記載の発明に係る第10実施例の磁気スケ
ールを示す図であり、リニア位置センサとしての磁気式
エンコーダに適用した例を示している。
【0057】同図に示すように、本実施例の磁気スケー
ル40では、2つの磁石のうち一方の磁石41のN極と他方
の磁石42のS極とにそれぞれX方向(所定検出方向)に
所定間隔を隔てる複数の磁極凸部41a、42aを形成し、
両磁石41、42を、磁極凸部41a、42aがx方向に交互に
配置されるようy方向に対向させている。そして、x方
向で互いに隣合い同一面上(同一面側)に表出するN極
およびS極の少なくとも2つの磁極凸部41a、42a(磁
極)をx方向に同一列に配列するとともに、y方向では
各磁極凸部41a又は42aを逆極性の磁石42又は41に近接
させている。
【0058】すなわち、本実施例の磁気スケール40は、
図9(a)に示すようなクシ形の磁石41、42を突合せる
ことでN極およびS極の磁極41a、42aを同一列上に配
置するような磁極配置を簡素に実現したものであり、複
数の磁石41、42の複数組の磁極凸部41a、42a(磁界発
生手段)からなる所定磁界強度分布の磁気パターンを備
えている。
【0059】また、本実施例では、例えばz方向の磁界
を検出するために偏光回転手段(磁気光学効果素子)を
有するセンサヘッドを設けており、具体的には上述のセ
ンサヘッド21を使用している。この場合、センサヘッド
21を、例えば磁気光学効果素子25が磁石41、42のうち何
れか一方側に偏倚し、かつ、光の進行方向がx方向とな
るように配置し、磁極41a、42aの間の上空では光の進
行方向(x方向)と略平行な方向に磁石41、42間の磁界
を作用させ、その変位中に光の進行方向と平行するx方
向、更に+z方向(この場合、磁気光学効果素子25の自
発磁化を消失させる磁界の方向)に磁界を作用させるよ
うになっている。
【0060】本実施例では、x方向で互いに近接し同一
スケール面上に表出するN極およびS極少なくとも2つ
の磁極41a、42aが、所定検出方向であるx方向に配列
されるから、x方向にはNからSへの磁気回路を形成す
ることになり、x方向で隣合うN極およびS極の磁極凸
部41a、42aの中間位置近傍の磁化ベクトルの向きはx
方向、磁極41a、42a上の磁界の向きは+z方向とな
る。したがって、磁極41a、42aの中間位置で実効的な
−z方向の磁界がセンサヘッド21に作用することはな
く、それにより実効的なノイズレベルが増大してS/N
比が低下するといった問題が生じない。
【0061】また、図9(b)に示すように、複数のク
シ状磁石41、42、43(43のS極側のみ図示し、それより
図中下方の磁石は図示していない)のN極およびS極の
磁極凸部41a、42a、42b、43aを、空気層14を挟んで
複数列の各列にN極およびS極の少なくとも2つの磁極
がそれぞれ並ぶように配置し、これによって複数ビット
の光強度信号を検出するようにすることもできる。勿
論、図9(c)に示すように、複数の磁石45と非磁性体
14と(例えばどちらも板状のもの)を交互に逆極性とな
るように並べ、同一列中にN極およびS極の少なくとも
2つの磁極が配列されるようにしてもよい。 <第11実施例>図10は請求項13、14記載の発明
に係る第11実施例の角度検出用の磁気スケールを示す
図である。なお、この実施例のセンサヘッドは例えば第
10実施例のセンサヘッド21と同様に構成される。
【0062】同図に示すように、本実施例では、2つの
磁石のうち一方の環状の磁石51の内周部であるN極と、
他方の円板状又は環状磁石52の外周部であるS極とに、
それぞれ所定検出方向であるR方向(円周方向)に所定
間隔を隔てる複数の磁極凸部51a、52aを形成し、両磁
石51、52を磁極凸部51a、52aがR方向に交互に配置さ
れるよう放射方向内外に突き合わせている。そして、R
方向で互いに近接し同一面側に表出するN極およびS極
少なくとも2つの磁極凸部51a、52a(磁極)を、R方
向に同一列に配列している。すなわち、本実施例では、
図10に示すように湾曲したクシ形の磁石51、52を内外
に突合せることで、N極およびS極の磁極51a、52aを
同一列上に配置するような磁極配置を簡素に実現してお
り、複数の磁石51、52の複数組の磁極凸部51a、52a
(磁界発生手段)からなる所定磁界強度分布の磁気パタ
ーンを備えている。
【0063】このように本実施例では、x方向で互いに
近接し同一スケール面上に表出するN極およびS極少な
くとも2つの磁極51a、52aが、所定検出方向であるR
方向に配列されるから、角変位(一方を基準とした他方
の角度を含む)、角速度又は各か速度が検出可能で、し
かも、第10実施例と同様な作用効果によって検出精度
の優れた検出が可能になる。 <第12実施例>図11は請求項1、2、3、6、1
5、16記載の発明に係る第12実施例の磁気スケール
および磁気式検出装置を示す図である。なお、この実施
例のセンサヘッドは例えば上述例のセンサヘッド1又は
センサヘッド21をy方向に複数個並列に設けたものであ
る。
【0064】同図に示すように、本実施例の磁気スケー
ル60では、X方向(所定検出方向)と直交するy方向
に、複数の磁石61、62、63、64をそれぞれの間に非磁性
体65を挟んで図示しないリニアスケール本体に並列に配
置し、これらの複数の磁石61〜64の対向部により、複数
の列をなす複数組の磁極N,Sを、複数の磁石61〜64の
並列する数(この場合4)から1を引いた列数(この場
合3列)だけ構成している。そして、図中最上方の複数
組の磁極N,Sよりはその下方の複数組の磁極N,Sの
間隔が狭く、それより更に下方の複数組の磁極N,Sの
間隔が最も狭くなっている。もっとも、図示した磁気ス
ケール60から磁極を適宜削除したり各磁極のx方向長さ
を異なるものとしたりすることで、同一でない任意の磁
極間隔を設定することができる。また、この磁気スケー
ル60においては、前記磁石61〜64を1ブロックとして複
数ブロック(図中には2ブロックを図示)の磁石61〜64
をx方向に所定間隔で配置し、所定磁界強度分布の磁気
パターンを構成している。
【0065】このように、並列に配置した複数の磁石61
〜64の対向部によって、複数列をなす複数組の磁極N,
Sが、複数の磁石61〜64の並列数から1を引いた列数だ
け構成されるから、マルチチャンネルの直線位置検出用
の磁気スケール60が容易に製作可能となり、第1実施例
と同様にS/N比の向上を図りつつ多ビット化が図ら
れ、変位方向における分解能の向上が可能となる。
【0066】なお、磁石61〜64の対向部を第10実施例
のように複数の磁極凸部を有する櫛形のものとして、同
一列に配列されたN極およびS極少なくとも2つの磁極
を、磁石61〜64の並列数から1を引いた列数だけ構成す
ることもできる。また、本実施例の磁気式検出装置で
は、磁気スケール60の磁極表出面側に設けられたセンサ
ヘッド1が磁気スケール60からの磁界の強度に応じた電
気抵抗又は発生電圧を生ずる磁気電気変換素子(磁気抵
抗効果素子又はホール効果素子)からなる磁界強度検出
素子を有し、複数のセンサヘッド1に接続するコントロ
ーラ70(電気信号処理手段)がその磁界強度検出素子の
電気抵抗又は発生電圧に対応する電気信号を処理して特
定の物理量を求めるようになっている。すなわち、本実
施例では、磁気スケール60の磁極表出面側に、この磁気
スケール60の複数列の磁極N、Sにより形成される磁界
の強度に応じて前記磁界強度検出素子の出力に対応する
複数列分の異なる電気信号を公知の方法により処理して
例えば位置情報が求められる。すなわち、磁気スケール
60の磁気パターンと複数列分のセンサヘッド1とによっ
て所謂アブソリュート型のエンコーダとして機能させる
ことができる。勿論、磁気スケール60とセンサヘッド1
の検出部(磁界強度検出素子)との相対的な変位、速度
および加速度のうち何れかを求めることもできる。ま
た、複数ビットの信号を利用して変位方向を検出する所
謂インクリメンタル型のエンコーダとすることもでき
る。そして、第1実施例と同様な作用効果によって分解
能およびS/N比の向上を図り、高精度な磁気式検出装
置とすることができる。また、センサヘッド1を用いる
ことで、上述のようにS/N比および分解能を高めなが
らも、光磁気変調の場合に比べてセンサヘッドやコント
ローラ70の構成を簡素で低コストのものとすることがで
きる。
【0067】なお、センサヘッドとして光磁気変調を行
なうセンサヘッド21を使用することができることはいう
までもない。このセンサヘッド21を用いた場合、本実施
例は請求項15、16に係る実施例ではなく、請求項
8、9記載の発明に係る実施例となる。 <第13実施例>図12は請求項1、2、3、6、7、
15〜18記載の発明に係る第13実施例の磁気スケー
ルおよび磁気式検出装置を示す図である。
【0068】本実施例は、第12実施例の磁気スケール
60に代えて円板形の磁気スケールを用いたもので、それ
以外の構成は第12実施例と同様である。同図に示すよ
うに、本実施例の磁気スケール80では、そのスケール本
体81に、第12実施例と略同様な複数ブロックの磁石61
〜64(複数組の磁極を構成する)が検出方向であるR方
向(円周方向)に所定角度間隔を隔てるよう配列されて
いる。
【0069】このように、第12実施例と同様、並列に
配置した複数の磁石61〜64の対向部によって、複数列を
なす複数組の磁極N,Sが、複数の磁石61〜64の並列数
から1を引いた列数だけ構成されることから、マルチチ
ャンネルの回転位置検出用の磁気スケール80が容易に製
作可能となる。また、本実施例の磁気式検出装置は、コ
ントローラ70によって所謂アブソリュート型のロータリ
ーエンコーダとして機能させることができるし、磁気ス
ケール80と磁界強度検出素子との相対的な角変位、角速
度および角加速度のうち何れかを求めることもできる。
そして、第1および第12実施例と同様に、磁気抵抗効
果素子又はホール効果素子を用いたセンサヘッド1を採
用しながらも、S/N比の向上と高分解能確保によって
優れた検出精度を得ることができる。
【0070】なお、本実施例でもセンサヘッドとして光
磁気変調を行なうセンサヘッド21を使用することができ
ることはいうまでもない。センサヘッド21を用いた場
合、本実施例は請求項15〜18に係る実施例ではな
く、請求項10、11記載の発明に係る実施例となる。 <第14実施例>図13は請求項1、2、3、8、9記
載の発明に係る第14実施例の磁気スケールおよび磁気
式検出装置を示す図である。
【0071】同図に示すように、本実施例の磁気式検出
装置は、第1実施例と同様の磁気スケール10と、公知の
発光駆動回路101からの駆動信号に対応する光信号を出
力するレーザダイオード91(光出射手段)と、磁気スケ
ール10の磁極表出面側に設けられたセンサヘッド21と、
センサヘッド21を通過した後の光強度信号を電気信号に
変換するフォトダイオード95(光電気変換手段)と、フ
ォトダイオード95からの電気信号を処理してそれらの信
号に応じた特定の物理量を求めるコントローラ100(電
気信号処理手段)とを備えている。ここで、センサヘッ
ド21の磁気光学効果素子25は、各組のN、Sの磁極12
a、12bにより形成される磁界の強度に応じ、(例えば
磁気スケール10からの磁界が所定レベル以下になったと
きに自発磁化によって)偏光子23透過後の光信号の偏光
方向を約90度回転させる偏光回転手段となっている。
また、偏光子23は、レーザダイオード91からの光のうち
特定方向の偏光のみを透過させて直線偏光の光信号を作
るとともに、磁気光学効果素子25透過後の光の経路にお
いて特定方向の偏光のみを透過させる検光子(偏光制御
手段)ともなっている。コントローラ100は、フォトダ
イオード95からの電気信号を入力するコンパレータ102
と、変位量に相当するコンパレータ102の出力パルス数
をカウントするカウンタ103と、所定時間毎にカウンタ1
03のカウント値を入力して記憶保持すするとともにこの
カウント値から前回のカウント値を減算して速度に相当
する所定時間当りのカウント値を算出する減算器104と
を含んでおり、前記発光駆動回路101を制御する機能も
有している。なお、減算器104の出力を更にもう1つ減
算器に取り込んで所定時間当りの速度変化を計算し、加
速度を検出することもできる。すなわち、コントローラ
100は、フォトダイオード95からの電気信号に基づい
て、磁気スケール10とセンサヘッド21との相対的な変
位、速度および加速度のうち何れかを求める手段となっ
ている。
【0072】本実施例では、N、Sの磁極12a、12bを
定検出方向と直交する方向に近接させた磁気スケール10
の磁極表出面側に磁気光学効果素子25を有するセンサヘ
ッド21が設けられ、レーザダイオード91から磁気光学効
果素子25に送られた光信号が、前記磁極12a、12bによ
り形成される磁界の強度に応じてその偏光方向を回転さ
せる。そして、特定方向の偏光のみを透過させる偏光子
23を光信号の経路に介在させることで、磁界強度に応じ
た光強度信号を作り、これをフォトダイオード95により
電気信号に変換し信号処理して、特定の物理量である磁
気スケール10とセンサヘッド21との相対的な変位(例え
ば片方を固定したときの可動側の位置)、速度又は加速
度が求められる。このとき、第7実施例と同様に、x方
向で近接する磁極12a同士又は12b同士の中間位置近傍
では実効的なノイズ成分を生ずる反対向きの磁化がきわ
めて生じ難い。したがって、不要な向きの磁化による実
効的ノイズレベルの増大という問題が解消され、第7実
施例と同様にS/N比および分解能に優れた磁気式検出
装置となる。 <第15実施例>図14は請求項1、2、3、8、9、
12記載の発明に係る第15実施例の磁気スケールおよ
び磁気式検出装置を示す図である。
【0073】同図に示すように、本実施例は、第13実
施例の磁気スケール60と複数のセンサヘッド21とを用い
たマルチチャンネルの磁気式検出装置となっている。す
なわち、X方向(所定検出方向)と直交するy方向に、
複数の磁石61、62、63、64を並列配置して、複数列をな
す複数組の磁極N,Sを構成している。また、本実施例
の磁気式検出装置は、光信号を出力するレーザダイオー
ド91、92、93(光出射手段)と、磁気スケール60の磁極
表出面側に設けられたセンサヘッド21と、センサヘッド
21を通過した後の光強度信号を電気信号に変換するフォ
トダイオード95、96、97(光電変換手段)と、光射出手
段91〜93に駆動信号を出力するとともにフォトダイオー
ド95〜97からの電気信号を処理してそれらの信号に応じ
た特定の物理量を求めるコントローラ100(電気信号処
理手段)と、を備えている。ここで、センサヘッド21の
磁気光学効果素子25は、磁極N、Sからの磁界の強度に
応じ、(例えば変位により磁気スケール60からの磁界が
所定レベル以下になったときに自発磁化によって)レー
ザダイオード91、92又は93からの光信号の偏光方向を回
転させる偏光回転手段となっている。また、偏光子23
は、レーザダイオード91、92、93からの光のうち特定方
向の偏光のみを透過させて直線偏光の光信号を作るとと
もに、磁気光学効果素子25透過後の光の経路において、
特定方向の偏光のみを透過させる検光子(偏光制御手
段)ともなっている。
【0074】また、コントローラ100は、詳細を図示し
ないが、CPUと、所定の処理プログラムを予め格納し
たROMと、CPUおよびROMとデータの授受を行な
うRAMと、発光駆動回路101およびフォトダイオード9
5に接続するI/O回路等から構成されており、ROM
内に予め格納した所定の制御プログラムに従い、フォト
ダイオード95〜98からの電気信号に基づいて、磁気スケ
ール60とセンサヘッド21との相対的な変位、速度又は加
速度を算出し、あるいは片側、例えばセンサヘッド21を
固定としたときの磁気スケール60の位置を求めることが
できる。勿論、複数の光強度信号を複数の電気信号に変
換して位置情報を含む複数ビットの信号とすることで、
所謂アブソリュート型のリニアエンコーダ等として機能
させることができる。
【0075】本実施例では、磁極Nから磁極表出面上に
出た磁化ベクトルはこの磁極と同一高さに位置する磁極
Sの近傍で下向きになるまでy方向一方側に向かってい
る。また、x方向で近接する磁極同士の距離はy方向で
隣接するN、Sの磁極同士の距離より十分に大きい。し
たがって、x方向で近接する磁極同士の中間位置近傍に
磁極N,S上と反対の向き(y方向他方側)への磁化の
回り込みが生じない。したがって、上述の実施例と同様
に反対向きの磁化による実効的ノイズレベルの増大とい
う問題が解消され、S/N比および分解能に優れた検出
装置となる。
【0076】上述の実施例で磁気光学効果素子を用いる
センサヘッド21は反射面を有する反射型のものであった
が、透過型であってもよいことはいうまでもない。
【0077】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、所定検出
方向で近接する磁極間に検出すべき磁界の向きと反対向
きに生ずる磁界を実効的に除去する構成としたので、磁
気抵抗効果素子やホール効果素子等の磁界強度検出素子
を使用しても反対向きの磁化による実効的なノイズレベ
ルの増大という問題がなく、磁気スケールと磁界強度検
出素子との間隔を狭めることができる。その結果、これ
を用いる検出装置の分解能およびS/N比を向上させる
ことができる。
【0078】請求項2記載の発明によれば、同一列の磁
極の極性を交互に変化させているので、請求項1記載の
発明の効果をより顕著にすることができ、磁極上の磁界
のみならず、所定検出方向で隣合う磁極間に生ずる磁化
をも積極的に活用できるセンサヘッドを使用して、検出
精度をより向上させることができる。請求項3記載の発
明によれば、同一列の磁極の極性を所定の順番で変化さ
せているので、請求項1記載の発明の効果をより顕著に
することができ、磁極上の磁界のみならず、所定検出方
向で隣合う磁極間に生ずる磁化をも積極的に活用できる
センサヘッドを使用して、検出精度をより向上させるこ
とができる。
【0079】請求項4記載の発明によれば、前記複数組
の磁極又は同一列に配列されたN極、S極少なくとも2
つの磁極を、その表出面の検出方向長さに応じて異なる
高さに位置するようにしているので、磁極表出面積の大
小に拘らず検出高さにおける磁界強度を均一化すること
ができ、検出精度を安定させることができる。請求項5
記載の発明によれば、前記複数組の磁極又は同一列に配
列されたN極、S極少なくとも2つの磁極を、その表出
面の検出方向長さに応じて検出方向と直交する幅の異な
るものにしているので、磁極表出面積の大小に拘らず検
出高さにおける磁界強度を均一化することができ、検出
精度を安定させることができる。
【0080】請求項6記載の発明によれば、並列配置し
た複数の磁石の対向部によって該磁石の並列数から1を
引いた列数だけ複数組の磁極又は同一列に配列されたN
極およびS極少なくとも2つの磁極を構成するので、マ
ルチチャンネルの磁気スケールを容易に製作することが
できる。請求項7記載によれば、前記複数組の磁極を円
周方向に所定角度間隔を隔てるよう配列しているので、
角変位(固定側を基準とする角度位置を含む)、角速度
および角加速度のうち少なくとも1つの検出が可能で、
しかも検出精度に優れた磁気スケールを提供することが
できる。
【0081】請求項8記載の発明によれば、磁気スケー
ルの磁極表出面側に偏光回転手段を設け、該偏光回転手
段に送った光信号の偏光方向を前記磁極により形成され
る所定方向の磁界の強度に応じて回転させるとともに、
偏光制御手段を光信号の経路に介在させて磁界強度に応
じた光強度信号を生成し、これを電気信号に変換し信号
処理するようにしているので、検出方向で近接する磁極
間で検出すべき磁化方向と反対向きの磁化が生ずるのを
防止して該反対向きの磁化による実効的ノイズレベルの
増大という問題を解消し、S/N比および分解能に優れ
た検出精度の高い光磁気変調方式の磁気式検出装置を提
供することができる。
【0082】請求項9記載の発明によれば、特定の物理
量である磁気スケールと前記偏光回転手段との相対的な
変位(固定側を基準とする位置を含む)、速度および加
速度のうち少なくとも1つを精度良く求めることができ
る。請求項10記載の発明によれば、前記複数組の磁極
を円周方向に配列した磁気スケールの磁極表出面側に偏
光回転手段を設け、光信号の偏光方向を前記磁極により
形成される所定方向の磁界の強度に応じて回転させ、更
に偏光制御手段を光信号の経路に介在させることで磁界
強度に応じた光強度信号を生成し、これを電気信号に変
換し信号処理するようにしているので、検出方向で近接
する磁極間で前記所定磁界方向と反対向きの磁化が生ず
るのを防止して反対向きの磁化による実効的ノイズレベ
ルの増大という問題を解消することができ、S/N比お
よび分解能に優れた検出精度の高い光磁気変調方式の磁
気式検出装置を提供することができる。
【0083】請求項11記載の発明によれば、特定の物
理量である磁気スケールと前記偏光回転手段との相対的
な変位角(一方を固定した場合の固定側を基準とする角
度位置を含む)、角速度および角加速度のうち少なくと
も1つを精度良く求めることができる。請求項12記載
の発明によれば、複数組の磁極を複数列に並列させた磁
気スケールと、該複数列の各列の磁極により形成される
磁界の強度に応じて光信号の偏光方向を回転させる複数
の偏光回転素子を有する偏光回転手段とを用いているの
で、複数の光強度信号を複数の電気信号に変換すること
で、S/N比および分解能に優れた所謂アブソリュート
型の検出装置を実現することができる。
【0084】請求項13記載の発明によれば、所定検出
方向で互いに近接し同一面側に表出するN極およびS極
少なくとも2つの磁極を所定検出方向に配列し、該検出
方向で隣合うN極およびS極の磁極間に下向きの磁化が
生じないようにしているので、磁気抵抗効果素子やホー
ル効果素子等の磁気電気変換素子からなる磁界強度検出
素子を使用しても反対向きの磁化による実効的なノイズ
レベルの増大という問題がなく、磁気スケールと磁界強
度検出素子との間隔を狭めることができる。その結果、
検出装置の分解能およびS/N比を向上させることがで
きる。また、磁極上の磁界のみならず、所定検出方向で
隣合う磁極間に生ずる磁化をも積極的に活用できるセン
サヘッドを使用すれば、検出精度をより向上させること
ができる。
【0085】請求項14記載の発明によれば、同一列に
配列されたN極およびS極少なくとも2つの磁極を複数
列に並列させた磁気スケールと、該複数列の各列の磁極
により形成される磁界の強度に応じて光信号の偏光方向
を回転させる複数の偏光回転素子を有する偏光回転手段
とを用いているので、複数の光強度信号を複数の電気信
号に変換することで、S/N比および分解能に優れた所
謂アブソリュート型の検出装置を実現することができ
る。
【0086】請求項15記載の発明によれば、磁気スケ
ールの磁極表出面側に複数組のN極およびS極の磁極に
より形成される磁界の強度に応じた電圧を発生する磁気
電気変換素子からなる磁界強度検出素子を設け、該検出
素子の発生電圧に対応する電気信号を処理して特定の物
理量であるを求めているので、S/N比および分解能を
向上させながらも、センサヘッドや電気信号処理手段の
構成を簡素で低コストのものとすることができる。
【0087】請求項16記載の発明によれば、磁界強度
検出素子として磁気抵抗効果素子やホール効果素子とい
った磁気電気変換素子を用いる場合も、特定の物理量で
ある磁気スケールと前記磁界強度検出素子との相対的な
変位(固定側を基準とする位置を含む)、速度および加
速度のうち少なくとも1つを精度良く求めることができ
る。
【0088】請求項17記載の発明によれば、複数のN
極およびS極の磁極を円周方向に所定間隔で配列した磁
気スケールの磁極表出面側に、N極およびS極の磁極に
より形成される磁界の強度に応じた電圧を発生する磁気
電気変換素子からなる磁界強度検出素子を設け、該素子
の発生電圧に対応する電気信号を処理して特定の物理量
を求めているので、角度検出等におけるS/N比および
分解能を向上させながらも、センサヘッドや電気信号処
理手段の構成を簡素で低コストのものとすることができ
る。
【0089】請求項18記載の発明によれば、特定の物
理量である磁気スケールと前記磁界強度検出素子との相
対的な変位角(固定側を基準とする角度位置を含む)、
角速度および角加速度のうち少なくとも1つを精度良く
求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図で、(a)はその
磁気スケールおよびセンサヘッドからなる直線型リニア
センサの斜視図、(b)はそのセンサの平面図、(c)
は(b)のC1−C1断面図である。
【図2】その磁界発生手段の5つの態様を示す磁気スケ
ールの横断面図である。
【図3】本発明の第2、第3実施例の概略平面図で、
(a)が磁極の配置を交互に異ならせた第2実施例の磁
気スケールを、(b)が磁極の配置を所定の順番に異な
らせた第3実施例の磁気スケールを示している。
【図4】(a)〜(c)は図3(a)に示した第2実施
例における磁界強度分布の説明図で、(d)は第3実施
例の磁極配置の変形態様を示す図である。
【図5】本発明の第4実施例を示すその磁気式ロータリ
ーエンコーダの概略正面図である。
【図6】(a)は本発明の第5実施例の磁気スケールを
示す正面図、(b)は本発明の第6実施例の磁気スケー
ルを示す正面図で、それぞれ第4実施例とは磁極の極性
配置が異なるものを示している。
【図7】本発明の係る第7実施例を示すその磁気式リニ
アエンコーダの概略平面図である。
【図8】本発明の第8、第9実施例の説明図で、
(a)、(b)は磁極表出面高さを異ならせた第8実施
例を示し、(c)は検出方向と直交する磁極の幅寸法を
異ならせた第9実施例を示している。
【図9】(a)は本発明の第10実施例の磁気スケール
を示す平面図、(b)マルチヘッドとした場合の態様を
示す平面図、(c)は複数の板状磁石を非磁性体を挟ん
で同一列に配列した態様を示す斜視図である。
【図10】本発明の第11実施例の角度検出用の磁気ス
ケールを示す平面図である。
【図11】本発明の第12実施例の磁気スケールおよび
磁気式検出装置を示す要部構成図である。
【図12】本発明の第13実施例の磁気スケールおよび
磁気式検出装置を示す要部構成図である。
【図13】本発明の第14実施例の磁気スケールおよび
磁気式検出装置を示す要部構成図である。
【図14】本発明の第15実施例の磁気スケールおよび
磁気式検出装置を示す要部構成図である。
【図15】従来例の課題の説明図である。
【符号の説明】 1 センサヘッド(磁界強度検出素子) 10、30、40、60、80 磁気スケール 10a スケール面(磁極表出面) 11、31、41、81 スケール本体 12 磁界発生手段 12a、12b、41a、42a 複数組の磁極 14 非磁性体 21 センサヘッド(磁気光学効果素子を用いたセンサ
ヘッド) 22 光導波路(光導波路形成素子) 23 偏光子(偏光制御手段) 25 磁気光学効果素子(偏光回転手段) 41、42、51、52、61、62、63、64 磁石 41a、42a、51a、52a 磁極凸部(磁極、磁界発生
手段) 91、92、93 レーザダイオード(光射出手段) 95、96、97 フォトダイオード95(光電気変換手段) 100 コントローラ(電気信号処理手段) c1、c2 表出面 L1、L2 検出方向における磁極の長さ w1、w2 検出方向と直交する磁極の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 勉 岐阜県不破郡垂井町宮代字尾崎1110−1 帝人製機株式会社岐阜第一工場内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の磁界発生手段からなる所定磁界強度
    分布の磁気パターンを備え、該磁気パターン側の磁界強
    度が所定検出方向で規則的に異なる磁気スケールにおい
    て、 前記検出方向と略直交する方向で互いに近接し同一面側
    に表出するN極およびS極少なくとも2つの磁極を1組
    として、少なくとも1組の磁極を前記検出方向の所定位
    置に設けたことを特徴とする磁気スケール。
  2. 【請求項2】前記少なくとも1組の磁極が前記検出方向
    に配列された複数組の磁極であり、該複数組の磁極のう
    ち同一列の磁極の極性が交互に変化するよう、複数組の
    磁極の極性配置を異ならせたことを特徴とする請求項1
    記載の磁気スケール。
  3. 【請求項3】前記少なくとも1組の磁極が前記検出方向
    に配列された複数組の磁極であり、該複数組の磁極のう
    ち同一列の磁極の極性が所定の順番で変化するよう、複
    数組の磁極の極性配置を異ならせたことを特徴とする請
    求項1記載の磁気スケール。
  4. 【請求項4】前記複数組の磁極又は同一列に配列された
    N極およびS極少なくとも2つの磁極が、前記検出方向
    で長さの異なる磁極を含み、 該磁極の表出面が前記検出方向における該表出面の長さ
    に応じて異なる高さに位置することを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の磁気スケール。
  5. 【請求項5】前記複数組の磁極又は同一列に配列された
    N極およびS極少なくとも2つの磁極が、前記検出方向
    で長さの異なる磁極を含み、 該磁極の表出面が前記検出方向における該表出面の長さ
    に応じて検出方向と直交する幅を変化させたものである
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の磁気ス
    ケール。
  6. 【請求項6】前記検出方向と直交する方向に複数の磁石
    を並列に配置し、該複数の磁石の対向部により、前記複
    数組の磁極を、磁石の並列数から1を引いた列数だけ構
    成したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の
    磁気スケール。
  7. 【請求項7】前記複数組の磁極が前記検出方向である円
    周方向に所定角度間隔を隔てるよう配列されていること
    を特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の磁気スケー
    ル。
  8. 【請求項8】請求項1〜6の何れかに記載の磁気スケー
    ルと、 光信号を出力する光出射手段と、 前記磁気スケールの磁極表出面側に設けられ、各組のN
    極およびS極の磁極により形成される磁界の強度に応じ
    て前記光信号の偏光方向を回転させる偏光回転手段と、 特定方向の偏光のみを透過させる偏光制御手段と、 偏光制御手段透過後の光強度信号を電気信号に変換する
    光電気変換手段と、 光電変換手段からの電気信号を処理して該信号に応じた
    特定の物理量を求める電気信号処理手段と、を備えたこ
    とを特徴とする磁気式検出装置。
  9. 【請求項9】前記電気信号処理手段が、前記光電変換手
    段からの電気信号に基づいて、前記磁気スケールと前記
    偏光回転手段との相対的な変位、速度および加速度のう
    ち何れかを求めることを特徴とする請求項8記載の磁気
    式検出装置。
  10. 【請求項10】請求項7記載の磁気スケールと、 光信号を出力する光出射手段と、 前記磁気スケールの磁極表出面側に設けられ、各組のN
    極およびS極の磁極により形成される磁界の強度に応じ
    て前記光信号の偏光方向を回転させる偏光回転手段と、 特定方向の偏光のみを透過させる偏光制御手段と、 偏光制御手段透過後の光強度信号を電気信号に変換する
    光電気変換手段と、 光電変換手段からの電気信号を処理して該信号に応じた
    特定の物理量を求める電気信号処理手段と、を備えたこ
    とを特徴とする磁気式検出装置。
  11. 【請求項11】前記電気信号処理手段が、前記光電変換
    手段からの電気信号に基づいて、前記磁気スケールと前
    記偏光回転手段との相対的な角変位、角速度および角加
    速度のうち何れかを求めることを特徴とする請求項10
    記載の磁気式検出装置。
  12. 【請求項12】前記磁気スケールが、複数組の磁極を複
    数列に並列させたものであり、 前記偏光回転手段が、該複数列の各列の磁極により形成
    される磁界の強度に応じて前記光信号の偏光方向を回転
    させる複数の偏光回転素子を有し、 前記光電変換手段が、偏光制御手段透過後の複数の光強
    度信号を複数の電気信号に変換することを特徴とする請
    求項8、9、10又は11記載の磁気式検出装置。
  13. 【請求項13】複数の磁界発生手段からなる所定磁界強
    度分布の磁気パターンを備え、該磁気パターン側の磁界
    強度が所定検出方向で規則的に異なるとともに、前記検
    出方向で互いに近接し同一面側に表出するN極およびS
    極少なくとも2つの磁極を前記検出方向に同一列に配列
    した磁気スケールと、 光信号を出力する光出射手段と、 前記磁気スケールの磁極表出面側に設けられ、各組のN
    極およびS極の磁極により形成される磁界の強度に応じ
    て前記光信号の偏光方向を回転させる偏光回転手段と、 特定方向の偏光のみを透過させる偏光制御手段と、 偏光制御手段透過後の光強度信号を電気信号に変換する
    光電気変換手段と、 光電変換手段からの電気信号を処理し、該信号に応じて
    前記磁気スケールと前記偏光回転手段との相対的な変
    位、速度、加速度、角変位、角速度および角加速度のう
    ち少なくとも何れかを求める電気信号処理手段と、を備
    えたことを特徴とする磁気式検出装置。
  14. 【請求項14】前記磁気スケールが、前記同一列に配列
    されたN極およびS極少なくとも2つの磁極を複数列に
    並列させたものであり、 前記偏光回転手段が、該複数列の各列の磁極により形成
    される磁界の強度に応じて前記光信号の偏光方向を回転
    させる複数の偏光回転素子を有し、 前記光電変換手段が、偏光制御手段透過後の複数の光強
    度信号を複数の電気信号に変換することを特徴とする請
    求項13記載の磁気式検出装置。
  15. 【請求項15】請求項1〜6の何れかに記載の磁気スケ
    ールと、 磁気スケールの磁極表出面側に設けられ、該磁気スケー
    ルのN極およびS極の磁極により形成される磁界の強度
    に応じた電圧を発生する磁気電気変換素子からなる磁界
    強度検出素子と、 該磁界強度検出素子の発生電圧に対応する電気信号を処
    理して特定の物理量を求める電気信号処理手段と、を備
    えたことを特徴とする磁気式検出装置。
  16. 【請求項16】前記電気信号処理手段が、前記電気信号
    に基づいて、前記磁気スケールと前記磁界強度検出素子
    との相対的な変位、速度および加速度のうち何れかを求
    めることを特徴とする請求項15記載の磁気式検出装
    置。
  17. 【請求項17】請求項7記載の磁気スケールと、 磁気スケールの磁極表出面側に設けられ、該磁気スケー
    ルのN極およびS極の磁極により形成される磁界の強度
    に応じた電圧を発生する磁気電気変換素子からなる磁界
    強度検出素子と、 該磁界強度検出素子の発生電圧に対応する電気信号を処
    理して特定の物理量を求める電気信号処理手段と、を備
    えたことを特徴とする磁気式検出装置。
  18. 【請求項18】前記電気信号処理手段が、前記電気信号
    に基づいて、前記磁気スケールと前記磁界強度検出素子
    との相対的な角変位、角速度および角加速度のうち何れ
    かを求めることを特徴とする請求項17記載の磁気式検
    出装置。
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