JPH0724353B2 - 電磁シールド材料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ．発明の目的 （産業上の利用分野） 本発明は、電磁シールド材料に関する。

（従来の技術及び解決すべき課題） 従来、電磁シールド材として導電体が一般に使用され、
導電体としては金属（鉄、アルミニウム、銅、パーマロ
イ等）が良く用いられている。これらはシールド効果で
は優れているが、高価で重い欠点を有している。そこで
これらの欠点を解消する目的で、プラスチックにメッキ
や蒸着等の手法により金属薄膜を形成させたり、プラス
チックにカーボン粉や金属粉等の導電体粉末、及びカー
ボン繊維や金属繊維等の導電体繊維と混合、混練するこ
とで軽量化等を図っているものもあるが、電磁シールド
特性が悪くなる欠点や、混練不十分に伴う導電体の分布
の不均一といった欠点がある。また、シールド効果をね
らった材料の大部分が反射によって電磁波の透過を防止
しているため、不用電磁波が機器内部に閉じ込められ、
その強度が増幅されるという欠点がある。これは機器の
回路間の干渉を誘発し、さらにコネクター等の隙間から
電磁波が漏れ、周辺の機器に対するノイズ源となってい
た。

ロ．発明の構成 （課題を解決するための手段） 本発明は、上記の欠点を鑑み、木材及び木質材料を原料
とし、これにフェノール樹脂を含浸したのち炭化するこ
とにより得られる多孔質炭素材料を特徴としたもので、
その目的は単に電磁波の透過防止のみならず、電磁波を
その多孔質構造により電磁波を内部で散乱吸収させるこ
とにより反射波をも減衰させることのできる電磁シール
ド材料を提供することにある。

（作用） 本発明の上記目的は、以下の条件で製造される電磁波吸
収性を有する電磁シールド材料により達成することがで
きる。

原料には木材及び木質材料、例えばハードボード、中質
繊維板等を用いる。木材の種類は特に限定するものでは
ない。これにフェノール樹脂を減圧及び加圧、又は両方
を併用した方法により注入する。注入した樹脂が硬化し
たのち密閉炉において焼成する。最高焼成温度は800度
以上であればよく、上限温度は特に限定するものではな
い。このようにして得られる炭素材料は多孔質構造を有
し、導電性に富んでいる。

また、電磁シールド材料の体積固有抵抗については、10
²Ω・cmより大きくなるとシールド効果が不足し、10^-1
Ω・cmより小さくなると反射量が増大することが知られ
ているが、本発明の電磁シールド材料の体積固有抵抗の
範囲は、10〜10²Ω・cmにあり、反射量を減少させつつ
シールド性を高めるという本発明の目的に対し好ましい
範囲にある。

（実施例） 次に本発明の実施例について説明する。

中質繊維板にフェノール樹脂を減圧法により注入する。
注入量は板材重量とほぼ同重量とする。これをホルマリ
ン雰囲気中で硬化させたのち、第１図の処理工程に従い
炭化した。こうして得られた電磁シールド材料の磁気シ
ールド効果について第２図に示す。

ハ．発明の効果 以上詳細に説明したように、本発明の電磁シールド材料
によれば、電磁波の透過防止とともに反射波の減衰を行
なうことができる。これにより、機器外部への電磁波漏
洩防止のみならず、機器内部における電磁波散乱にとも
なう相互干渉も減衰させることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例の電磁シールド材料製造にお
ける炭化処理工程図である。第２図は、本発明の実施例
の電磁シールド材料の磁気シールド効果と周波数の関係
を示す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】木材及び木質材料にフェノール樹脂を含浸
   したのち炭化することによって得られることを特徴とす
   る電磁シールド材料。