JPH07243403A - ブレーキバルブ装置 - Google Patents

ブレーキバルブ装置

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JPH07243403A
JPH07243403A JP6013294A JP6013294A JPH07243403A JP H07243403 A JPH07243403 A JP H07243403A JP 6013294 A JP6013294 A JP 6013294A JP 6013294 A JP6013294 A JP 6013294A JP H07243403 A JPH07243403 A JP H07243403A
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free piston
relief
spring
sleeve
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Shigetaka Konishi
繁孝 小西
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクチュエータの起動時や制動時のショック
を緩和するとともに、その制御を滑らかにする。 【構成】 フリーピストン44の移動にともなって、複
数の小孔50からなる絞りの開度を徐々に小さくしてい
くようにして、スプリング室51内の圧力を徐々に上昇
させ、リリーフ弁Rの作動圧力も徐々に上昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、慣性体が持っている
慣性負荷を制御するクロスオーバー型リリーフ弁を備え
たブレーキバルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のブレーキバルブ装置では、その
リリーフ弁の設定圧が高いと、アクチュエータの起動時
あるいは制動開始時に大きなショックが発生する。この
ショックを緩和するために、リリーフ弁の設定圧を低く
することが考えられるが、それを低くし過ぎると、アク
チュエータのトルクが下がりすぎたり、その保持能力が
低下したりする問題があった。この点を解決するため
に、本出願人は実公昭62−31681号公報所載のブ
レーキバルブ装置をすでに提供しているが、それを示し
たのが図9〜図11である。この装置は、バルブ本体a
に、カウンターバランス弁CVのスプールSとクロスオー
バ型リリーフ弁R1、R2とを組み込んでいる。
【0003】そして、上記バルブ本体aのポンプポート
1と2に切換弁Vが接続され、この切換弁Vのポジショ
ンに応じて、ポート1あるいは2のいずれか一方が、ポ
ンプPに連通し、他方がタンクTに連通する関係にして
いる。いま、例えば、切換弁Vを図示の中立位置から左
側ポジションに切換えると、ポート1がポンプPに、ま
たポート2がタンクTにそれぞれ連通する。したがっ
て、ポンプPから送られた圧力流体は、スプールSに設
けたチェック弁3を押し開いて、アクチュエータポート
4からメイン通路5を経由して、アクチュエータである
モータmに供給される。同時に上記ポンプPの圧力がパ
イロット室6に導かれるので、この圧力作用でスプール
Sを図面左方向に移動し、スプールSの環状溝7とアク
チュエータポート8とを連通させる。したがって、前記
モータmの戻り流体は、メイン通路9を通り、ポート8
及びポート2を経由してタンクTに戻される。
【0004】この状態から切換弁Vを図示の中立位置に
切換えると、ポンプPはタンクTに連通するとともに、
ポンプポート1もタンクTに連通する。ポート1がタン
クTに連通すると、パイロット室6の圧力が低下し、ス
プールSは、センタリングスプリング10、11の作用
で原位置である図示の位置に復帰し、ポート8と環状溝
7との連通を遮断する。このとき前記モータmは、慣性
によってポンプ機能を果たすので、ポート8に連通する
メイン通路9側が高圧になり、その高圧が分岐通路12
を経由してリリーフ弁R1に作用する。このようにモータ
mの慣性エネルギー、すなわち高圧流体がリリーフ弁R1
に作用すると、そのリリーフ弁R1が徐々に開き、メイン
通路9側の高圧流体を分岐通路12からメイン通路5側
に流す。このようにリリーフ弁R1に高圧流体が通過する
と、慣性エネルギーが熱エネルギーに変換され、モータ
mにブレーキをかける。
【0005】また、前記切換弁Vを、図示の右側ポジシ
ョンに切換えると、ポート2がポンプPに、ポート1が
タンクTにそれぞれ連通する。そして、ポンプPからの
圧力流体は、前記とは逆に流れてモータmを逆転させる
もので、その流路における各構成要素は、前記した要素
に対応する。すなわち、図中符号13はスプールSに設
けたチェック弁、14はポート2に連通するパイロット
室、15はスプールSに形成した環状溝である。前記の
ように慣性エネルギーを熱エネルギーに変換するリリー
フ弁R1、R2は、バルブ本体aにリリーフハウジングH1、
H2を組み込むとともに、このリリーフハウジングH1、H2
にポペット16、17を設けている。
【0006】上記リリーフハウジングH1、H2は、圧力接
続口18a、19aを有するシート部材18、19と、
ポペット保持部材20、21と、外端にボルト頭部22
a、23aを形成した筒部材22、23とからなる。す
なわち、上記ポペット保持部材20、21の先端にシー
ト部材18、19を嵌合するとともに、これらポペット
保持部材20、21内におけるシート部材端部をシート
部18b、19bとしている。また、これらポペット保
持部材20、21であって、上記シート部材とは反対端
に、上記筒部材22、23を嵌合するとともに、この筒
部材22、23をバルブ本体aに固定している。
【0007】上記ポペット16、17は、そのガイド筒
部16a、17aを、ポペット保持部材20、21に摺
動自在に保持させるとともに、このポペット16、17
の一側を圧力接続口18a、19a側に臨ませ、他側を
筒部材22、23に形成したスプリング室24、25に
臨ませている。そして、このスプリング室24、25に
設けたスプリング26、27をポペット16、17に作
用させ、通常は、ポペットがシート部18b、19bを
シートして、圧力接続口18a、19aと流出ポート2
8、29の連通を遮断する構成にしている。
【0008】上記のようにしてリリーフハウジングH1、
H2に組み込んだポペット16、17は、その圧力接続口
18a、19a側の受圧面積A1をスプリング室24、
25側の受圧面積A2より大きくするとともに、オリフ
ィス16b、17bを形成して、圧力接続口18a、1
9aとスプリング室24、25とを、このオリフィス1
6b、17bを介して連通させている。そして、一方の
リリーフ弁R1の圧力接続口18aは、分岐通路12を介
してメイン通路9に連通させるとともに、その流出ポー
ト28は戻り通路30を介してメイン通路5に連通させ
ている。また、他方のリリーフ弁R2の圧力接続口19a
は、分岐通路32を介してメイン通路5に連通させると
ともに、その流出ポート29は戻り通路31を介してメ
イン通路9に連通させている。
【0009】したがって、例えば、一方のメイン通路5
の圧力が設定圧以上になると、図11からも明らかなよ
うに、そのメイン通路5側の圧力流体が、ポペット17
を押し開いて流出ポート28から他方のメイン通路9に
流出する。反対に、他方のメイン通路9側の圧力が設定
圧以上になると、その圧力流体が、ポペット16を押し
開いて流出ポート29から一方のメイン通路5に流出す
る。上記筒部材22、23の外周には、周方向に連続す
る調整室33、34を形成するとともに、この調整室3
3、34に筒状のフリーピストン35、36を設けるこ
とによって、この調整室33、34を、一方の室33
a、34aと、他方の室33b、34bとに区画してい
る。
【0010】そして、上記一方の室33a、34aは筒
部材22、23に形成した絞り37、38を介してスプ
リング室24、25に連通させている。また、他方の室
33b、34bは、ポペット保持部材20、21の外周
に形成したすき間39、40を介してメイン通路5、9
側に連通させている。なお、図中符号41、42は、フ
リーピストン35、36の内周に設けたシールである。
【0011】今、切換弁Vを図面左側位置に切換える
と、前記したようにポンプPの吐出流体が、メイン通路
5を経由してモータmに供給されるとともに、このモー
タmからの戻り流体は、メイン通路9からタンクTに戻
される。このときメイン通路5側の圧力は、すき間39
を経由して調整室33の他方の室33bに作用するの
で、フリーピストン35は、図示のスタンバイ位置を保
持する。上記の状態で、切換弁Vを図示の中立位置に戻
すと、前記したようにモータmがポンプ作用をするの
で、メイン通路9側の圧力が上昇する。このメイン通路
9側の圧力流体は、圧力接続口18aからオリフィス1
6bを経由してスプリング室24に導かれるとともに、
絞り37を通って、調整室33の一方の室33aにも導
かれるので、フリーピストン35にはメイン通路9側の
圧力が作用する。なお、このときのメイン通路9側の圧
力は、すき間40を経由して他方のリリーフ弁R2側のフ
リーピストン36にも作用するので、このフリーピスト
ン36も図示のスタンバイ位置を保つ。
【0012】この圧力作用によってフリーピストン35
が移動するが、この移動にともなって一方の室33aの
容積が拡大するとともに、その拡大した室33a内に流
体が流れ込むことになる。したがって、当然のことであ
るが、ポペット16のオリフィス16bに流れが発生
し、その前後に圧力差が発生する。このオリフィス16
b前後の差圧の影響と、前記受圧面積A1、A2の差とが
相乗的に作用するので、このリリーフ弁R1は低圧で開弁
することになる。言い換えれば、このときにはリリーフ
弁R1が低圧リリーフ弁として機能する。このようにモー
タmの制動開始時には、リリーフ弁R1が低圧リリーフ弁
として機能するので、その制動開始時のショックが緩和
される。
【0013】そして、フリーピストン35が他方の室3
3bの端まで移動し終わると、一方の室33aの容積が
それ以上拡大しないので、ポペット16のオリフィス1
6bには流体が流れない。したがって、接続口18a側
の圧力とスプリング室24内の圧力とが等しくなる。そ
のために、上記ポペット16における圧力接続口18a
側とスプリング室24側との受圧面積A1、A2の差及び
スプリング26のバネ力によって設定圧が定まるので、
リリーフ弁R1は、高圧リリーフ弁として機能する。した
がって、停止開始時のショックが緩和されるとともに、
そのショック緩和後は、大きなブレーキ力を発揮させる
ことができる。そして、切換弁Vを再び左側位置に切換
えると、メイン通路5側に圧力流体が供給されてモータ
mが起動する。このときには、前記したようにリリーフ
弁R2側のフリーピストン36がスタンバイ位置を保って
いるので、制動時と同様の原理でショックが緩和される
ことになる。なお、切換弁Vを図面右側位置に切換え
て、モータmを上記とは反対方向に回転させる場合に
も、原理的には上記の場合と全く同様である。また、最
近は、カウンターバランス弁をCVを用いないで切換弁V
をセンタークローズドタイプにしているものもある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにした従来
の装置では、フリーピストン35、36が移動している
ときのリリーフ弁R1、R2の設定圧と、フリーピストンが
停止したときの設定圧との差が大きすぎ、それだけ慣性
体であるモータmを滑らかに起動させたり、停止させた
りしにくいという問題があった。また、上記のように滑
らかな制御が難しいので、減速機などがどうしても大型
化せざるをえず、それがシステム全体の小型化にも支障
を来すという問題も発生していた。この発明の目的は、
モータの起動及び停止を滑らかにした装置を提供するこ
とである。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、一対のメ
イン通路の上流側に、カウンターバランス弁を接続し、
下流側にはアクチュエータと一対のクロスオーバー型リ
リーフ弁とを備え、これらリリーフ弁は、バルブ本体内
に組み込まれるとともに、ポペットと、スプリングを設
けたスプリング室とを備え、上記ポペットは、その一側
を一方のメイン通路側に臨ませ、他側をスプリング室側
に臨ませるとともに、メイン通路側におけるポペットの
受圧面積をプリング室側における受圧面積よりも大きく
する一方、このスプリング室に設けたスプリングの作用
で、通常は、上記ポペットがシート部を閉じ、メイン通
路側と戻り通路側とを閉鎖する構成にし、さらに上記ポ
ペットには、メイン通路側とスプリング室とを連通させ
るオリフィスを形成する一方、フリーピストンを摺動自
在に設けた調整室を設けるとともに、このフリーピスト
ンで区画された一方の室を上記スプリング室に連通さ
せ、他方の室を他方のメイン通路側に連通させたブレー
キバルブ装置を前提にするものである。上記の装置を前
提にしつつ、第1の発明は、スプリング室と上記一方の
調整室とを連通させる通路過程に絞りを形成し、スプリ
ング室側からの圧力流体がフリーピストンに作用して、
このフリーピストンが上記一方の室側から他方の室側に
移動したとき、その移動量に応じて絞りの開度が徐々に
小さくなる構成にした点に特徴を有する。
【0016】第2の発明は、第1の発明を前提にしつ
つ、バルブ本体内に筒状のリリーフハウジングを設ける
とともに、このリリーフハウジングとバルブ本体との間
に、それらの周方向に連続する調整室を形成し、この調
整室に筒状のフリーピストンを設けるとともに、調整室
の内周とフリーピストンの外周とを摺動自在に接触さ
せ、かつフリーピストンの内周とリリーフハウジング外
周との間にわずかなすき間を形成し、このすき間をフリ
ーピストンに設けたシール部材でふさぐ構成にし、さら
にフリーピストンで区画された一方の調整室にフリーピ
ストンに追随して移動するスリーブを設け、このスリー
ブの内周とリリーフハウジングの外周とを摺動自在に接
触させる一方、スリーブあるいはリリーフハウジングの
何れか一方に絞りを形成し、スリーブが一方の調整室か
ら他方の調整室に向かって移動する過程で、絞りの開度
が徐々に小さくなる構成にした点に特徴を有する。な
お、この発明は、カウンターバランス弁を用いたタイプ
のものと、それを用いずに、切換弁をセンタークローズ
ドタイプにしたタイプのいずれにも適用できるものであ
る。
【0017】
【作用】第1の発明は、フリーピストンが移動する過程
で、スプリング室と調整室とを連通させる通路過程に設
けた絞りの開度が徐々に小さくなる。したがって、フリ
ーピストンが移動すれば、それに応じてスプリング室内
の圧力が上昇するとともに、リリーフ弁の設定圧も徐々
に上昇する。第2の発明は、フリーピストンに追随して
スリーブも移動するとともに、このスリーブの移動にと
もなって、絞りの開度が徐々に小さくなる。
【0018】
【実施例】図1〜図3に示した第1実施例は、リリーフ
弁RのリリーフハウジングHの外周に、その周方向に連
続する調整室43を形成するとともに、この調整室43
に筒状のフリーピストン44を設け、調整室43を一方
の室43aと他方の室43bとに区画している。ただ
し、このフリーピストン44は、その外周を調整室43
の内周に摺動自在に接触させる一方、内周は、リリーフ
ハウジングHに対してほんのわずかのすき間を維持して
いる。しかし、このすき間は、実際にほとんど見えない
程度のわずかなものでなので、図面では表していない。
そして、このすき間を閉じるために、フリーピストン4
4の内周にシール45をはめている。上記のようにした
フリーピストン44の軸方向外側にはスリーブ46を設
けているが、このスリーブ46は、リリーフハウジング
の外周に摺動自在に接触させている。そして、このスリ
ーブ46の軸方向内端には、バネ受け部47を起立さ
せ、このバネ受け部47と筒部材48との間に圧縮スプ
リング49を介在させている。
【0019】したがって、フリーピストン44が図1中
右方向に移動したとき、スリーブ46もスプリング49
の作用で追随することになる。ただし、このスプリング
49のバネ力はシール45のフリクションよりも弱くし
ているので、このスプリング49のバネ力で、フリーピ
ストン44を移動させるようなことはない。上記のよう
にしたスリーブ46には、その軸方向に直列にした複数
の小孔50を形成する一方、リリーフハウジングHの外
周には、リリーフ弁Rのスプリング室51に連通する環
状凹部52を形成している。そして、フリーピストン4
4が図1のように一方の室43aのストロークエンド部
分に位置しているとき、複数の小孔50のすべてが環状
凹部52に開口するようにしている。また、上記リリー
フハウジングHも小孔53を形成しているが、この小孔
53は、スプリング室51と一方の室43aを常時連通
させるものである。なお、上記以外の構成は、前記した
従来と同様なので、その具体的な構成の説明を省略す
る。また、リリーフハウジングHの構成は、例えば、従
来のシート部材18、19とポペット保持部材20、2
1とを一体にしてもよいし、従来と同様にそれらを別々
にしてもよいこと当然である。
【0020】今、従来と同様に、ブレーキ作動時のよう
に調整室43の一方の室43aに圧力が作用すると、そ
の圧力作用でフリーピストン44が図1中右方向に移動
する。このフリーピストン44の移動にともなって、ス
リーブ46も移動するが、その移動過程で、小孔50と
環状凹部52とが食い違うことになる。したがって、最
初は、図1中、一番右側の小孔50が環状凹部52から
外れて閉ざされる。そして、順次小孔が閉じられ、最終
的にはすべての小孔50が閉じられることになる。ただ
し、すべての小孔50が閉じられても、リリーフハウジ
ングHに形成した小孔53は開口したままである。した
がって、フリーピストン44のストロークと、小孔5
0、53のトータルの開口面積特性は、図2に示す通り
である。なお、上記小孔50、53を総合化したもの
が、この発明の絞りを構成するものである。
【0021】このようにフリーピストン44が移動する
過程で、スプリング室51と調整室43の一方の室43
aとを連通させる小孔50が徐々に閉じるということ
は、それにともなってスプリング室51内の圧力が徐々
に上昇することになる。スプリング室51内の圧力が上
昇すれば、その分、リリーフ弁Rの作動圧も徐々に高く
なることを意味する。このようにフリーピストン44の
移動で一方の室43aの容積を拡大しながら、開口する
小孔50の数を減らしていくので、リリーフ弁Rの作動
圧力が、図3に示すように、段階的に上昇していく。こ
のようにリリーフ弁Rの作動圧が段階的に上昇していく
ので、ショックの緩和も滑らかになる。なお、フリーピ
ストン44が他方の室43b側のフルストローク位置ま
で移動したとき、いずれかの小孔50が開いている構成
にしたならば、リリーフハウジングHに形成した小孔5
3が不要になる。
【0022】また、フリーピストン44とスリーブ46
とを別々にしたのは次の理由からである。すなわち、ス
リーブ46は、その内周をリリーフハウジングHに接触
させなければならない。一方フリーピストン44はその
外周を調整室44の内周に接触させなければならない。
このようにそれぞれの条件を満足させつつ、それら両者
を一体にすると、フリーピストン44の部分では、その
外周及び内周の両面を接触させなければならなくなる。
ただ、この場合には、外径及び内径の中心を完全に一致
させなければならない。もし両者の中心に少しでも狂い
があると、フリーピストンが組み込めなくなってしま
う。しかし、フリーピストン44の外径及び内径の中心
を正確に一致させることは、実際上、ほとんど不可能に
近い。
【0023】ただし、フリーピストン44の外周にシー
ル45をはめることによって、外径及び内径の中心位置
の管理をある程度ラフにできる。したがって、この場合
には、上記のような問題が発生しないが、今度は、フリ
ーピストン44とスリーブ46との合計長さが長くなる
ので、それだけ内径寸法の管理が難しくなる。そこで、
この実施例のように、フリーピストン44とスリーブ4
6とを別々にしておけば、それぞれの寸法管理が非常に
楽なるというメリットがある。ただし、寸法管理の難し
さを無視すれば、フリーピストン44とスリーブ46と
を一体にしてもよいこと当然である。そして、第1の発
明の目的及び作用効果を達成するためには、それら両者
が一体であっても、別体であってもよいこと当然であ
る。
【0024】図4に示した第2実施例は、小孔50をリ
リーフハウジングH側に形成したもので、その他は、上
記第1実施例と同様である。図5〜図7に示した第3実
施例は、第1実施例の小孔50に代えて、テーパ54と
このテーパに隣接した連通孔55とを形成するととも
に、リリーフハウジングHにもこのすき間側に開口する
通孔56を形成している。そして、このテーパ54は、
リリーフハウジングHとの間のすき間を管理するための
もので、スリーブ46が矢印方向に移動したとき、その
すき間が徐々に狭くなるようにしている。そして、この
すき間が徐々に狭くなるということは、そこに絞り効果
が発揮されることになるが、その特性を示したのが図6
である。そして、この第2実施例のテーパ54が、この
発明の絞りを構成するものである。なお、このテーパに
よる絞り特性と、リリーフ弁Rの作動圧力特性を示した
のが、図6と図7である。この作動圧力特性からも明ら
かなように、複数の小孔50を用いた第1、2実施例の
場合よりも、その制御がいっそう滑らかになる。
【0025】図8に示した第4実施例は、リリーフハウ
ジングH側にテーパ54と連通孔55とを形成し、スリ
ーブ46側に通孔56を形成したもので、その他は第3
実施例と同様である。なお、上記第2実施例〜第4実施
例のいずれの場合にも、リリーフハウジングH側に形成
した小孔53を省略してもよいこと、第1実施例と同様
である。
【0026】
【発明の効果】第1の発明によれば、リリーフ弁の作動
圧力を徐々に高くできるので、モータのショックを滑ら
かに緩和させられる。第2の発明によれば、フリーピス
トンとスリーブとを別々にしたので、製造過程における
それらの寸法管理が楽になり、その分、コストを大幅に
減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の要部の部分拡大断面図である。
【図2】第1実施例の絞りの開口特性を示したグラフで
ある。
【図3】第1実施例のリリーフ弁の作動圧力特性を示し
たグラフである。
【図4】第2実施例の要部断面図である。
【図5】第3実施例の要部断面図である。
【図6】第3実施例の絞りの開口特性を示したグラフで
ある。
【図7】第3実施例の作動圧力特性を示したグラフであ
る。
【図8】第4実施例の要部断面図である。
【図9】従来例のブレーキ装置の回路図である。
【図10】従来例の断面図である。
【図11】図10のXIーXI線断面図である。
【符号の説明】
S スプール R1、R2 リリーフ弁 a バルブ本体 5、9 メイン通路 m アクチュエータとしてのモータ H1、H2 リリーフハウジング 16、17 ポペット 18b、19b シート部 24、25 スプリング室 26、27 スプリング 33、34 調整室 33a、34a 室 33b、34b 室 35、36 フリーピストン H リリーフハウジング 43 調整室 43a 室 43b 室 44 フリーピストン 46 スリーブ R リリーフ弁 50 小孔 51 スプリング室 53 小孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のメイン通路の上流側に、カウンタ
    ーバランス弁を接続し、下流側にはアクチュエータと一
    対のクロスオーバー型リリーフ弁とを備え、これらリリ
    ーフ弁は、バルブ本体内に組み込まれるとともに、ポペ
    ットと、スプリングを設けたスプリング室とを備え、上
    記ポペットは、その一側を一方のメイン通路側に臨ま
    せ、他側をスプリング室側に臨ませるとともに、メイン
    通路側におけるポペットの受圧面積をスプリング室側に
    おける受圧面積よりも大きくする一方、このスプリング
    室に設けたスプリングの作用で、通常は、上記ポペット
    がシート部を閉じ、メイン通路側と戻り通路側とを閉鎖
    する構成にし、さらに上記ポペットには、メイン通路側
    とスプリング室とを連通させるオリフィスを形成する一
    方、フリーピストンを摺動自在に設けた調整室を設ける
    とともに、このフリーピストンで区画された一方の室を
    上記スプリング室に連通させ、他方の室を他方のメイン
    通路側に連通させたブレーキバルブ装置において、上記
    スプリング室と上記一方の調整室とを連通させる通路過
    程に絞りを形成し、スプリング室側からの圧力流体がフ
    リーピストンに作用して、このフリーピストンが上記一
    方の室側から他方の室側に移動したとき、その移動量に
    応じて絞りの開度が徐々に小さくなる構成にしたブレー
    キバルブ装置。
  2. 【請求項2】バルブ本体内に筒状のリリーフハウジング
    を設けるとともに、このリリーフハウジングとバルブ本
    体との間に、それらの周方向に連続する調整室を形成
    し、この調整室に筒状のフリーピストンを設けるととも
    に、調整室の内周とフリーピストンの外周とを摺動自在
    に接触させ、かつフリーピストンの内周とリリーフハウ
    ジング外周との間にわずかなすき間を形成し、このすき
    間をフリーピストンに設けたシール部材でふさぐ構成に
    し、さらにフリーピストンで区画された一方の調整室に
    フリーピストンに追随して移動するスリーブを設け、こ
    のスリーブの内周とリリーフハウジングの外周とを摺動
    自在に接触させる一方、スリーブあるいはリリーフハウ
    ジングの何れか一方に絞りを形成し、スリーブが一方の
    調整室から他方の調整室に向かって移動する過程で、絞
    りの開度が徐々に小さくなる構成にした請求項1記載の
    ブレーキバルブ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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