JPH07243100A - 銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法 - Google Patents
銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法Info
- Publication number
- JPH07243100A JPH07243100A JP3709994A JP3709994A JPH07243100A JP H07243100 A JPH07243100 A JP H07243100A JP 3709994 A JP3709994 A JP 3709994A JP 3709994 A JP3709994 A JP 3709994A JP H07243100 A JPH07243100 A JP H07243100A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrolytic
- solution
- soln
- electrolytic stripping
- silver
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 229910052709 silver Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 20
- 239000004332 silver Substances 0.000 title claims abstract description 20
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 8
- BQCADISMDOOEFD-UHFFFAOYSA-N Silver Chemical compound [Ag] BQCADISMDOOEFD-UHFFFAOYSA-N 0.000 title abstract description 17
- 229940091173 hydantoin Drugs 0.000 claims abstract description 10
- 229910052739 hydrogen Inorganic materials 0.000 claims abstract description 6
- 239000001257 hydrogen Substances 0.000 claims abstract description 6
- 125000000217 alkyl group Chemical group 0.000 claims abstract description 5
- 239000007788 liquid Substances 0.000 claims description 26
- -1 hydantoin compound Chemical class 0.000 claims description 15
- 125000004432 carbon atom Chemical group C* 0.000 claims description 4
- 125000004435 hydrogen atom Chemical class [H]* 0.000 claims 2
- KWYUFKZDYYNOTN-UHFFFAOYSA-M Potassium hydroxide Chemical compound [OH-].[K+] KWYUFKZDYYNOTN-UHFFFAOYSA-M 0.000 abstract description 12
- HEMHJVSKTPXQMS-UHFFFAOYSA-M Sodium hydroxide Chemical compound [OH-].[Na+] HEMHJVSKTPXQMS-UHFFFAOYSA-M 0.000 abstract description 12
- 239000000203 mixture Substances 0.000 abstract description 8
- WCUXLLCKKVVCTQ-UHFFFAOYSA-M Potassium chloride Chemical compound [Cl-].[K+] WCUXLLCKKVVCTQ-UHFFFAOYSA-M 0.000 abstract description 4
- 239000008139 complexing agent Substances 0.000 abstract description 4
- LWIHDJKSTIGBAC-UHFFFAOYSA-K tripotassium phosphate Chemical compound [K+].[K+].[K+].[O-]P([O-])([O-])=O LWIHDJKSTIGBAC-UHFFFAOYSA-K 0.000 abstract description 4
- XFXPMWWXUTWYJX-UHFFFAOYSA-N Cyanide Chemical compound N#[C-] XFXPMWWXUTWYJX-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract description 2
- UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N Hydrogen Chemical compound [H][H] UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract description 2
- 239000001103 potassium chloride Substances 0.000 abstract description 2
- 235000011164 potassium chloride Nutrition 0.000 abstract description 2
- 235000011118 potassium hydroxide Nutrition 0.000 abstract description 2
- 229910000160 potassium phosphate Inorganic materials 0.000 abstract description 2
- 235000011009 potassium phosphates Nutrition 0.000 abstract description 2
- 235000011121 sodium hydroxide Nutrition 0.000 abstract description 2
- WJRBRSLFGCUECM-UHFFFAOYSA-N hydantoin Chemical compound O=C1CNC(=O)N1 WJRBRSLFGCUECM-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract 2
- 238000007747 plating Methods 0.000 description 15
- KZNICNPSHKQLFF-UHFFFAOYSA-N succinimide Chemical compound O=C1CCC(=O)N1 KZNICNPSHKQLFF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 14
- 229960002317 succinimide Drugs 0.000 description 7
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000010949 copper Substances 0.000 description 4
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 description 3
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 3
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 3
- 238000005868 electrolysis reaction Methods 0.000 description 3
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 3
- RHYBFKMFHLPQPH-UHFFFAOYSA-N N-methylhydantoin Chemical compound CN1CC(=O)NC1=O RHYBFKMFHLPQPH-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- QAOWNCQODCNURD-UHFFFAOYSA-N Sulfuric acid Chemical compound OS(O)(=O)=O QAOWNCQODCNURD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 150000008044 alkali metal hydroxides Chemical class 0.000 description 2
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 2
- 238000002845 discoloration Methods 0.000 description 2
- 150000002431 hydrogen Chemical class 0.000 description 2
- 230000000873 masking effect Effects 0.000 description 2
- 150000002825 nitriles Chemical class 0.000 description 2
- 239000006174 pH buffer Substances 0.000 description 2
- 231100000614 poison Toxicity 0.000 description 2
- 150000003839 salts Chemical class 0.000 description 2
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 2
- 238000004065 wastewater treatment Methods 0.000 description 2
- RFTORHYUCZJHDO-UHFFFAOYSA-N 1,3-dimethylimidazolidine-2,4-dione Chemical compound CN1CC(=O)N(C)C1=O RFTORHYUCZJHDO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- YIROYDNZEPTFOL-UHFFFAOYSA-N 5,5-Dimethylhydantoin Chemical compound CC1(C)NC(=O)NC1=O YIROYDNZEPTFOL-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052783 alkali metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010953 base metal Substances 0.000 description 1
- KXZJHVJKXJLBKO-UHFFFAOYSA-N chembl1408157 Chemical compound N=1C2=CC=CC=C2C(C(=O)O)=CC=1C1=CC=C(O)C=C1 KXZJHVJKXJLBKO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- XNGIFLGASWRNHJ-UHFFFAOYSA-N o-dicarboxybenzene Natural products OC(=O)C1=CC=CC=C1C(O)=O XNGIFLGASWRNHJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000010979 pH adjustment Methods 0.000 description 1
- 239000002574 poison Substances 0.000 description 1
- 230000007096 poisonous effect Effects 0.000 description 1
- NNFCIKHAZHQZJG-UHFFFAOYSA-N potassium cyanide Chemical compound [K+].N#[C-] NNFCIKHAZHQZJG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229920006395 saturated elastomer Polymers 0.000 description 1
- GGCZERPQGJTIQP-UHFFFAOYSA-N sodium;9,10-dioxoanthracene-2-sulfonic acid Chemical compound [Na+].C1=CC=C2C(=O)C3=CC(S(=O)(=O)O)=CC=C3C(=O)C2=C1 GGCZERPQGJTIQP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910001220 stainless steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010935 stainless steel Substances 0.000 description 1
- 231100000331 toxic Toxicity 0.000 description 1
- 230000002588 toxic effect Effects 0.000 description 1
- 230000001988 toxicity Effects 0.000 description 1
- 231100000419 toxicity Toxicity 0.000 description 1
Landscapes
- Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 有毒のシアン化合物を使用せず、液の管理が
容易で安定して使用することのできる、銀の電解剥離液
及びそれを用いた電解剥離方法を提供する。 【構成】 本発明による銀の電解剥離液及びそれを用い
た電解剥離方法は、錯形成剤としてヒダントイン化合物
を用いるものとした。そのため、排水処理施設等が不要
となり、作業現場の安全性も確保される。また、従来の
コハク酸イミドを用いた液に比べ液が安定しているた
め、液の管理が容易となって作業性が大幅に向上すると
ともにコスト的にも有利になる。
容易で安定して使用することのできる、銀の電解剥離液
及びそれを用いた電解剥離方法を提供する。 【構成】 本発明による銀の電解剥離液及びそれを用い
た電解剥離方法は、錯形成剤としてヒダントイン化合物
を用いるものとした。そのため、排水処理施設等が不要
となり、作業現場の安全性も確保される。また、従来の
コハク酸イミドを用いた液に比べ液が安定しているた
め、液の管理が容易となって作業性が大幅に向上すると
ともにコスト的にも有利になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀の電解剥離液及びそ
れを用いた電解剥離方法に関し、特に、シアン化合物を
用いない電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法に関
する。
れを用いた電解剥離方法に関し、特に、シアン化合物を
用いない電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ICリードフレームやコネクタ
ーピン等の電子部品に銀めっきを施す場合、めっき不要
部をマスキングすることによって必要な部分にのみ部分
めっきを施すようにしている。しかし、このようなマス
キングを施しても、往々にして必要めっきエリア以外の
部分にはみ出してめっきされる場合がある。このため、
後処理として、この不必要なめっき被膜を剥離する必要
があり、一般的には、剥離処理対象物を剥離液に浸漬
し、この剥離処理対象物を陽極とした電解処理を行うこ
とによって不要なめっき被膜を剥離するようにしてい
る。
ーピン等の電子部品に銀めっきを施す場合、めっき不要
部をマスキングすることによって必要な部分にのみ部分
めっきを施すようにしている。しかし、このようなマス
キングを施しても、往々にして必要めっきエリア以外の
部分にはみ出してめっきされる場合がある。このため、
後処理として、この不必要なめっき被膜を剥離する必要
があり、一般的には、剥離処理対象物を剥離液に浸漬
し、この剥離処理対象物を陽極とした電解処理を行うこ
とによって不要なめっき被膜を剥離するようにしてい
る。
【0003】このような電解剥離液としては、古くはシ
アン化カリやシアン化ナトリウムを主成分としたもの等
が知られている。これらの液は、シアン化合物の特性で
ある、銀イオンとの高い錯安定性を利用するものであ
る。しかし、シアン化合物は強い毒性を有するため、排
水処理、毒物管理、作業上の安全対策等の問題を避けら
れない。加えて、シアン化合物を用いた電解剥離液は、
下地金属の腐食や必要めっき部分表面の粗度を増加させ
て光沢むらや光沢劣化の原因となることもある。このた
め、シアン化合物を用いない電解剥離液として、コハク
酸イミド及び/又はフタル酸イミドとアルカリ金属水酸
化物を主成分とするものが提案されている(特開平2−
104699号公報参照)。
アン化カリやシアン化ナトリウムを主成分としたもの等
が知られている。これらの液は、シアン化合物の特性で
ある、銀イオンとの高い錯安定性を利用するものであ
る。しかし、シアン化合物は強い毒性を有するため、排
水処理、毒物管理、作業上の安全対策等の問題を避けら
れない。加えて、シアン化合物を用いた電解剥離液は、
下地金属の腐食や必要めっき部分表面の粗度を増加させ
て光沢むらや光沢劣化の原因となることもある。このた
め、シアン化合物を用いない電解剥離液として、コハク
酸イミド及び/又はフタル酸イミドとアルカリ金属水酸
化物を主成分とするものが提案されている(特開平2−
104699号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな組成の電解剥離液にあっては、液が不安定で設定が
難しいという別の不具合がある。つまり、コハク酸イミ
ドは、電解又は自然放置によって容易に酸化・還元分解
されるため、これを用いた液は不安定で液寿命が短かく
なってしまう。また、この液を使用する際のpH範囲
は、9.0±0.2とかなり狭いため、液の管理が非常
に難しくなる。加えて、この液は、電流密度の設定も難
しく、例えばICリードフレームにめっきを施す場合、
そのめっき面のサイズやパターンに応じて電流密度をそ
の都度細かく設定する必要があり、改善が望まれてい
た。
うな組成の電解剥離液にあっては、液が不安定で設定が
難しいという別の不具合がある。つまり、コハク酸イミ
ドは、電解又は自然放置によって容易に酸化・還元分解
されるため、これを用いた液は不安定で液寿命が短かく
なってしまう。また、この液を使用する際のpH範囲
は、9.0±0.2とかなり狭いため、液の管理が非常
に難しくなる。加えて、この液は、電流密度の設定も難
しく、例えばICリードフレームにめっきを施す場合、
そのめっき面のサイズやパターンに応じて電流密度をそ
の都度細かく設定する必要があり、改善が望まれてい
た。
【0005】本発明はこのような従来の技術に着目して
なされたものであり、有害なシアン化合物を使用せず、
液の管理が容易で安定して使用することのできる、銀の
電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法を提供するこ
とを目的とする。
なされたものであり、有害なシアン化合物を使用せず、
液の管理が容易で安定して使用することのできる、銀の
電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者は、こ
の種の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法を開発
するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示すような非
シアン系の化合物がこの目的に適合することを見いだ
し、その知見に基づいてこの発明をなすに至った。
の種の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法を開発
するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示すような非
シアン系の化合物がこの目的に適合することを見いだ
し、その知見に基づいてこの発明をなすに至った。
【0007】即ち、この発明に係る電解剥離液は、錯形
成剤として、一般式
成剤として、一般式
【化3】 〔式中、R1 、R3 、R5 はそれぞれ水素、又は1〜5
個の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルカノール基
を表す〕又は一般式
個の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルカノール基
を表す〕又は一般式
【化4】 〔式中、R1 、R3 、R5 、R5 ′はそれぞれ水素、又
は1〜5個の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルカ
ノール基を表す〕で表されるヒダントイン化合物の少な
くともいずれかを含有してなるものとしている。
は1〜5個の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルカ
ノール基を表す〕で表されるヒダントイン化合物の少な
くともいずれかを含有してなるものとしている。
【0008】このヒダントイン化合物は、銀に対し特異
的に錯体を形成するという特性を有し、この化合物を用
いることによって、均一で下地金属の腐食等のない安定
した電解剥離を行えることになる。ヒダントイン化合物
としては、例えば、1−メチルヒダントイン、1,3−
ジメチルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン
等を採用でき、液中に10〜300g/l、好ましくは
40〜100g/l含有するものとしている。
的に錯体を形成するという特性を有し、この化合物を用
いることによって、均一で下地金属の腐食等のない安定
した電解剥離を行えることになる。ヒダントイン化合物
としては、例えば、1−メチルヒダントイン、1,3−
ジメチルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン
等を採用でき、液中に10〜300g/l、好ましくは
40〜100g/l含有するものとしている。
【0009】ヒダントイン化合物が10g/lより少な
い場合、安定した剥離が行えなくなるとともに電流密度
の上限が小さくなって実用に供することが難しくなる。
ヒダントイン化合物が300g/lより多い場合、飽和
の状態になって溶解しにくくなるとともに、コストが高
価となり実用上不適となる。
い場合、安定した剥離が行えなくなるとともに電流密度
の上限が小さくなって実用に供することが難しくなる。
ヒダントイン化合物が300g/lより多い場合、飽和
の状態になって溶解しにくくなるとともに、コストが高
価となり実用上不適となる。
【0010】また、この発明に係る電解剥離方法は、上
記組成の電解剥離液を、以下の操作条件、即ち、pH4
〜14、好ましくはpH7〜12、より好ましくはpH
10.5〜11.5、液温10〜90℃、好ましくは液
温20〜60℃、より好ましくは液温30〜50℃、電
流密度0.5〜10A/dm2 、好ましくは電流密度1
〜8A/dm2 、より好ましくは電流密度2〜7A/d
m2 の操作条件で用いるものとしている。
記組成の電解剥離液を、以下の操作条件、即ち、pH4
〜14、好ましくはpH7〜12、より好ましくはpH
10.5〜11.5、液温10〜90℃、好ましくは液
温20〜60℃、より好ましくは液温30〜50℃、電
流密度0.5〜10A/dm2 、好ましくは電流密度1
〜8A/dm2 、より好ましくは電流密度2〜7A/d
m2 の操作条件で用いるものとしている。
【0011】pH4〜14としたのは、pHが4より低
いと液中に銀塩が沈殿し易くなるとともに剥離効率が極
端に低下し、pHが14より高いと均一な剥離が行われ
にくくなるためである。なお、pHの調整は、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム又は硫酸を用いて行なうよう
にしている。液温が10℃より低い場合は、剥離が均一
に行われなくなり、液温が90℃より高い場合は、液が
分解しやすくなって不安定となる。電流密度が0.5A
/dm2 より低い場合は、剥離速度が遅くなって実用的
でなくなり、10A/dm2 より高い場合は、水素の発
生が起こって剥離が行えなくなってしまう。
いと液中に銀塩が沈殿し易くなるとともに剥離効率が極
端に低下し、pHが14より高いと均一な剥離が行われ
にくくなるためである。なお、pHの調整は、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム又は硫酸を用いて行なうよう
にしている。液温が10℃より低い場合は、剥離が均一
に行われなくなり、液温が90℃より高い場合は、液が
分解しやすくなって不安定となる。電流密度が0.5A
/dm2 より低い場合は、剥離速度が遅くなって実用的
でなくなり、10A/dm2 より高い場合は、水素の発
生が起こって剥離が行えなくなってしまう。
【0012】このように、本発明による電解剥離液は、
pH、温度、電流密度の範囲を比較的広くとることが可
能であり、これにより、浴の管理が極めて容易となると
ともに液管理のための設備も簡略化できることになる。
例えば、一般に電解槽には液循環ポンプ等の機器が備え
られているため、これらの機器からの放熱によって液温
がかなり高くなることが多い。このため、適正温度範囲
が20〜30℃であるコハク酸イミドを用いた従来の液
では、冷却装置が必要になるが、この発明による電解剥
離液では、このような冷却装置等を不要とできるもので
ある。
pH、温度、電流密度の範囲を比較的広くとることが可
能であり、これにより、浴の管理が極めて容易となると
ともに液管理のための設備も簡略化できることになる。
例えば、一般に電解槽には液循環ポンプ等の機器が備え
られているため、これらの機器からの放熱によって液温
がかなり高くなることが多い。このため、適正温度範囲
が20〜30℃であるコハク酸イミドを用いた従来の液
では、冷却装置が必要になるが、この発明による電解剥
離液では、このような冷却装置等を不要とできるもので
ある。
【0013】なお、この電解剥離液に用いるpH緩衝剤
及び電導塩としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、塩化カリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属水
酸化物あるいはアルカリ金属塩を用いるようにしてい
る。その量は10〜150g/l、好ましくは20〜5
0g/l添加するものとし、10g/lより少ない場合
は液のpHを安定させ且つ液に電導性を与える役割を果
たしづらく、150g/lより多い場合は均一な剥離が
行われにくくなる。尚、pH緩衝剤として、水酸化カリ
ウムや水酸化ナトリウムを用いる場合は、これが電導塩
も兼ねるものである。
及び電導塩としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、塩化カリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属水
酸化物あるいはアルカリ金属塩を用いるようにしてい
る。その量は10〜150g/l、好ましくは20〜5
0g/l添加するものとし、10g/lより少ない場合
は液のpHを安定させ且つ液に電導性を与える役割を果
たしづらく、150g/lより多い場合は均一な剥離が
行われにくくなる。尚、pH緩衝剤として、水酸化カリ
ウムや水酸化ナトリウムを用いる場合は、これが電導塩
も兼ねるものである。
【0014】
【実施例】次に実施例によってこの発明をさらに詳細に
説明する。
説明する。
【0015】表面を研磨した2cm×4cmサイズの銅
基板に、先ず、部分的な銀ストライクめっき層を形成
し、次いでこの銀ストライクめっき層の上に、さらに小
さいサイズで膜厚5μmの銀めっき層を重ねて形成する
ことによって、銅表面、銀ストライクめっき層表面、銀
めっき層表面がそれぞれ露出された試験片を得た。
基板に、先ず、部分的な銀ストライクめっき層を形成
し、次いでこの銀ストライクめっき層の上に、さらに小
さいサイズで膜厚5μmの銀めっき層を重ねて形成する
ことによって、銅表面、銀ストライクめっき層表面、銀
めっき層表面がそれぞれ露出された試験片を得た。
【0016】この試験片について、以下の表に示すよう
なNo.1〜No.9の組成浴を用いて電解処理を施した。な
お、操作条件は、液温40℃、電流密度5A/dm2 、
電解時間30秒とし、陰極はステンレススチール製とし
た。
なNo.1〜No.9の組成浴を用いて電解処理を施した。な
お、操作条件は、液温40℃、電流密度5A/dm2 、
電解時間30秒とし、陰極はステンレススチール製とし
た。
【0017】
【表1】
【0018】以上に示す各々の組成及び操作条件で電解
剥離を行ったところ、全ての組成浴において、銀ストラ
イクめっき被膜は完全に除去されており、銀めっき被膜
には光沢むらや変色・はがれ等が全く見られず、銅基板
の銅表面が露出した部分にも腐食や変色等が見られなか
った。
剥離を行ったところ、全ての組成浴において、銀ストラ
イクめっき被膜は完全に除去されており、銀めっき被膜
には光沢むらや変色・はがれ等が全く見られず、銅基板
の銅表面が露出した部分にも腐食や変色等が見られなか
った。
【0019】そして、代表としてNo.1の組成浴と比較例
としてのコハク酸イミド浴についてライフテストを行っ
たところ、コハク酸イミド浴は電解時間18時間(銀剥
離量18g/l)以上で銀表面が不均一となり黄味を帯
びてきた。さらに、この間に、2時間ごとにコハク酸イ
ミドの濃度調整及びpH調整が必要であった。本発明に
よるNo.1の浴は、電解時間36時間(銀剥離量36g/
l)までテストしたが、銀表面状態及び剥離速度ともに
良好であった。なお、この間、濃度調整及びpH調整は
必要なかった。
としてのコハク酸イミド浴についてライフテストを行っ
たところ、コハク酸イミド浴は電解時間18時間(銀剥
離量18g/l)以上で銀表面が不均一となり黄味を帯
びてきた。さらに、この間に、2時間ごとにコハク酸イ
ミドの濃度調整及びpH調整が必要であった。本発明に
よるNo.1の浴は、電解時間36時間(銀剥離量36g/
l)までテストしたが、銀表面状態及び剥離速度ともに
良好であった。なお、この間、濃度調整及びpH調整は
必要なかった。
【0020】
【発明の効果】この発明に係る銀の電解剥離液及びそれ
を用いた電解剥離方法は、有毒のシアン化合物を使用し
ないため、排水処理施設や毒物管理施設が不要となり、
作業現場における安全性も確保される。
を用いた電解剥離方法は、有毒のシアン化合物を使用し
ないため、排水処理施設や毒物管理施設が不要となり、
作業現場における安全性も確保される。
【0021】また、錯形成剤としてヒダントイン化合物
を用いているため、分解し易いコハク酸イミドを用いた
液に比べて液が安定し液寿命が長くなってコスト的に有
利になる。
を用いているため、分解し易いコハク酸イミドを用いた
液に比べて液が安定し液寿命が長くなってコスト的に有
利になる。
【0022】そしてまた、この電解剥離液は、コハク酸
イミドを用いた液よりも電流密度、温度、pHにおいて
許容範囲が広いので、液組成や操作条件の細かい設定作
業が不要となる。このため、液の管理が容易となって、
作業性が大幅に向上するとともに、液管理のための設備
や施設も不要になる。
イミドを用いた液よりも電流密度、温度、pHにおいて
許容範囲が広いので、液組成や操作条件の細かい設定作
業が不要となる。このため、液の管理が容易となって、
作業性が大幅に向上するとともに、液管理のための設備
や施設も不要になる。
Claims (3)
- 【請求項1】 銀の電解剥離液において、錯形成剤とし
て、 一般式 【化1】 〔式中、R1 、R3 、R5 はそれぞれ水素、又は1〜5
個の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルカノール基
を表す〕又は一般式 【化2】 〔式中、R1 、R3 、R5 、R5 ′はそれぞれ水素、又
は1〜5個の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルカ
ノール基を表す〕で表されるヒダントイン化合物の少な
くともいずれかを含有してなることを特徴とする電解剥
離液。 - 【請求項2】 請求項1に記載のヒダントイン化合物
を、10〜300g/l含有してなる請求項1記載の電
解剥離液。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の電解剥離液を、p
H4〜14、液温10〜90℃、電流密度0.5〜10
A/dm2 の操作条件で用いる銀の電解剥離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6037099A JP2603800B2 (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6037099A JP2603800B2 (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07243100A true JPH07243100A (ja) | 1995-09-19 |
JP2603800B2 JP2603800B2 (ja) | 1997-04-23 |
Family
ID=12488143
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6037099A Expired - Lifetime JP2603800B2 (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2603800B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2301599A (en) * | 1995-05-31 | 1996-12-11 | Japan Energy Corp | Electrolytic desilvering agents |
WO2004085716A1 (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-07 | Nikko Materials Co., Ltd. | 銀電解剥離剤 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS614100A (ja) * | 1984-06-18 | 1986-01-09 | 南洋貿易株式会社 | ギタ−用トレモロ機構 |
JPH02175825A (ja) * | 1988-12-27 | 1990-07-09 | Shinko Electric Ind Co Ltd | 銅もしくは銅合金上の銀剥離液 |
JPH0641800A (ja) * | 1992-07-22 | 1994-02-15 | Okuno Chem Ind Co Ltd | 銀の電解剥離剤 |
-
1994
- 1994-03-08 JP JP6037099A patent/JP2603800B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS614100A (ja) * | 1984-06-18 | 1986-01-09 | 南洋貿易株式会社 | ギタ−用トレモロ機構 |
JPH02175825A (ja) * | 1988-12-27 | 1990-07-09 | Shinko Electric Ind Co Ltd | 銅もしくは銅合金上の銀剥離液 |
JPH0641800A (ja) * | 1992-07-22 | 1994-02-15 | Okuno Chem Ind Co Ltd | 銀の電解剥離剤 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2301599A (en) * | 1995-05-31 | 1996-12-11 | Japan Energy Corp | Electrolytic desilvering agents |
GB2301599B (en) * | 1995-05-31 | 1999-11-10 | Japan Energy Corp | Electrolytic desilvering agents and electrolytic desilvering method |
WO2004085716A1 (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-07 | Nikko Materials Co., Ltd. | 銀電解剥離剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2603800B2 (ja) | 1997-04-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0075784B1 (en) | Process for direct gold plating of stainless steel | |
CN1170963C (zh) | 一价铜无氰电镀液及使用该电镀液镀铜的方法 | |
JPS6127480B2 (ja) | ||
CN112064026A (zh) | 一种新型的铜面粗糙度咬蚀稳定剂及其制备方法 | |
US5194139A (en) | Pretreating solution for silver plating and silver plating treating process using the solution | |
JPH07243100A (ja) | 銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法 | |
WO1993018211A1 (en) | Cyanide-free copper plating bath and process | |
US4299670A (en) | Palladium plating procedure and bath | |
US4615774A (en) | Gold alloy plating bath and process | |
JP2603800C (ja) | ||
CA1180677A (en) | Bath and process for high speed nickel electroplating | |
JP3112857B2 (ja) | 銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法 | |
JP3224454B2 (ja) | ノンシアン銀めっき浴及びその銀めっき方法 | |
US2690997A (en) | Electrodeposition of copper | |
WO2020039791A1 (ja) | すず合金電気めっき浴及びそれを用いためっき方法 | |
WO2022158291A1 (ja) | 電解銀めっき浴およびこれを用いた電解銀めっき方法 | |
JPH1150298A (ja) | 銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法 | |
SU603709A1 (ru) | Электролит серебрени | |
JP2000345400A (ja) | 銀の電解剥離剤及び電解剥離方法 | |
SU1079701A1 (ru) | Электролит меднени | |
JPH05311484A (ja) | リフロー錫または錫合金めっき浴 | |
JP3960655B2 (ja) | 錫または錫合金用電解剥離液及び電解剥離法 | |
CN107709628B (zh) | 用于电解硬质金镀敷液的防置换剂和包含其的电解硬质金镀敷液 | |
CN114351194A (zh) | 一种印制电路通孔电镀铜的镀液及工艺 | |
SU1696607A1 (ru) | Раствор дл обработки поверхности алюмини и его сплавов перед нанесением металлических покрытий |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120129 Year of fee payment: 15 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 17 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140129 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |