JPH07242B2 - 回転長尺材の送り装置 - Google Patents

回転長尺材の送り装置

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JPH07242B2
JPH07242B2 JP20901789A JP20901789A JPH07242B2 JP H07242 B2 JPH07242 B2 JP H07242B2 JP 20901789 A JP20901789 A JP 20901789A JP 20901789 A JP20901789 A JP 20901789A JP H07242 B2 JPH07242 B2 JP H07242B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、長手方向軸中心に回転する長尺材を、長手方
向に送るための装置に関する。
(従来の技術) 長尺材をその長手方向軸中心に回転させ、その一端から
加工するような場合、長尺材を長手方向に送る装置が必
要となる。
このような装置としては、U字状の上方開口パイプに長
尺材を挿入して支持し、そのU字状パイプ内で長尺材が
回転しつつ長手方向に送られるようにしたものが従来よ
りある(特公昭56-36006号、特公昭56-20128号参照)。
(関連技術) 上記従来の送り装置では、長尺材が回転によってU字状
パイプと摺擦し、長尺材が傷付くという問題がある。
また、長尺材の長手方向軸心の高さは、加工機械との相
対的な位置関係を保持するような場合には変更できない
ので、長尺材の径が異なると、U字状パイプの高さや、
さらに、長尺材の送り機構自体の高さ調節をする必要が
あり、その高さ調節が面倒なものである。
さらに、長尺材が回転すると、いわゆる振れ回り現象を
生じるため、加工を行なうような場合には精度が低下す
るという問題がある。
そこで、本件発明者は先に特願昭63-263705号にて、上
記問題を解決する回転長尺材の送り装置を提供してい
る。
これは、レールと複数の支持体とを備え、支持体はレー
ルに長手方向に移動自在に取付けられている。また、支
持体それぞれに、ハウジングがレール長手方向に直角な
支軸中心に回転自在に取付けられ、このハウジングに接
触リングが、その支軸と直交する軸中心に回転自在に取
付けられている。そして、接触リングに、レール長手方
向に沿うと共に長手方向軸中心に回転される長尺材が挿
通可能とされ、接触リングの内周の軸方向一端と他端と
により長尺材の外周が支持される。そして、接触リング
に支持されて回転する長尺材の、長手方向への送り機構
が備えられているものである。
これにより、長尺材は接触リングに支持され、長尺材の
回転に伴なって接触リングも回転するため、長尺材が傷
付くことはないものとされている。
また、長尺材の外周は接触リングの内周の軸方向一端と
他端とで支持され、しかも、接触リングは複数であるた
め、長尺材の振れ回りは小さなものとされている。
さらに、接触リングによる長尺材の支持は、接触リング
を支軸中心に回転させるだけでよいので、極めて簡単で
あり、しかも、その支持された長尺材の中心高さは長尺
材の径に拘らず一定となり、径の相違による長尺材の中
心高さの調節が不要とされている。
(発明が解決しようとする課題) 上記関連技術に示したものでは、長尺材の送り機構は、
送りロッドと、この送りロッドをレール上で移動するよ
うに保持する保持体であった。そのため、長尺材を移動
させるために送りロッドの保持体がレール上に移動する
場合、同じレール上の支持体に取付けられたハウジング
と送りロッドの保持体とが干渉するのを防止するため、
ハウジングもレール上を移動させる必要があった。
しかし、そのような送りロッドだけでなくハウジングも
移動させるのは、構造を複雑なものとし、作業途中での
タイムロスの原因となり、メンテナンスの面でも不利な
ものであり、さらに製造コストも嵩むものであった。
本発明は上記に鑑み、従来技術の問題を解決でき、さら
に、上記関連技術における問題も解決できる回転長尺材
の送り装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明の特徴とするところは、長手方向軸中心に回転す
る長尺材3を保持する送りロッド36と、この送りロッド
36を長手方向に案内する案内体37とを備え、この案内体
37側に複数の回転駆動される送り体53が長手方向に離間
して設けられ、前記送りロッド36側に、前記送り体53に
係脱自在な係合部54が設けられ、この係合部54と前記長
手方向に並列する各送り体53とが順次係脱されること
で、送りロッド36が長手方向に送られ、前記長手方向に
相離間した送り体53の間に配置されるハウジング61が複
数備えられ、各ハウジング61は、長手方向に直角な支軸
62中心に回転自在とされ、このハウジング61に接触リン
グ64が、その支軸62と直交する軸中心に回転自在に取付
けられ、その接触リング64に前記長尺材3が挿通される
と共に、接触リング64の内周の軸方向一端と他端とによ
り長尺材3の外周が支持され、さらに、接触リング64内
を送りロッド36が通過可能とされている点にある。
(作用) 長尺材3は、接触リング64に支持されることになり、こ
の接触リング64は長尺材3の回転に伴なって回転する。
長尺材3の接触リング64による支持は、接触リング64の
内周の軸方向一端と他端とでなされる。これにより、長
尺材3の回転による触れ回り運動が低減される。すなわ
ち、第21図のように、固定枠129と、この固定枠129の径
方向に長さ調節可能な複数の支持具130により、長尺材
の外周を長手方向に関して一位置で支持すると、第20図
のように、その支持点の前後で長尺材3は大きく振れ回
ることになる。これに対し、接触リング64により、第19
図のように、長尺材3の外周を長手方向に関し二位置で
支持すると、長尺材3の振れ回りは小さくなる。しか
も、接触リング64は複数備えられているため、その振れ
回りはさらに制御される。
複数の接触リング64に支持される長尺材3は、その径が
異なっても、中心位置の高さは常に一定となる。これ
は、接触リング64をハウジング61に対し支軸62中心に回
転させることで、長尺材3の回転軸と接触リング64の回
転軸との相対的な傾斜角度を変更できるため、長尺材3
の径に応じてその傾斜角度を変更すれば、長尺材3の回
転軸の高さは一定のままで、接触リング64の内周の軸方
向一端と他端とで長尺材3を支持できることによる。
そして、長尺材3を長手方向に送る場合は、送り体53を
回転駆動する。すると、送り体53と係合部54との係合に
より、送りロッド36は長手方向に送られ、送りロッド36
に保持された長尺材3も長手方向に送られることにな
る。
その送り体53により送りロッド36の送りは、送り体53が
長手方向に複数離間して配置されていることから、係合
部54と各送り体53とが順次係脱されることによりなされ
る。そして、その長手方向に相離間した送り体53の間に
ハウジング61が配置され、このハウジング61に取付けら
れた接触リング64内を送りロッド36が通過可能なことか
ら、送りロッド36はハウジング61を長手方向に移動させ
ることなく送り可能とされている。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第7図及び第8図に示す送り装置1は、旋盤2により切
削加工される長尺材3を長手方向(図中左方)に送るも
のである。その旋盤2は、長尺材3を把持すると共に長
手方向軸中心に回転させるチャック4と、その回転する
長尺材3を切削するバイト5とを備える。この旋盤2に
より、送り装置1によって長手方向に送られる長尺材3
は、図中左側から順次加工される。
そして送り装置1は、枠体6と、この枠体6の前後を支
持する前支柱7及び後支柱8を備える。この前支柱7及
び後支柱8は上下昇降する前ネジ9又は後ネジ10を有
し、これにより枠体6の上下高さは調節自在とされてい
る。
枠体6は、右方の側板11と、左方の側板12と、これらの
前後を連結する前板13及び後板14と、側板11及び側板12
の上面を連結する上板17,18,19,20及び上板21と、側板1
1及び側板12の下面を連結する前底板15及び後底板16と
で形成されている。
その後底板16が、前記後ネジ10に回転板22を介して支持
されることで、枠体6は後ネジ10の軸中心に左右揺動自
在とされている。この枠体6の左右揺動を案内するた
め、第10図及び第13図に示すように、前底板15には前後
一対のブラケット23を介して前後一対の摺動板24が取付
けられている。また、前記前ネジ9には支持体25が取付
けられ、この支持板25の上面をその摺動板24が摺動する
ものとされている。その摺動板24と支持板25との相対摺
動を規制するため、両摺動板24に固定板26が載置され、
この固定板26と支持板25をボルト27で連結している。こ
れにより、摺動板24が支持板25と固定板26とで挟持され
る。また、第13図に示すように、両摺動板24の間に位置
するブロック28が、支持板25に取付けられている。この
支持板25には位置決めボルト29が取付けられ、この位置
決めボルト29が前底板15に当接することで、枠体6の旋
盤2に対する左右位置の位置決めがなされる。
そして、枠体6には送り装置本体35が内装されている。
この送り装置本体35は、第1〜6、9、11、12、14、16
図に示す送りロッド36と、第9〜12、14、15図に示す案
内体37とを備えている。
送りロッド36は前記長尺材3を保持するもので、軸心方
向が前後方向とされ、長尺のロッド本体39、ホルダー4
2、前部ロッドホルダー44、後部ロッドホルダー45によ
り主構成されている。
第11図、第16図に示すように、ロッド本体39の前方には
連結軸41が位置され、これらロッド本体39と連結軸41と
にバネ40が外嵌され、その連結軸41の前端にホルダー42
が螺合されている。このホルダー42は、前端側が後端側
に対し軸受49を介して長手方向軸中心に回転自在とされ
ている。さらに、ホルダー42の前端部は長尺材3が挿入
できるように前方開口の筒状とされ、割溝43が形成され
ることで拡径可能かつ縮径方向に弾性的に付勢され、こ
れにより長尺材3の保持がなされる。
また、前部ロッドホルダー44は筒状で、ロッド本体39に
軸方向相対摺動自在に外嵌されている。第16図に示すよ
うに、この前部ロッドホルダー44の前端外周には周溝46
が形成され、この周溝46にリング47が外嵌されている。
このリング47と前部ロッドホルダー44とが当接すること
で、前部ロッドホルダー44のリング47に対するそれ以上
の前方への摺動が規制される。
また、後部ロッドホルダー45は筒状で、ロッド本体39の
後端に外嵌され、第12図に示すようにネジ48によってロ
ッド本体39とネジ48とは連結されている。
案内体37は筒状であって、その軸心方向が前後方向とさ
れ、前後4つの部分37a,37b,37c,37dに分断され、各上
端には前後全域に亘る開口50が形成され、支持板51を介
して枠体6の側板11と側板12とに取付けられている。
そして、送りロッド36は案内体37により長手方向に案内
される。すなわち、案内体37の内径は送りロッド36の前
部ロッドホルダー44及び後部ロッドホルダー45の外径と
略一致され、前部ロッドホルダー44及び後部ロッドホル
ダー45が案内体37に内嵌されることで、送りロッド36は
案内体37の内周面をガイド面として長手方向に案内され
る。
次に、送りロッド36を長手方向に移動させるために、第
1〜6、9〜12、14、15図に示すように、複数の回転駆
動される送り体53が長手方向に離間して設けられると共
に、この送り体53に係脱自在に係合する係合部54が送り
ロッド36に設けられている。
各送り体53は本実施例では歯車とされ、左右横軸心の回
転軸56を有し、第14図に示すようにこの回転軸56は枠体
6の側板11及び側板12に軸受を介して回転自在に支持さ
れている。また、各回転軸56にはタイミングプーリ57が
外嵌固定されている。第9図、第15図に示すように、そ
のタイミングプーリ57は最前位置の回転軸56にはひと
つ、他の回転軸56には左右ふたつ固定され、前後に相隣
接する回転軸56のタイミングプーリ57にはそれぞれタイ
ミングベルト58が巻掛けられている。また、最後位置の
タイミングプーリ57の一方に巻掛けられたタイミングベ
ルト58は、ギヤードモータ59の駆動軸に取付けられたタ
イミングプーリ57に巻掛けられている。これにより、ギ
ヤードモータ59によって送り体53が回転駆動される。な
お、ギヤードモータ59は枠体6の側板12に取付けられて
いる。
また、係合部54は本実施例ではラックギヤとされ、前記
前部ロッドホルダー44及び後部ロッドホルダー45の上面
に取付けられている。そして、第11図、第12図、第14図
に示すように、前記案内体37の開口50から係合部54が露
出し、そこで送り体53が咬合するものとされている。
これにより、第1図乃至第6図に示すように、送り体53
を回転させれば、送り体53と係合部54とが順次係脱さ
れ、送りロッド36は長手方向に送られる。すなわち、第
1図から第6図は送りロッド36が漸次前方に送られる過
程を示す。本実施例では、送り体53の前後離間間隔は、
前部ロッドホルダー44又は後部ロッドホルダー45の一方
の係合部54に対し、少なくともひとつの送り体53が係合
すると共に3つ以上の送り体53が係合することはないも
のとされている。また、第3図に示すように、前部ロッ
ドホルダー44の係合部54と最前位置の送り体53との係合
が外れると、前述のようにロッド本体39と前部ロッドホ
ルダー44とは前後相対摺動自在なので、前部ロッドホル
ダー44はその最前位置の送り体53と前記前板13との間で
静止する。その後、後部ロッドホルダー45の係合部54と
送り体53との係合により送りロッド36は前進し、第5図
のように後部ロッドホルダー45が前部ロッドホルダー44
に押されることで前部ロッドホルダー44も再度前進し、
この前部ロッドホルダー44が前板13と当接する位置まで
送りロッド36は前進する。送りロッド36は後進させるに
は送り体53を前進の場合とは逆回転させればよい。なお
第6図の状態から後進させる場合、前記リング47が前部
ロッドホルダー44の前面に当接することで、前部ロッド
ホルダー44は後進を開始する。
そして、第9〜11、13、15図に示すように、長手方向に
相離間する送り体53の前後間にハウジング61が備えら
れ、本実施例では、最前方の送り体53の前方にもハウジ
ング61が備えられている。送り体53の前後間に備えられ
るハウジング61は、本実施例では3つとされ、前後4つ
の部分37a,37b,37c,37dに分断された案内体37の分断間
に配置されている。
各ハウジング61は正面視多角形状で装着孔66が開口され
ている。また、各ハウジング61の左右側部からは、前後
長手方向に直角な支軸62が、左右外方に突出されてい
る。この支軸62は、前記枠体6の側板11及び側板12の内
側面に取付けられた筒体63に回転自在に挿通されてい
る。これにより、ハウジング61は支軸62中心に回転自在
とされている。
そして、各ハウジング61の装着孔66には軸受65を介して
接触リング64が内嵌固定されている。これにより接触リ
ング64は、前記支軸62と直交する軸中心に回転自在に取
付けられている。なお、接触リング64の材質は本実施例
ではウレタンゴムとしたが、合成樹脂や銅のような軟質
金属製としてもよい。また、本実施例では接触リング64
は一体的に形成されているが、軸方向一端側と他端側と
に分割してもよい。
第17図に示すように、上記接触リング64には、その長手
方向軸中心に回転される長尺材3が挿入され、ハウジン
グ61が支軸62中心に回転されると、長尺材3の回転軸と
接触リング64の回転軸とが相対的に傾斜し、長尺材3の
外周は接触リング64の内周の軸方向一端と他端とにより
支持されることになる。
また、第18図に示すように、第17図とは異なった径の長
尺材3を接触リング64に挿通する場合は、ハウジング61
の支軸62中心の回転により、長尺材3の回転軸と接触リ
ング64の回転軸との相対的な傾斜角度が第17図のものか
ら変更されることで、長尺材3は接触リング64により支
持される。この傾斜角度の設定は、本実施例では、長尺
材3の径に応じ、空圧シリンダ67の伸縮量を設定するこ
とで行なう。
その空圧シリンダ67は、第10、13、15図に示すように、
4つのハウジング61毎に設けられており、そのシリンダ
筒の後端が前記支持板51に横軸80中心に揺動自在に取付
けられ、その伸縮ロッドの前端には連結リンク68の後端
が固定され、この連結リンク68の前端が、前記ハウジン
グ61のリンク受部69に横軸心のリンク軸70を介して揺動
自在に連結されている。これにより、空圧シリンダ67の
伸縮でハウジング61は支軸62中心に揺動することにな
る。なお、ハウジング61が一定角度以上揺動するのを規
制するため、ハウジング61の上方に位置する前記上板1
7,18,19,20にはストッパー軸71が下向突出するように取
付けられ、一方、ハウジング61からは当て板72が後方突
出され、この当て板72がストッパー軸71の下端に当接す
ることで、ハウジング61の揺動が規制される。なお、ス
トッパー軸71は上下位置変更調節自在とされている。
そして、最前位置の上板17を除く、上板18,19,20,21に
は、第9、11、12、15図に示すように、ブラケット75を
介してセンサー74が下向突出状に取付けられている。こ
のセンサー74は、前記空圧シリンダ67の制御装置(図示
省略)と接続され、前後4つのセンサー74は、前後4つ
の空圧シリンダ67にその並列順に対応している。そし
て、その下方を通過する前記前部ロッドホルダー44の係
合部54の前端を無接触で検知すると、その対応する空圧
シリンダ67の作動信号を送る。すると、前記接触リング
64の回転軸心方向が水平方向になるように、ハウジング
61が支軸62中心に揺動され、その接触リング64内を第11
図に示すように送りロッド36の前部ロッドホルダー44、
後部ロッドホルダー45が通過可能とされる。
次に、上記送り装置1の作用を説明する。
まず、送りロッド36のホルダー42に長尺材3を保持させ
るため、第8図に仮想線で示すように枠体6を揺動さ
せ、枠体6の先端を旋盤2の側方に位置させる。しかる
後に、長尺材3を枠体6の先端の通孔31から挿入し、そ
の挿入端をホルダー42に押し込んで把持させる。把持さ
せたなら、枠体6を再度揺動させ、また、必要ならば枠
体6を上下動させ、長尺材3の軸心と旋盤2のチャック
4の中心とが一致するように位置決めする。
次に、ギヤードモータ59により送り体53を回転駆動する
ことで、送りロッド36を前進させる。この際、各ハウジ
ング61は接触リング64の軸心方向が水平方向となる状態
とする。
送りロッド36の前進により長尺材3が旋盤2のチャック
内を通過し、所定の加工位置に達すると、長尺材3をチ
ャック4により握持固定する。そうすると、本実施例で
は、チャック4が長尺材3を握持すると空圧シリンダ67
の制御装置に作動信号が送られ、空圧シリンダ67の作動
により全ハウジング61が支軸62中心に揺動し、接触リン
グ64により長尺材3が支持される。
しかる後に旋盤2によって長尺材3が回転させられつ
つ、長尺材3の最前方加工箇所の切削加工がなされる。
この加工の際の長尺材3の回転の振れ回りは、接触リン
グ64による支持により大幅に低減される。
長尺材3の最前方加工箇所の加工が終了すれば、その後
方の加工箇所の加工のために長尺材3を前進させるた
め、まず、旋盤2のチャック4による長尺材3の握持を
解除する。すると、その解除信号が空圧シリンダ67の制
御装置に送られ、空圧シリンダ67は伸長するように、す
なわち、接触リング64の回転軸方向が水平方向となるよ
うに、ハウジング61が支軸62中心に揺動される。この際
のハウジング61の揺動量は微小量とされ、接触リング64
による長尺材3の支持状態は維持され、接触リング64か
ら長尺材3に作用する力が小さくなるだけのものとされ
る。この支持状態を維持するのは、接触リング64による
長尺材3の支持を解除すると、長尺材3の軸心がずれて
加工精度が低下するため、それを防止するためである。
また、接触リング64から長尺材3に作用する力を小さく
するのは、長尺材3の長手方向移動の際の接触リング64
と長尺材3との間の摩擦を小さくし、その移動を円滑な
ものとするためである。具体的には、空圧シリンダ67は
と圧縮空気をホースを介して供給すれば縮小し、ホース
を介して排出すれば伸長するようになっているので、そ
のホースの一端空圧シリンダ67との連結口と他端の開放
口との双方に開閉弁を設け、空圧シリンダ67との連結口
は開くと共に開放口は閉じることで、そのホース容積分
だけ空圧シリンダ67から圧縮空気を排出し、接触リング
64から長尺材3に作用する力を小さくしている。
次に、ギヤードモータ59を作動させることで送りロッド
36を前進させ、長尺材3の次の加工箇所が旋盤2に対し
所定の加工位置になると、長尺材3をチャック4により
握持固定する。すると、前記同様に空圧シリンダ67の作
動信号が送られ接触リング64により長尺材3が確固とし
て支持され、再び加工が行なわれる。
以上の動作を繰返すことで、長尺材3を長手方向前方に
送り、その前端側から順次加工する。
そして、送りロッド36の前進により、その前部ロッドホ
ルダー44の係合部54の前端がセンサー74により検知され
ると、その検知したセンサー74に対応する空圧シリンダ
67に作動信号が送られ、その空圧シリンダ67に連動する
ハウジング61が支軸62中心に揺動し、接触リング64の回
転軸心方向が水平方向となる。これにより、送りロッド
36は接触リング64と干渉することなく接触リング64内を
通過して前進する。なお、このハウジング61の揺動によ
り、長尺材3の接触リング64による支持が解除され、長
尺材3を支持する接触リング64の数が減少するが、この
解除が行なわれる時点では送りロッド36が前進している
ため、長尺材3の未加工部分の長さは短かくなり、それ
だけ振れ回りも小さくなり問題はない。
そして、長尺材3の加工が終了すれば、チャック4から
長尺材3を取外し、送り体53を逆回転させて送りロッド
36を後退させ、新しい長尺材3の加工のため、上記動作
を繰返す。
なお、上記実施例では送りロッド36はロッド本体39、前
部ロッドホルダー44、後部ロッドホルダー45を有し、前
部ロッドホルダー44、後部ロッドホルダー45を介し案内
体37に支持されるが、前部ロッドホルダー44、後部ロッ
ドホルダー45を備えることなくロッド本体39を直接に案
内体37で案内するようにしてもよく、この場合はその案
内体37に係合部54を設けるようにする。
また、長尺材3は丸材に限らず角材でもよく、この場合
に接触リング64により長尺材3を支持する際は、当て板
72をストッパー軸71に圧接させて振動を抑制するのが好
ましい。
また、送り体53と係合部54とは歯車とラックに限らず、
例えば、送り体53を外周にゴム等を貼った車とし、係合
部54をゴム等の平板とし、摩擦により動力伝達をするよ
うにしてもよい。その送り体53の駆動機構も上記構造に
限定されない。
また、案内体37も上記に限らず、送りロッド36を長手方
向に案内できるものであれば足りる。
また、ハウジング61は空圧シリンダ67に限らず例えばモ
ータを用いたり、あるいは手動で揺動させるようにして
もよい。
(発明の効果) 本発明による回転長尺材の送り装置によれば、前記した
関連技術と同様の効果を奏することで従来技術の問題を
解決できるだけでなく、ハウジングを移動させることな
く送りロッドを送ることができ、構造の簡単化、作業途
中のタイムロスの低減、メンテナンスの容易化、製造コ
ストの低減等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第19図は本発明の実施例に係り、第1図乃至
第6図は、送りロッドの送り体による長手方向移動状態
の変化を順次示す図、第7図は送り装置の全体側面図、
第8図は同平面図、第9図は送り装置の要部の分解斜視
図、第10図は送り装置の前部の側断面図、第11図は同中
間部の側断面図、第12図は同後部の側断面図、第13図及
び第14図は送り装置のそれぞれ異なった位置の正断面
図、第15図は送り装置の中間部の平面図、第16図は送り
ロッドの一部の分解斜視図、第17図乃至第19図は長尺材
の振れ回り防止作用の説明図、第20図及び第21図は従来
の長尺材の振れ回り防止作用の説明図である。 3……長尺材、36……送りロッド、37……案内体、53…
…送り体、54……係合部、61……ハウジング、62……支
軸、64……接触リング。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向軸中心に回転する長尺材(3)を
    保持する送りロッド(36)と、この送りロッド(36)を
    長手方向に案内する案内体(37)とを備え、この案内体
    (37)側に複数の回転駆動される送り体(53)が長手方
    向に離間して設けられ、前記送りロッド(36)側に、前
    記送り体(53)に係脱自在な係合部(54)が設けられ、
    この係合部(54)と前記長手方向に並列する各送り体
    (53)とが順次係脱されることで、送りロッド(36)が
    長手方向に送られ、前記長手方向に相離間した送り体
    (53)の間に配置されるハウジング(61)が複数備えら
    れ、各ハウジング(61)は、長手方向に直角な支軸(6
    2)中心に回転自在とされ、このハウジング(61)に接
    触リング(64)が、その支軸(62)と直交する軸中心に
    回転自在に取付けられ、その接触リング(64)に前記長
    尺材(3)が挿通されると共に、接触リング(64)の内
    周の軸方向一端と他端とにより長尺材(3)の外周が支
    持され、さらに、接触リング(64)内を送りロッド(3
    6)が通過可能とされていることを特徴とする回転長尺
    材の送り装置。
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