JPH07242584A - 新規なフッ素系トリカルボニル化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規なフッ素系トリカルボニル化合物及びその製造方法

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JPH07242584A
JPH07242584A JP3601694A JP3601694A JPH07242584A JP H07242584 A JPH07242584 A JP H07242584A JP 3601694 A JP3601694 A JP 3601694A JP 3601694 A JP3601694 A JP 3601694A JP H07242584 A JPH07242584 A JP H07242584A
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compound
fluorine
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carbon atoms
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JP3601694A
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English (en)
Inventor
Ichiro Kijima
一郎 木島
Takashi Kaimai
貴 開米
Kazuo Yoshida
一雄 吉田
Hitoshi Takahashi
仁 高橋
Katsuyuki Tsuchida
克之 土田
Masashi Kumagai
正志 熊谷
Yukio Ogino
幸男 荻野
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】新規なフッ素系トリカルボニル化合物及びその
製造方法を提供する。 【構成】式(I)で表される新規なフッ素系トリカルボ
ニル化合物。R1 は、水素原子、炭素数1〜4個のアル
キル基又は炭素数1〜4個のフッ素含有アルキル基を示
す。R2 及びR3 は、それぞれ独立して、炭素数が1〜
15の炭化水素基、又は、酸素とフッ素との少なくとも
一方を含有する炭素数1〜15の炭化水素基を示し、R
2 又はR3 が複数の場合これらは同一であっても異なっ
ていてもよく、かつR2 及びR3 のうち少なくとも1つ
は10個以上、31個以下のフッ素原子を有するフッ素
含有炭化水素基である。nは、0〜3の整数を示す。 R1 C〔C(O)R2 n 〔C(O)OR3 3-n (I) 【効果】この化合物は、摩耗防止性能及び摩擦緩和性能
に優れた潤滑油の添加剤等として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフッ素系トリカ
ルボニル化合物及びその製造方法に関するものであり、
この化合物の用途は、例えば、摩耗防止性能及び摩擦緩
和性能に優れた潤滑油の添加剤等として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、潤滑油の基油としては、鉱油、ポ
リ−α−オレフィン、アルキルベンゼン、ポリエーテ
ル、ポリオールエステル等が使用されてきた。また、金
属摺動部分の摩耗を防止するための添加剤としては、リ
ン酸エステル等のリン系化合物、ジベンジルジサルファ
イド等のイオウ化合物、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブ
デン化合物等の有機金属化合物等の極圧剤や、エステ
ル、カルボン酸、アルコ−ル、アミン等の油性剤といわ
れる化合物が知られている。さらに、機械システムの摩
擦を減少させるための潤滑油に対しては、摩擦緩和剤が
添加される。摩擦緩和剤としては、モリブデンカ−バメ
−ト、リン酸エステル等の油溶性の添加剤の他に、フッ
素系樹脂の固体微粒子が用いられている。一方、最近、
各種機器の小型化、軽量化、高速化等の高性能化が図ら
れた結果、アルミニウム合金、銅合金等が多用されるよ
うになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらアルミ
ニウム合金等の軽量の合金からなる摺動部材料に対し
て、上述したような従来の潤滑油用基材と、従来の極圧
剤、油性剤等の添加物とを組み合わせて使用すると、充
分な潤滑性を確保することができず、摺動部材料の摩耗
量が大きくなり、トラブルが発生することがある。この
ように潤滑剤の摩耗防止性能が不充分なことが、機器の
高性能化を図る上で大きなネックになってきており、特
にアルミニウム合金等に対して、より高い摩耗防止性能
を発揮する潤滑油の開発が望まれている。
【0004】フッ素系樹脂の固体微粒子は、表面エネル
ギ−が低く、摩擦低減機能に優れるため、摩擦緩和剤と
しては最適ではある。しかしながら、フッ素系樹脂の固
体微粒子を使用するには、潤滑油中にこの固体微粒子を
均一に分散させて使用しなければならない。このため沈
降などによる粒子の分散安定性の問題、フィルタの目詰
まり等、使用上困難な問題が多い。この結果、フッ素樹
脂微粒子添加による所期の性能を、実際には得ることが
できない。したがって、油溶性のフッ素系添加剤が望ま
れている。
【0005】本発明の課題は、新規なフッ素系トリカル
ボニル化合物を提供することであり、特に、潤滑油の摩
耗防止性能及び摩擦緩和性能を向上させ得る添加剤等と
して有用な化合物を提供することである。特に、軽量化
に伴ない使用が増えているアルミニウム合金等の摩耗防
止性能及び摩擦緩和性能を向上させ得る添加剤等として
有用な化合物を、提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を進めた結果、特定構造のフッ素系トリカルボニル化合
物が、驚くほど高い摩耗防止性能及び摩擦緩和性能を有
していることを見い出し、かかる知見に基づき本発明を
完成した。
【0007】即ち、本発明は、下記の一般式(I)で表
される新規なフッ素系トリカルボニル化合物に係るもの
である。。
【0008】
【化4】 R1 C〔C(O)R2 n 〔C(O)OR3 3-n (I)
【0009】一般式(I)中、R1 は、水素原子、炭素
数1〜4個のアルキル基又は炭素数1〜4個のフッ素含
有アルキル基を示す。R2 及びR3 は、それぞれ独立し
て、炭素数が1〜15個の炭化水素基、又は、酸素とフ
ッ素との少なくとも一方を含有する炭素数1〜15個の
炭化水素基を示し、R2 又はR3 が複数の場合これらは
同一であっても異なっていてもよく、かつR2 及びR3
のうち少なくとも1つは10個以上、31個以下のフッ
素原子を有するフッ素含有炭化水素基である。nは、0
〜3の整数を示す。
【0010】また、本発明に係る製造方法は、下記の一
般式(II)で表されるジカルボニル化合物と、一般式
(III)で表される酸クロリドとを反応させることに
より、前記のフッ素系トリカルボニル化合物を製造する
ことを特徴とする。
【0011】
【化5】 R1 CH〔C(O)R2 x 〔C(O)OR3 2-x (II)
【0012】
【化6】 R4 −Oy ─C(O)Cl (III)
【0013】一般式(II)及び(III)において、
1 は、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基又は炭
素数1〜4個のフッ素含有アルキル基を示す。R2 、R
3 及びR4 は、それぞれ独立して、炭素数が1〜15個
の炭化水素基、又は、酸素とフッ素との少なくとも一方
を含有する炭素数1〜15個の炭化水素基を示し、R 2
又はR3 が複数の場合これらは同一であっても異なって
いてもよく、かつR2、R3 及びR4 のうち少なくとも
1つは10個以上、31個以下のフッ素原子を有するフ
ッ素含有炭化水素基である。nは、0〜3の整数を示
し、xは、0〜2の整数を示し、yは0又は1を示し、
(n−x)は0又は1を示し、(n−x)が1のときy
は0であり、かつ(n−x)が0のときyは1である。
【0014】上記一般式(I)のフッ素系トリカルボニ
ル化合物においては、nが、0〜3の整数であり、一般
式(I)中に現れているケトンの数はn個であり、エス
テルの数は3−nである。従って、前記トリカルボニル
化合物は、nが3のときはトリケトン類であり、nが2
のときはジケトン・モノエステル類であり、nが1のと
きはモノケトン・ジエステル類であり、nが0のときは
トリエステル類である。
【0015】いずれにせよ、1つの炭素原子の周りに、
3個のカルボニル基(C=O)が配置された分子骨格を
有していることが、潤滑性の効果を得る上で重要であ
り、nが、0〜3のいずれの場合であっても、優れた潤
滑性、摩耗防止性能、摩擦緩和性能を得ることができ
る。
【0016】一般式(I)のフッ素系トリカルボニル化
合物において、R1 は、水素原子、炭素数1〜4個のア
ルキル基又は炭素数1〜4個のフッ素含有アルキル基で
ある。ここで、フッ素含有アルキル基とは、アルキル基
の水素原子の全部又は一部が、フッ素原子で置換された
基をいう。アルキル基の炭素数が5以上になると、3個
のカルボニル基(C=O)による金属への吸着の効果が
損なわれるために、化合物の潤滑性、摩耗防止性能、摩
擦緩和性能が低下する。このようにカルボニル基(C=
O)による金属への吸着を阻害しないという観点から
は、R1 を水素原子、メチル基又はエチル基とすること
が好ましく、水素原子又はメチル基とすることが一層好
ましい。これは、フッ素含有アルキル基においても同様
である。
【0017】R2 及びR3 は、それぞれ独立して、炭素
数が1〜15個の炭化水素基、又は、酸素とフッ素との
少なくとも一方を含有する炭素数1〜15個の炭化水素
基を示す。ただし、R2 及びR3 (合計3個となる。)
のうち少なくとも1つは、10個以上、31個以下のフ
ッ素原子を有するフッ素含有炭化水素基である。
【0018】なお、前述のフッ素を含有する炭化水素基
において、すべての水素原子がフッ素で置換されたパー
フルオロ型のものは厳密には狭義の炭化水素基とは言え
ないが、ここでいうフッ素含有炭化水素基は、こうした
炭化水素基のすべての水素原子がフッ素原子によって置
換されているパーフルオロ型のものを含む。
【0019】このように本発明の化合物は、フッ素を含
有することによって、その潤滑性、摩耗防止性能、摩擦
緩和性能が、格段に向上した。しかし、フッ素原子の含
有量が少ないと、潤滑性向上の効果が小さいので、R2
及びR3 のうち少なくとも1つは、フッ素原子を10個
以上含む必要がある。ただし、1つの基に含まれるフッ
素原子の数が31個を越えると、特にフッ素含有炭化水
素基を含有する原料の調達が難しくなり、かつ原料が非
常に高価になるので、好ましくなく、さらに、フッ素系
トリカルボニル化合物が潤滑油に溶解しにくくなるので
好ましくない。1つの基に含まれる炭素数が16個以上
になる場合にも、同様である。
【0020】こうした観点から、1つの基に含まれるフ
ッ素原子の数は、10〜21個とすることが一層好まし
い。また、R2 及びR3 のうち少なくとも1つが、─(
CF 2 )─結合を5個以上有するフッ素含有炭化水素基
であると、一層好ましく、更に─( CF2 )─結合が、
2 又はR3 の末端から連続して存在していると、より
一層好ましい。
【0021】また、フッ素原子が前記した3個の特定の
炭化水素基(R2 、R3 )に分散されている場合は、化
合物の合成が複雑になり、高価となる。フッ素含有炭化
水素基は、経済性や溶解性の点からは、R2 及びR3
うち、1個ないし2個とすることが一層好ましい。
【0022】また、炭素数について見ると、R2 、R3
で示される3個の特定の炭化水素基のうちで、1ないし
2個は、炭素数5個以下であり、残りの2ないし1個
は、炭素数が5個以上であることが好ましい。特に、炭
素数5個以下の炭化水素基又は酸素含有炭化水素基2個
と、炭素数5個以上、15個以下のフッ素含有炭化水素
基1個とを組み合わせることが、潤滑性、摩耗防止性
能、摩擦緩和性能を十分に保持した上で,経済性や溶解
性の点から好ましい。
【0023】次いで、R2 、R3 を構成する炭化水素基
としては、炭素数1〜15個のアルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、又はアラルキル基が好まし
い。こうしたアルキル基、アリール基、アルキルアリー
ル基、又はアラルキル基を例示する。
【0024】アルキル基としては、次のものを例示でき
る。炭素数1〜4:メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、1−メ
チルプロピル基、2−メチルプロピル基、t−ブチル
基。これらは、R1 としても使用できる。
【0025】炭素数5:ペンチル基、1−メチルブチル
基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エ
チルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2
−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、
シクロペンチル基。 炭素数6:ヘキシル基、1−メチ
ルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペン
チル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、
2−エチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,
3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、
1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル
基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチ
ルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、
1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリ
メチルプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル
メチル基、メチルシクロペンチル基。
【0026】炭素数7:ヘプチル基、1−メチルヘキシ
ル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、
4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エ
チルペンチル基、2−エチルペンチル基、2,4−ジメ
チルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1,1
−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、
1−プロピルブチル基、1−イソプロピルブチル基、
1,3,3−トリメチルブチル基、1,1−ジエチルプ
ロピル基、2,2−ジメチル−1−エチルプロピル基、
1,2−ジメチル−1−エチルプロピル基、1−イソプ
ロピル−2−メチルプロピル基、シクロヘプチル基、シ
クロヘキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基。 炭
素数8:オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチ
ルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキ
シル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,
1−ジイソプロピルエチル基、1−エチル−1,2,2
−トリメチルプロピル基、1,5−ジメチルヘキシル
基、3,5−ジメチルヘキシル基、2−プロピルペンチ
ル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1−エチル
−2−メチルペンチル基、2,2−ジメチルヘキシル
基、1,1−ジメチルヘキシル基、シクロヘプチルメチ
ル基、ジメチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘ
キシルメチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオク
チル基、1−シクロヘキシルエチル基、2−シクロヘキ
シルエチル基、エチルシクロヘキシル基。
【0027】炭素数9:ノニル基、1−メチルオクチル
基、5−メチルオクチル基、1−(2’−メチルプロピ
ル)−3−メチルブチル基、3,5,5−トリメチルヘ
キシル基、1,1−ジエチル−2,2−ジメチルプロピ
ル基、3−シクロヘキシルプロピル基、1,1−ジメチ
ルヘプチル基。 炭素数10:デシル基、1−メチルノ
ニル基、1−プロピルヘプチル基、3,7−ジメチルオ
クチル基、2,4,6−トリメチルヘプチル基、4−シ
クロヘキシルブチル基、ブチルシクロヘキシル基、3,
3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル基。 炭素数
11:ウンデシル基、1−メチルデシル基、2−メチル
デシル基、2−エチルノニル基。 炭素数12:ドデシ
ル基、1−メチルウンデシル基、2−メチルウンデシル
基、2−エチルデシル基、1−(2’−メチルプロピ
ル)−3,5−ジメチルヘキシル基。 炭素数13:ト
リデシル基、2,4,6,8−テトラメチルノニル基、
2−メチルドデシル基、2−エチルウンデシル基、1−
(3’−メチルブチル)−6−メチルヘプチル基、1−
(1’−メチルブチル)−4−メチルヘプチル基。炭素
数14:テトラデシル基、1−メチルトリデシル基、2
−メチルトリデシル基、2−エチルドデシル基、2−
(3’−メチルブチル)−7−メチルオクチル基、2−
(1’−メチルブチル)−5−メチルオクチル基。 炭
素数15:ペンタデシル基、1−ヘキシルノニル基、2
−メチルテトラデシル基、2−エチルトリデシル基。
【0028】アリール基、アルキルアリール基として
は、フェニル基、2−又は3−又は4−メチルフェニル
基、2−又は3−又は4−エチルフェニル基、2,3−
又は2,4−又は2,5−又は2,6−又は3,4−又
は3,5−ジメチルフェニル基、2−又は3−又は4−
イソプロピルフェニル基、2−又は3−又は4−プロピ
ルフェニル基、2,3,5−又は2,3,6−又は3,
4,5−トリメチルフェニル基、2−又は3−又は4−
tert−ブチルフェニル基、2−又は3−又は4−s
ec−ブチルフェニル基、4−又は5−イソプロピル−
3−メチルフェニル基、4−tert−アミルフェニル
基、3−又は4−又は5−メチル−2−tert−ブチ
ルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、ナフチル基、
2−メチルナフチル基、2,6−ジイソプロピルフェニ
ル基、4−tert−オクチルフェニル基、2,4−又
は2,6−又は3,5−ジ−tert−ブチルフェニル
基、ジ−sec−ブチルフェニル基、2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェニル基等のアリ−ル基、
アルキルアリ−ル基がある。
【0029】アラルキル基としては、ベンジル基、2−
又は3−又は4−メチルベンジル基、フェネチル基、s
ec−フェネチル基、2,4−又は2,5−又は3,4
−又は3,5−ジメチルベンジル基、4−エチルベンジ
ル基、2−又は3−又は4−メチルフェネチル基、α−
又はβ−メチルフェネチル基、α、α−ジメチルベンジ
ル基、1−又は3−フェニルプロピル基、α−又はβ−
エチルフェネチル基、4−イソプロピルベンジル基、α
−イソプロピルベンジル基、α、α−ジメチルフェネチ
ル基、1−又は3−又は4−フェニルブチル基、α−エ
チル−α−メチルベンジル基、4−ブチルベンジル基、
4−tert−ブチルベンジル基、1,1−ジメチル−
3−フェニルプロピル基、1−又は3−フェニル−2,
2−ジメチルプロピル基、α−プロピルフェネチル基、
5−フェニルペンチル基、ナフチルメチル基、ナフチル
エチル基、6−フェニルヘキシル等のアラルキル基が挙
げられる。
【0030】また、R2 ,R3 を構成する「酸素とフッ
素との少なくとも一方を含有する炭素数1〜15個の炭
化水素基」は、酸素含有炭化水素基、フッ素含有炭化水
素基、酸素及びフッ素含有炭化水素基に大別される。
【0031】酸素含有炭化水素基としては、酸素原子
が、上記に例示した炭化水素基内にエーテル結合、カル
ボニル結合として導入された、エーテル構造、ケトン構
造、エステル構造の酸素含有炭化水素基が好ましい。た
だし、酸素含有炭化水素基とは、R2 ,R3 のうち、C
(O)─又はC(O)O─基と直接結合している末端が
炭素原子である場合をいう。R2 ,R3 が例えば─OC
3 である場合、即ち、R2 ,R3 のうち、C(O)─
又はC(O)O─基と直接結合している末端が酸素原子
である場合には、炭化水素基の範疇には入らない。
【0032】フッ素含有炭化水素基としては、具体的に
例示した前記の炭素数1〜15のアルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、又はアラルキル基などの炭化
水素基内の少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置
換されたフッ素含有炭化水素基が好ましい。
【0033】より好ましくは、パーフルオロエチル基、
パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パー
フルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフ
ルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフル
オロノニル基、パーフルオロデシル基、2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロピル基、2−(パーフルオ
ロブチル)エチル基、2−(パーフルオロヘキシル)エ
チル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基、2−
(パーフルオロデシル)エチル基、6−(パーフルオロ
エチル)ヘキシル基、6−(パーフルオロブチル)ヘキ
シル基、6−(パーフルオロヘキシル)ヘキシル基、6
−(パーフルオロオクチル)ヘキシル基、2−(パーフ
ルオロ−3−メチルブチル)エチル基、2−(パーフル
オロ−5−メチルヘキシル)エチル基、2−(パーフル
オロ−7−メチルオクチル)エチル基、2−(パーフル
オロ−9−メチルデシル)エチル基、6−(パーフルオ
ロ−1−メチルエチル)ヘキシル基、6−(パーフルオ
ロ−3−メチルブチル)ヘキシル基、6−(パーフルオ
ロ−5−メチルヘキシル)ヘキシル基、6−(パーフル
オロ−7−メチルオクチル)ヘキシル基、1H、1H,
5H−オクタフルオロペンチル基、1H、1H,7H−
ドデカフルオロヘプチル基、1H、1H,9H−ヘキサ
デカフルオロノニル基、2,2−ビス(トリフルオロメ
チル)プロピル基、2,2,3,4,4−ヘキサフルオ
ロブチル基、3−パーフルオロヘキシル−2−プロピル
基、3−パーフルオロオクチル−2−プロピル基、6H
- ドデカフルオロヘキシル基、8H- ヘキサデカフルオ
ロオクチル基、10H- エイコサフルオロデシル基、パ
−フルオロフェニル基などが挙げられる。
【0034】また、フッ素及び酸素含有炭化水素基とし
ては、前記の酸素含有炭化水素基内の少なくとも1個の
水素原子がフッ素原子で置換されたフッ素含有炭化水素
基が好ましい。
【0035】より好ましくは、パ−フルオロ‐1,4,
7- トリメチル- 2,5,8- トリオキサウンデシル
基、パ−フルオロ‐1,4- ジメチル- 2,5- ジオキ
サオクチル基、パ−フルオロ−2,5,8- トリメチル
−3,6,9−トリオキサドデシル基、パ−フルオロ−
2,5- ジメチル−3,6−ジオキサノニル基等が好適
である。
【0036】本発明に係る製造方法においては、一般式
(II)で表されるジカルボニル化合物と一般式(II
I)で表される酸クロリドとを反応させることにより、
前記のフッ素系トリカルボニル化合物を製造する。これ
は、マグネシウム存在下で反応させることによって、容
易に製造することができる。一般式(III)で表され
る酸クロリドは、更に、yの値が0の場合には、一般式
(IV)で表される。また、一般式(I)との関係にお
いて、nとxとの差は1である。yの値が1の場合に
は、一般式(V)で表され、nとxとは等しくなる。
【0037】
【化7】 R4 −C(O)Cl (IV) R4 −O─C(O)Cl (V)
【0038】一般式(II)の化合物と一般式(II
I)の化合物との反応の代表例を反応式で示すと、次の
ようになる。
【0039】
【化8】R1 CH〔C(O)R2 〕〔C(O)OR3
(II)+R4 −C(O)Cl(IV)→R1 CH〔C
(O)R2 〕〔C(O)R4 〕〔C(O)OR3 〕 R1 CH〔C(O)R2 〕〔C(O)OR3 〕(II)
+R4 −O─C(O)Cl(V)→R1 CH〔C(O)
2 〕〔C(O)OR4 〕〔C(O)OR3
【0040】一般式(II)、(III)、(IV)及
び(V)において、R1 は、一般式(I)におけるR1
と同じである。また、R2 、R3 及びR4 は、一般式
(I)におけるR2 、R3 と同じである。むろん、化合
物中にR2 が複数存在する場合にはこれらが互いに異な
っていてもよく、R3 についても同様である。
【0041】一般式(II)の化合物においては、x
が、0〜2の整数であり、一般式(I)中に現れている
ケトンの数はx個であり、エステルの数は2−xであ
る。従って、前記化合物は、x=2のときにはジケトン
類であり、x=1のときにはケトエステル類であり、x
=0のときにはジエステル類である。
【0042】一般式(II)の化合物としては、一般式
(I)のR2 、R3 として例示した上記の置換基を有す
るジカルボニル化合物が挙げられ、特に好ましい化合物
を以下に例示する。 ジケトン類(x=2):2,4- ペンタンジオン、2,
2,6,6- テトラメチル- 3,5- ヘプタンジオン、
1,1,1- トリフルオロ- 2,4- ペンタンジオン。
ケトエステル類(x=1):アセト酢酸メチル、アセト
酢酸エチル、アセト酢酸n- ブチル、アセト酢酸t- ブ
チル、プロピオニル酢酸エチル、ブチリル酢酸エチル、
アセト酢酸2- メトキシエチル、i- ブチリル酢酸エチ
ル、3-メトキシプロピオニル酢酸エチル、アセト酢酸
アリル、パーフルオロオクタオニル酢酸メチル、p- フ
ルオロベンゾイル酢酸エチル。
【0043】ジエステル類(x=0):ジメチルマロネ
−ト、ジエチルマロネ−ト、ジプロピルマロネート、ジ
ブチルマロネート、ジベンジルマロネ−ト、これらのマ
ロネートを構成しているアルキル基、ベンジル基中の水
素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換したマロネー
ト等。
【0044】R2 、R3 、R4 のうち少なくとも1つ
は、10個以上、31個以下のフッ素原子を有するフッ
素含有炭化水素基である。このようなフッ素含有炭化水
素基を有する化合物としては、一般式(II)のジカル
ボニル化合物よりも、一般式(III)の酸クロリド、
さらには一般式( IV)の酸クロリドの方が入手し易
く、低コストであるので、こうした酸クロリドを使用す
ることが好ましい。従って、製造上の観点からは、一般
式(I)の化合物は、トリエステル型よりも、モノケト
ン・ジエステル、ジケトン・モノエステル又はトリケト
ン型のものが好ましい。
【0045】すなわちR6 が10個以上、31個以下の
フッ素原子を有するフッ素含有炭化水素基であるよう
な、市販のフッ素系酸クロリドを用いるか、あるいは、
フッ素系カルボン酸と塩化チオニルとをジメチルホルム
アミド存在下で反応させて得たフッ素系酸クロリドなど
を用いればよい。こうしたフッ素系酸クロリドを例示す
る。
【0046】パ−フルオロアセチルクロリド、パ−フル
オロプロピオニルクロリド、パ−フルオロブチリルクロ
リド、パ−フルオロペンタノイルクロリド、パ−フルオ
ロヘキサノイルクロリド、パ−フルオロヘプタノイルク
ロリド、パ−フルオロオクタノイルクロリド、パ−フル
オロノナノイルクロリド、パ−フルオロデカノイルクロ
リド、パ−フルオロウンデセノイルクロリド、3H- テ
トラフルオロプロピオニルクロリド、5H- オクタフル
オロペンタノイルクロリド、7H- ドデカフルオロヘプ
タノイルクロリド、9H- ヘキサデカフルオロノナノイ
ルクロリド等。なお、一般式(II)のジカルボニル化
合物が、既に10個以上、31個以下のフッ素原子を有
する化合物であれば、一般式(I)のR2 、R3 として
例示した炭化水素基、酸素含有炭化水素基を有する酸ク
ロリドを使用できるし、フッ素系酸クロリドを使用する
こともできる。
【0047】上記フッ素含有又は非含有のジカルボニル
化合物(一般式(II))と、フッ素含有又は非含有の
酸クロリド(一般式(III))とを反応させるのに
は、次のようにすることが好ましい。反応溶媒にジカル
ボニル化合物とマグネシウムとを混合して混合溶液を
得、この混合溶液中に酸クロリドを滴下しながら、混合
溶液を攪拌する。酸クロリドを滴下した後、反応を十分
行わせるために、反応溶媒の沸点程度まで昇温し、還流
することが好ましい。反応時間は5分〜24時間程度で
十分である。マグネシウムは、酸化物、水酸化物、塩化
物、アルコキシド、単体いずれの形態でも使用できる。
反応溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジ
クロロメタン、アセトニトリル等が好適である。また、
この反応は、水分を嫌うので、気相から水分が混入しな
いように、乾燥した窒素、アルゴン等の水分を含まない
気体の雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0048】反応させた後、反応混合物を冷却し、濾過
して未反応のマグネシウムや固体の副生成物を除去す
る。得られた濾液を加熱し、反応溶媒を留去して反応液
を濃縮し、さらに減圧蒸留により精製し、目的のフッ素
系トリカルボニル化合物を得ることができる。一般式
(I)のフッ素系トリカルボニル化合物は、市販のフッ
素を含有しないトリカルボニル化合物の置換基を、フッ
素含有置換基でエステル交換する方法などによっても、
製造することができる。
【0049】本発明のフッ素系トリカルボニル化合物
は、潤滑油の添加剤として特に有用であり、この化合物
を潤滑油基油に配合した潤滑油組成物は、極めて優れた
摩耗防止性能及び摩擦緩和性能を有する。この場合、フ
ッ素系トリカルボニル化合物の添加量としては、潤滑油
基油とフッ素系トリカルボニル化合物との合計量を10
0重量%としたとき、フッ素系トリカルボニル化合物の
含有量を0.001重量%以上とすることが好ましく、
これにより高い摩耗防止性能及び摩擦緩和性能を発揮す
る。添加量が0.001重量%未満であると、期待する
効果が得られない。
【0050】一方、添加量は15重量%と以下すること
が、経済性の観点から好ましい。これが15重量%を超
えると、添加量を増やしたほど効果の向上がなく、フッ
素化合物は一般的に高価であるので、特に経済性が悪化
する。また、分子内においてフッ素の量が多くなると、
潤滑油基油に対するフッ素系トリカルボニル化合物の溶
解性が低下する傾向にあるので、分子内におけるフッ素
の原子数が多い場合には、この化合物の配合量を少なめ
にすることが好ましい。
【0051】フッ素系トリカルボニル化合物の添加量
は、0.01〜10重量%とすることが更に好ましく、
0.05〜5重量%とすることが一層好ましく、0.0
5〜1重量%とすることが特に好ましい。潤滑油の用
途、用いる基油の種類及びトリカルボニル化合物の種類
などに配慮して、前記の範囲内で添加量を適宜選択すれ
ばよい。また、本発明のフッ素系トリカルボニル化合物
を2種以上組み合わせて使用できることはいうまでもな
い。
【0052】なお、前記の潤滑油基油としては、鉱油、
ポリα−オレフィン類、エステル類、ポリエ−テル類、
フッ素系合成油類(CTFE、PFPE、PTFE)等
の基油を用いることができるので、用途に応じ、必要な
特性を考慮して適宜選択すればよい。
【0053】本発明のフッ素系トリカルボニル化合物を
配合した潤滑油組成物に対しては、必要に応じて、更
に、通常使用されている公知の潤滑油添加剤を添加する
ことができる。こうした潤滑油添加剤としては、酸化防
止剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、摩
耗防止剤、極圧剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、さび
止め剤、消泡剤、乳化剤、抗乳化剤、殺菌剤、着色剤等
がある。これらの各種添加剤の詳細については、例えば
潤滑学会誌15巻6号または桜井俊夫著「石油製品添加
剤」(幸書房)などに記載されている。
【0054】本発明のフッ素系トリカルボニル化合物を
配合した潤滑油は、冷凍機油、ガソリンエンジン油、デ
ィ−ゼルエンジン油、タ−ビン油、ギヤ−油、油圧作動
油、圧縮機油、金属加工油、すべり案内面油、軸受油な
どに利用できる。また、その他グリ−ス等を製造するた
めの潤滑剤としての使用も制限されるものではない。
【0055】なお、本発明のフッ素系トリカルボニル化
合物は、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロ
クロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオ
ロカーボン(HFC)等のフロンに対する溶解性に優れ
るため、ポリオ−ルエステルやポリオキシアルキレング
リコ−ル系基油に添加した冷凍機油として特に好適であ
る。
【0056】
【実施例】
フッ素系トリカルボニル化合物の合成例 (化合物Aの合成例)一般式(II)の化合物としてア
セチルアセトン(CH3 COCH2 COCH 3 )を使用
した。従って、xは2であり、R2 は2つあり、ともに
メチル基である。一般式(III)の化合物として、
(C7 15COCl)を使用した。従って、R4 はC7
15であり、yは0である。
【0057】300mlの四つ口フラスコに、温度計、
還流冷却器及び滴下ロートを取り付けた。アセチルアセ
トン2.0g(0.02mol)、ベンゼン50ml、
マグネシウム0.27g(0.011mol)をフラス
コ中に入れ、この内容物を攪拌しながら、室温で、滴下
ロートより、C7 15COCl 8.6g(0.02m
ol)を徐々に滴下し、溶媒の沸点温度に加熱し、1時
間還流した。反応混合物を室温まで冷却し、反応混合物
を濾過し、未反応のマグネシウム及び固体の副生成物を
除去した。濾液を加熱して溶媒を留去し、濾液を濃縮
し、減圧蒸留(61.0〜64.0°C、1.2mmH
g abs.)によって濾液を精製した。一般式(I)
の化合物である次式の化合物Aが、無色透明な液体とし
て4.4g得られた(収率44.1%)。
【0058】
【化9】 HC〔C(O)CH3 2 〔C(O)C7 15
【0059】この化合物AのR1 、R2 、R3 、n、フ
ッ素の数、CF2 の数を、表1に示す。なお、後述する
各合成例の化合物についても、R1 、R2 、R3 、n、
フッ素の数、CF2 の数を、表1に示す。更に、化合物
Aを、1 H─NMR、13C─NMR、FT─IR、GC
─MSによって確認した。1 H─NMR、13C─NM
R、FT─IRの結果を、それぞれ図1、図2、図3に
示す。また、GC─MSの結果は、496(M+ )であ
った。
【0060】
【表1】
【0061】化合物Aと同様の方法で、次の各化合物を
製造し、同定した。ただし、一般式(II)及び/又は
一般式(III)の化合物を、各合成例に示すようにそ
れぞれ変更した。また、一般式(II)及び一般式(I
II)の化合物は、等モルを反応に供し、マグネシウム
の量はこのモル数に比例して増減した。
【0062】(化合物Bの合成例)一般式(III)の
化合物として、(C8 17COCl)25.1g(0.
052mol)を使用した。この結果、一般式(I)の
化合物である次式の化合物Bが、淡黄色の透明な液体と
して8.0g得られた(収率28.2%)。
【0063】
【化10】 HC〔C(O)CH3 2 〔C(O)C8 17
【0064】精製のための減圧蒸留は、23.0〜7
5.0°C、1.3mmHgの条件下で行った。1 H─
NMR、13C─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ
図4、図5、図6に示す。また、GC─MSでは、分子
イオンピークは検出されなかったが、C8 17が脱離し
たフラグメントイオンピーク127を検出した。
【0065】(化合物Cの合成例)一般式(II)の化
合物として、アセト酢酸メチル2.3g(0.02mo
l)を使用した。この結果、次式の化合物Cが、無色透
明な液体として4.8g得られた(収率46.5%)。
【0066】
【化11】HC〔C(O)CH3 〕〔C(O)C
7 15〕(COOCH3
【0067】精製のための減圧蒸留は、71.0°C、
1.2mmHgの条件下で行った。 1 H─NMR、13
─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ図7、図8、
図9に示す。また、GC─MSの結果は、512
(M+ )であった。
【0068】(化合物Dの合成例)一般式(II)の化
合物として、アセト酢酸メチル6.0g(0.05mo
l)を使用し、一般式(III)の化合物としてC8
17COCl 25.1g(0.052mol)を使用し
た。この結果、次式の化合物Dが、無色透明な液体とし
て得られた(収率34.6%)。
【0069】
【化12】HC〔C(O)CH3 〕〔C(O)C
8 17〕(COOC2 5
【0070】精製のための減圧蒸留は、87.0〜8
7.5°C、1.2mmHgの条件下で行った。1 H─
NMR、13C─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ
図10、図11、図12に示す。また、GC─MSで
は、分子イオンピークは検出されなかったが、C8 17
基が離脱したフラグメントピーク143を検出した。
【0071】(化合物Eの合成例)一般式(II)の化
合物として、ジメチルマロネート2.6g(0.02m
ol)を使用した。この結果、次式の化合物Eが、無色
透明な液体として4.3g得られた(収率40.7
%)。
【0072】
【化13】 HC〔C(O)C7 15〕(COOCH3 2
【0073】精製のための減圧蒸留は、73.5〜7
5.5°C、1.0mmHgの条件下で行った。1 H─
NMR、13C─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ
図13、図14、図15に示す。また、GC─MSで
は、分子イオンピークは検出されなかったが、C7 15
基が脱離したフラグメントピーク159を検出した。
【0074】(化合物Fの合成例)一般式(II)の化
合物としてジメチルマロネート6.9g(0.052m
ol)を使用し、一般式(III)の化合物としてC8
17COCl 25.1g(0.052mol)を使用
した。この結果、次式の化合物Fが、白色固体として
5.9g得られた(収率19.7%)。
【0075】
【化14】 HC〔C(O)C8 17〕(COOCH3 2
【0076】精製のための減圧蒸留は、89.5〜9
1.0°C、1.3mmHgの条件下で行った。1 H─
NMR、13C─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ
図16、図17、図18に示す。また、GC─MSで
は、分子イオンピークは検出されなかったが、C8 17
基が離脱したフラグメントピーク159を検出した。
【0077】(化合物Gの合成例)一般式(II)の化
合物としてアセト酢酸エチル6.3g(0.049mo
l)を使用した。この結果、次式の化合物Gが、黄色透
明な液体として15.8g得られた(収率61.6
%)。
【0078】
【化15】HC〔C(O)CH3 〕〔C(O)C
7 15〕(COOC2 5
【0079】精製のための減圧蒸留は、58.0〜6
2.0°C、0.4mmHgの条件下で行った。1 H─
NMR、13C─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ
図19、図20、図21に示す。
【0080】(化合物Hの合成例)一般式(II)の化
合物としてアセト酢酸エチル2.6g(0.02mo
l)を使用し、一般式(III)の化合物としてH(C
2 8 COCl 9.3g(0.02mol)を使用
した。この結果、次式の化合物Hが、無色透明な液体と
して1.6g得られた(収率14.0%)。
【0081】
【化16】HC〔C(O)CH3 〕〔C(O)(C
2 8 H〕(COOC2 5
【0082】精製のための減圧蒸留は、82.3〜8
6.0°C、0.8mmHgの条件下で行った。1 H─
NMR、13C─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ
図22、図23、図24に示す。また、GC─MSで
は、分子イオンピークは検出されなかったが、エトキシ
基が離脱したフラグメントピーク513と、H(C
2 8 CO基が離脱したフラグメントピーク157を
検出した。
【0083】(化合物Iの合成例)一般式(II)の化
合物として2,2,6,6─テトラメチル─3,5─ヘ
プタンジオン8.5g(0.046mol)を使用し、
一般式(III)の化合物としてC7 15COCl 2
0.0g(0.046mol)を使用した。この結果、
次式の化合物Iが、無色透明な液体として1.9g得ら
れた(収率7.1%)。
【0084】
【化17】HC〔C(O)C(CH3 3 2 〔C
(O)C7 15
【0085】精製のための減圧蒸留は、63.2〜7
1.0°C、0.4mmHgの条件下で行った。1 H─
NMR、13C─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ
図25、図26、図27に示す。また、GC─MSで
は、分子イオンピークは検出されなかったが、C7 15
基が離脱したフラグメントピーク211を検出した。
【0086】(化合物Jの合成例)一般式(II)の化
合物としてエチル─2─メチルアセトアセテート3.3
g(0.023mol)を使用し、一般式(III)の
化合物としてC7 15COCl 10.0g(0.02
3mol)を使用した。この結果、次式の化合物Jが、
無色透明な液体として2.7g得られた(収率21.7
%)。
【0087】
【化18】CH3 C〔C(O)CH3 〕〔C(O)C7
15〕(COOC2 5
【0088】精製のための減圧蒸留は、75.2°C、
0.9mmHgの条件下で行った。更に1 H─NMR、
13C─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ図28、
図29、図30に示す。
【0089】(化合物Kの合成例)一般式(II)の化
合物としてエチルブチルアセテート5.5g(0.03
5mol)を使用し、一般式(III)の化合物として
7 15COCl 15.0g(0.035mol)を
使用した。この結果、次式の化合物Kが、無色透明な液
体として10.1g得られた(収率52.4%)。
【0090】
【化19】HC〔C(O)C3 7 〕〔C(O)C7
15〕(COOC2 5
【0091】化合物Kの沸点は69.0〜71.0°C
であった(圧力:0.4mmHg)。更に1 H─NM
R、13C─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ図3
1、図32、図33に示す。また、GC─MSでは、分
子イオンピークは検出されなかったが、C7 15基が離
脱したフラグメントピーク185を検出した。
【0092】(化合物Lの合成例)一般式(II)の化
合物として2─メトキシエチルアセトアセテート4.4
g(0.027mol)を使用し、一般式(III)の
化合物としてC7 15COCl 11.0g(0.02
7mol)を使用した。この結果、次式の化合物Lが、
無色透明な液体として2.8g得られた(収率18.6
%)。
【0093】
【化20】HC〔C(O)CH3 〕〔C(O)C
7 15〕(COOCH2 CH2 OCH3
【0094】精製のための減圧蒸留は、83.0〜8
4.0°C、0.6mmHgの条件下で行った。更に1
H─NMR、13C─NMR、FT─IRの結果を、それ
ぞれ図34、図35、図36に示す。また、GC─MS
では、分子イオンピークは検出されなかったが、C7
15基が離脱したフラグメントピーク187を検出した。
【0095】(化合物Mの合成例)一般式(II)の化
合物としてアセト酢酸メチル1.7g(0.015mo
l)を使用し、一般式(III)の化合物としてF〔C
F(CF3 )CF2 O〕3CF(CF3 )COCl 1
0.0g(0.015mol)を使用した。この結果、
次式の化合物Mが、淡黄色透明な液体として5.8g得
られた(収率51.5%)。
【0096】
【化21】 HC〔C(O)CH3 〕〔C(O)CF(CF3 ) 〔OCF2 CF(CF3 )〕3 F〕(COOCH3
【0097】精製のための減圧蒸留は、64.0〜6
7.5°C、0.6mmHgの条件下で行った。更に1
H─NMR、13C─NMR、FT─IRの結果を、それ
ぞれ図37、図38、図39に示す。また、GC─MS
の結果は、760(M+ )であった。
【0098】(化合物Nの合成例)一般式(II)の化
合物としてアリルアセトアセテート3.3g(0.02
3mol)を使用し、一般式(III)の化合物として
7 15COCl 10.0g(0.023mol)を
使用した。この結果、次式の化合物Nが、無色透明な液
体として6.5g得られた(収率52.5%)。
【0099】
【化22】HC〔C(O)CH3 〕〔C(O)C
7 15〕(COOCH2 CH=CH2
【0100】精製のための減圧蒸留は、62.5°C、
0.4mmHgの条件下で行った。更に1 H─NMR、
13C─NMR、FT─IRの結果を、それぞれ図40、
図41、図42に示す。
【0101】(化合物Oの合成例)一般式(II)の化
合物としてジエチルマロネート5.6g(0.035m
ol)を使用し、一般式(III)の化合物としてC7
15COCl 15.0g(0.035mol)を使用
した。この結果、次式の化合物Oが、無色透明な液体と
して6.5g得られた(収率33.7%)。
【0102】
【化23】 HC〔C(O)C7 15〕(COOC2 5 2
【0103】精製のための減圧蒸留は、75.2〜7
6.8°C、0.8mmHgの条件下で行った。更に1
H─NMR、13C─NMR、FT─IRの結果を、それ
ぞれ図43、図44、図45に示す。
【0104】次に、上記の各合成化合物を、潤滑油の添
加剤として評価した。この際、次のフッ素を含有しない
トリカルボニル化合物V、W、X、Y、Zも比較例の添
加剤として使用した。化合物Vについては、アルドリッ
チ社から市販されている試薬を使用し、その他の化合物
W〜Zは、合成して使用した。
【0105】
【化24】 化合物V:HC〔C(O)CH3 3 化合物W:HC〔C(O)CH3 2 〔C(O)OC2
5 〕 化合物X:HC〔C(O)CH3 〕〔C(O)C
3 7 〕〔C(O)OC2 5〕 化合物Y:HC〔C(O)CH3 〕〔C(O)C
1735〕〔C(O)OC2 5〕 化合物Z:HC〔C(O)C7 15〕〔C(O)OCH
3 2
【0106】潤滑油基油としては、150ニュートラル
パラフィン系鉱油を使用した。
【0107】前記した各フッ素系トリカルボニル化合物
をそれぞれ潤滑油基油に添加し、摩耗防止性能を評価し
た。また、比較例として、フッ素を含有しないトリカル
ボニル化合物V、W、X、Y、Z、汎用の摩耗防止剤と
してトリクレジルホスフェート(TCP)及びジベンジ
ルジサルファイド(DBDS)、及び汎用の添加剤とし
てラウリルアルコール、オレイン酸及びトリオレイン
を、それぞれ潤滑油基油に添加し、摩耗防止性能を評価
した。なお、潤滑油のみの場合についても、評価した。
これらの評価結果を、表2及び表3に示す。
【0108】ただし、フッ素系トリカルボニル化合物、
比較例のトリカルボニル化合物及び添加剤の添加量は、
基油と各化合物ないしは添加剤との全体の量を100重
量%としたときの、添加剤ないしは各化合物の重量%と
して表示した。
【0109】摩耗防止性能を評価するには、ASTM
D─3233─7に準拠し、ファレックス(Fale
x)摩耗試験によって行った。ファレックス摩耗試験の
テストピースとしては、ピンが鉄(SAE 313
5)、ブロックがアルミニウム合金(JIS AC─4
C)の組み合わせで行い、それぞれの摩耗量(mg)
を、荷重300ポンド、及び500ポンドについて測定
した。更に、温度が上昇した試験終了直前における油の
温度(°C)をも測定した。その他のファレックス摩耗
試験は、次の通りである。
【0110】なじみ回転:回転数=290rpm、荷重
=150ポンド、運転時間=5分、実験開始時の油温=
40°C。 摩耗試験運転条件:回転数=290rpm、荷重=30
0ポンド及び500ポンド、運転時間=30分。
【0111】
【表2】
【0112】
【表3】
【0113】表2、表3から明らかなように、本発明の
フッ素系トリカルボニル化合物を、従来の基油に添加す
ることにより、鉄ピン、アルミニウムブロックの摩耗量
が、他の添加剤の場合と比較して、驚くべく減少してい
た。また、油温の上昇が小さいことから、摩擦緩和性能
が優れていることがうかがえる。
【0114】また、上記したフッ素系トリカルボニル化
合物の摩擦緩和性能を評価するため、化合物Cを前記の
基油に添加した潤滑油について、バウデン・レーベン式
往復動摩擦試験機を使用して、鋼球と平板との摩擦係数
を測定した。比較例として、無添加の基油、及びTCP
を添加した潤滑油についても、摩擦係数を測定した。化
合物C及びTCPの添加量は、基油及び添加剤等の合計
重量を100重量%としたとき、1重量%とした。摩擦
係数を測定するのに際しては、鋼球/鋼板、鋼球/銅
板、鋼球/アルミニウム板の3つの組み合わせについ
て、実施した。表4に試験結果を示す。なお実験条件
は、以下の通りである。
【0115】すべり速度:0.23mm/s ストローク:4.5mm 垂直荷重:3.92N(400g) 最大ヘルツ圧:1.11GPa 温度:25〜30°C 使用した鋼球及び板の材質 鋼球:JIS SUJ−2 鋼板:JIS S45C 銅板:JIS C1100P アルミニウム板:JIS A5052R
【0116】
【表4】
【0117】表4から分かるように、いずれの組み合わ
せについても、本発明のフッ素系トリカルボニル化合物
を添加した場合には、摩擦係数が大幅に減少しており、
顕著な摩擦緩和性能が確認できた。従って、本発明のフ
ッ素系トリカルボニル化合物は、摩擦緩和剤として極め
て有用である。
【0118】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の新規な
フッ素系トリカルボニル化合物は、顕著な潤滑性を示
し、摩耗防止性能、摩擦緩和性能を示すことが分かっ
た。特に、本発明のフッ素系トリカルボニル化合物を潤
滑油基油に添加すると、潤滑油の摩擦緩和性能、摩耗抑
制性能が大幅に向上した。特に、アルミニウム合金等の
軽量合金を使用した場合に、これらの摩耗防止性能等が
極めて顕著に発揮された。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物Aの1 H─NMRによる測定結果を示す
チャートである。
【図2】化合物Aの13C─NMRによる測定結果を示す
チャートである。
【図3】化合物AのFT─IRによる測定結果を示すチ
ャートである。
【図4】化合物Bの1 H─NMRによる測定結果を示す
チャートである。
【図5】化合物Bの13C─NMRによる測定結果を示す
チャートである。
【図6】化合物BのFT─IRによる測定結果を示すチ
ャートである。
【図7】化合物Cの1 H─NMRによる測定結果を示す
チャートである。
【図8】化合物Cの13C─NMRによる測定結果を示す
チャートである。
【図9】化合物CのFT─IRによる測定結果を示すチ
ャートである。
【図10】化合物Dの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図11】化合物Dの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図12】化合物DのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図13】化合物Eの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図14】化合物Eの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図15】化合物EのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図16】化合物Fの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図17】化合物Fの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図18】化合物FのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図19】化合物Gの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図20】化合物Gの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図21】化合物GのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図22】化合物Hの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図23】化合物Hの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図24】化合物HのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図25】化合物Iの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図26】化合物Iの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図27】化合物IのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図28】化合物Jの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図29】化合物Jの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図30】化合物JのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図31】化合物Kの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図32】化合物Kの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図33】化合物KのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図34】化合物Lの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図35】化合物Lの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図36】化合物LのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図37】化合物Mの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図38】化合物Mの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図39】化合物MのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図40】化合物Nの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図41】化合物Nの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図42】化合物NのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
【図43】化合物Oの1 H─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図44】化合物Oの13C─NMRによる測定結果を示
すチャートである。
【図45】化合物OのFT─IRによる測定結果を示す
チャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 仁 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 株式 会社共石製品技術研究所内 (72)発明者 土田 克之 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 株式 会社ジャパンエナジー内 (72)発明者 熊谷 正志 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 株式 会社ジャパンエナジー内 (72)発明者 荻野 幸男 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 株式 会社ジャパンエナジー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I)で表される新規なフッ
    素系トリカルボニル化合物。 【化1】 R1 C〔C(O)R2 n 〔C(O)OR3 3-n (I) (一般式(I)中、R1 は、水素原子、炭素数1〜4個
    のアルキル基又は炭素数1〜4個のフッ素含有アルキル
    基を示す。R2 及びR3 は、それぞれ独立して、炭素数
    が1〜15個の炭化水素基、又は、酸素とフッ素との少
    なくとも一方を含有する炭素数1〜15個の炭化水素基
    を示し、R2 又はR3 が複数の場合これらは同一であっ
    ても異なっていてもよく、かつR2 及びR3 のうち少な
    くとも1つは10個以上、31個以下のフッ素原子を有
    するフッ素含有炭化水素基である。nは、0〜3の整数
    を示す。)
  2. 【請求項2】下記の一般式(II)で表されるジカルボ
    ニル化合物と一般式(III)で表される酸クロリドと
    を反応させることにより、請求項1記載のフッ素系トリ
    カルボニル化合物を製造することを特徴とする、フッ素
    系トリカルボニル化合物の製造方法。 【化2】 R1 CH〔C(O)R2 x 〔C(O)OR3 2-x (II) 【化3】 R4 −Oy ─C(O)Cl (III) (一般式(II)及び(III)において、R1 は、水
    素原子、炭素数1〜4個のアルキル基又は炭素数1〜4
    個のフッ素含有アルキル基を示す。R2 、R3及びR4
    は、それぞれ独立して、炭素数が1〜15個の炭化水素
    基、又は、酸素とフッ素との少なくとも一方を含有する
    炭素数1〜15個の炭化水素基を示し、R2 又はR3
    複数の場合これらは同一であっても異なっていてもよ
    く、かつR 2 、R3 及びR4 のうち少なくとも1つは1
    0個以上、31個以下のフッ素原子を有するフッ素含有
    炭化水素基である。nは、0〜3の整数を示し、xは、
    0〜2の整数を示し、yは0又は1を示し、(n−x)
    は0又は1を示し、(n−x)が1のときyは0であ
    り、かつ(n−x)が0のときyは1である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6413918B1 (en) 1998-04-27 2002-07-02 E. I. Du Pont De Nemours And Company Non-symmetric, partially fluorinated lubricant additives
US6541430B1 (en) 2000-03-24 2003-04-01 E. I. Du Pont De Nemours And Company Fluorinated lubricant additives
JP2007318962A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Jtekt Corp 回転機

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US6764984B2 (en) 2000-03-24 2004-07-20 E. I. Du Pont De Nemours And Company Fluorinated lubricant additives
JP2007318962A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Jtekt Corp 回転機

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