JPH07242535A - 高脂溶性かつ難水溶性薬物の吸収改善経口製剤 - Google Patents

高脂溶性かつ難水溶性薬物の吸収改善経口製剤

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JPH07242535A
JPH07242535A JP3385194A JP3385194A JPH07242535A JP H07242535 A JPH07242535 A JP H07242535A JP 3385194 A JP3385194 A JP 3385194A JP 3385194 A JP3385194 A JP 3385194A JP H07242535 A JPH07242535 A JP H07242535A
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JP
Japan
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drug
oral preparation
propylene glycol
soluble
capsule
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JP3385194A
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▲寛▼治 ▲高▼田
Kanji Takada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はプロピレングリコールおよび吸収促
進剤を含む高脂溶性かつ難水溶性薬物のための経口製剤
に関する。 【構成】 プロピレングリコールおよび少なくとも1種
の他の吸収促進剤を含む、高脂溶性かつ難水溶性薬物の
ための経口製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロピレングリコールお
よび吸収促進剤を含む高脂溶性かつ難水溶性薬物のため
の経口製剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】薬物
が薬効を発揮するためには、薬物が消化液に溶解し、消
化管膜を通り、血液中に入る(吸収)ことが必須の要件
であり、溶解速度および溶解度(以下では、両者をあわ
せて「溶解性」という)が低い場合、吸収される量も速
度も低い。溶解性および吸収性を高める方法としては、
例えば、(1)微粉砕、溶媒和物(水和物)形成、非晶質
固体化、固体分散体化などによる表面積増加の方法、
(2)塩の形成、結晶多形を有する物質を準安定形にする
などの化合物の溶解度を増大する方法、(3)界面活性剤な
どの溶解促進剤または吸収促進剤の添加などが挙げられ
る。 具体的な例として、固体分散化によるニフェジピ
ン固体分散製剤、レニンインヒビター固体分散製剤およ
び吸収促進剤HCO60を添加してオリーブ油性液剤と
したシクロスポリンAカプセル製剤を挙げることができ
るが、バイオアベイラビリティの観点から満足すべき結
果が得られていない。特に、レニンインヒビターについ
ては従来の技術では臨床的に満足し得る吸収改善が得ら
れていない。本発明は脂溶性が高いために水に殆ど溶解
しない薬物全般に対して、経口投与時の吸収を改善する
ものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】プロピレングリコールお
よび少なくとも1種の他の吸収促進剤を含む、高脂溶性
かつ難水溶性薬物のための経口製剤を提供するものであ
る。
【0004】有効成分として本発明の経口製剤中に用い
られる、高脂溶性かつ水に難溶性の薬物としては、化合
物自体を加工する固体分散化、溶媒和物化、塩形成など
によるものではないので、高脂溶性かつ難溶性であるい
かなる薬物をも用いることができる。
【0005】プロピレングリコールが有する機能とし
て、(1)可溶化および(2)吸収促進作用があるので、プロ
ピレングリコールのこれらの性能を引き出し得る経口製
剤を調製した。基剤としてプロピレングリコールを用い
る。プロピレングリコールは単位投与形態中、5〜95
重量%、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは
20〜80重量%含まれる。
【0006】本発明の「吸収促進剤」としては、非イオ
ン性界面活性剤、有機酸およびその誘導体、脂肪酸およ
びそのグセライドを挙げることができ、非イオン性界面
活性剤としては、HCO60(polyoxyethylene hydrog
enated castor oil 60)、スパン系およびツイーン系の
界面活性剤を挙げることができ、有機酸としては、例え
ば、クエン酸およびチオグリコール酸を、脂肪酸のグセ
ライドの代表的な例として、ファーマゾル[(CH2OC
O(CH2)nCH3)3]、脂肪酸としては、炭素数8ない
し15個を有する脂肪酸、例えば、カプリン酸、カプリ
ル酸を挙げることができる。吸収促進剤は、単位投与形
態中、1〜90重量%、好ましくは、2〜70重量%、
より好ましくは、5〜50重量%である。プロピレング
リコールと吸収促進剤の割合は、1:9〜2.5、好ま
しくは、1:1である。
【0007】本発明の経口製剤は、好ましくは、液剤ま
たは半固形剤とする。液剤あるいは半同形剤に調製する
ことによって、薬物の溶出が速やかに起こり投薬後、す
ばやい血中薬物濃度の立ち上がりが期待できる。
【0008】さらに、剤形としての形状、安定性を保つ
ためにゼラチンカプセルの内側を、プロピレングリコー
ルなどの基剤に不溶性である製剤用添加物、例えば、エ
チルセルロース、オドラギットなどで薄くコーティング
する。コーティング層の厚さは、10〜60μm、好ま
しくは20〜50μm、より好ましくは30〜40μm
である。
【0009】さらに、吸収促進作用を極力引き出すため
にカプセルの最外殻に腸溶性コーティング剤、例えば、
酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレート(HP−55)、カルボ
キシメチルエチルセルロース(CMEC)、メチルメタ
クリレートメタクリル酸(Eudragit)などを用いて腸溶
性コーティングを施すことができる。腸溶性コーティン
グ層の厚さは、通常、10〜40μm、好ましくは10
〜30μm、より好ましくは10〜20μmである。
【0010】一般的製造法 (1)カプセルの内面の不溶性物質によるコーティング 市販のゼラチンカプセル#00のキャップとボディを分
離し、口を上にして適当に立てる。不溶性の製剤用高分
子(エチルセルロース(信越化学製(規格7G))、オ
イドラギットなど)を10mg/mlの濃度で塩化メチ
レン:メタノール(4:1)の混液に溶解した液をキャ
ップとボディ内に各々注ぎ込む。デシケーター内に一晩
放置することによりゼラチンカプセルの内側がコーティ
ングされる。
【0011】(2)カプセル内に充填する薬物の調製 薬物100mgを秤り取り、溶剤であるプロピレングリ
コール1mlにて溶解する。吸収促進剤、例えば、HC
O60を加えて溶かし、充填用薬液とする。
【0012】(3)カプセル内に充填時に残るエアーの除
去 ボディに薬液を一杯になるまで入れた後、キャップを
はめる。ボディとキャップを高濃度のエチルセルロース
のりで接着した後、カプセルの一部にドリルで2つ穴を
あけ、残っているエアーの部分に溶剤、例えば、プロピ
レングリコールを入れる。穴をエチルセルロースのりで
閉じる。 キャップにファーマゾルなどの吸収促進剤を40℃位
で溶解して流し込む。固まった後、ボディにかぶせる。
【0013】実施例1 シクロスポリンA(サンド社製)50mgを秤量し、プ
ロピレングリコール0.8ml、HCO60の50mg
を加えて溶解する。市販ゼラチンカプセル00号のキャ
ップをボディの内側を2%の7G規格のエチルセルロー
ス液(塩化メチレン:メタノール=4:1)を入れ、デ
シケーター内にて溶媒を留去することによりエチルセル
ロースコーティングを施す。薬液をこのボディ内に入れ
キャップで封をする。カプセルの頂点部に300μmの
ドリルを用いて穴を2つ開け、HCO60(6%)含有
プロピレングリコールを充填してエアーを除去する。穴
は濃厚エチルセルロースのりにて封じる。
【0014】実施例2 レニンインヒビター(下式、キッセイ社製)の5mg、
HCO60の1mg、酒石酸20mgにプロピレングリ
コールを加えて溶解して1mlとする。この薬液を実施
例1と同様にして、カプセル製剤とする。
【化1】
【0015】実施例3 抗エイズ薬KNl−174またはKN1−272(下
式、日本エナジー社製)の100mgにプロピレングリ
コール0.8ml、HCO60の30mg、クエン酸2
0mgを加えて溶かす。実施例1にて調製したカプセル
のキャップに40℃にて溶融したファーマゾル115の
0.2mgを流し込み、固化する。カプセルのボディー
に薬液を入れた後、キャップをはめる。ボディとキャッ
プをエチルセルロースのりにて結合する。
【化2】
【化3】
【0016】実施例4 免疫抑制剤タクロリムス(フジサワ社製)5mg、HC
O60の5mg、クエン酸5mgにプロピレングリコー
ルを加えて溶解して1mlとする。この薬液を実施例1
と同様にしてカプセル製剤とする。
【0017】薬理学的実験 実施例1および3で調製したカプセル製剤をビーグル犬
に経口投与し、継続的に血採試料を採取する。血採試料
中に含まれている薬物濃度をHPLC法にて測定するこ
とによりカプセル剤からの主薬(シクロスポリンA、抗
エイズ薬)のバイアベイラビリティを比較する。比較対
照製剤としては、各主薬の(シクロスポリンAは50m
g、抗エイズ薬は100mg)粉末を単にゼラチンカプ
セルに充填したカプセル剤を用いた。
【0018】実施例2および4についてはラットを用い
て5mg/kg/mlの投与量で薬液を十二脂腸内に投与
し、その後の血漿中薬物濃度をHPLC法にて測定し
た。対照としてはレニンインヒビターおよびタクロリム
ス5mgを1mlの0.5%CMC液にて懸濁液として
投薬した。実施例2の対照は検出されなかった。図1、
2、3および4にその結果を示す。いずれの薬物におい
ても、粉末を充填したカプセル剤またはCMC懸濁液か
らの主薬のアベイラビリティはきわめて低い。しかし本
発明のカプセル剤または薬液からの主薬の吸収力は著し
く改善されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シクロスポリン含有カプセルをビーグル犬に
投薬した後の血漿中薬物濃度の変化を示す折れ線グラフ
である。
【図2】 レニンインヒビター含有薬液をラットに十二
脂腸内投与した後の血漿中薬物濃度の変化を示す折れ線
グラフである。
【図3】 KNl−272含有カプセルをビーグル犬に
投薬した後の血漿中濃度の変化を示す折れ線グラフであ
る。
【図4】 タクロリムス含有薬液をラットに十二脂腸内
投与した後の血漿中薬物濃度の変化を示す折れ線グラフ
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレングリコールおよび少なくとも
    1種の他の吸収促進剤を含む、高脂溶性かつ難水溶性薬
    物のための経口製剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の経口製剤を含む、内面に
    プロピレングリコール不溶性物質コーティングが施され
    たカプセル。
  3. 【請求項3】 外面に腸溶性物質コーティングが施され
    た、請求項1または2記載のカプセル。
JP3385194A 1994-03-03 1994-03-03 高脂溶性かつ難水溶性薬物の吸収改善経口製剤 Pending JPH07242535A (ja)

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JP3385194A JPH07242535A (ja) 1994-03-03 1994-03-03 高脂溶性かつ難水溶性薬物の吸収改善経口製剤

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0919228A1 (en) * 1996-08-02 1999-06-02 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Capsules for oral preparations and capsule preparations for oral administration

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0919228A1 (en) * 1996-08-02 1999-06-02 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Capsules for oral preparations and capsule preparations for oral administration
EP0919228A4 (en) * 1996-08-02 2001-12-12 Hisamitsu Pharmaceutical Co CAPSULES FOR ORAL PREPARATIONS AND CAPSULE PREPARATIONS FOR ORAL ADMINISTRATION

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