JPH07242426A - ステンレス鋼の硫酸酸洗廃液から高純度硫酸鉄を製造する方法 - Google Patents

ステンレス鋼の硫酸酸洗廃液から高純度硫酸鉄を製造する方法

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JPH07242426A
JPH07242426A JP3503894A JP3503894A JPH07242426A JP H07242426 A JPH07242426 A JP H07242426A JP 3503894 A JP3503894 A JP 3503894A JP 3503894 A JP3503894 A JP 3503894A JP H07242426 A JPH07242426 A JP H07242426A
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sulfuric acid
iron
iron sulfate
stainless steel
liquid
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Masayuki Inoue
雅之 井上
Shuji Handa
周治 半田
Tsutomu Ishita
力 井下
Hironobu Ogami
浩信 大神
Naoki Saruwatari
直樹 猿渡
Takeshi Aoki
健 青木
Koji Nakayama
幸治 中山
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Hamada Heavy Industries Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Hamada Heavy Industries Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス鋼の酸洗処理後の廃液から、コン
パクトな設備による簡単な操業によって、低コストで、
優れた品質の硫酸鉄七水塩を効率よく製造する。 【構成】 ステンレス鋼等を硫酸で酸洗する際に排出さ
れる酸濃度、Fe濃度およびCr等重金属濃度の高い廃
硫酸を金属鉄或は金属鉄を含む粒粉状物を添加し中和し
てCr等の重金属水酸化物を析出せしめて沈降、分離し
たのち、廃硫酸溶液のpHを調整し、次いで、冷却して
硫酸鉄を晶析せしめる高純度硫酸鉄を製造する方法にお
いて、中和処理に先立って廃硫酸を希釈して酸濃度を調
整する。この希釈処理に、硫酸鉄の晶析、分離後の分離
液を循環使用し、さらに、前記のCr等重金属の水酸化
物の析出せしめての沈降、分離を、廃硫酸溶液の溶液中
に凝集剤を添加し重金属水酸化物を凝集せしめた後に行
うこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼の硫酸酸
洗廃液から純度の高い硫酸鉄七水塩を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、ステンレス鋼帯等の表面処
理として硫酸による酸洗が多く採り入れられている。こ
の酸洗廃液には多くのFe、Cr等が硫酸に溶解してお
り、これを利用して磁性鉄粉の原料となる硫酸鉄を回収
するプロセスが提案されている。たとえば特開平3−1
46422号公報には、含クロム硫酸鉄溶液に金属鉄粒
を添加してフリー酸を中和し、さらに、金属鉄粒を添加
して溶液のpHを調整して水酸化クロムを析出分離した
後、この溶液から硫酸鉄を抽出する方法が開示され、ま
た、特開平3−69515号公報には、Cr濃度の高い
廃硫酸を最初拡散透析装置によって処理しフリーの硫酸
(H2 SO4 )を除去してから金属鉄又はミルスケール
を投入し、加熱撹袢により固液間の接触作用を促進(撹
拌)せしめることによってCrを析出させた後得られた
溶液から硫酸鉄を製造する方法が開示されており、何れ
もそれなりに純度の高い硫酸鉄を有効に製造する方法と
して利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、叙上の
ように、ステンレス鋼帯等の硫酸酸洗廃液中には多くの
Fe分が溶解しているのみならず、多くのフリー酸を有
している。
【0004】そのため、上記の特開平3−146422
号公報の場合のように、多くのフリー酸を含有する原液
のまま金属鉄粉等を加えて中和するとこの溶液中の鉄イ
オン濃度は非常に高くなり、硫酸鉄の回収率を低下させ
るのみならず溶液中の鉄イオンは一部水酸化物となって
スラッジ量の増大を招き、それを沈降・脱水するための
設備の過大化に繋がる。また、液中の硫酸鉄の溶解の飽
和温度の上昇を招き、そのため、系内における硫酸鉄析
出防止のために液の操作温度を高くする必要があり、設
備の耐熱性アップや液温を高いレベルに保持するための
設備対策等の増大に繋がり得策ではない。
【0005】この問題を解決するための手段として、上
記特開平3−69515号公報に開示されている拡散透
析装置によって酸分を除去する方法、あるいは、塩基に
よる中和法のように、予めフリー酸を中和してから硫酸
鉄の晶析を行う方法を採用すると、拡散透析装置による
酸分の除去は、硫酸の拡散透析膜効率が低く脱酸率を高
くするには透析膜面積を大きくしなければならず、回収
酸価格からして得策ではない。また、塩基による中和法
は、使用する塩基によっては製品品質に影響し、さらに
は、中和剤のコストが嵩む等の問題があり、実用的では
ない。
【0006】本発明は、上記従来技術における問題を解
決し、コンパクトな設備による簡単な操業によって、低
コストで、優れた品質の硫酸鉄七水塩を効率よく製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステンレス鋼
等を硫酸で酸洗する際に排出される酸濃度、Fe濃度お
よびCr等重金属濃度の高い廃硫酸を金属鉄或は金属鉄
を含む粒粉状物を添加し中和してCr等の重金属水酸化
物を析出せしめて沈降、分離したのち、廃硫酸溶液のp
Hを調整し、次いで、冷却して硫酸鉄を晶析せしめる高
純度硫酸鉄を製造する方法において、中和処理に先立っ
て廃硫酸を希釈して酸濃度を調整する点に特徴がある。
【0008】すなわち、廃硫酸溶液を希釈して酸濃度を
調整したのち、金属鉄或は金属鉄を含む粒粉状物を添加
し酸分を中和してCrのような重金属水酸化物を析出さ
せて沈殿分離した後、溶液を冷却して硫酸鉄を晶析せし
めるものである。
【0009】前記の廃硫酸の希釈を、前記硫酸鉄の晶
析、分離後の分離液を用いて行うこともできる。
【0010】さらに、前記のCr等重金属の水酸化物の
析出せしめての沈降、分離を、廃硫酸溶液の溶液中に凝
集剤を添加し重金属水酸化物を凝集せしめた後に行うこ
ともできる。
【0011】
【作用】本発明は、廃硫酸におけるフリーの硫酸の濃度
を希釈によって、中和処理をスムーズに行うことがで
き、とくに、従来系外に排出して処理しなければならな
かった分離液を使用することによって、処理系として循
環系を形成して処理分離液の完全利用が達成されるばか
りではなく、分離液が保有している鉄分を硫酸鉄製造用
原料として有効に活用できる。
【0012】分離液は5%前後の鉄分(Fe2+)を含ん
でおり、これを希釈用液として使用することで、母液中
のおよそ50%の鉄分を回収できる。今、これを系外で
処理するならば多くの中和剤と中和設備の負荷増とな
る。
【0013】若し、廃硫酸原液のままで鉄粉を投入しフ
リー酸を中和した場合、図2に示すように、母液温度を
上昇させたとしても液中の鉄分濃度が飽和溶解濃度以上
となるため、硫酸鉄の析出が起こり硫酸鉄の生産量低下
となる。
【0014】本発明のように、廃硫酸におけるフリー酸
の濃度調整を行なった場合でも、中和後の鉄分(F
2+)濃度が120g/lを越えると、 H2 SO4 +Fe→FeSO4 +H2 ↑ FeSO4 +2H2 O→Fe(OH)2 ↓+H2 SO42 SO4 +Fe→FeSO4 +H2 ↑ 2FeSO4 +2H2 O+1/202 → 2FeOOH↓+2H2 SO4 の反応が活発になり鉄分(Fe2+)の水酸化物化が進
み、中和用鉄分(鉄粒粉)の消費量増になるだけでな
く、大きな水酸化物分離装置を必要とする。
【0015】一方、中和後の母液中の鉄分(Fe2+)濃
度が90g/lに満たないと、母液中の鉄分(Fe2+
の水酸化物化によるロスはないけれども、エネルギーお
よび設備コストが割高となって得策ではない。従って、
廃硫酸におけるフリー硫酸の濃度調整は、中和後の母液
中の鉄分(Fe2+)濃度が90〜120g/lになるよ
う廃硫酸中のフリー酸濃度を約6%に希釈調整すること
により、系内における硫酸鉄の結晶が析出しない温度維
持を容易に行うことができる。
【0016】
【実施例】図1に本発明を適用したプロセスを示す。以
下に、同図に基づいて具体的な処理態様を説明する。
【0017】同図に示すように、先ず、ステンレス酸洗
いの廃硫酸の希釈を行ったのち、調整槽において、廃硫
酸、硫酸鉄結晶分離工程から発生する分離液および希釈
後の混合液の濃度を比重、導電率あるいはイオン電極に
よる分析のような簡易な手段で測定し、混合比を計算機
制御によって液濃度調整を行う。この際の比重は、例え
ば、1.23に調整する。
【0018】次いで、液濃度調整を行った溶液は、中和
槽において、鉄粉をフィーダによって投入し、撹拌等の
機械的手段によって固液問の接触作用を促進させて H2 SO4 +Fe→FeSO4 +H2 ↑ Cr2 (SO4 3 +5H2 O→H2 SO4 +2Cr(OH)3 Ni(SO4 )+Fe→FeSO4 +Ni なる反応を生ぜしめ、母液中のフリー酸を中和し、C
r、Ni分を分離する。この過程で、母液のpHは4〜
6の範囲内に維持される。pHが4に満たないと加水分
解性が悪化し、Cr水酸化物の分離が困難となる。一
方、pHが6を越えると鉄分の水酸化物(Fe(OH)
3 )化が進行し、鉄分がスラッジとなって鉄分のロスと
なる。
【0019】図2は、この際の廃硫酸原液中のフリー酸
を中和した場合の硫酸鉄の結晶析出温度を示す。同図に
示すように、Fe2+イオン濃度が9.1%の硫酸鉄溶液
の場合には、ほぼ30℃で硫酸鉄の結晶が析出する。中
和槽における母液温度は50〜60℃の範囲内に維持さ
れる。母液温度が50℃に満たないと反応性が低下しま
た、中和槽以降の母液搬送ラインにおける硫酸鉄の析出
を生じ、操業の安定性を損なう。一方、母液温度が60
℃を越えると経済性を損なう。中和槽においては、母液
の鉄分濃度、pH値は下層の方が高い。而して、中和槽
の下層に調整液を注入することによって、中和槽におけ
る溶液のpH値の均一化は容易になる。中和槽における
鉄粒粉投入はpH計とタイマによる自動制御によって行
われる。すなわち、母液のpH値の下限で鉄粒粉の投入
を開始し、タイマによって設定された投入時間、つま
り、母液のpH値が上限となるのに見合う鉄粒粉量だけ
鉄粒粉が投入されるように自動制御される。
【0020】ついで、中和後の母液は、図1のフロー図
に示されるように、液体サイクロンによって未反応鉄粒
を分離し中和槽へ戻し、中和処理を繰り返してその母液
を凝集沈降槽に導く。この凝集沈降槽においては、例え
ば、アニオン系の高分子凝集剤を添加してCr等重金属
の水酸化物および微細なFe2 3 を沈降分離によって
除去する。
【0021】従来、中和後の母液におけるCr等重金属
の水酸化物の除去については、連続式遠心分離機を使用
した例があるが、水酸化物の分離除去が難しく製品品質
の劣化を招き好ましくない。本発明においては、廃硫酸
におけるフリー酸の希釈調整により中和後の液の水酸化
物生成量を抑制し、母液中のスラッジ容積率(SV30
で20〜30%)と低くし、さらに、沈降槽におけるス
ラッジ抜取り量をスラッジレベルで抑制することでCr
等重金属の水酸化物の分離を安定して良好ならしめる。
【0022】さらに、この凝集沈降槽における上澄液は
晶析槽(pH調整タンク)に送給され、そこで硫酸を添
加してpHが2以下、たとえばpHが1となるように調
整する。これは、硫酸鉄七水塩が大気中に放置されると
容易に酸化されるから、母液のpH値をたとえば1に調
整し晶析分離後の硫酸鉄七水塩結晶の酸化を防止するた
めである。さらに、pH値調整後の母液を20℃以下の
温度域、例えば、5℃に冷却して硫酸鉄七水塩を晶析せ
しめる。この際、母液の温度を低くするほど硫酸鉄が多
量に析出するけれども、冷凍機能力を大きくしなければ
ならず電力消費量が多くなり経済的でないので母液の冷
却到達温度を20℃以下の温度とする。次いで、硫酸鉄
七水塩を晶析した母液は結晶分離機に送給され、この結
晶分離機において固液分離され硫酸鉄七水塩の結晶が採
取される。
【0023】固液分離された後の分離液は、分離液タン
クに一旦送られて貯溜され、前記の調整槽での廃硫酸希
釈用液として送給され、希釈用として用いられる以外の
分離液は廃酸処理場へ送られ、Cr6+廃液の還元剤とし
て利用される。
【0024】以下、図1に示すフロー図によってステン
レス鋼洗浄処理廃液を処理した具体的な実施例を示す。
【0025】実施例1 液組成:フリーH2 SO4 =19.3%(重景%、以下
同じ)、Fe=5%、Cr=0.6%、Ni=0.06
%、残部=H2 O、比重=1.36の廃硫酸に硫酸鉄七
水塩の晶析、分離採取後の分離液(比重=1.18)を
混合して調整し、調整液の比重=1.23、フリーH2
SO4 =6.1%、Fe2+=5.4%、Cr=0.18
%、Ni=0.02%とした。この調整液を中和槽へ送
り、綱板のデスケーリング用として用いたショットの使
用済みのもの(鉄粉)を中和剤として投入し撹拌してp
H値自動制御系によってpH値を4.5〜4.9の範囲
にした。
【0026】中和後の液比重:1.28、温度:50〜
60℃であった。 次いで、中和後の液をサイクロンに
送り鉄粉を分級して末反応粗鉄粉を中和槽へ返戻し再利
用した。その後、母液を凝集沈降槽へ導き、凝集剤とし
て(株)片山化学工業研究所製のフロクランA−201
を母液1000l当り20〜30gの割合で注入、撹拌
しCr等重金属の水酸化物および微細な浮遊物を凝集せ
しめ沈降、除去した。沈降処理後の母液は、比重=1.
28、Fe2+=9.1%、Cr=0.001%であっ
た。この母液に溶解鉄酸化防止のために硫酸を添加し、
5℃に冷却して硫酸鉄七水塩を晶析せしめた後、結晶分
離機によって分離、採取した。得られた硫酸鉄七水塩
は、Fe2+=19.3%、Cr<0.001%、Ni=
0.01%と高品位であった。
【0027】この実施例の場合には、硫酸鉄結晶の分離
採取後の分離液を多量に添加し廃硫酸を希釈するように
しているから、鉄粒粉原単位も低く晶析前の工程での母
液温度も50〜60℃と硫酸鉄析出温度に対し余裕があ
り、安定した操業が可能であった。
【0028】実施例2 液組成:フリーH2 SO4 =19.3%、Fe=5%、
Cr=0.6%、Ni=0.06%、残部=H2 O、比
重=1.36の廃硫酸に工業用水(比重=1.0)を混
合して調整し、調整液の比重=1.19、フリーH2
4 =11.6%、Fe2+=3.0%、Cr=0.36
%、Ni=0.036%とした。この調整液を中和槽へ
送り、鋼板のデスケーリング用として用いたショットの
使用済みのもの(鉄粉)を中和剤として投入し撹拌して
pH計とタイマによるpH値自動制御系によってpH値
を4.5〜4.9の範囲にした。中和後の液比重=1.
29、液温=50〜60℃であった。次いで、中和後の
液をサイクロンに送り鉄粉を分級して未反応粗鉄粉を中
和槽へ返戻し再利用した。その後、母液を凝集沈降槽に
導き、凝集剤として前記実施例1におけると同様の
(株)片山化学工業研究所製のフロクランA−201を
母液1000リットル当り20〜30gの割合で注入、
撹拌しCr等重金属の水酸化物および微細な浮遊物を凝
集せしめ沈降、除去した。沈降処理後の母液は、比重=
1.29、Fe2+=10.0%、Cr=0.001%で
あった。この母液に溶解鉄酸化防止のために硫酸を添加
し、5℃に冷却して硫酸鉄七水塩を晶析せしめた後、結
晶分離機によって分離、採取した。得られた硫酸鉄七水
塩は、Fe2+=19.3%、Cr<0.001%、Ni
=0.02%と高品位であった。
【0029】比較例 比較のために、上記実施例における廃硫酸の希釈工程を
行わずに中和する処理を行った。この場合、中和後のF
e濃度が高くこれが水酸化物化してスラッジの発生量が
多い。また晶析前の工程での母液温度を、硫酸鉄の析出
防止の観点から高く保持する必要があるが、硫酸鉄の溶
解度限界温度は約60℃であり、硫酸鉄析出温度との間
に余裕が小さいため温度保持が難しく、硫酸鉄の析出に
起因する詰り等の卜ラブルが発生し易い結果がでた。
【0030】上記各実施例と比較例の各処理工程を要約
して下表に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、次のような大きな効果
を奏する。
【0033】1) 廃硫酸におけるフリー硫酸の濃度を
硫酸鉄結晶の分離採取後の分離液によって希釈して調整
するようにしたから、 (1) 分離液中の鉄分を有効に利用できまた、系内で
の硫酸鉄析出が抑制されるところから生産性が向上す
る。
【0034】(2) 中和後の過剰溶解鉄の水酸化物化
を抑制できるので、 中和のための鉄粒粉原単位を低くすることができる。
【0035】中和後の母液中のCr等重金属の水酸化
物の沈殿分離装置およびスラッジ脱水装置を小型化でき
る。
【0036】(3) 中和後の母液中の溶解鉄濃度が低
いから配管系の保持温度水準を低くでき、操業が容易で
ある。
【0037】2)中和後の液に生成するCr等重金属の
水酸化物の沈降分離が、廃硫酸におけるフリー硫酸の濃
度を硫酸鉄結晶の分離採取後の分離液によって希釈して
調整することならびに凝集剤の添加によって微細な重金
属水酸化物をも捕集することができ、濃縮除去が安定し
てできるために高品位の硫酸鉄七水塩を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の硫酸鉄製造方法を示すフロー図であ
る。
【図2】 Fi+ 溶解濃度と温度の関係を示す図であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】次いで、液濃度調整を行った溶液は、中和
槽において、鉄粉をフィーダによって投入し、撹拌等の
機械的手段によって固液問の接触作用を促進させて H2 SO4 +Fe→FeSO4 +H2 ↑ Cr2 (SO4 3 2 O→2 SO4 +2Cr(OH)3 Ni(SO4 )+Fe→FeSO4 +Ni なる反応を生ぜしめ、母液中のフリー酸を中和し、C
r、Ni分を分離する。この過程で、母液のpHは4〜
6の範囲内に維持される。pHが4に満たないと加水分
解性が悪化し、Cr水酸化物の分離が困難となる。一
方、pHが6を越えると鉄分の水酸化物(Fe(OH)
3 )化が進行し、鉄分がスラッジとなって鉄分のロスと
なる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】実施例1 液組成:フリーH2 SO4 =19.3%(重%、以下
同じ)、Fe=5%、Cr=0.6%、Ni=0.06
%、残部=H2 O、比重=1.36の廃硫酸に硫酸鉄七
水塩の晶析、分離採取後の分離液(比重=1.18)を
混合して調整し、調整液の比重=1.23、フリーH2
SO4 =6.1%、Fe2+=5.4%、Cr=0.18
%、Ni=0.02%とした。この調整液を中和槽へ送
り、綱板のデスケーリング用として用いたショットの使
用済みのもの(鉄粉)を中和剤として投入し撹拌してp
H値自動制御系によってpH値を4.5〜4.9の範囲
にした。
フロントページの続き (72)発明者 井下 力 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 大神 浩信 福岡県北九州市戸畑区牧山一丁目1番36号 濱田重工株式会社内 (72)発明者 猿渡 直樹 福岡県北九州市戸畑区牧山一丁目1番36号 濱田重工株式会社内 (72)発明者 青木 健 山口県光市大字島田3434 新日本製鐵株式 会社光製鐵所構内濱田重工株式会社光支店 内 (72)発明者 中山 幸治 山口県光市大字島田3434 新日本製鐵株式 会社光製鐵所構内濱田重工株式会社光支店 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼等を硫酸で酸洗する際に排
    出される酸濃度、Fe濃度および重金属濃度の高い廃硫
    酸に金属鉄或は金属鉄を含む粒粉状物を添加中和して重
    金属水酸化物を析出せしめた後、溶液のpHを調整し次
    いで、冷却して硫酸鉄を晶析せしめる高純度硫酸鉄を製
    造する方法において、 前記廃硫酸を金属鉄或は金属鉄を含む粒粉状物を添加中
    和するに当たって、廃硫酸を希釈して酸濃度を調整する
    ことを特徴とするステンレス鋼の硫酸酸洗廃液から高純
    度硫酸鉄を製造する方法。
  2. 【請求項2】 廃硫酸の希釈に、硫酸鉄の晶析、分離後
    の分離液を用いることを特徴とする請求項1に記載のス
    テンレス鋼の硫酸酸洗廃液から高純度硫酸鉄を製造する
    方法。
  3. 【請求項3】 金属鉄或は金属鉄を含む粒粉状物の添加
    中和による重金属の水酸化物の析出を、溶液中に凝集剤
    を添加し重金属水酸化物を凝集せしめた後に行う請求項
    1または請求項2に記載のステンレス鋼の硫酸酸洗廃液
    から高純度硫酸鉄を製造する方法。
JP3503894A 1994-03-04 1994-03-04 ステンレス鋼の硫酸酸洗廃液から高純度硫酸鉄を製造する方法 Pending JPH07242426A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003104728A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nittetsu Mining Co Ltd 含鉄硫酸溶液の処理方法
JP6093071B1 (ja) * 2016-05-19 2017-03-08 株式会社スイレイ 排水処理方法

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